特許第6545905号(P6545905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6545905
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】医療機器をモニターする方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20190705BHJP
   A61M 5/20 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
   G06F13/00 351N
   A61M5/20
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-520648(P2018-520648)
(86)(22)【出願日】2016年7月7日
(65)【公表番号】特表2018-529172(P2018-529172A)
(43)【公表日】2018年10月4日
(86)【国際出願番号】EP2016066154
(87)【国際公開番号】WO2017005861
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2018年3月5日
(31)【優先権主張番号】1550988-8
(32)【優先日】2015年7月7日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】518006307
【氏名又は名称】ブリテル アクチエボラグ パブリーク
【氏名又は名称原語表記】BRIGHTER AB (PUBL)
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】ハステット,トルルス
【審査官】 森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/067314(WO,A2)
【文献】 特表2015−523138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を注入するためのポータブル医療機器(1)を必要とする方法であって、前記医療機器(1)が、薬剤を注入する手段(6)を備え、前記医療機器(1)がさらに、セルラー無線送受信機(2)と、オペレーションカウンタ(14)であるセンサ(5)とを備え、前記ポータブル医療機器がさらに、ユーザが使用して薬剤を自己投与可能な注入アクチュエータを備え、
前記方法は、以下のステップ:
(a)前記ポータブル医療機器(1)が、前記センサ(5)を使用して、注入の時点を決定し
(b)前記ポータブル医療機器(1)が、前記セルラー無線送受信機(2)を使用して、リモートコンピュータ(4)とのデータ接続を、セルラーネットワーク(3)を使用して確立し、
(c)前記ポータブル医療機器(1)が、前記データ接続を使用して、ステップ(a)からの前記時点を前記リモートコンピュータ(4)に転送し、
(d)前記ポータブル医療機器(1)の地理的位置を決定し、前記地理的位置に関する情報を前記リモートコンピュータ(4)に転送し、
(e)前記リモートコンピュータが、前記地理的位置および前記時点を使用して、少なくとも1つのパラメータのためのデータを検索し、
(f)前記リモートコンピュータ(4)が、ステップ(e)からの前記パラメータのための前記データを使用して、前記ポータブル医療機器(1)が、廃棄、保守点検、または交換を必要としているか否かを決定する、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
記パラメータは、温度、湿度、天候、カレンダーデータ、大気汚染、大気圧、および道路交通情報からなる群から選択されるパラメータである、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
ステップf)は、前記リモートコンピュータ(4)が、前記センサからの値が閾値を上回るか否かを確立することを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、
ステップf)は、前記リモートコンピュータ(4)が、決定ルールを適用することを含み、
前記決定ルールは、データセット(15)に機械学習を適用することにより生成され、
前記データセット(15)は、同等のポータブル医療機器のため以前に収集されたデータを備え、
前記データセット(15)はまた、前記同等のポータブル医療機器の以前の障害に関するデータを備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記データセット(15)は、温度、湿度、加速度または自由落下時間、天候、カレンダーデータ、大気汚染、大気圧、地理的位置、動作回数、注入された薬剤の量、注入時間、注入時の地理的位置、からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータのためのデータを備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法であって、
前記データセット(15)中の前記データは、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法に基づいて、前記データセット(15)に追加されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載の方法であって、
前記データセット(15)は、同等の医療機器のユーザにより利用可能とされた情報を備え、
前記情報は、ソーシャルネットワークからのものであり、
前記リモートコンピュータは、ステップd)において、前記決定ルールが適用される前記ポータブル機器(1)の前記ユーザに関する情報を使用し、
前記情報は、前記ユーザにより、前記ソーシャルネットワークに対して利用可能である、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
薬剤を注入するためのポータブル医療機器(1)が、保守点検又は交換されるべきか否かを決定するシステム(50)であって、
前記システム(50)は、薬剤の注入のためのポータブル医療機器(1)と、リモートコンピュータ(4)とを備え、
前記ポータブル医療機器(1)は、注入手段(6)と、処理ユニット(8)と、メモリ(7)と、セルラー無線送受信機(2)と、およびオペレーションカウンタ(14)である少なくとも1つのセンサ(5)とを備え、
前記ポータブル医療機器はさらに、ユーザが使用して薬剤を自己投与可能な注入アクチュエータを備え、
前記ポータブル医療機器(1)は、前記オペレーションカウンタ(14)を使用して注入を検出して、注入の時点を前記メモリ(7)に格納するよう構成され、
前記リモートコンピュータ(4)および前記ポータブル医療機器(1)は、セルラーネットワーク(3)を用いてデータ接続を確立するよう適用され、
前記ポータブル医療機器(1)は、前記データ接続を使用して、前記注入の時点を、前記リモートコンピュータ(4)に転送するよう構成され、
前記システム(50)は、前記注入の時点での、前記医療機器(1)の前記地理的位置を決定するよう構成され、
前記リモートコンピュータ(4)は、前記地理的位置を使用して、パラメータのためのデータを検索し、前記検索されたデータを使用して、前記ポータブル医療機器が、廃棄、保守点検、または交換が必要であるか否かを決定するよう構成される、
ことを特徴とするシステム(50)。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記リモートコンピュータ(4)は、決定ルールソフトウエア(10)を備え、
前記決定ルールソフトウエア(10)は、データセット(15)に機械学習を適用することにより生成され、
前記データセット(15)は、同等の医療機器から以前に収集されたセンサ値を備え、
前記データセット(15)はさらに、前記同等のポータブル医療機器のあらゆる以前の障害に関するデータを備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
薬剤の注入のためのポータブル医療機器(1)から、データ接続を使用して、注入の時点を受信するよう構成されるリモートコンピュータ(4)であって
記リモートコンピュータ(4)は、前記医療機器の地理的位置を受信し、
前記リモートコンピュータ(4)はさらに、前記地理的位置および前記時点を使用して、少なくとも1つのパラメータのためのデータを検索するよう構成され、前記パラメータのための前記データを使用して、前記ポータブル医療機器(1)が、廃棄、保守点検、または交換を必要としているか否かを決定する、
