【文献】
Randy Reuter ほか,"Ionosphere Gradient Detection for Cat III GBAS",Proceedings of the 25th International Technical Meeting of The Satellite Division of the Institute of Navigation (ION GNSS 2012),Institute of Navigation,2012年 9月,pp.2175-2183
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
衛星信号(450(1〜N))においての水平遅延勾配(horizontal delay gradient)をモニタするための処理モジュール(100)であって、
少なくとも2つの基準(reference)受信機から少なくとも2つの衛星(200)に対する搬送波位相測定値を受信することであって、前記少なくとも2つの衛星(200)が、モニタされる衛星(200−1)および少なくとも1つの他の衛星(200−2)を含み、前記少なくとも2つの基準受信機(251〜254)が、相互に対する知られている幾何学的(geometric)関係性を有する、受信することと、
第1の処理モードを実装する(implement)ことであって、前記第1の処理モードにおいて、受信された搬送波位相測定に基づく2つの衛星の信号の間の搬送波位相差が、+λ/2から−λ/2の間で正規化され、当該正規化された値が、第1の衛星差(satellite differences)を表すものと、
第2の処理モードを実装することであって、前記第2の処理モードにおいて、受信された搬送波位相測定に基づく衛星の信号の間の搬送波位相差が、0からλの間で正規化され、当該正規化された値が、第2の衛星差(satellite differences)を表すものと、
前記第1の処理モードによって処理された前記第1の衛星差を指し示すデータ、および、前記第2の処理モードによって処理された前記第2の衛星差を指し示すデータのうちの1つをさらなる処理のために選択することと
を行うように構成されるデュアル処理衛星差計算モジュール(110)と、
前記デュアル処理衛星差計算モジュール(110)から入力される前記選択されたデータに基づいて、前記少なくとも2つの基準受信機(251〜254)の1つまたは複数の対(270〜272)の間の二重差(double-differences)を形成するように構成される二重差計算モジュール(120)と、
前記モニタされる衛星に対する平均化された補整された(compensated)二重差に基づいて前記水平遅延勾配の大きさを推定するように構成される勾配推定器モジュール(130)と
を備える、処理モジュール(100)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[12]常識にしたがって、様々な説明される特徴は、一定の縮尺で描画されるのではなく、本発明に関連性のある特徴を強調するように描画される。類似する参照符号は、図および本文を通して類似する要素の印となる。
【0010】
[13]過度遅延勾配モニタは、地上局での最も要求の厳しいモニタの1つである。過度遅延勾配モニタは、搬送波の正確さがミリメートルのレベルに保たれることを必要とする。本明細書で説明される水平遅延勾配モニタは、水平面内に設けられる少なくとも2つの基準受信機に対する搬送波位相測定値を比較することにより、地上局で受信される信号に影響を与える遅延勾配の水平成分を検出する。遅延勾配の水平成分は、これらの基準受信機が設けられる平面の内部にある。水平遅延勾配モニタは、遅延勾配が過度であるかどうかもまた決定する。遅延勾配が過度であるのは、モニタされる衛星から送信される信号に関する基準受信機の対での遅延差が、他の衛星から送信され、基準受信機の同じ対で同時に受信される信号に関する平均化された遅延差より(選択された勾配しきい値より多くの量だけ)大きいときである。
【0011】
[14]最小の2つの基準受信機が、1つの方向での勾配を測定するために必要とされる。2つのみの基準受信機を伴うこの構成は、線に沿った遅延勾配の検出を必要とするだけである地上局設備に対して有用である。例えば水平勾配モニタは、着陸帯の方向に平行である線に沿って布置される2つの基準受信機を含み得る。そのような水平勾配モニタは、「線勾配モニタ」である。最小の3つの非共線の基準受信機が、3つの非共線の基準受信機の水平面の内部の任意の線に沿った勾配を測定するために水平勾配モニタで必要とされる。
【0012】
[15]4つ以上の基準受信機が利用可能であるならば、冗長な情報が、水平遅延勾配に対する感度を向上させるために使用される。「異常遅延勾配」、「遅延勾配」、「電離層遅延勾配」、および「水平遅延勾配」の用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0013】
[16]本明細書で説明される技法は、不連続点で(すなわち、0で、またはλ/2でのいずれかで)測定値を検出し回避するために使用される衛星差のデュアル処理を実装することにより、電離層遅延勾配モニタの検出能力を拡張する。本明細書で説明されるデュアル処理衛星差計算モジュールの第1の処理は、+λ/2から−λ/2の間に衛星の間の搬送波位相差を正規化し、第1の分散を生成する。本明細書で説明されるデュアル処理衛星差計算モジュールの第2の処理は、0からλの間に衛星の間の搬送波位相差を正規化し、第2の分散を生成する。選択論理が、第1および第2の分散の値に基づいて、下流の処理のためにどちらの処理結果を使用すべきかを決定する。第1の処理からの出力は、第1の分散が第2の分散未満であるときに、追加的な下流の処理のために選択される。同様に第2の処理からの出力は、第2の分散が第1の分散未満であるときに、追加的な下流の処理のために選択される。他のパラメータが、両方の分散が比較的小さい場合に選択プロセスにおいて使用され得る。このデュアル処理は、2つの処理方法の少なくとも1つが、任意の所与の時間での衛星差の任意の所与の集合に対する波長制限を回避するということを保証する。このようにして、基準受信機の対の間のベースラインが、GBAS空港でのより柔軟性のある据え付けの選択肢を考慮に入れて増大され得る。
【0014】
[17]
図1は、完全な波長範囲にわたって、衛星信号においての過度遅延勾配に対してモニタするための地上局90の実施形態を示す。
図1に示されるように地上局90は、水平遅延勾配モニタ95および地上局ブロードキャスト92を含む。地上局ブロードキャスト92は、地上局90の付近の航空機40に通信リンク41を介して信号を送信する地上局90の一部分である。水平遅延勾配モニタ95は、モニタされる衛星200−1から送信される信号450−1に対して水平面内に存在する過度遅延勾配に対してモニタする。地上局90は、本明細書では「地上型システム90」とも呼ばれる。
【0015】
[18]水平遅延勾配モニタ95は、相互に対する知られている幾何学的関係性で布置される少なくとも2つの基準受信機、および、プロセッサにより実行可能な複数の機能モジュールを含む処理モジュール100を含む。
図1に示される実施形態は、4つの基準受信機251〜254を含む。水平遅延勾配は、4つの基準受信機251〜254が網羅する平面内にある水平成分を有する。処理モジュール100は、基準受信機251〜254の各々に通信可能に結合される。動作の間に、水平遅延勾配モニタ95は、少なくとも2つの衛星200(1〜N)から信号を受信する。基準受信機251〜254は、本明細書では「RR」とも指示される地上基準受信機である。
【0016】
[19]同位相波面として全体的に示される無線周波数信号450(1〜N)は、それぞれ衛星200(1〜N)から放出される(ただし、Nは正の整数である)。無線周波数信号、RF信号、および衛星信号の用語は、本明細書では互換的に使用される。無線周波数信号450(1〜N)は、20により全体的に表される電離層を通って地上局90に伝搬する。4つの基準受信機251〜254は、モニタされる衛星200−1から、および、他の衛星200(2〜N)から無線周波数信号450(1〜N)を受信する。理解されるように、各々の基準受信機251〜254は、基準受信機252上のアンテナ262などのアンテナを伴う無線周波数受信機である。(第2の基準受信機252上に認められる)1つのアンテナ262のみが、例示を明瞭にするために示される。
