(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高炉ガスが上下方向に通される圧力容器と、前記圧力容器に高炉ガスを導入する高炉ガス導入管と、前記圧力容器から集塵された清浄ガスを排出する清浄ガス排出管と、前記圧力容器内に配置される請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の集塵極構造と、前記圧力容器内に上下方向に延びて配置される複数の放電極と、前記集塵極構造の複数の集塵極体を槌打する槌打装置とを備える
ことを特徴とする乾式電気集塵機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の乾式電気集塵器では、集塵極全体が一体形成されているため、平板型集塵極などと比べて剛性が高くなる。このため、槌打装置によって集塵極全体に加振力を加えるのに大きな槌打荷重が必要となり、ダストの払い落としを効率的に行うことが困難である。
【0007】
また、特許文献2に記載の湿式電気集塵機の集塵極は、ハニカム形状とされて集塵曲面の面積が大きくされながらも高剛性であるが、特許文献1に記載の乾式電気集塵器の集塵極として適していない。つまり、特許文献2の集塵極は、金属よりも振動に弱いFRP製であるので、槌打装置によって加振力を加えることに適しておらず、また、集塵極がハニカム形状の一体物であり、特許文献1の集塵極よりも剛性の高い構造となるので、槌打装置によって集塵極全体に加振力を加えるのにさらに大きな槌打荷重が必要となり、ダストの払落しを効率的に行うことが困難である。
【0008】
本発明の目的は、集塵したダストを効率的に払い落とすことができる集塵極構造、乾式電気集塵機および乾式電気集塵設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の集塵極構造は、高炉ガスを上下方向に通して集塵する乾式電気集塵機の集塵極構造であって、水平方向に並設される複数の集塵極体を備え、前記複数の集塵極体には、両縦縁側に位置する支持部と、前記支持部よりも下側に位置する槌打部と、上下方向に延びた複数の筒部とがそれぞれ設けられ、前記複数の集塵極体は、上下方向および並設方向に直交する方向に相対変位可能に配置されることを特徴とする。
【0010】
本発明の集塵極構造によれば、複数の筒部に放電極を通すことで電気集塵可能な構成にできる。そのうえ、集塵極構造全体に対する大きな槌打荷重は必要がなく、槌打装置によって各集塵極体の槌打部に加振力を加えることで各集塵極体で集塵した塵を払い落とすことができ、槌打荷重を小さくできる。しかも、複数の集塵極体が互いに相対変位可能に並設されるので、複数の集塵極体におけるダストの払い落としを別個独立に且つ同時に行うことができる。
このように、集塵極構造によって集塵したダストを効率的に払い落すことができる。
【0011】
本発明の集塵極構造では、前記複数の集塵極体のうちの第一集塵極体の前記筒部は、前記複数の集塵極体のうちの第二集塵極体の前記筒部に対向配置され、前記第一集塵極体の前記筒部と前記第二集塵極体の前記筒部との間には、間隙が設けられることが好ましい。
このような構成によれば、槌打装置によって第一集塵極体および第二集塵極体のうちの一方が他方に対して相対変位しても、第一集塵極体の筒部と第二集塵極体の筒部との間に間隙が設けられているので、第一集塵極体および第二集塵極体が互いに干渉することをなくすことができ、第一集塵極体および第二集塵極体で集塵したダストを適切に払い落とすことができる。
【0012】
本発明の集塵極構造では、前記第一集塵極体および前記第二集塵極体は、前記間隙に位置するラビリンスシール構造を形成することが好ましい。
このような構成によれば、圧力容器内の高炉ガスが第一集塵極体の筒部と第二集塵極体の筒部との間隙を通り抜けることを抑制でき、集塵効率の低下を防止できる。
【0013】
本発明の集塵極構造では、前記複数の筒部は、前記集塵極体に沿った方向に間隔を隔てて配置され、前記複数の筒部は断面六角形状に形成されることが好ましい。
このような構成によれば、各筒部を断面六角形状に形成するとともに、集塵極体に沿った方向における各筒部間にも断面略六角形状の集塵極を構成できる。これにより、各筒部内に放電極を配置するだけでなく、複数の集塵極体間に構成される集塵極の内部にも放電極を配置でき、集塵極構造をコンパクトに構成しつつ集塵面積を大きくでき、集塵効率を向上できる。
【0014】
本発明の集塵極構造では、前記複数の集塵極体は、平板部および凹部を有する鋼板同士を、前記凹部が向かい合って前記筒部を形成するように逆向きに固定しかつ連ねることによってそれぞれ形成されることが好ましい。
このような構成によれば、一般に流通する幅寸法1200mm程度の鋼板(若しくは1200mmよりも小さい幅寸法の鋼板)によって複数の集塵極体を形成できる。つまり、前述した各鋼板を曲げ加工して凹部を形成し、各鋼板を前述したように互いに逆向き固定して連ねることによって各集塵極体を形成できる。これにより、集塵極体を形成するための鋼板を簡単に準備でき、また、特殊鋼板を採用することがないので製作コストを抑制できる。