ことを特徴とするリモートコンピュータ(4)。
【請求項11】
請求項10に記載のリモートコンピュータであって、
前記決定は、前記リモートコンピュータ(4)が、決定ルールを適用することを含み、
前記決定ルールは、データセット(15)に機械学習を適用することにより生成され、
前記データセット(15)は、同等のポータブル医療機器から以前に収集されたセンサデータを備え、
前記データセット(15)はまた、前記同等のポータブル医療機器からのあらゆる以前の障害に関する情報を備える、
ことを特徴とするリモートコンピュータ(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、医療機器が交換または保守点検を必要とするか否かを決定することにより、ポータブル医療機器の健康状態(health)をモニターする方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者により自己投与される注入可能な薬剤(injectable medicaments)の数は、絶えず増大している。インシュリンは、おそらく、患者自身が注入する薬剤の最も周知な例であろうが、さらに、抗体、成長ホルモン、赤血球生成促進因子(erythropoietin: EPO)、およびある種の化学療法薬物もまた、注入により、患者が自己投与する。
【0003】
注入(注射)(injection)は、携帯型(handheld)注入機器により最も頻繁に実行され、典型的には、1日当たり1回から3回使用される(これは常に薬剤を供給する点滴(infusion)とは対照的である)。
【0004】
患者の安全性理由のため、注入機器が、正確かつ信頼性ある方法で動作することは、極めて重要である。同時に、こうした機器は、通常はユーザにより随時携行されるため、極端な温度または湿度、あるいは衝撃(ユーザが機器を落とした場合)に晒される可能性があり、これにより機器を損傷し得る。さらに、日常的使用は、機器の摩耗(損耗)を引き起こす。
【0005】
こうした医療機器は、時々、正常動作しない(malfunction)かもしれず、このため、保守点検(service)や交換を必要とし得る。
【0006】
米国特許出願公開公報US2006/0173417号公報は、注入されたインシュリンの量をリモートコンピュータへ送信することの可能な、インシュリンを注入するための医療機器を開示する。しかしながら、そこに開示されるシステムは、機器が保守点検または交換を必要とするか否かを検出するものではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、以下のステップを備える方法が提供される。a)薬剤を注入するためのポータブル医療機器であって、薬剤を注入するための手段と、セルラー無線送受信機と、および少なくとも1つのセンサを備えるポータブル医療機器を提供し、このセンサは、温度センサ、湿度センサ、加速度計、およびオペレーションカウンタ(operations counter)からなる群から選択され、このポータブル医療機器が、センサを使用して、センサにより検知されるパラメータの値を決定し、b)ポータブル医療機器が、セルラー無線送受信機を使用して、セルラーネットワークを用い、リモートコンピュータへのデータ接続を確立し、c)ポータブル医療機器が、データ接続を使用して、ステップa)からの値をリモートコンピュータへ転送し、およびd)リモートコンピュータが、ステップc)からの値を使用して、ポータブル医療機器が、廃棄(scrapping)、保守点検、または交換が必要か否かを決定する。
【0008】
個々の患者は、正常に動作しない(malfunctioning)機器を報告するのに消極的であるか、またはこれを忘れるかもしれない。このため、医療機器の動作を遠隔からモニターできることは有利であり、これにより、健康プロバイダ(health provider)は、対策を講じて医療機器を保守点検又は交換することができる。
【0009】
本発明の1つの利点は、センサ値がリモートコンピュータに報告され、リモートコンピュータにより分析されることである。リモートコンピュータは、医療機器が、例えば、廃棄、保守点検、または交換されるべきか否かを決定する。例えば、温度の閾値が決定のために使用される場合、閾値はリモートコンピュータに格納される。閾値は時々、調整する必要があってよい。こうした調整は、医療機器の障害(failures)に関する新たな発見(findings)によりトリガが与えられてよい。例えば、医療機器は従前考えられていたより、温度または湿度に対して、より高感度(sensitive)であることが発見されている。本発明は、こうした閾値を調整するのに便宜な方法を提供する。
【0010】
閾値が機器に格納されている場合、医療機器のあるモデルのための閾値の変更は、当該モデルの1つ1つの機器でなされなければならない。これは、多数の機器のソフトウエアの更新を伴うものであり得、煩雑である。
【0011】
医療機器のソフトウエアの変更はまた、安全性の問題を含む。例えば、ソフトウエア更新が多数の機器に配信される場合、ソフトウエアが破壊工作される(sabotaged)リスクがある。これは、患者をリスクに晒す。本発明によれば、閾値は一箇所(リモートコンピュータ)において便宜に調整されることができ、これは安全かつ簡易であって、破壊工作のリスクを低減する。
【0012】
また、センサからのデータを中央のリモートコンピュータで収集することは、複数の医療機器からの大きなデータセットを生成する。このデータセットは、機器の誤動作(異常)(malfunctioning)に関する使用パターンおよびセンサデータに関する知識を構築するのに使用されることができる。このデータセットは、医療機器の保守点検または交換に関する決定ルールを改良するのに使用されることができる。機械学習またはデータマイニング技術は、この目的のために使用されてよい。このため、本方法をリサーチツールとして使用して、医療機器を誤動作させ得る新たな条件を発見することができる。
【0013】
本方法は、ヘルスケアプロバイダが、すべての保有医療機器をモニターするために便宜な方法を提供する。
【0014】
医療機器のセンサは、オペレーションカウンタ(operations counter)であってよい。弩オペレーションカウンタにより検知される値は、医療機器により注入された薬剤の量に比例してよい。転送される値は、オペレーションカウンタからの値であってよく、本方法は、このため、ステップa)からの決定された値を、リモートコンピュータ又は医療機器内に以前に格納されたトータル動作値(total operations value)に追加して、更新されたトータル動作値を得るステップを備えてよく、更新されたトータル動作値は、ステップd)で使用される。
【0015】
ある実施形態において、センサは温度センサである。
【0016】
ある実施形態において、センサは湿度センサである。
【0017】
好適な実施形態において、センサは、オペレーションカウンタである。より好適な実施形態において、医療機器は、オペレーションカウンタであるセンサを備え、少なくとも1つのセンサは、温度センサ、湿度センサ、および加速度センサからなる群から選択される。
【0018】
本方法は、ポータブル医療機器の地理的位置を決定するステップを備えてよく、この地理的位置に関する情報は、リモートコンピュータに転送される。地理的位置は、医療機器のセルラー無線送受信機を使用したモバイルフォントラッキング(tracking)を使用して決定されてよい。地理的位置はまた、医療機器のユーザにより携行されるモバイルフォンを使用して決定されてもよい。
【0019】
本方法のステップd)は、決定ルール(decision rule)の使用を備える。本方法のステップd)は、リモートコンピュータが、値が閾値を超えたか否かを確立するステップを備えてよい。これは、医療機器をモニタリングする簡易かつ便宜な方法である。
【0020】
本方法のステップd)は、リモートコンピュータが決定ルールを適用するステップを備えてよく、この決定ルールは、機械学習をデータセットに適用することにより生成される。このデータセットは、同等の(comparable)ポータブル医療機器から以前に収集されたデータを備え、このデータセットはまた、こうした同等のポータブル医療機器の以前の障害またはエラーコードに関するデータを備える。
【0021】
データセットは、上記の方法のステップa)からc)に基づいて以前に収集された、センサからの値に関する情報を備えてよい。データセットは、ポータブル医療機器の地理的位置に関する情報を備えてよい。
【0022】
