特許第6546295号(P6546295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6546295端末用充電システム、充電方法及び電源アダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546295
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】端末用充電システム、充電方法及び電源アダプタ
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190705BHJP
【FI】
   H02J7/00 B
【請求項の数】25
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2017-564896(P2017-564896)
(86)(22)【出願日】2017年1月7日
(65)【公表番号】特表2018-519781(P2018-519781A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】CN2017070537
(87)【国際公開番号】WO2017133392
(87)【国際公開日】20170810
【審査請求日】2017年12月14日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/073679
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201610600612.3
(32)【優先日】2016年7月26日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】グァンドン オッポ モバイル テレコミュニケーションズ コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100163050
【弁理士】
【氏名又は名称】小栗 眞由美
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ティエン, チェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジャリィアン
【審査官】 辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−136278(JP,A)
【文献】 特開2015−095936(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/113349(WO,A1)
【文献】 特開2016−063622(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第106026327(CN,A)
【文献】 特開平4−138506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末用充電システムであって、
電池と、
入力された交流を整流して第1脈動波形の饅頭形波電圧を出力する第1整流ユニットと、
制御信号に基づいて前記第1脈動波形の饅頭形波電圧を変調させるスイッチユニットと、
変調された前記第1脈動波形の饅頭形波電圧に基づいて第2脈動波形の饅頭形波電圧を出力する変圧器と、
前記第2脈動波形の饅頭形波電圧を整流して第3脈動波形の饅頭形波電圧を出力する第2整流ユニットと、
前記第2整流ユニットに接続された第1充電インタフェースと、
前記スイッチユニットに接続され、前記スイッチユニットに前記制御信号を出力し、前記制御信号のデューティ比を調節する制御ユニットと、
電池電圧収集ユニットと、
を含み、
前記第3脈動波形の饅頭形波電圧を出力して前記電池を充電するプロセスにおいて、前記制御ユニットは、前記制御信号のデューティ比を調節することで前記第3脈動波形の饅頭形波電圧トラフの持続時間を低減し、
前記電池電圧収集ユニットが、前記電池の電圧ピーク値を収集することを特徴とする端末用充電システム。
【請求項2】
端末の電池充電用電源アダプタであって、
入力された交流を整流して第1脈動波形の饅頭形波電圧を出力する第1整流ユニットと、
制御信号に基づいて前記第1脈動波形の饅頭形波電圧を変調させるスイッチユニットと、
変調された前記第1脈動波形の饅頭形波電圧に基づいて第2脈動波形の饅頭形波電圧を出力する変圧器と、
前記第2脈動波形の饅頭形波電圧を整流して第3脈動波形の饅頭形波電圧を出力する第2整流ユニットと、
前記スイッチユニットに接続され、前記スイッチユニットに前記制御信号を出力し、前記制御信号のデューティ比を調節して、前記電源アダプタが前記第3脈動波形の饅頭形波電圧を出力することにより前記電池を充電する過程で、前記制御信号のデューティ比を調節することにより、前記第3脈動波形の饅頭形波電圧トラフの持続時間を低減し、前記端末内の電池電圧収集ユニットが前記電池の電圧ピーク値を収集するように制御する制御ユニットと、を含むことを特徴とする電源アダプタ。
【請求項3】
前記第2整流ユニットに接続される第1充電インタフェースをさらに含み、前記第1充電インタフェースが端末の第2充電インタフェースに接続される場合に、前記第2充電インタフェースが、前記第3脈動波形の饅頭形波電圧を前記端末の電池に印加し、
前記第2充電インタフェースは、前記電池に接続されることを特徴とする請求項2に記載の電源アダプタ。
【請求項4】
前記第1充電インタフェースは、
前記電池を充電する電源線と、
前記端末と通信するデータ線と、を含むことを特徴とする請求項3に記載の電源アダプタ。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と通信することで充電モードを決定し、
前記充電モードは、第1充電モードと第2充電モードとを含むことを特徴とする請求項4に記載の電源アダプタ。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信し、前記第1充電モードで前記端末を充電すると決定された場合、
前記制御ユニットは、前記端末に第1指令を送信し、前記第1指令は前記端末が前記第1充電モードを起動するか否かを問い合わせるために使用され、
前記制御ユニットは、前記端末から前記第1指令の返信指令を受信し、前記第1指令の返信指令は前記端末が前記第1充電モードの起動を同意するように指示するために使用されることを特徴とする請求項5に記載の電源アダプタ。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記端末に前記第1指令を送信する前に、前記電源アダプタと前記端末との間に前記第2充電モードで充電し、
前記制御ユニットにより前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定された後、前記端末に前記第1指令を送信することを特徴とする請求項6に記載の電源アダプタ。
【請求項8】
前記制御ユニットは、前記スイッチユニットを制御することで、充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように前記電源アダプタを制御し、前記電源アダプタにより前記第1充電モードに対応する充電電流で前記端末を充電する前に、
前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信することで、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定し、充電電圧を前記第1充電モードに対応する充電電圧に調整するように前記電源アダプタを制御することを特徴とする請求項6に記載の電源アダプタ。
【請求項9】
前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定された場合、
前記制御ユニットは、前記端末に第2指令を送信し、前記第2指令は、前記電源アダプタの現在の出力電圧が前記第1充電モードの充電電圧として適切であるか否かを問い合わせるために使用され、
前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記第2指令の返信指令を受信し、前記第2指令の返信指令は、前記電源アダプタの現在の出力電圧が適切か、高いか又は低いかを指示するために使用され、
前記制御ユニットは、前記第2指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電圧を決定することを特徴とする請求項8に記載の電源アダプタ。
【請求項10】
前記制御ユニットは、充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように前記電源アダプタを制御する前に、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定することを特徴とする請求項8に記載の電源アダプタ。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する場合、
前記制御ユニットは、前記端末に第3指令を送信し、前記第3指令は、前記端末の現在サポートする最大充電電流を問い合わせるために使用され、
前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記第3指令の返信指令を受信し、前記第3指令の返信指令は、前記端末の現在サポートする最大充電電流を指示するために使用され、
前記制御ユニットは、前記第3指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電流を決定することを特徴とする請求項10に記載の電源アダプタ。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスにおいて、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記スイッチユニットを制御することで前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整することを特徴とする請求項6に記載の電源アダプタ。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信して前記スイッチユニットを制御することにより、前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整する場合、
前記制御ユニットは、前記端末に前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる第4指令を送信し、
前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記端末内の電池の現在の電圧を指示する前記第4指令の返信指令を受信し、
前記制御ユニットは、前記電池の現在の電圧に基づいて、前記スイッチユニットを制御することにより前記充電電流を調整することを特徴とする請求項12に記載の電源アダプタ。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記電池の現在の電圧、及び所定の電池電圧値と充電電流値との対応関係に基づいて、前記スイッチユニットを制御することにより、前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を、前記電池の現在の電圧に対応する充電電流値に調整することを特徴とする請求項12に記載の電源アダプタ。
【請求項15】
前記制御ユニットは、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスにおいて、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信して前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定し、
前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判定される場合、前記制御ユニットは、前記第1充電モードを終了するように前記電源アダプタを制御することを特徴とする請求項12に記載の電源アダプタ。
【請求項16】
前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判定される前に、前記端末から前記端末の通路抵抗を指示するための情報を受信し、
前記制御ユニットは、前記端末に前記端末内の電池の電圧を問い合わせる第4指令を送信し、
前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記端末内の電池の電圧を指示する前記第4指令の返信指令を受信し、
前記制御ユニットは、前記電源アダプタの出力電圧と前記電池の電圧とに基づいて、前記電源アダプタから前記電池までの通路抵抗を決定し、
前記制御ユニットは、前記電源アダプタから前記電池までの通路抵抗と、前記端末までの通路抵抗と、前記電源アダプタと前記端末との間の充電線線路の通路抵抗とに基づいて、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定することを特徴とする請求項15に記載の電源アダプタ。
【請求項17】
前記制御ユニットは、前記電源アダプタが前記第1充電モードを終了する前に、前記端末に前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間の接触不良を指示する第5指令を送信することを特徴とする請求項16に記載の電源アダプタ。
【請求項18】
端末用充電方法であって、
電源アダプタの第1充電インタフェースが前記端末の第2充電インタフェースに接続された場合、入力された交流を一次整流して第1脈動波形の饅頭形波電圧を出力するステップと、
スイッチユニットを制御して前記第1脈動波形の饅頭形波電圧を変調させ、変圧器の変換により第2脈動波形の饅頭形波電圧を出力するステップと、
前記第2脈動波形の饅頭形波電圧を二次整流して第3脈動波形の饅頭形波電圧を出力し、前記第2充電インタフェースにより前記第3脈動波形の饅頭形波電圧を前記端末の電池に印加するステップと、
前記スイッチユニットに出力される制御信号のデューティ比を調節して、前記電源アダプタが前記第3脈動波形の饅頭形波電圧を出力することにより前記電池を充電する過程において、前記制御信号のデューティ比を調節することにより、前記第3脈動波形の饅頭形波電圧トラフの持続時間を低減し、前記端末が前記電池の電圧ピーク値を収集するステップと、を含むことを特徴とする端末用充電方法。
【請求項19】
前記第1充電インタフェースを介して前記端末と通信して充電モードを決定し、
前記充電モードが第1充電モードであると決定された場合、前記端末の状態情報に基づいて前記第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧を取得し、前記第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧に基づいて、前記制御信号のデューティ比を調節し、
前記充電モードは、第1充電モードと第2充電モードとを含むことを特徴とする請求項18に記載の端末用充電方法。
【請求項20】
前記電源アダプタは、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信して前記第1充電モードで前記端末を充電すると決定された場合、
前記電源アダプタは、前記端末に、前記端末が前記第1充電モードを起動するか否かを問い合わせる第1指令を送信し、
前記電源アダプタは、前記第1充電モードを起動することを前記端末に指示する前記第1指令の返信指令を前記端末から受信することを特徴とする請求項19に記載の端末用充電方法。
【請求項21】
前記電源アダプタが前記端末に前記第1指令を送信する前に、前記電源アダプタと前記端末との間に前記第2充電モードで充電し、前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定された後、前記電源アダプタは前記端末に前記第1指令を送信することを特徴とする請求項20に記載の端末用充電方法。
【請求項22】
前記スイッチユニットを制御することで前記電源アダプタが充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように前記電源アダプタを制御し、
前記電源アダプタは前記第1充電モードに対応する充電電流で前記端末を充電する前に、
前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定し、前記電源アダプタが充電電圧を前記第1充電モードに対応する充電電圧に調整するように制御することを特徴とする請求項20に記載の端末用充電方法。
【請求項23】
前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定したステップは、
前記電源アダプタが前記端末に、前記電源アダプタの現在の出力電圧が前記第1充電モードの充電電圧として適切であるか否かを問い合わせる第2指令を送信するステップと、
前記電源アダプタが、前記電源アダプタの現在の出力電圧が適切か、高いか又は低いかを指示するために、前記端末から送信された前記第2指令の返信指令を受信するステップと、
前記電源アダプタが、前記第2指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電圧を決定するステップと、を含むことを特徴とする請求項22に記載の端末用充電方法。
【請求項24】
前記電源アダプタが、充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように制御する前に、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定することを特徴とする請求項22に記載の端末用充電方法。
【請求項25】
前記端末は第2充電モードと第1充電モードとをサポートし、
前記第1充電モードの充電電流は、前記第2充電モードの充電電流より大きく、
前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信して前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電すると決定し、
前記電源アダプタは、前記第1充電モードに対応する充電電流に基づいて出力し、前記端末内の電池を充電することを特徴とする請求項18に記載の端末用充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は端末装置の技術分野に関し、特に端末用充電システム、端末用充電方法及び電源アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末(例えば、スマートフォン)は、益々多くの消費者に好まれているが、携帯端末は、多くの電力を消費し、頻繁に充電する必要がある。
【0003】
通常、携帯端末は電源アダプタにより充電される。一般的に、電源アダプタは、一次整流回路、一次フィルタ回路、変圧器、二次整流回路、二次フィルタ回路、及び制御回路等を含み、電源アダプタは、入力された220∨の交流を、携帯端末のニーズに適合した安定した低電圧の直流(例えば、5∨)に変換し、携帯端末の充電を実現するための電源管理装置と電池を提供する。
【0004】