【0015】
本発明の集塵極構造では、前記鋼板同士は、互いに締付け固定されることが好ましい。
このような構成によれば、例えば鋼板同士を溶接によって固定する場合と比べて、リベット、ボルト等により締付け固定とすることで製作時の固定部分の変形を大きく減少できる。このため、薄肉の鋼板を採用しても変形をほとんど生じることなく前述した固定を行うことができる。また、薄肉の鋼板の採用によって槌打装置による加振力に基づいて各集塵極体を容易に振動させることができ、ダストを効率的に払い落とすことができる。また、集塵極構造を軽量化できる。
【0016】
本発明の集塵極構造では、前記支持部は、前記複数の集塵極体のそれぞれの最上部に位置することが好ましい。
このような構成によれば、乾式電気集塵機の圧力容器などに支持される支持部を除く集塵極構造の部分が、当該支持部よりも下側に位置することとなる。このため、小さな槌打荷重であっても集塵極構造を効率よく振動させてダストを払い落とすことができる。
【0017】
本発明の集塵極構造では、前記槌打部は、前記複数の集塵極体のそれぞれの最下部に位置することが好ましい。
このような構成によれば、支持部から槌打部までの上下方向における距離を長くでき、小さな槌打荷重であっても集塵極構造を効率よく振動させてダストを払い落とすことができる。
【0018】
本発明の乾式電気集塵機は、高炉ガスが上下方向に通される圧力容器と、前記圧力容器に高炉ガスを導入する高炉ガス導入管と、前記圧力容器から集塵された清浄ガスを排出する清浄ガス排出管と、前記圧力容器内に配置される前述した本発明の集塵極構造と、前記圧力容器内に上下方向に延びて配置される複数の放電極と、前記集塵極構造の複数の集塵極体を槌打する槌打装置とを備えることを特徴とする。
本発明の乾式電気集塵機によれば、前述した本発明の集塵極構造の作用効果と同様の作用効果を発揮可能な乾式電気集塵機を構成できる。
【0019】
本発明の乾式電気集塵機では、前記複数の集塵極体の複数の筒部は、前記集塵極体に沿った方向に間隔を隔てて配置され、前記複数の集塵極体間には集塵極が構成され、前記放電極は、前記各筒部の断面における中心および前記複数の集塵極体間に構成される集塵極の断面における中心に上下方向に延びて配置されることが好ましい。
このような構成によれば、放電極を各筒部の断面における中心および複数の集塵極体間の集塵極の断面における中心に上下方向に延びて配置することで、放電極と集塵極構造との電位差に基づくコロナ放電によって各集塵極にダストを効率よく付着できる。
【0020】
本発明の乾式電気集塵機では、前記複数の集塵極体は、平板部および凹部を有する鋼板同士を、前記凹部が向かい合って前記筒部を形成するように逆向きに固定しかつ連ねることによってそれぞれ形成され、前記各鋼板同士の固定部分は、前記放電極および前記集塵極構造によるコロナ放電に基づくコロナ円の範囲外に位置することが好ましい。
このような構成によれば、各鋼板同士の固定部分は、放電極と集塵極構造との電位差に基づくコロナ放電によって発生するコロナ円の範囲外に位置するので、放電極からのスパークの発生を抑制でき、集塵効率の低下を防止できる。
【0021】
本発明の乾式電気集塵機では、前記槌打装置は、前記複数の集塵極体の両縦縁側にそれぞれ配置されることが好ましい。
このような構成によれば、例えば、複数の集塵極体の一方の縦縁側に配置される槌打装置だけで槌打する場合と比べ、複数の集塵極体の両縦縁側に配置された槌打装置によって当該両縦縁側から交互に槌打することで、第一集塵極体および第二集塵極体のそれぞれに対して広範囲に加振力を加えることができる。
【0022】
本発明の乾式電気集塵機では、前記槌打装置は、前記槌打部を槌打する槌打軸と、前記槌打軸を槌打駆動する駆動機とを備え、前記槌打軸は、前記圧力容器に進退可能に貫通し、前記駆動機は、前記圧力容器外に配置されることが好ましい。
このような構成によれば、圧力容器に槌打軸を貫通させて駆動機を圧力容器外に配置することで、圧力容器内に槌打装置を配置する場合と比べ、圧力容器を小型化でき、また、槌打装置の点検・メンテナンス性を向上できる。
【0023】
本発明の乾式電気集塵機では、前記槌打軸の周囲には、前記圧力容器内外の貫通をシールするシール構造が形成され、前記シール構造は、前記圧力容器に固定される固定部材と、前記槌打軸に固定される可動部材と、前記槌打軸を覆って前記固定部材および前記可動部材間に配置される伸縮可能なシール部材とを備えることが好ましい。
このような構成によれば、圧力容器に槌打軸を貫通させても、前述したシール構造によって圧力容器内外の貫通をシールすることができ、圧力容器を通る高炉ガスが槌打軸の貫通部分から外部に漏れることを抑制できる。
【0024】
