特許第6545982号(P6545982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6545982
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】自動改札機
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20190705BHJP
【FI】
   G07B15/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-49335(P2015-49335)
(22)【出願日】2015年3月12日
(65)【公開番号】特開2016-170586(P2016-170586A)
(43)【公開日】2016年9月23日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 唯
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−032090(JP,A)
【文献】 特開平05−342438(JP,A)
【文献】 特開2004−213528(JP,A)
【文献】 特開2014−059829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00 − 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通路の第1側方に配置され、前記第1通路に対面する側面部を有した第1筐体と、
前記第1筐体の前記側面部に設けられ、指向方向を斜め上方に向けるとともに、前記指向方向の中心軸の延長線が、前記第1通路の隣に設けられる第2通路の幅方向の中心において前記第2通路の底面から200cm以上の高さを通るように取り付けられる指向性の第1放音器と、
前記第1筐体の前記側面部に設けられ、前記第1放音器に比べて低い高さに向けられた指向性の第3放音器と、
前記第1通路の利用者の媒体から前記利用者の属性に関する情報を取得する読取部と、
前記読取部が取得する前記利用者の属性に関する情報に基づき、前記第1放音器および前記第3放音器のいずれかを選択して動作させる制御部と、
前記第1通路の第2側方に配置され、前記第1通路に対面する側面部を有した第2筐体と、を備え、
前記第3放音器の指向方向の中心軸は、前記第2筐体の前記側面部に向けられ、
前記第2筐体の前記側面部は、防音材を有する、
自動改札機。
【請求項2】
前記第1通路の第2側方に配置され、前記第1通路に対面する側面部を有した第2筐体と、
前記第2筐体の前記側面部に設けられ、指向方向を斜め上方に向けるとともに、前記指向方向の中心軸の延長線が、前記第2通路とは反対側で前記第1通路の隣に設けられる第3通路の幅方向の中心において前記第3通路の底面から200cm以上の高さを通るように取り付けられる指向性の第2放音器と、
をさらに備える請求項1に記載の自動改札機。
【請求項3】
前記第1放音器は、複数の指向方向に放音可能であり、
前記制御部は、前記読取部が取得する前記利用者に関する情報に基づき、前記複数の指向方向から少なくとも一つの指向方向を選択して前記第1放音器を動作させる、
請求項1に記載の自動改札機。
【請求項4】
前記媒体は、前記利用者の身長に関する情報を登録可能な記憶部を有し、
前記読取部は、前記媒体の前記記憶部から前記利用者の身長に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記読取部が取得する前記利用者の身長に関する情報に基づき、前記複数の指向方向から少なくとも一つの指向方向を選択して前記第1放音器を動作させる、
請求項に記載の自動改札機。
【請求項5】
前記媒体は、案内の放音角度についての前記利用者の設定を登録可能な記憶部を有し、
前記読取部は、前記媒体の前記記憶部から前記利用者の前記設定に関する情報を取得し、
前記制御部は、前記読取部が取得する前記利用者の前記設定に関する情報に基づき、前記複数の指向方向から少なくとも一つの指向方向を選択して前記第1放音器を動作させる、
請求項に記載の自動改札機。
【請求項6】
第1通路の第1側方に配置され、前記第1通路に対面する側面部を有した第1筐体と、
前記第1通路の第2側方に配置され、前記第1通路に対面する側面部を有した第2筐体と、
前記第1筐体の前記側面部に設けられ、指向方向を斜め上方に向けるとともに、前記第2筐体の前記側面部に向けて放音して前記第2筐体の前記側面部で音を反射させ、反射した音の指向方向の中心軸の延長線が、前記第1通路の隣に設けられる第2通路の幅方向の中心において前記第2通路の底面から200cm以上の高さを通るように取り付けられる指向性の第1放音器と、
を備える自動改札機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動改札機に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカを備えた自動改札機が知られている。例えば、スピーカは、所定の条件を満たさない利用者が自動改札機に進入する場合に、通行不可であることを利用者に知らせる。
ところで、自動改札機のスピーカの音量は、安全面などの理由で比較的大きく設定される。そのため、スピーカからの音は、対象の利用者以外の利用者にも聞こえてしまう場合がある。その結果、通行可能の利用者が、隣の自動改札機の通行不可の案内を自分の結果として誤認識し、通行を躊躇う可能性がある。また、通行不可の利用者が、隣の自動改札機の通行可能の案内を誤認識し、自動改札機の奥までそのまま進入する可能性もある。このように従来の技術では、利用者の利便性が十分に満たされない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−32090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利用者の利便性の向上を図ることができる自動改札機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の自動改札機は、第1筐体と、指向性の第1放音器と、第3放音器と、読取部と、制御部と、第2筐体とを持つ。前記第1筐体は、第1通路の第1側方に配置される。前記第1筐体は、前記第1通路に対面する側面部を有する。前記第1放音器は、前記第1筐体の前記側面部に設けられる。前記第1放音器は、指向方向を斜め上方に向けるとともに、前記指向方向の中心軸の延長線が、前記第1通路の隣に設けられる第2通路の幅方向の中心において前記第2通路の底面から200cm以上の高さを通るように取り付けられる。第3放音器は、前記第1筐体の前記側面部に設けられ、前記第1放音器に比べて低い高さに向けられた指向性の放音器である。読取部は、前記第1通路の利用者の媒体から前記利用者の属性に関する情報を取得する。制御部は、前記読取部が取得する前記利用者の属性に関する情報に基づき、前記第1放音器および前記第3放音器のいずれかを選択して動作させる。第2筐体は、前記第1通路の第2側方に配置され、前記第1通路に対面する側面部を有する。第3放音器の指向方向の中心軸は、前記第2筐体の前記側面部に向けられている。第2筐体の前記側面部は、防音材を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の自動改札機を示す斜視図。
図2】第1の実施形態の自動改札機のシステム構成の一部を示すブロック図。
図3】第1の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図4】第1の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図5】第1の実施形態の自動改札機の第1機器を示す側面図。
図6】第1の実施形態の自動改札機の一つの変形例を示す正面図。
図7】第2の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図8】第2の実施形態の自動改札機のシステム構成の一部を示すブロック図。
図9】第2の実施形態の自動改札機の制御フローの一例を示すフローチャート。
図10】第2の実施形態の自動改札機の一つの変形例を示す正面図。
図11】第3の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図12】第4の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図13】第4の実施形態の利用者の媒体を示す上面図。
図14】第4の実施形態の自動改札機の制御フローの一例を示すフローチャート。
図15】第5の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図16】第6の実施形態の自動改札機を示す正面図。
図17】第7の実施形態の自動改札機を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の自動改札機を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、略同じまたは類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それらの重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、図1から図5を参照して、第1の実施形態の自動改札機Gを説明する。
