(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
魚が仕掛けに掛かったことを示す信号(魚信信号)を有線の信号線を用いて伝達する場合には、当該信号線が釣りの妨げになる。すなわち、上述した特許文献3では、釣糸と信号線とを撚り合わせているため、魚が釣り針を引くときに釣糸のみの場合よりも大きな抵抗を感じてしまい、仕掛けを吐き出しやすくなってしまう。また、特許文献4においては、光ファイバーが釣糸として用いられている。光ファイバーは一般的な釣糸よりも柔軟性に欠けるため、特許文献4の装置においても、魚が釣り針を引くときに通常の釣糸よりも大きな抵抗を感じてしまう。また、光ファイバーは、一般的な釣糸よりも大径となるため、魚に発見されやすく、魚が仕掛けに掛かりにくくなってしまう。
【0005】
魚信信号を無線送信することが上記の問題点の解決になるとも考えられる。しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、FM搬送波を用いて魚信信号を伝送する場合には、FM搬送波が水中で減衰しないように、FMアンテナを水上に出す必要がある。したがって、この魚信検出装置を浮子以外の部分に設けることができない。また、FMアンテナを水上に出している場合でも、FM搬送波は水面の波の中を通過するときに減衰してしまい、魚信信号を効率良く伝達できないという問題がある。さらに、魚が釣り針に掛かって魚信信号の送信が最も必要となるタイミングで浮子は水中に沈んでしまうので、魚が釣り針に掛かったタイミングで魚信信号の伝送品質の劣化が最も大きくなってしまう。
【0006】
そこで、本明細書の開示は、有線の信号線を用いずに検出した魚信信号を伝送する際の伝送品質の劣化を抑制することができる魚信検出装置を提供することを目的の1つとする。これ以外の目的については、本明細書全体から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る魚信検出装置は、筐体と、当該筐体に設けられ、電気信号を出力するセンサと、前記電気信号に基づいて釣り針に魚が掛かったことを示す魚信信号を生成する信号処理部と、前記魚信信号によって変調された超音波を送信する送信部と、を備える。
【0008】
当該実施形態によれば、水中での減衰率が小さな超音波を用いて魚信信号を送信するので、有線の信号線を用いなくとも、電磁波を搬送波として用いる場合よりも、魚信信号の伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係る魚信検出装置は、その比重が水(使用環境に応じて淡水又は海水)と実質的に等しくなるように構成される。当該実施形態によれば、魚が釣り針を引いた際に、魚に不自然な抵抗を感じさせないようにすることができる。
【0010】
本発明のセンサは、魚が釣り針に掛かったこと(又は釣り針の近辺に魚が存在すること)を様々な方法で検出し、その検出結果に応じた電気信号を出力することができるように構成される。例えば、本発明の一実施形態に係るセンサは、検出光を発する投光ユニットと、釣り針の方向から戻ってきた反射光を受ける受光ユニットと、を備える。これにより、釣り針の近辺に魚が存在していることを検出することができる。
【0011】
本発明の他の実施形態に係るセンサは、釣り針に魚が掛かったことに応じて変位するアームと、当該アームの変位を検出する変位検出ユニットと、を備える。本発明のさらに他の実施形態に係るセンサは、釣り針に魚が掛かったことに応じて生じるひずみを検出するひずみセンサであってもよい。本発明のさらに他の実施形態に係るセンサは、超音波を発する送波ユニットと、釣り針の方向から戻ってきた反射波を受ける受波ユニットと、を備える。本発明のさらに他の実施形態に係るセンサは、前記筐体に掛かる加速度を検出する加速度センサであってもよい。これらの実施形態においても、魚が釣り針に掛かったこと(又は釣り針の近辺に魚が存在すること)を様々な方法で検出することができる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る情報出力装置は、上述のように構成された魚信検出装置から送信された魚信信号を受信する受信部と、前記魚信信号に基づいて情報を出力する出力部と、を備える。
【0013】
