(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、芳香環を含まない2官能以上のポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)、溶解度パラメーターが8〜11(cal/cm3)1/2であり、そのホモポリマーのガラス転移温度が−80〜0℃である単官能(メタ)アクリレート(F)、並びに光重合開始剤(D)を含有する光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記単官能(メタ)アクリレート(F)が2−エチルヘキシルアクリレートであって、活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を含有する成分の合計重量に基づいて、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量割合が10〜40重量%であり、ポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)の重量割合が20〜50重量%であり、単官能(メタ)アクリレート(F)の重量割合が5〜40重量%であり、光重合開始剤(D)の重量割合が0.1〜10重量%である光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物。
活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に基づいて、オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)の重量割合が、0.1〜10重量%である請求項2に記載の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)が、ポリオール(a1)、脂環式ポリイソシアネート(b2)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)から得られる数平均分子量が1,000〜10,000のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーである請求項1〜4いずれか記載の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物。
ポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)が、分子内に2〜4個の(メタ)アクリロイル基と2〜30個のオキシアルキレン基を有する(メタ)アクリレート(B1)である請求項1〜5いずれか記載の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物。
オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)が、分子内に2〜100個のオキシアルキレン基を有する請求項2〜6いずれか記載の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基又はメタクリロイル基」を意味する。
また、2官能以上とは、(メタ)アクリロイル基の数が2個以上であることを意味し、以下同様の記載法を用いる。
【0010】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、芳香環を含まない2官能以上のポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)、溶解度パラメーターが8〜11(cal/cm3)1/2であり、そのホモポリマーのガラス転移温度が−80〜0℃である単官能(メタ)アクリレート(F)、及び光重合開始剤(D)を必須成分として含有する。
【0011】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物における必須成分であるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)としては、分子内に(メタ)アクリロイル基を含有するウレタン化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)及び水酸基含有(メタ)アクリレート(c)から得られるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
傷の回復性の観点から、ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)を反応させて得られるイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)を、さらに水酸基含有(メタ)アクリレート(c)とウレタン化反応させて形成されるウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
【0012】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記する)は、好ましくは1,000〜10,000であり、更に好ましくは1,200〜8,000である。
【0013】
本発明におけるMnは、例えばゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
[1]装置 :ゲルパーミエイションクロマトグラフィー
「HLC−8120GPC」、東ソー(株)製
[2]カラム :「TSKgel GMHXL」2本+「TSKgel
Multipore HXL−M 」、東ソー(株)製
[3]溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
[4]基準物質:標準ポリスチレン
(TSKstandard POLYSTYRENE)、
東ソー(株)製
[5]注入条件:サンプル濃度0.25重量%、カラム温度40℃
【0014】
イソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)は、ポリオール(a)とポリイソシアネート(b)を反応させることにより得られ、(a)と(b)のモル比(a)/(b)が、好ましくは1/3〜10/1、更に好ましくは1/2〜8/1である。この範囲であると、傷の回復性に優れる。
(a)と(b)及び(c)の反応における水酸基/イソシアネート基当量比は、好ましくは0.45〜0.99、更に好ましくは0.50〜0.97である。
【0015】
ウレタンプレポリマー(d)の原料となる、ポリオール(a)は、傷の回復性の観点からMnが、好ましくは300〜2,000、更に好ましくは、500〜1,500である。
【0016】
ポリオール(a)としては、入手が容易なことからポリエーテルポリオール(a1)が好ましく、ポリエーテルポリオール(a1)としては、下記の(a11)〜(a13)が挙げられる。
【0017】
脂肪族2価アルコールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」を「AO」と略記する場合がある。AOの炭素数は2〜4、付加モル数は1〜20が好ましい。以下同様。)付加物(a11)
