(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6545793
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】テープドライブのテープパスを通じてリーダを通過させるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
G11B 7/003 20060101AFI20190705BHJP
G11B 15/62 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
G11B7/003 Z
G11B15/62
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-517655(P2017-517655)
(86)(22)【出願日】2015年10月2日
(65)【公表番号】特表2017-530498(P2017-530498A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】US2015053716
(87)【国際公開番号】WO2016054507
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年8月16日
(31)【優先権主張番号】14/505,611
(32)【優先日】2014年10月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モイヤー,マーク・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】アグラワル,ビカス
(72)【発明者】
【氏名】サトル,スティーブン・ジィ
【審査官】
中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−339603(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0064340(US,A1)
【文献】
特開平11−007679(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0112556(US,A1)
【文献】
特表2013−528890(JP,A)
【文献】
特開2004−054986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/003
G11B 15/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープと共に使用されるテープドライブであって、
前記テープに対して読出しおよび/または書込み動作を行なうためのヘッドと、
前記テープと協動可能であり、前記テープドライブのテープパスに沿って前記テープを移動するためのドライブリーダと、
前記テープを巻き戻すための巻戻し機構と、を備え、
前記ドライブリーダおよび/またはカートリッジリーダは、前記ヘッドから離して前記テープに取り付けられて前記ドライブリーダの少なくとも一部を前記ヘッドに接触することなく前記ヘッドのそばを通過させ、
前記巻戻し機構は、前記テープ、前記カートリッジリーダ、および/または前記ドライブリーダと係合可能な可動ピンを含み、
前記可動ピンは、前記ヘッド近傍の第1の位置から第1の位置よりも前記ヘッドから離れて配置された第2の位置へと移動可能であり、
前記巻戻し機構は、前記ヘッドによる前記テープの動きを容易にするためのテープスタビライザを含むテープスタビライザ配列をさらに含み、前記可動ピンは前記スタビライザ配列によって支持されている、テープドライブ。
【請求項2】
前記ドライブリーダが前記ヘッドと前記テープスタビライザとの間に配置されているときに、前記可動ピンおよび前記テープスタビライザは前記ドライブリーダの両側に位置することが可能である、請求項1に記載のテープドライブ。
【請求項3】
前記巻戻し機構は、前記テープスタビライザ配列に対応付けられたリンクと、前記テープスタビライザ配列を移動するように前記リンクを移動するためのモーターとをさらに含む、請求項1または2に記載のテープドライブ。
【請求項4】
前記リンクと前記モーターとの間に配設される主ねじをさらに備え、前記モーターは前記主ねじを回転させて前記リンクを移動するように動作可能である、請求項3に記載のテープドライブ。
【請求項5】
前記リンクは、前記テープスタビライザ配列を摺動可能に収容するスロットを含む、請求項4に記載のテープドライブ。