図1は、自動改札機Gの外観構成を示す。自動改札機Gは、例えば鉄道の駅に設置される。図1に示すように、自動改札機Gは、第1機器1と、第2機器2とを含む。第1機器1と第2機器2は、互いの間を離すとともに、互いに対向して配置される。第1機器1と第2機器2との間には、利用者(乗客)が通る通路R1が形成される。
【0009】
本実施形態の自動改札機Gは、通路R1を第1方向Aに通る利用者と、通路R1を第2方向Bに通る利用者の両方に対応するものである。詳しく述べると、自動改札機Gは、第1機器1と第2機器2とを一つのセットとして用いる。第1機器1は、通路R1を第1方向Aに通る利用者に対して改札処理を行う。第2機器2は、通路R1を第2方向Bに通る利用者に対して改札処理を行う。
なお、本実施形態が適用可能な自動改札機Gは、上記例に限定されない。例えば、自動改札機Gは、一方向のみに利用者が通るものでもよい。
【0010】
本実施形態では、第1機器1と第2機器2とは、制御部10(後述)の有無を除いて互いに略同じである。そのため、以下ではまず、第1機器1について説明する。そして次に、第2機器2について第1機器1と異なる部分を中心に説明する。
【0011】
図1に示すように、第1機器1は、第1筐体11、磁気券投入口12、磁気券排出口13、磁気券処理部14、ICカードI/F(インターフェース)部15、表示部16、扉17a,17b、第1スピーカ18a,18b、第1ブザー19、および制御部10を備える。
【0012】
第1筐体11は、第1機器1の外郭を構成する。第1筐体11は、通路R1の第1側方に配置される。第1筐体11は、上面部11aと、側面部11bとを有する。上面部11aは、上方に向いている。側面部11bは、上面部11aの側縁から下方に向けて延びている。例えば、側面部11bは、略鉛直方向に延びている。側面部11bは、通路R1に対面する。
【0013】
磁気券投入口12および磁気券排出口13は、第1筐体11の上面部11aに設けられる。磁気券処理部14は、第1筐体11の内部に設けられる。利用者は、磁気券投入口12に磁気券Kを投入可能である。磁気券投入口12に投入された磁気券Kは、磁気券処理部14によって情報が読み取られ、必要に応じて磁気券排出口13から排出される。
磁気券Kは、「媒体(利用者の媒体)」の一例である。磁気券処理部14は、利用者の媒体から情報を取得する読取部の一例である。
【0014】
ICカードI/F部15は、第1筐体11の上面部11aに設けられる。ICカードI/F部15は、ICカードCと通信可能なリーダライタを含む。
ICカードCは、「媒体(利用者の媒体)」の他の一例である。ICカードI/F部15は、利用者の媒体から情報を取得する読取部の他の一例である。
なお、ICカードI/F部15は、ICカードCに加えて、決済機能を持つ他の電子デバイスと通信可能でもよい。決済機能を持つ電子デバイスの一例は、携帯電話である。電子デバイスは、「媒体(利用者の媒体)」のさらに別の一例である。
【0015】
表示部16は、第1筐体11の上面部11aに設けられる。表示部16は、磁気券KまたはICカードCなどを処理した結果として得られる情報(チャージ残額など)を表示する。
【0016】
扉17a,17bは、第1筐体11の側面部11bに設けられる。
一方の扉17aは、第2機器2の扉27aとセットで用いられる。扉17aは、第1方向Aに移動する利用者が通行可能と判定された場合に開かれる。また、扉17aは、第1方向Aに移動する利用者が通行不可と判定された場合に閉じられる。
同様に、他方の扉17bは、第2機器2の扉27bとセットで用いられる。扉17bは、第2方向Bに移動する利用者が通行可能と判定された場合に開かれる。また、扉17bは、第2方向Bに移動する利用者が通行不可と判定された場合に閉じられる。
【0017】
ここで、通路R1は、第1通路口P1と、第2通路口P2とを有する。第1通路口P1は、第1機器1の扉17bと第2機器2の扉27bとによって開閉される自動改札機Gの出入口である。第2通路口P2は、第1通路口P1とは反対側の出入口である。すなわち、第2通路口P2は、第1機器1の扉17aと第2機器2の扉27aとによって開閉される自動改札機Gの出入口である。
【0018】
図1に示すように、第1スピーカ18a,18bは、第1筐体11の側面部11bに設けられる。第1スピーカ18a,18bの各々は、「第1放音器」の一例である。
【0019】
一方の第1スピーカ18aは、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。第1スピーカ18aは、第1方向Aに移動する利用者が通行可能と判定された場合に、音による第1案内を出力する。第1案内は、通行可能に対応して任意に設定される音声案内である。なお、本願でいう「音声案内」とは、言語による案内に限定されず、電子的な応答音を含む意味で用いられる。例えば、第1案内は、「ピッ」と音が鳴るビープ音でもよい。
また、第1スピーカ18aは、第1方向Aに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、音による第2案内を出力する。第2案内は、通行不可に対応して任意に設定される音声案内である。例えば、第2案内は、「ピー」と音が鳴るビープ音でもよい。
【0020】
他方の第1スピーカ18bは、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。第1スピーカ18bは、第2方向Bに移動する利用者が通行可能と判定された場合に、前記第1案内を出力する。また、第1スピーカ18bは、第2方向Bに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、前記第2案内を出力する。
【0021】
図1に示すように、第1ブザー19は、第1筐体11の側面部11bに設けられる。例えば、第1ブザー19は、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。第1ブザー19は、所定の条件が満たされる場合に、音による第3案内を出力する。例えば、第1ブザー19は、第1方向Aに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、音による第3案内を出力する。第3案内は、通行不可であることを知らせるブザー音である。
【0022】
制御部10は、第1筐体11内に設けられる。例えば、制御部10は、CPU10aを含む制御基板(制御回路)によって形成される。例えば、制御部10は、第1機器1のみに設けられる。制御部10は、ケーブル(不図示)を介して第2機器2に電気的に接続される。これにより、制御部10は、第1機器1および第2機器2を統括的に制御する。なお、制御部10による制御の詳細は、後述する。
【0023】
次に、第2機器2について説明する。
なお、第1機器1と略同じまたは類似の機能を有する構成には、同一の符号を付す。そしてそれらの重複する説明は省略する。
第2機器2は、第2筐体21、磁気券投入口12、磁気券排出口13、磁気券処理部14、ICカードI/F部15、表示部16、扉27a,27b、第2スピーカ28a,28b、および第2ブザー29を備える。
【0024】
第2筐体21は、第2機器2の外郭を構成する。第2筐体21は、通路R1の第2側方に配置される。第2筐体21は、上面部21aと、側面部21bとを有する。上面部21aは、上方に向いている。側面部21bは、上面部21aの側縁から下方に向けて延びている。例えば、側面部21bは、略鉛直方向に延びている。側面部21bは、通路R1に対面する。第2筐体21の側面部21bは、通路R1に対して、第1筐体11の側面部11bとは反対側に位置する。言い換えると、第1筐体11の側面部11bと第2筐体21の側面部21bとによって通路R1が規定される。
【0025】
磁気券投入口12、磁気券排出口13、ICカードI/F部15、および表示部16は、第2筐体21の上面部21aに設けられる。磁気券処理部14は、第2筐体21の内部に設けられる。扉27a,27bは、第2筐体21の側面部21bに設けられる。
【0026】
図1に示すように、第2スピーカ28a,28bは、第2筐体21の側面部21bに設けられる。第2スピーカ28a,28bの各々は、「第2放音器」の一例である。
【0027】
一方の第2スピーカ28aは、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。第2スピーカ28aは、第1機器1の第1スピーカ18aとセットで用いられる。すなわち、第2スピーカ28aは、第1スピーカ18aと略同時に、前記第1案内または前記第2案内を出力する。
他方の第2スピーカ28bは、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。第2スピーカ28bは、第1機器1の第1スピーカ18bとセットで用いられる。すなわち、第2スピーカ28bは、第1スピーカ18bと略同時に、前記第1案内または前記第2案内を出力する。