本発明の乾式電気集塵機では、前記複数の放電極は、振れ止め枠によって互いにつながれ、前記振れ止め枠を槌打する放電極槌打装置をさらに備え、前記放電極槌打装置は、前記槌打部を槌打する槌打軸と、前記槌打軸を槌打駆動する駆動機とを備え、前記槌打軸は、前記圧力容器に進退可能に貫通し、前記駆動機は、前記圧力容器外に配置されることが好ましい。
このような構成によれば、放電極槌打装置によって各放電極を振れ止め枠を介して槌打することで、各放電極に付着したダストを効率的に払い落とすことができる。また、放電極槌打装置の駆動機が圧力容器外に配置されることで、圧力容器内に放電極槌打装置を配置する場合と比べ、圧力容器を小型化でき、また、放電極槌打装置の点検・メンテナンス性を向上できる。
【0025】
本発明の乾式電気集塵機では、前記清浄ガスを前記圧力容器の上部から下部に通す逆洗構造を備えることが好ましい。
このような構成によれば、槌打装置によって槌打部を槌打し、各集塵極体に集塵したダストを払い落す際に、逆洗構造によって清浄ガスを圧力容器の上部から下部に通すことで、ダストが舞い上がることを防止でき、圧力容器内の塵除去時間を短縮でき、塵除去時間の短縮分を集塵時間に割り当てることができ、乾式電気集塵機による集塵効率を向上できる。
【0026】
本発明の乾式集塵設備は、前述した本発明の乾式電気集塵機を複数備える乾式電気集塵設備であって、前記逆洗構造は、前記清浄ガス排出管および前記複数の乾式電気集塵機の各圧力容器の上部に接続される清浄ガス導入管と、前記清浄ガス排出管を通る清浄ガスを前記清浄ガス導入管に供給する逆洗ファンと、前記複数の乾式電気集塵機の各圧力容器の下部に接続される集塵ガス排出管とを備え、前記高炉ガス導入管、前記清浄ガス排出管、前記清浄ガス導入管および前記集塵ガス排出管には、前記複数の乾式電気集塵機の各々に対して開閉可能な開閉弁が設けられることを特徴とする。
【0027】
本発明の乾式電気集塵設備によれば、乾式電気集塵設備の集塵稼働を停止することなく、複数の乾式電気集塵機の少なくとも一つの圧力容器内に清浄ガスを送り込むことができる。
具体的には、少なくとも一つの乾式電気集塵機に接続される高炉ガス導入管および清浄ガス排出管の各開閉弁を閉じ、当該乾式電気集塵機に接続される清浄ガス導入管および集塵ガス排出管の各開閉弁を開く。そして、当該乾式電気集塵機を除く複数の乾式電気集塵機から清浄ガス排出管に送られる清浄ガスを、逆洗ファンによって清浄ガス導入管を通じて圧力容器の上部に送り込む。
なお、圧力容器内に送り込まれた清浄ガスは、槌打装置によって槌打される各集塵極体から払い落とされるダストととともに集塵ガス排出管または隣接する集塵稼働中の塔内に送られる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、集塵したダストを効率的に払い落とすことができる集塵極構造、乾式電気集塵機および乾式電気集塵設備を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1において、高炉2の炉頂から排出された高炉ガスを利用するために炉頂圧力回収発電装置4(TRT)が設置されており、高炉2からTRT4に送られる高炉ガスを集塵するために、本実施形態に係る乾式電気集塵設備10が高炉2とTRT4との間に介在されている。乾式電気集塵設備10は、その上流側において粗塵を除塵する除塵機3を介して高炉2に接続されており、その下流側において高炉2にTRT4に接続されている。
なお、
図6は、
図2に示す仮想枠線F6内の拡大図であり、
図7は、
図6に示す仮想枠線F7内の拡大図であり、
図8は、
図7に示す仮想枠線F8内を縦断面として示す縦断面図である。
【0031】
乾式電気集塵設備10は、乾式電気集塵機10A〜10Eによって構成される。乾式電気集塵機10A〜10Eは、互いに同様に構成され、逆洗構造5を共用している。以下、主に乾式電気集塵機10Aについて説明し、乾式電気集塵機10B〜10Eについては説明を省略する。
【0032】
図1〜
図11に示すように、乾式電気集塵機10Aは、高炉ガス導入管11および清浄ガス排出管12(
図1参照)と、圧力容器13と、集塵極構造14と、放電極15と、槌打装置16(
図9参照)と、放電極槌打装置17(
図9参照)とを備える。
【0033】
高炉ガス導入管11は、乾式電気集塵機10A〜10Eに共用されており、乾式電気集塵機10A〜10Eのそれぞれに対応して開閉弁111A〜111Eが設けられている。
高炉ガス導入管11は、除塵機3を各圧力容器13の下部につなげている。
【0034】
清浄ガス排出管12は、乾式電気集塵機10A〜10Eに共用されており、乾式電気集塵機10A〜10Eのそれぞれに対応して開閉弁121A〜121Eが設けられている。
清浄ガス排出管12は、圧力容器13の上部をTRT4につなげている。
【0035】
圧力容器13は、
図2、
図9に示すように略円筒形状に形成され、且つ上下端が閉塞されている。圧力容器13は、その内周上部が拡径されて段部131(
