(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヌクレアーゼが、E.C.クラスE.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8、9)、3.1.22.y(式中、y=1、2、4、5)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1、2)若しくはE.C.3.1.31.1のいずれか、又はこれらの混合物から選択され、好ましくは、E.C.3.1.21、好ましくは、E.C.3.1.21.1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
前記酵素が、配列番号1、配列番号2又は配列番号3に示すアミノ酸配列と少なくとも85%、又は少なくとも90、又は少なくとも95%、又は更には少なくとも100%の同一性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
前記生地が、E.C.3.2.1.52のβ−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素、好ましくは、配列番号4に対して少なくとも70%の同一性を有する酵素を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
工程(ii)が、布地洗濯工程であり、前記ヌクレアーゼ酵素が、ヌクレアーゼ酵素を含有する処理及び/又は洗浄組成物の添加を介して水に添加される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、C1〜C8アルコキシ、及びブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドなどの繰り返し単位を有するポリオールのC1〜C8アルコキシ誘導体を含むことを意図する。
【0007】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「アルキル」及び「アルキル末端保護」は、C1〜C18アルキル基、又は更にはC1〜C6アルキル基を含むことを意図する。
【0008】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「アリール」は、C3〜C12アリール基を含むことを意図する。
【0009】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「アリールアルキル」及び「アルカリール」は等価であり、それぞれ、典型的にはC1〜C18アルキル基及び一態様ではC1〜C6アルキル基を有する、芳香族部分に結合しているアルキル部分を含む基を含むことを意図する。
【0010】
本明細書において、用語「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」及び「ブチレンオキシド」は、それぞれ、これらの典型的な表記である「EO」、「PO」及び「BO」で示される場合がある。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「洗浄及び/又は処理組成物」は、別途記載のない限り、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、1回用量、バー形態及び/又はフレークタイプの洗浄剤及び/又は布地処理組成物を含み、布地を洗濯するための製品、布地用柔軟化組成物、布地強化組成物、布地フレッシュニング組成物、及び布地をケア及びメンテナンスするための他の製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いるための前処理組成物であっても、すすぎ添加用組成物、並びに漂白添加剤及び/又は「シミ取りスティック」、又は前処理組成物、又は乾燥機添加用シートなどの基材を有する製品などの洗浄助剤であってもよい。
【0012】
本明細書で使用するとき、「セルロース基材」は、100重量%のセルロース、又は少なくとも20重量%、若しくは少なくとも30重量%、若しくは少なくとも40重量%、若しくは少なくとも50重量%、若しくは更には少なくとも60重量%のセルロースを含む任意の基材を含むことを意図する。セルロースは、木材、綿、亜麻布、黄麻及び麻布に見出すことができる。セルロース基材は、粉末、繊維、パルプの形態、並びに粉末、繊維及びパルプから形成される物品の形態であってよい。セルロース繊維としては、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(酢酸セルロース)、トリアセテート(三酢酸セルロース)及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、セルロース基材は、綿を含む。セルロース繊維から形成される物品としては、布地などの生地物品が挙げられる。パルプから形成される物品としては、紙が挙げられる。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「最大吸光係数」は、400ナノメートル〜750ナノメートルの範囲における最大吸光度の波長(本明細書では最大波長とも称する)におけるモル吸光係数を表すことを意図する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「平均分子量」は、分子量分布によって求めたときの平均分子量として記録し、製造プロセスの結果、本明細書に開示するポリマーは、そのポリマー部分に繰り返し単位の分布を有し得る。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「変異体」とは、野生型又は参照配列とは異なるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを指す。変異体ポリペプチドは、参照又は野生型ヌクレオチド配列に対するヌクレオチドの欠失、挿入又は置換によって、上記の野生型又は参照配列とは異なり得る。参照又は野生型配列は、完全長ネイティブポリペプチド配列又は完全長ポリペプチド配列の任意の他の断片であってよい。ポリペプチド変異体は、一般的に、参照配列と少なくとも約70%のアミノ酸配列同一性を有するが、参照配列と約75%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約80%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約85%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約86%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約87%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約88%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約89%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約90%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約91%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約92%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約93%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約94%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約95%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約96%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約97%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約98%のアミノ酸配列同一性、参照配列と約98.5%のアミノ酸配列同一性、又は参照配列と約99%のアミノ酸配列同一性を含んでいてもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、請求項において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、請求又は記載されているものが1つ以上であることを意味すると理解される。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「含む(「include/s」及び「including」)」は非限定的であることを意味する。
【0018】
本明細書において使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0019】
本発明で使用する場合、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及び気体の製品形態を含む。
【0020】
特に明記しない限り、成分又は組成物のレベルは全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0021】
全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、重量で計算される。全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、全組成物に基づいて計算される。
【0022】
疎水性変性された生地
疎水性変性された生地は、未処理の生地表面に比べて生地表面の疎水性を増大させる仕上げ処理が施された生地である。疎水性は、生地表面の水接触角を測定することによって決定することができる。「水接触角」とは、液相−気相界面が固体表面と接触する、液体を通して測定される角度を意味する。水接触角は、液体による固体表面の濡れ性を定量する。接触角は、液体及び固体の各分子が同じ種類の分子とどの程度強力に相互作用するかに対して、液体及び固体の分子が互いにどの程度強力に相互作用するかを反映している。綿などの多くの親水性の高い表面では、水滴は0°〜30°の接触角を示す。一般的に、水接触角が90°よりも大きい場合、固体表面は疎水性であると考えられる。分析プロトコールは、水滴を表面上に置き、例えばKruss(Hamburg,Germany)製のものなど、この目的のために利用可能な多くの市販機器のうちの1つを用いて、滴形状分析を通して界面の角度を測定する、接触角測定である。従うべき具体的な標準化プロトコールは、米国材料試験協会によって規定されている(プロトコールASTM D7334−08)。
【0023】
好ましくは、疎水変性によって、少なくとも20°、又はより好ましくは少なくとも30°、水接触角が増大する。上記の方法に従って測定したとき、仕上げ工程後の生地表面の水接触角は、好ましくは少なくとも50°、又は少なくとも60°、又は少なくとも70°、又は少なくとも80°又は更には少なくとも90°である。
【0024】
好ましい生地は、好ましくは綿を含むセルロース基材を含む。好ましくは、セルロース基材は、少なくとも40重量%のセルロース、好ましくは少なくとも50重量%又は少なくとも60重量%のセルロースを含む。疎水変性工程は、典型的には、布地に成形する前に生地の繊維又は糸の表面に、又は布地の形態の生地表面に適用される化学的表面処理によって提供される。生地表面の疎水性を増大させる、汚れ放出剤、防汚剤、熱調節剤、柔軟剤、難燃剤、帯電防止剤、縮み抑制剤、パーマネントプレスコーティング、自己洗浄剤及び防臭剤から選択される化学的仕上げによって、疎水性変性され得る。
【0025】
カチオン性化合物、シリコーン、パラフィン、フッ素化化合物及びこれらの混合物からなる群から選択されるコーティングを塗布することによって、生地表面を疎水性変性することができる。化学的修飾は、酵素による処理を含み得る。
【0026】
化学的修飾は、パディング、染着、コーティング、噴霧、泡塗布及びプラズマ化学気相成長などの従来の生地処理法のいずれかを用いてよい。ナノテクノロジーを用いてもよい。
【0027】
好ましくは、仕上げ工程では、カチオン性化合物及び/若しくはシリコーン化合物及び/若しくはフルオロカーボン及び/若しくはパラフィン、又はこれらの混合物の付着によって、生地表面が化学的に修飾される。好適な疎水性仕上げの例は、Paul,R.、Functional Finishes for Textiles、第1版、Elsevier、2014年、ISBN−9780857098399の第4章及び第13章に記載されている。
【0028】
これらとしては、カチオン性柔軟剤(例えば、アミン塩、イミダゾリン、エステル第四級アンモニウム化合物)、非イオン性柔軟剤(例えば、ポリエチレン、グリセロールモノステアレート、脂肪酸のエトキシレート、脂肪族アミン、ヒマシ油、脂肪族アルコール、脂肪族エステル)、シリコーン柔軟剤(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルハイドロジェンシロキサン(PMHS)、アミノ官能性シリコーン、エポキシシリコーン及びアミドシリコーン、並びにこれらの混合物などの柔軟仕上げが挙げられる。
【0029】
他の疎水性仕上げとしては、従来の浸漬及びパディングプロセスによって適用され得る仕上げ剤を得るために溶解又は分散させなければならないフルオロカーボンが挙げられる。フルオロカーボンは、例えば、ペルフルオロ化アルキル側鎖を有するポリマーの使用を通して、撥水性及び撥油性の両方を得るために用いることができる。アンカー基として作用する様々な基で修飾されたペルフルオロ化アルキルシランは、綿などの親水性ヒドロキシル基担持繊維上に固定するために用いることができる。
【0030】
また、疎水性仕上げは、プラズマ重合及びスパッタリングなどのプラズマ処理を用いて行うこともできる。プラズマ重合において疎水性効果を生み出すために用いられる典型的なモノマーは、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン及び2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリレートである。
【0031】
生地の繊維にナノ構造を導入した結果を、疎水性仕上げを得るために用いることもでき、それによって、金属、セラミック又はガラスなどのナノ構造化表面を有する他の基材と同様に、高い接触角が得られる。これら表面は、超疎水性表面又は自己洗浄表面とも呼ばれる。シリカ粒子、銀粒子及び炭酸カルシウム(CaCO3)を用いて、ナノ構造化生地を得ることができる。これら無機材料は、疎水性成分としてポリ(グリシジルメタクリレート)(PGMA)及びポリ(スチレン−b−エチレン−コ−ブチレン−b−スチレン)(SEBS)などのポリマーと併用される。
【0032】
他の好適な疎水性仕上げ剤としては、デンドリマー、カーボンナノチューブ、ヒドロホビン及びゾル−ゲル物質が挙げられる。
【0033】
好適な市販の生地仕上げの具体例としては、フッ素化格子(例えば、Foraperle(商標)503;F−503、Elf Atochem製、Oleophobol(商標)C;Ol−C、Huntsman製)、フルオロカーボン(例えば、Oleophobol(商標)SL−A;7713/SM、Huntsman製)、フルオロアルキル官能性ポリシロキサン(例えば、Dynasylan(商標)F8815、Evonik製)、ペルフルオロアクリルコポリマー(例えば、Repellan(商標)EM;EPF;NFC、Pulcra製)、従来のフルオロカーボン−CF8ケミストリー(例えば、RUCO−Guard(商標)AFR、Rudolf GmbH製)、フルオロカーボン(例えば、Fluorepel(商標)OWS、Cytonix製、Dipolit(商標)97105、Oztek Stampa Textile Company製、Nuva(商標)2110、Archroma製、RUCOSTAR(商標)ACT6、Rudolf GmbH製)、フルオロカーボン樹脂(例えば、Asahi Guard(商標)AG−480、Asahi製、Anthydrin(商標)、Zschimmer & Schwarz製)、及びデンドリマー(例えば、RUCO−DRY ECO(商標)、Rudolf GmbH製)が挙げられる。
【0034】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、生地表面の疎水性を増大させることによってヌクレアーゼ酵素の付着が増加して、有効性が増大することを見出した。
【0035】
生地表面が未処理の生地表面に比べて増大した疎水性を保持している限り、任意に、仕上げ処理された生地表面を第2の工程前に洗浄及びすすいでもよい。
【0036】
疎水性変性された生地を、ヌクレアーゼ酵素を含む水溶液と接触させる。水溶液は、ヌクレアーゼ酵素のみを含んでいてよい。しかし、好ましくは、水溶液は、界面活性剤、好ましくは0.005g/L〜5g/L、又は0.1〜3g/L若しくは2g/Lの界面活性剤を更に含んでいてもよい。好ましくは、洗濯工程において、ヌクレアーゼ酵素を含有する洗濯用洗浄及び/又は処理組成物を水に添加することによって、ヌクレアーゼ酵素を含む水溶液が提供される。洗浄及び/又は処理組成物は、ヌクレアーゼ酵素に加えて、下記のこのような洗浄及び/又は処理組成物から追加の補助物質のいずれかを含む。
【0037】
ヌクレアーゼ酵素
ヌクレアーゼ酵素は、核酸のヌクレオチドサブユニット間のホスホジエステル結合を切断することができる酵素である。本明細書におけるヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、デオキシリボヌクレアーゼ若しくはリボヌクレアーゼ酵素、又はこれらの機能的断片である。機能的断片又は部分とは、DNA骨格鎖におけるホスホジエステル結合の切断を触媒するヌクレアーゼ酵素の部分を意味し、したがって、触媒活性を保持する上記のヌクレアーゼタンパク質の領域である。したがって、それは、その機能が維持されている酵素及び/又は変異体及び/又は誘導体及び/又はホモログの、切頭されているが機能的なバージョンを含む。
【0038】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、デオキシリボヌクレアーゼであり、好ましくは、クラスE.C.3.1.21.x(式中、x=1、2、3、4、5、6、7、8又は9)、E.C.3.1.22.y(式中、y=1、2、4又は5)、E.C.3.1.30.z(式中、z=1又は2)、E.C.3.1.31.1のいずれか、及びこれらの混合物から選択される。
【0039】
クラスE.C.3.1.21.xのヌクレアーゼは、3’ヒドロキシルで切断して、以下のとおり5’ホスホモノエステルを遊離させる。
【0041】
クラスE.C.3.1.21.xのヌクレアーゼ酵素、特に、x=1である場合が特に好ましい。
【0042】
クラスE.C.3.1.22.yのヌクレアーゼは、5’ヒドロキシルで切断して、3’ホスホモノエステルを遊離させる。クラスE.C.3.1.30.zの酵素は、DNA及びRNAの両方に作用して、5’−ホスホモノエステルを遊離させるので、好ましい場合がある。クラスE.C.3.1.31.2の好適な例は、米国特許出願公開第2012/0135498(A)号、例えば、その配列番号3に記載されている。このような酵素は、c−LECTAからDENARASE(登録商標)酵素として市販されている。
【0043】
