【課題を解決するための手段】
【0020】
発明の詳細な説明
ある特定のジアザトリシクロ−ウンデスエン−トリオン及びその誘導体が、それらを癌治療に有用とする驚くべき活性を有することが今回明らかとなった。
【0021】
本発明の化合物
本発明の第1の態様では、式I
【化1】
の化合物、
またはその薬学的に許容される塩が提供され、
式中、Xが、独立してG
1aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−12アルキル、独立してG
1bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
1cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
1dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
Yが、独立してG
2aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−12アルキル、独立してG
2bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
2cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
2dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
Zが、O、S、NR
a、またはN(OR
b)を表し、
R
1及びR
2が、独立して、HまたはC
1−6アルキルを表し、後者の基が、独立してハロ、及び1つ以上のハロによって任意に置換される−OC
1−6アルキルから選択される1つ以上の基によって任意に置換され、
各G
1a、G
1b、G
1c、及びG
1dが、独立して、ハロ、R
a1、−CN、−A
a1−C(Q
a1)R
b1、−A
b1−C(Q
b1)N(R
c1)R
d1、−A
c1−C(Q
c1)OR
e1、−A
d1−S(O)
nR
f1、−A
e1−S(O)
nC(O)R
g1、−A
f1−S(O)
nN(R
h1)R
i1、−A
g1−S(O)
nOR
j1、−N
3、−N(R
k1)R
l1、−N(H)CN、−NO
2、−OR
m1、−SR
n1、または=Q
d1を表し、
各A
a1〜A
g1が、独立して、単結合、−N(R
o1)−、−C(Q
e1)N(R
p1)−、または−O−を表し、
各Q
a1〜Q
e1が、独立して、=O、=S、=NR
q1、または=N(OR
r1)を表し、
R
a及びR
bが、各々、独立して、HまたはC
1−6アルキルを表し、後者の基が、独立してハロ、及び1つ以上のハロによって任意に置換される−OC
1−6アルキルから選択される1つ以上の基によって任意に置換され、
各R
a1及びR
f1が、独立して、独立してG
3aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、独立してG
3bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
3cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
3dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
各R
b1、R
c1、R
d1、R
e1、R
g1、R
h1、R
i1、R
j1、R
k1、R
l1、R
m1、R
n1、R
q1、及びR
r1が、独立して、H、独立してG
3aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、独立してG
3bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
3cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
3dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
または、いずれか2つのR
c1及びR
d1、R
h1及びR
i1、及び/またはR
k1及びR
l1が、一緒になって結合して、それらが結合する窒素原子と共に3〜6員環を形成し、該環が、1つの更なるヘテロ原子を任意に含有し、該環が、独立してハロ、1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−3アルキル、及び=Oから選択される1つ以上の基によって任意に置換され、
各R
o1及びR
p1が、独立してH、または1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−6アルキルを表し、
各G
2a、G
2b、G
2c、及びG
2dが、独立して、ハロ、R
a2、−CN、−A
a2−C(Q
a2)R
b2、−A
b2−C(Q
b2)N(R
c2)R
d2、−A
c2−C(Q
c2)OR
e、−A
d2−S(O)
pR
f2、−A
e2−S(O)
pC(O)R
g2、−A
f2−S(O)
pN(R
h2)R
i2、−A
g2−S(O)
pOR
j2、−N
3、−N(R
k2)R
l2、−N(H)CN、−NO
2、−OR
m2、−SR
n2、または=Q
d2を表し、
各A
a2〜A
g2が、独立して、単結合、−N(R
o2)−、−C(Q
e2)N(R
p2)−、または−O−を表し、
各Q
a2〜Q
e3が、独立して、=O、=S、=NR
q2、または=N(OR
r2)を表し、
各R
a2が、独立して、独立してG
4bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
4cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
4dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
R
f2の各々が、独立して、独立してG
4aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、独立してG
4bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
4cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
4dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
各R
b2、R
c2、R
d2、R
e2、R
g2、R
h2、R
i2、R
j2、R
k2、R
l2、R
m2、R
n2、R
q2、及びR
r2が、独立して、H、独立してG
4aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、独立してG
4bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、独立してG
4cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール、または独立してG
4dから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロアリールを表し、
または、いずれか2つのR
c2及びR
d2、R
h2及びR
i2、及び/またはR
k2及びR
l2が、一緒になって結合して、それらが結合する窒素原子と共に3〜6員環を形成し、該環が、1つの更なるヘテロ原子を任意に含有し、該環が、独立してハロ、1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−3アルキル、及び=Oから選択される1つ以上の基によって任意に置換され、
各R
o2及びR
p2が、独立して、H、または1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−6アルキルを表し、
各G
3aが、独立して、ハロ、−CN、−A
a3−C(Q
a3)R
b3、−A
b3−C(Q
b3)N(R
c3)R
d3、−A
c3−C(Q
c3)OR
e3、−A
d3−S(O)
qR
f3、−A
e3−S(O)
qC(O)R
g3、−A
f3−S(O)
qN(R
h3)R
i3、−A
g3−S(O)
qOR
j3、−N
3、−N(R
k3)R
l3、−N(H)CN、−NO
2、−OR
m3、−SR
n3、または=Q
d3を表し、
各G
3b、G
3c、及びG
3dが、独立して、ハロ、R
a3、−CN、−A
3−C(Q
a3)R
b3、−A
b3−C(Q
b3)N(R
c3)R
d3、−A
c3−C(Q
c3)OR
e3、−A
d3−S(O)
qR
f3、−A
e3−S(O)
qC(O)R
g3、−A
f3−S(O)
qN(R
h3)R
i3、−A
g3−S(O)
qOR
j3、−N
3、−N(R
k3)R
l3、−N(H)CN、−NO
2、−OR
m3、−SR
n3、または=Q
d3を表し、
各A
a3〜A
g3が、独立して、単結合、−N(R
o3)−、−C(Q
e3)N(R
p3)−、または−O−を表し、
各Q
a3〜Q
e3が、独立して、=O、=S、=NR
q3、または=N(OR
r3)を表し、
各R
a3及びR
f3が、独立して、独立してG
5aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、または独立してG
5bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキルを表し、
各R
b3、R
c3、R
d3、R
e3、R
g3、R
h3、R
i3、R
j3、R
k3、R
l3、R
m3、R
n3、R
q3、及びR
r3が、独立して、H、独立してG
5aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、または独立してG
5bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキルを表し、
または、いずれか2つのR
c3及びR
d3、R
h3及びR
i3、及び/またはR
k3及びR
l3が、一緒になって結合して、それらが結合する窒素原子と共に3〜6員環を形成し、該環が、1つの更なるヘテロ原子を任意に含有し、該環が、独立してハロ、1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−3アルキル、及び=Oから選択される1つ以上の基によって任意に置換され、
各R
o3及びR
p3が、独立して、H、または1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−6アルキルを表し、
各G
4aが、独立して、ハロゲン、−CN、−A
a4−C(Q
a4)R
b4、−A
b4−C(Q
b4)N(R
c4)R
d4、−A
c4−C(Q
c4)OR
e4、−A
d4−S(O)
rR
f4、−A
e4−S(O)
rC(O)R
g4、−A
f4−S(O)
rN(R
h4)R
i4、−A
g4−S(O)
rOR
j4、−N
3、−N(R
k4)R
l4、−N(H)CN、−NO
2、−OR
m4、−SR
n4、または=Q
d4を表し、
各G
4b、G
4c、及びG
4dが、独立して、ハロ、R
a4、−CN、−A
a4−C(Q
a4)R
b4、−A
b4−C(Q
b4)N(R
c4)R
d4、−A
c4−C(Q
c4)OR
e4、−A
d4−S(O)
rR
f4、−A
e4−S(O)
rC(O)R
g4、−A
f4−S(O)
rN(R
h4)R
i4、−A
g4−S(O)
rOR
j4、−N
3、−N(R
k4)R
l4、−N(H)CN、−NO
2、−OR
m4、−SR
n4、または=Q
d4を表し、
各A
a4〜A
g4が、独立して、単結合、−N(R
o4)−、−C(Q
e4)N(R
p4)−、または−O−を表し、
各Q
a4〜Q
e4が、独立して、=O、=S、=NR
q4、または=N(OR
r4)を表し、
各R
a4及びR
f4が、独立して、独立してG
6aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、独立してG
6bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル、または独立してG
6cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリールを表し、
各R
b4、R
c4、R
d4、R
e4、R
g4、R
h4、R
i4、R
j4、R
k4、R
l4、R
m4、R
n4、R
q4、及びR
r4が、独立して、H、独立してG
6aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、または独立してG
6bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキルを表し、
または、いずれか2つのR
c4及びR
d4、R
h4及びR
i4、及び/またはR
k4及びR
l4が、一緒になって結合して、それらが結合する窒素原子と共に3〜6員環を形成し、該環が、1つの更なるヘテロ原子を任意に含有し、該環が、独立してハロ、1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−3アルキル、及び=Oから選択される1つ以上の基によって任意に置換され、
各R
o4及びR
p4が、独立して、H、または1つ以上のハロによって任意に置換されるC
1−6アルキルを表し、
各G
5a及びG
6aが、独立して、ハロ、または1つ以上のハロによって任意に置換される−OC
1−6アルキルを表し、
各G
5b、G
6b、及びG
6cが、ハロ、1つ以上のハロゲンによって任意に置換されるC
1−6アルキル、または1つ以上のハロによって任意に置換される−OC
1−6アルキルを表し、
各nが、独立して、1または2を表し、
各pが、独立して、1または2を表し、
各qが、独立して、1または2を表し、
各rが、独立して、1または2を表し、
その化合物は、本明細書において本発明の化合物と称され得る。
【0022】
当業者は、本発明の化合物への本明細書における言及は、全ての実施形態及びその特定の形態への言及を含むことを理解するであろう。
【0023】
別途示されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関連する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。
【0024】
薬学的に許容される塩には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。かかる塩は、従来的な手段、例えば、本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基形態を、好適な酸または延期の1つ以上の等価物と、任意に溶媒中で、または塩が不溶性である媒体中で反応させた後、該溶媒または該媒体を、標準的な技法を使用して(例えば、真空内、凍結乾燥、または濾過によって)除去することで、形成され得る。塩は、塩形態にある本発明の化合物の対イオンを、例えば、好適なイオン交換樹脂を使用して別の対イオンと交換することによっても調製され得る。
【0025】
言及され得る特定の酸付加塩には、カルボン酸塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、イソ酪酸塩、ヘプタン酸塩、デカン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ステアリン酸塩、アクリル酸塩、カプロン酸塩、プロピオレート(propiolate)、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、α−ヒドロキシ酪酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、フェニル酢酸塩、マンデル酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、サリチル酸塩、ニコチン酸塩、イソニコチン酸塩、桂皮酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、馬尿酸塩、フタル酸塩、またはテレフタル酸塩)、ハロゲン化物塩(例えば、塩化物塩、臭化物塩、またはヨウ化物塩)、スルホン酸塩(例えば、ベンゼンスルホン酸塩、メチル−、ブロモ−、もしくはクロロ−ベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、1−もしくは2−ナフタレン−スルホン酸塩、または1,5−ナフタレンジスルホン酸塩)、または硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、もしくは硝酸塩、及び同様のものが挙げられる。
【0026】
言及され得る特定の塩基付加塩には、アルカリ金属(Na塩及びK塩など)、アルカリ土類金属(Mg塩及びCa塩など)、有機塩基(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、及びリジンなど)、及び無機塩基(アンモニア及び水酸化アルミニウムなど)が挙げられる。より具体的には、言及され得る塩基付加塩には、Mg塩、Ca塩、及び最も具体的にはK塩及びNa塩が挙げられる。
【0027】
誤解を避けるために、本発明の化合物は、固体として存在してもよいため、本発明の範囲には、その全ての非晶質、結晶質、及び部分結晶質形態が含まれ、また油として存在してもよい。本発明の化合物が結晶質及び部分結晶質形態で存在する場合、かかる形態は溶媒和物を含んでもよく、これは本発明の範囲に含まれる。本発明の化合物はまた、溶液中に存在してもよい。
【0028】
本発明の化合物は、二重結合を含み得るため、個々の二重結合各々についてE(entgegen)及びZ(zusammen)幾何異性体として存在してもよい。全てのかかる異性体及びそれらの混合物が本発明の範囲内に含まれる。
【0029】
本発明の化合物はまた、互変異性を呈してもよい。全ての互変異性形態及びその混合物が本発明の範囲内に含まれる。
【0030】
本発明の化合物はまた、1つ以上の不斉炭素原子を含んでもよく、したがって、光学異性及び/またはジアステレオ異性を呈してもよい。ジアステレオ異性体は、従来的な技法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶を使用して分離され得る。様々な立体異性体が、従来的な技法、例えば、分別結晶またはHPLCを使用して、本化合物のラセミ混合物または他の混合物の分離によって単離され得る。代替的に、所望の光学異性体は、ラセミ化もしくはエピマー化を引き起こさない条件下での適切な光学活性出発物質の反応(即ち、「キラルプール」法)、好適な段階で後で除去することができる「キラル補助剤」を用いた適切な出発物質の反応、誘導体化(即ち、動力学的分割を含む分解);例えば、ホモキラル酸を用いた、後にクロマトグラフィーなどの従来的な手段によるジアステレオマー誘導体の分離が続くもの、または適切なキラル試薬もしくはキラル触媒を用いた反応を、全て当業者に既知の条件下で行うことによって作製され得る。全ての立体異性体及びその混合物が本発明の範囲内に含まれる。
【0031】
当業者は、式Iの化合物における基の位置が、それらの相対立体化学とそれらの絶対配置との両方の点で互いに対して変化し得ることを理解するであろう。例えば、式Iの化合物は、各環におけるN原子が、化合物の同じ側(exo形態と称してもよい以下の式IA及びIBに示す通り)または化合物の反対側(endo形態と称してもよい以下の式IC及びIDにおいて示す通り)に配向される形態で存在してもよい。当業者は、IA及びIBが、鏡像異性体、即ち、互いの鏡像であり、同様にIC及びIDも鏡像異性体であることを理解するであろう。
【化2】
【0032】
誤解を避けるために、全てのかかるendo形態及びexo形態、及びそれらの鏡像異性体形態が、本発明の範囲内に含まれる。
【0033】
本明細書で使用される場合、ハロ及び/またはハロゲンへの言及は、独立して、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード(例えば、フルオロ及びクロロ)を指す。
【0034】
別途指定のない限り、本明細書に定義のC
1−zアルキル基(zが範囲の上限である場合)は、直鎖であってもよく、または十分な数の(即ち、必要に応じて、最低2つ、または3つの)炭素原子が存在する場合には、分岐鎖、及び/または環式(C
3−z−シクロアルキル基を形成するように)であってもよい。十分な数の(即ち、最低4つの炭素原子)が存在するときには、かかる基はまた、部分環式であってもよい。言及され得る部分環式アルキル基には、シクロプロピルメチル及びシクロヘキシルエチルが挙げられる。十分な数の炭素原子が存在するときには、かかる基はまた、多環式(例えば、二環式または三環式)またはスピロ環式であってもよい。かかるアルキル基はまた、飽和であってもよく、または十分な数の(即ち、最低2つの)炭素原子が存在するときには、不飽和であってもよい(例えば、C
2−zアルケニルまたはC
2−zアルキニル基を形成する)。
【0035】
別途指定のない限り、本明細書に定義のC
1−zアルキレン基(zが範囲の上限である場合)は、(C
1−zアルキルの定義と類似の様式で)直鎖であってもよく、または十分な数の(即ち、必要に応じて、最低2つ、または3つの)炭素原子が存在する場合には、分岐鎖、及び/または環式(C
3−t−シクロアルキレン基を形成するように)であってもよい。十分な数の(即ち、最低4つの炭素原子)が存在するときには、かかる基はまた、部分環式であってもよい。十分な数の炭素原子が存在するときには、かかる基はまた、多環式(例えば、二環式または三環式)またはスピロ環式であってもよい。かかるアルキレン基はまた、飽和であってもよく、または十分な数の(即ち、最低2つの)炭素原子が存在するときには、不飽和であってもよい(例えば、C
2-zアルケニレンまたはC
2−zアルキニレン基を形成する)。言及され得る特定のアルキレン基には、直鎖または環式及び飽和であるものが挙げられる。
【0036】
本明細書で使用される場合、ヘテロシクロアルキルという用語は、環系における少ない1つ(例えば、1個〜4個)の原子が炭素以外であり(即ち、ヘテロ原子)、及び環系における原子の総数が3個〜12個(例えば、5個〜10個、最も好ましくは3個〜8個、例えば、5−または6−員ヘテロシクロアルキル基)である、非芳香族の単環式及び二環式ヘテロシクロアルキル基(それらの基は更に架橋されてもよい)を指し得る。更に、かかるヘテロシクロアルキル基は、飽和であっても、例えば、C
2−z(例えば、C
4−z)ヘテロシクロアルケニル(zが範囲の上限である場合)またはC
7−zヘテロシクロアルキニル基を形成する1つ以上の二重結合及び/または三重結合を含む不飽和であってもよい。言及され得るC