【請求項6】
テープと共に使用されるテープドライブであって、
前記テープに対する読出しおよび/または書込み動作を行なうための第1のヘッドおよび第2のヘッドと、
前記テープと協動可能であり、前記ドライブのテープパスに沿って前記テープを移動するためのドライブリーダと、
前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドによる前記テープの動きをそれぞれ容易にするための第1のテープスタビライザおよび第2のテープスタビライザと、
前記第1のテープスタビライザおよび前記第2のテープスタビライザを異なる方向にそれぞれ前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドから同時に遠ざけて、前記ドライブリーダの少なくとも一部を前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドに接触することなく前記テープスタビライザと前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドとの間で通すための巻戻し機構と、
を備えるテープドライブ。
【請求項7】
前記巻戻し機構は、前記第1のテープスタビライザおよび前記第2のテープスタビライザに対応付けられたリンクと、前記テープスタビライザを移動するように前記リンクを移動するためのモーターとを含む、請求項6に記載のテープドライブ。
【請求項8】
前記リンクはタイバーを含む、請求項7に記載のテープドライブ。
【請求項9】
前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドを支持するためのドライブ本体をさらに備え、前記リンクは前記ドライブ本体に対して旋回可能および平行移動可能である、請求項7または8に記載のテープドライブ。
【請求項10】
前記リンクと前記モーターとの間に配設される主ねじをさらに備え、前記モーターは前記主ねじを回転させて前記リンクを移動するように動作可能である、請求項7〜9のいずれかに記載のテープドライブ。
【請求項11】
前記巻戻し機構は、前記第1のテープスタビライザおよび前記第2のテープスタビライザをそれぞれ支持する第1の移動可能なスタビライザマウントおよび第2の移動可能なスタビライザマウントをさらに含み、前記リンクは前記スタビライザマウントに接続されている、請求項7〜10のいずれかに記載のテープドライブ。
【請求項12】
前記リンクは、前記第1のスタビライザマウントおよび前記第2のスタビライザマウントをそれぞれ摺動可能に収容する第1のスロットおよび第2のスロットを含む、請求項11に記載のテープドライブ。
【請求項13】
前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドを支持するためのドライブ本体をさらに備え、前記ドライブ本体は、前記第1のスタビライザマウントおよび前記第2のスタビライザマウントとそれぞれ係合可能であり、前記スタビライザマウントの動きを案内するための第1のガイドスロットおよび第2のガイドスロットを含む、請求項11または12に記載のテープドライブ。
【請求項14】
前記ドライブ本体は、前記第1のスタビライザマウントおよび前記第2のスタビライザマウントとそれぞれ係合可能であり、前記スタビライザマウントの動きを案内するための第3のガイドスロットおよび第4のガイドスロットをさらに含み、前記第3のガイドスロットおよび前記第4のガイドスロットは、それぞれ前記第1のガイドスロットおよび前記第2のガイドスロットから間隔を置いて並べられている、請求項13に記載のテープドライブ。
【請求項15】
前記巻戻し機構は、それぞれ前記第1のスタビライザマウントおよび前記第2のスタビライザマウントに支持されて前記第1のスタビライザマウントおよび前記第2のスタビライザマウントと共に移動可能な第1の係合部材および第2の係合部材をさらに含み、前記第1の係合部材および前記第2の係合部材は、前記第1のテープスタビライザおよび前記第2のテープスタビライザがそれぞれ前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドから遠ざけられて前記ドライブリーダの少なくとも一部を前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドと接触することなく前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドのそばを通過させる時に、前記テープおよび/またはドライブリーダを前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドから遠ざけるために、前記テープおよび/またはドライブリーダと係合可能である、請求項11〜14のいずれかに記載のテープドライブ。
