特許第6546315号(P6546315)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546315
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】近距離情報伝送
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/14 20090101AFI20190705BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20190705BHJP
   H04W 4/60 20180101ALI20190705BHJP
【FI】
   H04W48/14
   H04W84/12
   H04W4/60
【請求項の数】19
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-89295(P2018-89295)
(22)【出願日】2018年5月7日
(62)【分割の表示】特願2015-510460(P2015-510460)の分割
【原出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2018-139439(P2018-139439A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2018年6月5日
(31)【優先権主張番号】201210135219.3
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジエ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】カイ カオ
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−274707(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0126519(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0325425(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0033568(US,A1)
【文献】 YUTAKA ARAKAWA,WIFITAG: DIRECT LINK FROM THE REAL WORLD TO ONLINE DIGITAL CONTENTS,P2P, PARALLEL, GRID, CLOUD AND INTERNET COMPUTING (3PGCIC), 2012 SEVENTH INTERNATIONAL CONFERENCE ON,IEEE,2012年11月12日,PAGE(S):339 - 344
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04L 12/14
G06Q 20/00−30/00
DB名 3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライアントデバイスにインストールされるように構成されたコンピュータ実行可能命令のセットを提供するステップを備え、前記コンピュータ実行可能命令のセットは、第1のクライアントデバイスのプロセッシングユニットによって実行されると、前記第1のクライアントデバイスの前記プロセッシングユニットを、情報伝送クライアントシステムを実行するように動作させ、第2のクライアントデバイスのプロセッシングユニットによって実行されると、前記第2のクライアントデバイスの前記プロセッシングユニットを、情報受信クライアントシステムを実行するよう動作させ、
前記情報伝送クライアントシステムは、
情報システムからターゲット情報に対応する乱数を受信し、前記乱数は最高信号強度を有するパーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子を含み、
前記乱数を、前記第2のクライアントデバイスの前記情報受信クライアントシステムが取得するために、提供するように動作可能であり、
前記第2のクライアントデバイスの前記情報受信クライアントシステムは、
前記乱数を取得し、
前記乱数を前記情報システムに送信し、
前記情報システムから前記ターゲット情報を受信するように動作可能である方法。
【請求項2】
前記情報受信クライアントシステムのために前記乱数を提供することは、
前記情報伝送クライアントシステムを有する前記第1のクライアントデバイスの前記パーソナル無線ホットスポットを作動させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記情報受信クライアントシステムのために前記乱数を提供することは、無線通信を通して前記乱数を放送することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記乱数を放送することは、無線通信プロトコルのビーコンフレームを通して前記乱数を放送することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記無線通信プロトコルは、IEEE802.11プロトコルを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記情報システムは、
前記情報伝送クライアントシステムからの前記乱数の要求を受信し、
数を生成し、
前記乱数を前記情報伝送クライアントシステムに送信する
ように動作可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記情報システムは、
前記生成された乱数を、前記ターゲット情報に対応するものとして記憶し、
前記情報受信クライアントシステムから候補乱数を受信し、
前記候補乱数を前記生成された乱数と比較し、
前記候補乱数が前記生成された乱数に合致する場合は、前記対応するターゲット情報を前記情報受信クライアントシステムに解放する
ように動作可能である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記情報受信クライアントシステムが前記乱数を取得することは、
前記第2のクライアントデバイスにてWiFiモジュールに、複数のパーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子および対応する信号強度を検出することを実行させ、
前記複数のパーソナル無線ホットスポットのうちの最高信号強度を有する前記パーソナル無線ホットスポットの前記サービスセット識別子を前記乱数として特定する
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プロセッシングユニットと、