クラスE.C.3.1.31.1のヌクレアーゼ酵素は、3’ホスホモノエステルを生成する。
【0044】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、微生物の酵素を含む。ヌクレアーゼ酵素は、真菌又は細菌起源であってよい。細菌ヌクレアーゼが最も好ましい場合がある。真菌ヌクレアーゼが最も好ましい場合がある。
【0045】
微生物ヌクレアーゼは、バチルス属、例えば、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)又はバチルス・ズブチルス(Bacillus subtilis)の細菌ヌクレアーゼなどから得ることができる。好ましいヌクレアーゼは、バチルス・リケニフォルミス、好ましくはEI−34−6株から得ることができる。好ましいデオキシリボヌクレアーゼは、本明細書における配列番号1に規定するEI−34−6株nucBデオキシリボヌクレアーゼに由来するバチルス・リケニフォルミスの変異体、すなわち、例えば、それに対して少なくとも70%又は75%又は80%又は85%又は90%又は95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一であるその変異体である。
【0046】
他の好適なヌクレアーゼは、本明細書における配列番号2に規定されているか、又は例えば、それに対して少なくとも70%若しくは75%若しくは80%若しくは85%若しくは90%若しくは95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であるその変異体である。他の好適なヌクレアーゼは、本明細書における配列番号3に規定されているか、又は例えば、それに対して少なくとも70%若しくは75%若しくは80%若しくは85%若しくは90%若しくは95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であるその変異体である。
【0047】
真菌ヌクレアーゼは、アスペルギルス属、例えば、アスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)から得ることができる。好ましいヌクレアーゼは、本明細書における配列番号5に規定されているアスペルギルス・オリザエ、又は例えば、それに対して少なくとも60%若しくは70%若しくは75%若しくは80%若しくは85%若しくは90%若しくは95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であるその変異体から得ることができる。
【0048】
別の好適な真菌ヌクレアーゼは、トリコデルマ属、例えば、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)から得ることができる。好ましいヌクレアーゼは、本明細書における配列番号6に規定されているトリコデルマ・ハルジアナム、又は例えば、それに対して少なくとも60%若しくは70%若しくは75%若しくは80%若しくは85%若しくは90%若しくは95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一であるその変異体から得ることができる。
【0049】
他の真菌ヌクレアーゼとしては、アスペルギルス・オリザエRIB40、アスペルギルス・オリザエ3.042、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)NRRL3357、アスペルギルス・パラシティクス(Aspergillus parasiticus)SU−1、アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)NRRL13137、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)QM6a、トリコデルマ・ヴィレンス(Trichoderma virens)Gv29−8、オイジオデンドロン・マイウス(Oidiodendron maius)Zn、メタリジウム・ギズホウエンス(Metarhizium guizhouense)ARSEF 977、メタリジウム・マジュス(Metarhizium majus)ARSEF 297、メタリジウム・ロベルトシイ(Metarhizium robertsii)ARSEF 23、メタリジウム・アクリダム(Metarhizium acridum)CQMa 102、メタリジウム・ブルンネウム(Metarhizium brunneum)ARSEF 3297、メタリジウム・アニソプリアエ(Metarhizium anisopliae)、コレトトリカム・フィオリニアエ(Colletotrichum fioriniae)PJ7、コレトトリカム・サブリネオラ(Colletotrichum sublineola)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)IMI 206040、トリポクラジウム・オフィオグロソイド(Tolypocladium ophioglossoides)CBS 100239、ビューベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)ARSEF 2860、コレトトリカム・ヒギンシアナム(Colletotrichum higginsianum)、ヒルステラ・ミネソテンシス(Hirsutella minnesotensis)3608、セドスポリウム・アピオステルマム(Scedosporium apiospermum)、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora)、フサリウム・ベルチシリオイデス(Fusarium verticillioides)7600、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)特殊型cubense品種4、コレトトリカム・グラミニコラ(Colletotrichum graminicola)M1.001、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)FOSC 3−a、フサリウム・アベナセウム(Fusarium avenaceum)、フサリウム・ラングセチアエ(Fusarium langsethiae)、グロスマニア・クラビゲラ(Grosmannia clavigera)kw1407、クラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)20.1、ベルチシリウム・ロンギスポラム(Verticillium longisporum)、フサリウム・オキシスポラム特殊型cubense品種1、マグナポリテ・オリザエ(Magnaporthe oryzae)70−15、ビューベリア・バシアナ(Beauveria bassiana)D1−5、フサリウム・シュードグラミネアラム(Fusarium pseudograminearum)CS3096、ネオネクトリア・ジチシマ(Neonectria ditissima)、マグナポルチオプシス・ポアエ(Magnaporthiopsis poae)ATCC 64411、コルディセプス・ミリタリス(Cordyceps militaris)CM01、マルソニナ・ブルンネア(Marssonina brunnea)特殊型「multigermtubi」MB_m1、ディアポルテ・アンペリナ(Diaporthe ampelina)、メタリジウム・アルブム(Metarhizium album)ARSEF 1941、コレトトリカム・グロエオスポリオイデス(Colletotrichum gloeosporioides)Nara gc5、マズレラ・ミセトマチス(Madurella mycetomatis)、メタリジウム・ブルンネウム(Metarhizium brunneum)ARSEF 3297、ベルチシリウム・アルファルファエ(Verticillium alfalfae)VaMs.102、ガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)変種tritici R3−111a−1、ネクトリア・ハエマトコッカ(Nectria haematococca)mpVI 77−13−4、ベルチシリウム・ロンギスポラム(Verticillium longisporum)、ベルチシリウム・ダヒリアエ(Verticillium dahliae)VdLs.17、トルビエラ・ヘミプテリゲナ(Torrubiella hemipterigena)、ベルチシリウム・ロンギスポラム、ベルチシリウム・ダヒリアエVdLs.17、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)B05.10、チャエトミウム・グロボサム(Chaetomium globosum)CBS 148.51、メタリジウム・アニスプリアエ(Metarhizium anisopliae)、ステムフィリウム・リコペルシシ(Stemphylium lycopersici)、スクレロチニア・ボレアリス(Sclerotinia borealis)F−4157、メタリジウム・ロベルトシイARSEF 23、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)ATCC 42464、ファエオスパエリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)SN15、フィアロホラ・アタエ(Phialophora attae)、ウスチラフィノイダエ・ヴィレンス(Ustilaginoidea virens)、ジプロジア・セリアタ(Diplodia seriata)、オフィオストマ・ピセアエ(Ophiostoma piceae)UAMH 11346、シュードジムノアスカス・パンノラム(Pseudogymnoascus pannorum)VKM F−4515(FW−2607)、ビポラリス・オリザエ(Bipolaris oryzae)ATCC 44560、メタリジウム・グイズホウエンス(Metarhizium guizhouense)ARSEF 977、チャエトミウム・サーモフィラムDSM 1495、ペスタロチオプシス・フィシ(Pestalotiopsis fici)W106−1、ビポラリス・ゼイコラ(Bipolaris zeicola)26−R−13、セトスファエリア・ツルシカ(Setosphaeria turcica)Et28A、アルトデルマ・オタエ(Arthroderma otae)CBS 113480、及びピレノホラ・トリチシ−レペンチス(Pyrenophora tritici-repentis)Pt−1C−BFPのDNA配列によってコードされているものが挙げられる。
【0050】
好ましくは、ヌクレアーゼは、単離ヌクレアーゼである。
【0051】
好ましくは、ヌクレアーゼ酵素は、0.01ppm〜1000ppm、又は0.05若しくは0.1ppm〜750若しくは500ppmのヌクレアーゼ酵素の量で水溶液中に存在する。
【0052】
ヌクレアーゼは、バイオフィルム破壊効果を生じさせることもできる。
【0053】
好ましい組成物では、当該組成物は、E.C.3.2.1.52のβ−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素、好ましくは、配列番号4に対して少なくとも70%又は少なくとも75%又は少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも96%又は少なくとも97%又は少なくとも98%又は少なくとも99%又は少なくとも100%の同一性を有する酵素を更に含む。
【0054】
洗浄及び/又は処理補助物質
水溶液が、ヌクレアーゼ酵素に加えて洗浄及び/又は処理組成物を水に添加することによって提供されるとき、当該洗浄及び/又は処理組成物は、任意の洗浄及び/又は処理補助物質を含む。ヌクレアーゼ酵素は、好ましくは、組成物の0.00001重量%〜約3重量%、約0.0001重量%〜約2重量%、又は更には約0.001重量%〜約1重量%の酵素タンパク質の量で組成物中に存在する。
【0055】
好ましくは、本組成物は、E.C.3.2.1.52のβ−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素、好ましくは、配列番号4に対して少なくとも70%又は少なくとも75%又は少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%又は少なくとも95%又は少なくとも96%又は少なくとも97%又は少なくとも98%又は少なくとも99%又は少なくとも100%の同一性を有する酵素を更に含む。存在するとき、β−N−アセチルグルコサミニダーゼ酵素は、典型的には、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質の量で存在する。
【0056】
更に好適な助剤は、例えば、洗浄性能を支援若しくは強化するためのもの、例えば柔軟化若しくはフレッシュニングによって、洗浄される基材を処理するためのもの、又は香料、着色剤、非布地陰影染料等と同様に洗剤組成物の審美性を変化させるためのものであってよい。好適な補助物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、追加の増白剤、抑泡剤、染料、色調染料、香料、香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、追加の染料及び/又は顔料(これらのうちの一部については、以下により詳細に論じる)が挙げられるが、これらに限定されない。以下の開示に加えて、このような他の助剤の好適な例及び使用レベルは、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号に見出される。
【0057】
特に好ましい追加の補助物質は、更なる酵素であってもよい。
【0058】
酵素。好ましくは、本組成物は、1つ以上の追加の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。追加の酵素の好ましい組み合わせは、好ましくはアミラーゼと共に、プロテアーゼ及びリパーゼを含む。本組成物に存在する場合、上記の追加の酵素は、それぞれ、当該組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質レベルで存在していてもよい。
【0059】
プロテアーゼ。好ましくは、本組成物は、1つ以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物起源のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、同第7,262,042号、及び国際公開第WO09/021867号に記載されている、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィラス(B. alkalophilus)、バチルス・ズブチルス(B. subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、及びバチルス・ギブソニイ(Bacillus gibsonii)などのバチルス属由来のものを含むサブチリシン(EC 3.4.21.62)。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているフサリウム属プロテアーゼ、並びに同第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているセルロモナス属に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)国際公開第07/044993(A2)号に記載されているバチルス・アミロリケファシエンスに由来するものを含むメタロプロテアーゼ。
【0060】
好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・ギブソニイ又はバチルス・レンタスに由来するものが挙げられる。
【0061】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)によって商標名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)として販売されているもの、Genencor Internationalによって商標名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)として販売されているもの、Solvay Enzymesによって商標名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)として販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(以下の変異:S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sを有する、米国特許第5,352,604号の
図29に示されている配列、以下BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)(全てHenkel/Kemira製);並びに花王製のKAP(突然変異A230V+S256G+S259Nを有するバチルス・アルカロフィルスのサブチリシン)が挙げられるか、又は国際公開第2009/149144号、同第2009/149145号、同第2010/56653号、同第2010/56640号、同第2011/072117号、米国特許出願公開第2011/0237487号、国際公開第2011/140316号、同第2012/151480号、欧州特許第2510092号、同第2566960号若しくは同第2705145号に開示されているとおりである。
【0062】
アミラーゼ。好ましくは、本組成物は、アミラーゼを含んでいてよい。好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌起源のものが挙げられる。化学的に又は遺伝的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルス属の株、例えば、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・ステロサーモフィラス、バチルス・ズブチルス又は他のバチルス属の種、例えばバチルス属の種NCIB12289、NCIB12512、NCIB12513、DSM9375(米国特許第7,153,818号)、DSM12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては以下が挙げられる:
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号及び同第97/43424号に記載されている変異体、特に国際公開第96/23874号に配列番号2として列挙されている酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換されている変異体。
(b)米国特許第5,856,164号、並びに国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号及び同第06/002643号に記載されている変異体、特に国際公開第06/002643号に配列番号12として列挙されているAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換されている変異体、好ましくはD183
*及びG184
