【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、請求項1に記載のインダクタアセンブリおよび請求項11、18または19に記載の電力供給システムによって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項において説明される。
【0012】
本発明によるインダクタアセンブリは、中央脚と、n個の相脚(ここで、nは、整数かつn>1である)とを備えた磁心を含む。各相脚は、上部ブリッジおよび下部ブリッジによって中央脚に磁気的に接続されて磁気メインループを形成し、相脚の中間点は、ギャップを含むシャント要素によって中央脚の中央点に磁気的に接続されている。各相脚は、中間点と上部ブリッジとの間に位置している上部相脚部に配設された上部インダクタコイルと、中間点と下部ブリッジとの間に位置している下部相脚部に配設された下部インダクタコイルとをさらに含む。代替的におよび上部相脚部に上部インダクタコイルを配設し、かつ下部相脚部に下部インダクタコイルを配設する代わりに、各相脚は、上部ブリッジに配設された上部インダクタコイルと、下部ブリッジに配設された下部インダクタコイルとをさらに含む。上部インダクタコイルは、第1の端子および第2の端子を含み、下部インダクタコイルは、第3の端子および第4の端子を含む。上部インダクタコイルの第2の端子および下部インダクタコイルの第3の端子は、それぞれの相脚の上部インダクタコイルおよび下部インダクタコイルの直列接続を形成するために互いに接続される。下部インダクタコイルの巻き方向に対する上部インダクタコイルの巻き方向は、上部インダクタコイルの第1の端子から下部インダクタコイルの第4の端子へ流れる電流が、それぞれの相脚内で建設的に重なり合っている、上部インダクタコイルおよび下部インダクタコイルのそれぞれの1つのための磁束を発生させるようなものである。したがって、上部インダクタコイルの第1の端子から始まり上部インダクタコイルの第2の端子に向けられた上部インダクタコイルの巻き方向は、下部インダクタコイルの第3の端子から始まり下部インダクタコイルの第4の端子に向けられた下部インダクタコイルの巻き方向に等しい。換言すれば、第1および第3の端子が開始端子の役割を果たすのに対して、第2および第4の端子がそれぞれのインダクタコイルの終了端子の役割を果たすという前提条件下において、上部インダクタコイルは、それらのそれぞれの相脚上の下部インダクタコイルと同じ巻き方向を含む。
【0013】
したがって、各インダクタコイルは、相脚、中央脚ならびに上部および下部ブリッジにより形成される磁気メインループ中に、またはそれぞれ上部/下部ブリッジ、上部/下部相脚部および上部/下部中央脚部により形成されるそれぞれの上部もしくは下部磁気サブループ中に磁束を作り出すことができ、両方のサブループはシャント要素によって閉じられている。シャント要素のギャップは、上部および下部サブループのためのさらなる磁気抵抗とともに、磁束の安定化および線形化を提供する。
【0014】
上部インダクタコイルの第1の端子から下部インダクタコイルの第4の端子へ流れる電流は、上部インダクタコイルおよび下部インダクタコイルのそれぞれの1つのための磁束を発生させる。下部インダクタコイルに対する上部インダクタコイルの巻き方向は、2つの磁束が互いに対して等しい方向を含み、したがってそれぞれの相脚内で建設的に重なり合うようなものである。その建設的な重ね合わせは、具体的には、上部および下部相脚部ならびにそれぞれの相脚の上部および下部ブリッジ内で行われる。
【0015】
別の事例で第1の電流I
1が上部インダクタコイルの第2の端子から上部インダクタコイルの第1の端子へ流れ、第2の電流I
2が下部インダクタコイルの第3の端子から下部インダクタコイルの第4の端子へ流れる場合、それぞれの電流I
1、I
2により、それぞれの相脚内で反対方向を含む磁束が発生する。したがって、両方の磁束は破壊的に重なり合う。その破壊的な重ね合わせは、具体的には、上部および下部相脚部ならびにそれぞれの相脚の上部および下部ブリッジ内で行われる。上記の磁心要素とは反対に、両方の磁束は、シャント要素内で建設的に重なり合う。概略的に示され、
図1dでより詳細に説明されるこの状況は、インダクタアセンブリの特徴、すなわち所与の電流差I
1−I
2の変化が、両方の磁束の重ね合わせの結果として生じる正味の磁束の変化を常にもたらすことにつながる。それぞれの相脚内の正味の磁束のその変化は、その電流差を駆動する力を打ち消し、したがって既存の電流差I
1−I
