(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記決定された伝送特徴を有する前記電力伝送波を送信することは、前記電力伝送波が前記ワイヤレス電力受信機の前記位置の周りで強め合うように干渉するように、前記決定された位相および前記決定された利得で前記電力伝送波を送信することを含む、請求項4に記載の方法。
前記ワイヤレス電力送信機において、前記電力伝送波のための前記決定された伝送特徴を保存することを更に含み、前記保存された伝送特徴は、未来の伝送特徴を決定するために用いられる、請求項1に記載の方法。
前記アンテナアレイは、前記アンテナの第1のサブセットおよび前記アンテナの第2のサブセットにおけるアンテナとは別個で分離された追加のアンテナを含む、請求項1に記載の方法。
前記決定された伝送特徴を有する前記電力伝送波を送信することは、前記アンテナアレイの各アンテナにおいて、前記決定された伝送特徴を有する少なくとも1つの電力伝送波を送信することを含む、請求項1に記載の方法。
前記決定された伝送特徴を有する前記電力伝送波を送信することは、前記電力伝送波が前記ワイヤレス電力受信機の前記位置の周りで強め合うように干渉するように、前記決定された位相および前記決定された利得で前記電力伝送波を送信することを含む、請求項16に記載のワイヤレス電力送信機。
前記コントローラーは、前記電力伝送波のための前記決定された伝送特徴を保存するように更に構成され、前記保存された伝送特徴は、未来の伝送特徴を決定するために用いられる、請求項13に記載のワイヤレス電力送信機。
アンテナアレイを備えるワイヤレス電力送信機の1つ以上のプロセッサによる実行のために構成された1つ以上のプログラムを記憶する、非一時的コンピューター可読ストレージ媒体であって、前記1つ以上のプログラムは命令を含み、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記ワイヤレス電力送信機に、
前記アンテナアレイのアンテナの第1のサブセットによって、ワイヤレス電力受信機から第1の信号を受信することと、
前記アンテナの第1のサブセットに含まれていない少なくとも1つのアンテナを含む、前記アンテナアレイのアンテナの第2のサブセットによって、前記ワイヤレス電力受信機から第2の信号を受信することと、
前記第1の信号および前記第2の信号の解析に基づいて、電力伝送波のための伝送特徴を決定することであって、前記伝送特徴は、前記電力伝送波が前記アンテナアレイによって送信されたときに、前記電力伝送波が前記ワイヤレス電力受信機の位置の周りで強め合うように干渉するようにすることと、
前記第1の信号および前記第2の信号の前記解析に基づいて前記伝送特徴を決定した後に、前記アンテナアレイによって、前記決定された伝送特徴を有する電力伝送波を送信することであって、前記電力伝送波は前記ワイヤレス電力受信機の前記位置の周りで強め合うように干渉することと
を実行させ、
前記アンテナの第1のサブセットは、前記アンテナアレイ内で前記アンテナの第2のサブセットに実質的に直交する、非一時的コンピューター可読ストレージ媒体。
前記決定された伝送特徴を有する前記電力伝送波を送信することは、前記電力伝送波が前記ワイヤレス電力受信機の前記位置の周りで強め合うように干渉するように、前記決定された位相および前記決定された利得で前記電力伝送波を送信することを含む、請求項28に記載の非一時的コンピューター可読ストレージ媒体。
前記1つ以上のプログラムは、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記ワイヤレス電力送信機に、前記電力伝送波のための前記決定された伝送特徴を保存させる命令を更に含み、前記保存された伝送特徴は、未来の伝送特徴を決定するために用いられる、請求項25に記載の非一時的コンピューター可読ストレージ媒体。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[0051] ここで、本明細書の一部をなす図面に示される実施形態を参照して本開示が詳細に説明される。本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いることができ、および/または他の変更を行うことができる。詳細な説明に記載される説明的な実施形態は、本明細書に提示される主題を限定することを意図するものではない。更に、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の様々なコンポーネントおよび実施形態を組み合わせて、明示的に記載されていない更なる実施形態を形成することができる。
【0022】
[0052] ここで、図面に示されている例示的な実施形態を参照し、本明細書において、これらの実施形態を説明するために特定の言い回しが用いられる。それにもかかわらず、それによって本発明の範囲を制限することは意図されていないことを理解されたい。関連技術分野における、本開示を保有する当業者が思いつくであろう、本明細書に示される発明的特徴の変形および更なる変更、ならびに本明細書に示される本発明の原理の更なる応用は、本発明の範囲内にあるとみなされる。
【0023】
I.ワイヤレス電力伝送のためのシステムおよび方法
A.コンポーネントシステム実施形態
[0053]
図1は、エネルギーポケット104を形成することによるワイヤレス電力伝送のためのシステム100を示す。システム100は、送信機101と、受信機103と、クライアントデバイス105と、ポケット検出器107とを備えることができる。送信機101は、受信機103によって捕捉することができる電力伝送波を含む電力伝送信号を送信することができる。受信機103は、捕捉された波を、受信機103に関連付けられたクライアントデバイス105の代わりに電気エネルギーの使用可能なソースに変換することができるアンテナ、アンテナ素子および他の回路部(以下で詳述する)を含むことができる。いくつかの実施形態では、送信機101は、電力伝送波の位相、利得および/または他の波形特徴を操作することによって、および/または異なる送信アンテナを選択することによって、1つ以上の軌道において、電力伝送波から作成された電力伝送信号を送信することができる。そのような実施形態では、送信機101は、基礎をなす電力伝送波が空間内のある位置において収束するように電力伝送信号の軌道を操作することができ、結果として、ある特定の形の干渉が生じる。電力伝送波の収束時に生成される1つのタイプの干渉「強め合う干渉(constructive interference)」は、電力伝送波が共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを強化させるような、電力伝送波の収束によって生じるエネルギー場とすることができる。これは、「弱め合う干渉(destructive interference)」と呼ばれる、電力伝送波が互いから減算されるように共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを減衰させる干渉とは対照的である。強め合う干渉における十分なエネルギーの累積によって、エネルギー場または「エネルギーポケット(pocket of energy)」104を確立することができ、このエネルギーポケットは、受信機103のアンテナが電力伝送信号の周波数で動作するように構成されているとすると、これらのアンテナによって取り入れることができる。したがって、電力伝送波は、受信機103が電力伝送波を受信し、取り入れ、使用可能な電気エネルギーに変換することができる空間内の位置において、エネルギーポケット104を確立し、これによって、関連付けられた電気クライアントデバイス105に電源供給するかまたはこれらを充電することができる。検出器107は、電力伝送信号の受信に応答して通知またはアラートを生成することが可能な受信機103を備えるデバイスとすることができる。例として、ユーザーのクライアントデバイス105を充電するために受信機103の最適な配置を探索しているユーザーは、LEDライト108を備える検出器107を用いることができ、このLEDライト108は、検出器107が単一のビームまたはエネルギーポケット104からの電力伝送信号を捕捉するときに明るさを増すことができる。
【0024】
1.送信機
[0054] 送信機101は、デバイス105に関連付けられた受信機103に電力伝送信号を送信またはブロードキャストすることができる。後述する実施形態のうちのいくつかは、無線周波数(RF)波として電力伝送信号を記載しているが、電力伝送は、空間を通じて伝播されることが可能であり、かつ電気エネルギー源103に変換されることが可能な物理的媒体とすることができることが理解されるべきである。送信機101は、受信機103に向けられた単一のビームとして電力伝送信号を送信することができる。いくつかの場合、1つ以上の送信機101が、複数の方向において伝播される複数の電力伝送信号を送信することができ、物理的障害物(例えば、壁)を外れるように偏波することができる。複数の電力伝送信号が、3次元空間内の位置において収束し、エネルギーポケット104を形成することができる。エネルギーポケット104の境界内の受信機103は、電力伝送信号を捕捉し、使用可能なエネルギー源に変換することができる。送信機101は、電力伝送信号の位相および/または相対振幅調整に基づくポケット形成を制御して、強め合う干渉パターンを形成することができる。
【0025】
[0055] 例示的な実施形態は、RF波送信技法の使用を挙げているが、ワイヤレス充電技法は、RF波送信技法に限定されるべきではない。むしろ、可能なワイヤレス充電技法は、送信されたエネルギーを電力に変換する受信機にエネルギーを送信するための任意の数の代替的なまたは更なる技法を含むことができることが理解されるべきである。受信デバイスによって電力に変換することができるエネルギーのための非限定的な例示的な伝送技法は、超音波、マイクロ波、共鳴磁場および誘導磁場、レーザー光、赤外線、または他の形態の電磁エネルギーを含むことができる。超音波の場合、例えば、受信デバイスに向かって超音波を送信するトランスデューサーアレイを形成するように1つ以上のトランスデューサー素子を配置することができ、この受信デバイスは、超音波を受信し、超音波を電力に変換する。共鳴磁場および誘導磁場の場合、送信コイルにおいて磁場が生じ、受信機コイルによって電力に変換される。更に、例示的な送信機101が、潜在的に複数の送信機(送信アレイ)を含む単一のユニットとして示されているが、電力のRF送信、およびこの段落で述べられた他の電力伝送方法の双方の場合に、送信アレイは、小型の規則的構造ではなく、空間の周りに物理的に拡散した複数の送信機を含むことができる。
【0026】
[0056] 送信機は、アンテナが電力伝送信号を送信するために用いられるアンテナアレイを含む。各アンテナは電力伝送波を送信し、ここで、送信機は、異なるアンテナから送信された信号に異なる位相および振幅を適用する。エネルギーポケットの形成と同様に、送信機は、送信される信号の遅延したバージョンのフェーズドアレイを形成することができ、次に、信号の遅延したバージョンに異なる振幅を適用し、次に、適切なアンテナから信号を送信する。RF信号、超音波、マイクロ波等のような正弦波形の場合、信号を遅延させることは、信号に位相シフトを適用することと同様である。
【0027】
2.エネルギーポケット
[0057] エネルギーポケット104は、送信機101によって送信された電力伝送信号の強め合う干渉パターンの位置において形成することができる。エネルギーポケット104は、エネルギーポケット104内に位置する受信機103によってエネルギーを取り入れることができる3次元場として現れることができる。ポケット形成中に送信機101によって生成されるエネルギーポケット104を、受信機103によって取り入れ、電荷に変換し、次に、受信機103(例えば、ラップトップコンピューター、スマートフォン、充電池)に関連付けられた電子クライアントデバイス105に提供することができる。いくつかの実施形態では、様々なクライアントデバイス105に電源供給する複数の送信機101および/または複数の受信機103が存在する場合がある。いくつかの実施形態では、アダプティブポケット形成は、電力レベルを調節し、および/またはデバイス105の動きを識別するために、電力伝送信号の送信を調整することができる。
【0028】
3.受信機
[0058] 受信機103は、関連付けられたクライアントデバイス105に電源供給するかまたはこれを充電するために用いることができる。クライアントデバイス105は、受信機103に結合または一体化された電気デバイスとすることができる。受信機103は、1つ以上の送信機101から生じた1つ以上の電力伝送信号からの電力伝送波を受信することができる。受信機103は、送信機101によって生成された単一のビームとして電力伝送信号を受信することができるか、または受信機103は、エネルギーポケット104から電力伝送波を取り入れることができる。これは、1つ以上の送信機101によって生成される複数の電力伝送波の収束の結果として生じる空間内の3次元場とすることができる。受信機103は、電力伝送信号から電力伝送波を受信し、単一のビームまたはエネルギーポケット104の電力伝送信号からエネルギーを取り入れるように構成されたアンテナ112のアレイを含むことができる。受信機103は回路部を含むことができ、この回路部は、次に、電力伝送信号(例えば、無線周波数電磁放射)のエネルギーを電気エネルギーに変換する。受信機103の整流器は、電気エネルギーをACからDCに変換することができる。他のタイプの調整も適用することができる。例えば、電圧調整回路は、クライアントデバイス105による要求に応じて、電気エネルギーの電圧を増減させることができる。次に、継電器は、受信機103からの電気エネルギーをクライアントデバイス105に伝達することができる。
【0029】
[0059] いくつかの実施形態では、受信機103は、データをリアルタイムでまたはほぼリアルタイムで交換するために、制御信号を送信機101に送信する通信コンポーネントを備えることができる。制御信号は、クライアントデバイス105、受信機103または電力伝送信号に関するステータス情報を含むことができる。ステータス情報は、数あるタイプの情報の中でも、例えば、デバイス105の現在の位置情報、受け取った電荷量、使用した電荷量、およびユーザーアカウント情報を含むことができる。更に、いくつかの用途では、受信機103は、受信機が収容する整流器を含めて、クライアントデバイス105に一体化することができる。実際的には、受信機103、配線111およびクライアントデバイス105は、単一のパッケージ内に含まれる単一のユニットとすることができる。
【0030】
4.制御信号
[0060] いくつかの実施形態では、制御信号は、電力伝送信号の生成および/またはポケット形成の制御を担う様々なアンテナ素子によって用いられるデータ入力としての役割を果たすことができる。制御信号は、外部電源(図示せず)および局部発振器チップ(図示せず)を用いて受信機103または送信機101によって生成することができ、これはいくつかの場合、圧電材料を用いることを含むことができる。制御信号は、Bluetooth(登録商標)、RFID、赤外線、近距離通信(NFC)等のプロセッサ間でデータを通信することが可能なRF波または任意の他の通信媒体もしくはプロトコルとすることができる。後に詳述するように、制御信号は、送信機101と受信機103との間で、電力伝送信号を調整するのに用いられる情報を伝達するのに用いることができ、また、ステータス、効率性、ユーザデータ、電力消費、課金、ジオロケーションに関する情報、および他のタイプの情報を含むことができる。
【0031】
5.検出器
[0061] 検出器107は、検出器107が1つ以上の送信機101から生じた電力伝送信号を受信することを可能にすることができる、受信機103に類似のハードウェアを含むことができる。ユーザーによって検出器107を用いてエネルギーポケット104の位置を特定することができ、それによって、ユーザーは、受信機103の好ましい配置を決定することができる。いくつかの実施形態では、検出器107は、検出器がエネルギーポケット104内に配置されたときを示すインジケーターライト108を備えることができる。例として、
図1において、検出器107a、107bは、送信機101によって生成されたエネルギーポケット104内に位置し、これによって、検出器107a、107bがエネルギーポケット104の電力伝送信号を受信していることに起因して、それぞれのインジケーターライト108、108bをオンにするように検出器107a、107bをトリガーすることができるのに対し、エネルギーポケット104の外側に位置する第3の検出器107cのインジケーターライト108cは、第3の検出器107cが送信機101からの電力伝送信号を受信していないことに起因してオフにされる。代替的な実施形態において、インジケーターライト等の検出器の機能も、受信機またはクライアントデバイスに一体化されてもよいことが理解されるべきである。
【0032】
6.クライアントデバイス
[0062] クライアントデバイス105は、連続電気エネルギーを必要とするかまたは電池からの電力を必要とする任意の電気デバイスとすることができる。クライアントデバイス105の非限定的な例は、数あるタイプの電気デバイスの中でも、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具、電池、フラッシュライト、ランプ、電子時計、カメラ、ゲームコンソール、機器、GPSデバイス、および装着可能なデバイスまたはいわゆる「ウェアラブル」(例えば、フィットネスブレスレット、歩数計、スマートウォッチ)を含むことができる。
【0033】
[0063] いくつかの実施形態では、クライアントデバイス105aは、クライアントデバイス105aに関連付けられた受信機103aと別個の物理デバイスとすることができる。そのような実施形態では、クライアントデバイス105aは、変換された電気エネルギーを受信機103aからクライアントデバイス105aに伝達する配線111を介して受信機に接続することができる。いくつかの場合、電力消費ステータス、電力使用メトリック、デバイス識別子および他のタイプのデータ等の他のタイプのデータを、配線111を介してトランスポートすることができる。
【0034】