前記プロセッシングユニットによって実行されると、
第1のクライアントデバイスからターゲットデータを送信する要求を受信し、
前記ターゲットデータを送信する前記要求に基づいて乱数を生成し、前記乱数は、最高信号強度を有するパーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子を含み、
前記生成された乱数を前記ターゲットデータに関連付け、
前記生成された乱数を前記第1のクライアントデバイスに送信し、
第2のクライアントデバイスから前記ターゲットデータおよび候補乱数を受信する要求を受信し、前記候補乱数は、前記第2のクライアントデバイスによって前記第1のクライアントデバイスから取得され、
前記生成された乱数を用いて前記候補乱数を分析し、
前記候補乱数が前記生成された乱数に対応すると判断すると、前記ターゲットデータを前記第2のクライアントデバイスに提供する
ように動作可能な情報システムを実行するように前記プロセッシングユニットを構成するコンピュータ実行可能命令を含むメモリと、
を備えるコンピューティングシステム。
【請求項10】
前記第1のクライアントデバイスは、支払いトランザクションの支払い受け取り者と関連付けられ、前記第2のクライアントデバイスは、前記支払いトランザクションの支払者と関連付けられる、請求項9に記載のコンピューティングシステム。
【請求項11】
前記生成された乱数を前記ターゲットデータに関連付けることは、テーブルを使用して、前記生成された乱数と前記ターゲットデータとの間のマッピング関係を記憶することを含む、請求項9に記載のコンピューティングシステム。
【請求項12】
前記テーブルは、
前記乱数の数値、
前記乱数の生成日付、および
前記乱数の生成時刻
のうちの1つまたは複数を含む、請求項11に記載のコンピューティングシステム。
【請求項13】
前記乱数を、あらかじめ定められた時間期間についてのみ前記ターゲットデータと関連付けて記憶することをさらに含む、請求項9に記載のコンピューティングシステム。
【請求項14】
前記要求に基づいて前記乱数を生成することは、乱数関数を使用して、前記ターゲットデータを送信する前記要求を受信する日付および時刻に基づいて乱数を生成することを含む、請求項9に記載のコンピューティングシステム。
【請求項15】
クライアントデバイスにインストールされるように構成されたコンピュータ実行可能命令であって、前記クライアントデバイスのプロセッシングユニットによって実行されると、前記プロセッシングユニットを、支払い受け取り者クライアントおよび支払者クライアントのうちの少なくとも1つを実行するように構成するコンピュータ実行可能命令を含むコンピュータ可読記録媒体であって、
前記支払い受け取り者クライアントは、
支払いトランザクションのために送信されるアカウント情報を情報システムで特定し、
前記情報システムから前記アカウント情報に対応する乱数を受信し、
支払い受け取り者デバイスのパーソナル無線ホットスポットを、前記パーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子として前記乱数を使用して作動させることを引き起こす
ように動作可能であり、
前記支払者クライアントは、
パーソナル無線ホットスポットの候補サービスセット識別子を取得し、
前記候補サービスセット識別子を前記情報システムに、支払いトランザクションのためのアカウント情報の要求とともに提示する
ように動作可能である、コンピュータ可読記録媒体。
【請求項16】
無線ホットスポットの候補サービスセット識別子を取得することは、
複数のパーソナル無線ホットスポットの信号強度を検出することと、
複数の無線ホットスポットのうち最高信号強度を有する候補パーソナル無線ホットスポットを特定することと、
前記候補パーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子を前記候補サービスセット識別子として取得することと
を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項17】
パーソナル無線ホットスポットの候補サービスセット識別子を取得することは、支払者デバイスのWiFiモジュールにパーソナル無線ホットスポットおよび対応する信号強度を検出することを実行させることを含む、請求項15に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項18】
前記WiFiモジュールは、前記パーソナル無線ホットスポットの信号強度に基づいて、無線ホットスポットを検出するように構成される、請求項17に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【請求項19】
パーソナル無線ホットスポットの前記候補サービスセット識別子を取得することは、
物理的に最も近いパーソナル無線ホットスポットを検出することと、
前記物理的に最も近いパーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子を、前記候補サービスセット識別子として特定することと、
を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は2012年5月2日出願の表題「Method,Information Transmitting and Receiving Client, and Information System for Transmitting Near Field Information」中国特許出願第20120135219.3号への外国優先権を主張し、参照によりその全体を本明細書に組み入れる。
【0002】
本開示は、ネットワーク通信技術の分野に関し、より具体的には、近距離情報伝送方法およびシステム、情報伝送クライアント、情報受信クライアント、ならびに情報システムに関する。
【背景技術】
【0003】
情報は社会生活において非常に重要な役割を果たす。貴重な情報は、人々の間で交換される必要がある。モバイル通信技術の発達とともに、特に、近距離情報伝送はますます頻繁に利用されるようになっている。例えば、近距離支払いのアプリケーションの場合、第三者支払いの第1の問題は、販売者のアカウント情報をどのように購入者に伝送するかである。
【0004】
従来の技術は、近距離情報伝送のために、以下の方法を主に使用する。
【0005】
2次元コードスキャンは、伝送当事者が、カメラ機能を作動させて、情報の写真を撮影し、写真を受信当事者に伝送することを要求する。2次元コードスキャン方法は、光要件を有し、複雑な操作を必要とする。
【0006】