2に対する安定化要素の役割を果たす。換言すれば、所与のまたは既存の電流差は、同じ相脚に配設された上部インダクタコイルおよび下部インダクタコイルの磁気結合を介して安定され、一方、既存の電流差I
1−I
2の変化は、その磁気結合により打ち消され、したがって抑えられる。
【0016】
本発明によるインダクタアセンブリは、磁束が合流する全部で3つの点を含む。これらの3つの点は、具体的には、
− 異なる相脚の上部磁気サブループおよび磁気メインループからの磁束が合流している中央脚の上方部分の上部、
− 異なる相脚の下部磁気サブループおよび磁気メインループからの磁束が合流している中央脚の下方部分の底部、および
− 異なる相脚の上部磁気サブループおよび下部磁気サブループからの磁束が合流している中央脚の中央点
である。
【0017】
「上部インダクタコイル」および「下部インダクタコイル」という表現において、「上部」および「下部」という形容詞は、インダクタアセンブリ内の2つのインダクタコイルを区別するために使用されるにすぎない。これらの形容詞は、本発明をインダクタアセンブリの特定の空間的配置または方向付けに限定するものではなく、その限定は、インダクタアセンブリの水平の方向付けをその応用において最終的に除外することになる。同じことが「上部磁気サブループ」および「下部磁気サブループ」という表現に対して同様に有効である。
【0018】
好ましい実施形態では、磁気メインループ中の磁束も、上部相脚部に配置された上部ギャップおよび/または下部相脚部に配置された下部ギャップにより安定される。シャント要素に含まれるギャップ、上部ギャップおよび下部ギャップは、それぞれエアギャップと、プラスチック、セラミックスなどの誘電体材料で完全に満たされた、またはこの誘電体材料を部分的に含むギャップとから個別に選択することができる。上部および下部ギャップの幅は等しくなるように選択することができる。加えて、各ギャップは、そのそれぞれの位置に存在する磁束の測定をサポートすることができる。具体的には、磁気センサは、それぞれのギャップの近くに設置されてその特定のギャップから出る漂游磁束を検出することができる。漂游磁束は、常にそれぞれの磁心部内の局所的な磁束分布の尺度であるため、その磁心部における関連磁束は、漂游磁束測定から推測することができる。
【0019】
本発明の好ましい実装では、シャント要素に含まれるギャップの幅は、上部および/または下部ギャップの幅より大きい。好ましくは、サブループの磁気抵抗と比べたメインループの磁気抵抗に十分な差を提供するために、シャント要素に含まれるギャップの幅は、そのそれぞれの相脚の上部および/または下部ギャップの幅よりも少なくとも5倍大きい。何れの場合にも、上部ギャップおよび/または下部ギャップのギャップ幅は、インダクタアセンブリの動作中にメインループ内の飽和磁化を十分に抑制するように選択される。シャント要素のギャップ幅は、インダクタアセンブリの動作中に上部および下部サブループの飽和磁化を十分に抑制するように選択される。さらに、シャント要素に含まれるギャップは、有利には、中央脚に隣接してまたは相脚に隣接して配設される。
【0020】
インダクタコイルの巻線は、ワイヤベースの巻線またはホイルベースの巻線として構成することができ、ボビンの周りに巻くことができる。好ましい実施形態では、上部インダクタコイルの巻付けの数は、下部インダクタコイルの巻付けの数と実質的に等しい。好ましくは、複数の上部インダクタコイルおよび下部インダクタコイルのそれぞれの1つは、同じインダクタコイルタイプ、例えばワイヤベースまたはホイルベースのコイルタイプを含む。別の好ましい実施形態では、複数の上部および下部インダクタコイルのそれぞれは、実質的に同じ巻数を含む。
【0021】
本発明の一実装では、nは3に等しく、すなわち、インダクタアセンブリは3つの相脚を含む。相脚は、具体的には各相脚間に120°の角度で中央脚の周りに周方向に配置することができる。本発明の代替実施形態では、nは2に等しく、それは、好ましくは互いに対置する2つの相脚をインダクタアセンブリが含むことを意味する。ここで、相脚は、各相脚間に180°の角度で中央脚の周りに周方向に配置される。より一般的な構築指針によれば、n個の相脚を備えた本発明の好ましい実施形態は、各隣接する相脚間に360°/nの角度で中央脚の周りに相脚を周方向に配置することを含む。
【0022】