1,4−ブタンジオールのエチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」と略記する場合がある。)5モル付加物、1,6−ヘキサンジオールのプロピレンオキサイド(以下、「プロピレンオキサイド」を「PO」と略記する場合がある。)5モル付加物、及びネオペンチルグリコールのブチレンオキサイド5モル付加物等。
【0018】
ポリオキシアルキレングリコール(a12)
ポリオキシエチレングリコール(Mn400)、ポリオキシプロピレングリコール(Mn600)及びポリオキシテトラメチレングリコール(Mn1,000)等。
【0019】
2価フェノール化合物のAO付加物(AO2〜20モル)(a13)
2価フェノール化合物[単環フェノール(カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン等)、縮合多環フェノール(ジヒドロキシナフタレン等)、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノール−F及びビスフェノール−S等)]のAO付加物[レゾルシノールのEO4モル付加物、ジヒドロキシナフタレンのPO4モル付加物、ビスフェノールA、ビスフェノール−F及びビスフェノール−SのEOまたはPO2モル各付加物等]
【0020】
これらのポリエーテルポリオール(a1)のうち傷の回復性の観点から好ましいのは(a12)と(a13)であり、更に好ましくは(a12)である。
【0021】
ウレタンプレポリマー(d)の原料となるポリイソシアネート(b)としては、下記の(b1)〜(b4)等が挙げられる。
【0022】
脂環式ポリイソシアネート(b1)
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2,4−又は2,6−メチルシクロヘキサンジイソシアネート(水添TDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキシレン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート及びダイマー酸ジイソシアネート等。
【0023】
芳香族ポリイソシアネート(b2)
1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4, 4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−またはp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等。
【0024】
脂肪族ポリイソシアネート(b3)
エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−又は2,4,4 −トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、2,6−ジイソシアナトエチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等。
(b4)芳香脂肪族ポリイソシアネート
m−又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等。
【0025】
これらのポリイソシアネート(b)のうち、傷の回復性の観点から、好ましくは脂環式ポリイソシアネート(b1)であり、さらに好ましくはIPDI及び水添MDIであり、特に好ましくは水添MDIである。
【0026】
ウレタンプレポリマー(d)と反応させる水酸基含有(メタ)アクリレート(c)としては、下記の(c1)等が挙げられる。
【0027】
(ポリ)オキシアルキレン(メタ)アクリレート(c1)
(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル及びこれらのAO付加物等
【0028】
これらの(ポリ)オキシアルキレン(メタ)アクリレート(c1)のうち、傷の回復性の観点から好ましいのは、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピルであり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチルである。
【0029】
ポリオール(a)及びポリイソシアネート(b)の反応における水酸基/イソシアネート基当量比は、好ましくは0.45〜0.99、更に好ましくは0.50〜0.97、特に好ましくは0.55〜0.95である。当量比が0.45以上では硬化時の収縮率が小さくなり、基材との密着性がより良好となり、0.99以下であると芳香族を含まない2官能以上のポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)との相溶性が良好となる。
【0030】
上記(a)及び(b)の反応で得られたイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(d)に、更に水酸基含有(メタ)アクリレート(c)を反応させて、本発明の必須成分のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)を得ることができる。
【0031】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の製造においては、ウレタン化触媒を用いてもよい。ウレタン化触媒としては、金属化合物(有機ビスマス化合物、有機スズ化合物及び有機チタン化合物等)、3級アミン、アミジン化合物及び4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0032】
ウレタン化触媒の使用量は、(A)の重量に基づいて、好ましくは1重量%以下、反応性、透明性の観点から、更に好ましくは0.001〜0.5重量%、特に好ましくは、0.05〜0.2重量%である。
【0033】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に対するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の重量割合は、傷の回復性の観点から、好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
【0034】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物における必須成分である、本発明の芳香環を含まない2官能以上のポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)とは、ポリオキシアルキレンポリオールと(メタ)アクリル酸を反応させた(メタ)アクリレートのうち分子内に芳香環を含まない2官能以上の(メタ)アクリレートであり、具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)以外のものである。
分子内の(メタ)アクリロイル基の数は2〜4個であり、分子内に2〜30個の(好ましくはアルキレン基の炭素数が2〜4)を有する化合物(B1)が好ましい。具体的には以下の(B11)〜(B13)等が挙げられる。
【0035】