【0028】
図1に示すように、第2ブザー29は、第2筐体21の側面部21bに設けられる。例えば、第2ブザー29は、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。第2ブザー29は、所定の条件が満たされる場合に、前記第3案内を出力する。例えば、第2ブザー29は、第2方向Bに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、前記第3案内を出力する。
【0029】
次に、自動改札機Gのシステム構成について説明する。
図2は、自動改札機Gのシステム構成の一部を示す。図2に示すように、自動改札機Gは、上述した構成に加えて、メモリ31、ドア制御部32、人間検知部33、および通信制御部34を有する。
【0030】
メモリ31は、例えば、磁気券KまたはICカードCなどの処理に必要な種々の情報を記憶する。例えば、メモリ31は、鉄道の料金テーブルを格納する。例えば、メモリ31は、半導体メモリを含むメモリデバイスによって形成される。
ドア制御部32は、扉17a,17b,27a,27bを開閉する。例えば、ドア制御部32は、扉17a,17b,27a,27bを開閉する駆動部(例えばモータ)と、前記駆動部を制御する制御回路とを含む。
【0031】
人間検知部33は、自動改札機Gに進入しようとする利用者の存在を検知する。例えば、人間検知部33は、第1機器1、第2機器2、または通路R1の底面R1a(図1参照)に設けられるセンサである。例えば、センサは、人感センサである。なお、センサの種類は、特に限定されない。
通信制御部34は、上位システム(例えば駅のサーバ)と通信可能である。例えば、通信制御部34は、通信制御回路によって形成される。
【0032】
次に、制御部10について説明する。
制御部10は、上述したメモリ31、ドア制御部32,人間検知部33、通信制御部34、磁気券処理部14、ICカードI/F部15,第1スピーカ18a,18b、第2スピーカ28a,28b、第1ブザー19、および第2ブザー29を統括的に制御する。
【0033】
制御部10は、利用者の通行の可否を判定する判定部10bを含む。例えば、判定部10bは、磁気券処理部14またはICカードI/F部15が取得する情報と、メモリ31に記憶された情報(例えば料金テーブル)とに基づき、利用者の入場または出場の演算処理を行う。例えば、判定部10bは、前記演算処理の結果が所定の条件を満たす場合に、利用者に対して通行可能の判定を行う。一方で、判定部10bは、前記演算処理の結果が所定の条件を満たさない場合に、利用者に対して通行不可の判定を行う。
【0034】
制御部10は、第1方向Aに移動する利用者に対して通行可能と判定する場合に、ドア制御部32を制御して扉17a,27aを開く。また制御部10は、第1スピーカ18aおよび第2スピーカ28aを通じて、通行可能を表す前記第1案内を出力する。
一方で、制御部10は、第1方向Aに移動する利用者に対して通行不可と判定する場合に、ドア制御部32を制御して扉17a,27aを閉じる。また制御部10は、第1スピーカ18aおよび第2スピーカ28aを通じて、通行不可を表す前記第2案内を出力する。さらに、制御部10は、必要に応じて、第1ブザー19を通じて通行不可を表す前記第3案内を出力する。
また、制御部10は、第2方向Bに移動する利用者に対しては、扉17b,27b、第1スピーカ18b、第2スピーカ28b、および第2ブザー29を用いて上記と略同じ動作を行う。
【0035】
図3は、自動改札機Gの設置状態を示す。図3に示すように、上述した自動改札機Gは、複数並べて設置される。
【0036】
なお、以下の説明では、説明の対象となる自動改札機Gの通路を、「第1通路R1」と称する。また、自動改札機Gの一方の隣の自動改札機Gの通路を、「第2通路R2」と称する。すなわち、第2通路R2は、第1通路R1の隣に設けられる通路である。また、自動改札機Gの他方の隣の自動改札機Gの通路を、「第3通路R3」と称する。すなわち、第3通路R3は、第2通路R2とは反対側で第1通路R1の隣に設けられる通路である。
また本願では、第1方向Aおよび第2方向Bとは略直交した方向を「幅方向」と称する。すなわち、「幅方向」とは、複数の自動改札機Gが並べられる方向である。
【0037】
次に、第1スピーカ18a,18bおよび第2スピーカ28a,28bの設置構造について詳しく説明する。なお上述したように、本実施形態では、一方の第1スピーカ18aと一方の第2スピーカ28aとが一つのセットとして用いられる。また、他方の第1スピーカ18bと他方の第2スピーカ28bとが一つのセットとして用いられる。これらのセットの構成および機能は、互いに略同じである。そのため以下では、第1スピーカ18aと第2スピーカ28aとのセットを代表して説明する。また以下では、第1スピーカ18aと第1スピーカ18bとを区別しない場合は、単に第1スピーカ18と称する。また、第2スピーカ28aと第2スピーカ28bとを区別しない場合は、単に第2スピーカ28と称する。
【0038】
図3および図4は、第1スピーカ18および第2スピーカ28の設置構造を示す。
本実施形態の第1スピーカ18および第2スピーカ28の各々は、指向性スピーカである。すなわち、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、特定の角度範囲(指向方向D1,D2)に比較的強い音を出力することができるとともに、前記角度範囲から外れる方向では音が聞こえにくいスピーカである。
【0039】
ここで、本願でいう「指向方向の中心軸」とは、指向方向の中心を通る仮想的な軸線である。例えば、この軸線は、スピーカのコーン(振動板)の中心線に一致する。
また、「指向方向の中心軸の延長線」とは、前記中心軸をスピーカの放音方向に直線状に延長した仮想線である。例えば、「指向方向の中心軸の延長線」は、スピーカを中心とした仮想球面上において最も大きな音が測定される位置と、スピーカとを結ぶ直線を、スピーカの放音方向に延長した仮想線である。
【0040】
図3に示すように、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、指向方向D1,D2を斜め上方に向けて取り付けられる。すなわち、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、指向方向D1,D2を第1通路R1の上方に向けている。例えば、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、平均的な身長の大人の頭部の高さに音が届くように傾けて取り付けられる。具体的には、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D1bの延長線D1e,D2eが、第1通路R1の幅方向の中心において第1通路R1の底面R1aから、155cmから175cmの間の高さを通るように傾けて取り付けられる。なお、第1スピーカ18および第2スピーカ28の放音角度は、上記例に限定されない。
【0041】
さらに、本実施形態の第1スピーカ18は、以下の条件も満たすように配置される。
すなわち図4に示すように、第1スピーカ18は、指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eが、第1通路R1の隣に設けられる第2通路R2の幅方向の中心において、第2通路R2の底面R2aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。なお、図中の符号Hは、200cmの高さを示す。
【0042】
同様に、本実施形態の第2スピーカ28は、以下の条件も満たすように配置される。
すなわち、第2スピーカ28は、指向方向D2の中心軸D2aの延長線D2eが、第2通路R2とは反対側で第1通路R1の隣に設けられる第3通路R3の幅方向の中心において、第3通路R3の底面R3aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
【0043】
図5は、第1機器1の側面図を示す。図5に示すように、本実施形態の第1スピーカ18は、第1方向Aおよび第2方向Bには傾けられていない。第1スピーカ18の指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eは、図5中において略鉛直方向に延びている。すなわち、第1スピーカ18の指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eは、第1方向Aおよび第2方向Bに対して略直交する方向に延びている。
同様に、第2スピーカ28は、第1スピーカ18と同様に、第1方向Aおよび第2方向Bには傾けられていない。第2スピーカ28の指向方向D2の中心軸D2aの延長線D2eは、第1方向Aおよび第2方向Bに対して略直交する方向に延びている。
【0044】