決定ルールが適用されるポータブル医療機器の地理的位置(geographical position)は、時点(time point)と共に使用されて、少なくとも1つの追加のパラメータのためのデータを検索してよく、この追加のデータは、ステップd)での決定のために使用される。追加のパラメータのためのデータは、データセットおよび決定ルールの改良のため(通常、決定ルールはデータセットが成長するにつれて改良される)、データセットに追加されてよい。追加のパラメータは、温度、湿度、天候、カレンダーデータ、大気汚染、大気圧、および道路交通情報からなる群から選択されるパラメータであってよい。
【0023】
データセットは、温度、湿度、加速度または自由落下時間(time in free fall)、天候、カレンダーデータ、大気汚染、大気圧、地理的位置、時点(time points)、動作数、注入された薬剤の量、注入時間、および注入時の地理的位置からなる群から選択される、医療機器のための追加のパラメータのためのデータを備えてよい。これらのパラメータのデータは、データセットのサイズを増加させるため、上記のようにデータセットに追加されてよい。好適には、データセットには多数のデータポイント(data points)がある。統計的方法が使用されて、どのようなデータが決定ルールに寄与することが許可されるかを決定することができる。
【0024】
データセットは、ソーシャルネットワークサービスからの、医療機器のユーザの以前の挙動(behaviour)に関する情報を備え、リモートコンピュータは、ステップd)で、決定ルールが適用されるポータブル機器のユーザに関する、ソーシャルネットワークサービスからの挙動に関する情報を使用する。データセットはこうしてまた、同等の医療機器のユーザにより利用可能とされた情報を備え、この情報は、ソーシャルネットワークサービスからのものであってよい。リモートコンピュータは、ステップd)で、決定ルールが適用されるポータブル機器のユーザに関する情報を使用し、この情報は、ソーシャルネットワークサービスに対して、ユーザにより利用可能とされる。ソーシャルネットワークサービスからのこうした情報は、ユーザの挙動に関するデータ、例えば、ユーザがスポーツをするか、ユーザがある場所にチェックインするか、情報を投稿する時間、等を含んでよい。
【0025】
本方法は、好適には、医療機器の処理ユニットにより、およびリモートコンピュータにより、実行される。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、薬剤を注入するためのポータブル医療機器が保守点検または交換されるべきか否かを決定するシステムが提供される。このシステムは、ポータブル医療機器およびリモートコンピュータを備える。このポータブル医療機器は、注入手段および処理ユニット、メモリおよびセルラー無線送受信機、および、温度センサ、湿度センサ、加速度計、及びオペレーションカウンタからなる群から選択されるすくなくとも1つのセンサを備える。このポータブル医療機器は、少なくとも1つのセンサからのデータをメモリに格納するよう構成される。リモートコンピュータおよびポータブル医療機器は、セルラーネットワークを使用してデータ接続を確立するよう適合される(adapted)。ポータブル医療機器は、データ接続を利用して、センサデータをリモートコンピュータへ転送するよう構成され、リモートコンピュータは、センサデータを使用して、ポータブル医療機器が廃棄、保守点検、または交換を必要とするか否かを決定する。
【0027】
システムのリモートコンピュータは、決定ルールソフトウエアを有してよく、この決定ルールソフトウエアは、機械学習をデータセットへ適用することにより生成される。このデータセットは、同等のポータブル医療機器から以前に収集されたセンサデータを備え、このデータセットはさらに、こうした同等のポータブル医療機器のあらゆる以前の障害(failures)に関するデータを備える。
【0028】
本発明の第3の態様によれば、薬剤を注入するためのポータブル医療機器が提供される。この医療機器は、薬剤を注入する手段を備え、この医療機器はさらに、セルラー無線送受信機および少なくとも1つのセンサを備え、このセンサは、温度センサ、湿度センサ、加速度計、およびオペレーションカウンタからなる群から選択される。ポータブル医療機器はさらに、処理ユニットを備え、この機器は、センサを使用して、センサにより検知されるパラメータのための値を決定し、セルラー無線送受信機を使用して、セルラーネットワークを用い、リモートコンピュータへのデータ接続を確立し、およびデータ接続を使用して、決定された値をリモートコンピュータへ転送する。
【0029】
このデバイスは、決定された値をリモートコンピュータへ転送した後、リモートコンピュータから、医療機器が、医療機器のユーザへ、機器が保守点検または交換、あるいは医療機器のシャットダウンが必要であることを通知させる信号を受信するよう構成される。
【0030】
ある実施形態において、少なくとも1つのセンサは、温度センサまたは湿度センサである。
【0031】
この機器は、作動(activation)スイッチを有してよく、これにより、ユーザは、湿度または温度センサに温度または湿度を計測させ、温度値または湿度値を医療機器のメモリに格納させることができる。この作動により、医療機器がスイッチオンされる、またはスリープから起こす。この機器は、ユーザが作動スイッチを使用した際、所定の待機期間の間、さらなるユーザアクションを待つよう構成され、ユーザが待機期間内にさらなるアクションを取った場合、リモートコンピュータへのデータ接続を確立して、決定された値をリモートコンピュータへ転送するよう構成され、ユーザが待機期間内にさらなるアクションを取らなかった場合、決定された値を、次回、リモートコンピュータとのデータ接続が確立されたときに、転送するよう構成される。医療機器は、ユーザが待機期間内にさらなるアクションを取らなかった場合、スイッチオフまたはスリープするよう構成される。これは、バッテリーの省電力に有利である。
【0032】
本発明の第4の態様によれば、薬剤を注入するためのポータブル医療機器から、データ接続を使用して、温度、湿度、加速度、実行された注入の数または注入された薬剤の量からなる群から選択されるパラメータのための値を受信するよう構成され、この値を使用して、ポータブル医療機器が廃棄、保守点検、または交換を必要とするか否かを決定するリモートコンピュータが提供される。このリモートコンピュータは、ポータブル医療機器が廃棄、保守点検、または交換を必要とするか否かを決定する際に、決定ルールを適用してよい。この決定ルールは、機械学習をデータセットに適用することにより生成され、このデータセットは、同等のポータブル医療機器から以前に収集されたセンサデータを備える。このデータセットはまた、同等のポータブル医療機器のあらゆる以前の障害に関するデータを備える。
【0033】
以下において、本発明の例示的実施形態及び添付図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、システムの概略図であり、ハードウエアおよびソフトウエアコンポーネントの双方を示す。
図2図2は、リモートコンピュータ内のハードウエアおよび/またはソフトウエアコンポーネントの概略図である。
図3図3は、オペレーションカウンタがどのように配置可能かを示す図である。
図4図4は、本方法を示すフローチャートである。
図5図5は、閾値を含む方法示すフローチャートである。
図6図6は、機械学習を含む方法を示すフローチャートである。
図7図7は、センサをスイッチオンしてセンサデータを転送する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書においては、「注入(injection)」、「注入時間」、「注入手段」、「注入機器」等として参照されるが、注入はまた、患者に注入されることなく、薬剤が医療機器により放出(ejected)される場合も参照されることが理解されるべきである。例えば、機器が意図したように動作することをチェックする目的のため、ユーザが少量の薬剤を放出することにより注射器(syringe)を前処理する(primes)場合であってよい。このように、ここで使用される如く、用語「注入(injection)」は、医療機器により実行される「放出(ejection)」もまた意味するものである。
【0036】
開示される閾値、例えば50℃、は、例示としてのみ提供され、いかなる意味でも限定的ではない。本発明を使用する際に使用される実際の閾値は、試験を実行することにより見出されることができ、実際の機器で使用されるコンポーネントの仕様において、または以下に記載するような機械学習により、見出されることができる。
【0037】