ポリオキシアルキレンポリオールのジ(メタ)アクリレート(B11)
ポリオキシエチレングリコールのジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレングリコールのジ(メタ)アクリレート[トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等]及びポリオキシテトラメチレングリコールのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0036】
トリ(メタ)アクリレート(B12)
3個の(メタ)アクリロイル基と6〜30個のオキシアルキレン基を有する化合物が挙げられ、具体的にはトリメチロールプロパンのEO2モル付加物、トリメチロールプロパンのEO6モル付加物、トリメチロールプロパンのEO9モル付加物、トリメチロールプロパンのEO15モル付加物、トリメチロールプロパンのEO20モル付加物、トリメチロールプロパンのPO9モル付加物、グリセリンのEO6モル及びPO3モル付加物の各トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0037】
テトラ(メタ)アクリレート(B13)
4個の(メタ)アクリロイル基と6〜30個のオキシアルキレン基を有する化合物が挙げられ、具体的にはペンタエリスリトールのEO10モル付加物、ペンタエリスリトールのEO15モル付加物、ジトリメチロールプロパンのEO10モル付加物、ジペンタエリスリトールのEO10モル付加物の各テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に対する芳香環を含まない2官能以上のポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)の重量割合は、傷の回復性及び透明性の観点からである。
【0039】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物の必須成分である単官能(メタ)アクリレート(F)は、溶解度パラメーター(以下、SP値と略記する。)が8〜11(cal/cm3)1/2であり、そのホモポリマーのガラス転移温度(以下、Tgと略記する。)が−80〜0℃である。
【0040】
単官能(メタ)アクリレート(F)のSP値は、相溶性の観点から、8〜11(cal/cm3)1/2であり、好ましくは 8〜10.5(cal/cm3)1/2である。
【0041】
なお、本発明におけるSP値は次式で求められるものである。
SP=(ΔH/V)1/2
【0042】
但し、式中、ΔHはモル蒸発熱(cal/モル)、Vはモル体積(cm3/モル)を表す。また、ΔH及びVは、「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors.(147〜154頁)」に記載の原子団のモル蒸発熱(△ei)の合計(ΔH)と、モル体積(△vi)の合計(V)を用いることができる。
【0043】
単官能(メタ)アクリレート(F)のホモポリマーのTgは、傷の回復性の観点から、−80〜0℃であり、好ましくは−80〜−10℃であり、さらに好ましくは−80〜−20℃である。
【0044】
なお、本発明におけるそのホモポリマーのTgとは、単官能(メタ)アクリレート(F)を単独重合させた硬化物の動的粘弾性を、下記の方法で測定した際の、損失正接(tanδ)が最大値を示す温度のことである。
【0045】
<テストピースの作成>
開始剤として、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]を、単官能(メタ)アクリレート(F)に対して3重量%添加した後、紫外線照射装置により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させ、縦幅40mm、横幅5mm、厚み1mmのテストピースを作成する。
【0046】
<動的粘弾性測定方法>
このテストピースを用いて、動的粘弾性測定装置(例えば、Rheogel−E4000、UBM社製)により、周波数:10Hz、昇温速度:4℃/分の条件で測定する。
【0047】
単官能(メタ)アクリレート(F)としては、単官能脂肪族(メタ)アクリレート(F1)、単官能芳香環含有(メタ)アクリレート(F2)等が挙げられ、(F1)と(F2)を併用してもよい。
(F1):単官能脂肪族(メタ)アクリレート
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等
【0048】
(F2):単官能芳香環含有(メタ)アクリレート
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、o−、m−又はp−フェニルフェノールのモノ(メタ)アクリレート、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのモノ(メタ)アクリレート、2.5モルのスチレンがフェノールに付加したスチレン化フェノールのモノ(メタ)アクリレート等
【0049】
これらの(F)の内、傷の回復性の観点から、好ましいのは2−エチルヘキシルアクリレートとフェノキシエチルアクリレートであり、さらに好ましいのは2−エチルヘキシルアクリレートである。
2−エチルヘキシルアクリレートのTgは−70℃、SP値は8.6であり、フェノキシエチルアクリレートのTgは−22℃、SP値は10.1である。
【0050】
活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に対する単官能(メタ)アクリレート(F)の重量割合は、硬化物の反り性の観点から、好ましくは5〜40重量%であり、更に好ましくは10〜35重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
【0051】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物における光重合開始剤(D)としては、フォスフィンオキサイド系化合物(D1)、ベンゾイルホルメート系化合物(D2)、チオキサントン系化合物(D3)、オキシムエステル系化合物(D4)、ヒドロキシベンゾイル系化合物(D5)、ベンゾフェノン系化合物(D6)、ケタール系化合物(D7)、1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(D8)などが挙げられる。
【0052】
フォスフィンオキサイド系化合物(D1)としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0053】
ベンゾイルホルメート系化合物(D2)としては、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。
【0054】
チオキサントン系化合物(D3)としては、イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
【0055】
オキシムエステル系化合物(D4)としては、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1(O−アセチルオキシム))等が挙げられる。
【0056】