*の欠失も含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号における配列番号4、バチルス属SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体、並びに参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号に記載されている変異体。
(d)バチルス属の種707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に以下の変異:M202、M208、S255、R172及び/又はM261のうちの1つ以上含をむもの。好ましくは、上記のアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T突然変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは国際公開第09/149130号の配列番号1又は配列番号2と少なくとも90%の同一性を示す変異体、ゲオバチルス・ステアロフェルモフィルス(Geobacillus Stearophermophiluss)に由来する野生型酵素又はその切頭バージョン。
(f)欧州特許第2540825号及び同第2357220号、同第2534233号に記載されている変異体。(g)国際公開第2009100102号及び同第2010115028号に記載されている変異体。
【0063】
好適な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria)、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.,(Palo Alto,California);並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0064】
リパーゼ。好ましくは、本組成物は、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願公開第2009/0217464号に記載されているものなどの「第1サイクルリパーゼ」を含む1つ以上のリパーゼを含む。好ましいリパーゼは、第1洗浄リパーゼである。本発明の一実施形態では、本組成物は、第1洗浄リパーゼを含む。第1洗浄リパーゼとしては、(a)フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)株DSM4109由来の野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有し、(b)上記の野性型リパーゼと比較して、E1若しくはQ249の15A内の三次元構造の表面における電気的に中性であるか若しくは負に帯電しているアミノ酸が正に帯電しているアミノ酸で置換されていることを含み、(c)C末端にペプチド付加を含み、及び/又は(d)N末端にペプチド付加を含み、及び/又は(e)以下の制約:i)上記の野性型リパーゼの位置E210に負のアミノ酸を含み、ii)上記の野性型リパーゼの位置90〜101に対応する領域に負に帯電しているアミノ酸を含み、かつiii)上記の野生型リパーゼのN94に対応する位置に中性若しくは負のアミノ酸を含み、及び/又は上記の野生型リパーゼの位置90〜101に対応する領域に負又は中性の正味電荷を有する、を満たすアミノ酸配列を有するポリペプチドであるリパーゼが挙げられる。T231R及びN233R突然変異のうちの1つ以上を含む、サーモマイセス・ラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体が好ましい。野生型配列は、Swissprotアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)(フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来)の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、商標名Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)及びLipoclean(登録商標)として販売されているものが挙げられる。他の好適なリパーゼとしては、欧州特許出願第12001034.3号又は欧州特許第2623586号に記載されているものが挙げられる。
【0065】
エンドグルカナーゼ。他の好ましい酵素としては、米国特許第7,141,403(B2)号におけるアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、94%、97%、更には99%の同一性の配列を有するバチルス属のメンバー及びこれらの混合物に対して内因性である細菌ポリペプチドを含む、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す微生物由来のエンドグルカナーゼが挙げられる。好適なエンドグルカナーゼは、商標名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)として販売されている。
【0066】
ペクチン酸リアーゼ。他の好ましい酵素としては、商標名Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)、Xpect(登録商標)として販売されているペクチン酸リアーゼ、並びに商標名Mannaway(登録商標)(全てNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))として販売されているマンナーゼが挙げられる。
【0067】
抗菌剤。本組成物が、抗菌効果を生じさせることができる1つの化合物又は1つを超える化合物の混合物を更に含むことが好ましい場合もある。これらは、漂白剤などの洗浄又は悪臭(malodor)効果のために添加される処理組成物の標準的な成分であってよいが、ある程度の抗菌効果を有するか、又は特に抗菌効果を提供するために添加してもよい。好適な例としては、アルデヒド(ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、オルトフタルアルデヒド)、二酸化硫黄、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、バニリン酸エステル)、塩素及び酸素系酸化剤(次亜塩素酸又は次亜臭素酸カルシウム及びナトリウム、クロラミン及びクロラミン−T、二酸化塩素、過酸化水素、ヨウ素、オゾン、過酢酸、過ギ酸、過マンガン酸カリウム、ペルオキシ一硫酸カリウム)、フェノール(フェノール、o−フェニルフェノール、クロロキシレノール、ヘキサクロロフェン、チモール、アミルメタクレゾール、2,4−ジクロロベンジルアルコール、ポリクレスレン(policresylen)、フェンチクロル、4−アリルカテコール、p−ヒドロキシ安息香酸エステル(ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン(methtlparaben)及びプロピルパラベンを含む)、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、カプサイシン(capaicin)、カルバクロール、クレオソール、オイゲノール、グアイアコール)、ハロゲン化(ヒドロキシ)ジフェニルエーテル(ジクロサン、トリクロサン、ヘキサクロロフェン及びブロモクロロフェン、4−ヘキシルレゾルシノール、8−ヒドロキシキノリン、並びにこれらの塩)、第四級アンモニウム化合物(塩化ベンザルコニウム誘導体、塩化ベンゼトニウム誘導体、セトリモニウム塩化物/臭化物、セチルピリジニウム、セトリミド、塩化ベンゾオキソニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム)、アクリジン誘導体(乳酸エタクリジン、9−アミノアクリジン、オイフラビン)、ポリマービグアニドを含むビグアニド、及びアミジン(ポリアミノプロピルビグアニド、ジブロンプロプアミジン、クロルヘキシジン、アレキシジン、プロパミジン、ヘキサミジン、ポリヘキサニド)、ニトロフラン誘導体(ニトロフラゾン)、キノリン誘導体(デクアリニウム、クロルキナルドール、オキシキノリン、クリオキノール)、ヨウ素生成物、精油(月桂樹、シナモン、クローブ、タイム、ユーカリ、ペパーミント、レモン、ティーツリー、モクレン抽出物、メントール、ゲラニオール)、カチオン、アニリド(サリチルアニリド(saclicylanilide)、ジフェニル尿素)、サリチル酸エステル(サリチル酸メンチル、サリチル酸メチル及びサリチル酸フェニルを含む)、ピロカテコール、フタル酸及びその塩、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、臭化ドミフェン、塩化アルキルピリジニウム(例えば、塩化セチルピリジウム、塩化テトラデシルピリジニウム及びN−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロライドなど)、ヨウ素、スルホンアミド、ピペリジノ誘導体(例えば、デルモピノール及びオクタピノール)、並びにこれらの混合物、様々な防腐剤(1,3−ジオキサンの誘導体、イミダゾールの誘導体、イソチアゾロン、ヘキサミンの誘導体、トリアジン、オキサゾロ−オキサゾール、ヒドロキシメチルグリシネートナトリウム、ビスチオシアン酸メチレン、カプタン)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0068】
好ましい抗菌系は、クロロキシレノール(PCMX)などのハロゲン化ベンジルアルコール誘導体、ハロゲン化ヒドロキシジフェニルエーテル、好ましくはジクロサン、第四級アンモニウム塩、好ましくはアルキルベンザルコニウム及び塩化アルキルベンゼトニウム、並びにこれらの誘導体、精油、漂白剤系、好ましくはペルオキシド漂白剤、並びにこれらの混合物である。最も好ましい抗菌系は、塩化ベンザルコニウム、ジクロサン及びPCMXである。
【0069】
封入剤。本組成物は、封入剤、例えば、コアを含む封入剤、内表面及び外表面を有するシェルを含んでいてよく、当該シェルは当該コアを封入する。コアは、任意の洗濯ケア助剤を含むことができるが、典型的には、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香料、ビタミン、布地柔軟化剤、スキンケア剤、(一態様では、パラフィン)、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含んでいてよく、上記のシェルは、ポリエチレン、ポリアミド、任意に他のコ−モノマーを含有するポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アミノプラスト(一態様では、上記のアミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン、及び/又はポリ尿素ウレタンを含み得、一態様では、上記のポリ尿素は、ポリオキシメチレン尿素及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含み得る)、ポリオレフィン、多糖類、(一態様では、上記の多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含み得る)、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機物、シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含んでいてよい。好ましい封入剤は、香料を含む。好ましい封入剤は、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでいてもよいシェルを含む。好ましい封入剤は、コア材とシェルとを含み、当該シェルは、当該コア材を少なくとも部分的に取り囲むことが開示されている。上記の封入剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%は、0.2MPa〜10MPaの破壊強度を有していてよく、有益剤漏出率は、封入された有益剤の初期総量に基づいて0%〜20%、又は更には10%若しくは5%未満であってよい。上記の封入剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%が、(i)1マイクロメートル〜80マイクロメートル、5マイクロメートル〜60マイクロメートル、10マイクロメートル〜50マイクロメートル、又は更には15マイクロメートル〜40マイクロメートルの粒径を有し得、及び/又は(ii)上記の封入剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%が、30nm〜250nm、80nm〜180nm、又は更には100nm〜160nmの粒子壁厚を有し得るものが好ましい。ホルムアルデヒドスカベンジャーは、封入剤と共に、例えばカプセルスラリー中で用いてもよく、及び/又は封入剤を組成物に添加する前、添加している間、若しくは添加した後に組成物に添加してもよい。好適なカプセルは、米国特許出願公開第2008/0305982(A1)号及び/又は同第2009/0247449(A1)号の教示に従って作製することができる。あるいは、好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することができる。
【0070】
好ましい態様では、本組成物は、好ましくは封入剤に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオンデンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーと共にジメチルアミノエチルメタクリレートを含有するポリマーが挙げられる。
【0071】
香料。本発明の好ましい組成物は、香料を含む。典型的には、本組成物は、国際公開第08/87497号に記載されている群から選択される1つ以上の香料原材料を含む香料を含む。しかし、洗剤において有用ないずれの香料を用いてもよい。香料を本発明の組成物に配合する好ましい方法は、水溶性ヒドロキシ化合物、又はメラミン−ホルムアルデヒド、又は変性ポリビニルアルコールのいずれかを含む封入香料粒子を介するものである。一態様では、封入剤は、(a)1つ以上の水溶性ヒドロキシ化合物、好ましくは、デンプンを含む少なくとも部分的に水溶性の固体マトリックスと、(b)この固体マトリックスによって封入された香油とを含む。更なる態様では、香料は、シッフ塩基を形成するように、ポリアミン、好ましくは、ポリエチレンイミンと予め複合化させてもよい。
【0072】
ポリマー。洗剤組成物は、ポリマーであってよいDTIに加えて、1つ以上のポリマーを含み得る。例は、任意で修飾されるカルボキシメチルセルロース、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリレートなどのポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマー、並びにカルボキシレートポリマーである。
【0073】
好適なカルボキシレートポリマーとしては、マレアート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーが挙げられる。カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーであり得る。他の好適なカルボキシレートポリマーは、マレイン酸とアクリル酸とのコポリマーであり、4,000Da〜90,000Daの範囲の分子量を有し得る。
【0074】
他の好適なカルボキシレートポリマーは、(i)50〜98wt%未満の、カルボキシル基を含む1つ以上のモノマーに由来する構造単位と、(ii)スルホネート部分を含む1つ以上のモノマーから誘導される1〜49重量%未満の構造単位と、(iii)式(I)及び(II)によって表されるエーテル結合含有モノマーから選択される1種以上のモノマーから誘導される1〜49重量%の構造単位とを含むコポリマーである:
【0075】
【化2】
(式(I)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表すが、ただし、Rが単結合である場合、Xは1〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である)、
【0076】
【化3】
(式(II)中、R
0は、水素原子又はCH
3基を表し、Rは、CH
2基、CH
2CH
2基又は単結合を表し、Xは、0〜5の数を表し、R
1は、水素原子又はC
1〜C
20有機基である)。
【0077】
本組成物は、以下の一般構造:ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)n)(CH
3)−N
+−C
xH
2x−N
+−(CH
3)−ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)n)(式中、n=20〜30であり、x=3〜8である)を有する化合物、又はその硫酸化若しくはスルホン化変異体などの1つ以上の両親媒性洗浄ポリマーを含んでいてよい。一態様では、このポリマーを硫酸化又はスルホン化して、双極性汚れ懸濁ポリマーを得る。
【0078】
本組成物は、好ましくは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性及び特性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄用ポリマーを含む。好ましい両親媒性アルコキシル化グリース洗浄用ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含む。これらは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでいてもよい。典型的には、これらは、0.005〜10重量%、一般的には0.5〜8重量%の量で本発明の組成物に配合され得る。
【0079】
ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加のグリース除去性能を提供するのに有用である。このような材料は、国際公開第91/08281号及び国際出願PCT90/01815号に記載されている。化学的に、これら物質は、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3(式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である)のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合されて、「櫛形」ポリマー型構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000〜約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%〜約10重量%含まれ得る。
【0080】