図1を参照して、以下で医療機器1として参照されるポータブル医療機器1は、ポータブルである。これは、ユーザにより、例えばポケット内またはハンドバック内に携行されることを意図する。医療機器1は、好適には、携帯型(handheld)医療機器である。
【0038】
医療機器1は、成長ホルモン、抗体(例えば抗体ベースの薬剤)、またはインシュリンのような薬剤を注入するための機器である。典型的には、医療機器1は、人が、1日当たり1回から3回、自身に注入することに使用される。これは、人が、自身にインシュリンを投与するのに最も通常の方法である。このように、この医療機器は、点滴(infusion)、すなわち、薬剤の連続的な搬送(delivery)のための機器ではない。
【0039】
医療機器1は、注入手段6を有する。注入手段6は、注入機器の分野で公知のように配置されてよい。注入手段6は、薬剤を収容する交換可能なカートリッジを取り付けるための場所(site)を備えてよい。このカートリッジは、典型的には、注射器を取り付けるための場所を有する。注射手段6はまた、典型的には、カートリッジ内に圧力を生成するプランジャ(plunger)と、プランジャがどの程度の距離を移動するかを制御する投与量設定手段とを備える。プランジャは、駆動機構により給電される。注入手段6はまた、典型的には、注入アクチュエータ、例えば、ユーザにより押下されることの可能なボタン、を備える。これにより、プランジャが、投与量設定手段により許容される程度まで移動することができる。好適な注入手段の例は、PCT国際特許出願国際公開公報WO2015/076745号に開示されており、ここに参照により本開示の一部を成す。
【0040】
医療機器1は、データ通信を許容するセルラーネットワーク3と通信するためのセルラー無線送受信機2を有する。セルラーネットワーク3は、例えば、GPRS(General Packet Radio Service)、UTMS(Universal Mobile TelecommunicationSystem)、3G、4G、LTE(Long Term Evolution)、または同等のセルラーネットワークであってよい。セルラー無線送受信機2は、典型的には、セルラーネットワーク3中の医療機器1を識別するための、SIMカード、またはSIMカードを取り付けるための場所を備える。セルラー無線送受信機2は、医療機器1とリモートコンピュータ4の間のデータ接続を、例えばインターネット51を介して、確立することができる。しかしながら、音声通信は必要ではなく、必ずしもセルラー無線送受信機2により利用可能にされなくてもよい。例えばWi−Fi上のセルラーネットワークでの通信の利点は、セルラーのカバレージが手動でのログインプロシージャを要求せず、ほぼどこでも利用可能であるからである。しかしながら医療機器1とリモートコンピュータ4との間の通信は、さらに、例えば、イーサネット(登録商標)等の有線結合技術などの、無線でない技術等のデータ通信をサポートする他のタイプの接続のネットワークを含んでよい。
【0041】
医療機器1は、少なくとも1つのセンサ5を有する。センサの数は、1、2、3、4、またはそれ以上であってよい。医療機器1はまた、ソフトウエアおよびセンサ5からのデータを格納する少なくとも1つのメモリ7と、ソフトウエアを実行して機器のセンサ5と通信する処理ユニット8を有する。処理ユニット8は、時点を決定するためのクロックを有してよい。メモリ7は、好適には固体メモリである。処理ユニット8は、医療機器の部品が正常動作していない場合に、エラーコードを生成することができる。エラーコードは、例えば、バッテリーが充電されていない、機器の部品との通信の喪失、処理ユニットの障害、メモリ障害、またはセンサ障害、に関連してよい。
【0042】
処理ユニット8、メモリ7およびセルラー無線送受信機は、バッテリー20により給電される。バッテリーはまた、センサ5を給電してよい。医療機器1はまた、ディスプレイを含むユーザインタフェースを有してよい。医療機器1は、好適には、医療機器1の多様なコンポーネントを収容するハウジングを有する。ハウジングは、外気がセンサ5に到達することを許容する少なくとも1つの開口を有してよい。
【0043】
センサ5は、医療機器1の内部または医療機器1のごく近い周囲(immediate surroundings)の温度を計測することができる温度センサであってよい。あらゆる好適なタイプの温度センサが使用されてよい。温度センサは、例えば、熱電対センサまたは抵抗温度検出器であってよい。
【0044】
センサ5は、医療機器1の内部または医療機器1のごく近い周囲の湿度を計測することができる湿度センサであってよい。あらゆる好適なタイプの湿度センサが使用されてよい。例えば、容量型または抵抗型湿度計を使用することができる。
【0045】
センサ5は、加速度計であってよい。加速度計は、圧電型、ピエゾ抵抗型、または容量型加速度計であってよい。加速度計は、医療機器1が機械的衝撃に晒されているか否か、例えば、床に落下したか否かを判断するために使用されてよい。加速度計は、フリーフォール(自由落下)センサであってよい。自由落下センサは、医療機器が自由落下状態にある際に駆動され、自由落下時間を計測する。時間パラメータは、衝突時の衝撃を算出するため使用されてよい。
【0046】
センサ5は、オペレーションカウンタ14であってよい。オペレーションカウンタ14は、機器が使用された回数、例えば、医療機器が薬剤を注入した回数、を登録してよい。オペレーションカウンタ14は、毎回注入された薬剤の量を検出してよい。オペレーションカウンタ14は、例えば、医療機器の注入手段の回転部分の回転を検出するよう配置されることができる。オペレーションカウンタ14であるセンサ5が、どのように配置されるかの例は、PCT国際特許出願国際公開WO2015/076745号公報に記載されており、その内容は参照により本開示の一部をなす。
【0047】
オペレーションカウンタ14は、動きを検出する磁気または光学センサを備えてよい。オペレーションカウンタ14は、回転または直線運動、例えば、薬剤を放出するプランジャの直線運動、を検出してよい。
【0048】
オペレーションカウンタ14は、機器により注入された薬剤の量を検出するセンサである場合、以下のように配置されてよい。オペレーションカウンタ14は、注入手段6の駆動機構に、機器の注入手段により注入される薬剤の量に比例する信号を処理ユニット8へ送信するよう、接続される。こうしたセンサの配置の例は、図3に示されており、図3には、駆動機構の旋回部分17の回転を検出するオペレーションカウンタ14の例が示されている。駆動機構の一部である旋回部分17は、嵌め歯歯車(cogwheel)19が接続される嵌め歯歯車18を形成するリム(縁)(rim)を有する。嵌め歯歯車19の旋回は、磁気センサであってよいセンサ14により検出される。オペレーションカウンタ14は、処理ユニット8へ信号を送信することができる。ユーザが作動手段を押下した場合、旋回部分17は、薬剤の注入の間、旋回する。旋回手段17の旋回により、嵌め歯歯車18および19が旋回する。嵌め歯歯車19の旋回および磁気センサ14からの信号は、旋回部分17の旋回に比例し、このため、注入された薬剤の量に比例する。
【0049】
医療機器1が使用された回数は、センサ14が動作に関する信号を処理ユニット8へ送信するごとに、登録することにより、処理ユニット8により検出することができる。
【0050】
センサ5からの計測値は、センサデータとして、メモリ7にデジタル形式で格納される。処理ユニット8は、メモリ7からセンサデータを検索し、セルラー送受信機2の援助により、リモートコンピュータ4へセンサデータを転送することができる。
【0051】
センサ5は、処理ユニット8に、信号授受(シグナリング)がこれらの間で起き得るように接続される。センサ計測、センサシグナル処理、および、センサ5、処理ユニット8およびメモリ7との間の通信は、公知であるあらゆる好適な方法で実行されることができる。シグナル処理及びデータ記憶は、機器1の多様な部分、例えば、センサ5、メモリ7、および処理ユニット8で実行されてよい。センサ5からの出力信号がアナログ信号である場合、処理ユニット8は好適には、信号をデジタル信号へ変換する能力、例えば、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)、を有する。
【0052】
センサ5および/または処理ユニット8により生成されるセンサデータは、医療機器1のメモリ7に格納される。それぞれのセンサ5は、処理ユニット8により時々検索される独立したメモリ7を有してよい。
【0053】