図3参照)が形成されており、この段部131には後述する支持棒231が当接する。本実施形態では、圧力容器13は、高さ寸法が6mであり、径寸法が6mである。
また、圧力容器13の下部には、後述する各槌打軸161が貫通する複数の貫通孔132(
図9参照)と、各貫通孔132の周囲部分から外部に延出する外筒部133とが形成されている。
【0036】
集塵極構造14は、
図2に示すように、圧力容器13の内部に配置された複数の集塵極体20(20A〜20M)を備え、集塵極体20A〜20Mが水平方向に並設されて構成される。
本実施形態では、複数の集塵極体20のうち集塵極体20A,20C,20E,20G,20I,20K,20Mが第一集塵極体であり、複数の集塵極体20のうち集塵極体20B,20D,20F,20H,20J,20Lが第二集塵極体である。
【0037】
複数の集塵極体20の基本構成は同じであるが、各両縦縁部は圧力容器13の内周に沿う形状に適宜加工される。以下、主に集塵極体20Gについて説明し、集塵極体20A〜20F,20H〜20Mの説明を省略する。
集塵極体20Gは、
図3〜
図5に示すように、平板部211および凹部212を有する鋼板21同士を、当該凹部212が向かい合って筒部22を形成するように逆向きに固定しかつ上下方向および並設方向に直交する方向に連ねてそれぞれ形成される。各鋼板21は、平板状の鋼板にプレス加工やロール加工を行って凹部212を形成したものである。各鋼板21同士は、ビスやリベットなどによって互いに締付け固定される。各鋼板21同士の固定部分は、集塵極体20Gに沿って水平方向に一定のピッチ間隔を隔てて位置するとともに、
図6に示すように集塵極構造14および放電極15によるコロナ放電に基づくコロナ円30の範囲外に位置する。
各鋼板21同士の固定部分には、
図5に示すように鋼板等のカバー26を設けられており、このカバー26を設けることで電界バランスの安定性のさらなる向上を図っている。
鋼板21同士を逆向きに固定することで、凹部212同士が逆向きに対向配置され、上下方向に延びる複数の筒部22が形成される。
複数の筒部22は、断面六角形状であり、集塵極体20Gに沿って水平方向に一定間隔を隔てて位置し、平板部211は複数の筒部22間にそれぞれ位置する。
なお、
図5では、筒部22を通るガス流れ方向Aを示す。
【0038】
図3に示すように、集塵極体20Gの両縦縁部のうち最上部には支持部23がそれぞれ設けられる。
各支持部23は、集塵極体20Gに沿って水平方向に突出しており、支持棒231を介して圧力容器13の段部131に支持される。各支持部23が圧力容器13に支持されることで、集塵極体20Gは圧力容器13内に吊り下げられた状態となる。
【0039】
集塵極体20Gの両縦縁部のうち最下部には、槌打部24がそれぞれ設けられる。
各槌打部24は、集塵極体20Gに沿って水平方向に突出した突部を有しており、当該突部が槌打装置16によって槌打される構成とされている。
【0040】
集塵極体20A〜20Mの各筒部22は並設方向に沿って対向配置されており、各筒部22間には、
図6,
図7に示すように、20mm程度の間隙25が設けられる。
また、並設方向に隣り合う筒部22には、
図8に示すように、間隙25に位置する延出片221が上下方向に互い違いに入り組んで設けられることによってラビリンスシール構造が形成されている。
【0041】
集塵極体20A〜20Mのうち水平方向に最も長く形成されるものは、圧力容器13の断面における中心位置を通る集塵極体20Gであり、集塵極体20A〜20Fは、集塵極体20Fから集塵極体20Aに向かって徐々に短く形成され、集塵極体20H〜20Mは、集塵極体20Hから集塵極体20Mに向かって徐々に短く形成される。
集塵極体20A〜20M間であって各筒部22間の位置には、断面略六角形状の集塵極が構成される。
前述したように集塵極体20A〜20Mによって構成される集塵極構造14は、本実施形態ではハニカム形状となっている。
集塵極体20A〜20Mは、それぞれが非接触で配置され、かつ前述した各支持部23で圧力容器13に支持されて吊下げられた状態であるので、それぞれ互いに集塵極体20に沿って水平方向(上下方向および並設方向に直交する方向)に相対変位可能である。
【0042】
放電極15は、
図2,
図6に示すように、40mm程度の径を有する放電線が上下方向に延びて複数形成され、集塵極体20A〜20Mの各筒部22の内部と集塵極体20A〜20M間であって集塵極体20に沿った方向における各筒部22間に構成される各集塵極の内部とにそれぞれ配置される。
各放電極15は、各筒部22の断面における中心および集塵極体20A〜20M間に構成される各集塵極の断面における中心に上下方向に延びて位置する。
図10,
図11に示すように、各放電極15の下端には錘18が取り付けられる。また、各放電極15の下側部分(錘18よりも上方部分)は、振れ止め枠19によって互いにつながれる。振れ止め枠19には、槌打部19Aが形成される。槌打部19Aが放電極槌打装置17によって槌打されることによって各放電極15に付着したダストの払落しが行われる。