2−zヘテロシクロアルキル基には、7−アザビシクロ−[2.2.1]ヘプタニル、6−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、6-アザビシクロ[3.2.1]−オクタニル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、アジリジニル、アゼチジニル、2,3-ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピロリル(2,5−ジヒドロピロリルを含む)、ジオキソラニル(1,3−ジオキソラニルを含む)、ジオキサニル(1,3-ジオキサニル及び1,4-ジオキサニルを含む)、ジチアニル(1,4−ジチアニルを含む)、ジチオラニル(1,3-ジチオジチオラニルを含む)、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、7-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、6−オキサビシクロ[3.2.1]−オクタニル、オキセタニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリジニル、ピロリジノイル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、スルフォラニル(sulpholanyl)、3−スルフォレニル(sulpholenyl)、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピリジル(1,2,3,4−テトラヒドロピリジル及び1,2,3,6−テトラヒドロピリジルなど)、チエタニル、チイラニル、チオラニル、テトラヒドロチオピラニル、チオモルホリニル、トリチアニル(1,3,5−トリチアニルを含む)、トロパニル、及び同様のものが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基上の置換基は、適切な場合、ヘテロ原子を含む、環系における任意の原子上に位置し得る。更に、置換基が別の環式化合物である場合には、環式化合物は、ヘテロシクロアルキル基上の単一原子を通して結合し、いわゆる「スピロ」化合物を形成してもよい。ヘテロシクロアルキル基の結合点は、更なるヘテロ原子(窒素原子など)を含む(適切な場合)環系における任意の原子、または環系の一部として存在し得るいずれの縮合炭素環式環上の原子を介してもよい。ヘテロシクロアルキル基はまた、N−またはS−酸化型であってもよい。
【0037】
本明細書で言及される出現時ごとに、言及され得る特定のヘテロシクロアルキル基には、3〜8員ヘテロシクロアルキル基(例えば、4〜6員ヘテロシクロアルキル基)が挙げられる。
【0038】
本明細書で使用される場合、アリールという用語は、C
6−14(例えば、C
6−10)芳香族基への言及を含む。かかる基は、単環式または二環式であってもよく、二環式の場合、完全に芳香族であっても部分的に芳香族であってもよい。言及され得るC
6−10アリール基には、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インダニル、及び同様のもの(例えば、フェニル、ナフチル、及び同様のもの、例えば、フェニル)が挙げられる。誤解を避けるために、アリール基上の置換基の結合点は、環系のいずれの炭素原子を介してもよい。
【0039】
本明細書で使用される場合、ヘテロアリール(ヘテロ芳香族)という用語は、酸素、窒素、及び/または硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する5〜14(例えば、5〜10)員ヘテロ芳香族基への言及を含む。かかるヘテロアリール基は、1個、2個、または3個の環を含んでもよく、そのうち少なくとも1個は芳香族である。ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基上の置換基は、適切な場合、ヘテロ原子を含む、環系における任意の原子上に位置し得る。ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基の結合点は、ヘテロ原子を含む(適切な場合)、環系におけるいずれの原子を介してもよい。二環式ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基は、1つ以上の更なる芳香族または非芳香族複素環式環に縮合されたベンゼン環を含んでもよく、その場合、多環式ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基の結合点は、ベンゼン環またはヘテロアリール/ヘテロ芳香族もしくはヘテロシクロアルキル環を含むいずれの環を介してもよい。言及され得るヘテロアリール/ヘテロ芳香族基の例には、ピリジニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾピリミジニル、イミダゾチアゾリル、チエノチオフェニル、ピリミジニル、フロピリジニル、インドリル、アザインドリル、ピラジニル、ピラゾロピリミジニル、インダゾリル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、及びプリニルが挙げられる。ヘテロアリール/ヘテロ芳香族基のオキシドも本発明の範囲内に含まれる(例えば、N−オキシド)。上述の通り、ヘテロアリールは、1個の環が芳香族である(他方は芳香族であってもなくてもよい)多環式(例えば、二環式)基を含む。よって、言及され得る他のヘテロアリール基には、例えば、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾール、3,4-ジヒドロベンズ[1,4]オキサジニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、インドリニル、5H,6H,7H−ピロロ[1,2−b]ピリミジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリニル、チオクロマニル、及び同様のものが挙げられる。
【0040】
誤解を避けるために、本明細書で使用される場合、ヘテロ原子への言及は、当業者によって理解されるそれらの通常の意味を取ることになる。言及され得る特定のヘテロ原子には、リン、ケイ素、セレン、テルル、ホウ素、酸素、窒素、及び硫黄(例えば、酸素、窒素、及び硫黄)が挙げられる。
【0041】
誤解を避けるために、多環式(例えば、二環式)基への言及(例えば、ヘテロシクロアルキル基の背景において用いられるとき)は、環系であって、かかる環を直鎖に変換するために2つ超の切断が求められ、かかる切断の最小数が定義される環の数に対応する(例えば、二環式という用語は、環を直鎖に変換するために最低2つの切断が求められることを示す)、環系を指すことになる。誤解を避けるために、二環式(例えば、ヘテロシクロアルキル基の背景で用いられるとき)という用語は、二環系の第2の環が第1の間の2つの隣接する原子の間に形成される基を指してもよく、また2つの隣接していない原子がアルキレン鎖またはヘテロアルキレン鎖のいずれか(必要に応じて)によって連結する基を指してもよく、後者の基は架橋されていると称され得る。
【0042】
誤解を避けるために、アリール基またはヘテロアリール基が=Oなどの二重結合を介して基で置換されるとき、そのアリール基またはヘテロアリール基は、部分的に芳香族であり、即ち、そのアリール基またはヘテロアリール基が、少なくとも1つの環が芳香族ではない少なくとも2つの環で構成されることが理解される。
【0043】
本発明はまた、本明細書に挙げられるものと同一であるが、1つ以上の原子が、通常天然に見い出される原子質量または質量数(または天然に見い出される最も豊富なもの)とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって代置されるために、同位体標識された本発明の化合物を含む。本明細書で指定されるいずれの特定の原子または要素の同位体も全て、本発明の化合物の範囲内であると企図される。よって、本発明の化合物は、重水素化された化合物、即ち、1つ以上の水素原子が水素同位体ジュウテリウムによって代置される化合物も含む。
【0044】
誤解を避けるために、本発明の化合物における2つ以上の置換基の特性は同じであり得る場合、対応する置換基の実際の特性は、決して相互依存的ではない。例えば、2つ以上のG
1a基が存在する状況では、これらのG
1a基は同じであっても異なっていてもよい。同様に、2つ以上のR
1a基が存在し、各々がアリールを表す場合、問題のアリール基は同じであっても異なっていてもよい。同じく、1つ超のR
a1が存在し、各々独立して、1つ以上のG
3c基によって置換されたアリールを表す場合、各G
3cの特性は決して相互依存的ではない。
【0045】
誤解を避けるために、「A
a1〜A
g1」などの用語が本明細書で用いられるとき、これは、包含的にA
a1、A
b1、A
c1、A
d1、A
e1、A
f1、及びA
g1を意味するように当業者であれば理解するであろう。別途記述のない限り、同じ論法が、本明細書で使用される他のかかる用語に適用されることになる。
【0046】
当業者は、本発明の主題である本発明の化合物が安定性の化合物を含むことを理解するであろう。つまり、本発明の化合物は、例えば、反応混合物からの有用な純度への単離を生き延びるのに十分に堅固である化合物を含む。
【0047】
本明細書で言及される本発明の実施形態及び特定の特徴全ては、本発明の開示から逸脱することなく、単独で、または本明細書で言及される任意の他の実施形態及び/または特定の特徴と組み合わせて(よって、本明細書に開示の更に特定の実施形態及び特定の特徴を説明する)理解され得る。
【0048】
本発明の第1の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンではない。
【0049】
本発明の第1の態様の更なる実施形態では、式Iの化合物は、11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンではない(即ち、そのいずれの立体異性体でもない)。
【0050】
本発明の第1の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、
exo−11−メチル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−メチル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−メチル3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−カルボキシレート、
exo−メチル3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−カルボキシレート、
exo−4,11−ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4,11−ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4−ブロモベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(4−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(2−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(2−ヨードベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(2−ヨードベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−メチル−11−(2−ビニルフェニル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−メチル−11−(2−ビニルフェニル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−フェニル−11−(2−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(3−オキソシクロヘキス−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−(3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−イル)ピリジン−1−オキシド、