【0017】
[20]電離層20内には異常遅延勾配22が存在し得るものであり、その異常遅延勾配22は、異常遅延勾配22を通って伝搬する無線周波数信号の位相に影響を与える。異常遅延勾配22は、電離層20内のクロスハッチングの増大された密度により指示される。例えば
図1に示されるように、モニタされる衛星200−1からの無線周波数信号450−1は、その信号が4つの基準受信機251〜254に向かって伝搬する際に、異常遅延勾配22を通過する。遅延勾配22によって、信号が地球の表面上で受信される際に水平勾配が結果として生じる。このことは、受信される信号の電離層遅延が、受信機が地球の表面上で移動させられる際に変化するということを意味する。
【0018】
[21]それぞれの衛星200(1〜N)から送信される無線周波数信号450(1〜N)は、基準受信機251〜254で近似的に同じ時間にサンプリングされる。基準受信機251〜254内のレジスタ(図示されない)が、受信される第nの衛星無線周波数信号450−nの瞬時搬送波位相角を指し示す数を記憶するものであり、ただし、nは正の整数である。レジスタは、基準受信機251〜254の各々で第nの衛星200−nから受信される無線周波数信号に対して継続的に更新される。第nの衛星無線周波数信号450−nは、少なくとも2つの衛星の1つからのものである。レジスタの瞬時読み出し情報は、本明細書では、「搬送波位相測定値」または「瞬間的搬送波位相測定値」と呼ばれる。基準受信機251〜254での搬送波追跡ループ(図示されない)が、基準受信機251〜254の視界内のN個の衛星200(1〜N)の各々に対して、結果として生じる位相およびDoppler誤差を推定し、そのようなレジスタを更新する。各々の基準受信機に対するダウンコンバージョンは、すべてのN個の衛星200(1〜N)に共通であり、したがって、レジスタにより指示される瞬間的搬送波位相は、0°から360°の範囲内で、受信される衛星信号の間の相対位相を決定するために使用され得る。相対位相は、少なくとも2つの衛星から送信され、基準受信機251〜254で同時に受信される信号の間の位相関係性である。したがって相対位相は、基準受信機251〜254で同時に受信される、少なくとも2つの衛星から送信される信号の間の搬送波位相測定値の差である。
【0019】
[22]少なくとも2つの基準受信機251〜254の間の知られている幾何学的関係性は、第1の基準受信機251から第2の基準受信機252へのベクトル
a、第1の基準受信機251から第3の基準受信機253へのベクトル
b、および、第1の基準受信機251から第4の基準受信機254へのベクトル
cにより指示される。したがって、基準受信機対270〜272内の基準受信機は、すべての対270〜272に共通である、基準受信機251に対する知られている位置の差を有する。例えばベクトル
aは、対270を形成する基準受信機251および252の知られている位置の差であり、ベクトル
bは、対271を形成する基準受信機251および253の知られている位置の差であり、ベクトル
cは、対272を形成する基準受信機251および254の知られている位置の差である。
【0020】
[23]モニタされる衛星は、水平電離層遅延勾配の大きさが、選択された勾配しきい値と比べてモニタされる対象となる衛星である。第1の衛星200−1は、本文書ではモニタされる衛星200−1と呼ばれているが、地上局90は、N個の衛星200(1〜N)の2つ以上に対して電離層遅延勾配をモニタすることが可能であるということが理解されるべきである。したがって処理モジュール100内のソフトウェアモジュールは、衛星200(1〜N)の2つ以上が、モニタされる衛星であるように、N個の衛星200(1〜N)の2つ以上をモニタするように実行可能である。実施形態ではすべての衛星200(1〜N)が、モニタされる衛星200(1〜N)である。
【0021】
[24]本明細書で説明されるデュアル処理は、ベクトル
a、
b、および
cの長さが、同じ位相関係の周期性の繰り返しにより引き起こされる搬送波位相アンビギュイティを回避するように制限される要件を緩和する。1つの実施形態では、地上局90はGBAS地上局90である。本明細書で説明される地上局90は空港着陸システムに対するものであるが、本発明は、全地球的航法衛星システムからの正確な入力を必要とするシステムで実装され得るものであり、航空機、および/または航空機に対する地上局による使用に対して限定されない。
【0022】
[25]
図2は、
図1の地上局90内の処理モジュール100の実施形態を示す。処理モジュール100は、デュアル処理衛星差計算モジュール110、二重差計算モジュール120、勾配推定器モジュール130、メモリ150、および、少なくとも1つのプロセッサ160を含む。デュアル処理衛星差計算モジュール110、二重差計算モジュール120、および、勾配推定器モジュール130は、記憶媒体170内に記憶されるソフトウェアモジュールである。デュアル処理衛星差計算モジュール110、二重差計算モジュール120、および、勾配推定器モジュール130は、本明細書で説明される機能を遂行するためのコンピューター命令によってコード化されるコンピューター可読媒体を含む。この実施形態の1つの実装形態では、デュアル処理衛星差計算モジュール110、二重差計算モジュール120、および、勾配推定器モジュール130の1つまたは複数は、同じモジュールである。
【0023】
[26]デュアル処理衛星差計算モジュール110は、第1の処理衛星差モジュール111と、第1の分散算出モジュール113と、第2の処理衛星差モジュール112と、第2の分散算出モジュール114と、選択論理115とを含む。この実施形態の1つの実装形態では、基準受信機251〜254からの搬送波位相測定値が、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112に入力される。この実施形態の別の実装形態では、モニタされる衛星、および、少なくとも1つの他の衛星200(2〜N)の少なくとも1つからの衛星信号の間の搬送波位相測定値での衛星差が、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112に入力される。この後者の事例において、基準受信機251〜254からの搬送波位相測定値が、デュアル処理衛星差計算モジュール110に入力され、デュアル処理衛星差計算モジュール110内のソフトウェアが、モニタされる衛星、および、少なくとも1つの他の衛星200(2〜N)の少なくとも1つからの衛星信号の間の搬送波位相測定値での衛星差を算出するために使用される。算出された衛星差は、次いで、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112に入力される。
【0024】
[27]第1の処理が、+λ/2から−λ/2の間の第1の不連続点の制限に対して、第1の処理衛星差モジュール111により行われる。第2の処理が、0からλの間の第2の不連続点に対して、第2の処理衛星差モジュール112により行われる。第1および第2の処理は、同じ時間に、および同じ入力データに関して、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112により行われる。
【0025】
[28]第1の処理衛星差モジュール111は、+λ/2から−λ/2の間で正規化された差を第1の分散算出モジュール113に出力し、その第1の分散算出モジュール113が、+λ/2から−λ/2の間で正規化された差に対する第1の分散を決定する。第2の処理衛星差モジュール112は、0からλの間で正規化された差を第2の分散算出モジュール114に出力し、その第2の分散算出モジュール114が、0からλの間で正規化された差に対する第2の分散を決定する。