【0043】
槌打装置16は、集塵極体20A〜20Mの両縦縁側にそれぞれ配置される。
各槌打装置16は、
図9に示すように、槌打部24を槌打する複数の槌打軸161と、槌打軸161を槌打駆動する駆動機162とを備え、各槌打軸161の周囲には、圧力容器13の内部と外部との貫通をシールするシール構造170が形成される。
【0044】
複数の槌打軸161は、各集塵極体20A〜20Mに対応して配置され、各集塵極体20A〜20Mに沿って水平方向に延びている。
各槌打軸161は、前述した圧力容器13の各貫通孔132に進退可能に挿通されており、駆動機162によって槌打駆動されることで各槌打部24を槌打する構成とされている。
【0045】
駆動機162は、圧力容器13に対して外部に配置されており、モーター163によって回転される回転軸164から軸方向に直交する方向に延びる複数の延設部材165と、複数の延設部材165の先端に回動可能に連結する回動アーム166と、回動アーム166の先端に取り付けられる打付けローラ167とを備える。複数の延設部材165は、回転軸164の回転方向に等角度間隔を隔てて配置される。打付けローラ167は、モーター163の駆動に基づいて槌打軸161の圧力容器13外の端部を打付け可能な位置に配置されている。
【0046】
シール構造170は、
図9に示すように、圧力容器13に固定される固定部材171と、槌打軸161に固定される可動部材172と、固定部材171および可動部材172間に配置される伸縮可能なシール部材である筒状のラバー部材173とを備える。
固定部材171は、圧力容器13の外筒部133の先端にボルト止めによって固定される。可動部材172は、槌打軸161に溶接によって固定される。ラバー部材173は、槌打軸161の周囲を覆っているとともに固定部材171および可動部材172に取り付けられている。
固定部材171には、槌打軸161の軸方向に沿って延びるガイド軸174が固定され、可動部材172には、ガイド軸174が挿通されている。ガイド軸174は、駆動機162によって槌打軸161が槌打駆動される際における可動部材172の進退方向を槌打軸161の軸方向に案内する構成とされている。
【0047】
放電極槌打装置17は、
図9に示すように、前述した槌打装置16と同様に構成、配置されるので、その詳細な説明を省略する。
放電極槌打装置17を槌打装置16と同様に圧力容器13外に配置することで、圧力容器13内に放電極槌打装置17を配置する場合と比べ、圧力容器13を小型化でき、また、放電極槌打装置17の点検・メンテナンス性を向上できる。
【0048】
逆洗構造5は、
図1に示すように、清浄ガス導入管51と、逆洗ファン52と、集塵ガス排出管53とを備える。
清浄ガス導入管51は、清浄ガス排出管12および乾式電気集塵機10A〜10Eの各圧力容器13の上部に接続される。
逆洗ファン52は、清浄ガス導入管51に設けられており、清浄ガス排出管12を通る清浄ガスを清浄ガス導入管51に供給する構成とされている。
集塵ガス排出管53は、乾式電気集塵機10A〜10Eの各圧力容器13の下部に接続される。なお、集塵ガス排出管53は、圧力容器13内から排出される集塵ガス(圧力容器13内から除去されたダストを含むガス)の送り先である図示しない一般的な集塵機であるバグフィルタやベンチュリスクラバなどに接続される。
清浄ガス導入管51には、乾式電気集塵機10A〜10Eの各々に対して開閉可能な開閉弁511A〜511Eが設けられる。
集塵ガス排出管53には、乾式電気集塵機10A〜10Eの各々に対して開閉可能な開閉弁531A〜531Eが設けられる。
【0049】
[本実施形態の動作]
以下、本実施形態に係る乾式電気集塵設備10の動作について説明する。
なお、
図1,
図12において、開閉弁111A〜111E,121A〜121E,511A〜511E,531A〜531Eの閉鎖状態を黒塗りで示し、開放状態を白抜きで示す。
【0050】
先ず、乾式電気集塵設備10による集塵動作について説明する。
図1に示すように、開閉弁111A〜111E,121A〜121Eを開き、かつ開閉弁511A〜511E,531A〜531Eを閉じて、乾式電気集塵機10A〜10Eの各圧力容器13の下部から上部に高炉ガスが通れる状態とする。
【0051】
高炉2において発生した高炉ガスは、除塵機3を介して高炉ガス導入管11を通って乾式電気集塵機10A〜10Eの各圧力容器13内に導入され、
図1に矢印で示すように各圧力容器13の下部から上部に流れる。
【0052】
各圧力容器13内を通る高炉ガスは、集塵極構造14の各筒部22および集塵極体20A〜20M間の各集塵極の内部を通る。このとき、各放電極15はコロナ放電するため、クーロン力によって高炉ガスに含まれるダストは集塵極体20A〜20Mに付着する。このように圧力容器13内の高炉ガスからダストが集塵され、清浄ガスが生成される。
なお、鋼板21同士の固定部分は、コロナ放電に基づくコロナ円30の範囲外に位置するため、スパーク等の発生が抑制される。