【請求項16】
前記第1の係合部材および前記第2の係合部材はピンとして形成されている、請求項15に記載のテープドライブ。
【請求項17】
前記ドライブリーダが前記第1のヘッドと前記第1のテープスタビライザとの間に位置している時に、前記第1の係合部材および前記第1のテープスタビライザは前記ドライブリーダの両側に位置することが可能である、請求項15または16に記載のテープドライブ。
【請求項18】
テープパスを通じてテープリーダの接続場所を通過させるための方法であって、
第1のテープスタビライザおよび第2のテープスタビライザを別の方向にそれぞれ第1のヘッドおよび第2のヘッドから同時に遠ざけて、前記テープリーダの前記接続場所が前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドに接触することなく前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドを通り越して移動できるように、前記スタビライザと前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドとの間に十分な間隔を空けることを備える、方法。
【請求項19】
前記テープリーダは前記接続場所でカートリッジリーダに取り付け可能であり、前記方法は、前記テープリーダおよび/または前記カートリッジリーダを係合部材と係合させ、前記係合部材を前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドのうちの1つのヘッドから遠ざけて前記テープリーダの少なくとも一部を前記1つのヘッドから遠ざけることをさらに備える、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、テープドライブのテープパスを通じてテープリーダの動きを容易にするための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願の譲受人に譲渡された米国特許第8,036,088号明細書は、光学テープ平坦化装置を支持する回転可能なテープ平坦化装置支持構造体を備える光学テープドライブシステムを開示している。この支持構造体は、動作位置と非動作位置との間で回転可能である。動作位置では、支持構造体は、光学テープ平坦化装置を位置決めして光ピックアップユニットを介して光学テープに対する情報の読出し/書込みを行なうように構成されている。非動作位置では、支持構造体は、光学テープ平坦化装置を位置決めして、光ピックアップユニットを損傷することなくテープドライブシステムを通じてテープリーダを通過させるように構成されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示に係るテープドライブは、テープと共に使用するために提供される。テープドライブは、テープに対して読出しおよび/または書込み動作を行なうためのヘッドと、テープと協動可能で、テープドライブのテープパスに沿ってテープを移動するためのドライブリーダと、テープを巻き戻すための巻戻し機構とを備え得る。ドライブリーダおよび/またはカートリッジリーダは、ヘッドから離してテープに取り付けられて、ドライブリーダの少なくとも一部をヘッドに接触することなくヘッドのそばを通過させる。巻戻し機構は、テープ、カートリッジリーダ、および/またはドライブリーダと係合可能な可動ピンを備え得る。ピンは、ヘッド近傍の第1の位置から第1の位置よりもヘッドから離れて配置された第2の位置へと移動可能である。
【0004】
本開示に係る別の実施形態では、テープと共に使用されるテープドライブは、テープに対する読出しおよび/または書込み動作を行なうための第1のヘッドおよび第2のヘッドと、テープと協動可能で、ドライブのテープパスに沿ってテープを移動するためのドライブリーダとを備える。テープドライブは、第1のヘッドおよび第2のヘッドによるテープの動きをそれぞれ容易にするための第1のテープスタビライザおよび第2のテープスタビライザと、第1のテープスタビライザおよび第2のテープスタビライザを異なる方向にそれぞれ第1のヘッドおよび第2のヘッドから同時に遠ざけて、ドライブリーダの少なくとも一部をヘッドに接触することなくテープスタビライザとヘッドとの間で通過させるための巻戻し機構とをさらに備える。