[0064] いくつかの実施形態では、クライアントデバイス105bは、受信機103bに恒久的に一体化するかまたは取り外し可能に結合し、それによって単一の一体化された製品またはユニットを形成することができる。例として、クライアントデバイス105bは、組込み受信機103aを有し、デバイス105bの電源入力に取り外し可能に結合することができるスリーブ内に配置することができる。この電源入力は、通常、デバイス105bの電池を充電するのに用いることができる。この例において、デバイス105bは、受信機から分離することができるが、デバイス105bが電荷を必要としているか否かまたはデバイス105bが用いられているか否かに関わらず、スリーブ内に留まることができる。別の例では、デバイス105bのための電荷を保持する電池を有する代わりに、デバイス105bは、明瞭に区別されない(indistinct)製品、デバイスまたはユニットを形成するようにデバイス105bに恒久的に一体化することができる、一体化された受信機105bを備えることができる。この例において、デバイス105bは、エネルギーポケット104を取り入れることによって電気エネルギーを生成するために、一体化された受信機103bにほぼ全面的に依拠することができる。当業者には、受信機103とクライアントデバイス105との間の接続を有線111とすることができるか、または回路基板もしくは集積回路上の電気接続とすることができるか、または更には、誘導もしくは磁気等のワイヤレス接続とすることができることが明らかであるべきである。
【0035】
B.ワイヤレス電力伝送の方法
[0065]
図2は、例示的な方法200の実施形態によるワイヤレス電力伝送のステップを示す。
【0036】
[0066] 第1のステップ201において、送信機(TX)は、接続を確立するかまたは他の形で受信機(RX)と連携する。すなわち、いくつかの実施形態では、送信機および受信機は、電気デバイスの2つのプロセッサ間で情報を送信することが可能なワイヤレス通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth低エネルギー(BLE)、Wi-Fi、NFC、ZigBee(登録商標))を用いることにより制御データを通信することができる。例えば、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標)の変形形態を実施する実施形態において、送信機は、受信機のブロードキャストするアドバタイズメント信号をスキャンすることができるか、または受信機はアドバタイズメント信号を送信機に送信することができる。アドバタイズメント信号は、受信機の存在を送信機に知らせることができ、送信機と受信機との間の関連付けをトリガーすることができる。本明細書に記載されるとき、いくつかの実施形態では、アドバタイズメント信号は、様々なデバイス(例えば、送信機、クライアントデバイス、サーバーコンピューター、他の受信機)によって、ポケット形成手順を実行および管理するのに用いることができる情報を通信することができる。アドバタイズメント信号内に含まれる情報は、デバイス識別子(例えば、MACアドレス、IPアドレス、UUID)、受信した電気エネルギーの電圧、クライアントデバイス電力消費、および電力伝送に関連する他のタイプのデータを含むことができる。送信機は、送信されたアドバタイズメント信号を使用して受信機を特定することができ、いくつかの場合、2次元空間内または3次元空間内で受信機を位置特定することができる。送信機が受信機を特定すると、送信機は、送信機において受信機と関連付けられた接続を確立し、送信機および受信機が第2のチャネルを介して信号を通信することを可能にすることができる。
【0037】
[0067] 次のステップ203において、送信機は、アドバタイズメント信号を用いて、電力伝送信号を送信するための1組の電力伝送信号特徴を決定し、次にエネルギーポケットを確立することができる。電力伝送信号の特徴の非限定的な例は、数ある中でも、位相、利得、振幅、大きさおよび方向を含むことができる。送信機は、受信機のアドバタイズメント信号または受信機から受信される後続の制御信号に含まれる情報を用いて、受信機が電力伝送信号を受信することができるように電力伝送信号をどのように生成および送信するかを決定することができる。いくつかの場合、送信機は、エネルギーポケットを確立するように電力伝送信号を送信することができ、このエネルギーポケットから受信機は電力エネルギーを取り入れることができる。いくつかの実施形態では、送信機は、電力伝送信号から受信機によって取り入れられる電気エネルギーの電圧等の、受信機から受信される情報に基づいて、エネルギーポケットを確立するのに必要とされる電力伝送信号特徴を自動的に特定することが可能なソフトウェアモジュールを実行するプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、プロセッサおよび/またはソフトウェアモジュールの機能は、特定用途向け集積回路(ASIC)において実施することができることを理解するべきである。
【0038】
[0068] 更にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、第2の通信チャネルを介して受信機によって送信されるアドバタイズメント信号または後続の信号は、1つ以上の電力伝送信号特徴を示すことができ、次に、送信機がこれらの1つ以上の電力伝送信号特徴を用いて、電力伝送信号を生成および送信し、エネルギーポケットを確立することができる。例えば、いくつかの場合、送信機は、デバイスの位置およびデバイスまたは受信機のタイプに基づいて電力伝送信号を送信するのに必要な位相および利得を自動的に特定することができ、いくつかの場合、受信機は、送信機に、電力伝送信号を効果的に送信するための位相および利得を通知することができる。
【0039】
[0069] 次のステップ205において、送信機は、電力伝送信号を送信するときに使用するのに適切な特徴を決定した後、制御信号と別個のチャネルを介して電力伝送信号の送信を開始することができる。電力伝送信号を送信して、エネルギーポケットを確立することができる。送信機のアンテナ素子は、電力伝送信号が受信機の周りの2次元空間または3次元空間において収束するように電力伝送信号を送信することができる。受信機の周りに結果として得られる場は、受信機が電気エネルギーを取り入れることができるエネルギーポケットを形成する。1つのアンテナ素子を用いて、電力伝送信号を送信し、2次元エネルギー伝送を確立することができ、いくつかの場合、第2のまたは追加のアンテナ素子を用いて、3次元エネルギーポケットを確立するために電力伝送信号を送信することができる。いくつかの場合、複数のアンテナ素子を用いて、エネルギーポケットを確立するために電力伝送信号を送信することができる。更に、いくつかの場合、複数のアンテナは、送信機における全てのアンテナを含んでもよく、いくつかの場合、複数のアンテナは、送信機の全てのアンテナより少ない、送信機におけるいくつかのアンテナを含んでもよい。
【0040】
[0070] 上述したように、送信機は、電力伝送信号特徴の決定された組に従って、電力伝送信号を生成および送信することができる。この組は、外部電源、および圧電材料を含む局部発振器チップを用いて生成および送信することができる。送信機は、受信機から受信した電力伝送およびポケット形成に関連する情報に基づいて電力伝送信号の生成および送信を制御するRFICを含むことができる。この制御データは、BLE、NFCまたはZigBee(登録商標)等のワイヤレス通信プロトコルを用いて、電力伝送信号と異なるチャネルを介して通信することができる。送信機のRFICは、必要に応じて、電力伝送信号の位相および/または相対的大きさを自動的に調整することができる。ポケット形成は、強め合う干渉パターンを形成するように電力伝送信号を送信する送信機によって達成される。
【0041】
[0071] 送信機のアンテナ素子は、ポケット形成中に電力伝送信号を送信するときに、波干渉の概念を用いて、ある特定の電力伝送信号特徴(例えば、送信方向、電力伝送信号波の位相)を決定することができる。アンテナ素子は、強め合う干渉の概念を用いてエネルギーポケットを生成することもできるが、弱め合う干渉の概念を利用して特定の物理的位置における送信ヌルを生成することもできる。
【0042】
[0072] いくつかの実施形態では、ポケット形成を用いて複数の受信機に電力を提供することができ、これには送信機が複数のポケット形成のための手順を実行することが必要となる場合がある。複数のアンテナ素子を備える送信機は、それぞれの受信機に電力伝送信号を送信する任務を課せられた送信機のアンテナ素子ごとに、伝送信号波の位相および利得を自動的に形成することによって、複数ポケット形成を達成することができる。送信機のアンテナ素子によって、電力伝送信号を受信機のそれぞれのアンテナ素子に送信するための、電力伝送信号ごとの複数の波経路を生成することができるので、送信機は、位相および利得を独立して計算することができる。
【0043】
[0073] 2つの信号を送信する送信機の2つのアンテナ素子について位相/利得調整を計算する例として、XおよびYを仮定する。ここで、YはXを180°位相シフトしたものである(Y=−X)。累積受信波形がX−Yである物理的位置において、受信機はX−Y=X+X=2Xを受信するのに対し、累積受信波形がX+Yである物理的位置において、受信機はX+Y=X−X=0を受信する。
【0044】
[0074] 次のステップ207において、受信機は、単一のビームまたはエネルギーポケットの電力伝送信号から電気エネルギーを取り入れるかまたは他の形で受信することができる。受信機は、整流器およびAC/DC変換器を備えることができ、整流器およびAC/DC変換器は、電気エネルギーをAC電流からDC電流に変換することができ、次に、受信機の整流器は、電力エネルギーを整流し、結果として、ラップトップコンピューター、スマートフォン、電池、玩具または他の電気デバイス等の受信機に関連付けられたクライアントデバイスのための使用可能な電気エネルギーを得ることができる。受信機は、ポケット形成中に送信機によって生成されたエネルギーポケットを利用して、電子デバイスに充電するかまたは他の形で電力供給することができる。
【0045】
[0075] 次のステップ209において、受信機は、受信機電力伝送信号を提供する単一のビームまたはエネルギーポケットの効率性を示す情報を含む制御データを生成することができる。次に、受信機は、制御データを含む制御信号を送信機に送信することができる。制御信号は、送信機および受信機が同期して通信している(すなわち、送信機が受信機からの制御データを受信することを予期している)か否かに依拠して、断続的に送信することができる。更に、送信機は、送信機および受信機が制御信号を通信しているか否かに関わらず、電力伝送信号を受信機に連続的に送信することができる。制御データは、電力伝送信号を送信し、および/または効果的なエネルギーポケットを確立することに関する情報を含むことができる。制御データにおける情報のうちのいくつかは、送信機に、電力伝送信号の特徴をどのように効果的に生成および送信し、いくつかの場合には調整するかを通知することができる。制御信号は、BLE、NFC、Wi−Fi等の電力伝送信号および/またはポケット形成に関連する制御データを送信することが可能なワイヤレスプロトコルを用いて、電力伝送信号と独立して、第2のチャネルを介して送信および受信することができる。
【0046】
[0076] 上述したように、制御データは、単一のビームの電力伝送信号の効果を示すかまたはエネルギーポケットを確立する情報を含むことができる。制御データは、受信機に関連付けられた受信機および/またはクライアントデバイスの様々な態様を監視する受信機のプロセッサによって生成することができる。制御データは、電力伝送信号および/またはポケット形成を調整するのに有用な数あるタイプの情報の中でも、電力伝送信号から受信した電気エネルギーの電圧、電力伝送信号受信の品質、充電の品質または電力受信の品質、および受信機の位置または動き等の様々なタイプの情報に基づくことができる。
【0047】
[0077] いくつかの実施形態では、受信機は、送信機から送信された電力伝送信号から受信した電力量を決定することができ、次に、送信機が電力伝送信号をより強力でない電力伝送信号に「分割」するかまたは分けるべきであることを示すことができる。より強力でない電力伝送信号は、デバイスの近傍の物体または壁から跳ね返ることができ、それによって、送信機から受信機に直接送信される電力量が低減する。
【0048】
[0078] 次のステップ211において、送信機は、電力伝送信号を送信するアンテナを較正することができ、それによって、アンテナは、より効果的な特徴組(例えば、方向、位相、利得、振幅)を有する電力伝送信号を送信する。いくつかの実施形態では、送信機のプロセッサは、受信機から受信した制御信号に基づいて、電力伝送信号を生成および送信するための、より効果的な特徴を自動的に決定することができる。制御信号は制御データを含むことができ、任意の数のワイヤレス通信プロトコル(例えば、BLE、Wi-Fi、ZigBee(登録商標))を用いて受信機によって送信することができる。制御データは、電力伝送波のためのより効果的な特徴を明示的に示す情報を含むことができるか、または送信機は、制御信号の波形特徴(例えば、形状、周波数、振幅)に基づいて、より効果的な特徴を自動的に決定することができる。次に、送信機は、新たに決定されたより効果的な特徴に従って、再較正された電力伝送信号を送信するようにアンテナを自動的に再構成することができる。例えば、送信機のプロセッサは、数ある電力伝送特徴のうちの特徴の中でも、電力伝送信号の利得および/または位相を調整し、ユーザーが、エネルギーポケットが確立された3次元空間の外側に受信機を動かした後に、受信機の位置の変化について調整することができる。
【0049】
C.電力伝送システムのシステムアーキテクチャ
[0079] 例示的な実施形態によれば、
図3は、ポケット形成を用いたワイヤレス電力伝送のためのアーキテクチャ300を示す。「ポケット形成」は、3次元空間内の位置において収束する2つ以上の電力伝送波342を生成し、結果としてその位置に強め合う干渉パターンを生成することを指すことができる。送信機302は、3次元空間において収束することができる制御された電力伝送波342(例えば、マイクロ波、電波、超音波)を送信および/またはブロードキャストすることができる。これらの電力伝送波342は、位相および/または相対的振幅調整を通じて、エネルギーポケットが意図される位置において強め合う干渉パターン(ポケット形成)を形成するように制御することができる。送信機は、同じ原理を用いて、ある位置における弱め合う干渉を生じさせ、それによって、送信ヌル、すなわち、送信された電力伝送波が互いに実質的に相殺し、大きなエネルギーを受信機によって収集することができない位置を生じさせることができることも理解されるべきである。通常の使用事例では、受信機の位置における電力伝送信号の照準合わせが目的であり、他の事例では、特定の位置への電力伝送を特に回避することが望ましい場合があり、他の事例では、電力伝送をある位置に照準合わせする一方で、同時に、第2の位置への送信を特に回避することが望ましい場合がある。電力伝送のためにアンテナを較正するとき、送信機は使用事例を考慮に入れる。
【0050】
[0080] 送信機302のアンテナ素子306は、単一のアレイ、対のアレイ、4つ組のアレイ、または所望の用途に従って設計することができる任意の他の適切な構成で動作することができる。エネルギーポケットは、電力伝送波342が、3次元エネルギー場を形成するように蓄積する強め合う干渉パターンにおいて形成することができ、その周りに、弱め合う干渉パターンによって特定の物理的位置における1つ以上の対応する送信ヌルを生成することができる。特定の物理的位置における送信ヌルは、電力伝送波342の弱め合う干渉パターンに起因してエネルギーポケットが形成されない空間のエリアまたは領域を指すことができる。
【0051】
[0081] 次に、受信機320は、送信機302によって放射される電力伝送波342を利用して、電子デバイス313に充電または電力供給し、これによりワイヤレス電力伝送を効果的に提供するためのエネルギーポケットを確立することができる。エネルギーポケットは、エネルギーまたは電力が、電力伝送波342の強め合う干渉パターンの形態で蓄積することができる空間のエリアまたは領域を指すことができる。他の状況では、様々な電子機器、例えば、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等に同時に電力供給するための複数の送信機302および/または複数の受信機320が存在することができる。他の実施形態では、アダプティブポケット形成を用いて、電子デバイスに対する電力を調節することができる。アダプティブポケット形成は、1つ以上の標的とされる受信機に対する電力を調節するようにポケット形成を動的に調整することを指すことができる。
【0052】
[0082] 受信機320は、送信機302に対する受信機320の位置を示すために、アンテナ素子324を通じて短い信号を生成することによって送信機302と通信することができる。いくつかの実施形態では、受信機320は、ネットワークインターフェースカード(図示せず)または同様のコンピューターネットワーキングコンポーネントを更に利用してネットワーク340を通じて、送信機302のいくつかの集合体を管理するクラウドコンピューティングサービス等の、システム300の他のデバイスまたはコンポーネントと通信することができる。受信機320は、アンテナ素子324によって捕捉された電力伝送信号342を、電気デバイス313および/またはデバイスの電池315に提供することができる電気エネルギーに変換するための回路部308を備えることができる。いくつかの実施形態では、回路部は、受信機の電池335に電気エネルギーを提供することができ、受信機の電池335は、電気デバイス313が受信機320に通信可能に結合されることなくエネルギーを蓄えることができる。
【0053】
[0083] 通信コンポーネント324は、受信機320が、ワイヤレスプロトコルを介して制御信号345を送信することによって送信機302と通信することを可能にすることができる。ワイヤレスプロトコルは、専用プロトコルとすることもできるし、Bluetooth(登録商標)、BLE、Wi−Fi、NFC、ZigBee等の従来のワイヤレスプロトコルを用いることもできる。次に、通信コンポーネント324を用いて、電子デバイス313のための識別子等の情報、ならびに電池レベル情報、地理的位置データ、または電力をいつ受信機320に送信するか、および電力伝送波342を送達してエネルギーポケットを生じさせる位置を決定する際に送信機302に有用とすることができる他の情報を転送することができる。他の実施形態では、アダプティブポケット形成を用いて、電子デバイス313に提供される電力を調節することができる。そのような実施形態において、受信機の通信コンポーネント324は、受信機320において受信される電力量、および/または電子デバイス313bもしくは電池315に提供される電圧量を示す電圧データを送信することができる。
【0054】