本組成物は、ポリエチレングリコールポリマーを含んでいてよく、これらは、混合界面活性剤系を含む組成物において特に好ましい場合がある。好適なポリエチレングリコールポリマーとしては、(i)ポリエチレングリコールを含む親水性主鎖、並びに(ii)C4〜C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C1〜C6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される側鎖を含む、ランダムグラフトコポリマーが挙げられる。好適なポリエチレングリコールポリマーは、ランダムグラフトポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリエチレングリコール主鎖を有する。ポリエチレングリコール主鎖の平均分子量は、2,000Da〜20,000Da、又は4,000Da〜8,000Daの範囲であり得る。ポリエチレングリコール主鎖のポリ酢酸ビニル側鎖に対する分子量比は、1:1〜1:5又は1:1.2〜1:2の範囲であり得る。エチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、1未満、又は0.8未満であってもよく、エチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、0.5〜0.9の範囲であってもよく、あるいはエチレンオキシド単位当たりのグラフト部位の平均数は、0.1〜0.5、又は0.2〜0.4の範囲であってもよい。好適なポリエチレングリコールポリマーは、Sokalan HP22である。
【0081】
典型的には、これらは、0.005〜10重量%、より典型的には0.05〜8重量%の量で本発明の組成物に配合される。
【0082】
好ましくは、本組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー又はポリアクリレートホモポリマーなどの1つ以上のカルボキシレートポリマーを含む。一態様では、カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。典型的には、これらは、0.005〜10重量%又は0.05〜8重量%の量で本発明の組成物に配合される。
【0083】
好ましくは、本組成物は、1種以上の汚れ放出ポリマーを含む。例としては、下記の式(VI)、(VII)又は(VIII)のうちの1つによって定義される構造を有する汚れ放出ポリマーが挙げられる。
(VI)−[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(VII)−[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(VIII)−[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
(式中、
a、b及びcは、1〜200であり、
d、e及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meで置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H又はC
1〜C
18n−若しくはイソ−アルキルであり、
R
7は、直鎖若しくは分枝鎖C
1〜C
18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C
2〜C
30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基又はC
6〜C
30アリールアルキル基である)。
【0084】
好適な汚れ放出ポリマーは、Rhodiaによって供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6を含むRepel−o−texポリマーなどのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Clariantによって供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325を含むTexcareポリマーが挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Sasolによって供給されているMarloquest SLなどのMarloquestポリマーである。
【0085】
好ましくは、本組成物は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含む。好ましいセルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度及び100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0086】
漂白剤。本組成物は1つ以上の漂白剤を含むことが好ましい場合がある。漂白触媒以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を用いるとき、本発明の組成物は、対象組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤又は漂白剤の混合物を含んでいてよい。好適な漂白剤の例としては以下が挙げられる。
【0087】
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物。
【0088】
(2)予形成過酸:好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキシ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、ペルオキシカルボン酸若しくはその塩、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩が挙げられる。本明細書において使用するのに好適な典型的なペルオキシカルボン酸塩は、以下の化学式に対応する化学構造を有する:
【0089】
【化4】
(式中、R
14は、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール、又は複素環基から選択され、R
14基は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換であってよく、過酸が であるとき、6〜14個の炭素原子又は8〜12個の炭素原子を有し、過酸が親水性であるとき、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有し、Yは、電荷中性をもたらす任意の好適な対イオンであり、好ましくは、Yは、水素、ナトリウム、又はカリウムから選択される)。好ましくは、R
14は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のC
6〜9アルキルである。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、これらの任意の塩、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。特に好ましいペルオキシ酸はフタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、特に、ε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩は、30℃〜60℃の範囲の融点を有する。
【0090】
予形成ペルオキシ酸又はその塩は、また、典型的に以下の化学式に対応する化学構造を有するペルオキシスルホン酸又はその塩であってもよい:
【0091】
【化5】
(式中、R
15は、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール又は複素環基から選択され、R
15基は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換であってよく、Zは、電荷中性をもたらす任意の好適な対イオンであり、好ましくは、Zは、水素、ナトリウム又はカリウムから選択される)。好ましくは、R
15は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のC
4〜14、好ましくはC
6〜14アルキルである。好ましくは、このような漂白剤組成物は、0.01〜50%、最も好ましくは0.1%〜20%の量で本発明の組成物中に存在し得る。
【0092】
(3)過酸化水素源、例えば、過ホウ酸塩(通常、一水和物又は四水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、及びこれらの混合物のナトリウム塩などのアルカリ金属塩を含む、無機過水和物の塩。本発明の一態様では、無機過水和物の塩は、過ホウ酸ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。無機過水和物の塩は、使用する場合、典型的には、布地ケア及びホームケア製品全体の0.05〜40重量%又は1〜30重量%の量で存在し、典型的には、コーティングされ得る結晶性固体としてこのような布地ケア及びホームケア製品に配合される。好適なコーティングとしては、無機塩、例えば、ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩、又はこれらの混合物などのアルカリ金属塩、又は有機物質、例えば、水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸などが挙げられる。
【0093】
(4)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤(式中、Rはアルキル基であり、任意に分枝しており、漂白活性化剤がであるとき、6〜14個の炭素原子又は8〜12個の炭素原子を有し、漂白活性化剤が親水性であるとき、6個未満の炭素原子又は更には4個未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)。好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。また、好適な漂白活性化剤は、国際公開第98/17767号に開示されている。任意の好適な漂白活性化剤を使用してよいが、発明の一態様では、対象組成物は、NOBS、TAED、又はこれらの混合物を含んでいてよい。
【0094】
(5)漂白触媒。本発明の組成物は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基質に転移させることができる1つ以上の漂白触媒を含んでいてもよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双極性イオン、修飾アミン、修飾アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン及びアルファアミノ−ケトン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルファアミノケトンは、例えば、国際公開第2012/000846(A1)号、同第2008/015443(A1)号及び同第2008/014965(A1)号に記載のとおりである。好適な混合物は、米国特許出願公開第2007/0173430(A1)号に記載のとおりである。
【0095】
一態様では、漂白触媒は、以下の一般式に対応する構造を有する:
【0096】
【化6】
(式中、R
13は、2−エチルヘキシル、2−プロピルへプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル及びイソ−ペンタデシルからなる群から選択される)。
【0097】
(6)本組成物は、好ましくは、触媒金属錯体を含んでいてよい。金属含有漂白触媒の1つの好ましい種類は、所定の漂白触媒活性の遷移金属カチオン(例えば、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオン)、漂白触媒活性をわずかにしか又は全く有しない補助金属カチオン(例えば、亜鉛又はアルミニウムカチオン)、及び触媒金属カチオン及び補助金属カチオンに対して所定の安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特に、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びこれらの水溶性塩を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0098】
必要に応じて、本明細書における組成物は、マンガン化合物によって触媒され得る。このような化合物及び使用レベルは、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されているマンガン系触媒が挙げられる。
【0099】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は公知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、同第5,595,967号に記載されている。このようなコバルト触媒は、例えば、米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号に教示されているとおり、公知の手順によって容易に作製される。
【0100】
また、本明細書の組成物は、好適には、ビスピドン(bispidone)などの配位子(国際公開第05/042532(A1)号)及び/又はマクロ多環状剛性配位子(「MRL」と略される))の遷移金属錯体を含んでいてよい。実際問題として、限定するものではないが、本明細書における組成物及び方法は、水性洗浄媒体において、少なくとも一億分率のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、典型的には、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0101】
本遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0102】
好適な遷移金属MRLは、公知の手順、例えば、国際公開第00/32601号及び米国特許第6,225,464号に教示されている手順によって容易に調製される。
【0103】
存在する場合、過酸化水素/過酸及び/又は漂白活性化剤の供給源は、概して、布地ケア及びホームケア製品に基づいて約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、又は更には約0.6〜約10重量%の量で組成物中に存在する。1つ以上の過酸又はその前駆体は、1つ以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用してよい。
【0104】
典型的には、過酸化水素源及び漂白活性化剤は、一緒に配合される。有効酸素(過酸化物源由来)の過酸に対するモル比が1:1〜35:1又は更には2:1〜10:1になるように、過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量を選択してよい。
【0105】
界面活性剤。好ましくは、本組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含む。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性、両性電解質、両親媒性、双極性、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択できる。好ましい組成物は、界面活性剤/界面活性剤系の混合物を含む。好ましい界面活性剤系は、1つ以上のアニオン性界面活性剤を、最も好ましくは共界面活性剤と組み合わせて、最も好ましくは非イオン性及び/又は両性及び/又は双極性界面活性剤と組み合わせて含む。好ましい界面活性剤系は、好ましくは90:1〜2:3又は更には1:90の重量比でアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方を含む。いくつかの例では、アニオン性界面活性剤の非イオン性界面活性剤に対する重量比は、少なくとも1:1が好ましい。しかし、10:1未満の比が好ましい場合もある。存在する場合、総界面活性剤レベルは、好ましくは、対象組成物の0.1重量%〜60重量%、1重量%〜50重量%、又は更には5重量%〜40重量%である。
【0106】
好ましくは、本組成物は、アニオン性洗浄界面活性剤、好ましくはサルフェート及び/又はスルホネート界面活性剤を含む。好ましい例としては、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシル化サルフェートが挙げられる。好ましいスルホネートは、C
10〜13アルキルベンゼンスルホネートである。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得ることができる。好適なLABとしては、商標名Isochem(登録商標)としてSasolによって供給されているもの又はPetresaによって商標名Petrelab(登録商標)として供給されているものなどの低2−フェニルLABが挙げられ、他の好適なLABとしては、商標名Hyblene(登録商標)としてSasolによって供給されているものなどの高2−フェニルLABが挙げられる。好適なアニオン性洗浄界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HFなどの他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩が用いられる。
【0107】
好ましいサルフェート洗浄界面活性剤としては、アルキルサルフェート、典型的にはC
8〜18アルキルサルフェート、又は主にはC
12アルキルサルフェートが挙げられる。更に好ましいアルキルサルフェートは、アルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC
8〜18アルキルアルコキシル化サルフェートである。好ましくは、アルコキシル化基は、エトキシル化基である。典型的には、アルキルアルコキシル化サルフェートは、0.5〜30若しくは20、又は0.5〜10の平均アルコキシル化度を有する。0.5〜10、又は0.5〜7、0.5〜5、又は更には0.5〜3の平均エトキシル化度を有するC
8〜18アルキルエトキシル化サルフェートが特に好ましい。
【0108】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート、及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。界面活性剤が分枝状である場合、好ましくは、界面活性剤は、中鎖分枝サルフェート又はスルホネート界面活性剤を含む。好ましくは、分枝基は、C
1〜4アルキル基、典型的にはメチル及び/又はエチル基を含む。
【0109】
好ましくは、本組成物は、非イオン性洗浄界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、C
8〜C
18アルキルエトキシレート(例えば、Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤);C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってよい);エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C
12〜C
18アルコール及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合物(例えば、BASF製のPluronic(登録商標));C
14〜C
22中鎖分枝状アルコール;C
14〜C