【0026】
[29]第1の分散算出モジュール113および第2の分散算出モジュール114からの出力が、選択論理115に入力される。選択論理115は、第1の処理および第2の処理のどちらが最も小さな分散を生成したかを決定する。第1の分散算出モジュール113の出力からの第1の分散が、第2の分散算出モジュール114の出力からの第2の分散より小さいならば、デュアル処理衛星差計算モジュール110は、+λ/2から−λ/2の間で正規化された差に関連するデータを二重差計算モジュール120に出力するように構成される。第2の分散算出モジュール114から出力される第2の分散が、第1の分散算出モジュール113の出力からの第1の分散より小さいならば、デュアル処理衛星差計算モジュール110は、0からλの間で正規化された差に関連するデータを二重差計算モジュール120に出力するように構成される。
【0027】
[30]二重差計算モジュール120は、デュアル処理衛星差計算モジュール110からデータを入力するように、および、勾配推定器モジュール130に入力を提供するように通信可能に結合される。プロセッサ160は、デュアル処理衛星差計算モジュール110、二重差計算モジュール120、および、勾配推定器モジュール130内のソフトウェアを実行するように通信可能に結合される。メモリ150は、本明細書で説明される機能を遂行するために必要とされるように、デュアル処理衛星差計算モジュール110、二重差計算モジュール120、および、勾配推定器モジュール130を相互にインターフェース接続するように通信可能に結合される。
【0028】
[31]メモリ150は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性メモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、および/または、プロセッサ160の内部のレジスタなどの、現在知られている、または後に開発される任意の適したメモリを備える。記憶媒体170は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、不揮発性記憶装置、リードオンリーメモリ(ROM)などの、現在知られている、または後に開発される任意の記憶デバイスを備える。1つの実装形態ではプロセッサ160は、マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを備える。さらにプロセッサ160およびメモリ150は、
図2では別個の要素として示されるが、1つの実装形態では、プロセッサ160およびメモリ150は、単一のデバイス(例えば、単一の集積回路デバイス)で実装される。1つの実装形態ではプロセッサ160は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの、プロセッササポートチップおよび/またはシステムサポートチップを備える。
【0029】
[32]次に処理モジュール100の実装形態が、
図2〜
図6を参照して詳細に説明される。方法300が、モニタされる衛星200−1との比較のために、衛星の部分集合200(2〜K)(Kは、N以下の整数である)を使用する4つの基準受信機251〜254に対して説明される。衛星200(1〜N)は、基準受信機251〜254の視界内にある。本明細書で規定されるように、衛星から送信される無線周波数信号が、基準受信機で追跡されるのに充分なパワーを伴ってアンテナにより受信される場合に、衛星は基準受信機の視界内にある。
【0030】
[33]
図3は、
図2の処理モジュール100内のデュアル処理衛星差計算モジュール110で、基準受信機から搬送波位相測定値を受信するための方法300の1つの実施形態を表す流れ図を示す。方法300は、
図1に示されるような電離層遅延勾配に対してモニタするための地上局90を参照して説明されるが、方法300は、本文書を読む当業者により理解可能であるように、システムの他の実施形態を使用して実装され得るということが理解されるべきである。
【0031】
[34]ブロック302では、少なくとも2つの基準受信機251〜254が、相互に対する知られている幾何学的関係性で布置される。この実施形態の1つの実装形態では、4つの基準受信機251〜254が、相互に対する知られている幾何学的関係性で布置される。この実施形態の別の実装形態では、4つの基準受信機251〜254が、処理モジュール100の近傍に布置される。ブロック304では、無線周波数信号450−1および450−2が、最も少ない2つの基準受信機251〜254で、モニタされる衛星200−1および少なくとも1つの他の衛星200−2から同時に受信される。この実施形態の1つの実装形態では、無線周波数信号450(1〜K)が、4つの基準受信機251〜254で、それぞれのモニタされる衛星200−1およびK−1個の他の衛星200(2〜K)から同時に受信されるものであり、ただし、KはN以下の整数である。基準受信機は、どの信号がどの衛星から来たかを、各々の衛星に固有の擬似ランダムコードにより、または、衛星を識別するために使用される衛星から受信される他のデータにより決定することが可能である。
【0032】
[35]ブロック306では、基準受信機251〜254が、モニタされる衛星200−1から受信される無線周波数信号450−1に対する、および、別の衛星200−2から同時に受信される無線周波数信号に対する搬送波位相測定値を生成する。4つの基準受信機251〜254が存在し、K−1個の他の衛星200(2〜K)が、モニタされる衛星200−1に加えて使用されている場合、基準受信機251〜254は、モニタされる衛星200−1から受信される無線周波数信号450−1に対する、および、K−1個の他の衛星200(2〜K)から同時に受信される無線周波数信号450(2〜K)に対する搬送波位相測定値を生成する。1つの実施形態では、他の衛星200(2〜N)のすべてが、モニタされる衛星200−1をモニタするために使用される。基準受信機251〜254は、ワイヤレスまたは有線のリンク105(
図1)を介して、処理モジュール100に、生成された搬送波位相測定値を指し示す情報を送出する。
【0033】
[36]ブロック308では、処理モジュール100のデュアル処理衛星差計算モジュール110が、少なくとも2つの基準受信機251〜254から、生成された搬送波位相測定値を受信する。この実施形態の1つの実装形態では、処理モジュール100のデュアル処理衛星差計算モジュール110内の第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112が各々、少なくとも2つの基準受信機251〜254から、生成された搬送波位相測定値を受信し、衛星差が、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112の両方で計算される。この実施形態の別の実装形態では、デュアル処理衛星差計算モジュール110内のソフトウェアが、少なくとも2つの基準受信機251〜254から、生成された搬送波位相測定値を受信し、衛星差を決定し、次いで、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112に差を提供する。この実施形態では、
図4を参照して下記で説明されるブロック404および406でのプロセスは実装されない。
【0034】
[37]ブロック310では、方法300のフローが、次いで、
図4を参照して下記で説明される方法400のブロック402に進行する。
[38]
図4は、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112で、搬送波位相測定値をデュアル処理するための方法400の1つの実施形態を表す流れ図を示す。方法400は、
図1に示されるような電離層遅延勾配に対してモニタするための地上局90を参照して、および、
図2に示される処理モジュール100を参照して説明されるが、方法400は、本文書を読む当業者により理解可能であるように、システムの他の実施形態を使用して実装され得るということが理解されるべきである。方法400に対するフローは、各々の基準受信機251〜254に対する各々のサンプル期間の間に行われる。