当該実施形態によれば、釣り人は、出力部から出力された情報により、釣り針に魚がかかったこと、または、釣り針の近辺に魚が存在することを把握できる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の様々な実施の形態によれば、有線の信号線を用いずに検出した魚信信号を伝送する際の伝送品質の劣化を抑制することができる魚信検出装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の様々な実施形態を適宜図面を参照して説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
【0017】
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る魚信検出システムの概要を説明する。図示のように、本発明の一実施形態に係る魚信検出システムは、魚が釣り針等の仕掛けに掛かったことを示す魚信信号を送信する魚信検出装置100と、当該魚信検出装置100からの魚信信号に基づいて魚が仕掛けに掛かったことを示す情報(本明細書において、「魚信情報」ということがある。)を出力する情報出力装置120とを備える。魚信検出装置100は水中に投入して使用される。情報出力装置120は、例えば、釣り人が乗船している船に設置される。本発明の一実施形態に係る情報出力装置120は、受信部121、復調部122、及び出力部123を備える。情報出力装置120の詳細については後述する。
【0018】
次に
図2を参照して、本発明の一実施形態に係る魚信検出装置100について説明する。
図2に示す魚信検出装置100は、例えば中空の箱形に形成されている筐体101と、魚信検出ユニット102と、信号処理部103と、送信部104と、及び電源106とを備える。魚信検出ユニット102、信号処理部103、送信部104、及び電源106は、筐体101に収容されている。筐体101には防水処理が施されており、筐体101に収容されている各部材の漏電を防いでいる。
【0019】
筐体101は、ポリエチレン等の合成樹脂から形成される。筐体101の上部には、釣竿Rから伸びる道糸107の一端が取り付けられる。また、筐体101の下部にはハリス109が取り付けられており、このハリス109の先端には釣り針108が取り付けられる。
【0020】
魚信検出ユニット102として、検出光を発し、当該検出光の反射光を受け、当該反射光の光量に応じた電気信号を出力することができる光センサを用いることができる。信号処理部103は、魚信検出ユニット102により出力された電気信号に基づいて釣り針に魚が掛かったこと(又は魚が釣り針の近辺に存在すること)を示す魚信信号を生成し、送信部104は、当該魚信信号を情報出力装置120に対して送信する。電源106は、魚信検出ユニット102、信号処理部103、送信部104、及びこれら以外の電子部品に対して必要な電力を供給する。電源106は、例えば、小型のボタン電池、環境の温度差、振動、光エネルギーを電力に変換する環境発電型の電池、及びこれら以外の任意の電池であってもよい。
【0021】
一実施形態において、魚信検出ユニット102は、検出光を発する投光ユニット1021と、検出光の反射により生じる反射光を受ける受光ユニット1022とを備える。投光ユニット1021及び受光ユニット1022は、例えば、筐体101の下方に収容される。投光ユニット1021から放出される検出光及び受光ユニット1022へ向かう反射光を透過するように、筐体101の少なくとも一部は透明又は半透明に形成される。投光ユニット1021は、例えば、発光ダイオード(LED)であり、所定の帯域の光を発することができる。投光ユニット1021は、少なくとも釣り針108の周囲に検出光が照射されるように、その配置及び向きが調整される。投光ユニット1021は、例えば、集魚効果がある波長の光を発するように構成される。投光ユニット1021から発せられる光は、例えば、可視光、赤外光、又はこれら以外の可視光帯域近傍の周波数帯の光であってもよい。
【0022】