[0084] 送信機302が受信機320を識別し、位置特定すると、制御信号345のためのチャネルまたは経路を確立することができ、このチャネルまたは経路を通じて、送信機302は、受信機320から到来する制御信号345の利得および位相を知ることができる。送信機302のアンテナ素子306は、制御された電力伝送波342(例えば、無線周波数波、超音波)の送信またはブロードキャストを開始することができ、制御された電力伝送波342は、少なくとも2つのアンテナ素子306を用いて、それぞれのアンテナ素子306から放射された電力伝送波342を操作することによって、3次元空間において収束することができる。これらの電力伝送波342は、適切な圧電材料を用いて外部電源および局部発振器チップを用いることによって生成することができる。電力伝送波342は、送信機回路部301によって制御することができ、送信機回路部301は、電力伝送波342の位相および/または相対的な大きさを調整するための専用チップを含むことができる。電力伝送波342の位相、利得、振幅および他の波形は、アンテナ素子306が強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)ための入力としての役割を果たすことができる。いくつかの実施態様では、送信機302のマイクロコントローラー310または他の回路は電力伝送信号を生成することができ、電力伝送信号は電力伝送波342を含み、送信機回路部301に接続されたアンテナ素子306の数に依拠して、送信機回路部301によって複数の出力に分割することができる。例えば、4つのアンテナ素子306a〜306dが1つの送信機回路301aに接続されている場合、電力伝送信号は、4つの異なる出力に分割され、各出力は、アンテナ素子306に向かい、それぞれのアンテナ素子306から生じる電力伝送波342として送信される。
【0055】
[0085] ポケット形成は、干渉を利用して、アンテナ素子306の指向性を変更することができる。ここで、強め合う干渉はエネルギーポケットを生成し、弱め合う干渉は送信ヌルを生成する。次に、受信機320は、電子デバイスを充電し、電子デバイスに電源供給するためのポケット形成によって生成されるエネルギーポケットを利用し、それによってワイヤレス電力伝送を効果的に提供することができる。
【0056】
[0086] 送信機302の各アンテナ306から各受信機320への位相および利得を計算することによって、複数のポケット形成を達成することができる。
【0057】
D.エネルギーポケットを形成するシステムのコンポーネント
[0087]
図4は、ポケット形成手順を用いてワイヤレス電力伝送の例示的なシステム400のコンポーネントを示す。システム400は、1つ以上の送信機402と、1つ以上の受信機420と、1つ以上のクライアントデバイス446とを備えることができる。
【0058】
1.送信機
[0088] 送信機402は、本明細書に記載されるように、ワイヤレス電力伝送のためのRF波442とすることができるワイヤレス電力伝送信号をブロードキャストすることが可能な任意のデバイスとすることができる。送信機402は、ポケット形成、アダプティブポケット形成および複数のポケット形成を含むことができる電力伝送信号を送信することに関係するタスクの実行を担うことができる。いくつかの実施態様では、送信機402は、RF波の形態でワイヤレス電力伝送を受信機420に送信することができ、このRF波は、任意の周波数または波長を有する任意の無線信号を含むことができる。送信機402は、1つ以上のアンテナ素子406と、1つ以上のRFIC408と、1つ以上のマイクロコントローラー410と、1つ以上の通信コンポーネント412と、電源414と、送信機402のための全ての要求されたコンポーネントを配置することができるハウジングとを備える。送信機402の様々なコンポーネントは、メタマテリアル、回路のマイクロプリント、ナノマテリアル等を含むことができ、および/またはこれらを用いて製造することができる。
【0059】
[0089] 例示的なシステム400において、送信機402は、3次元空間内の位置において収束し、それによってエネルギーポケット444を形成する制御されたRF波442を送信するか、または他の形でブロードキャストすることができる。これらのRF波は、位相および/または相対振幅調節を通じて制御され、強め合う干渉パターンまたは弱め合うパターンを形成することができる(すなわち、ポケット形成)。エネルギーポケット444は、強め合う干渉パターンにおいて形成される場とすることができ、3次元の形状とすることができるのに対し、特定の物理的位置における送信ヌルは、弱め合う干渉パターンにおいて生成することができる。受信機420は、電子クライアントデバイス446(例えば、ラップトップコンピューター、携帯電話)を充電するかまたはこれに電源供給するためにポケット形成によって生成されるエネルギーポケット444から電気エネルギーを取り入れることができる。いくつかの実施形態では、システム400は、様々な電子機器に電力供給するための複数の送信機402および/または複数の受信機420を含むことができる。クライアントデバイス446の非限定的な例は、スマートフォン、タブレット、音楽プレーヤー、玩具等を同時に含むことができる。いくつかの実施形態では、アダプティブポケット形成を用いて、電子デバイスに対する電力を調節することができる。
【0060】
2.受信機
[0090] 受信機420は、少なくとも1つのアンテナ素子424、1つの整流器426、1つの電力変換器428および通信コンポーネント430を含めることができるハウジングを含むことができる。
【0061】
[0091] 受信機420のハウジングは、信号または波の送信および/または受信を容易にすることが可能な任意の材料、例えば、プラスチックまたは硬質ゴムから作製することができる。ハウジングは、例えば、ケースの形態で異なる電子機器に付加することができる外付けハードウェアとすることができるか、または電子機器内に組み込むこともできる。
【0062】
3.アンテナ素子
[0092] 受信機420のアンテナ素子424は、送信機402Aによって用いられる周波数帯域において信号を送信および/または受信することが可能な任意のタイプのアンテナを含むことができる。アンテナ素子424は、垂直偏波もしくは水平偏波、右偏波もしくは左偏波、楕円偏波、または他の偏波、および任意の数の偏波の組合せを含むことができる。複数の偏波を用いることは、使用中の好ましい向きがないか、または向きが経時的に連続して変化する場合があるデバイス、例えば、スマートフォンまたはポータブルゲーミングシステムにおいて有利であり得る。明確に定義された予期される向きを有するデバイス(例えば、両手を使うビデオゲームコントローラー)の場合、アンテナの好ましい偏波が存在する場合があり、これにより、複数のアンテナについて所与の偏波の比を指定することができる。受信機420のアンテナ素子424におけるアンテナのタイプは、約1/8インチ〜約6インチの高さと、約1/8インチ〜約6インチの幅とを有することができるパッチアンテナを含むことができる。パッチアンテナは、好ましくは、接続性に依拠した偏波を有することができ、すなわち、偏波は、いずれの側からパッチが供給されるかに依拠して変動することができる。いくつかの実施形態では、アンテナのタイプは、ワイヤレス電力伝送を最適化するようにアンテナ偏波を動的に変動させることが可能な、パッチアンテナ等の任意のタイプのアンテナとすることができる。
【0063】
4.整流器
[0093] 受信機420の整流器426は、アンテナ素子424によって生成された交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に整流するための、ダイオード、レジスタ、インダクタ、および/またはキャパシタを備えることができる。整流器426は、技術的に可能な限りアンテナ素子424Bの近くに配置し、電力伝送信号から収集された電力エネルギーにおける損失を最小にすることができる。AC電圧を整流した後、結果として得られるDC電圧を、電力変換器428を用いて調節することができる。電力変換器428は、入力に関わらず、電子デバイスに、またはこの例示的なシステム400におけるように電池に、一定の電圧出力を提供するのに役立つことができるDC/DC変換器とすることができる。通常の電圧出力は、約5ボルト〜約10ボルトとすることができる。いくつかの実施形態では、電力変換器は、高い効率性を提供することができる電子切り替えモードDC/DC変換器を含むことができる。そのような実施形態では、受信機420は、電力変換器428の前に電気エネルギーを受信するように位置を定められたキャパシタ(図示せず)を備えることができる。キャパシタは、十分な電流が電子切り替えデバイス(例えば、切り替えモードDC/DC変換器)に提供され、それによって電子切り替えデバイスが効果的に動作することができることを確実にすることができる。電子デバイス、例えば電話またはラップトップコンピューターを充電するとき、電子切り替えモードDC/DC変換器の動作を起動するのに必要とされる最小電圧を超えることができる初期高電流が必要とされる場合がある。そのような場合、キャパシタ(図示せず)を受信機420の出力に付加して、必要とされる追加のエネルギーを提供することができる。その後、低電力を提供することができる。例えば、電話またはラップトップにまだ電荷を蓄積させている間に、総初期電力の1/80を用いることができる。
【0064】
5.通信コンポーネント
[0094] 受信機420の通信コンポーネント430は、他の受信機420、クライアントデバイス、および/または送信機402等の、システム400の1つ以上の他のデバイスと通信することができる。以下の実施形態において説明されるように、受信機に関して、異なるアンテナ、整流器または電力変換器構成が可能である。
【0065】
E.複数のデバイスのためのポケット形成の方法
[0095]
図5は、例示的な実施形態による、複数の受信機デバイスに電源供給するステップを示す。
【0066】
[0096] 第1のステップ501において、送信機(TX)は、接続を確立するか、または他の形で受信機(RX)と連携する。すなわち、いくつかの実施形態では、送信機および受信機は、電気デバイスの2つのプロセッサ間で情報を送信することが可能なワイヤレス通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、BLE、Wi-Fi、NFC、ZigBee(登録商標))を用いることにより制御データを通信することができる。例えば、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標)の変形形態を実施する実施形態において、送信機は、受信機のブロードキャストするアドバタイズメント信号をスキャンすることができるか、または受信機はアドバタイズメント信号を送信機に送信することができる。アドバタイズメント信号は、受信機の存在を送信機に知らせることができ、送信機と受信機との間の関連付けをトリガーすることができる。後に記載されるように、いくつかの実施形態では、アドバタイズメント信号は、様々なデバイス(例えば、送信機、クライアントデバイス、サーバーコンピューター、他の受信機)によって、ポケット形成手順を実行および管理するのに用いることができる情報を通信することができる。アドバタイズメント信号内に含まれる情報は、デバイス識別子(例えば、MACアドレス、IPアドレス、UUID)、受信した電気エネルギーの電圧、クライアントデバイス電力消費、および電力伝送波に関連する他のタイプのデータを含むことができる。送信機は、送信されたアドバタイズメント信号を使用して受信機を特定することができ、いくつかの場合、2次元空間内または3次元空間内の受信機を位置特定することができる。送信機が受信機を特定すると、送信機は、送信機において受信機と関連付けられた接続を確立し、送信機および受信機が第2のチャネルを介して制御信号を通信することを可能にすることができる。
【0067】
[0097] 例として、Bluetooth(登録商標)プロセッサを備える受信機が通電されるか、または送信機の検出範囲内に入れられるとき、Bluetooth(登録商標)プロセッサは、Bluetooth(登録商標)規格に従って受信機のアドバタイズメントを開始することができる。送信機は、アドバタイズメントを認識し、制御信号および電力伝送信号を通信するための接続の確立を開始することができる。いくつかの実施形態では、アドバタイズメント信号は一意の識別子を含むことができ、それによって、送信機は、そのアドバタイズメントを区別し、最終的に、範囲内の近傍にある全ての他のBluetooth(登録商標)デバイスとその受信機を区別することができる。
【0068】
[0098] 次のステップ503において、送信機がアドバタイズメント信号を検出すると、送信機は、その受信機との通信接続を自動的に形成することができ、これによって、送信機および受信機が、制御信号および電力伝送信号を通信することを可能にすることができる。次に、送信機は、受信機がリアルタイムサンプルデータの送信を開始するかまたはデータを制御することを命令することができる。送信機は、送信機のアンテナアレイのアンテナからの電力伝送信号の送信も開始することができる。
【0069】
[0099] 次のステップ505において、次に、受信機は、受信機のアンテナによって受信される電気エネルギーに基づいて、電力伝送信号の効率性に関係する数ある基準の中でも、電圧を測定することができる。受信機は、測定情報を含む制御データを生成することができ、次に、制御データを含む制御信号を送信機に送信することができる。例えば、受信機は、例えば、毎秒100回の速度で受信した電気エネルギーの電圧測定値をサンプリングすることができる。受信機は、制御信号の形態で、毎秒100回電圧サンプル測定値を送信機に返送することができる。
【0070】
[00100] 次のステップ507において、送信機は、受信機から受信した電圧測定値等の基準を監視する1つ以上のソフトウェアモジュールを実行することができる。アルゴリズムは、送信機のアンテナによって電力伝送信号の生成および送信を変動させ、受信機の周りのエネルギーポケットの効率性を最大にすることができる。例えば、送信機は、受信機によって受信される電力が、受信機の周りで効率的に確立されたポケットエネルギーを示すまで、送信機アンテナが電力伝送信号を送信する位相を調整することができる。アンテナのための最適な構成が特定されると、送信機のメモリは、その最も高いレベルで送信機ブロードキャストを保持するように構成を記憶することができる。
【0071】
[00101] 次のステップ509において、送信機のアルゴリズムは、電力伝送信号を調整することが必要であるときを判断し、そのような調整が必要であるという判断に応答して、送信アンテナの構成を変更することもできる。例えば、送信機は、受信機から受信されるデータに基づいて、受信機において受信される電力が最大未満であると判断することができる。次に、送信機は、電力伝送信号の位相を自動的に調整することができるが、同時に、受信機から折り返し報告される電圧の受信および監視も継続することができる。
【0072】
[00102] 次のステップ511において、特定の受信機と通信するための定められた期間の後、送信機は、送信機の範囲内にあることができる他の受信機からのアドバタイズメントをスキャンし、および/または自動的に検出することができる。送信機は、第2の受信機からのBluetooth(登録商標)アドバタイズメントに応答して第2の受信機への接続を確立することができる。
【0073】
[00103] 次のステップ513において、第2の受信機との第2の通信接続を確立した後、送信機は、送信機のアンテナアレイにおける1つ以上のアンテナの調整に進むことができる。いくつかの実施形態では、送信機は、第2の受信機にサービス提供するためのアンテナのサブセットを特定し、それによって、アレイを、受信機に関連付けられたアレイのサブセットにパースすることができる。いくつかの実施形態では、アンテナアレイ全体が、所与の期間にわたって第1の受信機にサービス提供することができ、次に、アレイ全体が、その期間にわたって第2の受信機にサービス提供することができる。
【0074】
[00104] 送信機によって実行される手動または自動のプロセスは、第2の受信機にサービス提供するためのアレイのサブセットを選択することができる。この例において、送信機のアレイを半分に分割し、2つのサブセットを形成することができる。結果として、アンテナの半分を、電力伝送信号を第1の受信機に送信するように構成することができ、アンテナの半分を第2の受信機のために構成することができる。現在のステップ513において、送信機は、第2の受信機のためのアンテナのサブセットを構成または最適化するために上記で論考した同様の技法を適用することができる。電力伝送信号を送信するためのアレイのサブセットを選択する間、送信機および第2の受信機は制御データを通信することができる。結果として、送信機が第1の受信機と通信すること、および/または新たな受信機についてスキャンすることに交替して戻るまでに、送信機は、送信機のアンテナアレイの第2のサブセットによって送信される波の位相を調整し、電力伝送波を第2の受信機に効果的に送信するのに十分な量のサンプルデータを受信している。
【0075】
[00105] 次のステップ515において、電力伝送信号を第2の受信機に送信するように第2のサブセットを調整した後、送信機は、第1の受信機と制御データを通信すること、または更なる受信機についてスキャンすることに交替して戻ることができる。送信機は、第1のサブセットのアンテナを再構成し、次に、所定の間隔で第1の受信機と第2の受信機とを交互に切り替えることができる。
【0076】
[0100] 次のステップ517において、送信機は、受信機間で交互に切り替えることを継続し、所定の間隔で新たな受信機についてスキャンすることができる。各新たな受信機が検出されるとき、送信機は接続を確立し、それに応じて、電力伝送信号の送信を開始することができる。
【0077】
[0101] 1つの例示的な実施形態において、受信機は、スマートフォンのようなデバイスに電気的に接続することができる。送信機のプロセッサは、任意のBluetooth(登録商標)デバイスについてスキャンすることができる。受信機は、これがBluetooth(登録商標)デバイスであるというアドバタイズメントを、Bluetooth(登録商標)チップを通じて開始することができる。アドバタイズメント内で、一意の識別子が存在することができ、それによって、送信機は、そのアドバタイズメントをスキャンしたときに、そのアドバタイズメントを区別し、最終的に、範囲内の近傍にある全ての他のBluetooth(登録商標)デバイスとその受信機を区別することができる。送信機がそのアドバタイズメント信号を検出すると、これが受信機であることを認識し、次に送信機は、その受信機との通信接続をすぐに形成し、その受信機がリアルタイムサンプルデータの送信を開始することを命令することができる。
【0078】
[0102] 次に、受信機は、自身の受信アンテナにおいて電圧を測定し、その電圧サンプル測定値を送信機に返送する(例えば、毎秒100回)。送信機は、位相を調整することによって、送信アンテナの構成の変更を開始することができる。送信機が位相を調整するとき、送信機は、受信機から返送される電圧を監視する。いくつかの実施態様において、電圧が高いほど、より大きなエネルギーがポケット内に存在し得る。アンテナ位相は、電圧が最高レベルになり、受信機の周りに最大エネルギーポケットが存在するまで変えることができる。送信機は、電圧が最高レベルにあるように特定の位相にアンテナを保持することができる。