しかしながら、電源アダプタの電力が大きくなるにつれて、例えば、5Wから10W、15W、25W等、より大電力へアップグレードするにつれ、高電力を耐え、かつ精度よく制御できる多くの電子部品への適応が必要となり、電源アダプタの体積が増加するだけではなく、アダプタの製造コストや製造難度を増加させることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、発明者による以下の問題についての認識及び研究に基づいて作られたものである。
【0006】
発明者は、研究の際、電源アダプタの電力が多くなるにつれ、電源アダプタは携帯端末の電池を充電する際に、電池の分極抵抗が容易に大きくなり、電池の温度の上昇が大きくなりやすいため、電池の使用寿命が減少し、電池の信頼性と安全性とに影響を及ぼすことを見出した。
【0007】
また、通常、交流電源を使用する場合、ほとんどの機器では交流で直接作動することができない。これは、交流電流、例えば、50Hzの220∨の電源が間欠的に電気エネルギーを出力するからであり、「間欠」しないように、電解コンデンサを利用してエネルギーを蓄積する必要がある。このように、給電がトラフにある場合に、給電を持続することで、電解コンデンサのエネルギー貯蔵による安定した電気エネルギー供給を維持する。よって、交流電源は、電源アダプタにより携帯端末に充電する場合、まず、交流電源により提供された交流、例えば、220∨の交流を安定して直流に変換して携帯端末に供給する。しかし、電源アダプタは、携帯端末の電池を充電するために間接的に携帯端末に給電し、給電の持続性は電池により保証されるので、電源アダプタは、電池を充電する際に、安定して直流を連続的に出力する必要はない。
【0008】
なお、関連技術における低電圧大電流のVOOC充電方式に基づいて携帯端末を充電する場合、アダプタ端は直接電池に接続され、アダプタから出力電圧及び電流を調節するため、アダプタが電池端の電圧などの情報を知る必要があり、取得される電池の電圧情報により目標電圧に達するか否かを判断し、目標電圧に達すると、出力電流を低減し始める。電池の電圧などの情報は、一般的には、ADCサンプリングにより得られ、サンプリングにより得られる電圧は、瞬時電圧値に属し、このサンプリング方式により収集される電圧値は、直流充電プロセスにおいては実行可能であるが、パルス充電においては問題がある。入力される電流がパルス状であり、電池の内部抵抗により、電池の電圧も、パルス電流波形の変動により変動するため、電池の電圧には、ピークとトラフが現れ、電池が過電圧にならないように保証ためには、電池のピーク電圧が過電圧にならないことを確認する必要がある。しかし、上記方式では、瞬時電圧値がサンプリングされるため、トラフ電圧がサンプリングされると、システムのタイムリーな調整に影響を与える。
【0009】
そのため、本発明の一つ目の目的は、電源アダプタから出力された脈動波形の電圧を、直接端末の電池に印加することで、電源アダプタの小型化や、低コスト化を実現し、電池の使用寿命を向上させ、電源アダプタが電池にパルス充電するプロセスにおいて、出力脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減することにより、電池の電圧ピーク値の収集を便利にし、電源アダプタが充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を保証することのできる端末用充電システムを提供することである。
【0010】
本発明の2つ目の目的は、電源アダプタを提供することである。本発明の3つ目の目的は、端末用充電方法を提供するとこである。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様の実施例は、端末用充電システムを提供する。前記端末用充電システムは、電源アダプタと端末とを含み、前記電源アダプタは、入力された交流を整流して第1脈動波形の電圧を出力する第1整流ユニットと、制御信号に基づいて前記第1脈動波形の電圧を変調させるスイッチユニットと、変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する変圧器と、前記第2脈動波形の電圧を整流して第3脈動波形の電圧を出力する第2整流ユニットと、前記第2整流ユニットに接続されている第1充電インタフェースと、前記スイッチユニットに接続され、前記スイッチユニットに前記制御信号を出力し、前記制御信号のデューティ比を調節して、前記第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすよう制御する制御ユニットと、を含み、前記端末は、第2充電インタフェースと、電池と、電池電圧収集ユニットとを含み、前記第2充電インタフェースは前記電池に接続され、前記第2充電インタフェースは、前記第2充電インタフェースが前記第1充電インタフェースに接続される場合に前記第3脈動波形の電圧を前記電池に印加し、前記電源アダプタが前記第3脈動波形の電圧を出力することにより前記電池を充電するプロセスにおいて、前記制御ユニットは、前記制御信号のデューティ比を調節することにより、前記第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、前記電池電圧収集ユニットが前記電池の電圧ピーク値を収集する。
【0012】
本発明実施例による端末用充電システムによれば、電源アダプタは、第3脈動波形の電圧を出力するように制御し、電源アダプタから出力された第3脈動波形の電圧を、端末の電池に直接印加することで、リップルの出力電圧/電流は直接電池を急速充電する。リップルの出力電圧/電流の大きさは定期的に変換し、従来の定電圧定電流と比較して、リチウム電池のリチウム析出を低減させ、電池の使用寿命を向上させ、充電インタフェースの接点のアーク放電の確率と強度とを減少させ、充電インタフェースの寿命を向上させ、及び電池の分極効果を低減させ、充電速度を向上させ、電池の発熱を減少させ、端末が充電する時の安全性と信頼性を保証する。また、電源アダプタから出力された電圧は脈動波形の電圧であるから、電源アダプタに電解コンデンサを設ける必要はなく、電源アダプターを簡略化して小型化させることができるだけではなく、大幅にコストダウンすることもできる。また、電源アダプタが電池に対してパルス充電するプロセスにおいて、制御ユニットは、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減するため、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少し、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値の収集を便利にすることができる。このように、電源アダプタは、電池の電圧ピーク値に基づいて充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を保証することができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第2態様の実施例は、電源アダプタを提供する。前記電源アダプタは、入力された交流を整流して第1脈動波形の電圧を出力する第1整流ユニットと、制御信号に基づいて前記第1脈動波形の電圧を変調させるスイッチユニットと、変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する変圧器と、前記第2脈動波形の電圧を整流して第3脈動波形の電圧を出力するための第2整流ユニットと、前記第2整流ユニットに接続され、端末の第2充電インタフェースに接続される場合に、前記電池に接続される前記第2充電インタフェースから、前記第3脈動波形の電圧を前記端末の電池に印加する第1充電インタフェースと、前記スイッチユニットに接続され、前記スイッチユニットに前記制御信号を出力し、前記制御信号のデューティ比を調節して、前記第3脈動波形の電圧が前記端末の充電ニーズを満たすように制御し、前記電源アダプタが前記第3脈動波形の電圧を出力して前記電池を充電するプロセスにおいて、前記制御信号のデューティ比を調節することにより、前記第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、前記端末内の電池電圧収集ユニットが前記電池の電圧ピーク値を収集するように制御制御ユニットと、を含む。
【0014】
本発明の実施例によれば、電源アダプタは、第1充電インタフェースにより第3脈動波形の電圧を出力し、端末の第2充電インタフェースにより第3脈動波形の電圧を端末の電池に印加することで、リップルの出力電圧/電流で直接電池を急速充電する。リップルの出力電圧/電流の大きさは定期的に変換するので、従来の定電圧定電流と比較して、リチウム電池のリチウム析出を低減させ、電池の使用寿命を向上させ、充電インタフェースの接点のアーク放電の確率と強度とを減少させ、充電インタフェースの寿命を向上させ、電池の分極効果を低減させ、充電速度を向上させ、電池の発熱を減少させ、端末が充電する時の安全性と信頼性を保証することができる。また、電源アダプタから出力される電圧は脈動波形の電圧であるから、電源アダプタに電解コンデンサを設ける必要はなく、電源アダプタを簡略化して小型化させることができるだけではなく、大幅にコストダウンすることもできる。端末の電池に対してパルス充電するプロセスにおいて、制御ユニットは、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減するので、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少し、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値を簡便に収集することができる。このように、電源アダプタは、電池の電圧ピーク値に基づいて充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を保証することができる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第3態様の実施例は、端末用充電方法を提供する。前記端末用充電方法は、電源アダプタの第1充電インタフェースが前記端末の第2充電インタフェースに接続された場合、入力された交流を一次整流して第1脈動波形の電圧を出力するステップと、スイッチユニットを制御して前記第1脈動波形の電圧を変調させ、変圧器の変換により第2脈動波形の電圧を出力するステップと、前記第2脈動波形の電圧を二次整流して第3脈動波形の電圧を出力し、前記第2充電インタフェースにより前記第3脈動波形の電圧を前記端末の電池に印加するステップと、前記スイッチユニットに出力される制御信号のデューティ比を調節して、前記第3脈動波形の電圧が前記端末の充電ニーズを満たし、前記電源アダプタが前記第3脈動波形の電圧を出力することにより前記電池を充電するプロセスにおいて、前記制御信号のデューティ比を調節することにより、前記第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、前記端末が前記電池の電圧ピーク値を収集するステップとを含む。
【0016】
本発明の実施例による端末用充電方法は、電源アダプタが充電ニーズを満たすために、第3脈動波形の電圧を出力するように電源アダプタを制御して、電源アダプタから出力された第3脈動波形の電圧を、端末の電池に直接に印加することにより、リップルの出力電圧/電流を直接電池に急速充電する。リップルの出力電圧/電流の大きさは定期的に変換するので、従来の定電圧定電流と比較して、リチウム電池のリチウム析出を低減させ、電池の使用寿命を向上させ、充電インタフェースの接点のアーク放電の確率と強度とを減少させ、充電インタフェースの寿命を向上させ、及び電池の分極効果を低減させ、充電速度を向上させ、電池の発熱を減少させ、端末が充電する時の安全性と信頼性を保証する。また、電源アダプタから出力される電圧は脈動波形の電圧であるから、電源アダプタに電解コンデンサを設ける必要はなく、電源アダプタを簡略化して小型化させることができるだけではなく、大幅にコストダウンすることもできる。また、端末の電池にパルス充電するプロセスにおいて、制御ユニットは、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減するので、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少し、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値を簡便に収集することができる。このように、電源アダプタは、電池の電圧ピーク値に基づいて充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】本発明の一実施例による端末用充電システムにフライバックスイッチング電源を利用したブロック図である。
図1B】本発明の一実施例による端末用充電システムにフォワードスイッチング電源を利用したブロック図である。
図1C】本発明の一実施例による端末用充電システムにプッシュプルスイッチング電源を利用したブロック図である。
図1D】本発明の一実施例による端末用充電システムにハーフブリッジタイプスイッチング電源を利用したブロック図である。
図1E】本発明の一実施例による端末用充電システムにフルブリッジタイプスイッチング電源を利用したブロック図である。
図2】本発明の実施例による端末用充電システムのブロック図である。
図3】本発明の一実施例による電源アダプタが電池に出力した充電電圧波形の概略図である。
図4】本発明の一実施例による電源アダプタが、電池に出力した充電電流波形の概略図である。
図5A】本発明の一実施例によるスイッチユニットに出力した制御信号の概略図である。
図5B】本発明の一実施例による制御信号のデューティ比を調節することで第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減する制御信号の対照概略図である。
図6】本発明の一実施例による急速充電プロセスの概略図である。
図7A】本発明一実施例による端末用充電システムのブロック図である。
図7B】本発明一実施例による電源アダプタにLCフィルタ回路を持つのブロック図である。
図8】本発明の他の実施例による端末用充電システムのブロック図である。
図9】本発明の他の実施例による端末用充電システムのブロック図である。
図10】本発明の他の実施例による端末用充電システムのブロック図である。
図11】本発明の一実施例によるサンプリングユニットのブロック図である。
図12】本発明の他の実施例の端末用充電システムのブロック図である。
図13】本発明の一実施例による端末のブロック図である。
図14】本発明の他の実施例による端末のブロック図である。
図15】本発明の実施例による端末用充電方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明し、実施例を図面に基づいて説明する。図中、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。以下、図面を参照して説明される実施形態は例示的なものであり、本発明を解釈するために用いられ、本発明を限定するものではない。
【0019】
本発明の実施例により提案される端末用充電システム、電源アダプタ及び端末用充電方法を説明する前に、まず、従来技術における端末などの充電対象機器を充電する電源アダプタ、(以下「関連アダプタ」と称す)について説明する。
【0020】
関連アダプタが定電圧モードで作動する場合、その出力電圧は、、5V、9V、12V又は20Vのように、略一定に維持される。
【0021】
関連アダプタから出力される電圧は、直接電池の両端に印加するのに適しておらず、充電対象機器(例えば、端末)内の電池の予期された充電電圧及び/又は充電電流を取得するために、あらかじめ充電対象機器(例えば、端末)内の変換回路により変換する必要がある。
【0022】
変換回路は、電池の予期される充電電圧及び/又は充電電流のニーズを満たすために、関連アダプタの出力電圧を変換するのに用いられる。
【0023】
一例として、該変換回路は、充電管理モジュール、例えば、端末における充電ICを指すことができ、電池の充電プロセスにおいて、電池の充電電圧及び/又は充電電流を管理するために用いられる。該変換回路は、電池の充電電圧及び/又は充電電流の管理を実現するために、電圧フィードバックモジュールの機能を有し、及び/又は、電流フィードバックモジュールの機能を有する。
【0024】
例えば、電池の充電プロセスは、トリクル充電段階と、定電流充電段階と、定電圧充電段階のうちの一つ又は複数を含んでもよい。トリクル充電段階において、変換回路は、電流フィードバックループを利用することにより、トリクル充電段階で電池に流れ込む電流が電池の予期される充電電流の大きさ(例えば第1充電電流)を満たすようにする。定電流充電段階において、変換回路は、電流フィードバックループを利用することにより、定電流充電段階で電池に流れ込む電流の大きさが電池の予期される充電電流の大きさ(例えば第1充電電流より大きい第2充電電流)を満たすようにする。定電圧充電段階において、変換回路は、電圧フィードバックループを利用することにより、定電圧充電段階で電池両端に印加される電圧の大きさが電池の所予期される充電電圧の大きさを満たすようにする。
【0025】
一例として、関連アダプタの出力電圧が電池の予期される充電電圧より大きい場合に、変換回路は、降圧変換後に取得された充電電圧が電池の予期される充電電圧のニーズを満たすように、関連アダプタの出力電圧に対する降圧変換処理するために用いることができる。また、関連アダプタの出力電圧が電池の予期される充電電圧より小さい場合に、変換回路は、昇圧変換後に取得された充電電圧が電池の予期される充電電圧のニーズを満たすように、関連アダプタの出力電圧に対する昇圧変換処理するために用いることができる。
【0026】
さらに、別の例として、関連アダプタが5Vの定電圧を出力することを例にとると、電池が単セルを含む(リチウム電池の場合は単セルのカットオフ電圧は、4.2V)場合に、変換回路(例えばBuck降圧回路)は、降圧後に取得された充電電圧が単セルの予期される充電電圧のニーズを満たすように、関連アダプタの出力電圧に対して降圧変換処理することができる。
【0027】
さらに、別の例として、関連アダプタが5Vの定電圧を出力することを例にとると、関連アダプタが2つ以上のセルを直列接続した電池(リチウム電池のセルを例として、単セルのカットオフ電圧は、4.2V)を充電する場合に、変換回路(例えばBoost昇圧回路)は、昇圧後に取得された充電電圧が複数のセルの予期される充電電圧のニーズを満たすように、関連アダプタの出力電圧に対して昇圧変換処理することができる。
【0028】
変換回路は、回路の変換効率が低いため、変換されない一部の電気エネルギーは熱の形で損失し、この一部の熱は、充電対象機器(例えば、端末)の内部に蓄積する。充電対象機器の設計空間も放熱空間も小さい(例えば、ユーザが使用する携帯端末の物理的なサイズは、ますます薄くなり、同時に携帯端末の性能を向上させるために、携帯端末内に大量の電子素子が密集配置されている)ことから、変換回路の設計難易度を上げるだけではなく、充電対象機器(例えば、端末)内に蓄積する熱量の迅速な除去を困難にし、充電対象機器(例えば、端末)の異常を引き起こす。
【0029】