ヒドロキシベンゾイル系化合物(D5)としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等が挙げられる。
【0057】
ベンゾフェノン系化合物(D6)としては、ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0058】
ケタール系化合物(D7)としては、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
【0059】
1,3αアミノアルキルフェノン系化合物(D8)としては、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロ−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
【0060】
光重合開始剤(D)のうち、400nm以上に吸収波長を有するものが好ましく、400〜450nmに吸収波長を有するものが更に好ましい。
これらの光重合開始剤(D)のうち、400nm以上の可視光線領域での硬化性及び硬化物の着色の観点から好ましいのは、フォスフィンオキサイド系化合物(D1)であり、更に好ましくは、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドである。
【0061】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に対する光重合開始剤(D)の重量割合は、硬化性および透明性の観点から、好ましくは0.1〜10重量%であり、さらに好ましくは0.2〜7重量%である。
【0062】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物は、傷の回復性の観点から、さらに、オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)を含有することが好ましい。
この目的で併用するオキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)は、分子内にオキシアルキレン基とシロキサン結合を含有する化合物であれば特に限定されない。
【0063】
オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)としては、本発明で用いるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、芳香環を含まない2官能以上のポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)と相溶することが好ましい。この相溶性の指標として、溶解度パラメーター〔SP、単位は(cal/cm3)1/2〕で表すことができ、オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)の溶解度パラメーターは、好ましくは8.0〜9.0であり、更に好ましくは8.1〜8.8である。
【0064】
オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)は、分子内に2〜100個のオキシアルキレン基を有するものが好ましい。
オキシアルキレン基を2個以上含有するポリシロキサンは、活性エネルギー線硬化性組成物を構成する他の原料との相溶性が良好であり、オキシアルキレン基が100個以下のポリシロキサンは、傷の回復性が良好になり、好ましい。
上記オキシアルキレン基の数は、1H−NMRによる積分比で求められる。
【0065】
オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)としては、例えば、AO変性ポリジアルキルシロキサンが挙げられ、末端がAOで変性されたポリジアルキルシロキサン(C1)、側鎖がAOで変性されたポリジアルキルシロキサン(C2)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。なお、(C1)及び(C2)は、更に(メタ)アクリロイル変性されたものであってもよい。
【0066】
(C1)としては、末端がEOで変性されたポリジメチルシロキサン、末端がEO及びPOで変性されたポリジメチルシロキサン、末端がEOで変性されたポリジエチルシロキサン、及びこれらの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0067】
(C2)としては、側鎖がPOで変性されたポリジメチルシロキサン、側鎖がEO及びブチレンオキサイドで変性されたポリジメチルシロキサン、側鎖がEO及びPOで変性されたポリジメチルシロキサン、及びこれらの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0068】
これらのAO変性ポリジアルキルシロキサンのうち、傷回復性の観点から好ましいのは(C2)であり、更に好ましくは側鎖がEO及びPOで変性されたポリジメチルシロキサンである。
【0069】
オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)のMnの好ましい範囲は300〜50,000である。
オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)のMnが300以上であると、プラスチック基材との密着性が良好である。また、50,000以下であると、樹脂との相溶性が良好であり好ましい。
【0070】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に基づいて、オキシアルキレン基含有ポリシロキサン(C)の重量割合は、硬化物の傷の回復性の観点から、好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.2〜7重量%である。
【0071】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物は、傷回復性の観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)、ポリオキシアルキレンポリオール(メタ)アクリレート(B)、単官能(メタ)アクリレート(F)、光重合開始剤(D)以外に、さらに芳香環含有(メタ)アクリレート(E)を含有することが好ましい。
芳香環含有(メタ)アクリレート(E)は、以下の一般式(1)で表される化合物であり、例えば、ビスフェノールAのEO4モル付加物の(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO20モル付加物の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0073】
[式(1)中のm及びnは1〜30の整数を表す。]
【0074】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に基づいて、芳香環含有(メタ)アクリレート(E)の重量割合は、硬化物の傷回復性の観点から、好ましくは10〜50重量%であり、更に好ましくは15〜40重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