【0079】
[0103] 送信機は、一度に1つずつ、各個々のアンテナを変更することができる。例えば、送信機内に32個のアンテナが存在し、各アンテナが8つの位相を有する場合、送信機は、第1のアンテナから開始することができ、第1のアンテナが8つ全ての位相を経るようにする。次に、受信機は、第1のアンテナの8つの位相の各々について電力レベルを返送することができる。次に、送信機は、第1のアンテナの最高の位相を記憶することができる。送信機は、第2のアンテナについてこのプロセスを繰り返し、8つの位相を経るようにすることができる。受信機は、再び、各位相からの電力レベルを返送することができ、送信機は最も高いレベルを記憶することができる。次に、送信機は、第3のアンテナについてプロセスを繰り返し、32個全てのアンテナが8つの位相を経るまで、プロセスを繰り返し続けることができる。プロセスの終了時に、送信機は、最も効率的な方式で受信機に最大電圧を送信することができる。
【0080】
[0104] 別の例示的な実施形態では、送信機は、第2の受信機のアドバタイズメントを検出し、第2の受信機との通信接続を形成することができる。送信機が第2の受信機との通信を形成するとき、送信機は、第2の受信機に向けて元の32個のアンテナの照準合わせを行い、第2の受信機に照準合わせされた32個のアンテナの各々について位相プロセスを繰り返すことができる。プロセスが完了すると、第2の受信機は、送信機から可能な限り多くの電力を得ることができる。送信機は、1秒間第2の受信機と通信し、次に、所定の期間(例えば、1秒)にわたって第1の受信機に交替して戻り、送信機は、所定の間隔で第1の受信機と第2の受信機との間を交互に切り替えて往復し続けることができる。
【0081】
[0105] 更に別の実施態様では、送信機は、第2の受信機のアドバタイズメントを検出し、第2の受信機との通信接続を形成することができる。第1に、送信機は第1の受信機と通信し、第1の受信機に照準合わせされた例示的な32個のアンテナの半分を再割当てし、16個のみを第1の受信機に専用にすることができる。次に、送信機は、アンテナの第2の半分を第2の受信機に割り当て、16個のアンテナを第2の受信機に専用にすることができる。送信機は、アンテナの第2の半分のための位相を調整することができる。16個のアンテナが8つの位相の各々を経たとき、第2の受信機は、受信機にとって最も効率的な方式で最大電圧を得ていることができる。
【0082】
F.選択的範囲を用いたワイヤレス電力伝送
1.強め合う干渉
[0106]
図6Aおよび
図6Bは、例示的なポケット形成プロセス中に実施することができるワイヤレス電力伝送原理を実施する例示的なシステム600を示す。アンテナアレイに複数のアンテナを含む送信機601は、送信機601のアンテナから送信された電力伝送波607の数ある可能な属性の中でも、位相および振幅を調整することができる。
図6Aに示すように、位相または振幅調整がない場合、アンテナの各々から送信することができる電力伝送波607aは、異なる位置に到達し、異なる位相を有することになる。これらの差は、多くの場合、送信機601aの各アンテナ素子から、それぞれの位置にある1つまたは複数の受信機605aへの異なる距離に起因する。
【0083】
[0107]
図6Aを続けて参照すると、受信機605aは、送信機601aの複数のアンテナ素子から、各々が電力伝送波607aを含む複数の電力伝送信号を受信することができ、これらの電力伝送信号の合成物は、この例において、電力伝送波が弱め合うように共に合わさることに起因して、本質的に0とすることができる。すなわち、送信機601aのアンテナ素子は、厳密に同じ電力伝送信号(すなわち、位相および振幅等の同じ特徴を有する電力伝送波607aを含む)を送信することができ、したがって、それぞれの電力伝送信号の電力伝送波607aが受信機605aに到達するとき、これらは互いから180°オフセットされる。したがって、これらの電力伝送信号の電力伝送波607aは、互いに「相殺する」。通常、このように互いにオフセットする信号は、「弱め合う」と言うことができ、このため、結果として「弱め合う干渉」を生成することができる。
【0084】
[0108] 対照的に、
図6Bに示すように、いわゆる「強め合う干渉」信号の場合、互いに厳密に「同相で」受信機に到達する電力伝送波607aを含む信号は、各信号の振幅を増大させるように結合し、結果として、構成成分信号の各々よりも強力な合成物が得られる。
図6Aにおける説明的な例では、送信信号における電力伝送波607aの位相は、伝送の位置において同じであり、次に、最終的に、受信機605aの位置において弱め合うように合わさる。対照的に、
図6Bにおいて、送信信号の電力伝送波607bの位相は、送信の位置において調整され、それによって、これらの電力伝送波は位相が位置合わせされた状態で受信機605bに到達し、その後、強め合うように合わさる。この説明的な例では、
図6Bにおける受信機605bの周りに位置する、結果として得られるエネルギーポケットが存在し、
図6Aにおける受信機の周りに位置する送信ヌルが存在することになる。
【0085】
[0109]
図7は、送信機702が電気デバイス701に関連付けられた複数の受信機のためのポケット形成を生成することができる選択的範囲700を用いたワイヤレス電力伝送を示す。送信機702は、選択的範囲700を用いたワイヤレス電力伝送を通じてポケット形成を生成することができ、この選択的範囲は、特定の物理的位置706に、1つ以上のワイヤレス充電半径704および1つ以上の送信ヌル半径を含むことができる。ワイヤレス充電範囲704において、複数の電子デバイス701を充電するかまたはこれらに電力供給することができる。このため、いくつかのエネルギースポットを生じさせることができ、そのようなスポットは、電子デバイス701に電力供給し、電子デバイスを充電するための制約を可能にするために用いることができる。例として、制約は、ワイヤレス充電半径704内に含まれる特定のまたは限られたスポットにおいて特定の電子機器を動作させることを含むことができる。更に、選択的範囲700を有するワイヤレス電力伝送を用いることによって安全制約を実施することができ、そのような安全制約は、エネルギーが回避される必要があるエリアまたはゾーンにわたってエネルギーポケットを回避することができ、そのようなエリアは、エネルギーポケットに対し敏感な機器および/またはエネルギーポケットを自身の上および/または付近に望まない人々を含むエリアを含むことができる。
図7に示す実施形態等の実施形態では、送信機702は、サービングされるエリアにおいて電気デバイス701に関連付けられた受信機と異なる平面に見られるアンテナ素子を含むことができる。例えば、電気デバイス701の受信機は、送信機702が天井に取り付けられる部屋内にあることができる。電力伝送波を用いてエネルギーポケットを確立するための選択的範囲は、送信機702のアンテナアレイを天井または他の高い位置に配置することによって、同心円として表すことができ、送信機702は、エネルギーポケットの「円錐」を生成する電力伝送波を放射することができる。いくつかの実施形態では、送信機701は、各充電半径704の半径を制御し、これによって、より低い平面にあるエリアまで下に向けられたエネルギーポケットを生じさせるようにサービスエリアの間隔を確立する。これにより、アンテナの位相および振幅の適切な選択を通じて円錐の幅を調整することができる。
【0086】
[0110]
図8は、送信機802が複数の受信機806のためのポケット形成を生成することができる選択的範囲800を用いたワイヤレス電力伝送を示す。送信機802は、選択的範囲800を用いたワイヤレス電力伝送を通じてポケット形成を生成することができ、この選択的範囲は、1つ以上のワイヤレス充電スポット804を含むことができる。ワイヤレス充電スポット804において、複数の電子デバイスを充電するかまたはこれらに電力供給することができる。複数の受信機806にわたって、それらを取り囲む障害物804に関わらず、エネルギーポケットを生成することができる。エネルギーポケットは、本明細書に記載の原理に従って、ワイヤレス充電スポット804内に強め合う干渉を生じさせることによって生成することができる。エネルギーポケットの位置特定は、受信機806を追跡することによって、および、数ある中でも、Bluetooth(登録商標)技術、赤外線通信、Wi−Fi、FM無線等の多岐にわたる通信システムにより複数の通信プロトコルを可能にすることによって、実行することができる。
【0087】
G.ヒートマップを用いた例示的なシステムの実施形態
[0111]
図9Aおよび
図9Bは、例示的な実施形態による、クライアントコンピューティングプラットフォームをワイヤレス充電するためのアーキテクチャ900A、900Bの図を示す。いくつかの実施態様において、ユーザーは、部屋の中にいる場合があり、手に電子デバイス(例えば、スマートフォン、タブレット)を保持している場合がある。いくつかの実施態様では、電子デバイスは、部屋の中の家具の上にある場合がある。電子デバイスは、電子デバイスに組み込まれるか、または電子デバイスに接続された別個のアダプタとしての受信機920A、920Bを含むことができる。受信機920A、920Bは、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。送信機902A、902Bは、ユーザーのすぐ後ろの部屋の壁のうちの1つに掛かっている場合がある。送信機902A、902Bも、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。
【0088】
[0112] ユーザーが受信機920A、920Bと送信機902A、902Bとの間の経路を遮るように見える場合があるとき、RF波は、受信機920A、920Bに対し線形方向に容易に照準合わせされない場合がある。しかし、受信機920A、920Bから生成される短い信号は、用いられるアンテナ素子のタイプについて無指向性とすることができ、これらの信号は、送信機902A、902Bに到達するまで、壁944A、944Bにわたって跳ね返ることができる。ホットスポット944A、944Bは、RF信号波を反射する部屋内の任意のアイテムとすることができる。例えば、壁上の大きな金属の時計を用いて、RF波をユーザーの携帯電話に反射することができる。
【0089】
[0113] 送信機におけるマイクロコントローラーは、受信機から受信した信号に基づいて、各アンテナから送信される信号を調整する。調整は、受信機から受信した信号位相の共役を形成することと、アンテナ素子の組み込まれた位相を考慮に入れた、送信アンテナ位相の更なる調整を含むことができる。アンテナ素子は、所与の方向にエネルギーをステアリングするように同時に制御することができる。送信機902A、902Bは、部屋をスキャンし、ホットスポット944A、944Bを探すことができる。較正が行われると、送信機902A、902Bは、最も効果的な経路とすることができる経路を辿るチャネルにおけるRF波に焦点を当てることができる。その後、RF信号942A、942Bは、ユーザーおよび家具等の障害物を回避しながら、第1の電子デバイスにおけるエネルギーポケットおよび第2の電子デバイスにおける別のエネルギーポケットを形成することができる。
【0090】
[0114] サービスエリア、すなわち、
図9Aおよび
図9Bにおける部屋をスキャンするとき、送信機902A、902Bは、様々な方法を用いることができる。説明的な例として、ただし、用いることができる可能な方法を制限することなく、送信機902A、902Bは、受信機から到来する信号の位相および振幅を検出し、これらを用いて、例えば、これらの共役を計算し、送信時にこれらを適用することによって、送信位相および大きさの組を形成することができる。別の説明的な例として、送信機は、後続の送信において、送信アンテナの全ての取り得る位相を一度に1つずつ適用し、受信機920A、920Bからの信号に関連する情報を観測することによって各組合せにより形成されるエネルギーポケットの強度を検出することができる。次に、送信機902A、902Bは、この較正を周期的に繰り返す。いくつかの実施態様において、送信機902A、902Bは、全ての可能な位相を探索する必要がなく、以前の較正値に基づいて強力なエネルギーポケットを生成する可能性がより高い位相の組内を探索することができる。更に別の説明的な例では、送信機902A、902Bは、アンテナのための送信位相のプリセット値を用いて、部屋内の異なる位置に向けられたエネルギーポケットを形成することができる。送信機は、例えば、後続の送信におけるアンテナのためのプリセット位相値を用いることによって、部屋内の物理的空間を上から下および左から右にスキャンすることができる。次に、送信機902A、902Bは、受信機920a、920bからの信号を観測することによって、受信機920a、920bの周りの最も強力なエネルギーポケットを結果として生成する位相値を検出する。本明細書において記載される実施形態の範囲または趣旨から逸脱することなく用いることができるヒートマッピングのためのサービスエリアを操作するための他の可能な方法が存在することを理解されるべきである。いずれの方法が用いられようと、スキャン結果は、サービスエリア(例えば、部屋、店)のヒートマップであり、そこから、送信機902A、902Bは、受信機の周りのエネルギーポケットを最大にするために送信アンテナのために用いる最良の位相および大きさの値を示すホットスポットを特定することができる。
【0091】
[0115] 送信機902A、902Bは、Bluetooth(登録商標)接続を用いて受信機920A、920Bの位置を決定することができ、RF帯域の異なる重複しない部分を用いて、異なる受信機920A、920Bに対しRF波をチャネル設定することができる。いくつかの実施態様では、送信機902A、902Bは、部屋のスキャンを行って、受信機920A、920Bの位置を判断することができ、重複しないRF送信帯域によって、互いに直交するエネルギーポケットを形成する。複数のエネルギーポケットを用いてエネルギーを受信機に向けることは、いくつかの代替的な電力伝送方法よりも本質的に安全であり得る。なぜなら、いずれの単一の送信もあまり強力ではない一方、受信機において受信される合計の電力伝送信号は強力であるためである。
【0092】
H.例示的なシステム実施形態
[0116]
図10Aは、1つの送信機1002Aおよび少なくとも2つ以上の受信機1020Aを含むことができる複数ポケット形成1000Aを用いたワイヤレス電力伝送を示す。受信機1020Aは送信機1002Aと通信することができ、これについては
図11において更に説明される。送信機1002Aが受信機1020Aを識別し、位置特定すると、受信機1020Aから到来する利得および位相を知ることによって、チャネルまたは経路を確立することができる。送信機1002Aは、2つのアンテナ素子の最小値を用いることによって、3次元空間において収束することができる制御されたRF波1042Aの送信を開始することができる。これらのRF波1042Aは、適切な圧電材料を用いて、外部電源および局部発振器チップを用いて生成することができる。RF波1042Aは、RFICによって制御することができ、RFICは、アンテナ素子が強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)ための入力としての役割を果たすことができるRF信号の位相および/または相対的な大きさを調整するための専用チップを含むことができる。ポケット形成は、干渉を利用してアンテナ素子の指向性を変更することができ、ここで、強め合う干渉はエネルギーポケット1060Aを生成し、弱め合う干渉は送信ヌルを生成する。次に、受信機1020Aは、電子デバイス、例えば、ラップトップコンピューター1062Aおよびスマートフォン1052Aを充電するかまたはこれに電源供給し、これによりワイヤレス電力伝送を効率的に提供するためにポケット形成によって生成されたエネルギーポケット1060Aを利用することができる。
【0093】
[0117] 送信機1002Aの各アンテナから各受信機1020Aへの位相および利得を計算することによって複数ポケット形成1000Aを達成することができる。送信機1002Aからのアンテナ素子によって受信機1020Aからのアンテナ素子まで複数の経路を生成することができるため、計算は独立して行うことができる。
【0094】
I.例示的なシステム実施形態
[0118]
図10Bは、複数アダプティブポケット形成1000Bの例示的な説明である。この実施形態において、ユーザーは、部屋の中にいる場合があり、手に電子デバイスを保持している場合がある。この事例では、電子デバイスはタブレット1064Bとすることができる。更に、スマートフォン1052Bは、部屋の中の家具の上にあることができる。タブレット1064Bおよびスマートフォン1052Bは、各電子デバイスに組み込まれるか、またはタブレット1064Bおよびスマートフォン1052Bに接続された別個のアダプタとしての受信機を含むことができる。受信機は、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。送信機1002Bは、ユーザーのすぐ後ろの部屋の壁のうちの1つに掛かっている場合がある。送信機1002Bも、
図11に記載される全てのコンポーネントを含むことができる。ユーザーが受信機と送信機1002Bとの間の経路を遮るように見える場合があるとき、RF波1042Bは、各受信機に対し視線内で容易に照準合わせされない場合がある。しかし、受信機から生成される短い信号は、用いられるアンテナ素子のタイプについて無指向性とすることができ、これらの信号は、送信機1002Bを見つけるまで、壁にわたって跳ね返ることができる。ほぼ即時に、送信機1002B内に存在するマイクロコントローラーは、各受信機によって送信される受信信号に基づいて、利得および位相を調整し、「弱め合う干渉」と呼ばれる、電力伝送波が互いから減算されるように共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを減衰させる干渉とは対照的に、電力伝送波が共に合わさり、その位置に集中するエネルギーを強化させるように電力伝送波の収束を形成し、受信機から受信した信号位相の共役を形成し、アンテナ素子の組み込まれた位相を考慮に入れた、送信アンテナ位相の更なる調整を行うことによって、送信信号を再較正することができる。較正が行われると、送信機1002Bは、最も効率的な経路を辿るRF波に焦点を当てることができる。その後、ユーザーおよび家具等の障害物を考慮に入れながら、タブレット1064Bにおいてエネルギーポケット1060Bを形成し、スマートフォン1052Bにおいて別のエネルギーポケット1060Bを形成することができる。上記特性は、各エネルギーポケットに沿った送信があまり強力でないため、複数ポケット形成1000Bを用いたワイヤレス電力伝送が、本質的に安全とすることができるという点、およびRF送信が通常、生体組織から反射し、貫通しないという点で有利とすることができる。