例えば、変換回路に蓄積される熱が変換回路付近の電子素子に熱干渉を生じさせて電子素子の作動異常を引き起こしたり、変換回路に蓄積された熱が変換回路及び付近の電子素子の使用寿命を縮めたりするおそれがある。また、変換回路に蓄積された熱が電池に熱干渉を生じさせて、さらに電池の充放電異常を招くおそれがあり、変換回路に蓄積された熱によって充電対象機器(例えば、端末)の温度上昇を招き、ユーザの充電時の使用体験に影響を与えるおそれがある。さらに、変換回路に蓄積された熱によって変換回路自体が短絡し、関連アダプタの出力電圧が直接電池の両端に印加され、充電異常を引き起こすおそれがある。電池が長時間過電圧充電状態になると、電池が爆発する可能性があり、安全上のリスクがある。
【0030】
本発明の実施例が提供する電源アダプタは、電池の状態情報を取得することができる。電池の状態情報は、少なくとも電池の現在の電力量情報及び/又は電圧情報を含み、該電源アダプタは、取得された電池の状態情報に基づいて、電源アダプタ自体から出力された電圧を調整して、電池の予期される充電電圧及び/又は充電電流のニーズを満たす。電源アダプタ調整後の出力電圧は、直接に電池の両端に印加して電池を充電することができる。なお、該電源アダプタから出力される圧力は、脈動波形の電圧である。
【0031】
該電源アダプタは、電池の充電電圧及び/又は充電電流の管理を実現するために、電圧フィードバック機能及び/又は電流フィードバック機能を有する。
【0032】
取得された電池の状態情報に基づいて、電源アダプターは、電源アダプタ自体から出力された電圧を調整し、電池の予期される充電電圧及び/又は充電電流を満たすために、電池の状態情報をリアルタイムに取得し、リアルタイムに取得された電池の状態情報に基づいて電源アダプタ自体の出力電圧を調整することとしてもよい。
【0033】
該電源アダプタは、リアルタイムに取得された電池の状態情報に基づいて電源アダプタ自体の出力電圧を調整することができる。これは、電池の予期される充電電圧及び/又は充電電流のニーズを満たすために、充電プロセスにおいて、電池の充電電圧が絶えず上昇するにつれて、電源アダプタが充電中の異なる時刻の電池の現在状態情報を取得し、電池の現在状態情報に基づいて電源アダプタ自体の出力電圧をリアルタイムに調整することができる。電源アダプタの調整後の出力電圧は、直接電池の両端に印加して電池を充電することとしてもよい。
【0034】
例えば、電池の充電プロセスは、トリクル充電段階と、定電流充電段階と、定電圧充電段階とのうちの一つ又は複数を含むことができる。トリクル充電段階では、電池の予期される充電電流のニーズを満たすために、電源アダプタは、トリクル充電段階で第1充電電流を出力して電池を充電することができる(第1充電電流は、脈動波形の電流であってもよい)。定電流充電段階では、電源アダプタは、電流フィードバックループを利用して、定電流充電段階で電源アダプタから出力されて電池に流れ込む電流が電池の予期される充電電流のニーズを満たすことを可能にする(例えば第2充電電流は、同じく脈動波形の電流であり、該第2充電電流は、第1充電電流より大きくてもよく、定電流充電段階での脈動波形の電流ピーク値がトリクル充電段階での脈動波形の電流ピーク値より大きくてもよい。定電流充電段階の定電流とは、脈動波形の電流ピーク値又は平均値がほぼ変わらないことを指してもよい)。定電圧充電段階では、電源アダプタは、電圧フィードバックループを利用して、定電圧充電段階で電源アダプタから充電対象機器(例えば、端末)に出力された電圧(即ち、脈動波形の電圧)を一定に維持することができる。
【0035】
例えば、本発明の実施例に言及された電源アダプタは、主に充電対象機器(例えば、端末)内の電池の定電流充電段階を制御するために用いられてもよい。他の実施例において、充電対象機器内(例えば、端末)の電池のトリクル充電段階及び定電圧充電段階での制御機能も本発明の実施例に言及された電源アダプタと充電対象機器(例えば、端末)内の別途の充電チップとにより協同して完成されてもよい。定電流充電段階と比べて、電池は、トリクル充電段階及び定電圧充電段階で受け入れた充電電力が比較的小さいので、充電対象機器(例えば、端末)内部の充電チップの変換損失と熱蓄積とは許容できる。なお、本発明の実施例でいう定電流充電段階又は定電流段階とは、電源アダプタの出力電流を制御する充電モードを指してもよいし、電源アダプタの出力電流を完全に一定に維持する必要はない。例えば、電源アダプタから出力された脈動波形の電流ピーク又は平均値がほぼ変わらないこと、又は一つの時間帯にほぼ変わらないこととしてもよい。例えば、実際には、電源アダプタは、通常、定電流充電段階では、多段式定電流方式で充電される。
【0036】
多段定電流充電(Multi−stage constant current charging)は、N個(Nは、2以上の整数である)の定電流段階を有してもよい。多段定電流充電は、所定の充電電流で第一段階の充電を開始し、前記多段定電流充電のN個の定電流段階は、第一段階から第(N-1)段階まで順次、実行される。定電流段階の前回の定電流段階が次の定電流段階に移行すると、脈動波形の電流ピーク又は平均値が小さくなり、電池電圧がカットオフ電圧の閾値に達すると、定電流段階の前回の定電流段階が次の定電流段階に移行する。隣接する2つの定電流段階間の電流変換プロセスは、逐次変化してもよいし、段階的に変化してもよい。
【0037】
さらに、本発明の実施例において使用される「端末」は、有線(例えば、公衆交換電話網(public switched telephone network、 PSTN)、デジタル加入者線(digital subscriber line,DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブル及び/又は他のデータ接続/ネットワーク) を介して接続されること及び/又は(例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area network,WLAN)、DVB−Hネットワークのようなデジタルテレビネットワーク、衛星ネットワーク、AM−FM放送送信器、及び/又はもう一つの通信端末の)無線インタフェースを介して通信信号を送信・受信する装置を含むが、これらに限定されない。無線インタフェースを介して通信するように構成される端末は、「無線通信端末」、「無線端末」及び/又は「携帯端末」と称されてもよい。携帯端末の例は、衛星又はセルラー電話、セルラー無線電話とデータ処理、ファックス及びデータ通信能力を組み合わせるパーソナル通信システム(PCS)端末、無線電話、ポケベル、インターネット/イントラネットアクセス、Webブラウザ、ノートブック、カレンダー及び/又はグローバル・ポジショニング・システム(GPS)受信器を含むPDA、従来のラップトップ及び/又はバーム受信器又は無線電話トランシーバーを含む他の電子装置を含むが、これらに限定されない。
また、本発明の実施例において、電源アダプタから出力された脈動波形の電圧を、端末の電池に直接印加して電池を充電する際、充電電流は、パルス波、例えば、饅頭形波の形で表される。なお、充電電流は、間欠的に電池を充電することができ、該充電電流の周期は、入力交流電流、例えば交流電力網の周波数に従って変化する。例えば、充電電流の周期に対応する周波数は、電力網の周波数の整数倍又は逆数倍である。また、充電電流が間欠的に電池を充電する場合に、該充電電流に対応する電流波形は、電力網に同期したパルス群により構成されるものであってもよい。
【0038】
以下、図面を参照して本発明の実施例に係る端末用充電システム、電源アダプタ及び、端末用充電方法について説明する。
【0039】
図1Aないし図14に示すように、本発明の実施例により提供される端末用充電システムは、電源アダプタ1と端末2とを含む。
【0040】
図2に示すように、電源アダプタ1は、第1整流ユニット101と、スイッチユニット102と、変圧器103と、第2整流ユニット104と、第1充電インタフェース105と、サンプリングユニット106と制御ユニット107とを含む。第1整流ユニット101は、入力された交流(電力、例えば、AC220∨)を整流して第1脈動波形の電圧例えば、饅頭形波電圧を出力する。図1Aに示すように、第1整流ユニット101は、4つのダイオードからなるフルブリッジ整流回路である。スイッチユニット102は、制御信号に基づいて第1脈動波形の電圧を変調させ、スイッチユニット102はMOSトランジスタからなり、MOSトランジスタをPWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)制御して饅頭形波電圧をチョッピング変調させる。変圧器103は、変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力し、第2整流ユニット104は前記第2脈動波形の電圧を整流して第3脈動波形の電圧を出力する。第2整流ユニット104は、ダイオード又はMOSトランジスタで校正してもよいし、二次同期整流を行い、第3脈動波形を変調した第1脈動波形に同期させることとしてもよい。具体的には、第3脈動波形の位相と変調された第1脈動波形の位相とを一致させ、第3脈動波形の振幅と変調された第1脈動波形の振幅変化傾向とを一致させる。第1充電インタフェース105は第2整流ユニット104に接続され、サンプリングユニット106は第2整流ユニット104から出力された電圧及び/又は電流をサンプリングして電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値を取得するために用いられる。制御ユニット107は、サンプリングユニット106とスイッチユニット102とにそれぞれ接続され、制御ユニット107は、制御信号をスイッチユニット102に出力し、電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値に基づいて制御信号のデューティ比を調節して、該第2整流ユニット104から出力された第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすようにする。
【0041】
図2に示すように、端末2は、第2充電インタフェース201と電池202とを含み、第2充電インタフェース201は、電池202に接続されている。第2充電インタフェース201が第1充電インタフェース105に接続される場合、第2充電インタフェース201は第3脈動波形の電圧を電池202に印加し、電池202を充電する。
【0042】
また、端末は、電池の電圧を収集する電池電圧収集ユニットを含む。電源アダプタ1が第3脈動波形の電圧を出力することにより電池を充電するプロセスでは、制御ユニット107は、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値を収集する。電池電圧収集ユニットは、電力量計を含み、電力量計により電池の電圧を収集することとしてもよい。
【0043】
つまり、電源アダプタが第3脈動波形の電圧を出力して電池を充電するプロセスは、パルス充電であるため、電池電圧収集ユニットが毎回電池の電圧ピーク値を正確に収集することを保証できない。パルス充電により電池を充電する場合において、充電電流が停止される際には、突然0に落ちるわけではなく、徐々に低下し、停止時間が短いほど、電圧の変化が小さくなる。そのため、本発明の実施例においては、制御ユニット107は、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減するので、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少させ、これにより、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値を簡便に収集することができ、システムの安全性と信頼性を保証する。例えば、図5Bに示すように、調節前後のPWM信号を比較してみると、制御ユニット107が制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減する場合に、PWM信号のデューティ比をできるだけ大きくすることができる。これにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を最大限低減することができ、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少して、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値を簡便に収集することができる。
【0044】
本発明の一つの実施例において、図1Aに示すように、電源アダプタ1はフライバックスイッチング電源を利用することができる。具体的には、変圧器103は、一次巻線と二次巻線とを含む。一次巻線の一端は第1整流ユニット101の第1出力端に接続され、第1整流ユニット101の第2出力端は接地され、一次巻線の他端はスイッチユニット102に接続され(例えば、スイッチユニット102はMOSトランジスタである場合には、一次巻線の他端はMOSトランジスタのドレインに接続される)、変圧器103は変調された第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する。
【0045】
ここで、変圧器103は高周波変圧器であり、その作動周波数は50KHz-2MHzである。高周波変圧器は変調された第1脈動波形の電圧を二次にカップリングし、二次巻線から出力する。本発明の実施例において、高周波変圧器を利用するので、高周波変圧器が低周波変圧器(低周波変圧器または産業用周波数変圧器と呼ばれ、主に電力の周波数、例えば、50Hz又は60Hzの交流)と比較して体積が小さいという特徴により、電源アダプタ1の小型化が実現される。
【0046】
本発明の一つの実施例によると、例えば図1Bに示すように、上記電源アダプタ1はフォワードスイッチング電源をさらに利用することができる。具体的には、変圧器103は、第1巻線と、第2巻線と第3巻線とを含み、第1巻線のドット端子は一つの逆ダイオードを介して第1整流ユニット101の第2出力端に接続され、第1巻線の非ドット端子は第2巻線のドット端子に接続された後第1整流ユニット101の第1出力端に接続され、第2巻線の非ドット端子はスイッチユニット102に接続され、第3巻線は第2整流ユニット104に接続されている。逆ダイオードは逆ピーククリッピング効果があり、第1巻線により生じた誘起起電力は逆ダイオードにより逆起電力を振幅制限し、振幅制限エネルギーを第1整流ユニットの出力に返還し、第1整流ユニットの出力を充電し、第1巻線を流れる電流により生じた磁場により、変圧器のコアが消磁され、変圧器コアの磁場強度が初期状態に戻される。変圧器103は、変調された第1脈動波形の電圧に基づいて、第2脈動波形の電圧を出力するために用いられる。
【0047】
本発明の一つの実施例によれば、図1Cに示すように、上記電源アダプタ1は、プッシュプルスイッチング電源であってもよい。具体的には、前記変圧器は、第1巻線と、第2巻線と、第3巻線と第4巻線とを含み、前記第1巻線のドット端子は前記スイッチユニットに接続され、前記第1巻線の非ドット端子は前記第2巻線のドット端子に接続された後前記第1整流ユニットの第1出力端に接続され、前記第2巻線の非ドット端子は前記スイッチユニットに接続され、前記第3巻線の非ドット端子は前記第4巻線のドット端子に接続される。前記変圧器は、変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する。
【0048】
図1Cに示すように、スイッチユニット102は、第1MOSトランジスタQ1と第2MOSトランジスタQ2とを含み、変圧器103は第1巻線と、第2巻線と、第3巻線と第4巻線とを含む。第1巻線のドット端子はスイッチユニット102における第1MOSトランジスタQ1のドレインに接続され、第1巻線の非ドット端子は第2巻線のドット端子に接続される。第1巻線の非ドット端子は第2巻線のドット端子の間のノードは第1整流ユニット101の第1出力端に接続され、第2巻線の非ドット端子はスイッチユニット102の第2MOSトランジスタQ2のドレインに接続され、第1MOSトランジスタQ1のソースは第2MOSトランジスタQ2のソースに接続された後第1整流ユニット101の第2出力端に接続され、第3巻線のドット端子は第2整流ユニット104の第1入力端に接続され、第3巻線の非ドット端子は第4巻線のドット端子に接続される。第3巻線の非ドット端子と第4巻線のドット端子の間のノードが接地し、第4巻線の非ドット端子は第2整流ユニット104の第2入力端に接続されている。
【0049】
図1Cに示すように、第2整流ユニット104の第1入力端は第3巻線のドット端子(dotted terminal)に接続され、第2整流ユニット104の第2入力端は第4巻線の非ドット端子(non-dotted terminal)に接続される。第2整流ユニット104は、前記第2脈動波形の電圧を整流して第3脈動波形の電圧を出力するためのものである。第2整流ユニット104は、2つのダイオードを含んでいてもよい。一つのダイオードの陽極は第3巻線のドット端子に接続され、もう一つのダイオードの陽極は第4巻線の非ドット端子に接続され、2つのダイオードの陰極は接続されている。
【0050】
本発明の一つの実施例によれば、図1Dに示すように、上記電源アダプタ1は、ハーフブリッジタイプスイッチング電源を利用することとしてもよい。具体的には、スイッチユニット102は、第1MOSトランジスタQ1と、第2MOSトランジスタQ2と第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2とを含む。第1コンデンサC1と第2コンデンサC2とを直列連結した後に第1整流ユニット101の出力端に並列連結し、第1MOSトランジスタQ1は、第2MOSトランジスタQ2と直列連結した後に第1整流ユニット101の出力端に並列連結する。変圧器103は、第1巻線と、第2巻線と、第3巻線とを含み、第1巻線のドット端子は直列連結された第1コンデンサC1と第2コンデンサC2との間のノードに接続され、第1巻線の非ドット端子は直列連結された第1MOSトランジスタQ1と第2MOSトランジスタQ2の間のノードに接続され、第2巻線のドット端子は第2整流ユニット104の第1入力端に接続され、第2巻線の非ドット端子は第3巻線のドット端子に接続した後に接地し、第3巻線の非ドット端子は第2整流ユニット104の第2入力端に接続されている。変圧器103は変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する。
【0051】
本発明の一つの実施例によれば、図1Eに示すように、上記電源アダプタ1は、フルブリッジ式スイッチング電源を利用することとしてもよい。具体的には、スイッチユニット102は、第1MOSトランジスタQ1と、第2MOSトランジスタQ2と、第3MOSトランジスタQ3と、第4MOSトランジスタQ4とを含み、第3MOSトランジスタQ3と第4MOSトランジスタQ4とが直列連結した後に第1整流ユニット101の出力端に並列連結し、第1MOSトランジスタQ1と第2MOSトランジスタQ2を直列連結した後に第1整流ユニット101の出力端に並列連結する。変圧器103は、第1巻線と、第2巻線と、第3巻線とを含み、第1巻線のドット端子は直列連結された第3MOSトランジスタQ3と第4MOSトランジスタQ4の間のノードに接続され、第1巻線の非ドット端子は、直列連結された第1MOSトランジスタQ1と第2MOSトランジスタQ2の間のノードに接続され、第2巻線のドット端子は第2整流ユニット104の第1入力端に接続され、第2巻線の非ドット端子は第3巻線のドット端子に接続された後に接地し、第3巻線の非ドット端子は第2整流ユニット104の第2入力端に接続されている。変圧器103は変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する。