【0035】
[39]処理モジュール100内のプロセッサ160は、プロセッサ可読媒体(その媒体上でプログラム命令が実施される)を備えるプログラム製品を実行して、デュアル処理衛星差計算モジュール110に、方法400のブロック404〜426を参照して下記で説明される機能を遂行させる。ブロック404、408、412、および416で実装されるプロセスは、本明細書では、「第1の処理モード」または「通常の障害のない処理モード」とも呼ばれる第1の処理である。ブロック406、410、414、および418で実装されるプロセスは、本明細書では、「第2の処理モード」または「大きな勾配処理モード」とも呼ばれる第2の処理である。
【0036】
[40]ブロック402では、フローが、
図3の方法300のブロック310からブロック404およびブロック406に進行する。
[41]ブロック404では、第1の処理衛星差モジュール111が衛星差を計算する。デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第1の処理衛星差モジュール111は、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星からの信号の間の搬送波位相測定値の差を決定する。搬送波位相測定値は、少なくとも2つの基準受信機251〜254から第1の処理衛星差モジュール111に入力される。第1の処理衛星差モジュール111は、基準受信機251〜254で、モニタされる衛星200−1から受信される無線周波数信号450−1と、基準受信機251〜254で、他の衛星の少なくとも部分集合200(2〜K)から受信される無線周波数信号450(2〜K)との間の搬送波位相測定値の差を決定する。
【0037】
[42]ブロック406では、第2の処理衛星差モジュール112が衛星差を計算する。ブロック404および406は、同じ時間に、またはほとんど同じ時間に行われる。搬送波位相測定値は、少なくとも2つの基準受信機251〜254から第2の処理衛星差モジュール112に入力される。処理衛星差計算モジュール110内の第2の処理衛星差モジュール112は、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星からの信号の間の搬送波位相測定値の差を決定する。第2の処理衛星差モジュール112は、基準受信機251〜254で、モニタされる衛星200−1から受信される無線周波数信号450−1と、基準受信機251〜254で、他の衛星の少なくとも部分集合200(2〜K)から受信される無線周波数信号450(2〜K)との間の搬送波位相測定値の差を決定する。
【0038】
[43]例えば第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、第1の基準受信機251での第1の衛星200−1に対する瞬間的搬送波位相測定値と、第1の基準受信機251での第2の衛星200−2に対する瞬間的搬送波位相測定値との間の差を入手する。第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、第2の基準受信機252での第1の衛星200−1に対する瞬間的搬送波位相測定値と、第2の基準受信機252での第2の衛星200−2に対する瞬間的搬送波位相測定値との間の差を入手する。第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、第3の基準受信機253での第1の衛星200−1に対する瞬間的搬送波位相測定値と、第3の基準受信機253での第2の衛星200−2に対する瞬間的搬送波位相測定値との間の差を入手する。
【0039】
[44]他の衛星の部分集合内に2つの衛星200(2〜3)が存在する場合、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、第1の基準受信機251での第1の衛星200−1に対する瞬間的搬送波位相測定値と、第1の基準受信機251での第3の衛星200−3に対する瞬間的搬送波位相測定値との間の差を入手する。第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、第2の基準受信機252での第1の衛星200−1に対する瞬間的搬送波位相測定値と、第2の基準受信機252での第3の衛星200−3に対する瞬間的搬送波位相測定値との間の差を入手する。第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、第3の基準受信機253での第1の衛星200−1に対する瞬間的搬送波位相測定値と、第3の基準受信機253での第3の衛星200−3に対する瞬間的搬送波位相測定値との間の差を入手する。
【0040】
[45]このようにして、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、各々の基準受信機に対して(適切な波長領域での)(K−1)個の差δΦ
mn,kを確立するものであり、ただし「m」は、第mの基準受信機を表す正の整数であり、「n」は、第nの共通に評価される衛星(モニタされる衛星)を表す正の整数であり、「k」は、第kの他の衛星を表す正の整数である。
【0041】
[46]本明細書で規定されるように、通常の障害のない処理モードによる、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第1の処理衛星差モジュール111で処理される搬送波位相測定値の差は、「第1の衛星差」である。同様に本明細書で規定されるように、大きな勾配処理モードによる、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第2の処理衛星差モジュール112で処理される搬送波位相測定値の差は、「第2の衛星差」である。この実施形態の1つの実装形態では、第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112は各々、搬送波位相測定値の差を決定するためのソフトウェアを別個に実行して、それぞれの第1の衛星差および第2の衛星差を決定する。この実施形態の別の実装形態では、差が、デュアル処理衛星差計算モジュール110の内部で生成され、次いで差が、さらなる処理のために第1の処理衛星差モジュール111および第2の処理衛星差モジュール112の両方に入力される。
【0042】
[47]搬送波位相測定値の差(すなわち、第1の衛星差および第2の衛星差)は、行列フォーマットで示され得る。4つの衛星(モニタされる衛星を含む)が存在するとき、第1の基準受信機251に対する差行列は、以下の形式を有する。
【0044】
[48]デュアル処理衛星差計算モジュール110は同様に、以下の形式を有する、第2の基準受信機252に対する差行列を生成する。
【0046】
[49]デュアル処理衛星差計算モジュール110は同様に、以下の形式を有する、第3の基準受信機253に対する差行列を生成する。
【0048】
[50]デュアル処理衛星差計算モジュール110は同様に、以下の形式を有する、第4の基準受信機254に対する差行列を生成する。
【0050】
[51]このようにデュアル処理衛星差計算モジュール110は、デュアル処理衛星差計算モジュール110に入力を提供する各々の基準受信機に対して(K−1)個の差δΦを算出するものであり、ただし、Kは部分集合内の衛星の数である。これらの差は、第1の衛星200−1、および、部分集合内の他の衛星200(2〜K)から送信される無線周波数信号450(1〜K)の間の、0°から360°での範囲内の相対位相を反映する。
【0051】
[52]ブロック408では、第1の処理衛星差モジュール111が、+λ/2から−λ/2の間で、ブロック404で計算された第1の衛星差を正規化する(すなわち、制限する)。
【0052】
[53]ブロック410では、第2の処理衛星差モジュール112が、0からλの間で、ブロック406で計算された第2の衛星差を正規化する(すなわち、制限する)。ブロック408および410は、同じ時間に、またはほとんど同じ時間に行われる。