受光ユニット1022は、フォトダイオード等の光電変換素子を備える。この光電変換素子は、例えば、公知の硫化カドミウムセルである。受光ユニット1022の光電変換素子は、受光量に応じた量の電荷を発生させ、この発生させた電荷の量に応じた電気信号(例えば電圧値)を読み出して出力信号として出力することができる。例えば、この電気信号の値は受光量に比例する。受光ユニット1022において十分な光量の光を受光できるようにするために、投光ユニット1021には集光レンズを設けてもよい。また、魚信検出装置100の周囲からの環境光が受光ユニット1022に入射してノイズが発生しないようにするため、検出光の反射光以外の方向から受光ユニット1022への光の入射を遮る遮光部材を筐体101に取り付けたり、または、検出光の反射光以外の方向から受光ユニット1022への光の入射を遮るように筐体101の一部を光を透過しない合成樹脂から形成してもよい。
【0023】
以上のように、投光ユニット1021からの検出光が釣り針108の周囲に照射され、受光ユニット1022で当該検出光の反射光を受けて、その反射光の光量に応じた電気信号が出力されるので、魚105が釣り針108に掛かったり、釣り針108の近辺に存在する場合に当該反射光の光量が増加し、受光ユニット1022から出力される電気信号の値(電圧値)が大きくなる。
【0024】
信号処理部103は、魚信検出ユニット102からの出力信号に基づいて、魚が釣り針に掛かったこと又は魚が釣り針の近辺に存在することを示す魚信信号を生成する。一実施形態において、信号処理部103は、魚信検出ユニット102から出力される電気信号の値が所定の閾値よりも大きい場合に魚信信号を生成する。
【0025】
そして、信号処理部103は、魚信信号によって搬送波を変調して変調波を生成し、この変調波を送信部104から水中に送信する。魚信信号の変調は、様々なアナログ変調又はデジタル変調を用いて行われる。アナログ変調を用いる場合には、魚信信号は、変調前にD/A変換される。魚信信号を変調するために、公知の様々な変調方式を用いることができる。例えば、振幅変調、周波数変調、位相変調、及びこれら以外の様々な変調方式を用いることができる。例えば、周波数変調を用いる場合には、魚105が釣り針108に掛かっている場合には、魚信信号によって搬送波が周波数f1に変調される。
【0026】
本発明の一実施形態においては、魚信信号を伝送するために、超音波が搬送波として用いられる。超音波は電磁波と比較して水中での減衰率が小さいため(例えば、海洋音響学会編「海洋音響の基礎と応用」成山堂書店を参照。)、超音波を搬送波として用いることにより、魚信信号を情報出力装置120へ伝送する際の伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0027】
送信部104は、信号処理部103によって変調された魚信信号を送信するように構成される。例えば、送信部104は圧電素子を備え、信号処理部103からの魚信信号に基づいて当該圧電素子を振動させることにより音響信号を生成し、この音響信号を水中へ送信(送波)する。このようにして、送信部104からは、魚信信号で変調された超音波が送信される。
【0028】
送信部104から送信された音響信号は、情報出力装置120の受信部121で受信される。一実施形態において、受信部121は、超音波を受信(受波)し、受波(受波)した超音波を電気信号に変換するハイドロフォンであってもよい。
【0029】
復調部122は、受信部121から出力される受信信号を必要に応じて増幅し、信号処理部103での変調処理に応じた復調処理を行って魚信信号を得る。例えば、復調部122によって周波数f1の信号が検出された場合には魚が釣り針に掛かっている又は釣り針の近辺に魚が存在すると判定することができる。復調部122は、復調された魚信信号を出力部123に出力する。
【0030】
出力部123は、復調部122からの復調された魚信信号に基づいて、釣り針に魚が掛かっていること又は釣り針の近辺に魚が存在することを示す魚信情報を釣り人に伝達するように構成される。本発明の一実施形態に係る出力部123は、例えば、復調部122からの出力信号に基づいて生成された表示画面を生成するモニタを備える。このモニタは、液晶モニタ等の任意のモニタである。このモニタには、例えば、復調部122によって復調された魚信信号に基づいて、魚が掛かっている旨の表示(例えば、「魚が掛かっています。」という文字)を含む表示画面が当該モニタに表示される。また、本発明の他の実施形態に係る出力部123は、警告灯の色や発光パターンによって魚信情報を釣り人に伝達することができる。この警告灯は、例えば、LEDを備え、魚が掛かっている場合に当該LEDを発光させることにより、釣り人に対して魚信情報を通知することができる。また、本発明の他の実施形態に係る出力部123は、音響信号(例えば、ブザー)によって、魚が掛かっていることを釣り人に伝達することができる。