センサ5は、パラメータを検出して、処理ユニット8へ、計測されたパラメータの数値を表すデータを送信することが可能であってよい。こうして、温度、湿度、加速度、または注入量の実際の値は、センサ5により、処理ユニット8またはメモリ7へ送信されることができる。代替的に、温度値、湿度値、加速度値、または注入量の値を取得するため変換される値または信号は、センサにより機器1やリモートコンピュータ4へ送信されることができる。
【0054】
医療機器1からリモートコンピュータ4へ転送されるデータは、好適には、数値データの形式(カテゴリデータとは対照的に)である。センサデータは、計測されたパラメータの連続する変数(温度、湿度、薬剤の量、加速度、自由落下時間)であってよい。
【0055】
パラメータが温度である場合、センサデータは好適には、例えば、摂氏または華氏で計測された温度である値、またはリモートコンピュータ4により温度計測値に変換可能な値である。
【0056】
パラメータが湿度である場合、センサデータは好適には、最大相対湿度のパーセンテージとして計測された湿度である値、またはリモートコンピュータ4により最大相対湿度計測値のパーセンテージに変換可能な値である。
【0057】
パラメータが動作回数である場合、センサデータは好適には、注入された薬剤の量を表す値、または注入手段の部分の回転数を表す値、またはリモートコンピュータ4によりこうした値に変可能な値である。
【0058】
パラメータが加速度である場合、センサデータは、m/sまたは自由落下時間として計測された加速度を表す値、またはリモートコンピュータ4によりこうした値に変換可能な値である。
【0059】
医療機器1およびリモートコンピュータ4は、システム50の一部である。医療機器1は典型的には、患者により操作および携行され、リモートコンピュータ4は典型的には、ヘルスケアプロバイダ、病院または企業により操作される。医療機器1は、リモートコンピュータ4とデータ接続を確立し、センサデータをリモートコンピュータ4へ転送することができる。リモートコンピュータ4は、ソフトウエアおよびデータを格納するメモリを有する。リモートコンピュータ4はさらに、プロセッサを有し、ソフトウエアを実行することができ、オペレーティングシステムを有してよい。リモートコンピュータ4は、ユーザインタフェース22を有して、ユーザにヘルスケアプロバイダでリモートコンピュータの設定を変更させる、例えば、閾値の変更や通知の受信、ことができる。リモートコンピュータ4は、サーバであってよい。リモートコンピュータ4は、協働する2つ以上のコンピュータまたはサーバであってよい。
【0060】
リモートコンピュータ4は、医療機器1から、セルラーネットワーク3を含むデータ接続を介して、センサデータを受信することができる。好適には、リモートコンピュータ4は、複数の医療機器1からデータを検索することができる。こうして、システム50は、好適には、複数の医療機器1を含み、これらは同一のモデルであってよい。リモートコンピュータ4は、複数の医療機器1をモニターするために使用されることができる。それぞれの医療機器1は、1人の患者/ユーザに関連付けられる。
【0061】
リモートコンピュータ4は、医療機器1とセルラーネットワーク3または他のコンピュータと通信するための通信インタフェース9を有する。医療機器1およびリモートコンピュータ4の間のデータ接続は、医療機器1からリモートコンピュータ4へ、少なくともセンサデータと医療機器の識別子(identity)を転送するために使用されることができる。オプションとして、センサ計測、または医療機器1により生成されたエラーコードの時点がまた、データ接続を使用して転送されることができる。
【0062】
リモートコンピュータ4は、医療機器1からのセンサデータを入力として使用しながら、医療機器1に関する決定をするための決定(デシジョン)ルールソフトウエア10を有する。この決定は、医療機器が保守点検、廃棄または交換されるべきか否か、またはアクションが取られるべきでないこと、であってよい。決定ルールソフトウエア10は、センサデータのタイプのための閾値を有してよい。こうして、温度、湿度、および加速度または動作回数のそれぞれのための閾値があってよい。決定ルールソフトウエア10は、必要に応じて更新されてよい。例えば、閾値は、決定ルールソフトウエア10を更新することにより、上方にまたは下方に調整されてよい。
【0063】
リモートコンピュータ4はまた、複数の医療機器1の識別子を備えるデータベース11を備える。医療機器1のそれぞれは、例えば、数値、文字の組み合わせ、または数値と文字の組み合わせであってよい固有の識別子を有する。ポータブル医療機器1は、メモリ7に格納される識別子を有し、この識別子を使用してリモートコンピュータ4に対して自身を識別することができる。リモートコンピュータ4は、医療機器1からデータを受信してデータベース11に格納することができる。こうして、特定の医療機器1のためのデータが、データベース11内の当該特定の医療機器1に結合される。
【0064】
典型的には、医療機器1は、パーソナルである、すなわち、単一の人によってのみ使用される。データベース11は、好適には、ヘルスプロバイダに医療機器1のユーザに接触させることを可能にする情報を含む。例えば、ヘルスプロバイダは、ある医療機器1が保守点検または交換を必要としており、ユーザにこれに関する情報を通知する必要があると決定してよい。
【0065】
データベース11は、ある医療機器1のトータル使用(トータル動作値)に関する情報を含んでよい。トータル動作値は、医療機器1のオペレーションカウンタ14からのデータに基づく。トータル動作値は、実行された注入のトータル数、またはある医療機器1により注入された薬剤のトータル量により表されてよい。この目的のため、リモートコンピュータ4は、オペレーショントラッカ(tracker)ソフトウエア13を有してよい。オペレーショントラッカソフトウエア13は、オペレーションカウンタ14およびデータベース11からデータを受信して、オペレーションカウンタ14からのこのデータをデータベース11に格納される現在のトータル動作値に追加して、更新されたトータル動作値を取得することができる。例えば、医療機器がある機会において、2mlの薬剤を放出(ejects)し、機器が以前にはトータル200mlの薬剤(現在のトータル動作値)を注入しており、200mlの薬剤がトータル100回(現在のトータル動作値)注入されていたとする。この場合、オペレーショントラッカソフトウエア13は、最後のイベントからのデータを以前に格納されたトータルに追加する。これにより、注入された薬剤のトータル量は、202ml(更新されたトータル動作値)となり、注入イベントのトータル数は101回(更新されたトータル動作値)となる。更新されたトータル動作値(202mlおよび/または101回)は、その後データベース11に格納される。
【0066】
代替的に、オペレーショントラッカソフトウエア13は、医療機器1の処理ユニット8内にあってよい。医療機器1のメモリ7は、この場合、トータル動作値のレコードを維持する。トータル動作値は、上記のように更新されることができる。医療機器1は、更新されたトータル動作値を好適な時点でリモートコンピュータ4に転送する。更新されたトータル動作値はその後、リモートコンピュータ4のユニット(単位)データベース11に格納され、好適な時点で決定ルールソフトウエア10により使用される。
決定ルールソフトウエア10の閾値は、注入回数、または機器1により注入された薬剤のトータル量に基づいてよい。
【0067】
決定ルールソフトウエア10の1つまたは複数の閾値は、必要に応じて変更されてよい。たとえば、経験に基づき、閾値温度を低下させるべきと見出された場合、これは、ヘルスケアプロバイダにより便宜な方法で、単純にリモートコンピュータ4の決定ルールソフトウエア10内の閾値を変更することにより、実行することができる。
【0068】
医療機器1の健康(ヘルス)をモニターする方法を、以下、図4を参照して説明する。ステップ100で、医療機器1のセンサ5は、センサ5により計測されるパラメータの値を確立する。センサ5は、所定の間隔で、例えば5分に1回、1時間に1回、1日に1回、または注入の時、または機器がユーザによりスイッチオンされたとき、に温度または湿度を自動的に計測してよい。注入の時の温度または湿度は、医療機器が動作中に極端な状況に対してより高感度である(センシティブである)ため、より関連性が高い(relevant)。計測は、注入の時に実行されてよいが、少なくとも所定の時間間隔ごと、例えば1日1回である。
【0069】
オペレーションカウンタ14は、薬剤の注入のときの動作を検出する。
【0070】