【0053】
[54]ブロック412では、第1の処理衛星差モジュール111が、ブロック408で算出された、正規化された第1の衛星差の平均を計算する。ブロック414では、第2の処理衛星差モジュール112が、ブロック410で算出された、正規化された第2の衛星差の平均を計算する。ブロック412および414は、同じ時間に、またはほとんど同じ時間に行われる。
【0054】
[55]第1の処理衛星差モジュール111は、ブロック408で計算された、正規化された第1の衛星差、および、ブロック412で算出された、正規化された第1の衛星差の平均を、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第1の分散算出モジュール113に出力する。第2の処理衛星差モジュール112は、ブロック410で計算された、正規化された第2の衛星差、および、ブロック414で算出された、正規化された第2の衛星差の平均を、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第2の分散算出モジュール114に出力する。
【0055】
[56]ブロック416では、第1の分散算出モジュール(VCM)113が、第1の衛星差の第1の分散を計算する。第1の分散算出モジュール113は、第1の分散を、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の選択論理115に出力する。
【0056】
[57]ブロック418では、第2の分散算出モジュール114が、第2の衛星差の第2の分散を計算する。ブロック416および418は、同じ時間に、またはほとんど同じ時間に行われる。第2の分散算出モジュール114は、分散を、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の選択論理115に出力する。
【0057】
[58]デュアル処理衛星差計算モジュール110内の選択論理115は、第1の分散算出モジュール113および第2の分散算出モジュール114からの分散を入力する。ブロック420では、選択論理115は、第1の処理モードによって処理された選択された差、または、第2の処理モードによって処理された選択された差のうちの1つをさらなる処理のために出力することを選択する。選択論理115が、第1の処理モードによって計算されたデータ(第1のデータ)をさらなる処理のために出力することを選択するとき、第1の処理モードによって処理された第1の衛星差を指し示すデータは、「選択されたデータ」、「搬送波位相測定値での選択された差」、または「選択された第1のデータ」と呼ばれる。選択論理115が、第2の処理モードからのデータ(第2のデータ)をさらなる処理のために出力することを選択するとき、第2の処理モードによって処理された第2の衛星差を指し示すデータは、「選択されたデータ」、「搬送波位相測定値での選択された差」、または「選択された第2のデータ」と呼ばれる。選択は、第1の処理モードおよび第2の処理モードの差の計算された分散に基づく。この実施形態の1つの実装形態では、選択論理115は、+λ/2から−λ/2の間で正規化された差に対して第1の分散算出モジュール113により計算された分散が、0からλの間で正規化された差に対して第2の分散算出モジュール114により計算された分散未満であるかどうかを決定する。
【0058】
[59]この実施形態の1つの実装形態では、選択論理115は、第1の処理モードにより生成された第1の分散が分散しきい値未満であり、平均値が(−λ/4から+λ/4の)間であるならば、通常の障害のない処理モードを選択する。この後者の事例において、通常の障害のない処理モードに対して生成された分散が分散しきい値より大きく、平均値が(−λ/4から+λ/4の)間であるとき、選択論理115は、0からλの間で正規化された差を伴う、大きな勾配処理モードを選択する。
【0059】
[60]次にこのデュアル処理の利点が、
図5Aおよび
図5Bを参照して説明される。
図5Aは、通常の障害のない処理モードに対する−λ/2から+λ/2の間の不連続点505を伴う波長円線
図501を示す。
図5Bは、大きな勾配処理モードに対する0から+λの間の不連続点507を伴う波長円線
図502を示す。
【0060】
[61]波長円線
図501および502は、不連続点の近くの搬送波位相差が、衛星200(1〜N)から来る信号450(1〜N)での誤差にどのように関連付けられるかの視覚的指示を提供する。理想的には差/誤差は、波長円線
図501上の0である。搬送波位相の差/誤差は、本来は角度単位(すなわち、度)であるが、360度を衛星搬送波信号の1つの波長(λ)に等しいと設定することにより、距離単位にもまた変換される。例えば衛星搬送波波長が190mmであるならば、180度の角度位相差は「半波長」または「95mm」に等しい。
【0061】
[62]波長円線
図501は、通常の障害のない処理モードでの各々のサンプル時間期間での基準受信機251〜254(
図1)の各々に対する衛星搬送波位相差を表す。通常の障害のない処理モードは、本明細書では、「定格処理」または「定格処理モード」とも呼ばれる。通常の障害のない処理モードに対しては、±λ/2の近くに不連続点が存在する。信号が0から負の方向に(波長円線
図501の周囲を時計回りで)−λ/4を通って−λ/2に進み、180°を通過する場合、衛星搬送波位相差は不連続点505に遭遇し、−λ/2から+λ/2に急転する。同様に、信号が0から正の方向に(波長円線
図501の周囲を反時計回りで)+λ/4を通って+λ/2に進み、180°を通過する場合、衛星搬送波位相差は不連続点505に遭遇し、+λ/2から−λ/2に急転する。衛星搬送波位相差が、波長円線
図501において+λ/2から−λ/2への不連続点505を通過するとき、通常の障害のない処理モードに対しての電離層勾配モニタからの出力には不正確さが存在する。この事例では、ブロック416で算出される分散の平均は大きい。
【0062】
[63]波長円線
図502は、大きな勾配処理モードでの各々のサンプル時間期間での基準受信機251〜254の各々に対する衛星搬送波位相差を表す。大きな勾配処理モードに対しては、0およびλの近くに不連続点が存在する。信号が+λ/2から負の方向に(波長円線
図502の周囲を時計回りで)+λ/4を通って0に進み、0を通過する場合、衛星搬送波位相差は不連続点507に遭遇し、0から+λに急転する。同様に、信号が+λ/2から正の方向に(波長円線
図502の周囲を反時計回りで)+3λ/4を通って+λに進み、+λを通過する場合、衛星搬送波位相差は不連続点507に遭遇し、+λから0に急転する。衛星搬送波位相差が、波長円線
図502において+λから0への不連続点507を通過するとき、大きな勾配処理モードに対しての電離層勾配モニタからの出力には不正確さが存在する。この事例では、ブロック418で算出される分散の平均は大きい。
【0063】
[64]デュアル処理衛星差計算モジュール110は、基準受信機からのデータを処理するように、および、不連続点を通り過ぎる処理モードを拒絶する(または排除する)ように構成される。所与の基準受信機251〜254(
図1)に対するデータが+λから0での不連続点507を通過する場合、ブロック418で算出される分散の平均は大きい。この事例では、定格処理モード(第1のプロセス)からの出力が、下流でのさらなる処理のために選択される。
【0064】
[65]所与の基準受信機に対するデータが+λ/2から−λ/2での不連続点505を通過する場合、ブロック416で算出される分散の平均は大きい。この事例では、大きな勾配処理モード(第2のプロセス)からの出力が、下流でのさらなる処理のために選択される。
【0065】
[66]データが505または507での不連続点を通り過ぎない場合でも、デュアル処理衛星差計算モジュール110は、分散しきい値に基づいて、さらなる下流の処理のために最適な処理モードからの出力を選択するように構成される。
【0066】
[67]