なおこれに代えて、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、第1方向Aまたは第2方向Bに傾けられてもよい。例えば、第1通路口P1の近くに配置される第1スピーカ18aおよび第2スピーカ28aは、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aを、第2通路口P2側に傾けて取り付けられてもよい。また、第2通路口P2の近くに配置される第1スピーカ18bおよび第2スピーカ28bは、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aを、第1通路口P1側に傾けて取り付けられてもよい。
【0045】
次に、第1スピーカ18および第2スピーカ28の作用について説明する。
まず、平均的な身長の大人が自動改札機Gを通る場合を考える。
図3に示すように、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、第1通路R1において、平均的な身長の大人の頭部の高さに音が届くように傾けて取り付けられる。このため、第1通路R1を通る利用者には、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音がよく聞こえる。
【0046】
一方で、第1スピーカ18および第2スピーカ28の指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aの延長線D1e,D2eは、第2通路R2および第3通路R3の底面R2a,R3aに対して200cm以上の高さを通る。すなわち、第1スピーカ18および第2スピーカ28の指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aの延長線D1e,D2eは、第2通路R2および第3通路R3において、平均的な身長の大人の頭部よりも上方を通る。このため、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音は、第2通路R2および第3通路R3を通る利用者には聞こえにくい。このため、自動改札機Gの利用者は、自分に対する案内だけがよく聞こえる。
【0047】
次に、背の低い子供または車椅子利用者が自動改札機Gを通る場合を考える。
図3に示すように、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、第1筐体11および第2筐体21の側面部11b,21bに設けられる。このため、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、多くの子供および車椅子利用者の頭部よりも下方に位置する。そして、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、斜め上方に向けて放音する。
【0048】
ここで、本実施形態の第1スピーカ18および第2スピーカ28の指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aは、子供および車椅子利用者の頭部の高さには直接には向いていない。ただし、第1スピーカ18および第2スピーカ28の指向方向D1,D2は、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aを中心とした一定の角度範囲を含む。このため、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音は、第1通路R1を通る子供および車椅子利用者には十分によく聞こえる。
【0049】
一方で、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音は、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aから外れる方向では、スピーカから距離が離れるに従い大きく減衰する。このため、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aから外れる方向の音は、第1通路R1の利用者には聞こえるものの、第2通路R2および第3通路R3の利用者には聞こえにくい。このため、第2通路R2および第3通路R3の利用者が、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音を誤認識することを抑制することができる。
【0050】
次に、平均的な身長よりも背が高い大人の利用者について考える。
上述したように、第1スピーカ18および第2スピーカ28の指向方向D1,D2は、一定の程度の角度範囲を含む。また、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、斜め上方に向けて放音する。このため、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音は、背の高い利用者にも十分によく聞こえやすい。また、第1スピーカ18および第2スピーカ28から背の高い利用者に向かう音は、第2通路R2および第3通路R3の底面R2a,R3aに対して200cm以上の高さを通る。このため、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音は、第2通路R2および第3通路R3を通る利用者には聞こえにくい。
【0051】
このような構成の自動改札機Gによれば、利用者の利便性の向上を図ることができる。
すなわち、自動改札機のスピーカの音量は、安全面などの理由で比較的大きく設定されることが多い。そのため、スピーカからの音は、対象の利用者以外の利用者にも聞こえてしまう場合がある。その結果、自動改札機の利用者が、隣の自動改札機の案内を自分の結果として誤認識してしまう可能性がある。例えば、利用者が隣の自動改札機の通行不可の案内を誤認識して通行を躊躇うと、自動改札機の入出場の流れが悪くなる場合がある。
【0052】
そこで、本実施形態の自動改札機Gは、第1筐体11と、指向性の第1スピーカ18とを備える。第1筐体11は、第1通路R1の第1側方に配置される。第1筐体11は、第1通路R1に対面する側面部11bを有する。第1スピーカ18は、第1筐体11の側面部11bに設けられ、指向方向D1を斜め上方に向ける。第1スピーカ18は、指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eが、第1通路R1の隣に設けられる第2通路R2の幅方向の中心において第2通路R2の底面R2aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
【0053】
このような構成によれば、自動改札機Gの利用者には、隣の自動改札機Gのスピーカからの音が聞こえにくい。このため、自動改札機Gの利用者は、自分に対する案内だけがよく聞こえる。これにより、自動改札機Gの利用者が隣の自動改札機Gの案内を自分の結果として誤認識してしまうことを抑制することができる。例えば、自動改札機Gの利用者の誤認識を抑制することができると、自動改札機Gの入出場の流れが悪くなることを避けることができる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0054】
また上記構成によれば、第1筐体11の側面部11bに設けられた第1スピーカ18から斜め上方に向けて音が放出される。このため、平均的な身長の大人に加えて、背が低い子供や車椅子利用者にも第1スピーカ18からの音が聞こえやすい。また、グローバル化が進んだことで増加傾向にある背の高い利用客にも第1スピーカ18からの音が聞こえやすい。このため、自動改札機Gの利用者の利便性がさらに向上する。
【0055】
さらに、本実施形態の自動改札機Gは、第2筐体21と、指向性の第2スピーカ28とを備える。第2筐体21は、第1通路R1の第2側方に配置される。第2筐体21は、第1通路R1に対面する側面部21bを有する。第2スピーカ28は、第2筐体21の側面部21bに設けられ、指向方向D2を斜め上方に向ける。第2スピーカ28は、指向方向D2の中心軸D2aの延長線D2eが、第2通路R2とは反対側で第1通路R1の隣に設けられる第3通路R3の幅方向の中心において第3通路R3の底面R3aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
【0056】
このような構成によれば、自動改札機Gの利用者には、第1スピーカ18と第2スピーカ28とによって両側から案内が出力される。このため、第1スピーカ18の指向方向D1および第2スピーカ28の指向方向D2を比較的急な角度で斜め上方に向けても、利用者には案内が聞こえやすい。
第1スピーカ18の指向方向D1および第2スピーカ28の指向方向D2を比較的急な角度で斜め上方に向けることができると、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音は、第2通路R2および第3通路R3を通る利用者にはさらに聞こえにくくなる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0057】
(第1実施形態の変形例)
次に、図6を参照して、第1実施形態の一つの変形例について説明する。