【0031】
以上説明した魚信検出システムを用いる場合、まず、釣り人は、他の仕掛けとともに魚信検出装置100を釣糸に取り付けて水中に投入し、通常の釣りと同じように魚が掛かるのを待つ。魚が釣り針108に掛かると、魚信検出装置100は、魚が掛かったこと又は魚が釣糸の近辺に存在することを示す魚信信号を生成し、当該魚信信号で超音波搬送波を変調し、この変調された搬送波を送信する。情報出力装置120は、魚信検出装置100の送信信号を受信し、この受信した信号を復調及び復号することにより魚信信号を得る。そして、この魚信信号に基づいて、出力部123によって所定の表示を行ったり所定の音響信号を発生させたりすることにより、魚が掛かったこと又は魚が釣糸の近辺に存在することを釣り人に通知することができる。
【0032】
以上のように、本発明の実施形態によって、釣り人は、魚信検出装置100からの魚信信号に基づいて魚が掛かったことを把握することができる。この魚信信号は、水中での減衰率が小さい超音波を搬送波として利用して送信されるので、水中にある魚信検出装置100から水上にある情報出力装置120に対して魚信信号を伝送する際に、伝送品質の劣化を抑制することができる。
【0033】
本発明の一実施形態において、魚信検出装置100は、その比重が魚信検出装置100が投入される環境(淡水や様々な濃度の海水)と等しくなるように、又は、実質的に等しくなるように構成される。一例として、魚信検出装置100が淡水に投入される場合には、淡水の比重は約1.0であるため、魚信検出装置100の比重は、約1.0、例えば、約0.8〜約1.2、約0.9〜約1.1、約0.95〜約1.05、又は約0.995〜約1.005となるように構成される。魚信検出装置100が海水に投入される場合には、魚信検出装置100の比重は、当該海水の比重と等しくなるように、又は、実質的に等しくなるように構成される。例えば、魚信検出装置100が比重1.03の海水に投入される場合には、魚信検出装置100の比重は、約1.03、例えば、約0.83〜約1.23、約0.93〜約1.13、約0.98〜約1.08、又は約1.025〜約1.035となるように構成される。
【0034】
魚信検出装置100の比重は、様々な方法で調節可能である。例えば、筐体101の材質を変更したり、筐体101に閉じ込める空気の量を調節して当該空気から得られる浮力を調節することにより、魚信検出装置100の比重を調節することができる。上述したように、魚信検出装置100は、魚信検出ユニット102、信号処理部103、送信部104、及び電源106を備えており、これらの各構成要素は通常淡水や海水よりも大きな比重を有していると考えられる。そこで、筐体101を淡水や海水よりも比重が小さな合成樹脂から形成したり、筐体101内に所定量の空気を閉じ込めることにより、魚信検出装置100の比重をその使用環境である淡水又は海水と実質的に等しくすることができる。また、魚信検出装置100の比重を重くするためには、筐体101に錘を取り付けたり、筐体101を淡水や海水よりも比重の大きな材質から形成すればよい。
【0035】
このように、魚信検出装置100の比重を使用環境の水(淡水又は海水)と実質的に等しくなるようにすることで、魚が釣り針108を引いた際に、魚に不自然な抵抗を感じさせないようにすることができる。
【0036】
次に、
図3を参照して、本発明の他の実施形態に係る魚信検出装置について説明する。
図3は、本発明の他の実施形態に係る魚信検出装置200を概略的に示す図である。
図3に示した魚信検出装置200は、魚信を検知する具体的な方法が魚信検出装置100と異なっている。
【0037】