【0005】
また、テープパスを通じてテープリーダの接続場所を通過させるための方法が提供される。本方法は、第1のテープスタビライザおよび第2のテープスタビライザを別の方向にそれぞれ第1のヘッドおよび第2のヘッドから同時に遠ざけて、テープリーダの接続場所がヘッドに接触することなくヘッドを通り越して移動できるように、スタビライザとヘッドとの間に十分な間隔を空けることを備える。
【0006】
代表的な実施形態が図示および開示されるが、これらの開示は請求項を限定すると解釈されるべきではない。本発明の範囲内で、さまざまな変形例および代替の設計が可能であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】テープと共に使用され、複数のヘッドアセンブリと、複数のテープスタビライザ配列と、ヘッドアセンブリに対してスタビライザ配列を移動するための巻戻し機構とを備えるデータ記憶および検索システムの平面図である。
【
図2】
図1に示すヘッドアセンブリのうちの1つのヘッドアセンブリのヘッドを示す斜視図である。
【
図3】動作位置でのスタビライザ配列を示す、
図1のヘッドアセンブリおよびスタビライザ配列の拡大平面図である。
【
図4】巻戻し位置でのスタビライザ配列を示す、
図1のヘッドアセンブリおよびスタビライザ配列の拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
本開示では、データ記憶および検索システムのさまざまな構成ならびにそのようなシステムを動作させるための方法について説明する。以下の説明および
図1〜
図5では、本開示に係る特定の実施形態についての完全な知識を提供するために、特定の実施形態のいくつかについて説明する。図面は必ずしも一定の縮尺である必要はなく、特定の構成要素の詳細を示すために誇張または縮小されている特徴もある。したがって、ここで開示される特定の構造的および機能的な詳細は限定的なものと解釈されるべきではなく、当業者に教示して本発明をさまざまに用いるための代表的な基準にすぎないと解釈すべきである。さらに、図面のうち任意の1つの図面を参照して図示および説明される実施形態の1つ以上の特徴を1つ以上の他の図面に示す1つ以上の特徴と組み合わせて明示的に図示または説明されていない実施形態を考案できることは、当業者であれば理解できるであろう。加えて、以下で説明される特定の特徴のうち1つ以上の特徴がなくても、他の実施形態を実施することができる。
【0009】
図1は、本開示に係る、磁気テープまたは光学テープなどのテープ12と使用される、テープドライブ10としてのデータ記憶および検索装置を示す。テープ12を任意の好適な方法で提供することができるが、図示された実施形態においては、テープ12は、テープドライブ10に対して差込みおよび取出し可能なテープカートリッジ16のカートリッジリール14によって提供される。
【0010】
図1に示すテープドライブ10は、テープカートリッジ16を収容するように構成されたドライブシャーシまたは本体18と、テープ12に対して読出しおよび/または書込み動作を行なうための複数のヘッドアセンブリ20(たとえば、第1のヘッドアセンブリ20aおよび第2のヘッドアセンブリ20b)とを備える。テープドライブ10は、ドライブ本体18によって支持される、テープ12を収容するための回転可能な巻取リール22と、テープ12またはテープ12に取り付けられたカートリッジリーダ25に取り付け可能で、巻取リール22に向けてテープ12を移動するように構成されたテープリーダまたはドライブリーダ24とをさらに備える。加えて、テープドライブ10は、以下で詳細に説明するように、ヘッドアセンブリ20aおよび20bを越えたテープ12の移動を容易にするための複数のスタビライザアセンブリまたは配列26(たとえば、第1のスタビライザ配列26aおよび第2のスタビライザ配列26b)と、ドライブリーダ24および/またはスタビライザ配列26と協動可能であり、ヘッドアセンブリ20aおよび20bを越えたドライブリーダ24の動きを容易にするための巻戻し機構28とを備える。
【0011】