図5Aに表されるような通常の障害のない処理モードが、最も小さな分散を有すると(ブロック420で)決定される場合、方法400のフローは、ブロック420からブロック422に進行する。ブロック422では、第1の処理モードによって計算された第1の衛星差を指し示す出力(第1のデータ)が、第1の分散算出モジュール113から二重差計算モジュール120に送出される。この実施形態の1つの実装形態では、第1の衛星差を指し示すデータは、選択論理115を介して二重差計算モジュール120に送出される。この実施形態の別の実装形態では、選択論理115は、第1の分散算出モジュール113に、二重差計算モジュール120に直接、第1の衛星差を指し示すデータを送出するように命令する。この後者の事例の一部の実施形態において、選択論理115は、第2の分散算出モジュール114に、そのサンプル時間期間の間、第2の衛星差を指し示すデータを削除するように命令する。方法400のフローは、ブロック422からブロック428に進行する。第1の衛星差を指し示すデータは、水平勾配を推定するためのさらなる処理のために必要とされる、第1の衛星差を指し示す情報である。同様に第2の衛星差を指し示すデータは、水平勾配を推定するためのさらなる処理のために必要とされる、第2の衛星差を指し示す情報である。
【0067】
[68]
図5Bに表されるような大きな勾配処理モードが、最も小さな分散を有すると(ブロック420で)決定される場合、方法400のフローは、ブロック420からブロック424に進行する。ブロック424では、デュアル処理衛星差計算モジュール110が、サンプル時間期間の間の測定値に+λ/2を加算することにより、+λ/2から−λ/2の範囲内で、逆戻りして平均差を正規化する。ブロック426では、第2の処理モードによって計算された第2の衛星差を指し示す出力(第2のデータ)が、第2の分散算出モジュール114から二重差計算モジュール120に送出される。この実施形態の1つの実装形態では、第2の衛星差を指し示す第2のデータは、選択論理115を介して二重差計算モジュール120に送出される。この実施形態の別の実装形態では、選択論理115は、第2の分散算出モジュール114に、二重差計算モジュール120に直接、第2の衛星差を指し示すデータを送出するように命令する。この後者の事例の一部の実施形態において、選択論理115は、第1の分散算出モジュール113に、そのサンプル測定期間の間、第1の衛星差を指し示すデータを削除するように命令する。方法400のフローは、ブロック426からブロック428に進行する。
【0068】
[69]ブロック428では、フローが
図6内のブロック602に進行する。
図6は、水平遅延勾配の大きさを決定するための方法600の1つの実施形態を表す流れ図を示す。方法600は、
図1に示されるような電離層遅延勾配に対してモニタするための地上局90を参照して、および、
図2に示される処理モジュール100を参照して説明されるが、方法600は、本文書を読む当業者により理解可能であるように、システムの他の実施形態を使用して実装され得るということが理解されるべきである。方法600に対するこのフローは、各々の基準受信機251〜254に対する各々のサンプル期間の間に行われる。
【0069】
[70]
図4を参照して上記で説明されたように、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第1の分散算出モジュール113、または、デュアル処理衛星差計算モジュール110内の第2の分散算出モジュール114のいずれかが、それぞれブロック422または426で、二重差計算モジュール120に、選択された出力(すなわち、選択されたデータ)を送出する。
【0070】
[71]二重差計算モジュール120は、第1の処理モードおよび第2の処理モードのうちの選択された1つによって処理された、選択されたデータを入力するように構成される。具体的には二重差計算モジュール120は、第1の分散算出モジュール113または第2の分散算出モジュール114のいずれかから、差δΦ
mn,kを受け入れる。
【0071】
[72]方法600のフローは、ブロック602からブロック604に進行する。ブロック604では、二重差計算モジュール120は、基準受信機の対270、271、および272の間の二重差(d
n,k)を形成する。第1の対270に対する二重差は、第1の基準受信機251と第2の基準受信機252との間のδΦ
mn,kの差であり、そのことは数学的には次式のように表される。
【0072】
d
n,k[RR1,RR2]=δΦ
2n,k−δΦ
1n,k (5)
[73]4つの基準受信機が存在する場合、第1の対270の間の二重差は、d
n,k[RR1,RR2]=δΦ
2n,k−δΦ
1n,kにより得られ、第2の対271の間の二重差は、d
n,k[RR1,RR3]=δΦ
3n,k−δΦ
1n,kにより得られ、第3の対272の間の二重差は、d
n,k[RR1,RR4]=δΦ
4n,k−δΦ
1n,kにより得られる。
【0073】
[74]ブロック606では、二重差計算モジュール120は、対内の基準受信機の知られている位置の差に対して二重差を補整する。この補整は、位置の差が衛星への見通し線上に投射される、幾何学的補整プロセスである。(対270〜272内の)共通の基準受信機251の、他の基準受信機252〜254に対する知られている幾何学的関係性、および、見通し線を規定する単位ベクトルが、プロセスのこのステップで使用される。上記で説明されたように、知られている幾何学的関係性は、第1の基準受信機251から第2の基準受信機252へのベクトル
a、第1の基準受信機251から第3の基準受信機253へのベクトル
b、および、第1の基準受信機251から第4の基準受信機254へのベクトル
cにより指示される。
【0074】
[75]ブロック608では、二重差計算モジュール120は、それぞれの少なくとも2つの基準受信機251〜254に関連するアンテナに対して、仰角および方位角依存のアンテナ変動に対して補整する。この実施形態の1つの実装形態では、二重差計算モジュール120は、(球面調和関数などの)関数級数を使用して、アンテナに対して、仰角および方位角依存のアンテナ変動に対して補整する。この実施形態の別の実装形態では、二重差計算モジュール120は、作表された数および補間を使用して、アンテナに対して、仰角および方位角依存のアンテナ変動に対して補整する。ブロック608は随意であり、一部の実施形態では、それぞれの基準受信機に関連するアンテナに対する、仰角および方位角依存のアンテナ変動に対する補整はない。
【0075】
[76]ブロック610では、二重差計算モジュール120は、補整された二重差に関する剰余演算を遂行する。剰余演算は、自然数の波長を減算することにより、マイナス2分の1波長からプラス2分の1波長(±λ/2)の範囲に位相を制限する。
【0076】
[77]この実施形態の1つの実装形態では、剰余の結果が、搬送波位相二重差ノイズ1σにより重み付けされるものであり、様々な基準受信機対に対するノイズ成分は、すべてが同じ重みを有するとは限らない。無線周波数信号450(1〜N)での大部分のノイズ誤差は、標準的なマルチパスおよび熱のノイズモデルに基づいて予測され得る。
【0077】
[78]1つの実施形態では、二重差計算モジュール120はさらに、二重差をフィルタリングして、ノイズ内容物を低減する。別の実施形態では、二重差計算モジュールは、補整された二重差を経時的に平均化するようにさらに構成される。さらに別の実施形態では、二重差計算モジュールは、補整された二重差を経時的に平均化することと、二重差をフィルタリングして、ノイズ内容物を低減することとを行うように構成される。
【0078】