センサ5が加速度計であるとき、加速度は連続的に計測されてよく、加速度がある閾値を上回った場合、データがメモリ7に格納されてよい。代替的に、加速度計は、加速がある閾値、例えば自由落下である、を上回った場合に自動的に作動される。閾値を超えた回数は、リモートコンピュータへ転送される値であってよい。これにより、リモートコンピュータ4は、例えばユーザが取ったステップの数をカウントすることができる。
【0071】
ステップ101で、医療機器1は、セルラー無線送受信機2を使用して、セルラーネットワーク3に接続し、リモートコンピュータ4とデータ接続を確立する。このステップは、セルラー無線送受信機2をスイッチオンする、またはスリープ状態から起こす(waking it up)こと、およびセルラーネットワーク3とのハンドシェイクを実行することを含んでよい。リモートコンピュータ4と医療機器1とのデータ通信は、あらゆる好適なプロトコルまたは技術を使用して実行されてよい。リモートコンピュータ4へ転送されるべきデータは、処理ユニット8からセルラー無線送受信機2へ、デジタル形式で転送される。
【0072】
ステップ101またはステップ102は、医療機器1が自身をリモートコンピュータ4に対して識別する(同定する)ステップを含み、これは、医療機器1の識別子をリモートコンピュータ4へ転送することを含んでよいl。これにより、リモートコンピュータ4は、正しい個別の医療機器1のため受信したデータを、ユニットデータベース11に格納することができる。
【0073】
ステップ102で、医療機器1は、データ接続を使用して、ステップ100で決定されたセンサ値をリモートコンピュータ4へ転送し、これにより、センサデータは、リモートコンピュータ4のユニットデータベース11に格納されることができる。センサデータは、ユニットデータベース11に格納され、ユニットデータベース11内で医療機器1の識別子に論理的に結合される。医療機器1はまた、センサ5が値を決定した時点および/または薬剤の注入の時点に関する情報を転送してよい。ステップ102は、処理ユニット8により生成された、あらゆるエラーコード、およびこれらの時点を転送することを含んでよい。
【0074】
ステップ101およびステップ102は、要求される頻度で実行されてよく、これは1日に1回または数回であってよい。典型的には、ステップ101およびステップ102は、注入が発生した直後に実行される。ステップ101およびステップ102は、注入手段6のアクション(動作)によりトリガが与えられてよい。注入手段6は、これに関する信号を処理ユニット8へ送信してよい。この信号は、オペレーションカウンタ14からの信号であってよい。こうして、オペレーションカウンタ14は、ステップ101およびステップ102にトリガを与える。典型的には、ステップ102は、ステップ101の直後に実行され、典型的には、バッテリーを省電力化するため、ステップ101のできる限り直後に実行される。バッテリーを省電力化するため、ステップ101および102は、新たなセンサデータが決定されるごとに実行される必要はない。
【0075】
オペレーションカウンタ14からのデータは、さらに、リモートコンピュータ4で使用されて、患者の挙動(behaviour)をモニター、例えば、患者の服薬遵守(compliance)をモニターしてよい。同時にあらゆる他のセンサデータを、バッテリー省電力化のため、同一の通信セッションで、リモートコンピュータ4に送信することが便宜である。
【0076】
データが転送される際、セルラー無線送受信機2は、バッテリー省電力化のため、直ちにスイッチオフまたはスリープモードに移行してよい。
【0077】
ステップ103で、リモートコンピュータ4は、ステップ102からのセンサ値を使用して、ポータブル医療機器が保守点検または交換されるべきか否か、または何らのアクションも取られるべきでないか、を決定する。オプションとして、これは、オペレーショントラッカソフトウエア13が上記のようにトータルの使用を算出することを含んでよい。基本的な実施形態において、決定ルールソフトウエア10は、センサ5からの(またはオペレーショントラッカソフトウエア13からの)センサデータを、所定の閾値と比較する。
【0078】
ステップ103は、好適には、リモートコンピュータ4がデータを受信するごと、好適にはステップ102の直後に実行されてよい。
【0079】
計測されるパラメータが温度である場合、閾値は、最大または最低温度であってよい。
【0080】
計測されるパラメータが湿度である場合、閾値は、最大湿度であってよい。
【0081】
計測されるパラメータが加速度である場合、閾値は、最大加速度、または最大自由落下時間であってよい。自由落下における最大時間は、医療機器1に対する最大の衝撃(impact shock)を決定する。
【0082】
センサ5がオペレーションカウンタ14である場合、閾値は、トータル動作値、例えば、注入回数の最大値であってよい。閾値のトータル動作値は、代替的に、注入された薬剤の最大量、例えば、注入された薬剤のトータル量、であってよい。こうした閾値は、医療機器がいつ損耗した(worn out)か、あるいは交換または保守点検されなければならない程度に使用されたか、を示すために設定されてよい。
【0083】
センサ5またはオペレーショントラッカソフトウエア13からの値が、閾値を上回った場合(または、最小温度の場合、最小温度を下回った場合)、決定ルールソフトウエア10により決定がされて、保守点検または交換が必要な個別の医療機器1が分類される(classify)。これにより、さらなるアクション、例えば、ユーザまたはヘルスプロバイダへの通知、にトリガが与えられてよい。これはまた、ユーザへ交換(replacement)医療機器1の自動的な出荷にトリガを与えてもよい。医療機器の識別子は、好適には、データベース11の特定ユーザに結び付けられる。
【0084】
この例は、図5に示されている。ステップ201で、リモートコンピュータ4の決定ルールソフトウエア10は、センサ5により記録された温度を表すセンサデータを受信する。ステップ202で、決定ルールソフトウエア10は、決定ルールを適用する。この場合、決定ルールは、40℃を上回る温度がセンサ5により記録された場合、医療機器1は交換されるべき、というものである。ステップ202で、40℃を下回る、またはこれと等しい記録された温度値が見出された場合、ステップ203で、機器を交換しないという決定がされる。センサ5からの温度が40℃を上回る場合、ステップ204で、医療機器1を交換するという決定がされる。こうして、医療機器が40℃を上回る温度に晒された場合、ステップ204で決定ルールソフトウエア10により、機器を交換するという決定がされる。
【0085】
決定ルールソフトウエア10からの出力は、リモートコンピュータ4から、通信インタフェース9および/またはユーザインタフェース22を使用して、通信されることができる。ユーザインタフェース22は、医療機器1の交換、廃棄または保守点検に関する通知を提供してよい。こうした通知は、あらゆる好適な形式で可能である。通知は、複数の医療機器1の変化を記録する(keeps tracks)コンピュータシステムに送信されてよい。こうしたコンピュータシステムは、関連するアクション、例えば、自動的に新たな機器を注文する、医療機器のユーザに通知または警告する、または医療または技術スタッフに通知又は警告すること、を取ってよい。リモートコンピュータは、例えば、医療機器のユーザにメッセージ、例えば、ユーザのモバイルフォンへの電子メールまたはSMS/テキストメッセージ、を送信することができる。
【0086】
リモートコンピュータ4は、医療機器1へのデータ接続を使用して、医療機器1に信号を送信することができる。この信号により、医療機器1は、医療機器のユーザに、当該医療機器1が保守点検または交換が必要であることを通知することができる。リモートコンピュータからの信号により、医療機器1は、システムチェック、例えば、バッテリーチェック、を実行することができる。このシグナリング(signaling)は、好適には、医療機器1とリモートコンピュータ4との間の同一の通信セッションで発生してよい。代替的に、これは、後の通信セッションで発生してよい。ユーザへの通知は、医療機器1のディスプレイ上に表示されるメッセージ、または音声信号、振動、またはこれらの組み合わせ、または医療機器1のシャットダウン、であってよい。ディスプレイ上のメッセージは、例えば、「エラー」、または「保守点検」、または「ヘルスプロバイダXにコンタクト」、または「XX−XXXXへ電話」であってよい。医療機器は、こうして、ディスプレイを含んでよいユーザインタフェースを有し、これを通知のために使用することができる。
【0087】