各ヘッドアセンブリ20a、20bはドライブ本体18に対して固定することが可能で、各々テープ12に対するデータ(情報など)の読出しおよび/または書込みを行なうように構成されてもよい1つ以上のヘッド30を備える。例示された実施形態では、各ヘッドアセンブリ20a、20bは複数のヘッド30(たとえば、6つのヘッド30)を備え、各ヘッド30は光ビームまたはレーザー光を用いて読出しおよび/または書込み動作を行なうように構成された1つ以上のヘッド要素を有する光ピックアップユニット(OPU)として形成される。
図2を参照すると、たとえば、各ヘッド30はそれぞれ上部および下部ヘッド要素などの第1のヘッド要素32aおよび第2のヘッド要素32bを備えてもよい。各ヘッド要素は、レーザーダイオードなどのレーザー要素からレーザー光を受光する第1のレンズまたは対物レンズを備える。各ヘッド要素32a、32bは、テープ12がヘッドアセンブリ20a、20bを越えて移動する際に、対応するヘッド30がテープ12の記録された部分のデータトラックを転記できるように、および/またはそのようなデータトラックからデータを検索できるように、レーザー光をテープへと向けるように構成されてもよい。
【0012】
図1および
図3を参照すると、各スタビライザ配列26a、26bは、スタビライザマウント36などの移動可能な支持体に搭載される1つ以上のテープスタビライザ34を備える。テープスタビライザ34は、テープ12のヘッド30を越えた移動を容易にするように構成される。
図3に示す実施形態では、たとえば、各スタビライザ配列26a、26bは各ヘッド30のために2つのテープスタビライザ34を備え、テープスタビライザ34はテープ12を支持することによってテープ12の動きを安定させるように構成されている。さらに、テープスタビライザ34は、テープ12をヘッド30に十分に近づけて位置決めして、ヘッド30による読出しおよび/または書込み動作を十分に実現できるように構成されている。たとえば、各テープスタビライザ34は、対応するヘッド30から約0.300ミリメータ(mm)〜0.320mm(たとえば、0.310mm)離してテープ12を位置決めしてもよい。しかしながら、そのような間隔は、特定のスタビライザ配列26a、26bのテープスタビライザ34と特定のヘッドアセンブリ20a、20bとの間でドライブリーダ24および/またはカートリッジリーダ25を通すには十分ではない可能性もある。
【0013】
巻戻し機構28を、第1のスタビライザ配列26aおよび第2のスタビライザ配列26bをそれぞれ第1のヘッドアセンブリ20aおよび第2のヘッドアセンブリ20bから遠ざけて、ドライブリーダ24および/またはカートリッジリーダ25の少なくとも一部をヘッド30に接触することなくテープスタビライザ34とヘッド30との間で通すように構成することは有益である。たとえば、巻戻し機構28は、第1のスタビライザ配列26aおよび第2のスタビライザ配列26bが
図1および
図3に示す動作位置から
図4に示す巻戻し位置に同時に移動させられるように、第1のスタビライザ配列26aおよび第2のスタビライザ配列26bを異なる方向にそれぞれ第1のヘッドアセンブリ20aおよび第2のヘッドアセンブリ20bから同時に遠ざけるように構成されてもよい。スタビライザ配列26a、26bが巻戻し位置にある場合、ドライブリーダ24とカートリッジリーダ25またはテープ12との間の接続場所38がテープスタビライザ34とヘッド30との間でヘッド30に接触することなく通過できるように、各スタビライザ配列26a、26bと対応するヘッドアセンブリ20a、20bとの間に十分な空間が存在する。接続場所38は、たとえば、カートリッジリーダ25のスロットに嵌入するドライブリーダ24上の接続ボタンによって形成されてもよい。
【0014】
巻戻し機構28は任意の好適な構成を有してもよいが、
図3および
図4に示す実施形態では、巻戻し機構28は、第1のテープスタビライザアセンブリまたは配列26aおよび第2のテープスタビライザアセンブリまたは配列26bと対応付けられたリンク40(たとえば、タイバー)と、スタビライザ配列26aおよび26b(たとえば、テープスタビライザ34)を移動するようにリンク40を移動するためのモーターアセンブリ42とを備える。モータータアセンブリ42は、たとえば、回転可能な主ねじ46に接続されたモーター44を備えてもよく、主ねじ46は、(たとえば、回転軸49で)リンク40が回動可能に取り付けられた、ねじ切りされたドライブ部材48に収容されてもよい。そのような配列では、モーター44は主ねじ46を回転させてドライブ部材48およびリンク40を平行移動させるように、または他の態様で移動するように動作してもよく、リンク40は、スタビライザ配列26aおよび26bの両方を
図3に示す動作位置と