【0052】
従って、本発明の実施例において、上記電源アダプタ1は、フライバックスイッチング電源、フォワードスイッチング電源、プッシュプルスイッチング電源、ハーフブリッジタイプスイッチング電源、フルブリッジ式スイッチング電源のうちいずれか一つを利用して、脈動波形の電圧を出力することができる。
【0053】
さらに、図1Aに示すように、第2整流ユニット104は、変圧器103の二次巻線に接続され、第2整流ユニット104は、第2脈動波形の電圧を整流して、第3脈動波形の電圧を出力する。第2整流ユニット104は、二次同期整流を実現するためのダイオードからなり、これにより第3脈動波形と変調された第1脈動波形とを同期させる。なお、第3脈動波形と変調された第1脈動波形とは同期される。具体的には、第3脈動波形の位相と変調された第1脈動波形の位相とを一致させ、第3脈動波形の振幅と変調された第1脈動波形の振幅変化傾向とを一致させる。第1充電インタフェース105は第2整流ユニット104に接続されており、サンプリングユニット106は、第2整流ユニット104から出力された電圧及び/又は電流をサンプリングして電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値を得ることができる。制御ユニット107は、サンプリングユニット106とスイッチユニット102とにそれぞれ接続されている。制御ユニット107は、制御信号をスイッチユニット102に出力し、電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値に基づいて制御信号のデューティ比を調節し、この第2整流ユニット104から出力された第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすようにする。
【0054】
図1Aに示すように、端末2は、第2充電インタフェース201と電池202とを含み、第2充電インタフェース201は、電池202に接続される。第2充電インタフェース201が第1充電インタフェース105に接続される場合、第2充電インタフェース201は第3脈動波形の電圧を電池202に印加して、電池202を充電する。
【0055】
なお、第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすとは、第3脈動波形の電圧と電流とが電池充電を満たす必要がある場合の充電電圧と充電電流を指す。つまり、制御ユニット107は、サンプリングされた電源アダプタから出力された電圧及び/又は電流に基づいて、制御信号、例えば、PWM信号のデューティ比を調節し、リアルタイムで第2整流ユニット104の出力を調整して閉ループ調節制御を実現する。これにより、第3脈動波形の電圧は端末2の充電ニーズを満たし、電池202が安全で信頼的に充電することが保証される。具体的には、図3に示すように、PWM信号のデューティ比により電池202に出力した充電電圧波形を調整し、図4に示すように、PWM信号のデューティ比により電池202に出力した充電電流波形を調整する。
【0056】
PWM信号のデューティ比を調節する場合、電圧のサンプリング値や、電流のサンプリング値、又は電圧のサンプリング値及び電流のサンプリング値に基づいて調節指令を生成することができることが理解されよう。
【0057】
従って、本発明の実施例においては、スイッチユニット102を制御することにより、整流された第1脈動波形の電圧、即ち饅頭形波電圧を直接PWMチョッピング変調を行い、高周波変圧器に送る。、同期整流後に一次カップリングから二次まで、高周波変圧器を介して饅頭形波電圧/電流を還元し、電池に直接供給し、電池を急速充電する。饅頭形波の電圧振幅は、PWM信号のデューティ比に基づいて調節され、電源アダプタの出力が電池の充電ニーズを満たす。これより、本発明実施例の電源アダプタは、一次、二次の電解コンデンサをキャンセルすることができ、饅頭形波電圧によって直接電池を充電するので、電源アダプタの体積を減少させ、電源アダプタの小型化を実現し、大幅にコストダウンすることができる。
【0058】
ここで、本発明の一つの具体的な例において、制御ユニット107は、MCU(Micro
Controller Unit、マイクロコントローラユニット)であってもよく、スイッチ駆動制御機能と、同期整流機能と、電圧電流調節制御機能とを集めたマイクロプロセッサであってもよい。
【0059】
本発明の一つの実施例によれば、制御ユニット107は、電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値に基づいて制御信号の周波数を調節し、スイッチユニット102から出力されるPWM信号を停止する前に持続的に出力させ、所定時間停止した後、再びPWM信号の出力を起動するよう制御する。これにより、電池に印加された電圧は断続的なものとなるので、電池を断続的に充電することができ、電池の連続充電による深刻な発熱により引き起こされるセキュリティリスクを回避し、電池の充電の信頼性と安全性とを向上させることができる。
【0060】
リチウム電池は、低温条件下では、リチウム電池自体のイオンと電子導電能力の低下により、充電中に分極程度の強化を容易に起こす可能性がある。持続的な充電方式では、このような分極がより著しくなり、同時にリチウム析出が形成される可能性が増加するため、電池の安全性に影響を及ぼす。また、持続的な充電方法では、充電により熱が蓄積し続けることになるため、電池内部の温度が徐々に上昇し、温度が一定の限度を超えた場合には、電池性能の発揮が制限され、セキュリティリスクが増加する。
【0061】
本発明の実施例においては、電源アダプタが間欠的に出力するように制御信号の周波数を調節する。すなわち、電池の充電中に電池待機プロセスを導入し、連続充電における分極によるリチウム析出現象を緩和し、生成された熱の連続的な蓄積の影響を低減して冷却効果を達成し、電池の確実かつ安全な充電を確保することができる。
【0062】
スイッチユニット102に出力された制御信号は、図5Aに示すように、PWM信号を一定時間出力した後、出力を一定期間停止させた後に、PWM信号を一定時間出力することで、スイッチユニット102に出力された制御信号が離間して周波数が調整可能となる。
【0063】
図1Aに示すように、制御ユニット107は、第1充電インタフェース105に接続されている。制御ユニット107は、第1充電インタフェース105を介して端末2と通信して端末2の状態情報を取得する。このように、制御ユニット107は端末の状態情報と、電圧のサンプリング値及び/又は電流サンプリング値により、制御信号、例えば、PWM信号のデューティ比を調節する。
【0064】
ここで、端末の状態情報は、前記電池の電気量と、前記電池の温度と、前記電池の電圧と、前記端末のインタフェース情報と、前記端末の通路抵抗の情報等とを含む。
【0065】
具体的には、第1充電インタフェース105は、電源線とデータ線とを含む。電源線は電池を充電するものであり、データ線は端末と通信するものである。第2充電インタフェース201が第1充電インタフェース105に接続されると、電源アダプタ1と端末2の間に互いに通信問い合わせ指令を送信し、対応する返信指令を受信した後、電源アダプタ1と端末2の間で通信接続を確立する。制御ユニット107は、端末2の状態情報を取得して、充電モードと充電パラメータ(例えば充電電流、充電電圧)を端末2とネゴシエーションし、充電プロセスをさらに制御することができる。
【0066】
ここで、電源アダプタ及び/又は端末によりサポートされる充電モードは、第2充電モードと第1充電モードとを含む。第1充電モードは、第2充電モードより充電速度が大きい(例えば、第1充電モードは、第2充電モードより充電電流が大きい)。一般的に、第2充電モードは、定格出力電圧が5∨であり、定格出力電流が2.5A以下である充電モードであると理解され、また、第2充電モードで、電源アダプタの出力ポートデータ線のD+とD−とは短絡することができる。本発明の実施例における第1充電モードは異なり、本発明の実施例の第1充電モードにおいて、電源アダプタは、データ線のD+とD−とが端末と通信してデータ交換行い、電源アダプタと端末との間で相互に急速充電指令を送信することができる。電源アダプタは、端末に急速充電問い合わせ指令を送信し、端末の急速充電返信指令を受信した後、端末の返信指令に基づいて、端末の状態情報を取得して、第1充電モードを起動する。第1充電モードでの充電電流は2.5Aより大きく、例えば、4.5A、或いはそれより大きくてもよい。しかし本発明の実施例は、第2充電モードを特に限定せず、電源アダプタが2つの充電モードをサポートすればよく、その中の一つの充電モードの充電速度(又は電流)がもう一つの充電モードの充電速度より大きい場合に、充電速度が遅い方の充電モードは、第2充電モードと理解される。充電電力については、第1充電モードの充電電力は15W以上であってもよい。
【0067】
すなわち、制御ユニット107は、第1充電インタフェース105を介して端末2と通信し、第1充電モードと第2充電モードとを含む充電モードを決定する。
【0068】
具体的には、前記電源アダプタは、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)インターフェースを介して端末に接続されている。USBインターフェースは、普通のUSBインターフェースであってもよく、Micro USBインターフェースであってもよく、他のタイプのUSBインターフェースであってもよい。USBインターフェースのデータ線、即ち第1充電インタフェースのデータ線は、前記電源アダプタと前記端末とが双方向通信に使用され、このデータ線は、USBインターフェースにおけるD+線及び/又はD−線であってもよい。双方向通信とは、電源アダプタと端末とが両方で情報の交互することである。
【0069】
ここで、前記電源アダプタは、前記USBインターフェースのデータ線を介して、前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードで前記端末を充電することを決定する。
【0070】
なお、電源アダプタは、第1充電モードで前記端末を充電するか否かを端末とネゴシエーションし、電源アダプタを端末に接続された状態を保つだけで充電しないこともできるし、第2充電モードで端末を充電することもできるし、小電流で端末を充電することもでき、本発明の実施例はこれを特に限定しない。
【0071】
前記電源アダプタは、充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整し、前記端末を充電する。電源アダプタは、第1充電モードで端末を充電すると判断した後、充電電流を第1充電モードに対応する充電電流に直接調整することができ、第1充電モードの充電電流を端末とネゴシエートすることもできる。例えば、第1充電モードに対応する充電電流は、端末の電池の現在の電気量により決定される。
【0072】
本発明の実施例において、電源アダプタは、急速充電のために盲目的に出力電流を増やすのではなく、端末と双方向通信し、第1充電モードを利用可能か否かについてネゴシエートするので、従来技術と比較して、急速充電プロセスの安全性が改善される。
【0073】
好ましくは、一つの実施例として、制御ユニット107は、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードで前記端末を充電すると決定された場合、前記制御ユニットは、前記端末に第1指令を送信する。前記第1指令は、前記端末が前記第1充電モードを起動するか否かを問い合わせる。前記制御ユニットは、前記端末から前記第1指令の返信指令を受信する。前記第1指令の返信指令は、前記端末が前記第1充電モードの起動を同意することを指示する。
【0074】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットは、前記端末に前記第1指令を送信する前に、前記電源アダプタと前記端末との間で前記第2充電モードで充電し、前記制御ユニットが、前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定した後に、前記端末に前記第1指令を送信する。
【0075】
なお、電源アダプタが、前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定すると、電源アダプタは、端末それ自体を電源アダプタとして認識したとみなし、急速充電問い合わせ通信を起動することができる。
【0076】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタは、所定の電流閾値以上の充電電流で所定の時間充電した後、前記端末に前記第1指令を送信する。
【0077】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットは、前記スイッチユニットを制御して充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように前記電源アダプタを制御し、前記電源アダプタは、前記第1充電モードに対応する充電電流で前記端末を充電する前に、前記制御ユニットが前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定し、前記電源アダプタが充電電圧を前記第1充電モードに対応する充電電圧に調整するように制御する。
【0078】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットが、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧が決定された場合、前記制御ユニットは、前記端末に第2指令を送信する。前記第2指令は、前記電源アダプタの現在の出力電圧が前記第1充電モードの充電電圧として適切であるか否かを問い合わせる。前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記第2指令の返信指令を受信する。前記第2指令の返信指令は、前記電源アダプタの現在の出力電圧が適切か、高いか又は低いかを指示する。前記制御ユニットは、前記第2指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電圧を決定する。
【0079】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットは、充電電流を前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように前記電源アダプタを制御する前に、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する。
【0080】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットが前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する場合、前記制御ユニットは前記端末に第3指令を送信する。前記第3指令は、前記端末の現在サポートする最大充電電流を問い合わせる。前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記第3指令の返信指令を受信する。前記第3指令の返信指令は、前記端末の現在サポートする最大充電電流を指示する。前記制御ユニットは前記第3指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電流を決定する。
【0081】
電源アダプタは、上記最大充電電流を第1充電モードの充電電流と直接決定するか、又は充電電流をこの最大充電電流のある電流値より小さくすることができる。
【0082】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記制御ユニットが、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記スイッチユニットを制御することにより前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を断続的に調整する。
【0083】
電源アダプタは端末の現在状態情報を連続的に問い合わせることができる。例えば、端末の電池電圧や、電池電気量等を問い合わせし、電源アダプタが電池に出力した充電電流を調整する。
【0084】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットが前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を断続的に調整するように前記スイッチユニットを制御する場合、前記制御ユニットは前記端末に第4指令を送信する。前記第4指令は前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる。前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記第4指令の返信指令を受信する。前記第4指令の返信指令は前記端末内の電池の現在の電圧を指示する。前記制御ユニットは、前記電池の現在の電圧に基づいて、前記スイッチユニットを制御することにより前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を調整する。
【0085】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットは前記電池の現在の電圧、及び所定の電池電圧値と充電電流値との対応関係に基づいて、前記スイッチユニットを制御することにより前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を、前記電池の現在の電圧に対応する充電電流値に調整する。
【0086】
具体的には、電源アダプタは、電池電圧値と充電電流値との対応関係を予め記憶し、電源アダプタは、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、端末側から端末内に記憶された電池電圧値と充電電流値との対応関係を取得する。
【0087】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判定される場合、前記制御ユニットは、前記第1充電モードを終了するように前記電源アダプタを制御する。
【0088】
好ましくは、一つの実施例として、前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判定される前に、前記端末から前記端末の通路抵抗を指示する情報を受信する。前記制御ユニットは、前記端末に第4指令を送信する。前記第4指令は前記端末内の電池の電圧を問い合わせる。前記制御ユニットは、前記端末から送信された前記第4指令の返信指令を受信する。前記第4指令の返信指令は、前記端末内の電池の電圧を指示する。前記制御ユニットは、前記電源アダプタの出力電圧と前記電池の電圧とに基づいて、前記電源アダプタから前記電池までの通路抵抗を決定する。前記制御ユニットは、前記電源アダプタから前記電池までの通路抵抗と、前記端末までの通路抵抗と、前記電源アダプタと前記端末との間の充電線線路の通路抵抗とに基づいて、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。
【0089】