図3に示すように、本発明の一実施形態に掛かる魚信検出装置200は、位置検出センサ2021、アーム2022、及び永久磁石2023を備える。アーム2022は、例えば合成樹脂から成る板状又は棒状の部材であり、筐体101(又は筐体101に固定された部材)に、軸2024の回りで枢動可能に軸支される。永久磁石2023は、アーム2022の基端側に取り付けられている。永久磁石2023は、アーム2022とともに、軸2025の回りを回転する。アーム2022の先端にはハリス109が取り付けられており、このハリス109の先端に釣り針108が取り付けられている。
【0038】
位置検出センサ2021は、筐体101内において永久磁石2023の近傍に配置される。位置検出センサ2021は、磁気型の近接センサ、例えば、ホール素子等の磁気センサを備えている。位置検出センサ2021は、永久磁石2023の磁界の変化を検出し、その磁界の変化量に応じた電気信号を信号処理部103に出力することができる。信号処理部103は、位置検出センサ2021からの電気信号(例えば電圧値)が所定値以上となったときに魚が釣り針108に掛かったと判断し、魚信信号を生成することができる。本実施形態における位置検出センサ2021は、磁気型の近接センサ以外にも、公知の様々な位置検出センサ又は近接センサを用いて実現される。例えば、位置検出センサ2021は、アーム2022との間の電気抵抗の変化を検出する電気抵抗型センサ、アーム2022との間の静電容量の変化を検出する静電容量型センサ、光学式センサ、高周波発振型の近接センサ、又はこれら以外の各種の公知の位置検出センサであってもよい。
【0039】
このように、
図3に示す実施形態においては、釣針108がハリス109を介してアーム1022に連結されている。アーム1022は、魚が釣り針108に掛かっていない状態では、アーム1022自身の弾性力によってニュートラルな姿勢(
図3においては、アーム2022の基端部が概略水平に延伸する姿勢)にある。魚105が釣り針108に掛かると、アーム1022には釣り針108からハリス109を介して張力が作用するので、アーム1022は軸2024の回りで回転し、その結果、永久磁石2023と位置検出センサ2021との距離が変化する。したがって、一実施形態における信号処理部103は、位置検出センサ2021からの電気信号の値(例えば電圧値)が所定値以上となったときに、魚105が釣り針108に掛かったと判断して魚信信号を生成することができる。このようにして、
図3に示した魚信検出装置200は、位置検出センサ2021から出力される電気信号を用いて魚が釣り針108に掛かったことを検出することができる。信号処理部103は、上述したように、当該魚信信号によって超音波搬送波を変調し、変調した搬送波を情報出力装置120に送信する。情報出力装置120は、受信した魚信信号に基づいて、釣り針に魚が掛かったことを釣り人に通知することができる。
【0040】
次に、
図4を参照して、本発明の他の実施形態係る魚信検出装置について説明する。
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る魚信検出装置300を概略的に示す図である。魚信検出装置300は、魚信を検知する具体的な方法が魚信検出装置100と異なっている。
【0041】
図4に示すように、魚信検出装置300において、アーム2022の基端部にひずみセンサ3021が取り付けられている。ひずみセンサ3021は、魚105が釣り針108に掛かって魚105が釣り針108を引っ張る際に、当該ひずみセンサ3021にひずみが生じるように設けられる。ひずみセンサ3021にひずみが生じると、当該ひずみの大きさに応じた電気信号(電圧)が信号処理部103に出力される。
【0042】
ひずみセンサ3021をアーム2022の基端部ではなく、釣り針108に取り付けてもよい。ひずみセンサ3021は、魚105が釣り針に掛かった際にひずみが生じる任意の位置に設けることができる。
【0043】
信号処理部103は、例えばホイートストンブリッジ回路等のブリッジ回路により、ひずみセンサ3021から出力される電圧の変化を計測することができる。一実施形態における信号処理部103は、この電圧の変化が所定の閾値よりも大きいときに魚信信号を生成する。
【0044】
このようにして、
図4に示した魚信検出装置300は、ひずみセンサ3021から出力される電気信号を用いて魚が釣り針108に掛かったことを検出することができる。信号処理部103は、上述したように、当該魚信信号によって超音波搬送波を変調し、変調した搬送波を情報出力装置120に送信する。情報出力装置120は、受信した魚信信号に基づいて、釣り針に魚が掛かったことを釣り人に通知することができる。