全地球測位システム(GPS)の位置決定は、伝送当事者が、GPSを介して緯度および経度データを取得してから、次いで、モバイルネットワークを介して緯度および経度データを情報システムに伝送することを要求し、情報システムが緯度および経度データに基づいて対応する情報を識別する。GPSは、データ収集精度のために相対的に高い要件を有する。特に、2つの伝送当事者が相互に非常に近接して存在する場合、どちらが伝送当事者であるかを判定することが困難である。一般に、GPS位置決定の精度は、いくつかの因子によって影響を受ける傾向がある。この結果、近距離情報伝送の精度が要件を満たすことが困難になる。
【0007】
音声伝送は、周囲の環境に対する非常に高い要件を有し、さらに、ノイズ干渉が音声収集に影響を与える傾向があり、それによって、近距離情報伝送の精度を低下させる。
【0008】
手動入力は、伝送当事者が、テキストメッセージまたは他の方法の手段によって情報を手動で入力することを要求し、不便かつ何らかの怠慢による結果を招きやすくなり、それによって、近距離情報伝送の精度を保証することが困難になる。
【0009】
要約すると、従来の技法は、近距離情報伝送を便利かつ正確に実施することができない。
【発明の概要】
【0010】
本概要は、単純化された形式で一連の概念を導入するために提供され、詳細は、以下の発明を実施するための形態において説明する。本要約は、請求対象の全ての主な特徴または重要な特徴を特定することを目的とせず、請求対象の範囲を決定する上での支援として単独で使用されることも目的としない。例えば、「技法」という用語は、上記の文脈によって、かつ本開示の全体を通して容認されるように、装置(複数可)、システム(複数可)、方法(複数可)、および/またはコンピュータ可読命令を参照する場合がある。
【0011】
本開示は、近距離情報伝送方法およびシステム、情報伝送クライアント、情報受信クライアント、ならびに効率的かつ正確な近距離情報伝送のための情報システムを提供する。
【0012】
本開示は、例示的な近距離情報伝送方法を提供する。情報伝送クライアントは、取得要求を情報システムに伝送する。情報伝送クライアントは、取得要求に対応して、情報システムによって返される乱数を受信する。乱数は、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0013】
情報伝送クライアントは、パーソナル無線ホットスポットのサービスセット識別子として、乱数を使用する。サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信を介して放送される。無線通信プロトコルとして、例えば、IEEE802.11プロトコルを挙げることができる。
【0014】
本開示は、別の例示的な近距離情報伝送方法も提供する。無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信によって放送されるコンテンツに従って、情報受信クライアントは、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を取得する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数であり、乱数は、情報システムによって生成され、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0015】
情報受信クライアントは、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。
【0016】
情報受信クライアントは、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0017】
例えば、情報受信クライアントは、以下の動作に従って、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を取得してもよい。
【0018】
検出コマンドは、情報受信クライアントからWiFiモジュールに伝送される。情報受信クライアントは、検出コマンドに従ってWiFiモジュールによって返される無線ホットスポットのサービスセット識別子および対応する信号強度情報のリストを受信する。情報受信クライアントは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストから、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を特定する。
【0019】
別の例では、方法は、以下の動作をさらに含んでもよい。
【0020】
WiFiモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストを取得するために、検出コマンドに従って、無線ネットワークビーコンフレームをスキャンする。WiFiモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットの信号強度情報を検出する。WiFiモジュールは、対応するサービスセット識別子を取得するために、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットを分析する。WiFiモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子および対応する信号強度情報のリストを返す。
【0021】
本開示は、別の例示的な近距離情報伝送方法も開示する。情報システムは、情報伝送クライアントから取得要求を受信する。情報システムは、取得要求に従って対応する乱数を取得し、それを対応する情報伝送クライアントに返す。情報システムは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係に従って、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。
【0022】
情報システムは、情報受信クライアントから、無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信する。情報システムは、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するために、マッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせる。情報システムは、マッチングから取得された情報伝送クライアントの情報を対応する情報受信クライアントに返す。
【0023】
例えば、情報システムは、以下の動作を使用することによって、取得要求に従って対応する乱数を取得してもよい。乱数は、ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムを使用することによって生成される。ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムのパラメータは、取得要求の日付、取得要求の時刻、および取得要求に対応する情報伝送クライアントの情報のパラメータのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0024】