【0095】
[0119] 送信機1002Bが受信機を識別し、位置特定すると、受信機から到来する利得および位相を知ることによって、チャネルまたは経路を確立することができる。送信機1002Bは、2つのアンテナ素子の最小値を用いることによって、3次元空間において収束することができる制御されたRF波1042Bの送信を開始することができる。これらのRF波1042Bは、適切な圧電材料を用いて、外部電源および局部発振器チップを用いて生成することができる。RF波1042Bは、RFICによって制御することができ、RFICは、アンテナ素子が強め合う干渉パターンおよび弱め合う干渉パターンを形成する(ポケット形成)ための入力としての役割を果たすことができるRF信号の位相および/または相対的な大きさを調整するための専用チップを含むことができる。ポケット形成は、干渉を利用してアンテナ素子の指向性を変更することができ、ここで、強め合う干渉はエネルギーポケットを生成し、弱め合う干渉は、特定の物理的位置においてヌルを生成する。次に、受信機は、電子デバイス、例えば、ラップトップコンピューターおよびスマートフォンを充電するかまたはこれに電源供給し、これによりワイヤレス電力伝送を効率的に提供するためにポケット形成によって生成されたエネルギーポケットを利用することができる。
【0096】
[0120] 送信機の各アンテナから各受信機への位相および利得を計算することによって複数ポケット形成1000Bを達成することができる。送信機からのアンテナ素子によって、受信機からのアンテナ素子まで複数の経路を生成することができるため、計算は独立して行うことができる。
【0097】
[0121] 少なくとも2つのアンテナ素子の計算の例は、受信機からの信号の位相を決定し、受信パラメーターの共役を送信のためのアンテナ素子に適用することを含むことができる。
【0098】
[0122] いくつかの実施形態では、2つ以上の受信機が異なる周波数において動作し、ワイヤレス電力伝送中の電力損失を回避することができる。これは、複数の組み込まれたアンテナ素子のアレイを送信機1002Bに含めることによって達成することができる。1つの実施形態では、アレイ内の各アンテナによって単一の周波数を送信することができる。他の実施形態では、アレイ内のアンテナのうちのいくつかを用いて、異なる周波数で送信することができる。例えば、アレイ内のアンテナの1/2は2.4GHzで動作することができ、他方の1/2は5.8GHzで動作することができる。別の例では、アレイ内のアンテナの1/3は900MHzで動作することができ、別の1/3は2.4GHzで動作することができ、アレイ内の残りのアンテナは5.8GHzで動作することができる。
【0099】
[0123] 別の実施形態では、アンテナ素子の各アレイは、ワイヤレス電力伝送中に1つ以上のアンテナ素子に仮想的に分割することができ、ここで、アレイ内のアンテナ素子の各組は、異なる周波数で送信することができる。例えば、送信機のアンテナ素子は、2.4GHzで電力伝送信号を送信することができるが、受信機の対応するアンテナ素子は、5.8GHzで電力伝送信号を受信するように構成することができる。この例において、送信機のプロセッサは、送信機のアンテナ素子を調整して、アレイ内のアンテナ素子を、独立して供給することができる複数のパッチに仮想的にまたは論理的に分割することができる。結果として、アンテナ素子のアレイの1/4は、受信機に必要な5.8GHzで送信可能とすることができる一方、アンテナ素子の別の組は、2.4GHzで送信することができる。したがって、アンテナ素子のアレイを仮想的に分割することによって、受信機に結合された電子デバイスは、ワイヤレス電力伝送を受信し続けることができる。上記は、例えば、アンテナ素子の1つの組が約2.4GHzで送信することができ、他のアンテナ素子が5.8GHzで送信することができ、このため、異なる周波数で動作する受信機と共に機能するときに所与のアレイにおける複数のアンテナ素子を調整することができることに起因して、有利とすることができる。この例において、アレイはアンテナ素子の等しい組(例えば、4つのアンテナ素子)に分割されるが、アレイは、異なる量のアンテナ素子の組に分割されてもよい。代替的な実施形態では、各アンテナ素子は、選択周波数間で交互に切り替えることができる。
【0100】
[0124] ワイヤレス電力伝送の効率および(ポケット形成を用いて)送達することができる電力量は、所与の受信機および送信機システムにおいて用いられるアンテナ素子1006の総数の関数とすることができる。例えば、約15フィートで約1ワットを送達するために、受信機は、約80個のアンテナ素子を含むことができる一方、送信機は約256個のアンテナ素子を含むことができる。別の同一のワイヤレス電力伝送システム(約15フィートで約1ワット)は、約40個のアンテナ素子を有する受信機と、約512個のアンテナ素子を有する送信機とを備えることができる。受信機におけるアンテナ素子の数を半分に低減することは、送信機におけるアンテナ素子の数を2倍にすることを必要とする。いくつかの実施形態では、システム規模の展開において、送信機の数が受信機よりもはるかに少ないので、コストに起因して、受信機におけるよりも送信機におけるアンテナ素子の数を多くすることが有利である場合がある。一方、送信機1002Bに少なくとも2つのアンテナ素子がある限り、例えば、送信機よりも受信機により多くのアンテナ素子を配置することによって、反対のことが達成され得る。
【0101】
II.送信機−ワイヤレス電力伝送のための送信機システムおよび方法
[0125] 送信機は、以下で説明するコンポーネントを用いたポケット形成、アダプティブポケット形成および複数ポケット形成を担うことができる。送信機は、空間を通じて伝播し、使用可能な電気エネルギーに変換されることが可能な任意の物理的媒体の形態でワイヤレス電力伝送信号を受信機に送信することができ、例は、RF波、赤外線、音響、電磁場および超音波を含むことができる。電力伝送信号は、任意の周波数または波長を有するほとんど任意の無線信号とすることができることを当業者は理解するべきである。送信機は、RF送信を参照して例としてのみ説明され、範囲をRF送信のみに限定するものではない。
【0102】
[0126] 送信機は、デスク、テーブル、床、壁等の複数の位置、表面、台、または埋込み構造に位置することができる。いくつかの場合、送信機は、本明細書に記載のプロセスおよびタスクを実行することが可能なプロセッサおよびソフトウェアモジュールを含む任意のコンピューティングデバイスとすることができるクライアントコンピューティングプラットフォーム内に位置することができる。クライアントコンピューティングプラットフォームの非限定的な例は、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、ハンドヘルドコンピューター、タブレットコンピューティングプラットフォーム、ノートブック、スマートフォン、ゲーミングコンソールおよび/または他のコンピューティングプラットフォームを含むことができる。他の実施形態では、クライアントコンピューティングプラットフォームは、多岐にわたる電子コンピューティングデバイスとすることができる。そのような実施形態において、クライアントコンピューティングプラットフォームの各々は、別個のオペレーティングシステムおよび/または物理的コンポーネントを有することができる。クライアントコンピューティングプラットフォームは同じオペレーティングシステムを実行してもよく、および/またはクライアントコンピューティングプラットフォームは異なるオペレーティングシステムを実行してもよい。クライアントコンピューティングプラットフォームおよびデバイスは、複数のオペレーティングシステムを実行可能とすることができる。更に、ボックス型送信機は、X軸、Y軸もしくはZ軸、またはそれらの任意の組合せに向けることができる、プリント回路基板(PCB)層のいくつかの構成を含むことができる。
【0103】
[0127] ワイヤレス充電技法はRF波送信技法に限定されず、送信されたエネルギーを電力に変換する受信機にエネルギーを送信するための代替的なまたは追加の技法を含むことができることが理解されるべきである。受信デバイスによって電力に変換することができるエネルギーのための非限定的な例示的送信技法は、超音波、マイクロ波、共鳴磁場および誘導磁場、レーザー光、赤外線、または他の形態の電磁エネルギーを含むことができる。超音波の場合、例えば、トランスデューサーアレイを形成するように1つ以上のトランスデューサー素子を配置することができ、このトランスデューサーアレイは、超音波を受信デバイスに向けて送信し、受信デバイスは、超音波を受信し、超音波を電力に変換する。共鳴磁場および誘導磁場の場合、送信機コイルにおいて磁場が生じ、受信機コイルによって電力に変換される。
【0104】
A.送信機デバイスのコンポーネント
[0128]
図11は、例示的な実施形態による、クライアントデバイスをワイヤレス充電するためのシステム1100アーキテクチャの図を示す。システム1100は、各々が特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる送信機1101および受信機1120を含むことができる。送信機1101ASICは、1つ以上のプリント回路基板(PCB)1104と、1つ以上のアンテナ素子1106と、1つ以上の無線周波数集積回路(RFIC)1108と、1つ以上のマイクロコントローラー(MC)1110と、通信コンポーネント1112と、電源1114とを備えることができる。送信機1101はハウジングに入れることができ、ハウジングは、送信機1101のための全ての要求されたコンポーネントを配分することができる。送信機1101におけるコンポーネントは、メタマテリアル、回路のマイクロプリント、ナノマテリアルおよび/または任意の他のマテリアルを用いて製造することができる。送信機全体または受信機全体を単一の回路基板で実装することができること、および機能ブロックのうちの1つ以上を別個の回路基板で実装させることは当業者に明らかであるはずである。
【0105】
1.プリント回路基板
[0129] いくつかの実施態様では、送信機1101は複数のPCB1104層を含むことができ、複数のPCB層は、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供するためのアンテナ素子1106および/またはRFIC1108を含むことができ、標的受信機について応答を増大させることができる。PCB1104は、非導電基板上に積層された銅シートからエッチングされた導電トラック、パッドおよび/または他の特徴を用いて、本明細書に記載の電子コンポーネントを機械的に支持し、電気的に接続することができる。PCBは、一面(1つの銅層)、二面(2つの銅層)および/または多層とすることができる。複数のPCB1104層は、送信機1101によって転送することができる電力の範囲および量を増大させることができる。PCB1104層は、単一のMC1110および/または専用MC1110に接続することができる。同様に、RFIC1108は、上記の実施形態に示されているように、アンテナ素子1106に接続することができる。
【0106】
[0130] いくつかの実施態様において、内部に複数のPCB1104層を含むボックス型送信機は、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供するアンテナ素子1108を含むことができ、標的受信機について応答を増大させることができる。更に、ボックス型送信機によってワイヤレス電力伝送の範囲を増大させることができる。複数のPCB1104層は、アンテナ素子1106の密度がより高いことに起因して、送信機1101によってワイヤレスで転送および/またはブロードキャストすることができる電力波(例えば、RF電力波、超音波)の範囲および量を増大させることができる。PCB1104層は、アンテナ素子1106ごとに単一のマイクロコントローラー1110および/または専用マイクロコントローラー1110に接続することができる。同様に、RFIC1108は、上記の実施形態に示されているように、アンテナ素子1101を制御することができる。更に、送信機1101のボックス形状は、ワイヤレス電力伝送の作用比を増大させることができる。
【0107】
2.アンテナ素子
[0131] アンテナ素子1106は、指向性および/または無指向性とすることができ、平面アンテナ素子、パッチアンテナ素子、ダイポールアンテナ素子およびワイヤレス電力伝送に適した任意の他のアンテナを含むことができる。適切なアンテナタイプは、例えば、約1/8インチ〜約6インチの高さと、約1/8インチ〜約6インチの幅を有することができるパッチアンテナを含むことができる。アンテナ素子1106の形状および向きは、送信機1101の所望の特徴に依拠して変動してもよく、向きは、X軸、Y軸およびZ軸において平坦であってもよく、3次元構成における様々な向きのタイプおよび組合せであってもよい。アンテナ素子1106の材料は、高い効率、良好な熱放散等でRF信号送信を可能にすることができる任意の適切な材料を含むことができる。アンテナ素子1106の量は、送信機1101における所望の範囲および電力伝送能力に関連して変動することができ、アンテナ素子1106が多いと、範囲が広くなり、かつ電力伝送能力が高くなる。
【0108】
[0132] アンテナ素子1106は、900MHz、2.5GHzまたは5.8GHz等の周波数帯域で動作するのに適したアンテナタイプを含むことができる。なぜなら、これらの周波数帯域は、連邦通信委員会(FCC)規則のパート18(工業、科学、および医療用機器)に準拠しているためである。アンテナ素子1106は独立した周波数で動作し、ポケット形成のマルチチャネル動作を可能にすることができる。
【0109】
[0133] 更に、アンテナ素子1106は、少なくとも1つの偏波または偏波の選択を有することができる。そのような偏波は、垂直偏波、水平偏波、円偏波、左偏波、右偏波、または偏波の組合せを含むことができる。偏波の選択は、送信機1101の特性に依拠して変動することができる。更に、アンテナ素子1106は、送信機1101の様々な面に位置することができる。アンテナ素子1106は、単一のアレイ、対のアレイ、4つ組のアレイ、および所望の用途に従って設計することができる任意の他の適切な構成で動作することができる。
【0110】
[0134] いくつかの実施態様において、プリント回路基板PCB1104の側面全体にアンテナ素子1106を密に詰めることができる。RFIC1108は複数のアンテナ素子1106に接続することができる。複数のアンテナ素子1106が単一のRFICを取り囲むことができる。
【0111】
3.無線周波数集積回路
[0135] RFIC1108は、MC1110からのRF信号を受信し、RF信号を複数の出力に分割することができ、各出力はアンテナ素子1106にリンクされている。例えば、各RFIC1108は、4つのアンテナ素子1106に接続することができる。いくつかの実施態様では、各RFIC1108は、8つ、16個および/または複数のアンテナ素子1106に接続することができる。
【0112】
[0136] RFIC1104は、増幅器、キャパシタ、発振器、圧電結晶等のデジタルおよび/またはアナログコンポーネントを含むことができる複数のRF回路を含むことができる。RFIC1104は、ポケット形成のための利得および/または位相等のアンテナ素子1106の特徴を制御し、方向、電力レベル等を通じてこれを管理することができる。各アンテナ素子1106におけるポケット形成の位相および振幅は、所望のポケット形成および送信ヌルステアリングを生成するために、対応するRFIC1108によって調節することができる。更に、RFIC1108はMC1110に接続することができ、MC1110は、デジタル信号処理(DSP)、ARM、PICクラスマイクロプロセッサ、中央処理装置、コンピューター等を利用することができる。送信機1101内に存在する、より少ない数のRFIC1108は、複数ポケット形成のより弱い制御、より低い粒度レベル、およびよりコストの低い実施形態等の所望の特徴に対応することができる。いくつかの実施態様では、RFIC1108は1つ以上のMC1110に結合することができ、MC1110は、独立した基地局にまたは送信機1101に含めることができる。
【0113】
[0137] 送信機1101のいくつかの実施態様では、各アンテナ素子1106における各ポケット形成の位相および振幅は、所望のポケット形成および送信ヌルステアリングを生成するために、対応するRFIC1108によって調節することができる。各アンテナ素子1106に結合された、選抜されたRFIC1108は、処理要件を低減させることができ、ポケット形成に対する制御を増大させることができ、MC1110に対する、より低い負荷で複数ポケット形成およびより高い粒度のポケット形成を可能にし、より多くの数の複数ポケット形成のより高度な応答を可能にすることができる。更に、複数ポケット形成はより多くの数の受信機に充電することができ、そのような受信機に対するより良好な軌道を可能にすることができる。
【0114】
[0138] RFIC1108およびアンテナ素子1106は、所望の用途に従って設計することができる任意の適切な構成で動作することができる。例えば、送信機1101は、平坦な構成においてアンテナ素子1106およびRFIC1108を含むことができる。4つ、8つ、16個、および/または任意の数のアンテナ素子1106のサブセットを、単一のRFIC1108に接続することができる。RFIC1108は、各アンテナ素子1106の後ろに直接組み込むことができ、そのような一体化により、コンポーネント間の距離が短くなることに起因した損失を低減することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ素子1106の行または列を単一のMC1110に接続することができる。各行または列に接続されたRFIC1108は、行または列間の位相および利得を変更することによってポケット形成を生成することができる、よりコストの低い送信機1101を可能にする。いくつかの実施態様では、RFIC1108は、受信機1120が得るための2ボルト〜8ボルトの電力を出力することができる。
【0115】
[0139] いくつかの実施態様において、RFIC1108のカスケード構成を実施することができる。RFIC1108のカスケード構成を用いた平坦な送信機1101は、ポケット形成に対するより良い制御を提供することができ、標的の受信機1106に対する応答を増大させることができ、RFIC1108の多重冗長性に起因して、より高い信頼性および正確度を達成することができる。
【0116】