exo−4−フェニル−11−スチリル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(6,6−ジメチル−3−オキソシクロヘキス−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4−tert−ブチルベンジル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(2−ヨードベンジル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(4,4−ジメチル−3−オキソペント−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−(4−エチルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(2−ピリジルメチル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(2,4−ジニトロフェニル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(6−フェニルピリダジン−3−イル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−((E)−3−(4−ブロモフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−((E)−3−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−((E)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo,exo−1,2−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)エタン、
endo,exo−1,2−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)エタン、
exo,exo−1,3−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)プロパン、
endo,exo−1,3−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)プロパン、
4−フェニル−11−(3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、及び
endo−11−(1,2−ビス(3−ニトロフェニル)ビニル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンから選択される化合物ではない。
【0051】
本発明の第1の態様の別の実施形態では、式Iの化合物は、
exo−11−メチル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−メチル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−メチル3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−カルボキシレート、
exo−4,11−ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4,11−ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4−ブロモベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(4−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(2−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(2−ヨードベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(2−ヨードベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−メチル−11−(2−ビニルフェニル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−メチル−11−(2−ビニルフェニル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−フェニル−11−(2−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(3−オキソシクロヘキス−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−(3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−イル)ピリジン−1−オキシド、
exo−4−フェニル−11−スチリル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(6,6−ジメチル−3−オキソシクロヘキス−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4−tert−ブチルベンジル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(2−ヨードベンジル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(4,4−ジメチル−3−オキソペント−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−(4−エチルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(2−ピリジルメチル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(2,4−ジニトロフェニル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(6−フェニルピリダジン−3−イル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−((E)−3−(4−ブロモフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−((E)−3−(4−クロロフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−((E)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo,exo−1,2−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)エタン、
endo,exo−1,2−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)エタン、
exo,exo−1,3−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)プロパン、
endo,exo−1,3−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)プロパン、
4−フェニル−11−(3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
exo−11−(5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−11−(5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、及び
endo−11−(1,2−ビス(3−ニトロフェニル)ビニル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンから選択される化合物ではない。
【0052】
かかる特定の実施形態では、式Iの化合物は、exo−11−(ペント−4−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンでもない場合がある。
【0053】
本発明の第1の態様の更に特定の実施形態では、式Iの化合物は、
11−メチル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−メチル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
メチル3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−カルボキシレート、
4,11−ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
ジフェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4−ブロモベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−フェニル−11−(4−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−フェニル−11−(2−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(2−ヨードベンジル)−4−メチル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−メチル−11−(2−ビニルフェニル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−フェニル−11−(2−ピリジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(3−オキソシクロヘキス−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−(3,5,10−トリオキソ−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−8−エン−11−イル)ピリジン−1−オキシド、
4−フェニル−11−スチリル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(6,6−ジメチル−3−オキソシクロヘキス−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4−tert−ブチルベンジル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(2−ヨードベンジル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4,4−ジメチル−3−オキソペント−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−(4−エチルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(2−ピリジルメチル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(2,4−ジニトロフェニル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
endo−4−フェニル−11−(6−フェニルピリダジン−3−イル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
4−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−(2−ヨードベンジル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−((E)−3−(4−ブロモフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−((E)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−3−オキソプロプ−1−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
1,2−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)エタン、