別の例では、方法は、以下の動作をさらに含んでもよい。ランダムデータ表は、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を記憶するために使用される。ランダムデータ表に記憶された乱数の情報は、乱数の数値、乱数の生成日付および/または生成時刻のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0025】
本開示は、要求伝送デバイス、乱数受信デバイス、およびサービスセット識別子設定デバイスを含む、例示的な情報伝送クライアントも提供する。
【0026】
要求伝送デバイスは、取得要求を情報システムに伝送する。乱数受信デバイスは、取得要求に対応し、情報システムによって返される乱数を受信する。乱数は、情報伝送クライアントの情報に対応する。サービスセット識別子設定デバイスは、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用する。サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信を介して放送される。例えば、無線通信プロトコルとして、IEEE802.11プロトコルが挙げられてもよい。
【0027】
本開示は、識別子取得デバイスと、識別子伝送デバイスと、情報受信デバイスとを含む、別の例示的な情報受信クライアントも提供する。
【0028】
識別子取得デバイスは、無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信によって放送されたコンテンツに従って最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を取得する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数であり、乱数は、情報システムによって生成され、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0029】
識別子伝送デバイスは、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。情報受信デバイスは、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0030】
例えば、識別子取得デバイスは、コマンド伝送モジュールと、結果受信モジュールと、識別モジュールとを含んでもよい。
【0031】
コマンド伝送モジュールは、検出コマンドをWiFiモジュールに伝送する。結果受信モジュールは、検出コマンドに従ってWiFiモジュールによって返される無線ホットスポットのサービスセット識別子および対応する信号強度情報のリストを受信する。識別モジュールは、情報受信クライアントにおいて、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストから、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を特定する。
【0032】
これに従って、WiFiモジュールは、スキャンサブモジュールと、検出サブモジュールと、分析サブモジュールと、返却サブモジュールとを含んでもよい。
【0033】
スキャンサブモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストを取得するために、検出コマンドに従って、無線ネットワークビーコンフレームをスキャンする。検出サブモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットの信号強度情報を検出する。分析サブモジュールは、対応するサービスセット識別子を取得するために、サービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットを分析する。返却サブモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子およびそれらの対応する信号強度情報のリストを返す。
【0034】
本開示は、例示的な情報システムも提供する。例示的な情報システムは、要求受信デバイスと、乱数生成デバイスと、乱数返却デバイスと、第1の記憶デバイスと、識別子受信デバイスと、マッチングデバイスと、情報返却デバイスとを含んでもよい。
【0035】
要求受信デバイスは、情報伝送クライアントから取得要求を受信する。乱数生成デバイスは、取得要求に従って対応する乱数を取得する。乱数返却デバイスは、乱数を対応する情報伝送クライアントに返す。第1の記憶デバイスは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。識別子受信デバイスは、情報受信クライアントから、無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信する。マッチングデバイスは、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するために、マッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせる。情報返却デバイスは、マッチングから取得された情報伝送クライアントの情報を対応する情報受信クライアントに返す。
【0036】
例えば、乱数生成デバイスは、ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムを使用することによって乱数を生成してもよい。ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムのパラメータは、取得要求の日付、取得要求の時刻、および取得要求に対応する情報伝送クライアントの情報のパラメータのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0037】
例えば、情報システムは、第2の記憶デバイスをさらに含んでもよい。第2の記憶デバイスは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を記憶するためにランダムデータ表を使用する。ランダムデータ表に記憶された乱数の情報は、乱数の数値、乱数の生成日付および/または生成時刻のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0038】
本開示は、別の例示的な近距離情報伝送方法も提供する。