4.マイクロコントローラー
[0140] MC1110は、ARMおよび/またはDSPを実行するプロセッサを含むことができる。ARMは、縮小命令セットコンピューティング(RISC)に基づく汎用マイクロプロセッサのファミリーである。DSPは汎用信号処理チップであり、情報信号の数学的操作を提供し、これを何らかの形で変更または改善することができ、一連の番号またはシンボルおよびこれらの信号の処理による、別個の時間、別個の周波数、および/または他の別個の領域信号の表現によって特徴付けることができる。DSPは、連続した現実世界のアナログ信号を測定、フィルタリングおよび/または圧縮することができる。第1のステップは、信号をサンプリングし、次に、アナログ信号を別個のデジタル値のストリームに変換することができるアナログ/デジタル変換器(ADC)を用いて信号をデジタル化することによる、アナログ形式からデジタル形式への信号の変換とすることができる。MC1110は、Linuxおよび/または任意の他のオペレーティングシステムも実行することができる。MC1110は、ネットワーク1140を通じて情報を提供するために、Wi−Fiに接続することもできる。
【0117】
[0141] MC1110は、ポケット形成の時間放出、ポケット形成の方向、跳ね返り角、電力強度等のRFIC1108の多岐にわたる特徴を制御することができる。更に、MC1110は、複数の受信機に対する、または単一の受信機に対する複数ポケット形成を制御することができる。送信機1101は、ワイヤレス電力伝送の距離の区別を可能にすることができる。更に、MC1110は、通信コンポーネント1112を制御することによって、通信プロトコルおよび信号を管理および制御することができる。MC1110は、通信コンポーネント1112によって受信される情報を処理することができ、通信コンポーネント1112は、受信機を追跡し、無線周波数信号1142(すなわち、エネルギーポケット)を受信機に対し集中させるために、受信機との間で信号を送受信することができる。受信機1120から、および受信機1120にネットワーク1140を通じて他の情報を送信することもでき、そのような情報は、数ある中でも認証プロトコルを含むことができる。
【0118】
[0142] MC1110は、シリアル周辺インターフェース(SPI)および/または集積回路間(I
2C)プロトコルを通じて通信コンポーネント1112と通信することができる。SPI通信は、例えば、組み込まれたシステム、センサおよびSDカードにおいて、短い距離の単一のマスター通信のために用いることができる。デバイスはマスター/スレーブモードで通信し、マスター/スレーブモードにおいて、マスターデバイスはデータフレームを始動する。個々のスレーブ選択線を用いて複数のスレーブデバイスが可能にされる。I
2Cは、マルチマスター、マルチスレーブ、シングルエンド、低速周辺機器をコンピューターマザーボードに取り付けるのに用いられるシリアルコンピューターバス、および組込みシステムである。
【0119】
5.通信コンポーネント
[0143] 通信コンポーネント1112は、数ある中でも、Bluetooth(登録商標)技術、赤外線通信、Wi−Fi、FM無線を含み、これらを組み合わせることができる。MC1110は、障害物に起因する損失を低減するために、ポケット形成を送信する最も効果的な軌道を含む、ポケット形成のための最適な時点および位置を決定することができる。そのような軌道は、直接ポケット形成、跳ね返り、およびポケット形成の距離区別を含むことができる。いくつかの実施態様では、通信コンポーネント1112は、複数のデバイスと通信することができ、これらの複数のデバイスは、受信機1120、クライアントデバイス、または他の送信機1101を含むことができる。
【0120】
6.電源
[0144] 送信機1101は、AC電源またはDC電源を含むことができる電源1114によって供給することができる。電源1114によって提供される電圧、電力および電流強度は、送信される必要がある電力に依拠して変動することができる。無線信号への電力の変換は、MC1110によって管理することができ、RFIC1108によって実行することができる。RFIC1108は、複数の方法およびコンポーネントを利用して、多岐にわたる周波数、波長、強度および他の特徴で無線信号を生成することができる。無線信号生成のための多岐にわたる方法およびコンポーネントの例示的な使用として、発振器および圧電結晶を用いて、異なるアンテナ素子1106において無線周波数を生じさせ、変更することができる。更に、信号を平滑化するために多岐にわたるフィルターを用いることができ、送信される電力を増大させるために増幅器を用いることができる。
【0121】
[0145] 送信機1101は、数ワットから、特定の充電可能な電子デバイスによって必要とされる所定の数のワットまでの電力容量を用いてポケット形成しているRF電力波を放射することができる。各アンテナは、ある特定の電力容量を管理することができる。そのような電力容量は、用途に関連付けることができる。
【0122】
7.ハウジング
[0146] ハウジングに加えて、独立した基地局は、MC1110および電源1114を含むことができ、このため、いくつかの送信機1101を単一の基地局および単一のMC1110によって管理することができる。そのような能力により、送信機1101を、天井、装飾、壁等の多岐にわたる方策上の位置に配置することが可能になる。アンテナ素子1106、RFIC1108、MC1110、通信コンポーネント1112および電源1114は、複数の構成および組合せで接続することができ、これは、送信機1101の所望の特性に依拠することができる。
【0123】
B.電力を送信する例示的な方法
[0147]
図12は、アンテナ素子を用いて受信機位置1200を決定するための方法である。受信機位置1200を決定するための方法は、MCによって管理されるプログラムされた規則またはロジックの組とすることができる。プロセスは、アンテナアレイからのアンテナの第1のサブセットを用いて第1の信号を捕捉することによってステップ1201を開始することができる。アンテナ素子の異なるサブセットに切り替え、次のステップ1203において、アンテナの第2のサブセットを用いて第2の信号を捕捉することによるプロセスが直後に続くことができる。例えば、第1の信号は、アンテナの行によって捕捉することができ、第2の捕捉は、アンテナの列により行うことができる。アンテナの行は、球座標系における方位等の水平度向きを提供することができる。アンテナの列は、仰角等の垂直度向きを提供することができる。第1の信号および第2の信号を捕捉するのに用いられるアンテナ素子は、直線上、垂直、水平、または対角線上の向きに位置合わせすることができる。アンテナの第1のサブセットおよび第2のサブセットは、送信機の周りの角度(degrees)をカバーするために、十字状の構造で位置合わせすることができる。
【0124】
[0148] 垂直値および水平値の双方が測定されると、MCは、次のステップ1205において、信号を捕捉するのに用いられる垂直アンテナ素子および水平アンテナ素子のための位相および利得の適切な値を決定することができる。位相および利得のための適切な値は、アンテナに対する受信機の位置の関係によって決定することができる。値は、電子デバイスに充電するために受信機によって用いることができるエネルギーポケットを形成するようにアンテナ素子を調整するために、MCによって用いることができる。
【0125】
[0149] アンテナ素子の適切な値の計算に役立てるために、送信機における全てのアンテナ素子の初期値に関するデータを計算し、MCによって用いるために事前に記憶することができる。次のステップ1207において、信号を捕捉するために用いられる垂直アンテナおよび水平アンテナのための適切な値が決定された後、プロセスは、記憶されたデータを用いて、アレイ内の全てのアンテナについて適切な値を決定することによって継続することができる。記憶されたデータは、異なる周波数におけるアレイ内の全てのアンテナ素子について位相および利得の初期試験値を含むことができる。データの異なる組を異なる周波数について記憶することができ、MCは、それに応じて、適切なデータを選択することができる。次のステップ1209において、MCは次に、適切な位置においてエネルギーポケットを形成するために、RFICを通じて全てのアンテナを調整することができる。
【0126】
C.アレイサブセット構成
[0150]
図13Aは、受信機位置を決定するための方法において用いることができるアレイサブセット構成1300Aの例示的な実施形態を示す。送信機は、アンテナ1306Aのアレイを含むことができる。アンテナの行1368Aは、まず、受信機によって送信される信号を捕捉するために用いることができる。次に、アンテナの行1368Aは、信号をRFICに転送することができ、RFICにおいて、信号は無線信号からデジタル信号に変換され、処理のためにMCに渡されることが可能である。次に、MCは、受信機位置に基づいて適切な位置においてエネルギーポケットを形成するために、アンテナの行1368Aにおける位相および利得のための適切な調整を決定することができる。第2の信号は、アンテナの列1370Aによって捕捉することができる。次に、アンテナの列1370Aは、信号をRFICに転送することができ、RFICにおいて、信号は、無線信号からデジタル信号に変換され、処理のためにMCに渡されることが可能である。次に、MCは、受信機位置に基づいて適切な位置においてエネルギーポケットを形成するために、アンテナの列1370Aにおける位相および利得のための適切な調整を決定することができる。アンテナの行1368Aおよびアンテナの列1370Aについて適切な調整が決定されると、MCは、アンテナに関する以前に記憶されたデータを用い、それに応じてアンテナの行1368Aおよびアンテナの列1370Aからの結果を用いて調整することによって、アンテナのアレイ1368Aにおける残りのアンテナ素子1306Aについて適切な値を決定することができる。
【0127】
D.送信機、送信機コンポーネント、アンテナタイル、および送信機に関連するシステムの構成
1.例示的なシステム
[0151]
図13Bは、アレイサブセット構成1300Bの別の例示的な実施形態を示す。アレイサブセット構成1300Bにおいて、双方の初期信号がアンテナの2つの対角線上のサブセットによって捕捉される。プロセスは同じ経路を辿り、それによって、各サブセットはそれに応じて調整される。行われた調整および以前に記憶したデータに基づいて、アンテナアレイの残りのアンテナ素子1306Bが調整される。
【0128】
2.平坦な送信機
[0152]
図14は、平坦な送信機1402の正面図、およびいくつかの実施形態の背面図を示す。送信機1402は、平坦な構成でアンテナ素子1406およびRFIC1408を備えることができる。RFIC1408は、各アンテナ素子1406の後ろに直接組み込むことができ、そのような一体化は、コンポーネント間の距離が短くなることに起因した損失を低減することができる。
【0129】
[0153] 送信機1402における1つの実施形態(すなわち、ビュー1)において、アンテナ素子1406ごとのポケット形成の位相および振幅は、所望のポケット形成および送信ヌルステアリングを生成するために、対応するRFIC1408によって調節することができる。各アンテナ素子1406に結合された、選抜されたRFIC1408は、処理要件を低減させることができ、ポケット形成に対する制御を増大させることができ、MC1410に対する、より低い負荷で複数ポケット形成およびより高い粒度のポケット形成を可能にし、このため、より多くの数の複数ポケット形成のより高度な応答を可能にすることができる。更に、複数ポケット形成はより多くの数の受信機に充電することができ、そのような受信機に対するより良好な軌道を可能にすることができる。
図11の実施形態に記載されているように、RFIC1408は、1つ以上のMC1410に結合することができ、マイクロコントローラー1410は、独立した基地局または送信機1402に含めることができる。
【0130】
[0154] 別の実施形態(すなわち、ビュー2)において、4つのアンテナ素子1406のサブセットを単一のRFIC1408に接続することができる。送信機1402内に存在する、より少ない数のRFIC1408は、複数ポケット形成のより弱い制御、より低い粒度レベル、およびよりコストの低い実施形態等の所望の特徴に対応することができる。
図11の実施形態に説明されるように、RFIC1408は、1つ以上のMC1410に結合することができ、マイクロコントローラー1410は、独立した基地局にまたは送信機1402に含めることができる。
【0131】
[0155] 別の実施形態(すなわち、ビュー3)において、送信機1402は、平坦な構成においてアンテナ素子1406およびRFIC1408を含むことができる。アンテナ素子1406の行または列を単一のMC1410に接続することができる。送信機1402内に存在する、より少ない数のRFIC1408は、複数ポケット形成のより弱い制御、より低い粒度レベル、およびよりコストの低い実施形態等の所望の特徴に対応することができる。各行または列に接続されたRFIC1408は、行または列間の位相および利得を変更することによってポケット形成を生成することができる、よりコストの低い送信機1402を可能にすることができる。
図11の実施形態に記載されているように、RFIC1408は1つ以上のMC1410に結合することができ、マイクロコントローラー1410は独立した基地局または送信機1402に含めることができる。
【0132】
[0156] いくつかの実施形態(すなわち、ビュー4)において、送信機1402は、平坦な構成においてアンテナ素子1406およびRFIC1408を含むことができる。この例示的な実施形態において、カスケード構成が示されている。2つのアンテナ素子1406を単一のRFIC1408に接続することができ、これを更に単一のRFIC1408に接続することができ、これを最終的なRFIC1408に接続することができ、これを更に1つ以上のMC1410に接続することができる。RFIC1408のカスケード構成を用いる平坦な送信機1402は、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供することができ、標的受信機について応答を増大させることができる。更に、RFIC1408の多重冗長性に起因して、より高い信頼性および正確度を達成することができる。
図11の実施形態に記載されているように、RFIC1408は1つ以上のMC1410に結合することができ、マイクロコントローラー1410は独立した基地局または送信機1402に含めることができる。
【0133】
3.複数のプリント回路基板層
[0157]
図15Aは、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供するためのアンテナ素子1506Aを含むことができ、標的受信機について応答を増大させることができる、複数のPCB層1204Aを含むことができる送信機1502Aを示す。複数のPCB層1504Aは、送信機1502Aによって転送することができる電力の範囲および量を増大させることができる。PCB層1504Aは、単一のMCまたは専用MCに接続することができる。同様に、RFICは、上記の実施形態に示されているように、アンテナ素子1506Aに接続することができる。RFICは1つ以上のMCに結合することができる。更に、MCは独立した基地局または送信機1502Aに含めることができる。
【0134】
4.ボックス型送信機
[0158]
図15Bは、内部に複数のPCB層1504Bを含むことができるボックス型送信機1502Bを示す。ボックス型送信機1502Bは、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供するアンテナ素子1506Bを含むことができ、標的受信機について応答を増大させることができる。更に、ボックス型送信機1502Bによってワイヤレス電力伝送の範囲を増大させることができる。複数のPCB層1504Bは、アンテナ素子1506Bの密度がより高いことに起因して、送信機1502Bによってワイヤレスで転送および/またはブロードキャストすることができるRF電力波の範囲および量を増大させることができる。PCB層1504Bは、アンテナ素子1506Bごとの単一のMCまたは専用MCに接続することができる。同様に、RFICは、上記の実施形態に示されるように、アンテナ素子1506Bを制御することができる。更に、送信機800のボックス形状は、ワイヤレス電力伝送の作用比を増大させることができる。このため、ボックス型送信機1502Bは、デスク、テーブル、床等の複数の表面に位置することができる。更に、ボックス型送信機1502Bは、X軸、Y軸もしくはZ軸、またはそれらの任意の組合せに向けることができる、PCB層1504Bのいくつかの構成を含むことができる。RFICは1つ以上のMCに結合することができる。更に、MCは、独立した基地局または送信機1502Bに含めることができる。
【0135】
5.様々なタイプの製品のための不規則アレイ
[0159]
図16は、送信機1602を異なるデバイスに組み入れるためのアーキテクチャ1600の図を示す。例えば、平坦な送信機1602は、テレビ1646のフレームに、またはサウンドバー1648のフレームにわたって適用することができる。送信機1602は、平坦な構成においてアンテナ素子およびRFICを有する複数のタイル1650を含むことができる。RFICは、各アンテナ素子の後ろに直接組み込むことができ、そのような一体化により、コンポーネント間の距離が短くなることに起因した損失を低減することができる。
【0136】
[0160] 例えば、テレビ1646は、複数のタイル1650を含むテレビ1646の周りのベゼルを有することができ、各タイルは、ある特定の数のアンテナ素子から構成される。例えば、テレビ1646のベゼルの周りに20個のタイル1650が存在する場合、各タイル1650は、24個のアンテナ素子および/または任意の数のアンテナ素子を有することができる。
【0137】
[0161] タイル1650において、各アンテナ素子における各ポケット形成の位相および振幅は、所望のポケット形成および送信ヌルステアリングを生成するために、対応するRFICによって調節することができる。各アンテナ素子に結合された、選抜されたRFICは、処理要件を低減させることができ、ポケット形成に対する制御を増大させることができ、マイクロコントローラーに対する、より低い負荷で複数ポケット形成およびより高い粒度のポケット形成を可能にし、このため、より多くの数の複数ポケット形成のより高度な応答を可能にすることができる。更に、複数ポケット形成はより多くの数の受信機に充電することができ、そのような受信機に対するより良好な軌道を可能にすることができる。
【0138】