22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート(典型的には1〜30の平均アルコキシル化度を有する);アルキル多糖類(一態様では、アルキルポリグリコシド);ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
【0110】
好適な非イオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールが挙げられる。
【0111】
一態様では、非イオン性洗浄界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、一態様ではC
8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、例えばC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、当該アルキルアルコキシル化アルコールは、1〜80、好ましくは1〜50、最も好ましくは1〜30、1〜20、又は1〜10の平均アルコキシル化度を有し得る。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、1〜10、1〜7、更には1〜5、若しくは3〜7、又は更には3若しくは2未満の平均エトキシル化度を有するC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールであってよい。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換されていても非置換であってもよい。
【0112】
好適な非イオン性界面活性剤としては、商品名Lutensol(登録商標)(BASF)が挙げられる。
【0113】
好適なカチオン性洗浄界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル第三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0114】
好適カチオン性浄性界面活性剤は、以下の一般式を有する第四級アンモニウム化合物である。
(R)(R
1)(R
2)(R
3)N
+X
−
(式中、Rは、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のC
6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R
1及びR
2は、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R
3は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電気的中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、例えば塩化物などのハロゲン化物、硫酸及びスルホン酸が挙げられる。好適なカチオン性洗浄界面活性剤は、モノ−C
6〜18のアルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロライドである。非常に好適なカチオン性洗浄界面活性剤は、モノ−C
8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロライド、モノ−C
10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロライド、及びモノ−C
10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロライドである。
【0115】
好適な両性/双極性界面活性剤としては、アミンオキシド及びベタインが挙げられる。
【0116】
アミンで中和されたアニオン性界面活性剤−本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は、酸形態で存在してもよく、上記酸形態を中和して、本洗剤組成物で用いるのに望ましい界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物(例えば、NaOH又はKOH)など金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態の本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更に好ましい剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。当該技術分野において公知のモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び他の直鎖若しくは分枝鎖アルカノールアミンを含む好適な非限定的な例。例えば、非常に好ましいアルカノールアミンとしては、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン又は1−アミノ−3−プロパノールが挙げられる。アミン中和は、完全に又は部分的に行われてよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部がナトリウム又はカリウムで中和されてもよく、アニオン性界面活性剤混合物の一部がアミン又はアルカノールアミンで中和されてもよい。
【0117】
ビルダー。好ましくは、本組成物は、1つ以上のビルダー又はビルダー系を含む。ビルダーを用いるとき、本発明の組成物は、典型的には、少なくとも1%又は少なくとも2%〜60%のビルダーを含む。好適なビルダーとしては、例えば、ゼオライト、リン酸塩、クエン酸塩などが挙げられる。本組成物は、低レベル、例えば1〜10又は5重量%のリン酸塩及び/又はゼオライトを含むことが好ましい場合がある。本組成物は、更には、強力なビルダーを実質的に含んでいなくてもよい。強力なビルダーを実質的に含まないとは、ゼオライト及び/又はリン酸塩が「意図的に添加されない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0118】
キレート剤。好ましくは、本組成物は、キレート剤及び/又は結晶成長阻害物質を含む。好適な分子としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に用いるのに好適なキレート剤の非限定的な例としては、エチレンジアミンテトラアセテート、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリアセテート、ニトリロトリアセテート、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミンヘキサアセテート、ジエチレントリアミンペンタアセテート、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で用いるキレート剤の他の非限定的な例は、米国特許第7445644号、同第7585376号、及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に見出される。本明細書に用いるのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製、及びNalco,Inc.製のキレート剤である。
【0119】
pH調整剤。所望のpHを得るためにpH調整剤を配合してよい。洗剤製造業者の当業者に公知の任意のアルカリ又は酸、例えば、水酸化、炭酸若しくはケイ酸ナトリウム若しくはカリウム、クエン酸、又は塩酸などの強酸を添加してよい。緩衝能を付加するpH調整剤が、特に好ましい場合がある。
【0120】
ケイ酸塩。本組成物は、好ましくは、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムなどのケイ酸塩を含んでいてもよい。本組成物は、0重量%〜10重量%未満、9重量%以下、又は8重量%以下、又は7重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は更には2重量%以下のケイ酸塩、好ましくは0重量%超、又は0.5重量%以上、又は更には1重量%以上のケイ酸塩を含み得る。好適なケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0121】
分散剤。本組成物は、好ましくは、分散剤を含有していてもよい。好適な水溶性有機物質としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はこれらの塩が挙げられ、この場合、ポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個以下だけ離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0122】
酵素安定剤。本組成物は、好ましくは、酵素安定剤を含んでいてもよい。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する最終布地ケア及びホームケア製品中にカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を存在させることによって、任意の従来の酵素安定剤を用いてよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を向上させるために、例えば、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、又は好ましくは4−ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム、及び1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコールなどの化合物など、可逆的プロテアーゼ阻害物質を添加してもよい。
【0123】
布地濃淡染料。本組成物は、布地濃淡染料を含んでいてよい。好適な布地濃淡染料(時に、色調剤、青味剤又は白色剤と呼ばれることもある)は、典型的には、青又は紫の濃淡を布地にもたらす。布地濃淡染料は、単独又は組み合わせて使用して、特定の色調の濃淡を作り出すことができ、及び/又は異なる種類の布地に濃淡を付けることができる。これは、例えば、赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の濃淡を生じさせることによって提供され得る。布地濃淡染料は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予め金属化(premetallized)されたアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない任意の公知の化学分類の染料から選択してよい。
【0124】
好適な布地濃淡染料としては、染料及び染料−粘土結合体が挙げられる。好ましい布地濃淡染料は、小分子染料及び高分子染料から選択される。好適な小分子染料としては、例えば、青、紫、赤、緑又は黒に分類され、単独で又は他の染料若しくは補助成分と組み合わせて所望の濃淡をもたらす、酸性染料、直接染料、塩基性染料、反応染料、溶媒染料、又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。欧州特許出願公開第1794274(A)号に記載のとおり、加水分解された反応染料として記載される染料を含んでもよい。別の態様では、好適な小分子染料としては、色指数(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK)番号:ダイレクトバイオレット染料(5、7、9、11、31、35、48、51、66及び99など)、ダイレクトブルー染料(1、71、80及び279など)、アシッドレッド染料(17、73、52、88及び150など)、アシッドバイオレット染料(15、17、24、43、49及び50など)、アシッドブルー染料(15、17、25、29、40、45、48、75、80、83、90及び113など)、アシッドブラック染料(1など)、ベーシックバイオレット染料(1、3、4、10及び35など)、ベーシックブルー染料(3、16、22、47、66、75及び159など)、分散又は溶媒染料(例えば、米国特許出願公開第2008/034511(A1)号又は米国特許第8,268,016(B2)号に記載されているもの)、あるいは米国特許第7,208,459(B2)号に開示されている染料、例えば、ソルベントバイオレット13、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な低分子染料としては、C.I.番号アシッドバイオレット17、アシッドブルー80、アシッドバイオレット50、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、又はこれらの混合物からなる群から選択される低分子染料が挙げられる。
【0125】
好適な高分子染料としては、共有結合している(時に、複合体化しているとも称される)色原体(染料−ポリマー結合体)を含有するポリマー、例えば、ポリマーの主鎖に共重合した色原体を有するポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。高分子染料としては、国際公開第2011/98355号、米国特許出願公開第2012/225803(A1)号、同第2012/090102(A1)号、国際公開第2012/166768号、米国特許第7,686,892B2号、及び国際公開第2010/142503号に記載されているものが挙げられる。
【0126】
他の好適な高分子染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken、Spartanburg(South Carolina,USA))の名称で販売されている布地直接着色剤、少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーとから形成される染料−ポリマー結合体からな成る群から選択される高分子染料が挙げられる。更に別の態様では、好適な高分子染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、Megazyme(Wicklow,Ireland)によって商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCとして販売されているC.I.リアクティブブルー19と結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)などの1つ以上のリアクティブブルー、リアクティブバイオレット又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているCMC、アルコキシル化トリフェニル−メタン高分子着色料、アルコキシル化チオフェン高分子着色料、アルコキシル化炭素環式及びアルコキシル化複素環式アゾ着色料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。好ましい高分子染料は、リキティント染料など、アルコキシル化トリフェニル−メタン高分子着色料、アルコキシル化チオフェン高分子着色料、アルコキシル化炭素環式及びアルコキシル化複素環式アゾ着色料、並びにこれらの混合物などの任意に置換されているアルコキシル化染料を含む。
【0127】
好ましい色調染料としては、国際公開第08/87497(A1)号、同第2011/011799号、及び米国特許出願公開第2012/129752(A1)号に見出される白色剤が挙げられる。本発明に使用するのに好ましい色調剤は、国際公開第2011/011799号の表5の実施例1〜42から選択されるものを含む、これら参考文献に開示されている好ましい染料であってよい。他の好ましい染料は、米国特許第8,138,222号に開示されている。他の好適な染料は、米国特許第7,909,890(B2)号に開示されている。
【0128】
好適な染料−粘土結合体としては、少なくとも1つのカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料−粘土結合体が挙げられる。別の態様では、好適な染料−粘土結合体としては、1つのカチオン性/塩基性染料と、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘土とからなる群から選択される染料−粘土結合体が挙げられる。好適なカチオン性/塩基性染料の例としては、C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシックレッド1〜118、C.I.ベーシックバイオレット1〜51、C.I.ベーシックブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、C.I.ベーシックブラック1〜11が挙げられる。更に別の態様では、好適な染料−粘土結合体としては、モンモリロナイトベーシックブルーB7C.I.42595結合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9C.I.52015結合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3C.I.42555結合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1C.I.42040結合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1C.I.45160結合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2結合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595結合体、ヘクトライトトベーシックブルーB9 C.I.52015結合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555結合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040結合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160結合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2結合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595結合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015結合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555結合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040結合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160結合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2結合体、及びこれらの混合物からなる群から選択される、染料−粘土結合体が挙げられる。
【0129】
布地濃淡染料、又は実際には、顔料、蛍光増白剤、ポリマーなどの有機合成経路によって作製される他の助剤は、任意の精製工程を用いる助剤の有機合成の結果として得られる反応混合物の一部として、洗剤組成物に配合してよい。このような反応混合物は、一般的に、助剤自体を含み、更に、未反応の出発物質及び/又は有機合成経路の副生成物を含んでいてもよい。
【0130】