[79]二重差計算モジュール120は、勾配推定器モジュール130に入力を提供するように通信可能に結合される。勾配推定器モジュール130に提供される入力は、(剰余演算を含めて)平均化された補整された二重差である。平均化された補整された二重差は、勾配推定器モジュール130で受け入れられる。この実施形態の1つの実装形態では、パリティチェックが、平均化された補整された二重差が勾配推定器モジュール130に送出される前に行われる。例えばパリティチェックは、GROUND−BASED SYSTEM AND METHOD TO EXTEND THE DETECTION OF EXCESSIVE DELAY GRADIENTS USING PARITY CORRECTIONS(パリティ補正を使用して過度遅延勾配の検出を拡張するための地上型システムおよび方法)という名称の、出願第14/253,445号として、本明細書とともに同じ日に出願された特許出願において説明されているように、平均化された補整された二重差が勾配推定器モジュール130に送出される前に行われる。
【0079】
[80]ブロック612では、勾配推定器モジュール130は、モニタされる衛星200−1と、基準受信機251〜254の対270〜272との間の電離層20内の勾配22から結果として生じる水平遅延勾配の大きさを推定する。水平遅延勾配は、地上基準受信機から衛星への見通し線に沿った異常電離層遅延勾配により引き起こされる。水平遅延勾配は、他の異常信号条件から結果として生じる場合もある。この実施形態の1つの実装形態では、水平遅延勾配は、Brennerによる、「Ground−based System and Method to Monitor for Excessive Delay Gradients(過度遅延勾配に対してモニタするための地上型システムおよび方法)」という名称の、本明細書に参照により完全に組み込まれる米国特許第8,094,064号において説明されているように決定される。
【0080】
[81]ブロック614では、勾配推定器モジュール130は、推定された勾配
【0082】
の少なくとも1つが、選択された勾配しきい値Tを上回るかどうかを決定する。選択された勾配しきい値は、メモリ150または記憶媒体170内に記憶される。選択された勾配しきい値は、そのしきい値がノイズのみにより上回られないように十分高く設定される。ノイズは、異なる方向では異なり得るものであり、このことは、勾配しきい値を設定するときに考慮される。勾配異常が存在するとき、し損なわれる検出の確率p
mdは、非心χ
2分布を使用することにより算出され得る。
【0083】
[82]ブロック616では、勾配推定器モジュール130は、水平遅延勾配の推定された大きさが、選択された勾配しきい値を上回る場合、警告を発する。警告は、警告信号および/または除外コマンドであり得る。1つの実施形態では、除外コマンドが、水平遅延勾配モニタ95から地上局ブロードキャスト92に送出される。別の実施形態では、警告信号が、水平遅延勾配モニタ95から地上局ブロードキャスト92に送出される。別の実施形態では、警告信号はさらに、水平遅延勾配モニタ95から地上局90に送出され、地上局90は、警告の発することに基づいて航空交通管制官に警告するためのディスプレイに通信可能に結合される。
【0084】
[83]ブロック618では、地上局90は、モニタされる衛星の少なくとも1つが、勾配しきい値を上回った推定された勾配を有する場合、ブロードキャストを中止するための、または、通信リンク41を介して航空機40に航法システムデータを提供することから、影響を受けたモニタされる衛星を除外するためのステップをとる。例えば地上局ブロードキャスト92は、勾配推定器モジュール130から出力される除外コマンドを受信し、領域内の航空機40に対するブロードキャストメッセージを修正して、航空機40が、勾配異常に遭遇しているモニタされる衛星からの情報を使用することを停止させる。必要であるならば地上局90は、モニタされる衛星の少なくとも1つが、勾配しきい値を上回った推定された勾配を有する場合、地上局ブロードキャスト92からのブロードキャストを中止するためのステップをとる。
【0085】
[84]この実施形態の1つの実装形態では、すべての二重差が、基準受信機251〜254の視界内のすべての有効な衛星200(1〜N)に対して、第1の基準受信機251と、すべての他の有効な基準受信機252〜254との間で形成される。この実施形態の別の実装形態では、二重差が、有効な衛星200(1〜N)の部分集合200(1〜K)に対して、第1の基準受信機251と、すべての他の有効な基準受信機252〜254との間で形成されるものであり、ただし、K≦Nである。別の実施形態では、基準受信機251〜254に送信しているすべての衛星200(1〜N)が、モニタされる衛星であり、他の衛星の部分集合が、モニタされる衛星の各々からの衛星信号においての水平遅延勾配を決定するために、本明細書で説明されるように使用される。さらに別の実施形態では、基準受信機251〜254に送信しているすべての衛星200(1〜N)が、モニタされる衛星であり、他の衛星のすべてが、モニタされる衛星の各々からの衛星信号においての水平遅延勾配を決定するために、本明細書で説明されるように使用される。
【0086】
[85]1つの実施形態では、水平面内の二乗x成分および二乗y成分の重み付き組み合わせが形成され、第2のしきい値と比較される。勾配しきい値が1つの衛星(例えば、第nの衛星)に対して上回られるが、他の衛星は1つもそれらの第2のしきい値を上回らない場合、異常が第nの衛星において検出されたということであり、第nの衛星は、航空機に航法データを提供することから除外される。
【0087】
[86]本明細書で説明されるシステムおよび方法の実施形態は、電離層の電子密度での異常勾配に起因する航空機内の航法システムに対する脅威を低減するために使用され得る。
例示的な実施形態
[87]例1は、衛星信号においての水平遅延勾配をモニタするための処理モジュールであって、少なくとも2つの基準受信機から少なくとも2つの衛星に対する搬送波位相測定値を受信することであって、少なくとも2つの衛星が、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星を含み、少なくとも2つの基準受信機が、相互に対する知られている幾何学的関係性を有する、受信することと、+λ/2から−λ/2の間で第1の衛星差を正規化するための第1の処理モードを実装することと、0からλの間で第2の衛星差を正規化するように構成される第2の処理モードを実装することと、第1の処理モードによって処理された第1の衛星差を指し示すデータ、および、第2の処理モードによって処理された第2の衛星差を指し示すデータのうちの1つをさらなる処理のために選択することとを行うように動作可能なデュアル処理衛星差計算モジュール、デュアル処理衛星差計算モジュールから入力される選択されたデータに基づいて、少なくとも2つの基準受信機の1つまたは複数の対の間の二重差を形成するように構成される二重差計算モジュール、ならびに、モニタされる衛星に対する平均化された補整された二重差に基づいて水平遅延勾配の大きさを推定するように構成される勾配推定器モジュールを備える、処理モジュールを含む。
【0088】
[88]例2は、デュアル処理衛星差計算モジュールが、正規化された第1の衛星差を平均化するように構成される第1の処理衛星差モジュールと、正規化された第1の衛星差の第1の分散を計算するための第1の分散算出モジュールと、正規化された第2の衛星差を平均化するように構成される第2の処理衛星差モジュールと、正規化された第2の衛星差の第2の分散を計算するための第2の分散算出モジュールと、第1の衛星差の第1の分散、および第2の衛星差の第2の分散に基づいてさらなる処理のために出力を選択するための選択論理とをさらに備える、例1の処理モジュールを含む。
【0089】
[89]例3は、第1の処理モードが、モニタされる衛星、および、少なくとも1つの他の衛星の少なくとも1つからの衛星信号の間の搬送波位相測定値の差を計算することと、第1の処理衛星差モジュールで+λ/2から−λ/2の間で正規化された第1の衛星差の平均を計算することと、第1の分散算出モジュールで第1の衛星差の第1の分散を計算することとを、デュアル処理衛星差計算モジュール内で行うようにさらに構成され、第2の処理モードが、第2の処理衛星差モジュールで0からλの間で正規化された第2の衛星差の平均を計算することと、第2の分散算出モジュールで第2の衛星差の第2の分散を計算することとを、デュアル処理衛星差計算モジュール内で行うようにさらに構成される、例1〜2のいずれかの処理モジュールを含む。