【0039】
情報伝送クライアントは、取得要求を情報システムに伝送する。情報システムは、情報伝送クライアントから取得要求を受信し、取得要求に従って対応する乱数を取得し、それを対応する情報伝送クライアントに返す。
【0040】
情報システムは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。
【0041】
情報伝送クライアントは、情報システムによって返され、取得要求に対応する乱数を受信し、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用する。サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレームを介して放送される。
【0042】
無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って、情報受信クライアントは、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得し、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数である。
【0043】
情報システムは、情報受信クライアントから無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信し、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するためにマッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせ、それを対応する情報受信クライアントに返す。
【0044】
情報受信クライアントは、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0045】
本開示は、情報伝送クライアントと、情報受信クライアントと、情報システムとを含む別の近距離情報伝送システムも開示する。
【0046】
情報伝送クライアントは、要求伝送デバイスと、乱数受信デバイスと、サービスセット識別子設定デバイスとを含んでもよい。
【0047】
要求伝送デバイスは、取得要求を情報システムに伝送する。乱数受信デバイスは、情報システムによって返され、取得要求に対応する乱数を受信する。サービスセット識別子設定デバイスは、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用する。サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレームを介して放送されてもよい。
【0048】
情報受信クライアントは、識別子取得デバイスと、識別子伝送デバイスと、情報受信デバイスとを含んでもよい。
【0049】
識別子取得デバイスは、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数である。識別子伝送デバイスは、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。情報受信デバイスは、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0050】
情報システムは、要求受信デバイスと、乱数生成デバイスと、乱数返却デバイスと、第1の記憶デバイスと、識別子受信デバイスと、マッチングデバイスと、情報返却デバイスとを含んでもよい。
【0051】
要求受信デバイスは、情報伝送クライアントから取得要求を受信する。乱数生成デバイスは、取得要求に従って対応する乱数を取得する。乱数返却デバイスは、乱数を対応する情報伝送クライアントに返す。第1の記憶デバイスは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。識別子受信デバイスは、情報受信クライアントから、無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信する。マッチングデバイスは、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するために、マッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせる。情報返却デバイスは、マッチングから取得された情報伝送クライアントの情報を対応する情報受信クライアントに返す。
【0052】
本開示の例示的な実施形態は、近距離情報伝送のためにパーソナルホットスポットのサービスセット識別子(SSID)を使用し、伝送される情報をマッピングするために乱数を使用する。情報伝送当事者に関して、複雑なユーザー操作は必要とされず、情報伝送クライアントの近距離情報伝送機能を作動させる電子装置だけが必要である。情報受信当事者に関して、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子は、複雑なユーザー操作を用いることなく取得することができる。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数であり、乱数は、情報システムによって生成され、情報伝送クライアントの情報に対応することから、情報受信クライアントは、情報システムとの通信に基づいて情報伝送クライアントの情報を取得することができる。したがって、本技法は、便利かつ効率的に近距離情報伝送を実施することができる。
【0053】
加えて、パーソナルホットスポットのSSIDは、ノイズ、光、および入力エラー等、主観的な因子によって容易に影響される恐れのない客観的な特徴を含む。したがって、本技法は、近距離情報伝送の精度を効率的に保証することができる。
【0054】
その上、パーソナルホットスポットのSSIDとしての乱数は、MD5およびSHA等の多様なハッシュアルゴリズム、または多様なランダムアルゴリズムによって生成されてもよい。伝送される情報が乱数を通じてマッピングされ、乱数が作動させる時間を有するため、本技法は、これによって、近距離情報伝送のセキュリティを保証することができる。
【0055】
その上、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)機能がオンになった場合、電子装置の内蔵WiFiモジュールは、無線通信プロトコルのビーコンフレームのスキャン、無線ホットスポットの信号強度情報の検出、および無線ホットスポットに従って対応するサービスセット識別子の分析等の機能を有してもよい。このため、本技法はまた、WiFiモジュールの既存機能を使用することによって、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得してもよく、それによってコストを節約する。
【0056】