[0162] RFICは、1つ以上のマイクロコントローラーに結合することができ、独立した基地局に、または送信機1602内のタイル1650に含めることができる。アンテナ素子の行または列を単一のマイクロコントローラーに接続することができる。いくつかの実施態様では、送信機1602内に存在する、より少ない数のRFICは、複数ポケット形成のより弱い制御、より低い粒度レベル、およびよりコストの低い実施形態等の所望の特徴に対応することができる。各行または列に接続されたRFICは、送信機1602の各々を制御するのに必要とされるRFICがより少ないため、より少ないコンポーネントを有することによってコストを低減することを可能にすることができる。RFICは、行または列間の位相および利得を変更することによってポケット形成電力伝送波を生成することができる。
【0139】
[0163] いくつかの実施態様では、送信機1602は、RFICを含むタイル1650のカスケード構成を用いることができ、RFICは、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供することができ、標的受信機について応答を増大させることができる。更に、RFICの多重冗長性から、より高い信頼性および正確度を達成することができる。
【0140】
[0164] 1つの実施形態において、アンテナ素子を含む複数のPCB層が、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供することができ、標的受信機について応答を増大させることができる。複数のPCB層は、送信機1602によって転送することができる電力の範囲および量を増大させることができる。PCB層は、単一のマイクロコントローラーまたは専用マイクロコントローラーに接続することができる。同様に、RFICはアンテナ素子に接続することができる。
【0141】
[0165]ボックス型送信機1602は内部に複数のPCB層を含むことができ、ポケット形成に対し、より大きな制御を提供するアンテナ素子を含むことができ、標的受信機について応答を増大させることができる。更に、ボックス型送信機1602によってワイヤレス電力伝送の範囲を増大させることができる。複数のPCB層は、アンテナ素子の密度がより高いことに起因して、送信機1602によってワイヤレスで転送および/またはブロードキャストすることができるRF電力波の範囲および量を増大させることができる。PCB層は、アンテナ素子ごとに単一のマイクロコントローラーまたは専用マイクロコントローラーに接続することができる。同様に、RFICはアンテナ素子を制御することができる。送信機1602のボックス形状は、ワイヤレス電力伝送の作用比を増大させることができる。このため、ボックス型送信機1602は、デスク、テーブル、床等の複数の表面に位置することができる。更に、ボックス型送信機は、X軸、Y軸およびもしくはZ軸、またはそれらの任意の組合せに向けることができる、PCB層のいくつかの構成を含むことができる。
【0142】
6.複数のアンテナ素子
[0166]
図17は、複数のアンテナ素子1706を含む送信機構成1700の例である。アンテナ素子1706は、アンテナの行1768およびアンテナの列1770を配列することによってアレイを形成することができる。送信機構成は、ポケット形成のための利得および/または位相等のアンテナ素子1706の特徴を制御する少なくとも1つのRFIC1708を含むことができ、これを、方向、電力レベル等を通じて管理することができる。アンテナ素子1706のアレイはMC1710に接続することができ、MC1710は、障害物に起因する損失を低減するための、ポケット形成を送信する最も効果的な軌道を含む、ポケット形成のための最適な時点および位置を決定することができる。そのような軌道は、直接ポケット形成、跳ね返り、およびポケット形成の距離区別を含むことができる。
【0143】
[0167] 送信機デバイスは、アンテナ素子1706をどのように調整して適切な位置にエネルギーポケットを形成するかを決定するために、アンテナ素子1706を利用して受信機の位置を決定することができる。受信機は、情報を提供するために、トレーニング信号を送信機に送信することができる。トレーニング信号は、アンテナ素子1706によって検出することができる任意の従来の既知の信号とすることができる。受信機によって送信される信号は、位相および利得等の情報を含むことができる。
【0144】
III.受信機−ワイヤレス電力伝送を受信および利用するためのシステムおよび方法
A.受信機デバイスのコンポーネント
[0168] クライアントデバイスをワイヤレス充電するためのシステム1100のアーキテクチャを示す
図11を参照すると、例示的な実施形態によれば、システム1100は、各々が特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができる送信機1101および受信機1120を備えることができる。受信機1120のASICは、プリント回路基板1122、アンテナ素子1124、整流器1126、電力変換器1129、通信コンポーネント1130および/または電力管理集積回路(PMIC)1132を備えることができる。受信機1120は、全ての要求されたコンポーネントを割り当てることができるハウジングも含むことができる。受信機1120の様々なコンポーネントは、メタマテリアル、回路のマイクロプリント、ナノマテリアル等を含むことができるか、またはこれらを用いて製造することができる。
【0145】
1.アンテナ素子
[0169] アンテナ素子1124は、送信機1101のアンテナ素子1106について説明した帯域に類似した周波数帯域において動作するのに適したアンテナタイプを含むことができる。アンテナ素子1124は、垂直偏波もしくは水平偏波、右偏波もしくは左偏波、楕円偏波、または他の適切な偏波、および適切な偏波の組合せを含むことができる。複数の偏波を用いることは、使用中の好ましい向きがないか、または向きが経時的に連続して変化する場合があるデバイス、例えば、スマートフォンまたはポータブルゲーム機において有利であり得る。対照的に、明確に定義された予期される向きを有するデバイス、例えば、両手を使うビデオゲームコントローラーの場合、アンテナの好ましい偏波が存在する場合があり、これにより、複数のアンテナについて所与の偏波の比を指定することができる。適切なアンテナタイプは、約299.7206cm〜約15.24cmの高さと、約0.3175cm〜約15.24cmの幅とを有するパッチアンテナを含むことができる。パッチアンテナは、偏波が接続性に依拠することができ、すなわち、偏波は、いずれの側からパッチが供給されるかに依拠して変化することができるという利点を有することができる。これにより、受信機1120等の受信機が、自身のアンテナ偏波を動的に変更してワイヤレス電力伝送を最適化することができるという利点を更に立証することができる。本明細書における実施形態において説明されるように、受信機について、異なるアンテナ、整流器または電力変換器構成が可能である。
【0146】
2.整流器
[0170] 整流器1126は、周期的に方向が反転する交流電流(AC)を、非負値をとる直流電流(DC)に変換することができる。入力AC正弦波の交互の特性に起因して、整流プロセス単体で、非負であるが電流パルスからなるDC電流を生成する。整流器の出力は、電子フィルターによって平滑化され、一定の電流を生成することができる。整流器1126は、アンテナ素子1124によって生成される交流(AC)電圧を直流(DC)電圧に整流する、ダイオードおよび/またはレジスタ、インダクタおよび/またはキャパシタを含むことができる。
【0147】
[0171] いくつかの実施態様では、整流器1126は、全波整流器とすることができる。全波整流器は、入力波形全体を、その出力において一定の極性(正または負)のうちの一方に変換することができる。全波整流は、入力波形の双方の極性を、脈動DC(直流)に変換し、より高い平均出力電圧をもたらすことができる。2つのダイオード、およびブリッジ構成におけるセンタータップ付き変換器および/または4つのダイオード、および任意のACソース(センタータップを有しない変換器を含む)を全波整流器に利用することができる。単一位相ACについて、変換器がセンタータップされている場合、バックツーバック型の2つのダイオード(必要な出力極性に依拠して、カソード/カソードまたはアノード/アノード)を利用して、全波整流器を形成することができる。ブリッジ整流器の場合と同じ出力電圧を得るために二次変換器において2倍の巻線が必要とされる場合があるが、電力定格は変化しない。整流器1126は、アンテナ素子1124が損失を最小にすることが技術的に可能である限り近くに配置することができる。AC電圧を整流した後、電力変換器1129を用いてDC電圧を整流することができる。
【0148】
3.電力変換器
[0172] 電力変換器1129は、一定の電圧出力を提供するのに役立ち、および/または受信機1120への電圧を昇圧させるのに役立つことができるDC/DC変換器とすることができる。いくつかの実施態様において、DC/DC変換器は、最大電力点追跡器(MPPT)とすることができる。MPPTは、より高いDC出力を、電池を充電するのに必要な、より低い電圧に変換する電子DC/DC変換器である。通常の電圧出力は、約5ボルト〜約10ボルトとすることができる。いくつかの実施形態では、電力変換器1129は、高い効率を提供することができる電子切り替えモードDC/DC変換器を含むことができる。そのような場合、キャパシタは、切り替えデバイスが動作するのに十分な電流が提供されることを確実にするように、電力変換器1129の前に含めることができる。電子デバイス、例えば、電話またはラップトップコンピューターを充電するとき、電子切り替えモードDC/DC変換器の動作を作動させるのに必要な最小電力レベルを超えることができる初期高電流が必要とされる場合がある。そのような場合、受信機1120の出力にキャパシタを加えて、必要とされる追加のエネルギーを提供することができる。その後、適切な量の電流を提供するために必要とされるのに応じて、より低い電力を提供することができ、例えば、電話またはラップトップにまだ電荷を蓄積させている間に、総初期電力の1/80を用いることができる。
【0149】
[0173] 1つの実施形態では、複数の整流器1126をアンテナ素子1124に並列に接続することができる。例えば、4つの整流器1126は、アンテナ素子1124に並列に接続することができる。一方で、いくつかの更なる整流器1126を用いることができる。この構成は、各整流器1126が総電力の1/4を扱うことしか必要でないため、有利とすることができる。電子デバイスに1ワットが送達される場合、各整流器1126は、1/4ワットを扱うことしか必要でない場合がある。複数の低電力整流器1126を用いることは、同じ電力量を扱っている間、1つの高電力整流器1126を利用するよりもコストが低い可能性があるため、構成は、コストを大幅に削減することができる。いくつかの実施形態では、整流器1126が扱う総電力を結合して電力変換器1129に入れることができる。他の実施形態では、各整流器1126につき1つの電力変換器1129が存在してもよい。
【0150】
[0174] 他の実施形態では、複数のアンテナ素子1124を整流器1126に並列に接続することができ、その後、DC電圧を、電力変換器1129を通じて調節することができる。この例では、4つのアンテナ素子1124を単一の整流器1126に並列に接続することができる。この構成は、各アンテナ素子1124が総電力の1/4しか扱わない場合があるため、有利であることができる。更に、信号は互いに相殺しない場合があるので、構成は、単一の整流器1126と異なる偏波のアンテナ素子1124の使用を可能にすることができる。上記の特性に起因して、構成は、明確に定義されていないか、あるいは経時的に変動する向きを有する電子クライアントデバイスに適したものとすることができる。最後に、構成は、等しい偏波のアンテナ素子1124を用いるときに有利とすることができ、大きく異ならない位相のために構成することができる。一方、いくつかの実施形態では、アンテナ素子1124ごとに1つの整流器1126および/またはアンテナ素子1124ごとに複数の整流器1126が存在してもよい。
【0151】
[0175] 例示的な実施態様では、複数のアンテナ素子1124の出力を結合して並列な整流器1126に接続することができ、整流器1126の出力を更に結合して1つの電力変換器1129に入れることができる構成を実施することができる。出力を4つの並列な整流器1126において結合することができる16個のアンテナ素子1124が存在することができる。他の実施形態では、アンテナ素子1124は、(例えば4つの)グループに細分化することができ、独立した整流器1126に接続することができる。
【0152】
[0176] 更に別の実施形態において、アンテナ素子1124のグループを異なる整流器1126に接続することができ、整流器1126を更に異なる電力変換器1129に接続することもできる構成を実施することができる。この実施形態では、アンテナ素子1124の4つのグループ(各々が並列な4つのアンテナ素子1124を含む)がそれぞれ、4つの整流器1126に独立して接続することができる。この実施形態では、各整流器1126の出力は、電力変換器1129(合計で4つ)に直接接続することができる。他の実施形態では、4つ全ての整流器1126の出力を各電力変換器1129の前で結合して、総電力を並列に扱うことができる。いくつかの実施形態では、各整流器1126の結合された出力は、単一の電力変換器1129に接続することができる。この構成は、整流器1126とアンテナ素子1124との間の大きな近接性を可能にするという点で有利とすることができる。この特性は、最小の損失を保つことができるため、望ましい場合がある。
【0153】
4.通信コンポーネント
[0177] 通信コンポーネント1130は、送信機1101の場合と同様に、送信機とのまたは他の電子機器への通信のために受信機1120に含めることができる。いくつかの実施態様では、受信機1120は、電池レベル、ユーザーが予め定義した充電プロファイル等のプロセッサによって提供される要件に基づいて所与の送信機1120に通信するためのデバイスの内蔵通信コンポーネントを用いることができる。送信機1101は、1つ以上の1つ以上のプリント回路基板(PCB)1104、1つ以上のアンテナ素1106、1つ以上の無線周波数集積回路(RFIC)1108、1つ以上のマイクロコントローラー(MC)1110、通信コンポーネント1112、および電源1114を含むことができる。送信機1101は、送信機1101のための全ての要求されたコンポーネントを割り当てることができるハウジング内に収容することができる。送信機1101内のコンポーネントは、メタマテリアル、回路のマイクロプリント、ナノマテリアルおよび/または任意の他の材料を用いて製造することができる。受信機と送信機との間で通信コンポーネントによって通信される情報のタイプは、限定ではないが、数ある中でも電池における電力レベル、受信機において受信される信号強度および電力レベル、タイミング情報、位相および利得情報、ユーザー識別情報、クライアントデバイスの権利、セキュリティ関連シグナリング、緊急シグナリング、認証交換を含む。
【0154】
5.PMIC
[0178] 電力管理集積回路(PMIC)1132は、ホストシステムの電力要件を管理するためのシステムオンチップデバイスにおける集積回路および/またはシステムブロックである。PMIC1132は、電池管理、電圧調節および充電機能を含むことができる。PMIC1132は、動的電圧スケーリングを可能にするDC/DC変換器を含むことができる。いくつかの実施態様では、PMIC1132は、最大で95%の電力変換効率を提供することができる。いくつかの実施態様ではPMIC1132は、動的周波数スケーリングと組み合わせて一体化することができる。PMIC1132は、移動電話および/またはポータブルメディアプレーヤー等の電池式デバイスにおいて実施することができる。いくつかの実施態様では、電池は、入力キャパシタおよび出力キャパシタと交換することができる。PMIC1132は、電池および/またはキャパシタに直接接続することができる。電池が直接充電されるとき、キャパシタは実施されない場合がある。いくつかの実施態様では、PMIC1132は、電池の周りにコイルを巻かれることが可能である。PMIC1132は、充電器としての役割を果たす電力管理チップ(PMC)を含むことができ、電池に接続される。PMIC1132は、パルス周波数変調(PFM)およびパルス幅変調(PWM)を用いることができる。PMIC1132は、切り替え増幅器(クラスD電子増幅器)を用いることができる。いくつかの実施態様では、出力変換器、整流器および/またはBLEもPMIC1132に含めることができる。
【0155】
6.ハウジング
[0179] ハウジングは、信号または波送信および/または受信を可能にすることができる任意の適切な材料、例えば、プラスチックまたは硬質ゴムから作製することができる。ハウジングは、例えば、ケースの形態で異なる電子機器に追加することができる外付けハードウェアとすることができるか、または電子機器内に組み込むこともできる。
【0156】
7.ネットワーク
[0180] ネットワーク1140は、送信機1101と受信機1120との間の通信を容易にする任意の共通通信アーキテクチャを含むことができる。当業者であれば、ネットワーク1140は、インターネット、プライベートイントラネット、または2つの何らかのハイブリッドとすることができることを理解するであろう。当業者には、ネットワークコンポーネントを、専用処理機器において実施することができるか、または代替的に、クラウド処理ネットワークにおいて実施することができることも明らかであるべきである。
【0157】
B.受信機、受信機コンポーネント、および受信機に関係するシステムのための構成
1.アンテナ素子に並列に接続された複数の整流器
[0181]
図18Aは、複数の整流器1826Aをアンテナ素子1824Aに並列に接続することができる構成1800Aを示す。この例において、4つの整流器1826Aをアンテナ素子1824Aに並列に接続することができる。一方、いくつかの更なる整流器1826Aが用いられてもよい。構成1800Aは、各整流器1826Aが総電力の1/4のみを扱えばよいため、有利とすることができる。電子デバイスに1ワットが送達される場合、各整流器1826Fは、4分の1ワットのみを扱えばよい場合がある。複数の低電力整流器1826Aを用いることは、同じ電力量を扱う際、1つの高電力整流器1826Aを利用するよりも安価にすることができるので、構成1800Aはコストを大幅に削減することができる。いくつかの実施形態では、整流器1826Aによって扱われる総電力は、1つのDC/DC変換器1828Aに組み合わせることができる。他の実施形態では、整流器1826Aあたり1つのDC/DC変換器1828Aが存在することができる。
【0158】
2.整流器に並列に接続された複数のアンテナ素子
[0182]