1,3−ビス−(4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン−11−イル)プロパン、
4−フェニル−11−(3−フェニル−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、
11−(5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジン−3−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン、及び
11−(1,2−ビス(3−ニトロフェニル)ビニル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンから選択される化合物ではない(即ち、そのいずれの立体異性体でもない)。
【0054】
かかる更に特定の実施形態では、式Iの化合物は、11−(ペント−4−エン−1−イル)−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオン(即ち、その全ての立体異性体を含む)でもない場合がある。
【0055】
言及され得る本発明の特定の化合物には、R
1がHまたはC
1アルキル(即ち、メチル)を表し、後者の基が1つ以上のハロ(例えば、1つ以上のF)によって任意に置換される化合物が挙げられる。
【0056】
言及され得る本発明の更に特定の化合物には、R
1がHを表す化合物が挙げられる。
【0057】
言及され得る本発明の特定の化合物には、R
2がHまたはC
1−3アルキルを表し、後者の基が、独立してハロ、及び1つ以上のハロによって任意に置換される−OC
1−6アルキルから選択される1つ以上の基によって任意に置換される(例えば、1つ以上のFなどの独立してハロから選択される1つ以上の基によって任意に置換される)化合物が挙げられる。
【0058】
言及され得る本発明の更に特定の化合物には、R
2がHまたはC
1アルキル(即ち、メチル)を表し、後者の基が1つ以上のハロ(例えば、1つ以上のF)によって任意に置換される化合物が挙げられる。例えば、言及され得る本発明の化合物には、R
2がHまたは−CH
3.を表す化合物が挙げられる。
【0059】
このため、特定の実施形態では、式Iの化合物が提供され、式中、
R
1がHを表し、及び/または
R
2がHまたはC
1アルキル(即ち、メチル)を表し、後者の基が1つ以上のハロ(例えば、1つ以上のF)によって任意に置換される。
【0060】
言及され得る本発明の特定の化合物には、Xが、独立してG
1aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−12アルキルを表す場合、C
1−12アルキルがC
1−6アルキル(例えば、C
1アルキルなどのC
1−3アルキル)である、化合物が挙げられる。
【0061】
言及され得る本発明の更なる化合物には、Xが、独立してG
1aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−12アルキル(例えば、C
1−6アルキル)、または独立してG
1cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール(例えば、フェニル)である化合物が挙げられる。
【0062】
このため、言及され得る本発明の更なる特定の化合物には、Xが、独立してG
1aから選択される1つ以上の(例えば、1つの)基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、または独立してG
1cから選択される1つ以上の(例えば1つまたは2つの)基によって任意に置換されるフェニルを表す化合物が挙げられる。
【0063】
例えば、言及され得る本発明の化合物には、Xが、
C
1−6アルキル(例えば、メチル、エチル、tert−ブチル、またはシクロヘキシル);
独立してG
1aから選択される1つの基によって置換されるC
1アルキル;または
独立してG
1cから選択される1つ以上の(例えば、1つまたは2つの)基によって任意に置換されるフェニルを表す化合物が挙げられる。
【0064】
言及され得る本発明の特定の化合物には、各G
1aが、独立してハロまたはR
a1を表し、特に、R
a1が、独立してG
3cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるアリール(例えば、フェニル)を表す化合物が挙げられる。
【0065】
言及され得る本発明の更なる特定の化合物には、各G
1aが、独立してG
3cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるフェニルを表す化合物が挙げられる。例えば、言及され得る本発明の化合物には、各G
1aがフェニルを表す化合物が挙げられる。
【0066】
言及され得る本発明の特定の化合物には、各G
1cが、独立して、ハロ(例えば、Br)、R
a1、−N(R
o1)−C(O)R
b1(例えば、
−NH−C(O)R
b1(例えば、R
b1がメチルを表す場合)、または−OR
m1を表し、特に、
R
a1が、独立してG
3aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル(例えば、C
1−2アルキル)、または独立してG
5bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル(例えば、ピペリジンまたはモルホリン)を表し、及び/または
R
m1が、H、または1つ以上のFによって任意に置換されるメチルを表す(例えば、R
m1がHを表す場合)化合物が挙げられる。
【0067】
言及され得る本発明の更に特定の化合物には、各G
1cが、独立して、
ハロ(例えば、Br);
−NH−C(O)Me;
−OH;
1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−2アルキル(例えば、−CH
3または−CH
2CH
3);
ピペリジニル(例えば、N−ピペリジニル);または
モルホリニル(例えば、N−モルホリニル)から選択される群を表す化合物が挙げられる。
【0068】
本明細書に記載のように、本発明のいずれか1つ以上の実施形態または特定の特徴は、本発明の教示から逸脱することなく組み合わされてもよい。例えば、当業者であれば、特定の実施形態において、式Iの化合物が提供され、式中、
Xが、独立してG
1aから選択される1つ以上の(例えば、1つの)基によって任意に置換されるC
1−6アルキル、または独立してG
1cから選択される1つ以上の(例えば、1つまたは2つの)基によって任意に置換されるフェニルを表し、
各G
1aが、独立してG
3cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるフェニルを表し、
G
1cが、独立して、ハロ(例えば、Br)、R
a1、−NH−C(O)R
b1(例えば、R
b1がメチルを表す場合)、または−OR
m1を表し、
R
a1が、独立してG
3aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル(例えば、C
1−2アルキル)、または独立してG
5bから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるヘテロシクロアルキル(例えば、ピペリジンまたはモルホリン)を表し、及び/または
R
m1が、H、または1つ以上のFによって任意に置換されるメチルを表す(例えば、R
m1がHを表す場合)ことを理解することになる。
【0069】
言及され得る本発明の特定の化合物には、Yが、独立してG
2aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル(例えば、C
1−4アルキル)を表す化合物が挙げられる。
【0070】
言及され得る本発明の更なる特定の化合物には、Yが、1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−4アルキル(例えば、メチルまたは−CH
2−シクロプロピル)、または独立してG
2aから選択される1つ以上の(例えば、1つの)基によって任意に置換されるC
1−2アルキルを表す化合物が挙げられる。
【0071】
本発明の特定の化合物には、各G
2aが、独立して、ハロ(例えば、F)またはR
a2を表し(例えば、各G
2aが、独立して、R
a2を表し)、特に、R
a2が、独立してG
4cから選択される1つ以上の(例えば、1つ、2つ、または3つの)基によって任意に置換されるアリール(例えば、フェニル)を表す化合物が挙げられる。
【0072】
本発明の更に特定の化合物には、各G
2aが、独立して、FまたはR
a2(例えば、R
a2)を表し、R
a2が、独立してG
4cから選択される1つ以上の(例えば、1つ、2つ、または3つの)基によって任意に置換されるフェニルを表す化合物が挙げられる。
【0073】
例えば、言及され得る本発明の化合物には、Yが、
−CH
3;
−CH
2−シクロプロピル;及び
−CH(CH
3)−フェニルまたは−CH
2−フェニルを表し、各フェニルが、独立してG
4cから選択される1つ以上の(例えば、1つ、2つ、または3つの)基によって任意に置換される、化合物が挙げられる(例えば、非置換−CH(CH
3)−フェニル、またはフェニルが独立してG
4cから選択される1つ以上の(例えば、1つ、2つ、または3つの)基によって任意に置換される−CH
2−フェニル)。
【0074】
言及され得る本発明の特定の化合物には、
各G
4cが、独立して、ハロ(例えば、Cl、Br、またはF)、R
a4、−CN、−C(O)OR
e4(例えば、R
e4が、1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す場合、例えば、R
e4がメチルを表す場合)、−S(O)
2R
f4(例えば、R
f4が、1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す場合、例えば、R
b4がメチルを表す場合)、または−S(O)
2N(R
h4)R
i4(例えば、R
h4及びR
i4が、各々独立して、H、または1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す場合、例えば、R
h4及びR
i4が、各々独立して、Hを表す場合)を表し;及び/または
各R
a4が、独立して、1つ以上のフルオロによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す(例えば、R
a4が、独立して、−CH
3及び/または−CF
3を表す場合)化合物が挙げられる。
【0075】
言及され得る本発明の更なる特定の化合物には、各G
4cが、独立して、
ハロ(例えば、Cl、Br、またはF);
−CH
3;
−CF
3;
−CN;
−C(O)OMe;
−S(O)
2Me;
−S(O)
2NH
2;及び
フェニルから選択される基を表す化合物が挙げられる。
【0076】
このため、特定の実施形態では、式Iの化合物が提供され、式中、
Yが、独立してG
2aから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるC
1−6アルキル(例えば、C
1−4アルキル)を表し、
G
2aが、独立してG
4cから選択される1つ以上の(例えば、1つ、2つ、または3つの)基によって任意に置換されるフェニルを表し、
G
4cが、独立して、ハロ(例えば、Cl、Br、またはF)、R
a4、−CN、−C(O)OR
e4(例えば、R
e4が、1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す場合、例えば、R
e4がメチルを表す場合)、−S(O)
2R
f4(例えば、R
f4が、1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す場合、例えば、R