【0045】
次に、
図5を参照して、本発明の他の実施形態係る魚信検出装置について説明する。
図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る魚信検出装置400を概略的に示す図である。魚信検出装置400は、魚信を検知する具体的な方法が魚信検出装置100と異なっている。
【0046】
図5に示すように、魚信検出装置400は、検出用の超音波を発する水中マイク4021と、当該超音波の反射波を受波するハイドロフォン4022とを備える。水中マイク4021は、例えば、釣り針108の方向に向かって超音波を発波できるように、その配置及び向きが調整される。ハイドロフォン4022は、反射波を受けると電気信号を信号処理部103に出力することができる。
【0047】
信号処理部103は、ハイドロフォン4022から出力された電気信号に基づいて、水中マイク4021からの検出用超音波の発波からその反射波を受けるまでの所要時間を計測することができる。信号処理部103は、検出用超音波の発波からその反射波を受波するまでの所要時間が所定の閾値以内であるときに、魚が釣り針108に掛かった又は魚が釣り針108の近辺に存在すると判断して、魚信信号を生成するように構成される。この閾値は、おけるまでの距離及びハイドロフォン4022から釣り針108までの距離に基づいて(または、ハリス109の長さに基づいて)決定することができる。
【0048】
このようにして、
図5に示した魚信検出装置400は、水中マイク4021及びハイドロフォン4022からなる超音波センサを用いて魚が釣り針108に掛かったこと又は魚が釣り針108の近辺に存在することを検出することができる。信号処理部103は、上述したように、当該魚信信号によって超音波搬送波を変調し、変調した搬送波を情報出力装置120に送信する。情報出力装置120は、受信した魚信信号に基づいて、釣り針に魚が掛かったことを釣り人に通知することができる。
【0049】
次に、
図6を参照して、本発明の他の実施形態係る魚信検出装置について説明する。
図6は、本発明のさらに他の実施形態に係る魚信検出装置500を概略的に示す図である。魚信検出装置500は、魚信を検知する具体的な方法が魚信検出装置100と異なっている。
【0050】
図6に示すように、魚信検出装置500は、加速度センサ502を備える。加速度センサ502として、様々な公知の加速度センサを用いることができ、例えば3軸加速度センサを用いることができる。例えば、加速度センサ502には、可動部が設けられ、当該可動部の変位や当該可動部に接続されたバネのひずみを電気信号に変換して出力することができる。加速度センサ502からの電気信号は、信号処理部103に出力される。信号処理部103は、例えば、加速度センサ502からの電気信号に基づいて、魚信検出装置500にかかった加速度を算出し、当該加速度が所定の閾値以上となった場合に、魚が釣り針108に掛かったと判断して、魚信信号を生成するように構成される。
【0051】
このようにして、
図6に示した魚信検出装置500は、加速度センサ502から出力される電気信号を用いて魚が釣り針108に掛かったことを検出することができる。信号処理部103は、上述したように、当該魚信信号によって超音波搬送波を変調し、変調した搬送波を情報出力装置120に送信する。情報出力装置120は、受信した魚信信号に基づいて、釣り針に魚が掛かったことを釣り人に通知することができる。なお、魚信検出装置500として、角速度センサ、角加速度センサなどの、加速度センサ以外のモーションセンサを用いても良い。それぞれの場合でも、センサ位置を適切な場所に配置し、適切な信号処理を施すことによって、釣り針に魚がかかったことを検出することが可能である。
【0052】
本発明の実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更が可能である。例えば、上述した実施形態における各部材の、材質、形状、寸法、形態、数、又は配置等は適宜変更され得る。例えば、魚が釣り針に係ったこと又は魚が釣り針の近辺に存在することを検出する具体的な方法は、本明細書に明示したものに限られない。