インダクタ配置の組立を単純化するために、磁心を複数の磁心要素から形成することができる。磁心要素の数および形状は、インダクタコイルが、組立前に対応する相脚部ならびに/または上部ブリッジおよび下部ブリッジを形成する磁心要素上に設置可能であるように選択される。その後、磁心要素は組み立てられて、本発明によるインダクタアセンブリを形成する。シャント要素に含まれるギャップを中央脚に隣接してまたは相脚に隣接して配設し得る可能性は、磁心要素の数および幾何学的形状に関する異なる選択肢を提供する。異なる選択肢をそれらの製造および組立能力に関して査定することができ、何れの場合にも個々のインダクタアセンブリに対して最良の選択肢を選ぶことができる。
【0023】
好ましくは、中央脚は、少なくとも有意なギャップを含まない。中央脚内でいくつかの相脚の磁束が重なり合う。二相または三相電力供給システムでインダクタアセンブリを使用するとき、相脚から出る磁束は、本質的に、多くの場合、共通電力系統の複数の相内でのAC電圧および結果として生じる電流の既存の位相差に起因して、中央脚内で破壊的に重なり合うことがある。これは、例えば、各相のAC電圧が120°の位相シフトを含むという点で三相電力系統に関して当てはまる。これは、例えば、いわゆる分相システムにおけるように、2つの相が互いに対して180°の位相シフトを含む二相電力系統に対して同様に当てはまる。したがって、有意なギャップを中央脚に導入することにより中央脚内の磁束をさらに低減する必要がない。これに関連して、有意なギャップは、磁気的な理由のために、例えば磁気抵抗を提供し磁気飽和を抑制することが意図されるギャップである。これに関連して、有意でないギャップは、異なる磁心要素からのインダクタアセンブリの組立を単純化するか、さらには許容することが意図されるまたは必要とされるギャップである。有意でないギャップのギャップ幅は、通常、有意なギャップと比べて小さく、通常、最大500μmまでの範囲である。したがって、本発明の適用範囲内で有意なギャップは500μmより大きい。
【0024】
1つの実施形態における本発明による電力供給システムは、DC/ACコンバータとして動作するように構成される。ここで、本発明によるインダクタアセンブリは、電力供給システムの出力フィルタまたは出力フィルタの少なくとも一部として使用される。電力供給システムは、
− DCリンクと、
− 電力供給システムの出力におけるn個の相端子であって、n個の相端子のそれぞれの1つは、DC/ACコンバータの対応する第1のハーフブリッジおよび対応する第2のハーフブリッジに接続される、n個の相端子と
をさらに含む。制御ユニットは、それぞれの相端子の対応する第1のハーフブリッジに対してインタリーブされた方式において、各相端子のための対応する第2のハーフブリッジを制御するように構成される。電力供給システムは、本発明によるインダクタアセンブリを含む出力フィルタをさらに含む。
【0025】
電力供給システムの各相端子は、インダクタアセンブリの異なる対応する相脚と関連付けられ、かつ対応する相脚の上部インダクタコイルを介してその対応する第1のハーフブリッジの出力に接続される。各相端子は、対応する相脚の下部インダクタコイルを介して対応する第2のハーフブリッジの出力にさらに接続される。各相端子について、対応する第1のハーフブリッジおよび対応する第2のハーフブリッジは、それらのそれぞれの入力側で並列にDCリンクに接続される。インダクタアセンブリの各相脚について、上部インダクタコイルは、その第1の端子で対応する第1のハーフブリッジの出力に接続され、および下部インダクタコイルは、その第4の端子で対応する第2のハーフブリッジの出力に接続される。インダクタアセンブリの各相脚について、上部インダクタコイルの第2の端子および下部インダクタコイルの第3の端子は、両方ともそれぞれの相端子に接続される。
【0026】
本発明によるDC/ACコンバータは、高出力電流を供給可能な電力供給システムである。各相端子に対する高出力電流は、それぞれの相端子にそのハーフブリッジの出力で並列に接続される、対応する第1および第2のハーフブリッジを介した同時並行の電流供給によって達成される。各相端子の第2のハーフブリッジに対する第1のハーフブリッジのインタリーブ動作は、電力供給システムの出力における − 具体的には出力容量における − 電圧リップルを最小化する。
【0027】
本発明によるインダクタアセンブリは、出力フィルタとして使用され、第1のハーフブリッジとそれらの対応する第2のハーフブリッジとの間の循環電流を低減または軽減する。対応するハーフブリッジ間の循環電流の軽減により、これらの循環電流に関する電力損失が低減され、電力供給システム全体の効率が向上する。
【0028】