端末は通路抵抗を予め記録することができる。例えば、同一型番の端末は構造が一致する。したがって、工場出荷時には、端末の通路抵抗は同一の値に設定されている。同様に、電源アダプタは充電線路の通路抵抗を予め設定することができる。電源アダプタが端末の電池両端の電圧を取得すると、電源アダプタが電池両端の圧力降下及び通路の電流に基づいて、通路全体の通路抵抗を決定することができる。通路全体の通路抵抗>端末の通路抵抗+充電線路の通路抵抗、又は通路全体の通路抵抗−(端末の通路抵抗+充電線路の通路抵抗)>抵抗閾値である場合には、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判断される。
【0090】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードを終了する前に、前記制御ユニットは前記端末に第5指令を送信する。前記第5指令は前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間の接触不良を指示する。
【0091】
電源アダプタは第5指令を送信した後、第1充電モードを終了するか、又はリセットする。
【0092】
以上、電源アダプタの観点から本発明の実施例に係る急速充電プロセスを詳細に説明したが、以下では、端末の観点角度から本発明の実施例に係る急速充電プロセスを説明する。
【0093】
端末側において説明された電源アダプタと端末の交互及関連特性や機能等は、電源アダプタ側の説明に対応しているため、簡潔化のため、重複される説明は適宜省略する。
【0094】
本発明の一つの実施例によると、図13に示すように、端末2は、充電制御スイッチ203とコントローラ204とをさらに含む。充電制御スイッチ203は、例えば、電子スイッチングデバイスからなるスイッチ回路が第2充電インタフェース201と電池202との間に接続され、充電制御スイッチ203は、コントローラ204の制御により電池202の充電プロセスを停止/開始するために用いられる。このように、端末側から電池202の充電プロセスを制御することができ、電池202の充電の安全性と信頼性を保証することができる。
【0095】
また、図14に示すように、端末2は、通信ユニット205をさらに含む。通信ユニット205は、第2充電インタフェース201と第1充電インタフェース105とにより、コントローラ204と制御ユニット107の間の双方向通信を作る。即ち、端末2と電源アダプタ1とは、USBインターフェースのデータ線により双方向通信することができる。前記端末2は、第2充電モードと第1充電モードとをサポートする。前記第1充電モードでの充電電流は、前記第2充電モードでの充電電流より大きく、前記通信ユニット205は、前記制御ユニット107と双方向通信して前記電源アダプタ1が前記第1充電モードを利用して前記端末2を充電すると判断し、前記制御ユニット107は、前記電源アダプタ1が前記第1充電モードに対応する充電電流から出力し、前記端末2内の電池202を充電するように前記電源アダプタ1を制御する。
【0096】
本発明の実施例において、電源アダプタ1は、急速充電のために盲目的に出力電流を増加させるのではなく、端末との間で双方向通信し、第1充電モードが利用可能か否かを決定しているので、従来技術と比較して、急速充電プロセスの安全性を向上させることができる。
【0097】
好ましくは、一つの実施例として、前記コントローラは、通信ユニットにより前記制御ユニットから送信された第1指令を受信する。前記第1指令は前記端末が前記第1充電モードを起動するか否かを問い合わせる。前記コントローラは、通信ユニットにより前記制御ユニットに前記第1指令の返信指令を送信する。前記第1指令の返信指令は前記端末が前記第1充電モードの起動を同意することを指示する。
【0098】
好ましくは、一つの実施例として、前記コントローラは通信ユニットにより前記制御ユニットから送信された第1指令を受信する前に、前記電源アダプタは前記第2充電モードで前記端末内の電池を充電する。前記制御ユニットにより前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定された後、前記制御ユニットは、端末内の通信ユニットに前記第1指令を送信し、前記コントローラは通信ユニットにより前記制御ユニットから送信された前記第1指令を受信する。
【0099】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタは、前記第1充電モードに対応する充電電流に従って出力し、前記端末内の電池を充電する前に、前記コントローラは通信ユニットにより前記制御ユニットと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定する。
【0100】
好ましくは、一つの実施例として、前記コントローラは、前記制御ユニットから送信された第2指令を受信する。前記第2指令は前記電源アダプタの現在の出力電圧が前記第1充電モードの充電電圧として適切であるか否かを問い合わせる。前記コントローラは前記制御ユニットに前記第2指令の返信指令を送信する。前記第2指令の返信指令は前記電源アダプタの現在の出力電圧が適切か、高いか又は低いかを指示する。
【0101】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタにより前記第1充電モードに対応する充電電流を決定するように、前記コントローラは前記制御ユニットと双方向通信する。
【0102】
ここで、前記コントローラは、前記制御ユニットから送信された第3指令を受信する。前記第3指令は、前記端末の現在サポートする最大充電電流を問い合わせる。前記コントローラは、前記制御ユニットに前記第3指令の返信指令を送信する。前記第3指令の返信指令は前記端末内の電池の現在サポートの最大充電電流を指示し、前記電源アダプタが前記最大充電電流に基づいて前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する。
【0103】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記コントローラは、前記制御ユニットと双方向通信することにより、前記電源アダプタが前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整する。
【0104】
前記コントローラは、前記制御ユニットから送信された第4指令を受信する。前記第4指令は前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる。前記コントローラは、前記制御ユニットに前記第4指令の返信指令を送信する。前記第4指令の返信指令は、前記端末内の電池の現在の電圧を指示し、前記電源アダプタが前記電池の現在の電圧に基づいて、前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整する。
【0105】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記コントローラは通信ユニットにより前記制御ユニットと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。
【0106】
前記コントローラは前記制御ユニットから送信された第4指令を受信する。前記第4指令は前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる。前記コントローラは、前記制御ユニットに前記第4指令の返信指令を送信する。前記第4指令の返信指令は、前記端末内の電池の現在の電圧を指示し、前記制御ユニットは、前記電源アダプタの出力電圧と前記電池の現在の電圧と基づいて、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。
【0107】
好ましくは、一つの実施例として、前記コントローラは、前記制御ユニットから送信された第5指令を受信する。前記第5指令は前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間の接触不良を指示する。
【0108】
第1充電モードを起動して使用するために、電源アダプタは、端末との急速充電通信を実行することができ、一回以上のハンドシェーク通信により、電池の急速充電を実現する。以下、図6を参照しながら、本発明の実施例による急速充電通信の流れ、及び急速充電プロセスに含まれた各段階を詳しく説明する。図6に示された通信ステップ又は操作は単なる例示に過ぎず、本発明の実施例は他の操作や図6に示された様々な操作の変形を実行することもできると理解されるべきである。また、図6の各段階は、図6に示された順序と異なる順序で実行することもでき、図6の操作を全て実行されなくてもよい。なお、図6に示された曲線は、充電電流のピーク値又は平均値の変化傾向であり、実際の充電電流曲線ではない。
【0109】
図6に示すように、急速充電プロセスは以下のような5つの段階を含む。
段階1
端末が電源装置に接続された後、端末はデータ線D+、データ線D−により電源装置のタイプを検出し、検出された電源装置が電源アダプタである場合、端末に流れる電流は所定の電流閾値I2(例えば、1Aである)より大きくすることができる。電源アダプタは、所定時間(例えば、連続的なT1時間)、電源アダプタから出力された電流はI2以上である場合、電源アダプタは、端末が電源装置のタイプに対する認識が完成したとみなして、電源アダプタと端末との間でハンドシェイク通信を起動し、電源アダプタは、端末が第1充電モード(又はフラッシュ充電)を起動したか否かを問い合わせる指令1(上記第1指令に対応する)を送信する。
【0110】
電源アダプタが端末の返信指令を受信し、端末が第1充電モードの起動を同意しないことを示すとき、電源アダプタの出力電流が再度検出され、電源アダプタの出力電流が所定の連続時間内(例えば、連続的なT1時間)としてI2以上である場合、再度リクエストして端末が第1充電モードを起動するか否かを問い合わせし、端末が第1充電モードの起動を同意する、又は電源アダプタの出力電流はI2以上であるとの条件を満たすまで、段階1の上記ステップを繰り返してもよい。
【0111】
端末が第1充電モードの起動を同意した後、急速充電充電プロセスが開始され、急速充電通信プロセスは第2段階に入る。
【0112】
段階2
電源アダプタから出力された饅頭形波電圧は、複数の電圧レベルを含む。電源アダプタは、端末に指令2(上記第2指令に対応する)を送信して、端末に電源アダプタの出力電圧が電池の現在の電圧(又は適切であるか否か、即ち、第1充電モードでの充電電圧として適切か否か)に一致しているか否か、即ち充電ニーズを満たすか否かを問い合わせる。
【0113】
端末は、電源アダプタの出力電圧の高低や、一致しているかどうかについて応答する。電源アダプタが端末のアダプタの出力電圧の高低のフィードバックを受信すると、制御ユニットは、PWM信号のデューティ比を調節して電源アダプタの出力電圧を一つの電圧レベルに調整し、端末に指令2を再度送信し、端末に電源アダプタの出力電圧が一致するか否かを再度問い合わせる。
【0114】
端末が電源アダプタにその出力電圧が一致する電圧レベルにあると応答するまで段階2のステップを繰り返した後、第3段階に入る。
【0115】
段階3
電源アダプタが、端末により応答された電源アダプタの出力電圧が一致するとのフィードバックを受信すると、電源アダプタは、端末に指令3(上記第3指令に対応する)を送信して現在サポートしている最大充電電流を端末に問い合わせる。端末は、電源アダプタに現在サポートしている最大充電電流値を応答し、その後、第4段階に入る。
【0116】
段階4
電源アダプタは、現在サポートしている最大充電電流値のフィードバックを端末から受信した後、電源アダプタは、出力電流基準値を設定し、制御ユニット107は、この電流基準値に基づいて、電源アダプターの出力電流が端末充電電流ニーズを満たすようにPWM信号のデューティ比を調節し、即ち、定電流段階に入る。定電流段階とは、電源アダプタの出力電流ピーク値又は平均値が略一定となる(つまり、出力電流ピーク値又は電流平均値の変化幅が小さく、例えば、出力電流ピーク値又は平均値の5%範囲内で変化する)。即ち、第3脈動波形の電流ピーク値は各サイクルごとに一定に保たれる。
【0117】
段階5:
定電流電流変化段階に入ると、電源アダプタは、間欠的に指令4(上記第4指令に対応する)を送信し、端末に電池の現在の電圧を問い合わせる。端末は、電源アダプタに端末電池の現在の電圧をフィードバックし、電源アダプタは、端末電池に関する現在の電圧のフィードバックにより、USB接触、即ち、第1充電インタフェースと第2充電インタフェースとの間の接触は良好であるか、及び端末の現在の充電電流値を低下させる必要はあるか否かを判断する。電源アダプタは、USBの接触が良好でない判断すると、指令5(上記第5指令に対応する)が送信され、その後、リセットされて段階1に戻る。
【0118】
好ましくは、いくつかの実施例ではて、段階1において、端末指令1に応答すると、指令1に対応するデータは端末の通路抵抗のデータ(又は情報)を含むことができ、端末の通路抵抗データは、段階5ではUSB接触が良好であるか否かを判断することに用いられる。
【0119】
好ましくは、いくつかの実施例では、段階2において、端末が第1充電モードの起動を同意してから、電源アダプタが電圧を適切な値に調整するまでの時間は、ある程度の範囲内で制御することができる、この時間が所定範囲を越えると、端末はリクエストが異常であると判断し、急速リセットすることができる。
【0120】
好ましくは、いくつかの実施例では、段階2において、電池の現在の電圧と比較して、電源アダプタの出力電圧がΔ∨(Δ∨はおよそ200〜500M∨)より高い場合には、端末は、電源アダプタに電源アダプタの出力電圧が適切な/一致するようフィードバックする。ここで、端末は、電源アダプタの出力電圧が不適切(即ち高い又は低い)であることを電源アダプタにフィードバックすると、制御ユニット107は、電圧のサンプリング値に基づいてPWM信号のデューティ比を調節して電源アダプタの出力電圧を調整する。
【0121】
好ましくは、いくつかの実施例では、段階4において、過度の調整による急速充電異常の中断を回避するために、電源アダプタの出力電流値の位相調整速度をある程度の範囲内に控えることとしてもよい。
【0122】
好ましくは、いくつかの実施例では、段階5において、電源アダプタの出力電流値の大きさの変化幅を5%以内に制御されてもよく、即ち、定電流段階と認めることができる。
【0123】
好ましくは、いくつかの実施例では、段階5において、電源アダプタは、充電回路抵抗をリアルタイムに監視し、即ち、測定された電源アダプタの出力電圧と、現在の充電電流と、読み取られた端末電池電圧とに基づいて、全体の充電回路抵抗を監視する。測定された充電回路抵抗>端末通路抵抗+急速充電データ線抵抗である場合、USBは接触不良が発生したと判断し、急速充電リセットする。
【0124】
好ましくは、いくつかの実施例では、第1充電モードを起動した後、急速充電リセットを回避するために、電源アダプタと端末との間の通信間隔を、特定の範囲内に制御することができる。
【0125】
好ましくは、いくつかの実施例では、第1充電モード(又は急速充電プロセス)の停止は、回復可能停止と回復不可能停止の2タイプに分類することができる。
【0126】
例えば、端末が電池充電満了又はUSB接触不良を検出した場合、急速充電を停止してリセットして段階1に入る。端末が第1充電モードの起動に同意しない場合には、急速充電通信プロセスは段階2に入らない。このとき、停止した急速充電プロセスは回復不可能停止と認められる。
【0127】
また、例えば、端末と電源アダプタとの間に通信異常が現れた場合、急速充電を停止してリセットし、段階1に入る。段階1の要求を満足した後、端末は第1充電モードを起動して急速充電を再開することに同意する。このとき、停止した急速充電プロセスは、回復可能停止と認められる。
【0128】
また、例えば、端末が電池異常を検出すると、急速充電を停止してリセットし、段階1に入る。段階1に入った後、端末は、第1充電モードの起動に同意しない。電池が正常に戻り、段階1の要求を満足してから、端末は、急速充電を再開するために急速充電の起動を開始することに同意する。このとき、停止した急速充電プロセス過程は、回復可能停止と認められる。
【0129】
特に説明しなければならないことは、図6に示された通信ステップ又は操作は、単なる例示に過ぎず、例えば、段階1において、端末は、アダプタに接続された後、端末とアダプタとの間のハンドシェイク通信が端末により開始されてもよいことに留意されたい。即ち、端末は、アダプタが第1充電モード(又はフラッシュ充電と呼ぶ)を起動するか否かを問い合わせる指令1を送信し、端末は、電源アダプタの返信指令を受信して電源アダプタに第1充電モードの起動を同意すると指示した場合に、急速充電プロセスが起動される。
【0130】
特に説明しなければならないことは、図6に示された通信ステップ又は操作は、単なる例示に過ぎず、例えば、段階5の後、定電圧充電段階を含むことができる。即ち、段階5では、端末は電源アダプタに端末電池の現在の電圧をフィードバックすることができ、端末電池の電圧が徐々に上昇するつれ、前記端末電池の現在の電圧が定電圧充電電圧の閾値に達した場合に、定電圧充電段階に切り替わり、制御ユニット107は、電圧基準値(即ち定電圧充電電圧の閾値)に基づいてPWM信号のデューティ比を調節し、電源アダプタの出力電圧が端末充電電圧のニーズを満たすようにする。即ち、電圧が一定変化するように保持する。定電圧充電段階では、充電電流が徐々に減少し、電流が所定の閾値まで低下すると、充電を停止する。このとき、電池は充電完了と識別される。ここで、定電圧充電とは、第3脈動波形のピーク電圧が略一定に保たれることを意味する。
【0131】
本発明の実施例では、電源アダプタの出力電圧を取得することは、第3脈動波形のピーク電圧又は電圧平均値を取得することを意味し、電源アダプタの出力電流を取得することは、第3脈動波形のピーク値電流又は電流平均値を取得することを意味する。
【0132】
本発明の一つの実施例では、図7Aに示すように、電源アダプタ1は、直列連結された制御スイッチ108と、フィルタユニット109とをさらに含む。直列連結された制御スイッチ108とフィルタユニット109とが第2整流ユニット104の第1出力端で接続される。充電モードが第2充電モードであると判定された場合には、制御ユニット107は、制御スイッチ108を閉じるように制御し、充電モードが第1充電モードであると判定された場合には、制御ユニット107は、制御スイッチ108を切るように制御する。また、第2整流ユニット104の出力端には、一組又は複数組の小コンデンサが並列に接続されており、ノイズを低減するだけでなく、サージ現象の発生をも減少する。また、第2整流ユニット104の出力端には、LCフィルタ回路又はπ型フィルタ回路を接続してリップル干渉をフィルタリングするようにしてもよい。図7Bに示すように、第2整流ユニット104の出力端には、LCフィルタ回路が接続されている。なお、LCフィルタ回路又はπ型フィルタ回路のコンデンサは全て小コンデンサであるため、スペースが少なくてすむ。
【0133】