要約すると、本開示は、単純かつ容易、高い信頼性、実装の低コスト、ならびに高いセキュリティおよび精度という利点を有する。顧客および企業によって特定のクライアントソフトウェアを電子装置上にインストールするだけで実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
本開示の実施形態を分かりやすく例示するため、実施形態の説明において使用される図面を以下に簡単に記載する。以下の図面は、本開示のいくつかの実施形態のみに関連していることは明白である。当業者は、創造的努力を要さず、本開示の図面に従って他の図面を取得することができる。
【0058】
図1】本開示に従う近距離情報伝送の第1の例示的方法のフローチャートである。
図2】本開示に従う近距離情報伝送の第2の例示的方法のフローチャートである。
図3】本開示に従う近距離情報伝送の第3の例示的方法のフローチャートである。
図4】本開示に従う近距離情報伝送の第4の例示的方法のフローチャートである。
図5】本開示に従う例示的な情報伝送クライアントの図である。
図6】本開示に従う例示的な情報受信クライアントの図である。
図7】本開示に従う例示的な情報システムの図である。
図8】本開示に従う例示的な近距離情報伝送システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本技法の目的、特徴、利点を示すため、以下の説明は、図面およびいくつかの例示的実施形態を参照して記載する。
【0060】
第1に、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)が導入される。WiFiは、Wireless Ethernet Compatibility Alliance(WECA)によって公開された用語である。短距離無線伝送技術であり、数百フィートの範囲においてインターネットアクセスの無線信号をサポートすることができる。技術の発展、ならびにIEEE802.11aおよびIEEE802.11g等の規格の出現とともに、IEEE802.11規格は総称してWiFiと呼ばれるようになっている。
【0061】
WLANが広く使用されるようになったため、無線は、モバイル情報の時代の消費者のネットワークアクセスの最も一般的な方式になっている。無線インターネットアクセスは、PC、携帯電話、タブレット、および他の電子装置を無線様式で相互に接続させることができ、より便利かつ高速であるため、ますます多くのユーザーに普及している。
【0062】
WLANの1つの種類として、無線ホットスポットは、インターネットアクセスのためのWLANサービスを提供する公共エリアにおける場所を指す。これらの場所は、大部分が喫茶店、飲食店、空港、駅、商用ホテル、高等教育機関、および大規模展示会場である。これらの無線ホットスポットのうちのいくつかは、有料で無線ブロードバンドアクセスを提供する一方、その他は無料である。ホットスポットカバレッジのあるエリアでは、ユーザーは、ビルトインまたは外付けの無線ネットワークカードによってサポートされているPC、携帯電話、タブレット、または他の電子装置を使用することによって、インターネットにアクセスしてもよい。
【0063】
現在、ますます多くの電子装置が無線ホットスポットをサポートしている。電子装置は、固定式端末装置だけではなく、ラップトップ、携帯電話、およびタブレット等の移動式端末装置も含む。
【0064】
サービスセット識別子(SSID)は、アクセスポイント(AP)または無線ルーターの識別(ID)である。SSIDは、無線ネットワークを区別するために主に使用され、最高で32文字を含む。それは、無線アクセスのためのIDである。電子装置は、スキャン機能をサポートする無線ネットワークを有する限り、SSIDを介してホットスポットに容易にアクセスすることができる。
【0065】
電子装置のホットスポットに関して、工場出荷時に設定されたSSIDは通常、電子装置のモデル番号等、特定の名前であり、ユーザーは典型的に、SSIDを手動で変更しない。しかしながら、現実には、SSIDは変更することができる。
【0066】
本開示の例示的な実施形態は、近距離情報伝送のためにパーソナルホットスポットSSIDを使用する。情報伝送当事者および情報受信当事者が電子装置上に対応するクライアントソフトウェアをインストールする限り、近距離情報伝送は短時間かつ正確に実施することができる。
【0067】
図1は、本開示に従う近距離情報伝送の第1の例示的方法のフローチャートである。
【0068】
102で、情報伝送クライアントは、取得要求を情報システムに伝送する。
【0069】
104で、情報伝送クライアントは、情報システムによって返される、取得要求に対応する乱数を受信する。乱数は、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0070】
106で、情報伝送クライアントは、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用し、サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信を介して放送される。
【0071】
本技法は、多様な近距離情報伝送シナリオにおいて使用されてもよい。近距離支払いの例示的なアプリケーションの場合、第三者支払いの第1の問題は、販売者のアカウント情報をどのように購入者に伝送するかである。近距離支払いのシナリオは、アクティングアポイントメント(AA)収集、支払い受け取り者と支払者との間の伝送等のシナリオを含む場合がある。以下は、AA収集シナリオにおいて近距離情報伝送を使用することによって例示され、割引券/配送クーポンの検証およびキャンセル、サインイン等の他のアプリケーションシナリオの参考として使用することができる。
【0072】
AA収集とは、支払い受け取り者によって作成される瞬時支払いトランザクションを指す。トランザクションが作成されると、「購入者の支払い待機」と呼ばれる場合がある、瞬時支払いトランザクションが支払い者のアカウントに表示される。支払い者は、Alipay(商標)アカウント等の第三者の支払いプラットフォームにログインし、「トランザクションレコード」と呼ばれるインターフェースを介して等、第三者の支払いプラットフォームを介して支払いを行うことができる。支払いに成功すると、支払い受け取り者は、トランザクション金額を瞬時に受領する。トランザクションが作成されたとき、支払い受け取り者(情報伝送クライアントに位置する)は、近距離においてアカウント情報を支払い者(情報受信クライアントに位置する)に伝送することが必要である。
【0073】