対応する第1および第2のハーフブリッジ間の循環電流の軽減は、上述した回路トポロジと組み合わせたインダクタアセンブリの磁気結合によって達成される。この場合、各相脚について、対応する下部インダクタコイルに対する上部インダクタコイルの巻き方向は、第1のハーフブリッジの出力から上部インダクタコイルを通って特定の相端子へ流れる電流と、対応する第2のハーフブリッジの出力から下部インダクタコイルを通って同じ相端子へ流れる等しい電流とが、それらの対応する相脚で互いに実質的に補償している磁束を発生させるようなものである。換言すれば、第1のハーフブリッジおよび対応する第2のハーフブリッジから同じ相端子の方向に等しい電流が流れる場合、対応する相脚におけるそれぞれの磁束は、破壊的に重なり合う。他方では、第1のハーフブリッジから上部インダクタコイルおよび下部インダクタコイルの直列接続を通って第2のハーフブリッジへ電流が流れる場合、それぞれの相脚における発生磁束は、建設的に重なり合う。その電流は、通常、第1のハーフブリッジおよびその対応する第2のハーフブリッジの出力間の電圧差により駆動される。したがって、その電流の変化または − 換言すれば − 第1のハーフブリッジおよびその対応する第2のハーフブリッジの出力電流間の差分の変化は、インダクタアセンブリのそれぞれの相脚における結果として生じる磁束の変化によって打ち消される。
【0029】
第2のハーフブリッジに対する第1のハーフブリッジのインタリーブクロッキングと組み合わせたインダクタアセンブリのこれらの特徴は、循環電流の望ましい軽減につながり、電力供給システムの実施例としてのDC/ACコンバータの効率を向上させる。
【0030】
第1のハーフブリッジに対する第2のハーフブリッジのインタリーブクロッキングは、実質的に同じクロック周波数で、しかし、第2および第1のハーフブリッジの高速切替スイッチ − または任意選択で複数の高速切替スイッチ − に対して適時にシフトされたクロック信号での第1および第2のハーフブリッジのクロッキングを意味する。具体的には、第2のハーフブリッジおよび第1のハーフブリッジの高速切替スイッチに対する「オン」サイクルの中間点は、互いに対して位相シフトされる。位相シフトは、それぞれのクロック信号の対応する時間シフトに相当する。その位相シフトまたは時間シフトは別として、第1のハーフブリッジおよびその対応する第2のハーフブリッジに対するクロック信号は、それらの「オン」および「オフ」期間に関して実質的に等しい。したがって、第2のハーフブリッジおよび対応する第1のハーフブリッジのそれぞれの高速切替スイッチに対する「オフ」サイクルの中間点も、「オン」サイクルの場合のように互いに対して同じ位相シフトを含む。
【0031】
本発明の1つの実施形態では、位相シフトは、実質的に180°となるように制御ユニットにより制御される。ここでおよび以下では、「実質的に」という副詞は、それぞれのスイッチ間の正確に180°の位相シフト − または任意の他の正確な位相シフト値 − を達成することが難しく、より長い期間中に一定に保つことが難しいことを考慮し、したがって±5°の許容範囲に相当する。磁心の磁気飽和を抑制するためにギャップ幅を意図的に設計することにより、本発明のインダクタアセンブリは、180°位相シフトからより大きい許容値の範囲内で逸脱するインタリーブクロッキングで同様に十分に動作する。しかしながら、180°位相シフトからの逸脱は、通常、電力供給の出力容量に関する電圧リップルを増加させる。多少より大きい電圧リップルが許容できる場合、インタリーブクロッキングは、180°±30°の範囲で位相シフトを含み得る。
【0032】
1つの実施形態では、複数のハーフブリッジのそれぞれの1つ、すなわち複数の第1および第2のハーフブリッジのそれぞれの1つは、単一の上側スイッチおよび単一の下側スイッチを備えたトポロジを含む。代替実施形態では、複数のハーフブリッジのそれぞれの1つ、すなわち複数の第1および第2のハーフブリッジのそれぞれの1つは、制御ユニットによって実質的に同期した方式で制御される直列に接続された2つのハイサイドスイッチと、制御ユニットによって実質的に同期した方式で制御される直列に接続された2つのローサイドスイッチとを備えたトポロジを含み、「実質的に同期した方式」という表現は、0°±5°の位相差に相当する。代替実施形態は、通常、DCリンクに存在する大きいDC電圧で動作可能なハーフブリッジの設計に対応する。
【0033】
複数のハーフブリッジのそれぞれの1つ、すなわち複数の第1および第2のハーフブリッジのそれぞれの1つの回路トポロジは、2レベルトポロジ、3レベルトポロジ、4レベルトポロジ、5レベルトポロジ、7レベルトポロジ、9レベルトポロジまたは9よりさらに多くのレベルを有するトポロジを含み得る。加えて、複数のハーフブリッジのそれぞれの1つ、すなわち複数の第1および第2のハーフブリッジのそれぞれの1つの回路トポロジは、DCリンクの中間電圧レベルへの接続を含むかまたは含まない、任意の周知の回路トポロジを含み得る。中間電圧レベルへのその接続を含む回路トポロジに関して、回路トポロジは、例えば、中性点クランプ(NPC)および双方向スイッチ中性点クランプ(BSNPC)トポロジの1つとすることができる。