好適なポリマー布地濃淡染料を以下に示す。このようなアルコキシル化化合物の全てと同様に、有機合成によって、様々な程度のアルコキシル化を有する分子の混合物を生成することができる。このような混合物は、布地濃淡染料を提供するために直接使用しても、又は精製工程を受けてもよい。
【0131】
布地濃淡染料は、以下の構造を有し得る:
【0132】
【化7】
(式中、
R
1及びR
2は、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルキレンオキシ、アルキル末端保護されたアルキレンオキシ、尿素、及びアミドからなる群から選択され、
R
3は、置換アリール基であり、
Xは、スルホンアミド部分と、任意にアルキル及び/又はアリール部分とを含む置換基であり、当該置換基は、少なくとも1本のアルキレンオキシ鎖を含む)。色調染料は、好ましくはアルコキシル化されている、チオフェンアゾ染料などのチオフェン染料であってよい。任意に、染料は、スルホン酸基、カルボン酸基、又は第四級アンモニウム基から選択される少なくとも1つの可溶化基で置換されていてもよい。
【0133】
好適な布地濃淡染料の例は、以下のとおりである。
【0136】
上記の染料は、以下を含んでいてよい:
a)式(1)のZn−、Ca−、Mg−、Na−、K−、Al、Si−、Ti−、Ge−、Ga−、Zr−、In−又はSn−フタロシアニン化合物
(PC)−L−(D) (1)
上記化合物には、連結基Lを介在した共有結合によって少なくとも1つのモノアゾ染料が結合し、この場合、
PCは、金属含有フタロシアニン環系であり、
Dは、モノアゾ染料のラジカルであり、そして
Lは、基
【0137】
【化10】
である
(式中、
R
20は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ又はハロゲンであり、
R
21は、独立して、D、水素、OH、Cl又はFであるが、ただし、少なくとも1つはDであり、
R
100は、C
1〜C
8アルキレンであり、
*は、PCの結合点であり、
#は、染料の結合点である)。
【0138】
上述の布地濃淡染料は、組み合わせて使用してもよい(布地色調剤の任意の混合物を使用することができる)。
【0139】
顔料。好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を含有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換であってもよく、又はC1〜C3−アルキル若しくはフェニル若しくは複素環式ラジカルによって置換されていてもよく、当該フェニル及び複素環式ラジカルは、水溶性を付与しない置換基を更に有してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子あたり最高2個の塩素原子を含有し得る銅フタロシアニン、1分子あたり最高14個の臭素原子を含有するポリクロロ−銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。他の好適な顔料は、国際公開第2008/090091号に記載されている。別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、モナストラールブルー、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。特に好ましいのは、ピグメントブルー15〜20、特にピグメントブルー15及び/又は16である。他の好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、モナストラールブルー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。好適な色調剤は、米国特許第7,208,459(B2)号により詳細に記載されている。
【0140】
上述の布地色調剤は、色調剤の混合物及び/又は任意の顔料との混合物において使用することができる。
【0141】
蛍光増白剤。有益剤は、1つ以上の蛍光増白剤を含んでいてよい。蛍光増白剤の好適な例は、例えば、スチルベン増白剤、クマリン増白剤、ベンゾキサゾール増白剤、及びこれらの混合物である。ジアミノスチルベンジスルホン酸型増白剤(以下、「DAS」と呼ぶ)は、国際公開第98/52907(A)号では親水性として分類されている。市販されているDASの例は、Tinopal DMS(ex CIBA)である。別の種類の低ClogP増白剤は、ジスチリルビフェニル増白剤(以下、「DSBP」と呼ぶ)である。市販されているこの種の増白剤の例は、Tinopal CBS−X(同様にex CIBA)である。本発明において有用であり得る市販の蛍光増白剤は、サブグループに分類することができ、当該サブグループとしては、スチルベン、ピラゾリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びに他の様々な剤の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい増白剤は、ナトリウム2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール、二ナトリウム4,4’−ビス([4−アニリノ−6−(N−メチル−2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]アミノ)スチルベン−2,2’−ジスルホネート、二ナトリウム4,4’−ビス[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ]スチルベン−2,2’−ジスルホネート、及び二ナトリウム4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルから選択される。このような増白剤の他の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik、John Wiley & Sons刊、New York(1982年))に開示されている。
【0142】
好ましい増白剤は、以下の構造を有する。
【0144】
好適な増白剤のレベルは、約0.01、約0.05、約0.1、又は更には約0.2重量%から上限0.5、0.75、又は更には1.0重量%までである。
【0145】
非常に好ましい光学増白剤は、C.I.蛍光増白剤260を含む(好ましくは以下の構造を有する)。
【0147】
C.I.蛍光増白剤260の作製方法は、ベルギー特許第680847号に記載されている。
【0148】
審美染料。本組成物は、審美染料及び/又は顔料を含んでいてよい。好適な染料としては、洗浄及び/又は処理組成物を着色するために使用される、任意の従来の染料、典型的には小分子染料又は高分子染料が挙げられる。これらは、一般的に、非布地濃淡染料である。
【0149】
溶媒系。本組成物は、例えば、水単独、又は水を含まないか若しくは水を含む有機溶媒の混合物を含む溶媒系を含んでいてよい。好適な有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、C1〜C4アルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミンなどを使用してもよい。溶媒系は、例えば、本発明の無水固体の実施形態には存在していなくてもよいが、より典型的には、約0.1%〜98%、好ましくは少なくとも約1%〜約50%、より一般的には約5%〜約25%の範囲のレベルで存在している。このような溶媒系は、増白剤と洗剤組成物中の他の成分とを混合する前に増白剤と予混合するために特に有用であり得る。あるいは又は更に、界面活性剤を増白剤と予混合してもよい。このような好ましい実施形態では、増白剤と予混合された界面活性剤は、(界面活性剤の総重量に基づいて)少なくとも25重量%又は少なくとも50重量%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0150】
本発明のいくつかの実施形態では、本組成物は、構造化された液体の形態である。このような構造化された液体は、内部的に構造化されて、一次成分(例えば、界面活性剤物質)によって構造体を形成してもよく、及び/又は例えば、増粘剤として用いるために、二次成分(例えば、ポリマー、粘土及び/又はケイ酸塩物質)を用いて三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部的に構造化してもよい。本組成物は、構造化剤を含んでいてよく、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、0.1重量%〜2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に示されている。構造化剤は、典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、セルロース系物質、マイクロファイバーセルロース、Polygel W30(3VSigma)などのアリ(ally)変性アルカリ膨潤性エマルション、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体(例えば、硬化ヒマシ油の非エトキシル化誘導体)、及びこれらの混合物からなる群から選択され、特に、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体、マイクロファイバーセルロース、ヒドロキシ官能性結晶性物質、長鎖脂肪族アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、粘土、及びこれらの混合物の群から選択されるものである。好適なヒドロキシ官能性結晶性物質を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、硬化ヒマシ油である。有用な構造化剤の非限定的な例としては、が挙げられる。このような構造化剤は、ある範囲のアスペクト比を有する糸様構造系を有する。他の好適な構造化剤及びその作製方法は、国際公開第2010/034736号に記載されている。
【0151】
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含んでいてよい。本明細書で有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。このような低融点の化合物は、この項に含まれることを意図するものではない。高融点脂肪族化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary、第5版(1993年)、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第2版(1992年)に見出される。存在する場合、高融点脂肪族化合物は、濡れた毛髪に塗布している間のなめらかな感触、乾いた髪の柔らかさ及びしっとりした感触などのコンディショニング効果を向上させる観点から、好ましくは、組成物の0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは1.5重量%〜16重量%、1.5重量%〜8重量%のレベルで組成物中に含まれる。
【0152】
カチオン性ポリマー。本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有していてよい。本組成物におけるカチオン性ポリマーの濃度は、典型的には0.05%〜3%、別の実施形態では0.075%〜2.0%、更に別の実施形態では0.1%〜1.0%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図する用途のpH(一般的に、pH3〜pH9、一実施形態ではpH4〜pH8の範囲のpH)において、少なくとも0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも1.2meq/gm、更に別の実施形態では少なくとも1.5meq/gmであるが、一実施形態では7meq/gm未満、別の実施形態では5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「正電荷密度」とは、ポリマー上の正電荷数の、ポリマーの分子量に対する比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般的に、10,000〜10,000,000、一実施形態では、50,000〜5,000,000、別の実施形態では100,000〜3,000,000である。
【0153】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はプロトン化されたカチオン性アミノ部分を含有する。ポリマーが、水中、組成物中、若しくは組成物のコアセルベート相中で可溶性のままであり、かつ対イオンが、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、又はそうでなければ、製品の性能、安定性、若しくは審美性を過度に損なうことがない限り、任意のアニオン性対イオンをカチオン性ポリマーと併せて使用してもよい。このような対イオンの非限定的な例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、硫酸塩及び硫酸メチルが挙げられる。
【0154】
このようなポリマーの非限定的な例は、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、第3版、Estrin、Crosley及びHaynes編(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))に記載されている。
【0155】
本組成物に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーとしては、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロースのコポリマー、グアー及びデンプンが挙げられる。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー、並びにアニオン性、両性及び/又は双極性界面活性剤成分によって形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶性である。また、カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、組成物中の他の帯電物質と形成することもできる。
【0156】
好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0157】
非イオン性ポリマー。本発明の組成物は、コンディショニング剤として非イオン性ポリマーを含んでいてよい。1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが本明細書で有用である。以下の一般式を有するものが有用である:
【0158】
【化13】
(式中、R95は、H、メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される)。コンディショニング剤、特にシリコーンが、組成物に含まれ得る。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。本組成物に使用するのに好適なコンディショニング剤は、一般的にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、ないしは別の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、物理的及び化学的に組成物の必須成分と適合しなければならず、そうでなければ製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。
【0159】
本組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果をもたらすのに十分であるべきである。このような濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均サイズ、他の成分の種類及び濃度、並びに他の同様の要因によって変動し得る。
【0160】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01%〜約10%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定的な例、及びシリコーン用の任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号;同第5,106,609号、同第4,152,416号、同第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、同第6,607,717号、同第6,482,969号、同第5,807,956号、同第5,981,681号、同第6,207,782号、同第7,465,439号、同第7,041,767号、同第7,217,777号、米国特許出願公開第2007/0286837(A1)号;同第2005/0048549(A1)号;同第2007/0041929(A1)号;英国特許第849,433号;独国特許第10036533号;(これらは全て参照により本明細書に組み込まれる);Chemistry and Technology of Silicones(New York:Academic Press(1968年));ゼネラルエレクトリックシリコーンゴム製品データシートSE30、SE33、SE54、及びSE76;Silicon Compounds,(Petrarch Systems,Inc.(1984));及びEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、第15巻、第2版、pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989年)に記載されている。
【0161】
移染阻害剤(DTI)。洗浄及び/又は処理組成物は、好ましくは、1つの又は1つを超える移染阻害剤の混合物を含む。好適な移染阻害剤は、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。他の好適なDTIは、国際公開第2012/095354号に記載されているトリアジン、同第2010/130624号に記載されている重合ベンゾオキサジン、独国特許出願第102009001144(A)号に記載されているポリビニルテトラゾール、国際公開第2009/127587号に記載されている多孔質ポリアミド粒子、及び同第2009/124908号に記載されている不溶性ポリマー粒子である。他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されているか、又は(a)両親媒性アルコキシル化ポリアミン、両親媒性グラフトコポリマー、双極性汚れ懸濁ポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである。
【0162】