図4に示す巻戻し位置との間で移動してもよい。
【0015】
図3および
図4にさらに示すように、リンク40および/またはドライブ部材48は、主ねじ46および/またはモーター44の軸Aの周りでのリンク部材40およびドライブ部材48の回転動作を抑制または防止するために、ドライブ本体18と摺動可能に係合する1つ以上の凸部Pを備えてもよい。加えて、スタビライザマウント36は、リンク40に対して移動できるように、リンク40に形成されたスロット52に摺動可能に収容されるピン50を用いてリンク40上に摺動可能に搭載されてもよい。
【0016】
テープドライブ10は、巻戻し位置と動作位置との間でスタビライザマウント36の動きを案内するために、スタビライザマウント36またはスタビライザ配列26aおよび26bの他の部分と協動可能な1つ以上のガイドの特徴を備えてもよい。
図3および
図4に示す実施形態では、たとえば、テープドライブ10のドライブ本体18は、スタビライザマウント36の第1の端部またはその近傍で形成されたガイド部材55(たとえば、ガイドピンおよびブッシュ)と係合可能な第1のガイドスロット54aおよび第2のガイドスロット54bと、スタビライザマウント36の第2の端部またはその近傍で形成されたガイド部材57(たとえば、ガイドピン)と係合可能な第3のガイドスロット56aおよび第4のガイドスロット56bとを備える。ガイドスロットは任意の好適な構成を有してよいが、
図3および
図4に示す実施形態では、第1のガイドスロット54aおよび第2のガイドスロット54bの各々は、軸Aに対して25〜80度の範囲の角度で延在する細長いスロットとして形成され、第3のガイドスロット56aおよび第4のガイドスロット56bの各々は、軸Aに対して15〜50度の範囲の角度で延在する細長いスロットとして形成される。さらに、第3のガイドスロット56aおよび第4のガイドスロット56bは、それぞれ第1のガイドスロット54aおよび第2のガイドスロット54bから間隔をおいて並べられ、第3のガイドスロット56aおよび第4のガイドスロット56bの各々は、第1のガイドスロット54aおよび第2のガイドスロット54bの各々よりも短い。たとえば、第3のガイドスロット56aおよび第4のガイドスロット56bの各々は4〜6ミリメートル(mm)の範囲の長さを有してもよく、第1のガイドスロット54aおよび第2のガイドスロット54bの各々は11〜13mmの範囲の長さを有してもよい。
【0017】
巻戻し機構28は、第1の係合部材58aおよび第2の係合部材58bをさらに備えてもよい。これらの部材は、第1のスタビライザ配列26aおよび第2のスタビライザ配列26bがそれぞれ第1のヘッドアセンブリ20aおよび第2のヘッドアセンブリ20bから遠ざけれらてドライブリーダ24の少なくとも一部(たとえば、接続場所38)をヘッド30に接触させることなくヘッド30のそばを通過させる時に、テープ12、ドライブリーダ24、および/またはカートリッジリーダ25をヘッド30から遠ざけるために、テープ12、ドライブリーダ24、および/または カートリッジリーダ25とそれぞれ係合可能である。
図4および
図5を参照すると、第1の係合部材58aおよび第2の係合部材58bは、それぞれスタビライザマウント36の1つに支持されてこのスタビライザマウントと共に移動可能なピンとして形成してもよく、各ピンは、特定のヘッド30に近接した第1の位置から第1の位置よりもヘッド30から離れて配置された第2の位置へと移動可能になっている。したがって、スタビライザマウント36またはスタビライザ配列26aおよび26bの全体は、巻戻し機構28の一部とみなすことができる。
【0018】
次に、
図1〜
図5を参照して、テープドライブ10の動作例をさらに詳細に説明する。まず、テープカートリッジ16をテープドライブ10に差し込み、ドライブリーダ24を任意の好適な態様で(たとえば、リーダ24、25のうち一方にある接続ボタンを、リーダ24、25のうち他方のスロットまたは別の開口に差し込めばよい)、接続場所38においてカートリッジリーダ25に接続してもよい。次に、ドライブリーダ24を使用してカートリッジリーダ25およびテープ12をテープドライブ10のテープパス60に沿って引っ張ってもよい。たとえば、巻取リール22の回転によってドライブリーダ24がローラーなどのさまざまなガイド部材に沿って巻取リール22に向けてカートリッジリーダ25およびテープ12を引っ張るように、または、他の態様でそれらを移動するように、ドライブリーダ24を巻取リール22に接続してもよい。
【0019】