フィルタユニット109は、フィルタコンデンサを含み、フィルタコンデンサは、5∨の標準充電をサポートし、即ち、第2充電モードに対応する。制御スイッチ108は、半導体スイッチングデバイス、例えば、MOSトランジスタからなる。電源アダプタは、第2充電モード(又は称標準充電)を利用して端末の電池を充電する場合、制御ユニット107は、制御スイッチ108を閉じるように制御し、フィルタユニット109を回路にアクセスして第2整流ユニットの出力をフィルタリングする。このように、直流充電技術の交換性を良好にし、即ち、直流を端末の電池に印加して、直流電池を充電することができる。例えば、一般的に、フィルタユニットは、並列連結された電解コンデンサや通常のコンデンサ、即ち、5∨標準充電をサポートする小コンデンサ(固体コンデンサ等)を含む。電解コンデンサは比較的大きな体積を占めるため、電源アダプタのサイズを減少させるには、電源アダプタ内の電解コンデンサを取り除き、より容量小さいコンデンサを残すことができる。第2充電モードを利用すると、小コンデンサが位置する分岐路を導通するように制御することができ、電流をフィルタリングし、低電力で安定した出力を実現し、電池に直流充電することができる。第1充電モードを利用すると、小コンデンサが位置する分岐路を切断するように制御し、第2整流ユニット104の出力はフィルタリングされずに脈動波形の電圧/電流を直接電池に出力して印加し、電池の急速充電を実現することができる。
【0134】
本発明の一つの実施例によれば、制御ユニット107は、充電モードが第1充電モードであると判断された場合、端末の状態情報に基づいて、第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧を取得し、第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧に基づいて、制御信号、例えば、PWM信号のデューティ比を調節する。つまり、現在の充電モードが第1充電モードであると判断された場合には、制御ユニット107は、取得された端末の状態情報、例えば、電池の電圧、電気量、温度、端末の運転パラメータ、端末上で動作するアプリケーションの消費電力量等の情報により、第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧を取得し、取得された充電電流及び/又は充電電圧に基づいて制御信号のデューティ比を調節し、電源アダプタの出力が充電ニーズを満たし、電池の急速充電を実現する。
【0135】
端末の状態情報は、電池の温度を含む。また、電池の温度が、第1の所定の温度閾値より大きいか、又は、電池の温度が第2の所定の温度閾値より小さい場合には、現在の充電モードが第1充電モードである場合、第1充電モードを第2充電モードに切り替える。第1の所定の温度閾値は、第2の所定の温度閾値より大きい。電池の温度が低すぎる(例えば、対応する第2の所定の温度閾値より小さい)か、又は、高過ぎる(例えば、対応する第1の初所定の温度閾値より大きい)場合には、急速充電に適していないため、第1充電モードを第2充電モードに切り替える必要がある。本発明の実施例において、第1の所定の温度閾値と、第2の所定の温度閾値とは、実際の状況に応じて、設定され、又は制御ユニット(例えば、電源アダプタMCU)の記憶装置に書き込むことができる。
【0136】
本発明の一つの実施例において、制御ユニット107は、電池の温度が所定の高温保護閾値よりも高い場合に、スイッチユニット102を閉じるように制御する。即ち、電池の温度が高温保護閾値を超えた場合に、制御ユニット107は、高温保護ストラテジを利用する必要があるため、スイッチユニット102を閉じるよう制御して電源アダプタが電池の充電を停止し、電池が高温となることから保護し、充電の安全性を向上させる。前記高温保護閾値は、前記第1温度閾値と異なってもよく、同じでもよい。好ましくは、前記高温保護閾値は前記第1温度閾値より大きい。
【0137】
本発明のもう一つの実施例において、前記コントローラは、前記電池の温度を取得し、前記電池の温度が所定の高温保護閾値より大きい場合、前記充電制御スイッチを閉じるように制御する。即ち、端末側を介して充電制御スイッチを閉じることにより、電池の充電プロセスを停止し、充電の安全性を保証する。
【0138】
また、本発明の一つの実施例において、前記制御ユニットは、前記第1充電インタフェースの温度を取得し、前記第1充電インタフェースの温度が所定の保護温度より高い場合に、前記スイッチユニットを閉じるように制御する。即ち、充電インタフェースの温度が一定温度を超えた場合、制御ユニット107は高温保護ストラテジを実行する必要があるので、スイッチユニット102を切断するように制御して電源アダプタが電池の充電を停止し、充電インタフェースが高温となることから保護し、充電の安全性を向上させる。
【0139】
勿論、本発明の他の実施例では、前記コントローラは、前記制御ユニットとの双方向通信により前記第1充電インタフェースの温度を取得し、前記第1充電インタフェースの温度が所定の保護温度より高い場合に、前記充電制御スイッチ(図13図14を参照)を閉じるように制御してもよい。即ち、端末側から充電制御スイッチを閉じ、電池の充電プロセスを停止して、充電の安全性を向上させる。
【0140】
具体的には、本発明の一つの実施例では、図8に示すように、電源アダプタ1は、駆動ユニット110、例えば、MOSFETドライブをさらに含んでもよい。駆動ユニット110は、スイッチユニット102と制御ユニット107との間に接続され、駆動ユニット110は、制御信号に基づいてスイッチユニット102を開閉するように駆動する。勿論、本発明の他の実施例では、駆動ユニット110は、制御ユニット107に一体化されてもよい。
【0141】
また、図8に示すように、電源アダプタ1は、隔離ユニット111をさらに含むこととしてもよい。隔離ユニット111は、駆動ユニット110と制御ユニット107との間に接続され、電源アダプタ1の一次側と二次側の間の信号を隔離(又は変圧器103の一次巻線と二次巻線の間の信号隔離)することとしてもよい。隔離ユニット111は、オプトカプラ隔離方法を利用することができるが、他の隔離方法を利用することもできる。制御ユニット107は、隔離ユニット111を設けて電源アダプタ1の二次側(又は変圧器103の二次巻線側)に配置してもよい。これにより、端末2との通信を容易にすることができ、電源アダプタ1の空間デザインがより簡易になる。
【0142】
勿論、本発明の他の実施例では、制御ユニット107と、駆動ユニット110とは、いずれも一次側に設けることもできるが、この場合に、制御ユニット107とサンプリングユニット106との間に隔離ユニット111を設けることで、電源アダプタ1の一次側と二次側の間の信号隔離を実現することができる。
【0143】
なお、本発明の実施例では、制御ユニット107が二次側に設けられた場合には隔離ユニット111を設ける必要があり、隔離ユニット111を制御ユニット107に一体化させてもよい。つまり、一次側から二次側へ信号を伝達したり、二次側から一次側へ信号を伝達する場合には、通常、隔離ユニットを設けて信号を隔離する必要がある。
【0144】
本発明の一つの実施例では、図9に示すように、電源アダプタ1は補助巻線と電源部112とをさらに含み、補助巻線は、変調された第1脈動波形の電圧に基づいて第4脈動波形の電圧を生成し、電源部112は、補助巻線に接続され、電源部112(例えば、フィルタリングレギュレータモジュールや、電圧変換モジュール等)が第4脈動波形の電圧を変換して直流を出力するよう、それぞれ駆動ユニット110及び/又は制御ユニット107に給電することとしてもよい。電源部112は、フィルタリング小コンデンサ、レギュレータチップ等のデバイスからなり、第4脈動波形の電圧を処理し、3.3∨又は5∨等の低電圧直流に変換して出力する。
【0145】
つまり、駆動ユニット110の電源は、電源部112が第4脈動波形の電圧を変換して取得することができ、制御ユニット107を一次側に設けた場合には、電源部112が第4脈動波形の電圧を変換することにより電源を取得することができる。ここで、図9に示すように、制御ユニット107を一次側に設けた場合、電源部112は、駆動ユニット110と制御ユニット107とにそれぞれ給電するための2つの直流出力を供給し、制御ユニット107とサンプリングユニット106との間にオプトカプラ隔離ユニット111を設けることで、電源アダプタ1の一次側と二次側の間の信号隔離を実現する。
【0146】
制御ユニット107が一次側に設けられ、駆動ユニット110が集成されている場合、電源部112は、個別に制御ユニット107に給電する。制御ユニット107が二次側に設けられ、駆動ユニット110が一次側に設けられた場合には、電源部112は、駆動ユニット110のみに給電し、制御ユニット107への給電は、例えば、第2整流ユニット104が出力する第3脈動波形の電圧を電源部により直流源に変換することにより、二次側から制御ユニット107に供給される。
【0147】
また、本発明の実施例では、第1整流ユニット101の出力端は、複数の小コンデンサが並列連結され、フィルタリングが行われることとしてもよい。あるいは、第1整流ユニット101の出力端にLCフィルタ回路が接続される。
【0148】
本発明の他の実施例では、図10に示すように、電源アダプタ1は、補助巻線と制御ユニット107とにそれぞれ接続された第1電圧検出ユニット113をさらに含むこととしてもよい。第1電圧検出ユニット113は、第4脈動波形の電圧を検出して電圧検出値を生成し、制御ユニット107は、電圧検出値に基づいて制御信号のデューティ比を調節する。
【0149】
つまり、制御ユニット107は、第1電圧検出ユニット113で検出された補助巻線の出力電圧に基づいて、第2整流ユニット104の出力電圧を反映させ、その後、電圧検出値に基づいて制御信号のデューティ比を調節し、第2整流ユニット104の出力が電池の充電ニーズと一致させる。
【0150】
具体的には、本発明の一つの実施例では、図11に示すように、サンプリングユニット106は、第1電流サンプリング回路1061と第1電圧サンプリング回路1062とを含む。第1電流サンプリング回路1061は、第2整流ユニット104から出力された電流をサンプリングして電流サンプリング値を取得し、第1電圧サンプリング回路1062は、第2整流ユニット104から出力された電圧をサンプリングして電圧のサンプリング値を取得する。
【0151】
好ましくは、第1電流サンプリング回路1061は、第2整流ユニット104の第1出力端の抵抗(電流検出抵抗)に接続された電圧をサンプリングして、第2整流ユニット104が出力する電流をサンプリングする。第1電圧サンプリング回路1062は、第2整流ユニット104の第1出力端と第2出力端との間の電圧をサンプリングして第2整流ユニット104から出力された電圧をサンプリングする。
【0152】
また、本発明の一つの実施例では、図11に示すように、第1電圧サンプリング回路1062は、ピーク電圧サンプリング保持ユニットと、ゼロ交差サンプリングユニットと、リーケージユニットと、ADサンプリングユニットとを含む。ピーク電圧サンプリング保持ユニットは、第3脈動波形の電圧のピーク電圧をサンプリングして保持し、ゼロ交差サンプリングユニットは、第3脈動波形の電圧のゼロ交差点をサンプリングし、リーケージユニットは、ゼロ交差点した際に、ピーク電圧サンプリング保持ユニットをリーケージし、ADサンプリングユニットは、ピーク電圧サンプリング保持ユニットのピーク電圧をサンプリングして電圧のサンプリング値を取得する。
【0153】
第1電圧サンプリング回路1062のピーク電圧サンプリング保持ユニットと、ゼロ交差サンプリングユニットと、リーケージユニットと、ADサンプリングユニットとが設けられることにより、第2整流ユニット104から出力された電圧を正確にサンプリングし、電圧のサンプリング値と第1脈動波形の電圧とを同期することができる。即ち、位相を同期し、振幅変化傾向を一致させる。
【0154】
本発明の一つの実施例では、図12に示すように、電源アダプタ1は、第2電圧サンプリング回路114をさらに含む。第2電圧サンプリング回路114は、第1脈動波形の電圧をサンプリングし、第2電圧サンプリング回路114は、制御ユニット107に接続される。第2電圧サンプリング回路114によりサンプリングされた電圧値が第1の所定の電圧値より大きい場合には、制御ユニット107は、第1の所定の時間だけスイッチユニット102を切るように制御し、第1脈動波形のサージ電圧、スパイク電圧などに放電する。
【0155】
図12に示すように、第2電圧サンプリング回路114は、第1整流ユニット101の第1出力端と第2出力端とに接続して、第1脈動波形の電圧をサンプリングし、制御ユニット107は、第2電圧サンプリング回路114でサンプリングされた電圧値を判断する。第2電圧サンプリング回路114がサンプリングした電圧値が第1の所定の電圧値より大きい場合には、電源アダプタ1は、落雷による雷干渉が生じてサージ電圧が発生していることを示す。この場合には、サージ電圧をリーケージして、充電の安全性と信頼性を確保する。制御ユニット107は、スイッチユニット102が一定時間開くように制御し、リーケージ通路を形成して落雷によるサージ電圧をリーケージし、落雷により電源アダプタが端末を充電する際に発生する干渉を防止し、端末を充電する際の安全性と信頼性とを向上させる。第1の所定の電圧値は、実際の状況により決定される。
【0156】
本発明の一つの実施例では、電源アダプタ1が端末2の電池202を充電するプロセスでは、制御ユニット107は、サンプリングユニット106によりサンプリングされた電圧値が第2の所定の電圧値より大きい場合には、スイッチユニット102を閉じるように制御する。制御ユニット107は、サンプリングユニット106によりサンプリングされた電圧値の大きさを判断し、サンプリングユニット106によりサンプリングされた電圧値が第2の所定の電圧値より大きい場合には、電源アダプタ1から出力された電圧が高すぎることを意味する。このとき、制御ユニット107は、スイッチユニット102を閉じるように制御し、電源アダプタ1による端末2の電池202の充電を停止させ、制御ユニット107は、スイッチユニット102を閉じるよう制御して電源アダプタ1の過電圧から保護し、充電の安全性を保証する。
【0157】
勿論、本発明の一つの実施例では、前記コントローラ204は、前記制御ユニット107との双方向通信により前記サンプリングユニット106でサンプリングされた電圧値を取得し(図13図14)、前記サンプリングユニット106によりサンプリングされた電圧値が第2の所定の電圧値より大きい場合に、前記充電制御スイッチ203が閉じるように制御する。即ち、端末2側から充電制御スイッチ203を閉じることで、電池202の充電プロセスを停止し、充電の安全性を保証する。
【0158】
また、制御ユニット107は、サンプリングユニット106でサンプリングされた電流値が所定の電流値より大きい場合に、スイッチユニット102を閉じるように制御する。即ち、制御ユニット107は、サンプリングユニット106でサンプリングされた電流値の大きさを判断し、サンプリングユニット106によりサンプリングされた電流値が所定の電流値より大きい場合には、電源アダプタ1から出力された電流が大きすぎることを意する。このとき、制御ユニット107は、スイッチユニット102を閉じるように制御し、電源アダプタ1による端末への充電を停止させる。即ち、制御ユニット107は、スイッチユニット102を閉じるよう制御することで、電源アダプタ1を過電流から保護し、充電の安全性を保証する。
【0159】
同様に、前記コントローラ204は、前記制御ユニット107と双方向通信することで、サンプリングユニット106によりサンプリングされた電流値を取得し(図13図14)、前記サンプリングユニット106によりサンプリングされた電流値が所定の電流値より大きい場合に、前記充電制御スイッチ203を閉じるように制御する。即ち、端末2側から充電制御スイッチ203を閉じ、さらに、電池202の充電プロセスを閉じ、充電の安全性を保証する。
【0160】
ここで、第2の所定の電圧値と所定の電流値とは、いずれも実際の状況に応じて設定され、又は制御ユニット(例えば、電源アダプタ1の制御ユニット107のマイクロコントローラユニットMCU等)のメモリに書き込むことができる。
【0161】
本発明の実施例では、端末は、携帯電話のような携帯端末、、充電器、マルチメディアプレーヤー、ラップトップ、ウェアラブル機器等などの移動電源であってもよい。
【0162】
本発明の実施例に係る端末用充電システムは、電源アダプタが第3脈動波形の電圧を出力するように制御し、電源アダプタから出力された第3脈動波形の電圧を端末の電池に直接に印加することにより、リップルの出力電圧/電流を直接電池に急速充電する。ここで、リップルの出力電圧/電流の大きさは定期的に変化し、従来の定電圧定電流と比較して、リチウム電池のリチウム析出を低減させ、電池の使用寿命を向上させ、充電インタフェースの接点のアーク放電の確率と強度とを減少させ、充電インタフェースの寿命を向上させ、電池の分極効果を低減させ、充電速度を向上させ、電池の発熱を減少させ、端末充電時の安全性と信頼性を保証する。また、電源アダプタは脈動波形の電圧を出力するためため、電源アダプタに電解コンデンサを設ける必要はなく、電源アダプタを簡略化して小型化させるだけではなく、大幅にコストダウンすることもできる。さらに、制御ユニットは、電源アダプタが端末の電池に対してパルス充電するプロセスで、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減させるので、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少し、電池電圧収集ユニットが電池の電圧ピーク値の収集を簡便におこなうことができる。このように、電源アダプタは、電池の電圧ピーク値に基づいて充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を確保することができる。
【0163】
また、本発明の実施例は電源アダプタをさらに提供する。前記電源アダプタは、入力された交流を整流して第1脈動波形の電圧を出力する第1整流ユニットと、制御信号に基づいて前記第1脈動波形の電圧を変調させるスイッチユニットと、変調された前記第1脈動波形の電圧に基づいて第2脈動波形の電圧を出力する変圧器と、前記第2脈動波形の電圧を整流して第3脈動波形の電圧を出力する第2整流ユニットと、前記第2整流ユニットに接続された第1の充電インターフェースであって、該第1充電インタフェースは、端末の第2充電インタフェースに接続される場合、前記第2充電インタフェースにより前記第3脈動波形の電圧を前記端末の電池に印加し、前記第2充電インタフェースが前記電池に接続される第1充電インタフェースと、前記スイッチユニットに接続され、前記スイッチユニットに前記制御信号を出力し、前記制御信号のデューティ比を調節して、前記第3脈動波形の電圧が前記端末の充電ニーズを満たすように制御し、前記電源アダプターが前記第3脈動波形の電圧を出力して前記電池を充電するプロセスでは、、前記制御信号のデューティ比を調節することにより、前記第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、前記端末内の電池電圧収集ユニットが前記電池の電圧ピーク値を収集するように制御する制御ユニットと、を含む。
【0164】
本発明の実施例によれば、電源アダプタは、第1充電インタフェースにより第3脈動波形の電圧を出力し、端末の第2充電インタフェースにより第3脈動波形の電圧を端末の電池に印加することで、リップルの出力電圧/電流を直接電池に急速充電することができる。ここで、リップルの出力電圧/電流の大きさは定期的に変化するので、従来の定電圧定電流と比較して、リチウム電池のリチウム析出を低減させ、電池の使用寿命を向上させ、充電インタフェースの接点のアーク放電の確率と強度とを減少させ、充電インタフェースの寿命を向上させ、電池の分極効果を低減させ、充電速度を向上させ、電池の発熱を減少させ、端末が充電する際の安全性と信頼性を保証することができる。また、電源アダプタから脈動波形の電圧が出力されるので、電源アダプタに電解コンデンサを設ける必要はなく、電源アダプタを簡略化して小型化させるだけではなく、大幅にコストダウンすることもできる。また、端末の電池に対してパルス充電するプロセスでは、制御ユニットは、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減する。したがって、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少し、電池電圧収集ユニットによる電池の電圧ピーク値の収集を簡便に行うことができる。このように、電源アダプタは、電池の電圧ピーク値に基づいて充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を保証することができる。