本変形例は、第1スピーカ18および第2スピーカ28が第1の実施形態よりも低い位置に配置される点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本変形例のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0058】
図6は、本変形例の自動改札機Gを示す。図6に示すように、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、扉17a,17b,27a,27bよりも下方に配置される。
また、別の観点では、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、制御部10よりも下方に配置される。例えば、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、制御部10のCPU10aよりも下方に配置される。
【0059】
なお、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、第1の実施形態と同様に、第1通路R1を通る平均的な身長の大人の頭部の高さに音が届くように傾けて取り付けられる。また第1スピーカ18および第2スピーカ28は、第1の実施形態と同様に、指向方向D1,D2の中心軸D1a,D2aの延長線D1e,D1eが、第2通路R2または第3通路R3の底面R2a,R3aに対して200cm以上の高さを通るように傾けて配置される。
【0060】
このような構成によれば、第1の実施形態よりもさらに低い位置から上方に向けて音が放出される。このため、背が低い子供などがさらに音を聞き取りやすくなる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、図7から図9を参照して、第2実施形態の自動改札機Gについて説明する。
本実施形態は、第3スピーカ41a,41bおよび第4スピーカ42a,42bが設けられる点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0062】
図7は、本実施形態の自動改札機Gを示す。図7に示すように、本実施形態の自動改札機Gは、第1の実施形態の構成に加え、第3スピーカ41a,41bおよび第4スピーカ42a,42bを有する。
【0063】
詳しく述べると、第3スピーカ41a,41bは、第1筐体11の側面部11bに設けられる。第3スピーカ41a,41bの各々は、「第3放音器」の一例である。
【0064】
一方の第3スピーカ41aは、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。第3スピーカ41aは、第1スピーカ18aと選択的に使用される。すなわち、第3スピーカ41aは、第1方向Aに移動する利用者に対して、前記第1案内または前記第2案内を出力する。
他方の第3スピーカ41bは、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。第3スピーカ41bは、第1スピーカ18bと選択的に使用される。すなわち、第3スピーカ41bは、第2方向Bに移動する利用者に対して、前記第1案内または前記第2案内を出力する。なお以下では、第3スピーカ41aと第3スピーカ41bとを区別しない場合は、単に第3スピーカ41と称する。
【0065】
同様に、第4スピーカ42a,42bは、第2筐体21の側面部21bに設けられる。第4スピーカ42a,42bの各々は、「第4放音器」の一例である。
【0066】
一方の第4スピーカ42aは、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。第4スピーカ42aは、第2スピーカ28aと選択的に使用される。第4スピーカ42aは、第3スピーカ41aとセットで用いられる。すなわち、第4スピーカ42aは、第1方向Aに移動する利用者に対して、第3スピーカ41aと略同時に、前記第1案内または前記第2案内を出力する。
他方の第4スピーカ42bは、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。第4スピーカ42bは、第2スピーカ28bと選択的に使用される。第4スピーカ42bは、第3スピーカ41bとセットで用いられる。すなわち、第4スピーカ42bは、第2方向Bに移動する利用者に対して、第3スピーカ41bと略同時に、前記第1案内または前記第2案内を出力する。なお以下では、第4スピーカ42aと第4スピーカ42bとを区別しない場合は、単に第4スピーカ42と称する。
【0067】
第3スピーカ41および第4スピーカ42の各々は、第1スピーカ18および第2スピーカ28と同様に、指向性スピーカである。
図7に示すように、第3スピーカ41および第4スピーカ42は、指向方向D3,D4を斜め上方に向けて取り付けられる。すなわち、第3スピーカ41および第4スピーカ42は、指向方向D3,D4を第1通路R1の上方に向けて取り付けられる。ただし、第3スピーカ41および第4スピーカ42は、第1スピーカ18および第2スピーカ28に比べて低い高さに向けられている。
【0068】
なお、本実施形態の第3スピーカ41および第4スピーカ42は、以下の条件も満たすように配置される。
すなわち、第3スピーカ41は、指向方向D3の中心軸D3aの延長線D3eが、第2通路R2の幅方向の中心において、第2通路R2の底面R2aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
同様に、第4スピーカ42は、指向方向D4の中心軸D4aの延長線D4eが、第3通路R3の幅方向の中心において、第3通路R3の底面R3aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
【0069】
次に、本実施形態の自動改札機Gのシステム構成について説明する。
図8は、自動改札機Gのシステム構成の一部を示す。図8に示すように、自動改札機Gは、磁気券処理部14、ICカードI/F部15、制御部10、第1から第4のスピーカ18,28,41,42を有する。
【0070】
ここで、利用者の媒体(例えば磁気券KまたはICカードC)には、利用者の属性に関する情報が記録されている。例えば、利用者の属性に関する情報は、大人料金の対象者か、または小児料金の対象者であるかを判定可能な情報である。
磁気券処理部14またはICカードI/F部15は、利用者の媒体から利用者の属性に関する情報を取得する。
【0071】
制御部10の判定部10bは、磁気券処理部14またはICカードI/F部15が取得する情報に基づき、利用者の属性を判定する。制御部10は、判定部10bの判定結果に基づき、第1スピーカ18と第2スピーカ28のセット、および、第3スピーカ41と第4スピーカ42のセットのいずれかのセットを選択して動作させる。
【0072】
以下に、本実施形態の制御フローを詳しく説明する。
図9は、本実施形態の制御フローの一例を示す。図9に示すように、まず、磁気券処理部14またはICカードI/F部15が、利用者の媒体から利用者の属性に関する情報を取得する(ステップS11)。次に、判定部10bは、磁気券処理部14またはICカードI/F部15が取得する利用者の属性に関する情報が所定の条件を満たすか否を確認する(ステップS12)。例えば、判定部10bは、利用者の属性に関する情報が、第1属性(例えば大人)に属する条件を満たすか、または第2属性(例えば子供)に属する条件を満たすかを判定する。
【0073】
制御部10は、判定部10bの判定結果に基づき、利用者が第1属性に属すると判定された場合(ステップS12:YES)、第1スピーカ18および第2スピーカ28を動作させる(ステップS13)。
一方で、制御部10は、判定部10bの判定結果に基づき、利用者が第1属性に属さないと判定された場合(ステップS12:NO)、第3スピーカ41および第4スピーカ42を動作させる(ステップS14)。
【0074】
このような構成によれば、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。すなわち、本実施形態の自動改札機Gは、指向性の第3スピーカ41と、読取部(磁気券処理部14またはICカードI/F部15)と、制御部10とを有する。第3スピーカ41は、第1筐体11の側面部11bに設けられ、第1スピーカ18に比べて低い高さに向けられている。前記読取部は、第1通路R1に進入する利用者の媒体から利用者の属性に関する情報を取得する。制御部10は、前記読取部が取得する前記利用者の属性に関する情報に基づき、第1スピーカ18および第3スピーカ41のいずれかを選択して動作させる。
【0075】
上記の構成によれば、異なる放音角度で設置された第1スピーカ18および第3スピーカ41のいずれかのスピーカを選択して、案内を出力することができる。例えば、大人の利用者に対しては、平均的な身長の大人の頭部に向けられた第1スピーカ18から案内を出力することができる。また、子供の利用者に対しては、第1スピーカ18に比べて低い高さに向けられた第3スピーカ41から案内を出力することができる。これにより、自動改札機Gの利用者は、自分に対する案内をさらに聞き取りやすくなる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0076】
(第2実施形態の変形例)