AA収集アプリケーションシナリオにおいて、支払い受け取り者は、情報伝送クライアントの近距離情報伝送機能を作動させるために電子装置を使用してもよい。情報伝送クライアントは、取得要求を情報システムへ送信する。対応する作動方法は、多様な方式における操作であってもよい。例えば、支払い受け取り者は、電子装置をシェイクする、対応するボタンを押す等してもよい。本開示は、一切の特定の作動方法を制限しない。
【0074】
本開示は、情報を伝送するためにパーソナルホットスポットSSIDを使用するので、情報伝送クライアントの近距離情報伝送機能を作動させると電子装置のパーソナルホットスポットもまたオンでなければならない。実際のアプリケーションにおいて、情報伝送クライアントは、パーソナルホットスポットのオンまたはオフ機能を制御してもよい。例えば、支払い受け取り者が情報伝送クライアントの近距離情報伝送機能を作動させると、またはユーザーが情報伝送クライアントをオンにすると、情報伝送クライアントは、パーソナルホットスポットをオンおよびオフにするように制御することができる。情報伝送クライアントはまた、予め設定された時間間隔(例えば、1時間)後に、またはユーザーが情報伝送クライアントの電源を切ると、パーソナルホットスポットをオフにしてもよい。言うまでもなく、ユーザーもまた、電子装置のパーソナルホットスポットのオンまたはオフを手動で操作してもよい。本開示は、本明細書において一切の制限を課さない。
【0075】
本開示の例示的な実施形態において、情報伝送クライアントは、情報システムによって返された乱数をパーソナルホットスポットSSIDとして使用する。したがって、乱数のバイト数は、SSIDの特定の要件を満たすことが必要、すなわち、乱数のバイト数は、32以下である。
【0076】
本開示の例示的な実施形態において、乱数は数値である。このため、数値に対応するASCII文字は、放送のためのSSIDとして使用されてもよい。例えば、情報システムによって返される乱数は、0x13、0x24、0x78、0x96・・・等の16HEX数字を含むことができる(HEXは、16進数レコードの任意の数字からなる)。対応するSSIDは、「13247896・・・」の文字列である。
【0077】
本開示の例示的な実施形態において、無線通信プロトコルは、具体的には、IEEE802.11プロトコルを含むことができる。
【0078】
パーソナルホットスポットを介して情報伝送クライアントによる情報伝送の段階において、802.11ビーコンフレームは、例示的な実施形態において使用されてもよい。
【0079】
802.11ビーコンフレームは、IEEE802.11WLANの管理フレームである。アクセスポイントは、802.11ネットワークの存在を宣言するために、設定された間隔でビーコン信号を送信するので、WLANクライアントは、指定エリアにおける利用可能なネットワークおよびアクセスポイントを認識する。このように、WLANクライアントは、ネットワークおよびアクセスポイントを選択することができる。
【0080】
表1は、管理フレームにおけるビーコンフレームの例示的なフォーマットを示す。ビーコンフレームの4番目のフィールドはSSIDを表す。IEEE802.11の管理フレームも拡張される場合があり、多様なベンダーの管理フレームはわずかに異なる場合があることに注意されたい。表1は、基本的な情報を含む管理フレームの例を提供するだけであり、制限として解釈されてはならない。
【0081】
【表1】
【0082】
要約すると、本開示の例示的な実施形態は、近距離情報伝送のためにパーソナルホットスポットSSIDを使用する。情報伝送当事者に関して、複雑なユーザー操作の必要性は存在せず、情報伝送クライアントの近距離情報伝送機能を作動させる電子装置だけが必要である。加えて、パーソナルホットスポットSSIDは、ノイズ、光、入力エラー等の主観的な因子によって容易に影響されない客観的な特徴を含むので、本技法は、近距離情報伝送の精度を効果的に保証することができる。
【0083】
図2は、本開示に従う近距離情報伝送の第2の例示的方法のフローチャートである。
【0084】
202で、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されるコンテンツに従って、情報受信クライアントは、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数であり、乱数は、情報システムによって生成され、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0085】
204で、情報受信クライアントは、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。
【0086】
206で、情報受信クライアントは、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0087】
ホットスポットは、WLANの1つのモードである。WLAN機能は、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されるコンテンツに従って情報伝送クライアントによって放送されたSSIDを取得するために、オンにすることが必要なだけである。
【0088】
実際のアプリケーションにおいて、情報受信クライアントは、WLAN機能のオンまたはオフ機能を制御してもよい。例えば、ユーザーが情報伝送クライアントをオンにすると、情報伝送クライアントは、パーソナルホットスポットをオンおよびオフにするように制御してもよい。情報伝送クライアントはまた、予め設定された時間間隔(例えば、1時間)後に、またはユーザーが情報伝送クライアントの電源を切ると、パーソナルホットスポットをオフにしてもよい。言うまでもなく、ユーザーもまた、電子装置のパーソナルホットスポットのオンまたはオフを手動で操作してもよい。本開示は、本明細書において一切の制限を課さない。
【0089】
近距離伝送シナリオにおいて、情報伝送クライアントおよび情報受信クライアントは相互に相対的に近似して存在する。情報受信クライアントに関して、対応するホットスポットに近ければ近いほど、その信号強度が高くなる。したがって、本技法は、最高信号強度を有する無線ホットスポットが、喫茶店、飲食店、空港、またはバスターミナルの場所のそれらではなく、情報伝送クライアントに属することを保証することができる。
【0090】
本開示の一例示的実施形態において、情報受信クライアントが無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得する動作は、さらに以下を含むことができる。
【0091】
検出コマンドは、情報受信クライアントからWiFiモジュールに伝送される。情報受信クライアントは、検出コマンドに従ってWiFiモジュールによって返された無線ホットスポットのサービスセット識別子および対応する信号強度情報のリストを受信する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストから、情報受信クライアントにおいて識別される。