b4がメチルを表す場合)、または−S(O)
2N(R
h4)R
i4(例えば、R
h4及びR
i4が、各々独立して、H、または1つ以上のFによって任意に置換されるC
1−3アルキルを表す場合、例えば、R
h4及びR
i4が、各々独立して、Hを表す場合)を表し;及び/または
R
a4が、独立してG
6cから選択される1つ以上の基によって任意に置換されるフェニルを表す。
【0077】
言及され得る本発明の特定の化合物には、ZがOを表す化合物が挙げられる。
【0078】
言及され得る本発明の特定の化合物には、本明細書に提供される例の化合物、またはそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0079】
例の化合物が特定の塩形態で得られていることが示される場合、当業者は、言及され得る本発明の特定の化合物が、(必要に応じて)その化合物の遊離塩基または遊離酸を含み、逆もまた同様であることを理解することになる。更に、例の化合物が特定の塩形態で得られていることが示される場合、言及され得る本発明の特定の化合物は、その化合物の他の(即ち、異なる)薬学的に許容される塩を含む。
【0080】
このため、誤解を避けるために、言及され得る本発明の特定の化合物は、以下に記載の実施例1〜70の化合物を、それらの塩ではない(即ち、遊離塩基)形態と、それらの薬学的に許容される塩の形態との両方で含む。
【0081】
組成物及び医学的使用
上文で考察した通り、本発明の化合物、したがってそれを含む組成物及びキットは、医薬品として有用である。
【0082】
本発明の第2の態様に従い、上文で(即ち、本発明の第1の態様において(その中の全ての実施形態及び特定の特徴を含む))定義した医薬品として使用するための本発明の化合物が提供される。更に、薬剤中で使用するための上文で定義した本発明の化合物が提供される。
【0083】
誤解を避けるために、本発明の第2の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンではない。
【0084】
本明細書で示す通り、本発明の化合物は、癌治療に特に役立つものであり得る。
【0085】
このため、本発明の第3の態様では、癌治療において使用するための上文で(即ち、本発明の第1の態様において(その中の全ての実施形態及び特定の特徴を含む))定義した本発明の化合物が提供される。
【0086】
本発明の代替的な第3の態様では、癌治療用薬剤の製造における上文で定義した本発明の化合物の使用が提供される。
【0087】
本発明の更なる代替的な第3の態様では、治療有効量の本発明の化合物を、治療を必要とする患者に投与することを含む癌治療方法が提供される。
【0088】
誤解を避けるために、本発明の第3の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンではない。
【0089】
当業者であれば、特定の状態の治療(または同様にその状態を治療すること)への言及は、医療分野におけるそれらの通常の意味を帯びることを理解することになる。具体的には、これらの用語は、その状態に関連する1つ以上の臨床症状の重症度の軽減を達成することを指し得る。例えば、癌の場合、本用語は、存在する癌性細胞の量の減少(例えば、固形腫瘍を形成する癌の場合、腫瘍体積の減少によって示される)を達成することを指し得る。
【0090】
本明細書で使用される場合、患者への言及は、哺乳動物(例えば、ヒト)患者を含む治療される生体を指すことになる。
【0091】
本明細書で使用される場合、有効量という用語は、治療された患者に治療効果を付与する化合物の量を指すことになる。この効果は、客観的であってもよく(即ち、何らかの試験またはマーカーによって測定可能である)、または主観的であってもよい(即ち、対象が、効果の兆候を示すか、または効果を感じる)。
【0092】
本発明の化合物はこのように薬理活性を保有し得るが、本発明の化合物のある特定の薬学的に許容される(例えば、「保護された」)誘導体が存在してもよく、またはかかる活性を保有しない場合があるが、非経口または経口投与された後、体内で代謝されて本発明の化合物を形成し得るものが調製されてもよい。かかる化合物(いくらかの薬理活性を保有し得るが、但し、かかる活性が、それらが代謝されて生じる活性化合物のものよりもかなり低いことを条件とするもの)は、したがって、本発明の化合物の「プロドラッグ」として説明され得る。
【0093】
本明細書で使用される場合、プロドラッグへの言及は、本発明の化合物を、腸内または非経口投与(例えば、経口または非経口投与)後に、実験によって検知可能な量で所定の時間内に形成する化合物を含むことになる。本発明の化合物の全てのプロドラッグが本発明の範囲内に含まれる。
【0094】
更に、ある特定の本発明の化合物は、このように薬理活性を全くまたはほとんど保有しない場合があるが、非経口または経口で投与された後、体内で代謝されてこのような薬理活性を保有する本発明の化合物を形成してもよい。かかる化合物(いくらかの薬理活性を保有し得るが、その活性は、それらが代謝されて生じる本発明の活性化合物のものよりもかなり低い化合物も含む)はまた、「プロドラッグ」と記載されてもよい。
【0095】
このため、本発明の化合物は、それらが、薬理活性を保有し、及び/または経口もしくは非経口投与後に体内で代謝されて、薬理活性を保有する化合物を形成するため、有用である。
【0096】
本明細書に示す通り、本発明の化合物は、癌(即ち、特定の癌)の治療に有用であり得る。
【0097】
言及され得る特定の癌には、
軟部組織癌、例えば、肉腫(例えば、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫、及び奇形腫;
肺癌、例えば、気管支癌腫(例えば、扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮(または細気管支)癌腫、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;
消化管癌、例えば、食道癌(例えば、扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃癌(例えば、上皮性悪性腫瘍、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓癌(例えば、導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸癌(例えば、腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸癌(例えば、腺癌、管状腺腫、絨毛状腺腫、過誤腫、平滑筋腫);
尿生殖路癌、例えば、腎臓の癌(腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫、白血病)、膀胱及び/または尿道の癌(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺の癌(腺癌、肉腫)、精巣の癌(精上皮腫、奇形腫、胎児性癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);
肝臓癌、例えば、肝癌(例えば、肝細胞癌)、胆管細胞癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;
骨癌、例えば、骨原性肉腫(例えば、骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨原性肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(例えば、細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、オステオクロンフロマ(osteochronfroma)(例えば、骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫、及び巨細胞腫;
頭部及び/または神経系の癌、例えば、頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜の癌(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳の癌(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄の癌(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);
婦人科癌、例えば、子宮の癌(例えば、子宮内膜癌腫)、子宮頚の癌(子宮頚癌腫、前腫瘍子宮頚部異形成)、卵巣の癌(例えば、卵巣癌腫(漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌腫)、顆粒膜卵胞膜細胞腫、セルトリ−ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰の癌(例えば、扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣の癌(例えば、明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管の癌(例えば、癌腫);
血液癌、例えば、血液及び骨髄の癌(例えば、骨髄性白血病(急性及び慢性)、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫);
皮膚癌、例えば、悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、アンジオーマ、皮膚線維腫、ケロイド;神経線維腫症及び副腎;及び
神経芽細胞腫からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0098】
本明細書で使用される場合、癌性細胞及び同様のものへの言及は、上記の条件のうちのいずれか1つに侵された細胞への言及を含むことになる。
【0099】
言及され得る更に特定の癌は、本明細書に提供される実施例で使用される細胞株に対応するものを含む。
【0100】
例えば、言及され得る更に特定の癌には、
頭頚部癌(例えば、咽頭癌、例えば、咽頭扁平上皮癌腫);
結腸癌(例えば、大腸癌腫);
皮膚癌(例えば、扁平上皮(皮膚)癌腫);
消化管癌(例えば、膵臓癌、例えば、膵管癌腫);
乳癌(例えば、乳腺腺癌、例えば、転移性乳腺腺癌);
肺癌(例えば、上皮性悪性腫瘍);及び
血液癌(例えば、白血病、例えば、急性単球性白血病)が挙げられる。
【0101】
特定の実施形態では、癌は、固形腫瘍癌である。
【0102】
更に特定の実施形態では、癌は、膵臓癌、卵巣癌、及び大腸癌から選択される。
【0103】
例えば、ある特定の実施形態では、癌は、大腸癌(Ras突然変異を保有するものを含む)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、及び神経膠腫から選択される。
【0104】
他の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌、卵巣癌、転移性乳癌、膵臓癌、肝胆道癌(肝細胞癌、胆管癌、及び胆管細胞癌を含む)、及び胃癌から選択される。
【0105】
更なる実施形態では、癌は、大腸癌(Ras突然変異を含む)、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、肝胆道癌(肝細胞癌、胆管癌、及び胆管細胞癌を含む)、胃癌、精巣癌、及び頸部扁平上皮癌から選択される。
【0106】
本発明のある特定の実施形態では、癌は、白血病(急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、及び慢性リンパ性白血病を含む)、リンパ腫(マントル細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、及び非ホジキンリンパ腫を含む)、及び前立腺癌から選択される。
【0107】