本方法は、医療機器1の地理的位置(geographical position)を決定する追加のステップを含んでよい。地理的位置は、医療機器1のセンサにより検出されないデータを検索するために使用されることが可能である。例えば、医療機器1が、湿度センサを有しない場合、地理的位置は、時点(time point)とともに、リモートコンピュータ4により、天気サービスから湿度データを検索するために使用されることができる。これは、以下でより詳細に説明される。
【0088】
医療機器1の地理的位置は、多様な方法で、例えば、医療機器1のGPS回路で、またはモバイルフォントラッキングのためのセルラー無線送受信機2を使用して、決定することができる。モバイルフォントラッキングは、医療機器1がセルラー無線送受信機2を有するため、好適である。モバイルフォントラッキングの精度は、大抵の目的のために十分である。モバイルフォントラッキングが使用される場合、モバイル機器の位置は、セルラーネットワーク3により決定される。セルラーネットワーク3は、どのセルラーネットワークに医療機器1が接続されるかに関する情報を使用することができ、または複数のセルラーネットワークを含む多国間ネットワークを使用することができる。
位置データは、セルラーネットワーク3からリモートコンピュータ4へ、あらゆる好適な方法で送信される。例えば、リモートコンピュータ4は、セルラーネットワーク3のコンピュータに対して、特定の医療機器1に関する位置データを検索(クエリ)してよい。リモートコンピュータ4は、データベース11に位置データを格納することができる。地理的位置を決定する時点は、好適には、医療機器1がセルラーネットワーク3に接続した直後、またはセンサ計測の所定のタイムリミット内、である。タイムリミットは、例えば、30分までの時間であることができる。
【0089】
典型的には、医療機器1は、セルラーネットワーク3に、注入が実行された直後に接続する。どこで注入が実行されたかのおおよその(approximate)地理的位置が、その後決定され、リモートコンピュータ4に転送される。
【0090】
代替的に、ユーザにより携行されるモバイルフォンにより生成された位置データが、例えば、フォンのGPSおよび/またはWi−Fi位置決め(positioning)能力を用いて、使用されることができる。ユーザが、ユーザがモバイルフォンおよび医療機器1を彼ら彼女らとともに携行すると見なされる(assumed)。こうした位置データは、モバイルフォンからリモートコンピュータ4へ送信され、センサ計測と、例えばオペレーションカウンタ14により時点を比較することにより、ペアリングされ(paired with)ることができる。こうして、リモートコンピュータ4は、モバイルフォンによりセンサ計測の時点と時間上最も近いと決定された地理的位置を選択することができる。例えば、センサ計測が15:25に発生して、15:00の位置Xおよび15:30の位置Yがある場合、リモートコンピュータ4は、センサ計測に時間上より近いため、位置Yを選択する。
【0091】
ある実施形態において、モバイルフォンは、自動的に位置を決定するソフトウエア(例えば、アプリ(app))を有し、モバイルフォンのメモリにこれを格納する。これは、少なくとも好適な所定の時間間隔、例えば、少なくとも15分ごと、に繰り返されることができる。位置データは、少なくとも好適な(より長い)所定の時間間隔ポイント、例えば、1日に1回、で、リモートコンピュータ4へ転送される。
【0092】
図2を参照して、好適な実施形態において、決定ルールソフトウエア10は、データセット15に機械学習を適用することにより生成された決定ルールを実装する(implements)。このデータセット15は、同等のポータブル医療機器から以前に収集されたデータを備える。このデータセット15は、同等の機器1のあらゆる以前の障害(failures)に関するデータを備える。障害は、故障(breakdowns)、障害(failure)、こうした同様のポータブル医療機器の交換またはエラーコードを含む。「同様の(similar)」または「同等の(comparable)」機器とは、例えば、同一モデルである、またはあるコンポーネントを共有する、との理由により、同一の方式で挙動することが合理的に期待することができるという意味で比較可能である機器を意味する。
【0093】
機械学習は、それ自体は公知である。機械学習は、例えば、ベイズ(Bayesian)ネットワークまたは人工ニューラルネットワークを適用することを含んでよい。ガイダンスは、米国特許出願公開US2014/0012784号公報、US2008/0059120号公報、および米国特許US8819498号に見出すことができる。リモートコンピュータ4は、データセット15を分析して、決定ルールソフトウエア10に実装される決定ルールを生成する機械学習ソフトウエア16を備えてよい。データセット15は、ユニットデータベース11内に情報を備えてよい。
【0094】
データセット15は、あらゆる有用な情報を備えてよい。こうして、データセット15は、センサデータと、モデル、シリアル番号、ユーザのアドレス、製造日、医療機器1のコンポーネントおよび製造者に関する情報とを含んでよい。
【0095】
重要なことに、データセット15は、医療機器1または同様の医療機器の以前の障害に関する情報を備える。このデータは、手動で入力されてよい。代替的に、データセット15は、医療機器1または同等の医療機器からのエラーコードを自動的に受信してよい。データセット15のサイズは、時間軸上(over time)増加し、決定ルールを改良する。この方法は、センサデータをデータセット15へ自動的に追加するステップを含んでよい。この方法は、医療機器1からのエラーコードに関する情報をデータセット15へ自動的に追加するステップを含んでよい。
【0096】
機械学習をデータセット15へ適用することにより、決定ルールソフトウエア10の決定ルールは、医療機器1を診断するための以前に知られていない(previously unknown)要因を考慮することができる。たとえば、低い温度とともにある使用のパターン(いわば、高い頻度の使用)が、医療機器の故障(damage)のリスクを増加させることが、予想可能(feasible)である。こうした障害パターン(failure pattern)を、機械学習を使用して検出することができる。こうして、この方法は、リサーチツールとして使用することができる。機械学習ソフトウエア16が決定ルールソフトウエア10内に決定ルールを生成する際に、データセット15に含めることができこのため考慮されることができるパラメータは、以下を含む:温度、湿度、加速度、使用パターン(例えば、頻度および量)、エラーコード、使用の日時またはエラーコード生成の日時、モデル、シリアル番号、ユーザのアドレス、製造日、医療機器1のコンポーネントのシリアル番号、および医療機器1の交換。
【0097】
機械学習をデータセット15へ適用することにより、医療機器1の障害を予測する新たなパターンを見出すことができる。こうしたパターンは、今後も見出されるべきであるが、いくつかの純粋に仮想的な例を、例示として以下に説明する。第1の仮想的例は、高い温度での注入は、医療機器の損耗(wear)を予測するというものである。第2の仮想的例は、高い温度と高い湿度の組み合わせは、医療機器がある下請事業者からの部品を有する場合、医療機器の障害をもたらすというものである。第3の例は、1mlを越える量の注入は、バッテリー充電エラーコードを引き起こすというものである。
【0098】
好適には、データセット15は、多数の医療機器1、好適には、1000を上回る医療機器1からのデータを含む。
【0099】
この方法は、リモートコンピュータ4が、医療機器から受信された情報、特にセンサデータ、をデータセット15に追加するステップを含んでよい。
【0100】
この方法は、機械学習ソフトウエア16が、更新されたデータセット15を分析し、更新された決定ルールを生成し、および新たな決定ルールで決定ルールソフトウエア10を更新するステップを含んでよい。
これは図6に示され、ステップ300で、リモートコンピュータ4が、どのようにデータ、例えば値のデータ、を機器1から受信するか、を示す。このデータは、その後データセット15に追加される。ステップ301で、機械学習ソフトウエア16は、更新されたデータセット15を分析して、ステップ302で、更新された決定ルールを生成する。この更新された決定ルールは、その後、ステップ303で、決定ルールソフトウエア10を更新するのに使用される。機械学習ソフトウエア16は、決定ルールが決定ルールソフトウエアを更新するのに使用されるものとして提供されるべく、少なくとも最小限の所定の信頼度(confidence)を持たなければならないよう、決定ルールを提供するのにカットオフを適用してよい。ステップ303は省略されてよい。ステップ303が省略される場合、決定ルールソフトウエアは、手動で更新されてよい。機械学習ソフトウエア16は、その後、ユーザインタフェース22を使用して、オペレータへ通知を送信してよく、このオペレータがその後、決定ルールソフトウエアを自動的に更新してよい。