図18は、複数のアンテナ素子1824Bを整流器1826Bに並列に接続し、その後、DC電圧をDC/DC変換器1828Bを通じて調節することができる構成1800Bを示す。この例では、4つのアンテナ素子1824Bを単一の整流器1826Bに並列に接続することができる。各アンテナ素子1824Bは総電力の1/4のみを扱えばよいので、構成1800Bは有利とすることができる。更に、信号が互いに相殺しない場合があるので、構成1800Bは、単一の整流器1826Bを用いて異なる偏波のアンテナ素子1824Bの使用を可能にすることができる。上記の特性に起因して、構成1800は、明確に定義されていないか、あるいは経時的に変動する向きを有する電子デバイスに適したものとすることができる。最後に、構成1800Bは、等しい偏波のアンテナ素子1824Bを用い、大きく異ならない位相のために構成されるときに有利とすることができる。一方、いくつかの実施形態では、アンテナ素子1824Bあたり1つの整流器1826Bまたはアンテナ素子1824Bあたり複数の整流器1826(
図18Aに示すように)が存在し得る。
【0159】
3.複数の整流器に並列に接続された複数のアンテナ素子
[0183]
図19Aは、複数のアンテナ素子1924Aの出力を組み合わせて、並列な整流器1926Aに接続することができる構成1900Aを示し、整流器1926Aの出力は1つのDC変換器1928Aにおいて更に組み合わせることができる。構成1900Aは、例示として、16個のアンテナ素子1924Aを示し、16個のアンテナ素子1924Aの出力は、4つの並列の整流器1926Aにおいて結合することができる。他の実施形態において、アンテナ素子1924Aは、グループ(例えば、4つのグループ)に細分化することができ、以下の
図19Bに示すように独立した整流器に接続することができる。
【0160】
4.グルーピングの置換
[0184]
図19Bは、アンテナ素子1624Bのグループを異なる整流器1926Bに接続することができる構成1900Bを示し、そしてこの整流器1926Bは、異なるDC変換器1928Bに接続することもできる。構成1900Bにおいて、アンテナ素子1924Bの4つのグループ(各々が、並列な4つのアンテナ素子1924Bを含む)は各々、4つの整流器1926Bに独立して接続することができる。この実施形態では、各整流器1926Bの出力はDC変換器1928B(合計4つ)に直接接続することができる。他の実施形態では、4つ全ての整流器1926Bの出力は、各DC変換器1928Bの前で組み合わせて、総電力を並列に扱うことができる。他の実施形態では、各整流器1926Bの組み合わされた出力は、単一のDC変換器1928Bに接続することができる。構成1900Bは、整流器1926Bとアンテナ素子1924Bとの間で大きな近接性を可能にするという点で有利とすることができる。この特性は、損失を最小限に保持することができるため、望ましい場合がある。
【0161】
[0185] 受信機は、意図される機能を実行するために電力に頼ることができる電子デバイスまたは機器、例えば、電話、ラップトップコンピューター、遠隔テレビ、子供の玩具または任意の他のそのようなデバイスにおいて実施することができるか、これらに接続することができるか、またはこれらに組み込むことができる。ポケット形成を利用する受信機を用いて、「オン」もしくは「オフ」である間、または使用されているかもしくは使用されていない間、デバイスの電池を完全に充電することができる。更に、電池寿命を大幅に向上させることができる。例えば、1ワットを送達することができる受信機を利用して2ワットで動作するデバイスは、電池持続時間を約50%まで増大させることができる。最後に、電池上で現在実行しているいくつかのデバイスは、受信機を用いて完全に電力供給することができ、その後、電池はもはや必要とされない場合がある。この最後の特性は、壁時計等の、電池の交換を達成するのが厄介であるかまたは困難であり得るデバイスにとって有利である場合がある。以下の実施形態は、受信機の一体化を電子デバイスにおいてどのように実行することができるかのいくつかの例を提供する。
【0162】
5.組込み受信機
[0186]
図20Aは、通常の電話、コンピューターまたは他のデバイスを表すことができるデバイス2000Aが組込み受信機2020Aを含むことができる実施方式を示す。デバイス2000Aはまた、電源と、通信コンポーネント2030Aと、プロセッサとを含むことができる。受信機2020Aは、デバイス2000Aからの電源に電力を提供するためのポケット形成を利用することができる。更に、受信機2020Aは、電池レベル、ユーザーが予め定義した充電プロファイル等のプロセッサによって提供される要件に基づいて所与の送信機に通信するためのデバイス2000Aの内蔵通信コンポーネント2030A(例えば、Bluetooth(登録商標))を用いることができる。
【0163】
6.組込み受信機を有する電池
[0187]
図20Bは、デバイス2000Bが組込み受信機2020Bを有する電池を含むことができる別の実施方式を示す。電池は、ポケット形成を通じて電力をワイヤレスで受信することができ、自身の組込み受信機2020Bを通じて充電することができる。電池は、電源のための供給部として機能することもできるし、またはバックアップ供給部として機能することもできる。この構成は、電池が充電のために取り除かれる必要がないという点で有利とすることができる。これは、ゲームコントローラーにおいて、または電池、特にAAもしくはAAAを継続的に交換することができるゲーム機器において特に有用とすることができる。
【0164】
7.外部通信コンポーネント
[0188]
図20Cは、受信機2020Cおよび通信コンポーネント2030Cを、デバイスに取り付けることができる外付けハードウェアに含めることができる代替的な実施方式2000Cを示す。ハードウェアは、電話、コンピューター、リモートコントローラー等に配置することができるケース等の適切な形態をとることができ、これらは、ユニバーサルシリアルバス(USB)等の適切なインターフェースを通じて接続することができる。他の実施形態では、ハードウェアは可撓性フィルム上にプリントすることができ、これは次に、電子機器に貼り付けるかまたは他の形で取り付けることができる。このオプションは、低いコストで生成することができ、様々なデバイスに容易に一体化することができるため、有利とすることができる。以前の実施形態におけるように、通信コンポーネント2030Cは、送信機または電子機器一般に通信を提供することができるハードウェアに含めることができる。
【0165】
8.USBに接続する受信機のケーシングまたはハウジング
[0189]
図21Aは、フレックスケーブルまたはUSBを通じてスマートフォンおよび/または任意の他の電子デバイスに接続することができる受信機2102Aを含むケースの形態をとるハードウェアを示す。他の実施形態では、ハウジングまたはケースは、数あるそのようなオプションの中でも、コンピューターケース、電話ケースおよび/またはカメラケースとすることができる。
【0166】
9.プリントフィルム上のPCB
[0190]
図21Bは、複数のプリント受信機2102Bを含むことができるプリントフィルムまたはプリントフレキシブル回路基板(PCB)の形態でハードウェアを示す。プリントフィルムは、電子デバイスに貼り付けるかまたは他の形で取り付けることができ、USB等の適切なインターフェースを通じて接続することができる。プリントフィルムは、特定の電子デバイスサイズおよび/または要件を満たすようにセクションをそこから切り取ることができるという点で有利である場合がある。ワイヤレス電力伝送の効率および(ポケット形成を用いて)送達することができる電力量は、所与の受信機および送信機システムにおいて用いられるアンテナ素子の総数の関数とすることができる。例えば、約15フィートで約1ワットを送達するために、受信機は約80個のアンテナ素子を含むことができるのに対し、送信機は約256個のアンテナ素子を含むことができる。別の同一のワイヤレス電力伝送システム(約15フィートで約1ワット)は、約40個のアンテナ素子を有する受信機と、約512個のアンテナ素子を有する送信機とを含むことができる。受信機におけるアンテナ素子の数が半分に減ることは、送信機におけるアンテナ数が二倍になることを必要とする場合がある。いくつかの場合、受信機よりも送信機において多くの数のアンテナ素子を置くことが、コスト効率が良い場合がある。一方、送信機に少なくとも2つのアンテナ素子がある限り、例えば、送信機よりも受信機により多くのアンテナ素子を配置することによって、反対のことが達成され得る。
【0167】
IV.アンテナハードウェアおよび機能
A.間隔構成
[0191]
図22は、電子デバイス2252(例えば、スマートフォン)においてワイヤレス電力伝送を受信するために受信機2220を用いることができる内部ハードウェアを示す。いくつかの実施態様では、電子デバイス2252は、電子デバイス2252のケース2254(例えば、スマートフォンケース)の内部エッジの周りに組み込むことができる受信機2220を含むことができる。他の実施形態では、受信機2220は、ケース2254の背面を覆うように実装することができる。ケース2254は、数あるそのようなオプションの中でも、スマートフォンカバー、ラップトップカバー、カメラカバー、GPSカバー、ゲームコントローラーカバーおよび/またはタブレットカバーのうちの1つ以上とすることができる。ケース2254は、プラスチック、ゴムおよび/または任意の他の適切な材料から作製することができる。
【0168】
[0192] 受信機2220は、
図22に示されるグリッドエリア上に戦略的に分布されたアンテナ素子2224のアレイを含むことができる。ケース2254は、最適な受信のためにエッジの周り、および/またはケース2254の背面に沿って位置するアンテナ素子2224のアレイを含むことができる。アンテナ素子2224の数、間隔およびタイプは、電子デバイス2252の設計、サイズおよび/またはタイプに従って計算することができる。いくつかの実施形態では、アンテナ素子2224を含むケース2254と電子デバイス2252との間に間隔(例えば、1mm〜4mm)および/またはメタマテリアルが存在することができる。間隔および/またはメタマテリアルは、RF信号のための更なる利得を提供することができる。いくつかの実施態様では、ケース2254内に実装する多層PCBを作成する際にメタマテリアルを用いることができる。
【0169】
B.メタマテリアル
[0193] 内部ハードウェアは、プリントフィルム2256の形態をとることができ、および/または可撓性PCBは、複数のプリントアンテナ素子2224(互いに直列に、並列に、または組み合わせて接続される)、整流器および電力変換器要素等の異なるコンポーネントを含むことができる。プリントフィルム2256は、電子デバイス2252および/またはタブレット等の任意の適切な電子デバイスに貼り付けるかまたは他の形で取り付けることができる。プリントフィルム2256は、可撓性ケーブル2258等の任意の適切なインターフェースを通じて接続することができる。プリントフィルム2256は、いくつかの利点を呈することができ、これらの利点のうちの1つは、特定のスマートモバイルデバイスサイズおよび/または要件を満たすようにプリントフィルム2256からセクションを切り取ることができることとすることができる。1つの実施形態によれば、受信機2220のためのアンテナ素子2224間の間隔は、約2nm〜約12nmの範囲を取ることができ、最も適切なのは約7nmである。
【0170】
[0194] 更に、いくつかの実施態様では、スマートフォン等の電子デバイス2252のための受信機2220において用いることができるアンテナ素子2224の最適な量は、約20個〜約30個の範囲をとることができる。一方、受信機2220内のアンテナ素子2224の量は、電子デバイス2252の設計およびサイズに従って変動することができる。アンテナ素子2224は、数ある中でも、銅、金および銀等の異なる導電材料から作製することができる。更に、アンテナ素子2224は、数ある中でも、可撓性PCB等の任意の適切な非導電性可撓性基板上にプリント、エッチングまたは積層することができる。アンテナ素子2224の開示される構成および向きは、ワイヤレス充電のより良好な受信、効率および性能を呈することができる。
【0171】
[0195] 上記の方法記述およびプロセスフロー図は、単なる説明的な例として提供され、様々な実施形態のステップが提示される順序で実行されなくてはならないことを必要とするかまたは暗に意味するように意図されていない。当業者によって理解されるように、上記の実施形態におけるステップは任意の順序において実行することができる。「次に、」「次いで、」等の語は、ステップの順序を限定することを意図しておらず、これらの語は、単に、本方法の記述を通じて読み手を誘導するために用いられる。プロセスフロー図は、動作を連続したプロセスとして説明する場合があるが、動作の多くは、並列にまたは同時に実行することができる。更に、動作の順序は再配列することができる。プロセスは、方法、機能、手順、サブルーチン、サブプログラム等に対応することができる。プロセスが機能に対応するとき、その終了は、呼び出し機能またはメイン機能に機能が戻ることに対応することができる。
【0172】
[0196] 本明細書に開示される実施形態に関連して説明される様々な説明的な論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピューターソフトウェア、または双方の組合せとして実施することができる。ハードウェアおよびソフトウェアのこの交換可能性を明確に示すために、様々な説明的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびステップが、通常、それらの機能の観点で説明された。そのような機能がハードウェアとして実施されるかまたはソフトウェアとして実施されるかは、システム全体に課される特定の用途および設計制約に依拠する。当業者は、説明された機能を、特定の用途ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものとして解釈されるべきではない。
【0173】
[0197] コンピューターソフトウェアにおいて実施される実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語またはそれらの任意の組合せで実施することができる。コードセグメントまたは機械実行可能命令は、プロシージャ、関数、サブプログラム、プログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、クラス、または命令、データ構造もしくはプログラム文の任意の組合せを表すことができる。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメーターまたはメモリコンテンツを渡すおよび/または受信することによって別のコードセグメントまたはハードウェア回路に結合することができる。情報、引数、パラメーター、データ等は、メモリ共有、メッセージ共有、トークンパッシング、ネットワーク送信等を含む任意の適切な手段を介して渡すか、転送するか、または送信することができる。
【0174】
[0198] これらのシステムおよび方法を実施するのに用いられる実際のソフトウェアコードまたは特殊化された制御ハードウェアは、本発明を限定するものではない。このため、システムおよび方法の動作および挙動は、特定のソフトウェアコードを参照することなく説明され、ソフトウェアおよび制御ハードウェアは、本明細書における説明に基づいてシステムおよび方法を実施するように設計することができると理解される。
【0175】
[0199] ソフトウェアで実施されるとき、機能は、非一時的コンピューター可読ストレージ媒体またはプロセッサ可読ストレージ媒体における1つ以上の命令またはコードとして記憶することができる。本明細書に開示される方法またはアルゴリズムのステップは、コンピューター可読ストレージ媒体またはプロセッサ可読ストレージ媒体上に存在することができるプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールに埋め込むことができる。非一時的コンピューター可読媒体またはプロセッサ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータープログラムの転送を容易にするコンピューターストレージ媒体および有形ストレージ媒体の双方を含む。非一時的プロセッサ可読ストレージ媒体は、コンピューターによってアクセス可能とすることができる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのような非一時的プロセッサ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気ストレージデバイス、または、命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶することができ、コンピューターもしくはプロセッサによってアクセスすることができる、任意の他の有形ストレージ媒体を含むことができる。ディスク(disk)およびディスク(disc)は、本明細書において用いられるとき、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスクおよびブルーレイディスクを含み、ここで、ディスク(disk)は通例、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)はレーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピューター可読媒体の範囲内に含まれるべきである。更に、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータープログラム製品に組み入れることができる、非一時的プロセッサ可読媒体および/またはコンピューター可読媒体上のコードおよび/または命令の1つまたは任意の組合せまたは組として存在することができる。開示された実施形態の上記の説明は、任意の当業者が本発明を作成または使用することを可能にするように提供される。これらの実施形態に対する様々な変更が当業者には容易に明らかとなり、本明細書に定義される一般的な原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。このため、本発明は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図しておらず、添付の特許請求の範囲ならびに本明細書に開示される原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられる。様々な態様および実施形態が開示されたが、他の態様および実施形態が予期される。開示される様々な態様および実施形態は、説明を目的としており、限定を意図しておらず、真の範囲および趣旨は添付の特許請求の範囲によって示される。