次に、図10を参照して、第2実施形態の一つの変形例について説明する。
本変形例は、第3スピーカ41および第4スピーカ42の取り付け角度が、第2の実施形態とは異なる。なお、本変形例のその他の構成は、第2の実施形態の構成と同様である。そのため、第1および第2の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0077】
図10は、本変形例の自動改札機Gを示す。図10に示すように、第3スピーカ41の指向方向D3の中心軸D3aは、第2筐体21の側面部21bに向けられている。例えば、第3スピーカ41の指向方向D3の中心軸D3aは、略水平方向に向けられている。本変形例では、第3スピーカ41の指向方向D3の中心軸D3aの延長線D3eは、第2通路R2の幅方向の中心において第2通路R2の底面R2aから200cm未満の高さを通る。
【0078】
同様に、例えば、第4スピーカ42の指向方向D4の中心軸D4aは、第1筐体11の側面部11bに向けられている。例えば、第4スピーカ42の指向方向D4の中心軸D4aは、略水平方向に向けられている。本変形例では、第4スピーカ42の指向方向D4の中心軸D4aの延長線D4eは、第3通路R3の幅方向の中心において第3通路R3の底面R3aから200cm未満の高さを通る。
また、第3スピーカ41および第4スピーカ42の音の大きさは、第1スピーカ18および第2スピーカ28の音の大きさに比べて小さく設定される。
【0079】
図10に示すように、本変形例では、第1筐体11の側面部11bは、防音材45を有する。例えば、防音材45は、ウレタン系またはスポンジ系の吸音材である。なお、防音材45の材質は、特に限定されない。第1筐体11の側面部11bの防音材45は、第4スピーカ42からの音の少なくとも一部を吸収する。
同様に、第2筐体21の側面部21bは、防音材45を有する。第2筐体21の側面部21bの防音材45は、第3スピーカ41からの音の少なくとも一部を吸収する。
【0080】
このような構成によれば、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。すなわち、本実施形態では、第3スピーカ41および第4スピーカ42の指向方向D3,D4の中心軸D3a,D4aは、第1筐体11の側面部11bまたは第2筐体21の側面部21bに向けられている。このため、第3スピーカ41および第4スピーカ42からの音は、比較的低い高さを通る。このため、背が低い子供などの利用者は、音をさらに聞き取りやすくなる。
【0081】
また本実施形態では、第1筐体11の側面部11bおよび第2筐体21の側面部21bの各々は、防音材45を有する。防音材45は、第3スピーカ41および第4スピーカ42から第2通路R2または第3通路R3に向かう音の少なくとも一部を吸収する。このため、第3スピーカ41および第4スピーカ42からの音は、第2通路R2および第3通路R3を通る利用者には聞こえにくい。
【0082】
また本実施形態では、第3スピーカ41および第4スピーカ42からの音の大きさは、第1スピーカ18および第2スピーカ28からの音の大きさに比べて小さく設定される。このため、第3スピーカ41および第4スピーカ42からの音は、第2通路R2および第3通路R3を通る利用者にさらに聞こえにくくなる。
これらにより、上記構成によれば、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0083】
(第3の実施形態)
次に、図11を参照して、第3実施形態について説明する。
本実施形態は、第1ブザーおよび第2ブザーとしても指向性を有する放音器が採用される点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0084】
図11は、本実施形態の自動改札機Gを示す。図11に示すように、本実施形態の自動改札機Gは、第1ブザー19a,19bおよび第2ブザー29a,29bを有する。
【0085】
詳しく述べると、第1ブザー19a,19bは、第1筐体11の側面部11bに設けられる。第1ブザー19a,19bの各々は、「第1放音器」の他の一例である。
【0086】
一方の第1ブザー19aは、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。例えば、第1ブザー19aは、第1方向Aに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、前記第3案内を出力する。
他方の第1ブザー19bは、第1筐体11の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。例えば、第1ブザー19bは、第2方向Bに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、前記第3案内を出力する。なお以下では、第1ブザー19aと第1ブザー19bとを区別しない場合は、単に第1ブザー19と称する。
【0087】
同様に、第2ブザー29a,29bは、第2筐体21の側面部21bに設けられる。第2ブザー29a,29bの各々は、「第2放音器」の他の一例である。
【0088】
一方の第2ブザー29aは、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第2通路口P2の近くに配置される。第2ブザー29aは、第1ブザー19aとセットで用いられる。例えば、第2ブザー29aは、第1方向Aに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、第1ブザー19aと略同時に、前記第3案内を出力する。
他方の第2ブザー29bは、第2筐体21の第1方向Aの中央部に比べて、第1通路口P1の近くに配置される。第2ブザー29bは、第1ブザー19bとセットで用いられる。第2ブザー29bは、第2方向Bに移動する利用者が通行不可と判定された場合に、第1ブザー19bと略同時に、前記第3案内を出力する。なお以下では、第2ブザー29aと第2ブザー29bとを区別しない場合は、単に第2ブザー29と称する。
【0089】
第1ブザー19および第2ブザー29の各々は、第1スピーカ18および第2スピーカ28と同様に、指向性スピーカである。第1ブザー19は、指向方向D5を斜め上方に向けて取り付けられる。同様に、第2ブザー29は、指向方向D6を斜め上方に向けて取り付けられる。すなわち、第1ブザー19および第2ブザー29は、指向方向D5,D6を第1通路R1の上方に向けている。例えば、第1ブザー19および第2ブザー29は、平均的な身長の大人の頭部の高さに音が届くように傾けて取り付けられる。具体的には、第1ブザー19および第2ブザー29は、指向方向D5,D6の中心軸D5a,D6aの延長線D5e,D6eが、第1通路R1の幅方向の中心において第1通路R1の底面R1aから、155cmから175cmの間の高さを通るように傾けて取り付けられる。なお、第1ブザー19および第2ブザー29の放音角度は、上記例に限定されない。
【0090】
さらに、第1ブザー19および第2ブザー29は、以下の条件も満たすように配置される。すなわち、第1ブザー19は、指向方向D5の中心軸D5aの延長線D5eが、第2通路R2の幅方向の中心において、第2通路R2の底面R2aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
同様に、第2ブザー29は、指向方向D6の中心軸D6aの延長線D6eが、第3通路R3の幅方向の中心において、第3通路R3の底面R3aから200cm以上の高さを通るように傾けて取り付けられる。
【0091】
このような構成によれば、第1ブザー19および第2ブザー29からの音は、第1通路R1を通る利用者には聞こえやすくなる。一方で、第1ブザー19および第2ブザー29からの音は、第2通路R2および第3通路R3を通る利用者には聞こえにくくなる。これにより、利用者の誤認識を抑制することができる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0092】
(第4の実施形態)
次に、図12から図14を参照して、第4実施形態の自動改札機Gについて説明する。
本実施形態は、利用者に関する情報に基づいてスピーカの指向方向が変更される点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0093】
図12は、本実施形態の自動改札機Gを示す。図12に示すように、本実施形態の第1スピーカ18および第2スピーカ28の各々は、複数の指向方向を有する。例えば、第1スピーカ18は、第1指向方向D11と、第2指向方向D12とに放音可能である。第2スピーカ28は、第1指向方向D21と、第2指向方向D22とに放音可能である。例えば、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、モータなどで放音面の角度を機械的に変えることで複数の指向方向に放音可能である。これに代えて、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、第1指向方向D11,D21に放音可能な第1スピーカ部品と、第2指向方向D12,D22に放音可能な第2スピーカ部品とを併せ持つことで複数の指向方向に放音可能でもよい。