【0090】
[90]例4は、二重差計算モジュールが、それぞれの1つまたは複数の対内の基準受信機の、1つまたは複数の知られている位置の差に対して、1つまたは複数の対の間の二重差を補整することと、剰余演算を遂行して、補整された二重差を、マイナス2分の1波長からプラス2分の1波長の範囲に制限することとを行うようにさらに構成される、例1〜3のいずれかの処理モジュールを含む。
【0091】
[91]例5は、二重差計算モジュールが、補整された二重差をフィルタリングして、ノイズ内容物を低減するようにさらに構成される、例4の処理モジュールを含む。
[92]例6は、二重差計算モジュールが、補整された二重差を経時的に平均化するようにさらに構成される、例4〜5のいずれかの処理モジュールを含む。
【0092】
[93]例7は、二重差計算モジュールが、少なくとも2つの基準受信機にそれぞれ関連するアンテナに対して、仰角および方位角依存のアンテナ変動に対して補整するようにさらに構成される、例4〜6のいずれかの処理モジュールを含む。
【0093】
[94]例8は、勾配推定器モジュールが、遅延勾配の推定された大きさを、選択された勾配しきい値と比較するようにさらに構成される、例1〜7のいずれかの処理モジュールを含む。
【0094】
[95]例9は、モニタされる衛星に対する遅延勾配に対してモニタする方法であって、処理モジュールのデュアル処理衛星差計算モジュールで少なくとも2つの基準受信機から搬送波位相測定値を受信するステップであって、少なくとも2つの基準受信機が、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星から無線周波数信号を実質的に同時に受信する、受信するステップと、デュアル処理衛星差計算モジュール内の第1の処理衛星差モジュールでの、+λ/2から−λ/2の間で、計算された第1の衛星差を正規化するための第1の処理モードを実装するステップと、デュアル処理衛星差計算モジュール内の第2の処理衛星差モジュールでの、第2の処理衛星差モジュールで、0からλの間で、計算された第2の衛星差を正規化するための第2の処理モードを実装するステップと、第1の処理モードによって処理された第1の衛星差を指し示すデータ、および、第2の処理モードによって処理された第2の衛星差を指し示すデータのうちの1つをさらなる処理のために選択するステップと、処理モジュール内の二重差計算モジュールで、デュアル処理衛星差計算モジュールから入力される選択されたデータに基づいて、少なくとも2つの基準受信機の1つまたは複数の対の間の二重差を形成するステップと、処理モジュール内の勾配推定器モジュールで、モニタされる衛星に対する平均化された補整された二重差に基づいて水平遅延勾配の大きさを推定するステップとを含む、方法を含む。
【0095】
[96]例10は、第1の処理モードを実装するステップが、第1の処理衛星差モジュールで、少なくとも2つの基準受信機に対して、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星からの無線周波数信号の間の搬送波位相測定値の差を計算するステップと、+λ/2から−λ/2の間で正規化された第1の衛星差を平均化するステップと、正規化された第1の衛星差の第1の分散を計算するステップとをさらに含む、例9の方法を含む。
【0096】
[97]例11は、第2の処理モードを実装するステップが、0からλの間で正規化された第2の衛星差を平均化するステップと、正規化された第2の衛星差の第2の分散を計算するステップとをさらに含み、さらなる処理のために選択するステップが、第1の分散および第2の分散に基づく、例10の方法を含む。
【0097】
[98]例12は、補整された二重差に関する剰余演算を遂行して、補整された二重差を、マイナス2分の1波長からプラス2分の1波長の範囲に制限するステップをさらに含む、例9〜11のいずれかの方法を含む。
【0098】
[99]例13は、水平遅延勾配の推定された大きさが、選択された勾配しきい値を上回るかどうかを決定するステップをさらに含む、例9〜12のいずれかの方法を含む。
[100]例14は、水平遅延勾配の推定された大きさが、選択された勾配しきい値を上回る場合、警告を発するステップと、警告の発するステップに基づいて、航空機に航法システムデータを提供することから衛星を除外するステップとをさらに含む、例13の方法を含む。
【0099】
[101]例15は、水平遅延勾配の推定された大きさが、選択された勾配しきい値を上回る場合、航空機に航法システムデータを提供することから、モニタされる衛星を除外するステップをさらに含む、例13〜14のいずれかの方法を含む。
【0100】
[102]例16は、モニタされる衛星に対する水平遅延勾配に対してモニタするための地上型システムであって、相互に対する知られている幾何学的関係性で布置される少なくとも2つの基準受信機であって、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星から無線周波数信号を実質的に同時に受信するように構成される、少なくとも2つの基準受信機、ならびに、少なくとも2つの基準受信機に通信可能に結合される処理モジュールであって、少なくとも2つの基準受信機から少なくとも2つの衛星に対する搬送波位相測定値を受信することであって、少なくとも2つの衛星が、モニタされる衛星および少なくとも1つの他の衛星を含み、少なくとも2つの基準受信機が、相互に対する知られている幾何学的関係性を有する、受信することと、+λ/2から−λ/2の間で第1の衛星差を正規化するための第1の処理モードを実装することと、0からλの間で第2の衛星差を正規化するように構成される第2の処理モードを実装することと、第1の処理モードによって処理された第1の衛星差を指し示すデータ、および、第2の処理モードによって処理された第2の衛星差を指し示すデータのうちの1つをさらなる処理のために選択することとを行うように動作可能なデュアル処理衛星差計算モジュールを含む、処理モジュールを備える、地上型システムを含む。
【0101】
[103]例17は、デュアル処理衛星差計算モジュールが、正規化された第1の衛星差を平均化するように構成される第1の処理衛星差モジュールと、正規化された第1の衛星差の第1の分散を計算するための第1の分散算出モジュールと、正規化された第2の衛星差を平均化するように構成される第2の処理衛星差モジュールと、正規化された第2の衛星差の第2の分散を計算するための第2の分散算出モジュールと、第1の分散および第2の分散に基づいてさらなる処理のために出力を選択するための選択論理とを含む、例16の地上型システムを含む。
【0102】
[104]例18は、処理モジュールが、少なくとも2つの基準受信機の対の間の二重差を形成することと、対内の基準受信機の知られている位置の差に対して、対の間の二重差を補整することと、剰余演算を遂行して、補整された二重差を、マイナス2分の1波長からプラス2分の1波長の範囲に制限することとを行うように動作可能な二重差計算モジュールをさらに含む、例16〜17のいずれかの地上型システムを含む。
【0103】
[105]例19は、処理モジュールが、モニタされる衛星に対する平均化された補整された二重差に基づいて水平遅延勾配の大きさを推定するように構成される勾配推定器モジュールをさらに備える、例16〜18のいずれかの地上型システムを含む。
【0104】
[106]例20は、勾配推定器モジュールが、遅延勾配の推定された大きさを、選択された勾配しきい値と比較するようにさらに動作可能である、例19の地上型システムを含む。
【0105】
[107]特定の実施形態が本明細書で例示および説明されたが、同じ目的を実現するように作られる任意の配置構成が、示された特定の実施形態に対して代用され得るということが、当業者により十分認識されよう。本出願は、本発明の任意の改変または変形に及ぶことが意図される。したがって、本発明は、特許請求の範囲およびその等価物のみにより限定されるということが明白に意図される。