【0053】
前述した清浄ガスは、圧力容器13の上部から清浄ガス排出管12に送られ、TRT4に供給される。
このようにして、乾式電気集塵設備10によって高炉ガスに含まれるダストを集塵する。
【0054】
次に、乾式電気集塵設備10における圧力容器13内に集塵したダストを除去する塵除去動作について説明する。具体的には、
図12に示すように、乾式電気集塵機10A〜10Dにおける集塵動作と同時に行う乾式電気集塵機10Eにおける塵除去動作について説明する。
【0055】
先ず、開閉弁111E,121Eを閉じ、開閉弁511E,531Eを開き、放電極15からのコロナ放電を停止し、槌打装置16による各集塵極体20A〜20Mの槌打を開始する。この槌打によって各集塵極体20A〜20Mにそれぞれ互いに独立して加振力が加えられ、集塵極体20A〜20Mに付着したダストの払い落としが行われる。
【0056】
槌打装置16によって各集塵極体20A〜20Mを槌打する際には、逆洗ファン52が動作して清浄ガス排出管12を通る清浄ガスの一部を清浄ガス導入管51に送り込み、圧力容器13内の上部に導入する。圧力容器13内に導入した清浄ガスは、圧力容器13の上部から下部に流れて集塵ガス排出管53から排出され、集塵ガス排出管53に接続されたバグフィルやベンチュリスクラバなどに送られる。
このように清浄ガスを圧力容器13の上部から下部に流すことで、集塵極体20A〜20Mから払い落とされるダストを当該圧力容器13内から排出し、塵除去動作を効率よく行う。
【0057】
なお、乾式電気集塵機10A〜10Dについても、乾式電気集塵機10Eと同様に、前述した塵除去動作を順番に行う。
【0058】
[本実施形態の効果]
(1)本実施形態では、集塵極構造14は、高炉ガスを上下方向に通して集塵するものであって、水平方向に並設される複数の集塵極体20(20A〜20M)を備え、各集塵極体20A〜20Mには、両縦縁側に位置する支持部23と、支持部23よりも下側に位置する槌打部24と、上下方向に延びた複数の筒部22とがそれぞれ設けられ、各集塵極体20A〜20Mは、上下方向および並設方向に直交する方向に相対変位可能に配置されることを特徴とする。
上記構成を有するため、複数の筒部22に放電極15を通すことで電気集塵可能な構成にできる。そのうえ、集塵極構造14全体に対する大きな槌打荷重は必要がなく、槌打装置16によって各集塵極体20A〜20Mの槌打部24に加振力を加えることで各集塵極体20A〜20Mで集塵したダストを払い落とすことができ、槌打荷重を小さくできる。
しかも、各集塵極体20A〜20Mが互いに相対変位可能に並設されるので、各集塵極体20A〜20Mにおけるダストの払い落としを別個独立に且つ同時に行うことができる。
このように、小スペース内で高い集塵効率をもち且つ集塵したダストを効率的に払い落すことができる。
さらに、本実施形態では、以下の各効果を発揮できる。
【0059】
(2)槌打装置16によって各集塵極体20A〜20M同士が相対変位しても、各集塵極体20A〜20Mの各筒部22間に間隙25が設けられているので、各集塵極体20A〜20Mが互いに干渉することをなくすことができ、各集塵極体20A〜20Mで集塵したダストを適切に払い落とすことができる。
【0060】
(3)各集塵極体20A〜20Mには、前述した間隙25に位置するラビリンスシール構造が形成される。このため、圧力容器13内の高炉ガスが前述した間隙25を通り抜けることを抑制でき、集塵効率を向上できる。
【0061】
(4)各集塵極体20A〜20Mのそれぞれにおける複数の筒部22は、前記集塵極体20A〜20Mに沿った方向に間隔を隔てて配置され、各筒部22は断面六角形状に形成される。このため、集塵極体20A〜20Mに沿った方向における各筒部22間にも断面略六角形状の集塵極を構成でき、各筒部22内に放電極15を配置するだけでなく、各集塵極体20A〜20M間に構成される集塵極の内部にも放電極15を配置でき、集塵極構造14をコンパクトに構成しつつ集塵面積を大きくでき、集塵効率を向上できる。
また、集塵極構造14の全体をハニカム形状にすることで、薄肉の薄板を採用しても集塵極構造14の全体構成を維持するための剛性を担保できる。
【0062】
(5)各集塵極体20A〜20Mは、平板部211および凹部212を有する鋼板21同士を、凹部212が向かい合って筒部22を形成するように逆向きに固定しかつ連ねることによってそれぞれ形成される。このため、一般に流通する幅寸法1200mm程度の鋼板(若しくは1200mmよりも小さい幅寸法の鋼板)によって各集塵極体20A〜20Mを形成できる。つまり、平板状の各鋼板21を曲げ加工して平板部211および凹部212を形成し、各鋼板21を前述したように互いに逆向き固定して連ねることによって各集塵極体20A〜20Mを形成できる。これにより、各集塵極体20A〜20Mを形成するための鋼板21を簡単に準備でき、また、特殊鋼板を採用することがないので製作コストを抑制できる。
【0063】