【0094】
図12に示すように、例えば、第1指向方向D11,D21の中心軸D11a,D21aの延長線D11e,D21eは、第1通路R1の幅方向の中心において第1通路R1の底面R1aから、155cmから165cmの間の高さを通る。一方で、第2指向方向D12,D22の中心軸D12a,D22aの延長線D12e,D22eは、第1通路R1の幅方向の中心において第1通路R1の底面R1aから、165cmから175cmの間の高さを通る。なお、第1スピーカ18および第2スピーカ28の放音角度は、上記例に限定されない。
【0095】
第1スピーカ18の第1指向方向D11および第2指向方向D12の中心軸D11a,D12aの延長線D11e,D12eは、第2通路R2の幅方向の中心において、第2通路R2の底面R2aから200cm以上の高さを通る。同様に、第2スピーカ28の第1指向方向D21および第2指向方向D22の中心軸D21a,D22aの延長線D21e,D22eは、第3通路R3の幅方向の中心において、第3通路R3の底面R3aから200cm以上の高さを通る。
【0096】
次に、本実施形態で用いられる利用者の媒体について説明する。
図13は、ICカードCの構成を示す。ICカードCは、利用者の媒体の一例である。図13に示すように、本実施形態のICカードCは、記憶部51、アンテナ52、および制御部(制御回路)53を有する。
【0097】
例えば、記憶部51は、半導体メモリで形成される。本実施形態のICカードCの記憶部51は、カスタマイズ用のビットエリア51aを有する。ビットエリア51aには、利用者に関する情報を登録可能である。利用者に関する情報の一例は、利用者の身長に関する情報である。なお、利用者に関する情報は、上記例に限定されない。利用者に関する情報は、利用者の性別に関する情報などでもよい。
【0098】
アンテナ52は、自動改札機GのICカードI/F部15と通信可能である。
制御部53は、アンテナ52を通じて、記憶部51に記憶された情報を自動改札機Gに送信可能である。
【0099】
なお、利用者の媒体は、ICカードCに限定されない。自動改札機Gの処理に用いられる媒体は、携帯電話(スマートフォン)またはウェアラブルデバイスのような携帯端末Tでもよい。携帯端末Tは、ICカードCと同様に、記憶部51、アンテナ52、および制御部53を有する。記憶部51のビットエリア51aには、利用者に関する情報を登録可能である。
【0100】
携帯端末Tは、自動改札機GのICカードI/F部15にかざされて、ICカードI/F部15と通信することで、自動改札機Gに情報を送信してもよい。これに代えて、例えば、携帯端末Tは、利用者のカバンまたはポケットに収納された状態で、自動改札機Gの無線通信部55(図12参照)と通信することで、自動改札機Gに情報を送信してもよい。例えば、無線通信部55は、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)に対応したアンテナである。なお以下では、ICカードCと携帯端末Tとを併せて「媒体M」と称する。
【0101】
本実施形態では、ICカードI/F部15および無線通信部55の各々は、「読取部」の一例である。ICカードI/F部15および無線通信部55の各々は、利用者の媒体Mの記憶部51から利用者に関する情報を取得する。
自動改札機Gの制御部10は、ICカードI/F部15または無線通信部55が取得する利用者に関する情報に基づき、複数の指向方向D11,D12から少なくとも一つの指向方向を選択して第1スピーカ18を動作させる。また、制御部10は、ICカードI/F部15または無線通信部55が取得する利用者に関する情報に基づき、複数の指向方向D21,D22から少なくとも一つの指向方向を選択して第2スピーカ28を動作させる。
【0102】
以下に、本実施形態の制御フローについて詳しく説明する。
図14は、本実施形態の制御フローの一例を示す。図14に示すように、まず、ICカードI/F部15または無線通信部55が、利用者の媒体Mの記憶部51から利用者に関する情報を取得する(ステップS21)。例えば、ICカードI/F部15または無線通信部55は、利用者の媒体Mの記憶部51から利用者の身長に関する情報を取得する。
【0103】
次に、判定部10bは、ICカードI/F部15または無線通信部55が取得する利用者に関する情報に基づき、前記利用者に関する情報が予め設定される所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS22)。前記所定の条件の一例は、利用者の身長が所定の高さ以下であることである。また、前記所定の高さの一例は、第1通路R1の幅方向の中心における第1指向方向D11の中心軸D11aの延長線D11eと第2指向方向D12の中心軸D12aの延長線D12eとの間の真ん中の高さ(本実施形態では165cm)である。
【0104】
そして、制御部10は、判定部10bの判定結果に基づき、前記所定の条件が満たされる場合(例えば利用者の身長が所定の高さ以下である場合)(ステップS22:YES)に、第1指向方向D11,D21に向けて第1スピーカ18および第2スピーカ28を放音させる(ステップS23)。一方で、制御部10は、判定部10bの判定結果に基づき、前記所定の条件が満たされない場合(例えば利用者の身長が所定の高さを越えている場合)(ステップS22:NO)に、第2指向方向D12,D22に向けて第1スピーカ18および第2スピーカ28を放音させる(ステップS24)。
【0105】
このような構成によれば、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。すなわち本実施形態の自動改札機Gは、読取部(ICカードI/F部15または無線通信部55)を備える。前記読取部は、第1通路R1に進入する利用者の媒体Mから利用者に関する情報を取得する。第1スピーカ18は、複数の指向方向D11,D12に放音可能である。制御部10は、前記読取部が取得する利用者に関する情報に基づき、複数の指向方向D11,D12から少なくとも一つの指向方向を選択して第1スピーカ18を動作させる。
【0106】
このような構成によれば、利用者に対して個別に適切な角度で案内を出力することができる。これにより、利用者は、自分に対する案内をさらに聞き取りやすくなる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0107】
本実施形態では、媒体Mは、利用者の身長に関する情報を登録可能な記憶部51を有する。前記読取部は、媒体Mから利用者の身長に関する情報を取得する。制御部10は、前記読取部が取得する利用者の身長に関する情報に基づき、複数の指向方向D11,D12から少なくとも一つの指向方向を選択して第1スピーカ18を動作させる。
このような構成によれば、利用者の身長に対して個別に適切な角度で案内を出力することができる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0108】
(第4の実施形態の変形例)
次に、第4実施形態の自動改札機Gの変形例について説明する。
本変形例は、利用者が登録する身長以外の設定に基づいてスピーカの指向方向が変更される点で、第4の実施形態とは異なる。なお、本変形例のその他の構成は、第4の実施形態の構成と同様である。そのため、第1および第4の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0109】
本変形例の媒体Mの記憶部51のビットエリア51aには、音による案内の放音角度および音の大きさについての利用者の設定を登録可能である。すなわち、利用者は、第1スピーカ18および第2スピーカ28の放音角度、並びに、第1スピーカ18および第2スピーカ28の音の大きさの嗜好を媒体Mの記憶部51のビットエリア51aに登録可能である。
【0110】
ICカードI/F部15または無線通信部55は、利用者の媒体Mの記憶部51から利用者の前記設定に関する情報を取得する。制御部10は、ICカードI/F部15または無線通信部55が取得する利用者の前記設定に関する情報に基づき、複数の指向方向D11,D12から少なくとも一つの指向方向を選択して第1スピーカ18を動作させる。同様に、制御部10は、ICカードI/F部15または無線通信部55が取得する利用者の前記設定に関する情報に基づき、複数の指向方向D21,D22から少なくとも一つの指向方向を選択して第2スピーカ28を動作させる。すなわち、制御部10は、媒体Mの記憶部51に登録される放音角度の設定に応じた放音角度を選択して第1スピーカ18および第2スピーカ28を動作させる。さらに、制御部10は、媒体Mの記憶部51に登録される音の大きさの設定に応じた音の大きさで第1スピーカ18および第2スピーカ28を動作させる。
【0111】
このような構成によれば、利用者の嗜好に応じて個別に適切な放音角度および音の大きさで案内を出力することができる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0112】
(第5の実施形態)
次に、図15を参照して、第5実施形態の自動改札機Gについて説明する。