当業者であれば、本発明の化合物による治療が、同じ状態のための更なる治療(複数可)を更に含んでもよい(即ち、それと組み合わされてもよい)ことを理解することになる。具体的には、本発明の化合物による治療は、当業者に既知のように、癌治療のための手段、例えば、癌治療に有用な1つ以上の他の治療薬及び/または癌治療に使用される1つ以上の物理的方法(外科手術による治療など)と組み合わせされ得る。
【0108】
具体的には、本発明の化合物による治療は、活性酸素種の増加を引き起こすことができる(例えば、引き起こすことが実証され得る)治療薬または物理的方法による治療を受けているかまたは受けた(即ち、同じ状態のための治療のまたはその一部として、例えば、本発明の化合物による治療から1カ月以内、例えば、2週間以内、例えば、一週間以内、または特に同日に)患者において行われ得る。
【0109】
誤解を避けるために、当業者であれば、活性酸素種の増加を引き起こすことができる(例えば、引き起こすことが実証され得る)治療薬または物理的方法が、それ自体有効である必要はなくてもよいが、本発明の化合物と併用すると有効となることを理解するであろう。
【0110】
誤解を避けるために、当業者であれば、本発明の化合物が、同様に、癌治療に有用である1つ以上の他の治療薬及び/または活性酸素種の増加を引き起こさない、癌治療で使用される1つ以上の物理的方法(外科手術による治療など)と併用さてもよいことを理解するであろう。
【0111】
具体的には、本発明の化合物による治療は、放射線療法による治療を受けているかまたは受けた患者において行われ得る。
【0112】
このため、
癌の治療を必要とする患者においてそれを行う方法であって、患者に、治療有効量の本発明の化合物を、放射線療法による治療と組み合わせて(即ち、同時にまたは連続して)投与する方法、及び
放射線療法による治療も受けている患者における癌治療に使用するための本発明の化合物も提供される。
【0113】
本発明の化合物は、通常、経口、静脈内、皮下、口腔内、経直腸、経皮、経鼻、経気管、経気管支、舌下、鼻腔内、局所、任意の他の非経口経路、または吸入によって、薬学的に許容される剤形で投与されることになる。
【0114】
本発明の化合物は、単独で投与されてもよく、または既知の薬学的組成物/製剤の形態で投与されてもよく、これらの形態には、経口投与に対しては錠剤、カプセル剤、またはエリキシル剤、直腸投与に対しては座薬、非経口または筋肉内投与に対して滅菌溶液または懸濁液、及び同様のものが含まれる。
【0115】
本発明の第4の態様に従い、故に、上文で(即ち、本発明の第1の態様において)定義した本発明の化合物を含む薬学的組成物/製剤、及び任意に1つ以上の薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、及び/または担体(例えば、それらとの混合剤で)が提供される。
【0116】
当業者であれば、特定の使用のための本発明の化合物への(及び同様に、本発明の化合物に関する使用及び使用方法への)本明細書における言及が、本明細書に記載の本発明の化合物を含む薬学的組成物にも適用され得ることを理解するであろう。
【0117】
誤解を避けるために、本発明の第4の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンではない。
【0118】
本発明の化合物は、錠剤またはカプセル剤、例えば、経口摂取される持続放出性カプセル剤の形態で投与されてもよい。代替的に、本発明の化合物は、液体形態であってもよく、また経口でまたは注射によって摂取されてもよい。本発明の化合物はまた、座薬、または皮膚に適用することができるクリーム、ゲル、及び発泡体の形態であってもよい。加えて、本化合物は、経鼻または経肺で適用される吸入剤の形態であってもよい。
【0119】
当業者であれば、本発明の化合物が全身的及び/または局所的に(即ち、特定の部位で)作用し得ることを理解するであろう。
【0120】
本発明の化合物は、経口、静脈内、皮下、口腔内、経直腸、経皮、経鼻、経気管、経気管支、任意の他の非経口経路、または吸入によって、薬学的に許容される剤形で投与され得る。代替的に、特に本発明の化合物が局所的に作用することが意図される場合、本発明の化合物は局所投与され得る。
【0121】
このため、特定の実施形態では、本薬学的製剤は、錠剤もしくはカプセル剤、経口でもしくは注射によって摂取される液体形態、座薬、クリーム、ゲル、発泡体、または吸入剤(例えば、経鼻的に適用されるもの)を含む薬学的に許容される剤形で提供される。誤解を避けるために、かかる実施形態では、本発明の化合物は、固体(例えば、固体分散体)、液体(例えば、溶液中)、またはミセル形態などの他の形態として存在してもよい。
【0122】
更に特定の実施形態では、本薬学的製剤は、錠剤またはカプセル剤の形態、経口でまたは注射によって摂取される液体形態(例えば、静脈内注射に好適な形態)で提供される。具体的には、注射は、従来的な手段を使用して行われてもよく、また極微針の使用を含んでもよい。
【0123】
例えば、本発明の化合物(即ち、活性成分)の効力及び物理的特性に応じて、言及され得る薬学的製剤には、活性成分が少なくとも1重量%(または少なくとも10重量%、少なくとも30重量%、または少なくとも50重量%)で存在するものが含まれる。つまり、活性成分の他の構成要素(即ち、アジュバント、希釈剤、及び担体の添加)に対する重量比は、少なくとも1:99(または少なくとも10:90、少なくとも30:70、または少なくとも50:50)である。
【0124】
このため、本発明の更なる態様では、上文で定義した薬学的組成物/製剤を調製するためのプロセスが提供され、本プロセスは、本発明の化合物を、上文で定義した通り、1つ以上の薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体と会合させることを含む。
【0125】
本明細書に記載の通り、本発明の化合物はまた、癌治療に有用な1つ以上の他の(即ち、異なる、例えば、式Iの化合物以外の薬剤)治療薬と組み合わせてもよい。1つ以上の他の治療薬と合わせた本発明の化合物の投与を提供するかかる併用製品は、これらの製剤のうちの少なくとも1つが本発明の化合物を含み、少なくとも1つが他の治療薬を含む、別個の製剤として提示されてもよく、または組み合わせた調合剤として提示(即ち、本発明の化合物及び1つ以上の他の治療薬を含む単一製剤として提示)(即ち、製剤化)されてもよい。
【0126】
このため、本発明の第5の態様に従い、
(A)上文(即ち、本発明の第1の態様)で定義した本発明の化合物と、
(B)癌治療に有用な1つ以上の他の治療薬とを含む併用製品が提供され、
これにおいて、構成要素(A)及び(B)の各々は、任意に1つ以上の薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体と共に混和剤において製剤化される。
【0127】
本発明の第6の態様では、
(a)上文で(即ち、において)定義した薬学的製剤と、
(b)任意に1つ以上の薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体との混和剤における、癌の治療に有用である1つ以上の他の治療薬と、を含む、パーツキットが提供され、
構成成分(a)及び(b)は、各々、他方と併せた(即ち、同時または連続的)投与に好適である形態で提供される。
【0128】
誤解を避けるために、本発明の第5及び第6の態様の特定の実施形態では、式Iの化合物は、exo−11−ベンジル−4−フェニル−4,11−ジアザトリシクロ[5.3.1.0
2,6]ウンデス−9−エン−3,5,8−トリオンではない。
【0129】
本発明の化合物は、様々な用量で投与され得る。経口、経肺、及び局所投薬量(及び皮下投薬量であるが、これらの投薬量は比較的低くてもよい)は、1日あたり体重1kgあたり約0.01mg/kg(mg/kg/日)〜約100mg/kg/日、好ましくは約0.01〜約10mg/kg/日、より好ましくは約0.1〜約5.0mg/kg/日の範囲であり得る。例えば、経口投与のためには、本組成物は、典型的に、約0.01mg〜約2000mg、例えば、約0.1mg〜約500mg、または1mg〜約100mgの活性成分を含有する。静脈内では、最も好ましい用量は、低速注入の間、約0.001〜約10mg/kg/時間の範囲となる。有利にも、化合物は、単回の日用量で投与してもよく、または総日用量を毎日2回、3回、または4回の分割用量で投与してもよい。
【0130】
いずれにせよ、医師または当業者は、個々の患者に最も好適であろう実際の投薬量を決定することができ、これは、投与経路、治療されることになる状態の種類及び重症度、及び治療される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能、及び応答によって異なる可能性が高い。上述の投薬量は平均的なケースの例であり、言うまでもなく、より高いまたはより低い投薬量範囲がふさわしい個々の場合が存在し、これらは本発明の範囲内である。
【0131】
化合物/組成物の調製
本明細書に記載の薬学的組成物/製剤、併用製品、及びキットは、基準及び/または受け入れられている薬務に従って調製され得る。
【0132】
本発明の更なる態様では、上文で定義した併用製品またはパーツキットを調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、上文で定義した本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、癌の治療に有用である他の治療薬、及び少なくとも1つの薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤、または担体と会合させることを含む。
【0133】
本明細書で使用される場合、会合させることへの言及は、2つの構成要素を互いとの併用投与に好適にすることを意味する。
【0134】
このため、上文で定義したパーツキットを調製するためのプロセスに関して、2つの構成要素を互いに「会合させる」とは、パーツキットの2つの構成要素が、
(i)併用療法において互いに組み合わせて使用するために後で1つにする別個の製剤として(即ち、互いに独立して)提供され得るか、または
(ii)併用療法において互いに組み合わせて使用するために「組み合わせパック」の別個の構成要素として共にパッケージ化され提示され得ることを含む。
【0135】
本明細書に記載の本発明の化合物は、下文で提供する実施例に記載の技法などの当業者に周知の技法に従って調製されてもよい。
【0136】
本発明の第7の実施形態に従い、上文で定義した本発明の化合物を調製するためのプロセスが提供され、このプロセスは、
(i)式II
【化3】
の化合物であって、
式中、Xが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義される通りである、化合物を、式IIIA
【化4】
の化合物であって、
式中、R
1、R
2、及びYが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りである、化合物と、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたはトルエンなど)の存在下、及び(ある特定の場合には、任意に)好適な塩基(例えば、トリエチルアミンまたはK
2CO
3)の存在下で反応させること、
(ii)本明細書に定義の式IIの化合物を、式IIIB
【化5】
の化合物であって、
式中、R
1、R
2、及びYが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りである、化合物と、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたはトルエンなど)の存在下で反応させること、
(iii)本明細書に定義の式IIの化合物を、式IV
【化6】
の化合物であって、
式中、R
1、R
2、及びYが、式Iにおいて(またはその特定の特徴もしくは実施形態において;特に、R
1及びR