好ましい分類のDTIとしては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。より具体的には、本明細書に用いるのに好ましいポリアミンN−オキシドポリマーは、以下の構造式:R−AX−Pを有する単位を含有する:(式中、Pは、重合可能な単位であり、この単位にN−O基が結合することができるか、又はN−O基が、重合可能な単位の一部を生成することができるか、又はN−O基が両方の単位に結合することができ、Aは、以下の構造:−NC(O)−、−C(O)O−、−S−、−O−、−N=のうちの1つであり、xは0又は1であり、Rは、脂肪族、エトキシル化脂肪族、芳香族、複素環式若しくは脂環式基、又はこれらの任意の組み合わせであり、このRにN−O基の窒素が結合することができるか、又はN−O基がこれらの基の一部である)。好ましいポリアミンN−オキシドは、Rが、ピリジン、ピロール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、及びこれらの誘導体などの複素環式基であるものである。
【0163】
N−O基は、以下の一般構造によって表すことができる。
【0164】
【化14】
(式中、R1、R2、R3は、脂肪族、芳香族、複素環式若しくは脂環式基、又はこれらの組み合わせであり、x、y及びzは、0又は1であり、N−O基の窒素は、上述の基のいずれかに結合することができるか又はその一部を形成することができる)。ポリアミンN−オキシドのアミンオキシド単位は、pKa<10、好ましくはpKa<7、より好ましくはpKa<6を有する。
【0165】
形成されるアミンオキシドポリマーが水溶性でありかつ移染阻害特性を有する限り、任意のポリマー主鎖を使用することができる。好適なポリマー主鎖の例は、ポリビニル、ポリアルキレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート、及びこれらの混合物である。これらポリマーとしては、一方のモノマー種がアミンN−オキシドであり、他方のモノマー種がN−オキシドであるランダム又はブロックコポリマーが挙げられる。アミンN−オキシドポリマーは、典型的には、10:1〜1:1,000,000のアミンのアミンN−オキシドに対する比を有する。しかし、ポリアミンオキシドポリマー中に存在するアミンオキシド基の数は、適切な共重合又は適切なN−酸化度によって変動し得る。ポリアミンオキシドは、ほとんど全ての重合度で得ることができる。
【0166】
典型的には、その平均分子量は、500〜1,000,000、より好ましくは1,000〜500,000、最も好ましくは5,000〜100,000の範囲内である。この好ましいクラスの物質は、「PVNO」と呼ばれることもある。
【0167】
本明細書における洗剤組成物で有用な最も好ましいポリアミンN−オキシドは、平均分子量が約50,000でありかつアミンのアミンN−オキシドに対する比が約1:4であるポリ(4−ビニルピリジン−N−オキシド)である。
【0168】
N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールポリマーのコポリマー(「PVPVI」クラスと呼ばれる)も、本明細書において使用するのに好ましい。好ましくは、PVPVIは、5,000〜1,000,000、より好ましくは5,000〜200,000、最も好ましくは10,000〜20,000の範囲の平均分子量を有する。(この平均分子量の範囲は、Barth等、
Chemical Analysis、第113巻、「Modem Methods of Polymer Characterization」に記載のとおり光散乱によって決定され、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。)PVPVIコポリマーは、典型的には、N−ビニルイミダゾールのN−ビニルピロリドンに対するモル比が1:1〜0.2:1、より好ましくは0.8:1〜0.3:1、最も好ましくは0.6:1〜0.4:1である。
【0169】
これらコポリマーは、直鎖又は分枝鎖であってよい。
【0170】
また、本発明の組成物は、約5,000〜約400,000、好ましくは約5,000〜約200,000、より好ましくは約5,000〜約50,000の平均分子量を有するポリビニルピロリドン(「PVP」)を使用してもよい。PVPは、洗剤分野の当業者に公知であり、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第262,897(A)号及び同第256,696(A)号を参照されたい。
【0171】
PVPを含有する組成物は、約500〜約100,000、好ましくは約1,000〜約10,000の平均分子量を有するポリエチレングリコール(「PEG」)も含有することができる。好ましくは、洗浄溶液中に送達されるPEGのPVPに対する比(ppm基準)は、約2:1〜約50:1、より好ましくは約3:1〜約10:1である。
【0172】
(a)N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールと、(b)ポリアミンN−オキシドポリマー、特にポリ4−ビニルピリジンN−オキシドとのコポリマーを含む混合ポリマー系が、特に好ましいDTI系であり、特に好ましい(a):(b)の重量比は5:1〜1:5である。本発明に不可欠なDTIの好ましい分子量は、1000〜250000ダルトン、より好ましくは2000〜150000,又は更には8000〜100000ダルトンである。
【0173】
好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP−K15、PVP−K30、ChromaBond S−400、ChromaBond S−403E及びChromabond S−100、並びにBASF製のSokalan(登録商標)HP165、Sokalan(登録商標)HP50、Sokalan(登録商標)HP53、Sokalan(登録商標)HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP66が挙げられる。
【0174】
本発明者らは、蛍光増白剤及びDTIを含む組成物が白色度を著しく増大させることを見出したが、これは、DTIは典型的には蛍光増白剤の有効性を低下させるので、驚くべきことである。
【0175】
移染阻害剤は、組成物の約0.0001重量%〜約15重量%、約0.01重量%〜約10重量%、好ましくは約0.01重量%〜約5重量%のレベルで存在してよい。
【0176】
有機コンディショニングオイル。また、本発明の組成物は、コンディショニング剤として、単独で又は(本明細書に記載の)シリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせて、約0.05〜約3%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを含んでいてもよい。好適なコンディショニングオイルとしては、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪族エステルが挙げられる。米国特許第5,674,478号及び同第5,750,122号においてProcter & Gamble Companyによって記載されているコンディショニング剤も、本明細書の組成物に用いるのに好適である。同様に、米国特許第4,529,586号、同第4,507,280号、同第4,663,158号、同第4,197,865号、同第4,217、914号、同第4,381,919号及び同第4,422、853号に記載されているコンディショニング剤も本明細書に用いるのに好適である。
【0177】
衛生剤。本発明の組成物は、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)などの第四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)、及びこれらの亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体を除放するように設計されているもののうちの1つ以上などの、衛生及び/又は悪臭効果をもたらすための成分を含んでいてもよい。
【0178】
プロバイオティクス。本組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているものなどのプロバイオティクスを含んでいてよい。
【0179】
泡増量剤。高い起泡性が望ましい場合、本組成物は、好ましくは、泡増量剤を含んでいてよい。好適な例は、C10〜C16アルカノールアミド又はC10〜C14アルキルサルフェートであり、これらは好ましくは1%〜10%のレベルで配合される。C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような泡増量剤の典型的な分類を表す。このような泡増量剤を上述のアミンオキシド、ベタイン及びスルタインなどの高起泡性補助界面活性剤と共に使用することも有益である。必要に応じて、追加の泡を提供するため及びグリース除去性能を強化するために、MgCl2、MgSO4、CaCl2、CaSO4などのような水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、典型的には、0.1%〜2%のレベルで添加してよい。
【0180】
抑泡剤。泡の形成を低減又は抑制する化合物を本発明の組成物に配合してもよい。泡の抑制は、米国特許第4,489,455号及び同第4,489,574号に記載されている、いわゆる「高濃度洗浄プロセス」、並びにフロントローディング方式の洗濯機において特に重要であり得る。広範な材料を抑泡剤として使用してよく、抑泡剤は当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、430〜447頁(John Wiley & Sons,Inc.、1979年)を参照されたい。抑泡剤の例としては、モノカルボン脂肪酸及びその可溶性塩、パラフィンなどの高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18〜C40ケトン(例えば、ステアロン)、N−アルキル化アミノトリアジン、好ましくは約100℃未満の融点を有するワックス状炭化水素、シリコーン抑泡剤、及び第二級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号、及び同第4,798,679号、同第4,075,118号、欧州特許出願公開第89307851.9号、欧州特許第150,872号及びDOS2,124,526に記載されている。
【0181】
自動洗濯機で使用される任意の洗剤組成物について、泡は、洗濯機から溢流する程度にまで形成されてはならない。使用する場合、抑泡剤は、好ましくは「抑泡量」で存在している。「抑泡量」とは、自動洗濯機で使用する際に低起泡性洗濯洗剤となるように起泡を十分に制御するこの抑泡剤の量を、組成物の配合者が選択できることを意味する。本明細書の組成物は、一般的に、0%〜10%の抑泡剤を含む。抑泡剤として用いる場合、モノカルボン脂肪酸及びその塩は、典型的には洗剤組成物の5重量%以下の量で存在する。好ましくは、0.5%〜3%の脂肪族モノカルボキシレート抑泡剤を用いる。シリコーン抑泡剤は、典型的には、洗剤組成物の2.0重量%以下の量で用いられるが、更に多い量を用いてもよい。モノステアリルホスフェート抑泡剤は、一般的に、組成物の0.1重量%〜2重量%の範囲の量で用いられる。炭化水素抑泡剤は、典型的には、0.01%〜5.0%の範囲の量で用いられるが、更に高いレベルで用いてもよい。アルコール抑泡剤は、典型的には、最終組成物の0.2重量%〜3重量%で用いられる。
【0182】
真珠光沢剤。国際公開第2011/163457号に記載の真珠光沢剤を本発明の組成物に配合してよい。
【0183】
香料。好ましくは、本組成物は、香料を、好ましくは0.001〜3重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%の範囲で含む。CTFA(Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)1992 International Buyers Guide(CFTA Publications刊)及びOPD 1993 Chemicals Buyers Directory 80
th Annual Edition(Schnell Publishing Co.刊)に、香料の多くの好適な例が提供されている。通常、本発明の組成物中には、複数、例えば4つ、5つ、6つ、7つ又はそれ以上の香料成分が存在する。香料混合物において、好ましくは15〜25重量%がトップノートである。トップノートは、Poucher(Journal of the Society of Cosmetic Chemists 6(2):80[1995])によって定義されている。好ましいトップノートとしては、ローズオキシド、シトラスオイル、リナリルアセテート、ラベンダー、リナロール、ジヒドロミルセノール、及びシス−3−ヘキサノールが挙げられる。
【0184】
パッケージ。任意の従来のパッケージを用いてよく、本発明に不可欠な染料の色によってもたらされ得るか又は当該染料の色が寄与し得る製品の色を消費者が見ることができるように、パッケージは全体的又は部分的に透明であってよい。パッケージの一部又は全部に、紫外線吸収化合物を含めてもよい。
【0185】
組成物の作製方法
本発明の組成物は、固体(例えば、顆粒又は錠剤)であっても、又は液体形態であってもよい。好ましくは、本組成物は、液体形態である。本組成物は、配合業者が選択する任意の工程によって作製でき、その非限定的な例は、実施例及び米国特許第4,990,280号、米国特許出願公開第20030087791(A1)号、同第20030087790(A1)号、同第20050003983(A1)号、同第20040048764(A1)号、米国特許第4,762,636号、同第6,291,412号、米国特許出願公開第20050227891(A1)号、欧州特許第1070115(A2)号、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486号に記載されている。
【0186】
液体の形態である場合、本発明の組成物は、水性(典型的には2重量%超、又は更には5若しくは10重量%超の総含水量、最大で90又は最大で80重量%若しくは70重量%の総含水量)であっても、又は非水性(典型的には、2重量%未満の総含水量)であってもよい。典型的には、本発明の組成物は、光学増白剤、DTI、及び任意の更なる補助物質の水溶液又は均一な分散液若しくは懸濁液の形態であり、これらの成分の一部は通常固体の形態であってもよく、本組成物の通常液体の成分(アルコールエトキシレート非イオン性液体、水性液体キャリア、及び任意の他の通常液体であるの任意成分等)と組み合わせられている成分である。このような溶液、分散液、又は懸濁液は、許容可能な相安定性を有する。液体の形態であるとき、本発明の洗剤は、好ましくは、20s−1及び21℃において1〜1500センチポアズ(1〜1500mPa
*s)、より好ましくは100〜1000センチポアズ(100〜1000mPa
*s)、最も好ましくは200〜500センチポアズ(200〜500mPa
*s)の粘度を有する。粘度は、従来法によって測定することができる。粘度は、TA instruments製のAR550レオメータを用いて、直径40mm及びギャップサイズ500μmのプレートスチールスピンドルを用いて測定してよい。20s−1における高剪断粘度及び0.05−1における低剪断粘度は、21Cで3分間の対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1から得ることができる。本明細書に記載する好ましいレオロジーは、内部構造剤を洗剤成分と共に使用して、又は外部レオロジー変性剤を使用することによって得ることができる。より好ましくは、洗剤液体組成物などの洗剤は、約100センチポアズ〜1500センチポアズ、より好ましくは100〜1000cpsの高剪断速度粘度を有する。洗剤液体組成物などの単位用量洗剤は、400〜1000cpsの高剪断速度粘度を有する。洗濯柔軟化組成物などの洗剤は、典型的には、10〜1000、より好ましくは10〜800cps、最も好ましくは10〜500cpsの高剪断速度粘度を有する。食器手洗い用組成物は、300〜4000cps、より好ましくは300〜1000cpsの高剪断速度粘度を有する。
【0187】
本明細書における液体の形態の洗浄及び/又は処理組成物は、任意の都合のよい順序でその成分を合わせ、得られた成分の組み合わせを混合、例えば、撹拌して、相安定液体洗剤組成物を形成することによって調製することができる。このような組成物を調製する方法では、例えば、非イオン性界面活性剤、非界面活性液体キャリア、及び他の任意の液体成分などの液体成分の少なくとも大部分、又は更には実質的に全てを含有する液体マトリックスが形成され、当該液体成分は、この液体の組み合わせに剪断撹拌を付与することによって十分に混合されている。例えば、機械的撹拌機による高速撹拌が通常使用され得る。剪断撹拌を維持しつつ、任意のアニオン性界面活性剤及び固体形態の成分の実質上全てを添加することができる。混合物の撹拌を継続し、必要であればその時点で増強させて、液相内の不溶性固相粒子の溶液又は均一な分散液を形成する。固体形態物質の一部又は全てをこの撹拌混合物に添加した後、含める任意の酵素物質の粒子、例えば、酵素プリルを配合する。上述の組成物調製手順の変形例として、固体成分のうちの1つ以上を、液体成分のうちの1つ以上の微量の部分と予め混合した粒子の溶液又はスラリーとして、撹拌混合物に添加してよい。組成物成分の全てを添加した後、必要な粘度及び相安定特性を有する組成物を形成するのに十分な時間にわたって、混合物の撹拌を継続する。多くの場合、これは約30分〜60分の間の撹拌を伴う。好ましくは、有益剤送達系は、液体中の成分の大部分のより高い剪断混合の後、第2の低剪断混合工程で添加される。
【0188】
パウチ。本発明の好ましい実施形態では、本組成物は、単位用量の形態、錠剤の形態、又は好ましくは水溶性フィルム(パウチ又はポッドとして知られているもの)内に保持されている液体/固体(任意に顆粒)/ゲル/ペーストの形態のいずれかで提供される。本組成物は、単区画又は多区画パウチに封入してよい。多区画パウチは、欧州特許出願公開第2133410(A)号により詳細に記載されている。本組成物が多区画パウチ内に存在する場合、有益剤送達系は、1つ又は2つ以上の区画内に存在してよい。濃淡若しくは非濃淡染料若しくは顔料、又は他の審美剤も1つ以上の区画で用いてよい。一実施形態では、有益剤送達系は、多区画パウチのうちの1つの区画に存在する。
【0189】
パウチを形成するための好適なフィルムは、水溶性又は水分散性であり、好ましくは、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターを用いた後、以下に記載する方法によって測定したとき、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%の水溶解度/分散度を有する。
【0190】