【0101】
医療機器1のある時点での地理的位置、できれば(possibly)注入またはセンサ計測の時点とともに、が、データセット15に含めるのに有用な情報を収集するのに使用されてよい。こうした情報は、例えば、天候、温度、湿度、大気汚染、大気圧、カレンダーデータ、または道路交通情報を含んでよい。データ21の外部プロバイダは、こうした情報をリモートコンピュータ4に提供してよい。例えば、天候情報は、天候情報の外部情報源から供給されることができる。医療機器1が温度または湿度センサを有さない場合、これは有用である。交通情報は、グーグル(Google)により提供されてよい。
【0102】
データ21の外部プロバイダは、ソーシャルネットワークサービスからユーザに関する情報を提供してよく、こうしたデータは、データセット15に含まれてよい。ソーシャルネットワークサービスは、こうした情報を、ユーザの投稿(posts)に基づいて抽出してよい。ソーシャルネットワークサービスからのこうしたデータの抽出は、典型的には、ユーザがそうした抽出を許可することを要求する。挙動のタイプは、スポーツ活動、ソーシャルアクティビティ、および旅行を含んでよい。時点(time point)、例えば、注入の時間に近い時点、は、このタイプのデータを抽出するのに十分である。ソーシャルネットワークは、少なくとも、第2のユーザがクライアント機器を使用して手動で情報を入力し、当該情報をソーシャルネットワークサービスサーバへ転送し、および当該情報を複数の他のユーザに利用可能にすることを許容する。それぞれのユーザは、サーバへの接続を可能にするアカウントを有する。それぞれのアカウントは、固有のユーザ名およびパスワードを有する。
【0103】
温度センサまたは湿度センサによる計測は、ユーザが、注入アクチュエータ(actuator)を作動し、または投薬量設定(dose setting)手段を作動し、またはユーザが、医療機器1をスイッチオンすることにより、作動されてよい。こうして、この機器は、作動スイッチ23を備え、これにより、ユーザは、湿度または温度センサ5に、温度または湿度を計測させ、温度値または湿度値を医療機器1のメモリ7に格納させることができる。
【0104】
データの検出および転送は、機器1がスイッチオンされ、注入が発生し、温度または湿度の計測およびリモートコンピュータ4へのデータ転送が発生しているセッションで実行されてよい。温度および湿度の計測は、機器1をスイッチオンすることでトリガが与えられてよく、センサデータ(オペレーションカウンタ14からのデータを含む)のリモートコンピュータ4への転送は、注入、または他のユーザのアクションによってトリガが与えられてよい。
【0105】
作動スイッチ23は、例えば、オン/オフスイッチであってよく、ユーザはこれを使用して、機器1をスイッチオンし、または機器1をスリープから起こすことができる。作動スイッチ23はまた、医療機器1のユーザにより「オン」にスイッチされてよい。例えば、作動スイッチ23は、ユーザが注射すべき投薬量(dose)を設定する際に機器1がスイッチオンされ、またはスリープから起こされるような、投薬量設定手段であってよい。例えば、ユーザが投薬量を0以外の他の値に設定する際、機器1は、スイッチオンされまたはスリープから起こされて、処理ユニットに湿度または温度センサからの計測値を取得させてもよい。他のタイプの作動スイッチ23もまた可能である。機器は、そのすべてが機器1をスイッチオンすることのできる、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の作動スイッチを有してよい。
【0106】
機器1は、ユーザが作動スイッチ23を使用した際、所定の待機期間の間、さらなるユーザのアクションを待ち、ユーザがさらなるアクションを待機期間内に起こした場合、リモートコンピュータ4へのデータ接続を確立して、決定された値をリモートコンピュータ4に転送するよう構成されることができ、ユーザがさらなるアクションを所定の待機期間内に起こさなかった場合、決定された値を、次回にデータ接続がリモートコンピュータ4との間で確立されたときに転送するよう構成されることができる。
【0107】
これは、図7に示されている。ステップ400で、ユーザは、例えば、投薬量設定手段に0以外の他の値をセットすることにより、またはオン/オフボタンで機器1をスイッチオンすることにより、作動スイッチ23を作動する。セルラー無線送受信機2は、この時点でスイッチオンされてよいが、バッテリーを省電力化するため、リスニングモードのみ(これは位置の決定を可能にする)に設定されてよい。こうして、セルラー無線送受信機は、好適には、この時点ではセルラーネットワーク3とのハンドシェイクを実行しない。
ステップ401で、温度センサ5または湿度センサ5は、計測を実行し、ステップ402で、この計測からの値が、機器1のメモリ7に格納される。この値は、好適には、計測の時点とともに格納される。ステップ401およびステップ402は、好適には、ステップ400の直後に実行される。ステップ400、401、または402のいずれかにより、ステップ403の待機期間にトリガが与えられてよい。待機期間は、好適には、予め決定され、例えば、10秒から5分までであってよい。好適な待機期間は、30秒であってよい。待機期間は、機器1のタイマー、例えば処理ユニット8のタイマー、により計測される。ユーザが、待機期間内に何らアクションを取らなかった場合、ステップ404で、機器は、自動的にスイッチオフされ、またはスリープモードに移行してよい。格納されるセンサ値は、その後、次回、コンピュータ接続がリモートコンピュータ4との間で確立されたときに、転送されてよい。
【0108】
ユーザが、待機期間内にさらなるアクションを取った場合、ステップ405で、データ接続がリモートコンピュータとの間で確立され、ステップ406で、センサ5からの値が、リモートコンピュータ4に転送される。データ接続を確立するのにトリガを与えるさらなるアクションは、例えば、注入をすることであってよい。これは、オペレーションセンサ14により検出されてよい。さらなるアクションはまた、ユーザが手動で医療機器の処理ユニット8に入力を行うことであってよい。医療機器は、食事、運動、および/または病気の時点のログを取るための電子的またはデジタルログを有してよい。こうしたデジタルログへの入力は、リモートコンピュータへのデータ転送にトリガを与えてよい。こうした電子的またはデジタルログは、PCT国際特許出願国際公開WO2015/076745号公報に開示されている。さらなるアクションに関するデータは、また、リモートコンピュータ4に転送される。
【0109】
このように、本実施形態において、温度センサ5または湿度センサ5からのデータは、ユーザがさらなるアクションを取った際に生成されるデータとともにのみ、転送される。セルラーネットワーク3とのハンドシェイクを実行することは、エネルギーを消費し、待機期間の目的は、医療機器1のバッテリーを省電力化することである。こうして、本実施形態において、温度センサまたは湿度センサからの値は、ユーザがさらなる重要なアクション、例えば、注入をする、またはユーザログにデータを入力すること、を取った場合にのみ、リモートコンピュータ4へ転送される。より後の(later)種類のアクションは、リモートコンピュータ4がまた患者の健康および服薬遵守をモニタリングするのにも使用され得ることから、リモートコンピュータ4へ迅速に転送される必要のあるデータをもたらす。
【0110】
機器のメモリ7内で、機器がどのセンサデータがリモートコンピュータ4に転送されたかをトラッキングする(keep track of)するため、センサデータは、転送済みまたは未転送としてタグ付けされてよい。代替的に、データ転送セッションで、機器1は、最後にセンサデータの転送があった時点から以降、転送されていないすべてのセンサデータを転送する。
【0111】
ここに開示した方法および装置は、ハードウエアおよびソフトウエアのあらゆる好適な組み合わせで実装することができる。
【0112】
特定の例示的実施形態を参照して本発明がここに説明されたが、本開示は、全般的に、発明概念を例示することのみを意図するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。本発明は、全般的に、添付クレームにより、全般的に、画定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7