【0075】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じてオキシアルキレン基を有しない4官能以上の(メタ)アクリレート(G)を含有させてもよい。
【0076】
オキシアルキレン基を有しない4官能以上の(メタ)アクリレート(G)としては、テトラ(メタ)アクリレート(G1)、ペンタ(メタ)アクリレート(G2)及びヘキサ(メタ)アクリレート(G3)等が挙げられる。
【0077】
テトラ(メタ)アクリレート(G1)としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0078】
ペンタ(メタ)アクリレート(G2)としては、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0079】
ヘキサ(メタ)アクリレート(G3)としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0080】
(G)の内、傷回復性の観点から、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0081】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分の合計重量に基づいて、4官能以上のオキシアルキレン基を有しない(メタ)アクリレート(G)の重量割合は、傷回復性の観点から、好ましくは0.5〜5重量%であり、更に好ましくは1〜3重量%である。
【0082】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により種々の添加剤を含有させてもよい。
添加剤としては、可塑剤、有機溶剤、分散剤、消泡剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤及び紫外線吸収剤が挙げられる。
【0083】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物を用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、例えば次の方法で塗工、成形することができる。すなわち、本発明の組成物を予め20〜50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる金型(型温は好ましくは20〜50℃、更に好ましくは25〜40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが50〜150μmとなるように塗工(又は充填)し、塗膜上から透明基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層し、更に該透明基材上から後述の活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させた後に、型から離型し成形体(例えばレンズシート)を得る。
【0084】
上記透明基材(透明フィルムを含む)としては、メチルメタクリレート(共)重合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリトリアセチルセルロース及びポリシクロオレフィン等の樹脂からなるものが挙げられる。
【0085】
本発明における活性エネルギー線には、紫外線、電子線、X線、赤外線及び可視光線が含まれる。これらの活性エネルギー線のうち硬化性と樹脂劣化の観点から好ましいのは紫外線と電子線である。
【0086】
本発明の光学部品用活性エネルギー線硬化性組成物を紫外線により硬化させる場合は、種々の紫外線照射装置[例えば、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]を使用できる。使用するランプとしては、例えば高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。紫外線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
【実施例】
【0087】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
なお、以下において、実施例2、4、6は、それぞれ参考例1〜3とする。
【0088】
製造例1
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器にMn1,000のポリオキシテトラメチレングリコール[商品名:PTMG−1000、三菱化学(株)製]561部、水添MDI294部[商品名:デスモジュールW、住化バイエルウレタン(株)製]及び触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)0.37部を仕込み、120℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(株)日本触媒製]145部を加え、80℃で3時間反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)を得た。このウレタンアクリレートオリゴマー(A−1)のMnは1,800であった。
【0089】
製造例2
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、Mn344のビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]540部、IPDI413部及びウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)0.5部仕込み、80℃で6時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(株)日本触媒製]45部を加え、80℃で3時間反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−2)を得た。このウレタンアクリレートオリゴマー(A−2)のMnは4,600であった。
【0090】
製造例3
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、Mn1,000のポリテトラメチレングリコール[商品名:PTMG−1000、三菱化学(株)製]462部、HDI207部及びウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)0.5部仕込み、80℃で6時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート169部を加え、80℃で3時間反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−3)を得た。このウレタンアクリレートオリゴマー(A−3)のMnは1,600であった。
【0091】
製造例4