(6)鋼板21同士を締付け固定することで、例えば鋼板21同士を溶接によって固定する場合と比べて、当該締付け固定部分の変形を大きく減少できる。このため、数十枚を重ねて搬送容易な薄肉の鋼板21を採用しても、鋼板21に変形をほとんど生じることなく前述した固定を現場で行うことができる。また、薄肉の鋼板21の採用によって槌打装置16による加振力に基づいて各集塵極体20A〜20Mを容易に振動させることができ、ダストを効率的に払い落とすことができる。また、薄肉の鋼板21の採用によって集塵極構造14を軽量化できる。
【0064】
(7)支持部23が各集塵極体20A〜20Mのそれぞれの最上部に位置するので、圧力容器13に支持される支持部23を除く集塵極構造14の部分が、当該支持部23よりも下側に位置することとなる。このため、小さな槌打荷重であっても集塵極構造14を効率よく振動させてダストを払い落とすことができる。
【0065】
(8)槌打部24が各集塵極体20A〜20Mのそれぞれの最下部に位置するので、支持部23から槌打部24までの上下方向における距離を長くでき、小さな槌打荷重であっても集塵極構造14を効率よく振動させてダストを払い落とすことができる。
【0066】
(9)各集塵極体20の各筒部22は、集塵極体20に沿った方向に間隔を隔てて配置され、各集塵極体20A〜20M間には複数の集塵極がそれぞれ構成され、放電極15は、各筒部22の断面における中心および各集塵極体20A〜20M間に構成される集塵極の断面における中心に上下方向に延びて配置される。このため、放電極15と集塵極構造14との電位差に基づくコロナ放電によって各集塵極にダストを効率よく付着できる。
【0067】
(10)各集塵極体20A〜20Mは、平板部211および凹部212を有する鋼板21同士を、凹部212が向かい合って筒部22を形成するように逆向きに固定しかつ連ねることによってそれぞれ形成され、各鋼板21同士の固定部分は、放電極15および集塵極構造14によるコロナ放電に基づくコロナ円30の範囲外に位置する。このため、各鋼板21同士の固定部分は、放電極15と集塵極構造14との電位差に基づくコロナ放電によって発生するコロナ円30の範囲外に位置するので、放電極15からのスパークの発生を抑制できる。
【0068】
(11)槌打装置16は、各集塵極体20A〜20Mの両縦縁側にそれぞれ配置される。このため、例えば、各集塵極体20A〜20Mの一方の縦縁側に配置される槌打装置16だけで槌打する場合と比べ、各集塵極体20A〜20Mの両縦縁側に配置された槌打装置16によって当該両縦縁側から交互に槌打することで、各集塵極体20A〜20Mのそれぞれに対して広範囲に加振力を加えることができる。
【0069】
(12)槌打装置16は、槌打部24を槌打する槌打軸161と、槌打軸161を槌打駆動する駆動機162とを備え、槌打軸161は、圧力容器13に進退可能に貫通し、駆動機162は、圧力容器13外に配置される。このため、圧力容器13に槌打軸161を貫通させて駆動機162を圧力容器13外に配置することで、圧力容器13内に槌打装置16を配置する場合と比べ、圧力容器13を小型化でき、また、槌打装置16の点検・メンテナンス性を向上できる。
【0070】
(13)槌打軸161の周囲には、圧力容器13内外の貫通をシールするシール構造170が形成され、シール構造170は、圧力容器13に固定される固定部材171と、槌打軸161に固定される可動部材172と、槌打軸161を覆って固定部材171および可動部材172間に配置される伸縮可能なラバー部材173とを備える。このため、圧力容器13に槌打軸161を貫通させても、シール構造170によって圧力容器13内外の貫通をシールすることができ、圧力容器13を通る高炉ガスが槌打軸161の貫通部分から外部に漏れることを抑制できる。
【0071】
(14)放電極槌打装置17によって各放電極15を振れ止め枠19を介して槌打することで、各放電極15に付着したダストを効率的に払い落とすことができる。また、放電極槌打装置17の駆動機162が圧力容器13外に配置されることで、圧力容器13内に放電極槌打装置17を配置する場合と比べ、圧力容器13を小型化でき、また、放電極槌打装置17の点検・メンテナンス性を向上できる。
【0072】
(15)槌打装置16によって槌打部24を槌打し、各集塵極体20A〜20Mに集塵したダストを払い落す際に、逆洗構造5によって清浄ガスを圧力容器13の上部から下部に通すことで、圧力容器13内の塵除去時間を短縮でき、塵除去時間の短縮分を集塵時間に割り当てることができ、乾式電気集塵機10A〜10Eによる集塵効率を向上できる。
【0073】