本実施形態は、間接リスニングを利用する点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0113】
図15は、本実施形態の自動改札機Gを示す。
ここで図15に示すように、本実施形態では、第2通路R2および第3通路R3の位置が第1の実施形態と逆になる。すなわち、第2通路R2は、第1通路R1を規定する自動改札機Gの第2筐体21とは反対側で第1通路R1の隣に設けられる通路である。また、第3通路R3は、第1通路R1を規定する自動改札機Gの第1筐体11とは反対側で第1通路R1の隣に設けられる通路である。
【0114】
本実施形態では、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、扉17a,17b,27a,27bよりも下方に配置される。また、別の観点では、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、制御部10よりも下方に配置される。例えば、第1スピーカ18および第2スピーカ28は、制御部10のCPU10aよりも下方に配置される。
【0115】
第1スピーカ18および第2スピーカ28は、指向方向D1,D2を斜め上方に向けて取り付けられる。第1スピーカ18の指向方向D1の中心軸D1aは、第2筐体21の側面部21bに向けられている。本実施形態では、第1スピーカ18は、第2筐体21の側面部21bに向けて放音する。第1スピーカ18からの音は、第2筐体21の側面部21bで反射される。本実施形態では、第2筐体21の側面部21bで反射した音の指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eは、第2通路R2の幅方向の中心において、第2通路R2の底面R2aから200cm以上の高さを通る。
なお、第2筐体21の側面部21bで反射した音の指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eは、第1スピーカ18から延びる指向方向D1の中心軸D1aの延長線D1eを、第2筐体21の側面部21bで折り返すことで幾何学的に算出することができる。
【0116】
同様に、第2スピーカ28の指向方向D2の中心軸D2aは、第1筐体11の側面部11bに向けられている。本実施形態では、第2スピーカ28は、第1筐体11の側面部11bに向けて放音する。第2スピーカ28からの音は、第1筐体11の側面部11bで反射される。本実施形態では、第1筐体11の側面部11bで反射した音の指向方向D2の中心軸D2aの延長線D2eは、第3通路R3の幅方向の中心において、第3通路R3の底面R3aから200cm以上の高さを通る。
なお、第1筐体11の側面部11bで反射した音の指向方向D2の中心軸D2aの延長線D2eは、第2スピーカ28から延びる指向方向D2の中心軸D2aの延長線D2eを、第1筐体11の側面部11bで折り返すことで幾何学的に算出することができる。
【0117】
このような構成によれば、1つのスピーカで2段階の高さに案内を提供することが可能となる。このため、利用者の様々な身長に幅広く対応することができる。これにより、自動改札機Gの利用者の利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0118】
(第6の実施形態)
次に、図16を参照して、第6実施形態の自動改札機Gについて説明する。
本実施形態は、駅構内の天井にスピーカが設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0119】
図16は、本実施形態の自動改札機Gを示す。図16に示すように、本実施形態のスピーカ18は、駅構内の天井60に設けられている。スピーカ18は、通路R1,R2,R3の各々の真上に設置され、下方に向けられている。各スピーカ18には、第1無線通信部61が接続されている。
【0120】
図16に示すように、自動改札機Gは、第1無線通信部61と通信可能な第2無線通信部62を有する。制御部10は、第1無線通信部61および第2無線通信部62を介して、スピーカ18に制御指令を送信する。なお。第1無線通信部61および第2無線通信部62の各々は、BluetoothまたはWi−Fiに対応したアンテナである。
【0121】
このような構成によれば、第1通路R1に対応した配置されたスピーカ18からの音は、第2通路R2および第3通路R3の利用者には聞こえにくい。また、通路R1の真上にスピーカ18が設置されると、身長差による案内の聞き取りにくさの違いをさらに解消することができる。
【0122】
(第7の実施形態)
次に、図17を参照して、第7実施形態の自動改札機Gについて説明する。
本実施形態は、各通路の底面にスピーカが設けられた点で、第6の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第6の実施形態の構成と同様である。そのため、第1および第6の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
【0123】
図17は、本実施形態の自動改札機Gを示す。図17に示すように、本実施形態のスピーカ18,28は、通路R1,R2,R3の底面R1a,R2a,R3aの各々に設置される。具体的には、各通路R1,R2,R3には、底面R1a,R2a,R3aを形成する架台70が設けられる。スピーカ18,28は、架台70の下方の隙間に設置される。スピーカ18,28と制御部10との間には、ケーブル71が設けられる。ケーブル71は、架台70の下方を通って第1筐体11の内部に延びている。ケーブル71は、スピーカ18,28と制御部10とを電気的に接続する。なお、スピーカ18,28と制御部10とは、第6実施形態と同様に、第1無線通信部61および第2無線通信部62を介して接続されてもよい。
【0124】
このような構成によれば、第1通路R1に対応した配置されたスピーカ18,28からの音は、第2通路R2および第3通路R3の利用者には聞こえにくい。また、通路R1の底面R1aにスピーカ18,28が設置されると、身長差による案内の聞き取りにくさの違いをさらに解消することができる。
【0125】
以上、第1から第7の実施形態について説明したが、自動改札機Gの実施形態は、上記に限定されない。これらの構成は、互いに組み合わせて適用可能である。例えば、第2実施形態の自動改札機Gは、第1スピーカ18および第3スピーカ41を備えることに代え、複数の指向方向D11,D12に放音可能な第1スピーカ18を備えてもよい。すなわち、自動改札機Gは、利用者の属性(例えば大人または子供)に関する情報に基づき、複数の指向方向D11,D12から前記利用者の属性に好適な少なくとも一つの指向方向を選択して第1スピーカ18を動作させてもよい。
また、例えば、第4実施形態の自動改札機Gは、複数の指向方向D11,D12に放音可能な第1スピーカ18を備えることに代えて、互いに異なる方向に向けて取り付けられる第1スピーカ18および第3スピーカ41を備えてもよい。すなわち、自動改札機Gは、利用者に関する情報(例えば利用者の身長に関する情報または放音角度についての利用者の設定)に基づき、第1スピーカ18および第3スピーカ41のいずれかを選択して動作させてもよい。また、上記の第2、第4、第5、第6、および第7の実施形態は、第1スピーカ18および第2スピーカ28に代えて、第1ブザー19および第2ブザー29にも適用可能である。
【0126】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、自動改札機は、第1筐体と、指向性の第1放音器とを持つ。前記第1筐体は、第1通路の第1側方に配置される。前記第1筐体は、前記第1通路に対面する側面部を有する。前記第1放音器は、前記第1筐体の前記側面部に設けられる。前記第1放音器は、指向方向を斜め上方に向けるとともに、前記指向方向の中心軸の延長線が、前記第1通路の隣に設けられる第2通路の幅方向の中心において前記第2通路の底面から200cm以上の高さを通るように取り付けられる。このような構成によれば、自動改札機Gの利用者の利便性の向上を図ることができる。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0128】
G…自動改札機、10…制御部、11…第1筐体、11b…側面部、14…磁気券処理部(読取部)、15…ICカードI/F部(読取部)、18,18a,18b…第1スピーカ(第1放音器)、19,19a,19b…第1ブザー(第1放音器)、21…第2筐体、21b…側面部、28,28a,28b…第2スピーカ(第2放音器)、29,29a,29b…第2ブザー(第2放音器)、41…第3スピーカ(第3放音器)、42…第4スピーカ(第4放音器)、45…防音材、55…無線通信部(読取部)、D1,D11,D12,D2,D21,D22,D3,D4…指向方向、D1a,D11a,D12a,D2a,D21a,D22a,D3a,D4a…指向方向の中心軸、D1e,D11e,D12e,D2e,D21e,D22e,D3e,D4e…指向方向の中心軸の延長線、R1…第1通路、R2…第2通路、R3…第3通路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17