2がHである場合に)本明細書に定義される通りであり、PG
1が、好適な保護基(C
1−6アルキル、例えば、メチルなど)であり、LMが、好適な金属錯体(モリブデン(ヒドリドトリス(1−ピラゾリル)ボレート)(CO)
2など)である、化合物と、好適な触媒(ルイス酸触媒、例えば、EtAlCl
2など)及び好適な溶媒(有機溶媒、例えば、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、またはトルエンなど)の存在下で反応させた後、好適な溶媒(例えば、有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)と水との混合物)中の好適な酸化剤(硝酸セリウムアンモニウムなど)で処理すること、
(iv)ZがNR
aを表す場合、ZがOを表す式Iの化合物を、式VA
HN−R
a(VA)
の化合物であって、
式中、R
aが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りである、化合物と、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、トルエンなど)の存在下、及び任意に水の除去に好適な条件下で(例えば、分子篩(例えば、4Åの分子篩)の存在下、またはDean−Stark装置を使用して)反応させること、
(v)ZがNOR
bを表す場合、ZがOを表す式Iの化合物を、式VB
HN−OR
b(VB)
の化合物、
またはその好適な塩(例えば、HClまたはH
2SO
4塩)と、R
bが式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りである場合に、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、トルエンなど)の存在下、及び好適な塩基(水酸化ナトリウムまたは酢酸ナトリウムなど)の存在下で反応させること、
(vi)ZがSを表す場合、ZがOを表す式Iの化合物を、好適な試薬(即ち、ローソン試薬など、チオカルボニルを形成するのに好適な試薬)と、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、トルエンまたはピリジンなど)の存在下で反応させること、または
(vii)式Iの化合物に対応するが、YがHを表す化合物を、式VC
Y−LG
2(VC)
の化合物であって、
式中、Yが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りであり、LG
2が、好適な脱離基(例えば、Yが、アルキル、クロロ、もしくはブロモであるとき、またはYが、芳香族、ブロモ、または特にヨードもしくはボロン酸もしくはエステルであるとき)である、化合物と、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなど)、及び(ある特定の場合には、任意に)好適な塩基(及びある特定の場合には、任意に好適な触媒(Cu(OAc)
2など))の存在下で、当業者に既知の条件下で反応させること、を含む。
【0137】
式II、IIIA、IIIB、IV、VA、VB、及びVCの化合物は、市販されているか、文献中で既知であるか、または適切な試薬及び反応条件を使用して利用可能な出発物質から標準的な技法に従い、本明細書に記載のプロセスと同様のプロセスによって、もしくは従来の合成手順によって得られてもよい。これに関して、当業者は、とりわけ「Comprehensive Organic Synthesis」by B.M.Trost and I.Fleming,Pergamon Press,1991を参照し得る。利用され得る更なる参照文献には、「Heterocyclic Chemistry”」by J.A.Joule,K.Mills and G.F.Smith,3
rd edition,published by Chapman&Hall,「Comprehensive Heterocyclic Chemistry II」by A.R.Katritzky,C.W.Rees and E.F.V.Scriven,Pergamon Press,1996、及び「Science of Synthesis」Volumes 9−17(Hetarenes and Related Ring Systems),Georg Thieme Verlag,2006が挙げられる。
【0138】
例えば、式IIの化合物は、
(a)式VIA
【化7】
の化合物を、
式VII
X−NH
2(VII)
の化合物であって、
式中、Xが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義される通りである、化合物と、適切な溶媒系(例えば、テトラヒドロフランまたはトルエン)の存在下で反応させた後、例えば、
(a)任意に塩基(例えば、トリエチルアミンまたは酢酸ナトリウム)の存在下で、無水酢酸、
(b)好適な塩基(例えば、トリエチルアミン)による処理の前に、塩化アセチル、塩化オキサリル、及び同様のもの、または
(c)ヘキサメチルジシラン及びZnBr
2によって、
当業者に既知の条件下で処理することか、または
(b)式VIB
【化8】
の化合物を、
式VIII
X−LG
3(VIII)
の化合物であって、
式中、Xが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りであり、LG
3が、好適な脱離基(例えば、Xが、アルキル、クロロ、もしくはブロモであるか、またはXが、芳香族、ヨードもしくはボロン酸もしくはエステルであるとき)である、化合物と、好適な溶媒(有機溶媒、例えば、テトラヒドロフランまたはジクロロメタンなど)及び好適な塩基の存在下、及び任意に(例えば、Xが芳香族であるとき)好適な触媒(Cu(OAc)
2など)の存在下で、当業者に既知の条件下で反応させること、によって調製され得る。
【0139】
更に、式IIIAの化合物は、式IX
【化9】
の化合物であって、
式中、R
1及びR
2が、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義される通りである、化合物を、式X
Y−LG
3(X)の化合物であって、
式中、Yが、式I(またはその任意の特定の特徴もしくは実施形態)において本明細書に定義の通りであり、LG
3が、好適な脱離基(クロロまたはブロモなど)である、化合物と、好適な溶媒(例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、トルエン、テトラヒドロフラン、またはそれらの組み合わせ)の存在下で、当業者に既知の条件下で反応させることによって調製され得る。
【0140】
同様に、式IIの化合物IIIBは、本明細書に定義の式IXの化合物を、本明細書に定義の式Xの化合物と、好適な溶媒(アセトニトリル、プロパノール、トルエン、またはテトラヒドロフランなど)の存在下で反応させた後、好適な塩基(トリエチルアミンまたはNaOHなど)または陰イオン交換樹脂(IRA−401(OH)など)によって当業者に既知の条件下で処理することによって調製され得る。
【0141】
更に、式IVの化合物(例えば、式IV中のLMがモリブデン(ヒドリドトリス(1−ピラゾリル)ボレート)(CO)
2)であるとき)は、式XI
【化10】
の化合物を、
連続して、(a)Mo(CO)
3(DMF)
3及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド、(b)カリウムヒドリドトリス(1-ピラゾリル)ボレート)(CO)
2)、(c)フッ化テトラブチルアンモニウム、(d)ヨウ化メチル、(e)ヘキサフルオロリン酸トリフェニルカルベニウム、及び(f)トリエチルアミンと、例えば、内容が参照により本明細書に組み込まれるMalinakova,H.C.and Liebeskind,L.S.,Org Letters,2,3909(2000)に記載されている条件に従って、または当業者に既知の他の条件下で(ここで、当業者であれば(a)〜(e)の連続反応において形成される中間体を単離し精製する必要があり得ることも理解することになる)反応させることによって調製され得る。
【0142】
同様に、式V、VIA、VIB、VII、VIII、IX、X、及びXIの化合物は、市販されているか、文献中で既知であるか、または適切な試薬及び反応条件を使用して利用可能な出発物質から標準的な技法に従い、本明細書に記載のプロセスと同様のプロセスによって、もしくは従来の合成手順によって得られてもよい。
【0143】
上文で定義した置換基R
1、R
2、W、X、及びYは、当業者に周知の方法によって、式Iの化合物を調製するための上記のプロセス後またはその最中に1回以上修飾されてもよい。かかる方法の例には、置換、還元、酸化、脱水素化、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、加水分解、エステル化、エーテル化、ハロゲン化、及びニトロ化が挙げられる。前駆体基は、一連の反応の間いつでも、異なるかかる基、または式Iに定義の基に変化させることができる。当業者は、「Comprehensive Organic Functional Group Transformations」by A.R.Katritzky,O.Meth−Cohn and C.W.Rees,Pergamon Press,1995、及び/または「Comprehensive Organic Transformations」by R.C.Larock,Wiley−VCH,1999も参照し得る。
【0144】
本発明の化合物は、それらの反応混合物から単離され、必要であれば当業者に既知の従来的技法を使用して精製されてもよい。このため、本明細書に記載の本発明の化合物を調製するためのプロセスには、最終ステップとして、本発明の化合物の単離及び任意の精製(例えば、式Iの化合物の単離及び任意の精製)が含まれ得る。
【0145】
当業者であれば、上記及び下記のプロセスにおいて、中間体化合物の官能基を、保護基によって保護する必要があり得ることを理解するであろう。官能基の保護及び脱保護は、上述のスキームにおける反応の前に行っても後に行ってもよい。
【0146】
保護基は、当業者に周知及び下文に記載の技法に従って適用及び除去され得る。例えば、保護された本明細書に記載の化合物/中間体は、標準的な脱保護技法を使用して保護されていない化合物に化学的に変換され得る。関与する化学の種類は、保護基の必要性及び種類、及び合成を達成するための手順に影響することになる。保護基の使用は、「Protective Groups in Organic Synthesis」,3rd edition,T.W.Greene&P.G.M.Wutz,Wiley−Interscience(1999)において十分に説明されている。
【0147】
本発明の化合物は、それらが、上述の兆候における使用のためであろうとなかろうと、先行技術において既知である化合物と比較して、より効果的であり、より毒性が低く、より作用時間が長く、より強力であり、より副作用の発生が少なく、より容易に吸収され、及び/またはより良好な薬物動態特性(例えば、より高い経口バイオアベイラビリティ及び/またはより低いクリアランス)を有し、及び/または他の有用な薬理学的、物理的、もしくは化学的特性を有し得るという利点を有し得る。具体的には、本発明の化合物は、それらがインビボでより効果的であり、及び/または有利な特定を呈するという利点を有し得る。
【0148】
理論に束縛されるものではないが、チオレドキシン還元酵素の阻害は、NADPH還元型であって酸化型ではないチオレドキシン還元酵素の顕著な固有の求核性と組み合わせた小分子阻害剤の強力な求電子性を利用することで、他の細胞経路または酵素を大規模に標的化することなく該酵素の選択的及び強力な阻害をもたらすことによって獲得されると考えられる。
【0149】
更に、正常な非癌性細胞は、グルタチオン系の機能が維持されるため、機能性の細胞質チオレドキシン還元酵素なしで生存し得るが、癌細胞は、細胞質チオレドキシン還元酵素が特異的に阻害されると生存できないと考えられる。