【0165】
図15は本発明の実施例に係る端末用充電方法のフローチャートである。図15に示すように、この端末用充電方法は以下のステップを含む。
【0166】
S1:電源アダプタの第1充電インタフェースが端末の第2充電インタフェースに接続された場合、電源アダプタに入力された交流を一次整流して第1脈動波形の電圧を出力する。
【0167】
即ち、電源アダプタの第1整流ユニットにより入力交流(即ち、220∨、50Hz又は60Hzなどの主電源)の交流電源を整流し、第1脈動波形の電圧(例えば、100Hz又は120Hz)の饅頭形波電圧を出力する。
【0168】
S2:スイッチユニットを制御して前記第1脈動波形の電圧を変調させ、変圧器の変換により第2脈動波形の電圧を出力する。
【0169】
スイッチユニットは、MOSトランジスタからなり、MOSトランジスタをPWM制御して饅頭形波の電圧をチョッピング変調する。その後、変圧器により変調された第1脈動波形の電圧カップリングを二次にカップリングし、二次巻線により第2脈動波形の電圧を出力する。
【0170】
本発明の実施例において、高周波変圧器を利用して変換してもよい。変圧器の体積を小さくしてもよく、これにより電源アダプタを大電力化して、小型化設計とすることができる。
【0171】
S3:前記第2脈動波形の電圧を二次整流して第3脈動波形の電圧を出力する。前記第2充電インタフェースにより前記第3脈動波形の電圧を端末の電池に印加し、端末電池を充電する。
【0172】
本発明の一つの実施例では、第2整流ユニットにより第2脈動波形の電圧を二次整流し、第2整流ユニットをダイオード又はMOSトランジスタから構成して二次同期整流することにより、変調された第1脈動波形と第3脈動波形とを同期させる。
【0173】
S4:二次整流された電圧及び/又は電流をサンプリングして電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値を取得する。
【0174】
S5:電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値に基づいて制御スイッチユニットの制御信号のデューティ比を調節し、第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすように調整する。
【0175】
なお、第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすことは、第3脈動波形の電圧と電流とが電池充電を満たす必要がある時の充電電圧と充電電流を指す。つまり、サンプリングされた電源アダプタから出力された電圧及び/又は電流に基づいて制御信号、例えば、PWM信号のデューティ比を調節し、リアルタイムで第2整流ユニット104の出力を調整し、閉ループ調節制御する。これにより、第3脈動波形の電圧は端末の充電ニーズを満たし、電池が安全で確実に充電することが保証される。具体的に、図3に示すように、PWM信号のデューティ比により電池に出力した充電電圧波形を調節し、図4に示すように、PWM信号のデューティ比により電池に出力した充電電流波形を調節する。
【0176】
従って、本発明の実施例では、スイッチユニットを制御して整流された第1脈動波形の電圧、即ち、饅頭形波電圧を、直接PWMチョッピング変調し、高周波変圧器に送り、高周波変圧器により一次側から二次側に送り、同期整流した後に饅頭形波電圧/電流に還元して電池に直接送り込み、電池の急速充電を実現する。ここで、饅頭形波の電圧振幅は、PWM信号のデューティ比に基づいて調節され、電源アダプタの出力は電池の充電ニーズを満たす。これより、電源アダプタの一次側、二次側の電解コンデンサをキャンセルすることができ、饅頭形波電圧は直接電池を充電することができるので、電源アダプタの体積を減少させ、電源アダプタの小型化を実現し、大幅にコストダウンすることができる。
【0177】
本発明の一実施例では、上記端末用の充電方法は、以下のようなステップを含んでもよい。電源アダプタの第1充電インタフェースが前記端末の第2充電インタフェースに接続された場合、入力された交流を一次整流して第1脈動波形の電圧を出力し、スイッチユニットを制御して前記第1脈動波形の電圧を変調させ、変圧器による変換により第2脈動波形の電圧を出力し、前記第2脈動波形の電圧を二次整流して第3脈動波形の電圧を出力し、前記第2充電インタフェースを介して前記第3脈動波形の電圧を前記端末の電池に印加し、前記スイッチユニットに出力される制御信号のデューティ比を調節して、前記第3脈動波形の電圧が充電ニーズを満たすようにする。前記電源アダプタが第3脈動波形の電圧を出力して前記電池を充電するプロセスでは、さらに、前記制御信号のデューティ比を調節することにより前記第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、前記端末が前記電池の電圧ピーク値を収集する。
【0178】
つまり、電源アダプタが第3脈動波形の電圧を出力して電池を充電するプロセスはパルス充電であるため、電池電圧収集ユニットが毎回電池の電圧ピーク値を正確に収集することを保証することができないので、パルス充電により電池を充電すると、充電電流を停止させる際には、突然0に落ちることはないが、徐々に下落し、停止時間が短いほど、電圧の変化が小さくなる。そのため、本発明の実施例では、制御信号のデューティ比を調節して、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減する。したがって、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少することができ、これにより、電池電圧収集ユニットによる電池の電圧ピーク値の収集を簡便にし、システムの安全性と信頼性を確保する。
【0179】
本発明の一つの実施例では、電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値に基づいて制御信号の周波数を調節し、スイッチユニットに出力されるPWM信号の出力を一定時間制御してからしばらく出力を停止させ、所定時間の停止の後に再びPWM信号の出力を起動する。このように、電池に印加された電圧は断続的なものであるので、電池は断続的充電され、電池が連続的に充電する際の深刻な発熱によるセキュリティリスクを避けることができ、電池充電の信頼性と安全性とを向上させることができる。スイッチユニットに出力された制御信号は、図5Aに示したようになる。
【0180】
さらに、上記端末用充電方法は、第1充電インタフェースにより端末と通信して端末の状態情報を取得し、端末の状態情報と、電圧のサンプリング値及び/又は電流のサンプリング値に基づいて制御信号のデューティ比を調節する。
【0181】
つまり、第2充電インタフェースが第1充電インタフェースに接続された場合、電源アダプタと端末との間で互いに通信問い合わせ指令を送信し、対応する返信指令を受信した後、電源アダプタと端末との間に通信接続を作って端末の状態情報を取得する。これにより、充電モードと充電パラメータ(如充電電流、充電電圧)について端末と取り決め、充電プロセスを制御する。
【0182】
本発明の一つの実施例では、変圧器での変換により第4脈動波形の電圧が生成され、第4脈動波形の電圧を検出して電圧検出値を生成し、電圧検出値に基づいて制御信号のデューティ比を調節する。
【0183】
具体的には、変圧器に補助巻線がさらに設けられ、補助巻線は、変調された第1脈動波形の電圧に基づいて第4脈動波形の電圧を生成する。このように、第4脈動波形の電圧を検出して電源アダプタの出力電圧を反映することができ、電圧検出値に基づいて制御信号のデューティ比を調節し、電源アダプタの出力を電池の充電ニーズと一致させる。
【0184】
本発明の一つの実施例では、二次整流された電圧をサンプリングして電圧のサンプリング値を取得するステップは、前記二次整流後の電圧のピーク電圧をサンプリングして保持し、前記二次整流された電圧のゼロ交差点をサンプリングするステップと、前記ゼロ交差の際に前記ピーク電圧をサンプリングして保持されたピーク電圧サンプリング保持ユニットをリーケージするステップと、前記ピーク電圧サンプリング保持ユニットのピーク電圧をサンプリングして前記電圧のサンプリング値を取得するステップとを含む。これにより、電源アダプタから出力された電圧を正確にサンプリングし、電圧のサンプリング値と第1脈動波形の電圧とを同期させ、位相と振幅変化傾向とを一致させる。
【0185】
さらに、本発明の一つの実施例によれば、上記端末用充電方法は、前記第1脈動波形の電圧をサンプリングし、サンプリングされた電圧値が第1の所定の電圧値より大きい場合に、前記スイッチユニットが第1の所定の時間に開くように制御して、第1脈動波形のサージ電圧を放電させる。
【0186】
第1脈動波形の電圧をサンプリングし、その後、サンプリングされた電圧値を判断することにより、サンプリングされた電圧値が第1の所定の電圧値より大きい場合、電源アダプタは落雷による干渉を受け、サージ電圧が現れるので、この際のサージ電圧をリーケージする必要がある。充電の安全性と信頼性を保証するため、スイッチユニットを一定時間に開くように制御してリーケージ通路を形成し、落雷によるサージ電圧をリーケージし、落雷により電源アダプタにより端末を充電した際に発生する干渉を防止し、端末を充電する際の安全性と信頼性を有効に向上させる。ここで、第1の所定の電圧値は実際の状況に応じて決定される。
【0187】
本発明の一つの実施例によれば、第1充電インタフェーが端末と通信して充電モードを判断し、充電モードが第1充電モードであると判断された場合には、端末の状態情報に基づいて第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧を取得し、第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧に基づいて、制御信号のデューティ比を調節する。充電モードは、第1充電モードと第2充電モードとを含む。
【0188】
現在の充電モードが第1充電モードであると判断された場合には、取得された端末の状態情報、例えば、電池の電圧、電気量、温度、端末の運転パラメータ、端末上で動作するアプリケーションの消費電力量などの情報により第1充電モードに対応する充電電流及び/又は充電電圧を取得し、その後、取得された充電電流及び/又は充電電圧に基づいて制御信号のデューティ比を調節することで、電源アダプタの出力は充電ニーズを満たし、電池の急速充電を実現する。
【0189】
ここで、端末の状態情報は、電池の温度を含む。また、電池の温度が第1の所定の温度閾値より高く、又は電池の温度が第2の所定の温度閾値より低い場合には、現在の充電モードが第1充電モードであれば、第1充電モードを第2充電モードに切り替える。第1の所定の温度閾値は、第2の所定の温度閾値より大きい。即ち、電池の温度が低すぎる(例えば、対応する第2の所定の温度閾値より小さい)又は高過ぎる(例えば、対応する第1の所定の温度閾値より大きい)場合には、いずれも急速充電には適していないので、第1充電モードを第2充電モードに切り替える必要がある。本発明の実施例において、第1の所定の温度閾値と第2の所定の温度閾値は実際の状況に応じて決定される。
【0190】
本発明の一つの実施例では、電池の温度が所定の高温保護閾値より高い場合には、スイッチユニットを閉じるように制御し、電池の温度が高温保護閾値を超えた場合には、高温保護ストラテジ策略を用いてスイッチユニットを閉じるように制御し、電源アダプタの電池への充電を停止させ、電池が高温となることから保護し、充電の安全性を向上させる。前記高温保護閾値は前記第1温度閾値と異なってもよく、同じでもよい。好ましくは、前記高温保護閾値は前記第1温度閾値より大きい。
【0191】
本発明の他の実施例において、前記端末は前記電池の温度を取得し、前記電池の温度が所定の高温保護閾値より高い場合には、前記電池の充電を停止するように制御し、端末側から充電制御スイッチを閉じることにより、電池の充電プロセスを停止し、充電の安全性を確保する。
【0192】
また、本発明の一つの実施例において、端末の充電方法は、前記第1充電インタフェースの温度を取得するステップをさらに含む。前記第1充電インタフェースの温度が所定の保護温度より高い場合、前記スイッチユニットを閉じるように制御する。即ち、充電インタフェースの温度が所定の温度を超えると、制御ユニットも高温保護ストラテジを実行してスイッチユニットを切るように制御する必要があり、電源アダプタによる電池の充電を停止させ、充電インタフェースが高温となることから保護し、充電の安全性を向上させる。
【0193】
勿論、本発明の他の実施例において、前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信して前記第1充電インタフェースの温度を取得し、前記第1充電インタフェースの温度が所定の保護温度より高い場合に、前記電池の充電を停止するように制御する。、即ち、端末側から充電制御スイッチを閉じて電池の充電プロセスを停止し、充電の安全性を向上させる。
【0194】
また、電源アダプタが端末を充電するプロセスにおいて、電圧のサンプリング値が第2の所定の電圧値より大きい場合には、スイッチユニットを閉じるように制御する。即ち、電源アダプタが端末を充電するプロセスにおいて、電圧のサンプリング値の大きさを判断し、電圧のサンプリング値が第2の所定の電圧値より大きいことは、電源アダプタから出力された電圧が高すぎることを意味するので、スイッチユニットを制御して閉じ、電源アダプタによる端末への充電を停止し、即ち、スイッチユニットを閉じるように制御して電源アダプタが過電圧となることから保護し、充電の安全性を確保する。
【0195】
勿論、本発明の一つの実施例において、前記端末が前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信して前記電圧のサンプリング値を取得し、前記電圧のサンプリング値が第2の所定の電圧値より大きい場合に、前記電池への充電を停止するように制御し、即ち、端末側から充電制御スイッチを閉じるようにして電池の充電プロセスを停止し、充電の安全性を確保する。
【0196】
本発明の一つの実施例では、電源アダプタが端末を充電するプロセスにおいて、前記電流サンプリング値が所定の電流値より大きい場合、前記スイッチユニットを閉じるように制御する。即ち、電源アダプタが端末を充電するプロセスにおいて、電流サンプリング値の大きさを判断し、電流サンプリング値が所定の電流値より大きい場合には、電源アダプタから出力された電流が大きすぎるので、制御スイッチユニットを制御して閉じ、電源アダプタが端末への充電を停止し、即ち、スイッチユニットを閉じるように制御することで電源アダプタが過電流となることから保護し、充電の安全性を確保する。
【0197】
同様に、前記端末は、前記第2充電インタフェースにより前記電源アダプタと双方向通信して前記電流サンプリング値を取得し、前記電流サンプリング値が所定の電流値より大きい場合には、前記電池への充電を停止するように制御して、端末側から充電制御スイッチを閉じる。これにより電池の充電プロセスを停止し、充電の安全性を確保する。
【0198】
ここで、第2の所定の電圧値も、所定の電流値も、実際の状況に応じて決定される。
【0199】
本発明の実施例において、前記端末の状態情報は、前記電池の電気量と、前記電池の温度と、前記端末の電圧/電流と、前記端末のインタフェース情報と、前記端末の通路抵抗の情報等を含む。
【0200】
具体的には、前記電源アダプタは端末にUSBインターフェースにより接続される。USBインターフェースは、通常のUSBインターフェースであってもよく、Micro USBインターフェースであってもよい。USBインターフェースのデータ線、即ち、第1充電インタフェースのデータ線は、前記電源アダプタが前記端末との双方向通信するためのものであり、データ線はUSBインターフェースのD+線及び./又はD−線であってもよい。双方向通信とは、電源アダプタと端末との両方が情報の交互する意味をしている。
【0201】
前記電源アダプタは前記USBインターフェースのデータ線を介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードで前記端末を充電することを決定する。
【0202】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタは、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信して前記第1充電モードで前記端末を充電すると決定された場合、前記電源アダプタは前記端末に第1指令を送信する。前記第1指令は、前記端末が前記第1充電モードを起動するか否かを問い合わせる。前記電源アダプタは、前記端末から前記第1指令の返信指令を受信する。前記第1指令の返信指令は、前記端末が前記第1充電モードを起動するように前記端末を指示する。
【0203】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記端末に前記第1指令を送信する前に、前記電源アダプタは、前記端末との間に前記第2充電モードで充電し、前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定された後、前記電源アダプタは前記端末に前記第1指令を送信する。
【0204】
なお、電源アダプタが前記第2充電モードの充電時間が所定の閾値より大きいと判定すると、電源アダプタは、端末それ自体を電源アダプタとして認識したとみなし、急速充電問い合わせ通信を起動することができる。
【0205】
好ましくは、一つの実施例として、前記スイッチユニットを制御して前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように前記電源アダプタを制御し、前記電源アダプタは、前記第1充電モードに対応する充電電流で前記端末を充電する前に、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定し、前記電源アダプタが充電電圧を前記第1充電モードに対応する充電電圧に調整するように制御する。
【0206】
好ましくは、一つの実施例として、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定するステップは、前記電源アダプタが前記端末に、前記電源アダプタの現在の出力電圧が前記第1充電モードの充電電圧として適切であるか否かを問い合わせる第2指令を送信するステップと、前記電源アダプタが、前記電源アダプタの現在の出力電圧が適切か、高いか又は低いかを指示する、前記端末から送信された前記第2指令の返信指令を受信ステップと、前記電源アダプタが、前記第2指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電圧を決定するステップと、を含む。