【0034】
好ましくは、すべてのハーフブリッジ、具体的にはインダクタアセンブリのすべての第1および第2のハーフブリッジは、同じトポロジである。
【0035】
好ましくは、本発明によるスイッチモード電力供給システムの実施例としてのDC/ACコンバータは、その出力において中性端子の有無にかかわらず複数の相端子を含む。1つの実施形態では、DC/ACコンバータは、その出力において、2つの相端子および中性端子または − 代替実施形態において − 3つ、4つ、もしくはさらにより多くの相端子および中性端子を含む。
【0036】
別の実施形態では、本発明による電力供給システムは、本発明によるインダクタアセンブリを含むDC/DCコンバータ、例えば昇圧型コンバータを含む。その実施形態では、DC/DCコンバータとして動作するように構成された電力供給システムは、
− 入力電圧V
inを受け取るための入力と、
− 出力電圧V
outを供給するための出力と、
− 出力に並列に接続されたn個のスイッチングセルと
を含む。
【0037】
n個のスイッチングセルのそれぞれの1つは、
− 互いに並列に接続された第1および第2のスイッチング経路であって、各スイッチング経路が第1の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチの直列接続ならびに第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチとの間の相互接続点を含む、第1および第2のスイッチング経路
を含む。電力供給システムは、
− 第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチに対してインタリーブされた方式で第1のスイッチング経路の第1の半導体スイッチを制御するように構成された制御ユニット
をさらに含む。電力供給システムは、
− n個のスイッチングセルのそれぞれの1つを入力に接続する、本発明によるインダクタアセンブリ
をさらに含み、n個のスイッチングセルのそれぞれの1つについて、
− 第1のスイッチング経路の相互接続点が上部インダクタコイルの第1の端子に接続され、および第2のスイッチング経路の相互接続点が下部インダクタコイルの第4の端子に接続されるように、
− n個のスイッチングセルのそれぞれの1つは、インダクタアセンブリの異なる対応する相脚と関連付けられ、かつその対応する相脚の上部コイルおよび下部コイルを介して入力に接続され、
− 上部インダクタコイルの第2の端子および下部インダクタコイルの第3の端子は、両方とも入力に接続される。
【0038】
さらなる実施形態では、本発明による電力供給システムは、本発明によるインダクタアセンブリを含むDC/DCコンバータ、例えば降圧型コンバータを含む。この実施形態では、DC/DCコンバータとして動作するように構成された電力供給システムは、
− 入力電圧V
inを受け取るための入力と、
− 出力電圧V
outを供給するための出力と、
− 入力に並列に接続されたn個のスイッチングセルと
を含む。
【0039】
n個のスイッチングセルのそれぞれの1つは、
− 互いに並列に接続された第1および第2のスイッチング経路であって、各スイッチング経路は、第1の半導体スイッチおよび第2の半導体スイッチの直列接続ならびに第1の半導体スイッチと第2の半導体スイッチとの間の相互接続点を含む、第1および第2のスイッチング経路
を含む。電力供給システムは、
− 第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチに対してインタリーブされた方式で第1のスイッチング経路の第1の半導体スイッチを制御するように構成された制御ユニット
をさらに含む。電力供給システムは、
− n個のスイッチングセルのそれぞれの1つを出力に接続する、本発明によるインダクタアセンブリ
をさらに含み、n個のスイッチングセルのそれぞれの1つについて、
− 第1のスイッチング経路の相互接続点が上部インダクタコイルの第1の端子に接続され、および第2のスイッチング経路の相互接続点が下部インダクタコイルの第4の端子に接続されるように、
− n個のスイッチングセルのそれぞれの1つは、インダクタアセンブリの異なる対応する相脚と関連付けられ、かつその対応する相脚の上部コイルおよび下部コイルを介して出力に接続され、