予め秤量した400mLビーカーに、50グラム±0.1グラムのパウチ材料を添加し、245mL±1mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した電磁攪拌器で30分間激しく撹拌する。次いで、混合物を、上に定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳まれた定性分析用焼結ガラスフィルターで濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。次いで、溶解度又は分散度の割合を計算することができる。好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。フィルム材料は、例えば、当該技術分野において公知であるとおり、ポリマー材料を注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー、又はこれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを含む多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えば、PVAポリマーのレベルは、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有していてよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。ポリマー混合物もパウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物としては、例えば、あるポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又はあるポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーと、約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後の重量平均分子量のPVA又はそのコポリマーとの混合物も好適である。ポリマーブレンド組成物、例えば、加水分解によって分解可能でありかつ水溶性のポリマーブレンド(ポリラクチド及びポリビニルアルコールを混合することにより得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチド及び約65重量%〜99重量%のポリビニルアルコールを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコールなど)を含むポリマーブレンド組成物も本明細書において好適である。本明細書に用いるのに好ましいのは、材料の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0191】
当然のことながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを、本発明の区画の作製に用いてよい。異なるフィルムを選択する利点は、得られる区画が異なる溶解性、すなわち放出特性を呈し得る点である。
【0192】
最も好ましいフィルム材料は、(出願者らによる同時係属出願整理番号44528及び11599に記載のとおり)MonoSol商品整理番号M8630、M8900、H8779として知られているPVAフィルム、並びに米国特許第6166117号及び同第6787512号に記載されているもの、並びに対応する溶解度及び変形特性のPVAフィルムである。
【0193】
また、本明細書のフィルム材料は、1つ以上の添加剤成分を含んでいてもよい。例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物などの可塑剤を添加することが有益である場合がある。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば、有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0194】
パウチ内部の組成物に配合するか及び/又はフィルム上に被覆することによって、苦味剤をパウチ又はポッドに組み込んでもよい。
【0195】
水溶性パウチの作製方法
パウチ形態の本発明の組成物は、任意の好適な設備及び方法を用いて作製してよい。しかし、多区画パウチは、好ましくは、水平式充填プロセスを用いて作製される。好ましくはフィルムを濡らし、より好ましくは加熱して、その展延性を増大させる。更により好ましくは、本方法は、真空を利用してフィルムを好適な型に引き込むことも含む。型にフィルムを引き込む真空は、フィルムを表面の水平部分に置いてすぐに、0.2秒〜5秒間、好ましくは0.3秒〜3秒間、又は更により好ましくは0.5秒〜1.5秒間適用することができる。この真空は、好ましくは、−0.01MPa〜−0.1MPa(−100ミリバール〜−1000ミリバール)、又は更には−0.02MPa〜−0.06MPa(−200ミリバール〜−600ミリバール)の負圧をもたらすようなものであってもよい。
【0196】
パウチを作製する型は、必要とされるパウチの寸法に依存して任意の形状、長さ、幅及び深さを有していてよい。また、型は、必要に応じて大きさ及び形状が互いに異なっていてもよい。例えば、最終パウチの容積は、5mL〜300mL、又は更には10mL〜150mL、又は更には20mL〜100mLであり、型の大きさをそれに応じて調節することが好ましい場合がある。
【0197】
熱成形として一般に知られる方法で、任意の手段により、フィルムに熱を印加することができる。例えば、フィルムを表面に供給する前又は表面に供給した後に、加熱要素の下又は熱風の中を通過させることによって直接加熱してもよい。別の方法としては、例えば、表面を加熱するか、又は熱した物品をフィルム上に適用することにより、フィルムを間接的に加熱することもできる。最も好ましくは、赤外光を用いてフィルムを加熱する。好ましくは、50℃〜120℃、又は更には60℃〜90℃の温度にフィルムを加熱する。あるいは、フィルムを、任意の手段によって、例えばフィルムを表面に供給する前若しくは表面に供給した後にフィルムに湿潤剤(水、フィルム材料の溶液又はフィルム材料用の可塑剤を含む)を噴霧することによって直接、又は表面を濡らすか若しくはフィルム上に濡れた物品を適用することによって間接的に濡らすことができる。
【0198】
粉末を含むパウチの場合、以下の多数の理由のために、針でフィルムに穴を開けることが有利である:(a)パウチ形成中にフィルムに欠陥が生じる可能性を低減するため、例えば、フィルムの延伸が早すぎる場合、フィルムの欠陥により、フィルムの破裂が引き起こされることがある。(b)パウチに封入された製品に由来する任意のガス(例えば、漂白剤を含有する粉末の場合の酸素形成)を放出できるようにするため、及び/又は(c)香料の連続放出を可能にするため。更に、熱及び/又は湿潤を用いる場合、真空の使用前、使用中、又は使用後に、好ましくは真空を印加している間又は印加する前に針で穴を開けてよい。したがって、各型が、系に接続されている1つ以上の孔を含むことで、これら孔を通じて孔に隣接するフィルムに真空を供給できることが好ましい。
【0199】
フィルムを加熱/湿潤させた後に、好ましくは真空を用いて、フィルムを適切な型に引き込む。成形フィルムの充填は、物品を充填(移動)するための任意の公知の方法によって実施することができる。最も好ましい方法は、製品形態及び必要とされる充填速度に依存する。好ましくは、インライン充填技術によって成形フィルムを充填する。次いで、充填されたが、未だ口の開いているパウチを、任意の好適な方法によって第2のフィルムを用いて閉じる。好ましくは、これは、また、水平位置で、連続的に、一定の動作で実行される。好ましくは、開いているパウチのウェブ全体を覆うようにその上に第2の材料又はフィルム、好ましくは水溶性フィルムを連続的に供給し、次いで、典型的には型間の領域、ひいてはパウチ間の領域において、好ましくは第1のフィルムと第2のフィルムを共に封止することによって閉じられる。
【0200】
好ましい封止方法としては、ヒートシール、溶剤接着、及び溶剤シール又はウェットシールが挙げられる。封止を形成すべき領域のみを熱又は溶剤で処理することが好ましい。任意の方法によって、好ましくは閉鎖材料に、好ましくは封止を形成すべき領域にのみ熱又は溶剤を適用し得る。溶剤シール若しくはウェットシール又は溶剤接着を用いる場合、熱も印加することが好ましい場合がある。好ましいウェットシール又は溶剤シール/溶剤接着方法は、溶剤を型間の領域又は閉鎖材料に、例えば、溶剤をこれら領域に噴霧又は印刷することによって選択的に適用し、次いで、これら領域に圧力を印加して封止を形成することを含む。例えば、上記のとおり封止ロール及びベルト(任意に熱も提供する)を使用してよい。
【0201】
次いで、形成されたパウチを切断装置によって切り出してよい。切り出しは、任意の公知の方法を用いて行うことができる。また、切り出しは、連続方式で、好ましくは一定速度で及び好ましくは水平位置にある間に行うことが好ましい場合がある。切断装置は、例えば、鋭利な物品又は高温物品であってよく、後者の場合には、高温物品がフィルム/封止領域を「焼き切る」。
【0202】
多区画パウチの異なる区画を、サイドバイサイドスタイルで一緒に作製してもよいが、連続したパウチは切断されない。あるいは、区画を別々に作製してもよい。このプロセス及び好ましい構成によれば、パウチは以下の工程を含むプロセスに従って作製される:
a)(上記したとおり)第1の区画を形成する工程と、
b)工程(a)で形成した閉鎖区画の一部又は全ての内部にくぼみを形成して、第1の区画上に重ね合わせた第2の成形区画を作製する工程と、
c)第3のフィルムを用いて、第2の区画を充填し、閉じる工程と、
d)上記の第1、第2及び第3のフィルムを封止する工程と、
e)フィルムを切り出して多区画パウチを作製する工程。
【0203】
工程bで形成される上記のくぼみは、好ましくは、工程a)で調製された区画に真空を印加することによって得られる。
【0204】
あるいは、参照することによって本明細書に組み込まれる、本出願人らの同時係属出願である欧州特許出願第08101442.5号に記載のとおり、第2及び任意に第3の区画を別個の工程で作製し、次いで、これらを第1の区画と組み合わせてもよい。特に好ましいプロセスは、以下の工程を含む:
a)第1の成形機械に第1のフィルムを用いて、任意に熱及び/又は真空を使用して、第1の区画を形成する工程と、
b)上記の第1の区画に第1の組成物を充填する工程と、
c)第2の成形機械において、任意に熱及び真空を使用して、第2のフィルムを変形させて、第2及び任意に第3の成形区画を作製する工程と、
d)第2及び任意に第3の区画を充填する工程と、
e)第3のフィルムを用いて第2及び任意に第3の区画を封止する工程と、
f)封止した第2及び任意に第3の区画を第1の区画上に配置する工程と、
g)第1、第2及び任意に第3の区画を封止する工程と、
h)フィルムを切り出して多区画パウチを作製する工程。
【0205】
第1及び第2の成形機械は、上記のプロセスを実施するための好適性に基づいて選択される。第1の成形機械は、好ましくは、水平式の成形機械である。第2の成形機械は、好ましくは、回転ドラム式成形機械であり、好ましくは第1の成形機械の上方に配置される。
【0206】
適切な供給ステーションの使用により、多数の異なる若しくは特有の組成物及び/又は異なる若しくは特有の液体、ゲル若しくはペースト組成物が組み込まれた多区画パウチを製造可能であることが更に理解されるであろう。
【0207】
使用方法。典型的には上述のとおり調製された本発明の組成物を用いて、布地の洗濯/処理に用いるための水性洗浄/処理溶液を形成することができる。一般的に、有効量のこのような組成物を、(例えば従来の布地用自動洗濯機内の)水に添加して、このような水性洗濯溶液を形成する。次いで、このようにして形成した水性洗浄溶液を、典型的には撹拌下で、その溶液で洗濯/処理しようとする布地と接触させる。水に添加して水性洗濯溶液を生成する本明細書の洗剤組成物の有効量は、水性洗浄溶液中に約500〜25,000ppm若しくは500〜15,000ppmの組成物を生成するのに十分な量を含んでいてよく、又は約1,000〜3,000ppmの本明細書の洗剤組成物が水性洗浄溶液に供給される。
【0208】
典型的には、洗浄液は、洗浄液中の洗剤の濃度が0g/L超〜5g/L、又は1g/L以上4.5g/L以下、又は4.0g/L以下、又は3.5g/L以下、又は3.0g/L以下、又は2.5g/L以下、又は更には2.0g/L以下、又は更には1.5g/L以下になるような量で、洗剤を洗浄水と接触させることによって形成される。布地若しくは織物を洗濯する方法は、トップローディング式又はフロントローディング式自動洗濯機で行ってもよく、又は手洗い洗濯用途で用いてもよい。これら用途では、形成される洗浄液、及び洗浄液中の洗濯洗剤組成物の濃度は、主洗濯サイクルのものである。洗浄液の容積を決定するとき、いかなる任意追加的なすすぎ工程中のいかなる水の投入量も含まない。
【0209】
洗浄液は、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又は更には6リットル以下の水を含み得る。洗浄液は、0リットルを超えて15リットルまで、又は2リット以上12リットル以下、又は更には8リットル以下の水を含み得る。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg〜2kgの布地を当該洗浄液に投入する。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg以上、又は0.05kg以上、又は0.07kg以上、又は0.10kg以上、又は0.15kg以上、又は0.20kg以上、又は0.25kg以上の布地を当該洗浄液に投入する。任意に、50g以下、又は45g以下、又は40g以下、又は35g以下、又は30g以下、又は25g以下、又は20g以下、又は更には15g以下、又は更には10g以下の組成物を水に接触させて、洗浄液を形成する。このような組成物は、典型的には、溶液中約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水であるとき、水温は、典型的には約5℃〜約90℃であり、部位が布地を含むとき、水の布地に対する比は、典型的には約1:1〜約30:1である。典型的には、本発明の洗剤を含む洗浄液のpHは3〜11.5である。
【0210】
一態様では、任意に上記表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程と、当該表面又は布地を本明細書に開示する任意の組成物と接触させ、次いで、任意に当該表面又は布地を洗浄及び/又はすすぐ工程とを含むこのような方法を、任意の乾燥工程とともに開示する。
【0211】
このような表面又は布地の乾燥は、機械乾燥であろうと戸外乾燥であろうと、家庭環境又は工業環境のいずれかで使用される一般的な手段のうちのいずれか1つによって実行することができる。布地は、一般消費者の使用条件又は業務用条件で洗濯することができる任意の布地を含んでいてよく、本発明は、特にポリエステル及びナイロンなどの合成織物に好適であり、特に合成及びセルロース系布地及び/又は繊維を含む混紡布地及び/又は繊維の処理に好適である。合成布地の例は、ポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維、例えば、ポリコットン布地との混紡布に存在し得る。溶液のpHは、典型的には、7〜11、より一般的には、8〜10.5である。本組成物は、典型的には、溶液中500ppm〜5,000ppmの濃度で使用される。水温は、典型的には、約5℃〜約90℃の範囲である。水の布地に対する比は、典型的には、約1:1〜約30:1である。
【0212】
本発明の組成物中の有益剤送達系及び補助原料は、中間精製工程の有無にかかわらず、そのような成分を生成する合成製品として組成物に配合することができる。精製工程が存在しない場合、使用する混合物は、一般的に、所望の成分又はその混合物(本明細書に示す割合は、別段規定されていない限り、成分自体の重量パーセントに関連する)、更には未反応の出発物質、並びに副反応及び/又は不完全な反応によって形成された不純物を含む。例えば、エトキシル化又は置換された成分に関して、混合物は、異なる程度のエトキシル化/置換を含む可能性がある。
【実施例】
【0213】
実施例1:DPIを使用するモデル表面における付着試験
疎水化された表面におけるヌクレアーゼ酵素の付着の増加について説明するために、以下の実験を実施した:Dual Polarized Interferometer(Farfield Analight Bio200)を用いて、2つのモデル表面におけるヌクレアーゼ(配列番号1)の付着を記録した。
【0214】
第1の未処理の石英親水性表面:UV/Ozone Procleaner(商標)(Bioforce Nanosciences)を用いて、Farfield製のAnachip(商標)チップをUV光に30分間曝露することによって処理した。その後、この表面は高度に親水性になる。
【0215】
第2の表面は、疎水性改質された:UV−O3処理したAnachip(商標)を、トルエン中(クロロメチル)トリメチルシラン(Sigma Aldrich)の1%溶液に30秒間浸漬し、エタノールですすいだ。この方法では、シリカ表面にシリカをグラフト化するので、表面上のメチル基の濃度が増大して、疎水性になる。
【0216】
次いで、処理されたチップをDPI装置に入れ、脱イオン水流と接触させてベースラインシグナルを測定し、初期シグナルが安定したら、次いで、脱イオン水中ヌクレアーゼの2.6質量%溶液を注入し、シグナルが安定したら、表面を脱イオン(DI)水ですすいだ。DPIは、表面における屈折率の変化を測定し、純DI水のシグナルと最後のすすぎ後のシグナルとの差がヌクレアーゼの保持を示す。親水性表面では、表面の上方を流れるヌクレアーゼに起因して注入後にシグナルが上昇する。しかし、変化は軽度であり、これは、ヌクレアーゼと表面との相互作用が最小限であることを示す。DI水ですすいだ後、シグナルは急速にベースラインに戻り、これは、ヌクレアーゼが親水性表面に付着しなかったという証拠である。
【0217】
疎水性改質された表面の場合、注入後にシグナルが著しく上昇し、親水性表面と比較して安定化するまでの時間が長かった。
【0218】
これは、ヌクレアーゼが表面上に付着しており、経時的に被覆率が増加することを示す。すすぎ後、表面上にヌクレアーゼが保持されていることに起因して、シグナルがDI水のベースラインよりも高く維持される。
【0219】
この実験は、配列番号1に係るヌクレアーゼが、親水性表面よりも有効に疎水性表面上に保持されることを示す。
【0220】
以下の処方例は、水性液の形成に好適な洗浄組成物を示す。
【0221】
処方例
実施例1〜7 重質液体洗濯洗剤組成物
【0222】
【表1】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素レベルは、原材料として報告する。
【0223】
実施例8〜16 単位用量組成物
これら実施例は、単位用量洗濯洗剤用の様々な処方を提供する。組成物8〜12は、1つの単位容量区画を含む。組成物を封入するために使用されるフィルムはPVAである。
【0224】
【表2】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づく。酵素レベルは、原材料として報告する。
【0225】
以下の実施例では、単位用量は3つの区画を有するが、同様の組成物を2つ、4つ、又は5つの区画で作製することもできる。区画を封入するために使用されるフィルムはポリビニルアルコールである。
【0226】
【表3】
【0227】
【表4】
洗浄及び/又は処理組成物の総重量に基づいて、酵素レベルは原材料として報告する。
【0228】
実施例19〜24:手洗い用又は洗濯機、典型的にはトップローディング式洗濯機用の顆粒状洗濯洗剤組成物
【0229】
【表5】
【0230】
実施例25〜37
典型的にはフロントローディング式自動洗濯機用の顆粒状洗濯洗剤組成物
【0231】
【表6】
【0232】
【表7】
【0233】
本明細書において開示されている寸法及び値は、記載されている正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、別段の指定がない限り、このような寸法はそれぞれ、記載されている値及びその値の周辺の機能的に等価な範囲の両方を意味することが意図されている。例えば「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味するものとする。