しかし、ドライブリーダ24とカートリッジリーダ25との間の接続場所38がヘッドアセンブリ20aおよび20bによって移動される前は、巻戻し機構28を、
図4に示す巻戻し位置にスタビライザ配列26aおよび26bを移動するように動作させればよい。たとえば、モーター44を使用して主ねじ46を第1の方向に回転させて、ドライブ部材48およびリンク40を平行移動、または他の態様でモーター42に向かって移動すればよい。その結果、リンク40は、テープスタビライザ34がテープパス60から遠ざかるように、スタビライザ配列26aおよび26bを旋回、または、他の態様でドライブ本体18に対して
図1および
図3に示す動作位置から
図4に示す巻戻し位置に移動する。さらに、スタビライザ配列26aおよび26bとガイドスロット54a、54b、56a、56bとの間の相互作用によって、スタビライザ配列26a、26bの移動が容易になる。
【0020】
以上の構成では、ドライブリーダ24の接続場所38がヘッド30に接触することなくヘッド30を通り越して移動することができるように、モーター44を使用してスタビライザ配列26aおよび26bの両方を異なる方向にそれぞれ第1ヘッドアセンブリ20aおよび第2ヘッドアッセンブリ20bから遠ざけて、スタビライザ34とヘッド30との間に十分な間隔を空けるとよい。ただ1つのモーターおよび対応付けられたドライブ機構を使用することによって、テープドライブ10のサイズおよびコストを最小限に抑えることができる。加えて、スロットを設けられ、旋回可能に搭載されたリンク40をガイドスロット54a、54b、56a、56bと連動して使用することによって、ドライブ10は、対応付けられた部品の公差のばらつきを勘案するために十分な自由度を持たせる。
【0021】
スタビライザ配列26aおよび26bを巻戻し位置に向けて移動すると、第1の係合部材58aおよび第2の係合部材58bは、第1のスタビライザ配列26aおよび第2のスタビライザ配列26bがそれぞれ第1のヘッドアセンブリ20aおよび第2のヘッドアセンブリ20bから遠ざかる際に、ドライブリーダ24、カートリッジリーダ25、および/またはテープ12が特定のヘッドアセンブリ20a、20bのヘッド30から遠ざかるように、ドライブリーダ24、カートリッジリーダ25、および/またはテープ12と係合してもよい。リーダ24および25ならびに対応する接続場所38をヘッド30から遠ざけることにより、摩耗および破片を最小限にすることができ、ヘッド30を損傷する可能性を大幅に削減することができる。
【0022】
例示された実施形態では、第1の係合部材58aおよび第2の係合部材58bはそれぞれ第1のL字型支持体62aおよび第2のL字型支持体62bに取り付けられ、各支持体は特定のスタビライザマウント36に搭載される。このような構成では、ヘッド30およびスタビライザ34に対する接続場所38の所望の位置は、スタビライザ配列26aおよび26bが巻戻し位置にある時に維持され得る。さらに、ドライブリーダ24が対応するヘッドアセンブリ20aまたは20bとテープスタビライザ34との間に配設されている場合に、特定のスタビライザ配列26aまたは26bに対して、対応する係合部材58aまたは58bおよびテープスタビライザ34はドライブリーダ24の両側に位置決めされる。
【0023】
ドライブリーダ24および/またはカートリッジリーダ25(たとえば、接続場所38)の所望の部分がヘッドアセンブリ20aおよび20bを通り越して移動した後は、ヘッドアセンブリ20aおよび20bを使用してテープ12に対する読出しおよび/または書込み動作が行えるように、巻戻し機構28は、スタビライザ配列26aおよび26bを
図1および
図3に示す動作位置に戻すように移動するように動作されてもよい。たとえば、ドライブ部材48およびリンク40が平行移動するようにまたは他の態様でモーター44から遠ざかるように、モーター44は、主ねじ46を第1の方向の反対の第2の方向に回転するように動作されてもよく、これによって、リンク40がスタビライザ配列26aおよび26bを旋回、または他の態様でドライブ本体18に対して動作位置まで移動する。
【0024】
本明細書ではデータ記憶および検索システムならびにテープ媒体および回転ヘッドを利用した方法の特定の実施形態について説明したが、これらは例示に過ぎず、これらの実施形態は、可能なすべての実施形態について述べているわけではない。そうではなく、本明細書で使用される用語は、限定ではなく説明を行なうための用語であって、本発明の精神および範囲内で、さまざまな変更が可能であると理解される。