− 上部インダクタコイルの第2の端子および下部インダクタコイルの第3の端子は、両方とも出力に接続される。
【0040】
電力供給システムの実施例としてのDC/DCコンバータの場合にも、第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチに対する第1のスイッチング経路の第1の半導体スイッチのインタリーブクロッキングは、実質的に同じクロック周波数で、しかし、適時にシフトされたクロック信号での第1の半導体スイッチのクロッキングを意味する。具体的には、第1のスイッチング経路の第1の半導体スイッチおよび第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチに対する「オン」サイクルの中間点は、互いに対して位相シフトされる。位相シフトは、それぞれのクロック信号の対応する時間シフトに相当する。その位相シフトまたは時間シフトは別として、第1および第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチに対するクロック信号は、それらの「オン」および「オフ」期間に関して実質的に等しい。したがって、第1および第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチに対する「オフ」サイクルの中間点も、「オン」サイクルの場合のように互いに対して同じ位相シフトを含む。
【0041】
好ましくは、第1および第2のスイッチング経路の第1の半導体スイッチ間の位相シフトは、実質的に180°となるように制御ユニットにより制御される。ここでもまた、実質的にという副詞は、約±5°の許容範囲に相当する。180°位相シフトからの逸脱は、通常、電力供給の出力容量の電圧リップルを増加させる。しかしながら、より大きい電圧リップルが許容できる場合、インタリーブクロッキングは、180°±30°の範囲で位相シフトを含み得る。
【0042】
DC/DCコンバータを含む電力供給システムの好ましい実施形態では、出力の電圧リップルはさらに低減される。ここで、DC/DCコンバータを含む電力供給システムは、2つまたは任意選択で3つのスイッチングセルを含み、
− 各スイッチングセルの第1の半導体スイッチは、制御ユニットによって実質的に同じクロック周波数で制御され、
− 同じスイッチングセルと関連付けられた第1の半導体スイッチは、互いに対して実質的に180°の位相シフトを含むインタリーブされた方式でクロックされ、
− 第1のスイッチングセルと関連付けられた任意の第1の半導体スイッチは、実質的に180/nまたは180°+180°/n(ここで、n=2またはn=3である)の位相シフトを含む第2のスイッチングセルの任意の第1の半導体スイッチに対してインタリーブされた方式でクロックされる。これは、すべての第1の半導体スイッチの位相シフトの均一な分布につながり、したがって電力供給システムの出力電圧V
outのリップルを最小化する。本発明の適用範囲内で、「実質的に」という副詞は、再び「実質的に」という副詞の後ろに述べた値の±5°の許容範囲に相当する。
【0043】
本発明の有利な発展形態は、特許請求の範囲、本明細書および図面から得られる。本明細書の冒頭に述べた特徴の利点および複数の特徴の組合せの利点は、実施例としての役割を果たすにすぎず、本発明による実施形態がこれらの利点を得なければならない必要性なく、代替的にまたは累積的に使用され得る。添付の特許請求の範囲により定められた保護の適用範囲を変更することなく、元の本出願および本特許の開示に関して以下が適用され、すなわち、図面、具体的には例示された設計および複数の構成要素の互いに対する寸法から、ならびにそれらの相対的配置およびそれらの作動的接続からさらなる特徴を得ることができる。本発明の異なる実施形態の特徴の組合せまたは請求項の選択された参照から独立した異なる請求項の特徴の組合せが同様に可能であり、本明細書とともに動機付けられる。これは、同様に、別個の図面に例示されている、またはそれらを説明するときに述べられる特徴に関する。これらの特徴は、同様に、異なる請求項の特徴と組み合わせることができる。さらに、本発明のさらなる実施形態は、特許請求の範囲に述べた特徴を有さない可能性がある。
【0044】
特許請求の範囲および本明細書で述べた特徴の数は、「少なくとも」という副詞を明示的に使用する必要なく、この正確な数および述べた数より大きい数を含むと理解されるべきである。例えば、相脚が述べられる場合、これは、正確に1つの相脚が存在するまたは2つの相脚もしくはより多くの相脚が存在するように理解されるべきである。