(16)逆洗構造5は、清浄ガス排出管12および乾式電気集塵機10A〜10Eの各圧力容器13の上部に接続される清浄ガス導入管51と、清浄ガス排出管12を通る清浄ガスを清浄ガス導入管51に供給する逆洗ファン52と、乾式電気集塵機10A〜10Eの各圧力容器13の下部に接続される集塵ガス排出管53とを備え、高炉ガス導入管11、清浄ガス排出管12、清浄ガス導入管51および集塵ガス排出管53には、乾式電気集塵機10A〜10Eの各々に対して開閉可能な開閉弁111A〜E,121A〜121E,511A〜511E,531A〜531Eがそれぞれ設けられる。このため、乾式電気集塵設備10の集塵稼働を停止することなく、乾式電気集塵機10A〜10Eの少なくとも一つの圧力容器13内に清浄ガスを送り込むことができる。
【0074】
[変形例]
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、各集塵極体20A〜20Mは、筒部22と平板部211とが集塵極体20に沿って交互に配設されているが、これに限られず、筒部22が連続して配設されてもよく、この場合、断面六角形状の筒部22の面同士が連続してもよく、また、筒部22の頂点同士が連続してもよい。
【0075】
前記実施形態では、各集塵極体20A〜20Mは、幅寸法1200mm程度の鋼板21を採用し、平板部211および凹部212を有する鋼板21同士を逆向きに固定しかつ連ねてそれぞれ形成されるが、これに限られない。例えば、二枚の鋼板を曲げ加工して一定間隔毎に凹部を形成し、当該二枚の鋼板を逆向きに配置して固定することによって、各集塵極体20A〜20Mを形成してもよい。
【0076】
各集塵極体20は、
図13に示すように、平板部材211Aと、凹部材212Aとを別体として備え、凹部材212A同士を向い合せて配置して筒部22を構成し、当該筒部22同士を平板部材211Aによって連結することで、構成されてもよい。
また、
図14に示すように、平板部材211Aを、凹部材212Aの2倍以上の長さ寸法とし、凹部材212Aを上下方向に並べて配置し、共通の平板部材211Aに連結してもよい。
【0077】
また、各集塵極体20は、
図15に示すように、凹部212および両縁側に平板部211を有する鋼板21を備え、凹部212同士を当接して合わせて固定し、かつ、平板部211を他の鋼板21の平板部211に固定することで、構成されてもよい。
【0078】
前記実施形態では、各集塵極体20は、圧力容器13の上部から下部まで上下方向に延びて形成されているが、これに限られず、例えば
図16に示すように、上下方向において分断して形成されていてもよい。
図16では、集塵極体20は、上部と下部とに分断されている。この場合、圧力容器13の内周面のうち、下部の集塵極体20の支持部23に対応する部分には、当該支持部23を支持する段部131が形成されている。
図16に示す集塵極体20では、上部の集塵極体20と下部の集塵極体20とのそれぞれに槌打部24を設けられるので、ダストの払い落としを効率的に行うことができる。
【0079】
前記実施形態では、各集塵極体20A〜20M間の間隙25にラビリンス構造が形成されているが、この構造を省略してもよい。
【0080】
前記実施形態では、各筒部22は断面六角形状に形成されているが、これに限られず、例えば、断面四角形状、断面八角形状等のような断面多角形状であってもよく、また、断面円形状であってもよい。
【0081】
前記実施形態では、鋼板21同士を締付け固定するが、これに限られず、例えば溶接固定してもよい。
【0082】
前記実施形態では、各支持部23は、各集塵極体20A〜20Mのそれぞれの最上部に位置するが、これに限らず、最上部よりも下側部分に位置してもよい。
【0083】
前記実施形態では、各槌打部24は、各集塵極体20A〜20Mのそれぞれの最下部に位置するが、これに限らず、最下部よりも上側部分に位置してもよい。
【0084】
前記実施形態では、各集塵極体20A〜20Mを鋼板21によって構成しているが、これに限らず、例えば導電性のFRP(例えばカーボンFRPなど)であってもよい。
【0085】
前記実施形態では、各放電極15は、各筒部22の断面における中心および各集塵極体20A〜20M間に構成される集塵極の断面における中心に上下方向に延びて配置されるが、これに限られず、コロナ放電に基づくコロナ円30の形成に影響を与えない範囲内で、偏心して配置されてもよい。
【0086】
前記実施形態では、槌打装置16は、各集塵極体20A〜20Mにおける両縦縁側にそれぞれ配置されているが、これに限られず、各集塵極体20A〜20Mの一方の縦縁側にだけ配置されていてもよい。
【0087】
前記実施形態では、槌打装置16の槌打軸161が圧力容器13に貫通し、かつ駆動機162が圧力容器13外に配置されているが、これに限られず、例えば、槌打軸161および駆動機162が圧力容器13内に配置されてもよい。
【0088】
前記実施形態では、槌打装置16によって槌打部24を槌打する場合に、清浄ガスを圧力容器13の上部から下部に通す逆洗構造5を備えているが、この構成を省略してもよい。
【0089】
前記実施形態では、乾式電気集塵機10A〜10Mは、高炉ガスや清浄ガスを上下方向に通す構成とされているが、集塵および塵除去を行える範囲内で、鉛直方向に対して傾いた方向に高炉ガスや清浄ガスを通す構成とされてもよい。