撹拌機、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、Mn344のビスフェノールAのPO2モル付加物[商品名:ニューポールBP−2P、三洋化成工業(株)製]361部、キシリレンジイソシアネート[商品名:タケネート500、三井武田ケミカル(株)製]395部及びウレタン化触媒としてビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50%溶液)0.5部仕込み、80℃で6時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート244部を加え、80℃で3時間反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマー(A−4)を得た。このウレタンアクリレートオリゴマー(A−4)のMnは4,400であった。
【0092】
実施例1〜9及び比較例1〜3
表1に記載の各成分と配合量に従って、一括で配合し、ディスパーサーで均一になるまで混合攪拌し、実施例1〜9及び比較例1〜3の活性エネルギー線硬化性組成物を得た。
【0093】
なお、表1中に記載した化合物の記号は、以下の化合物を表す。
【0094】
(B−1):トリプロピレングリコールジアクリレート[商品名「ネオマーPA−305」、三洋化成工業(株)製]
(B−2):トリメチロールプロパンのEO2モル付加物のトリアクリレート[商品名「M−321」、東亜合成(株)製]
【0095】
(C−1):アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「KF−352A」、信越化学工業(株)製、オキシアルキレン基数:86]
(C−2):アルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−333」、ビックケミー・ジャパン(株)製、オキシアルキレン基数:85]
(C−3):アルキレンオキサイド及びアクリロイル変性ポリジメチルシロキサン[商品名「BYK−UV3500」、ビックケミー・ジャパン(株)製、オキシアルキレン基数:61]
【0096】
(D−1):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[商品名「ルシリンTPO」、BASF社製]
(D−2):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアー819」、BASF社製]
(D−3):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、BASF社製]
【0097】
(E−1):ビスフェノールAのEO4モル付加物のジアクリレート[商品名「ネオマーBA−641」、三洋化成工業(株)製]
(E−2):ビスフェノールAのEO20モル付加物のジアクリレート[商品名「ニューフロンティ アBPE−20」、第一工業製薬(株)製]
【0098】
(F−1):2−エチルヘキシルアクリレート[商品名「アクリル酸―2エチルヘキシル」、(株)日本触媒 製、SP:8.3、Tg:−30℃]
(F−2):フェノキシエチルアクリレート[商品名「ライトアクリレートーPOA」、共栄社化学(株)製、SP:10.1、Tg:−22℃]
【0099】
(G−1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート[商品名「ネオマーDA−600」、三洋化成工業(株)製]
【0100】
本発明及び比較のための活性エネルギー線硬化性組成物の傷の回復性、反り、密着性及び全光線透過率を下記の方法で測定した。
その結果を表1に示す。
【0101】
<テストピースの作成>
活性エネルギー線硬化性組成物をガラス板の片面に厚さが20μmになるようにアプリケーターで塗工した後、厚さ100μmのPETフィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。ポリエステルフィルム側から紫外線照射装置により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させた。PETフィルムに密着した硬化物をガラス板から剥離し、テストピースを作成した。
【0102】
<傷の回復性の評価>
(1)溝の深さが50μmでピッチ幅を20μmで平行線を刻んで微細に凹凸処理を施したステンレス製の金型を用意する。
(2)活性エネルギー線硬化性組成物をこの金型の片面に厚さが100μmになるようにアプリケーターで塗工した後、厚さ100μmのポリエステルフィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]を樹脂側に貼り合わせ、ローラーを上から転がして空気を押し出した。ポリエステルフィルム側から紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射して、硬化させ、硬化膜を作成した。
(3)硬化膜の表面を、クロムキャップを装着した鉛筆でJIS K 5600−5−4に準拠して引っかき試験を行った。
(4)10分間放置後に目視で観察し、引っかき傷が完全に消失しているものを○、引っかき傷の一部が残っているものを△、引っかき傷が全て残っているものを×と判定した。
【0103】
<反り性の評価>
性能評価用のフィルムを6cm×6cm正方形にカットし、平らなテーブルに置き、正方形の四端のテーブルからの反り(mm)を測定し、4点の平均値を算出した。
【0104】
<成形直後の密着性の評価>
前記テストピースを23℃、相対湿度50%の環境下で24時間静置した後、JIS K5600−5−6に準拠し、1mm幅にカッターナイフで切込みを入れて碁盤目(10×10個)を作成し、該碁盤目上にセロハン粘着テープを貼り付け90度剥離を行い、PETフィルムからの硬化物の剥離状態を目視で観察し、評価した。
【0105】
下記の基準で判定した。
○:100個の碁盤目のうち90個以上が剥離せずに基材に残っている
△:100個の碁盤目のうち10〜89個が剥離せずに基材に残っている
×:100個の碁盤目のうち9個以下が剥離せずに基材に残っている
【0106】
<硬化物の透明性の評価>
前記テストピースを、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」、BYK gardner(株)製]を用いて全光線透過率(%)を測定した。
【0107】
【表1】
【0108】
表1の結果から、本発明の光学部品活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた硬化フィルムは、傷の回復性、反り、密着性及び透明性のすべてに優れることがわかる。
一方、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含有量が下限を下回り、芳香環を含まない2官能以上のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)の含有量が上限を越える比較例1は、傷の回復性が悪く、反りが大きかった。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)の含有量が上限を越え、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(B)の含有量が下限を下回る比較例2は、傷の回復性が悪く、反りがやや大きく、樹脂密着性も劣っていた。