【0207】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが、前記第1充電モードに対応する充電電流に調整するように制御する前に、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する。
【0208】
好ましくは、一つの実施例として、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定するステップは、前記電源アダプタが前記端末に、前記端末の現在サポートする最大充電電流を問い合わせる第3指令を送信するステップと、前記電源アダプタが、前記端末から送信された、前記端末の現在サポートする最大充電電流を指示する前記第3指令の返信指令を受信するステップと、前記電源アダプタが、前記第3指令の返信指令に基づいて、前記第1充電モードの充電電流を決定するステップとを含む。
【0209】
電源アダプタは上記最大充電電流を第1充電モードの充電電流として直接決定するか、又は充電電流を最大充電電流のある電流値より小さくすることができる。
【0210】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記スイッチユニットを制御して前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整する。
【0211】
ここで、電源アダプタは、端末の現在の状態の情報を連続的に問い合わせることができる。例えば、端末の電池電圧や、電池電気量等を問い合わせ、充電電流を断続的に調整する。
【0212】
好ましくは、一つの実施例として、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記スイッチユニットを制御することで前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を断続的に調整するステップは、電源アダプタが前記端末に、前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる第4指令を送信するステップと、電源アダプタが、前記端末から送信された、前記端末内の電池の現在の電圧を指示する前記第4指令の返信指令を受信するステップと、電源アダプタが、前記電池の現在の電圧に基づいて、前記スイッチユニットを制御して充電電流を調整するステップとを含む。
【0213】
好ましくは、一つの実施例として、前記電池の現在の電圧に基づいて前記スイッチユニットを制御して前記充電電流を調整するステップは、前記電池の現在の電圧、及び所定の電池電圧値と充電電流値との対応関係に基づいて、前記スイッチユニットを制御して前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を前記電池の現在の電圧に対応する充電電流値に調整するステップを含む。
【0214】
具体的には、電源アダプタは、電池電圧値と充電電流値との対応関係を予め記憶することができる。
【0215】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記第1充電インタフェースを介して前記端末と双方向通信を行い、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判定される場合には、前記電源アダプタが前記第1充電モードを終了するように制御する。
【0216】
好ましくは、一つの実施例として、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したと判定される前に、前記電源アダプタは、前記端末から前記端末の通路抵抗を指示する情報を受信し、前記電源アダプタが前記端末に、前記端末内の電池の電圧を問い合わせる第4指令を送信する。前記電源アダプタは、前記端末から送信された、前記端末内の電池の電圧を指示する前記第4指令の返信指令を受信し、前記電源アダプタの出力電圧と前記電池の電圧とに基づいて、前記電源アダプタから前記電池までの通路抵抗を決定する。そして、前記電源アダプタから前記電池までの通路抵抗と、前記端末までの通路抵抗と、前記電源アダプタと前記端末との間の充電線線路の通路抵抗とに基づいて、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。
【0217】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードを終了するように制御する前に、前記端末に第5指令を送信する。前記第5指令は、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間の接触不良を指示する。
【0218】
電源アダプタは第5指令を送信完了すると、第1充電モードを終了、又はリセットすることができる。
【0219】
以上、電源アダプタの観点から本発明の実施例による急速充電プロセスを詳しく説明したが、以下に、端末の観点から本発明の実施例による急速充電プロセスを説明する。
【0220】
本発明の実施例において、前記端末は、第2充電モードと第1充電モードとをサポートする。前記第1充電モードの充電電流は、前記第2充電モードの充電電流より大きい。前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信して前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電すると決定する。前記電源アダプタは、前記第1充電モードに対応する充電電流に基づいて出力し、前記端末内の電池を充電する。
【0221】
好ましくは、一つの実施例として、前記端末は前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信をおこなって前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するステップは、前記端末が、前記電源アダプタから送信された、前記端末が前記第1充電モードを起動するか否かを問い合わせる第1指令を受信するステップと、前記端末が、前記電源アダプタに、前記端末が前記第1充電モードの起動を同意することを指示する前記第1指令の返信指令を送信するステップと、を、含む。
【0222】
好ましくは、一つの実施例として、前記端末が、前記電源アダプタから送信された第1指令を受信する前に、前記端末と前記電源アダプタとの間は前記第2充電モードで充電し、前記電源アダプタは、前記第2充電モードでの充電時間が所定の閾値より長いと判定した後、前記端末は、前記電源アダプタから送信された前記第1指令を受信する。
【0223】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタは、前記第1充電モードに対応する充電電流に基づいて出力し、前記端末内の電池を充電する前に、前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定する。
【0224】
好ましくは、一つの実施例として、前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電モードに対応する充電電圧を決定するステップは、前記端末が前記電源アダプタから送信された、前記電源アダプタの現在の出力電圧が前記第1充電モードの充電電圧として適切するか否かを問い合わせる第2指令を受信するステップと、前記端末が、前記電源アダプタに、前記電源アダプタの現在の出力電圧が適切か、高いか又は低いかを指示する前記第2指令の返信指令を送信するステップとを含む。
【0225】
好ましくは、一つの実施例として、前記端末が前記電源アダプタから前記第1充電モードに対応する充電電流を受信して前記端末内の電池を充電する前に、前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する。
【0226】
ここで、前記端末は前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプターと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電モードに対応する充電電流を決定するステップは、前記端末が前記電源アダプタから送信された、前記端末の現在のサポートの最大充電電流を問い合わせる第3指令を受信するステップと、前記端末が、前記電源アダプターに、前記端末の現在のサポートの最大充電電流を指示し、前記第1充電モードに対応する充電電流を決定する前記第3指令の返信指令を送信するステップとを含む。
【0227】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信して、前記電源アダプタが前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整する。
【0228】
ここで、前記端末は前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信して前記電源アダプタが前記電源アダプタから電池に出力される充電電流を断続的に調整するステップは、前記端末が、前記電源アダプタから送信された、前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる第4指令を受信ステップと、前記端末が、前記電源アダプタに、前記端末内の電池の現在の電圧を指示し、前記電池の現在の電圧に基づいて、前記電源アダプタが電池に出力した充電電流を断続的に調整するための前記第4指令の返信指令を送信するステップとを含む。
【0229】
好ましくは、一つの実施例として、前記電源アダプタが前記第1充電モードで前記端末を充電するプロセスでは、前記端末は、前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定する。
【0230】
ここで、前記端末は前記第2充電インタフェースを介して前記電源アダプタと双方向通信を行い、前記電源アダプタが前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定するステップは、前記端末が前記電源アダプタから送信された、前記端末内の電池の現在の電圧を問い合わせる第4指令を受信するステップと、前記端末が、前記電源アダプタに、前記端末内の電池の現在の電圧を指示し、前記電源アダプタが前記電源アダプタの出力電圧と前記電池の現在の電圧に基づいて、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間に接触不良が発生したか否かを判定するための前記第4指令の返信指令を送信するステップとを含む。
【0231】
好ましくは、一つの実施例として、前記端末は前記電源アダプタから送信された第5指令を受信する。前記第5指令は、前記第1充電インタフェースと前記第2充電インタフェースとの間の接触不良を指示する。
【0232】
第1充電モードを起動して使用するために、電源アダプタは、端末との急速充電通信を行うことができ、一回以上のハンドシェーク通信により、電池の急速充電を実現する。以下、具体的に、図6を参照して、本発明の実施例による急速充電通信のフロー、及び急速充電プロセスに含まれる各段階を詳しく説明する。図6に示された通信ステップ又は操作は、単に例示的なものであり、本発明の実施例は他の操作や、図6に示された様々な操作の変形を実行してもよい。また、図6の各段階は、図6に示された順序と異なる順序で実行することもでき、図6の全部の操作が実行されなくてもよい。
【0233】
以上、本発明の実施例による端末用充電方法は、電源アダプタが充電ニーズを満たすために、第3脈動波形の電圧を出力するように電源アダプタを制御して、電源アダプタから出力された第3脈動波形の電圧を直接端末の電池に印加することで、リップルの出力電圧/電流により直接電池を急速充電する。リップルの出力電圧/電流の大きさは定期的に変換するので、従来の定電圧定電流と比較して、リチウム電池のリチウム析出を低減させ、電池の使用寿命を向上させ、充電インタフェースの接点のアーク放電の確率と強度とを減少させ、充電インタフェースの寿命を向上させ、電池の分極効果を低減させ、充電速度を向上させ、電池の発熱を減少させ、端末が充電される時の安全性と信頼性を確保する。また、電源アダプタから脈動波形の電圧が出力されるため、電源アダプタに電解コンデンサを設ける必要はなく、電源アダプタを簡略化して小型化させることができ、大幅にコストダウンすることもできる。端末の電池に対してパルス充電するプロセスでは、制御信号のデューティ比を調節することにより、第3脈動波形の電圧トラフの持続時間を低減し、電圧ピークと電圧トラフとの電圧差を低減し、パルス充電時の電池電圧の波動値を効果的に減少し、電池電圧収集ユニットの電池の電圧ピーク値の収集を簡便に行うことができる。このように、電源アダプタは、電池の電圧ピーク値に基づいて充電状態を適時に調整し、システムの安全性と信頼性を確保することができる。
【0234】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を簡便に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではなく、本発明に対する限定と理解してはならない。
【0235】
また、「第1」、「第2」との用語は、説明の目的のためのものであり、相対的な重要性を指示又は暗示したりするために使用されるか、或いは、指定された技術的特徴の数量を暗黙的に指定するために使用されると理解してはならない。よって、「第1」、「第2」と限定されている特徴は、少なくとも一つの当該特徴を含んでいることを、明示又は暗黙的に指定している。本発明の説明において、特に明確で具体的に限定されない限り、「複数」との意味は少なくとも二つであり、例えば、二つ、三つなどである。
【0236】
なお、本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続であってもよい。直接接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの部品の内部が連通することや、あるいは二つの部品の間に相互の作用関係があってもよい。当業者であれば、本発明の上記用語の具体的な意味は、特定の状況に基づいて理解することができる。
【0237】
本発明において、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接接触することを含んでもよく、第1特徴と第2特徴とが直接接触せず別の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみを表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことだけを表す。
【0238】
本明細書の説明において、「一つの実施形態例」、「一部の実施形態例」、「例」、「具体的な示例」、或いは「一部の示例」などの用語を参考した説明は、該実施形態例或いは示例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施形態例、或いは、示例に含まれる。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明描写は、必ずしも同じ実施形態例、或いは示例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施形態例、又は示例において適切に結合することができる。なお、互いに矛盾しない場合、当業者は本明細書で描写された異なる実施例、或いは示例、及び異なる実施例、或いは示例の特徴を結合したり組み合わせることができる。
【0239】
本文に記載された実施例により説明された各例のユニット及び計算方法ステップの組み合わせは、電子ハードウェア、或いはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアの組み合わせに基づいて実現されることは、当業者に意識されるべきである。これらの機能は、ハードウェア又はソフトウェアに基づいて実行されるかどうかは、技術案の特定応用及びデザイン制限条件によって異なる。当業者であれば、特定の用途ごとに、異なる方法で説明された機能を実現することができるが、この実現は本発明の範囲を超えて考慮されるべきではない。
【0240】
簡便な説明のため、上述されたシステムおよび装置とユニットの具体的な作動プロセスは、前記方法実施例において対応するプロセスを参照することができるため、ここで詳細に説明しないことは、当業者に明確に理解される。
【0241】
本願で提供されたいくつの実施例において、記載されたシステムと、装置と方法は、他の方式により実現されると理解される。例えば、以上説明された装置は単に例示的なものであり、例えば、前記ユニットの分割は、単なる論理的な機能分割であり、実際に実現される際に他の分割方式であってもよく、例えば、複数のユニット又は組立品を組み合わせて別のシステムに集成したり、一部の特徴が無視されたり、実行されなかったりしてもかまわない。なお、表示又は検討された互いのカップリング又は直接カップリング又は通信接続は一部のインタフェースや、装置又はユイットを介する間接的なカップリング又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形でもよい。
【0242】
前記分離部品として説明されたユニットは物理的に分離していてもよく、物理的に分離していなくてもよく、ユニットとして表示された部品は、物理的なユニットでもよく、物理的なユニットでなくてもよい。即ち、一つの場所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに分配してもよい。実際的な需要に応じてその中の一部または全部のユニットを、実際の必要に応じて選択することができる。
【0243】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットに統合されてもよいし、物理的に単独で存在してもよく、2つ以上のユニットを一つのユニットに集約してもよい。
【0244】
前記機能はソフトウェア機能ユニットの形で実装され、独立した製品として販売又は使用された場合、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づいて、本発明の本質的な技術案、又は従来技術に貢献する部分、又はこの技術案の一部は、ソフトウェア製品の形で体現することができる。コンピュータソフトウェア製品は一つの記憶メディアに記憶され、若干の指令を含んで一つのコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイス等)により本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行する。前記記憶メディアは、USB、リムーバブルハードディスク、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ディスク、またはディスク等の、プログラムコードを記憶する各種媒体が含まれる。
【0245】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は例示的なものであり、本発明を限定するものであると理解してはならない。当業者は、本発明の範囲内で、上記実施例に対して各種の変更、修正、置換及び変形を行うことができる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15