【0092】
別の例において、動作はさらに以下を含んでもよい。
【0093】
WiFiモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストを取得するために、検出コマンドに従って無線ネットワークビーコンフレームをスキャンする。WiFiモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットの信号強度情報を検出する。WiFiモジュールは、それらの対応するサービスセット識別子を取得するために、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットを分析する。WiFiモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子およびそれらの対応する信号強度情報のリストを返す。
【0094】
WLAN機能がオンになっている場合、電子装置のビルトインWiFiモジュールは、無線通信プロトコルのビーコンフレームのスキャン、無線ホットスポットの信号強度情報の検出、および無線ホットスポットに従ってそれらの対応するサービスセット識別子の分析等の機能を有することができる。このため、本技法は、WiFiモジュールの既存機能を使用することによって、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得することができ、それによってコストを節約する。
【0095】
言うまでもなく、当業者は、実際の必要性に従って、上記の機能を備えるWiFiモジュールを個別に設計または構成することもできる。本開示は、WiFiモジュールの特定の位置に関して一切制限を課さない。
【0096】
本明細書に無線ホットスポット信号強度に関する試験を提供することができる。試験情報は以下のとおりである。2メートル以内に無線ホットスポットモードにおいて機能している2つのAPルーターおよび6つの端末が存在し、これらの6つの端末は、試験のための伝送当事者の端末装置を含むと想定し、情報受信装置は、8つの無線ホットスポットを検出し、8つのSSIDリストおよびそれらの関連する受信信号強度を表示するためにスキャンすることができる。伝送当事者端末および受信当事者端末は相互に最も近似して存在するため、SSIDリストにおいて、伝送当事者のSSIDに対応する受信信号が最も強力であることを示す。伝送プロセス全体は、1または2秒以内に完了してもよい。
【0097】
要約すると、本開示の例示的な実施形態は、近距離情報伝送のためにパーソナルホットスポットSSIDを使用する。情報受信当事者は、不便なユーザー操作を必要とせず、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得することができる。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報伝送クライアントの情報に対応する乱数であるので、情報受信クライアントは、情報システムとの通信に基づいて情報伝送クライアントの情報を取得することができる。パーソナルホットスポットSSIDは、ノイズ、光、および入力エラー等の主観的な因子によって容易に影響されない客観的な特徴を含むので、本技法は、近距離情報伝送の精度を効果的に保証することができる。
【0098】
図3は、本開示に従う近距離情報伝送の第3の例示的方法のフローチャートである。
【0099】
302で、情報システムは、情報伝送クライアントから取得要求を受信する。304で、情報システムは、取得要求に従って対応する乱数を取得し、それを対応する情報伝送クライアントに返す。306で、情報システムは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。
【0100】
308で、情報システムは、情報受信クライアントから、無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信する。310で、情報システムは、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するために、マッピング関係に従って、無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせる。
【0101】
312で、情報システムは、マッチングから取得された情報伝送クライアントの情報を対応する情報受信クライアントに返す。
【0102】
本開示のこの例示的実施形態において、乱数は、情報伝送クライアントの情報に対応し、これはS分以内に情報システムによって生成された効果的かつ固有の乱数である。Sは、実際の必要性に従って当業者によって設定されてもよい。
【0103】
実際のアプリケーションにおいて、Mバイトの乱数は、多様なランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムによって生成されてもよい。本明細書において、Mは、SSIDの特定の要件を満たすことができ、すなわち、32以下であり、実際の必要性に従って当業者によって設定されてもよい。例えば、M=32である。ハッシュアルゴリズムは、16バイトの16進数数字を生成するためのメッセージダイジェストアルゴリズム5(MD5)およびセキュアハッシュアルゴリズム(SHA)を含むことができる。伝送される情報が乱数を通じてマッピングされ、乱数を作動させる時間を有するため、本技法は、近距離情報伝送のセキュリティを保証することができる。言うまでもなく、乱数を生成するための本開示のアプリケーションは、ハッシュアルゴリズムによって制限されてはならない。
【0104】
さらに、本開示は、乱数を生成するための方式に関する制限を有さない。例えば、Nバイトの乱数を生成するためにrandom()およびMath.random()等の2つのメソッドが使用されてもよいが、Nは32以下である。
【0105】
本開示の例示的実施形態において、情報システムは、以下の動作を通じて、取得要求に従って対応する乱数を取得することができる。
【0106】
乱数は、ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムを使用することによって生成される。ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムのパラメータは、取得要求の日付、取得要求の時刻、および取得要求に対応する情報伝送クライアントの情報のパラメータのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0107】
この例示的実施形態において、特定のパラメータは、乱数のセキュリティをさらに向上するように乱数を生成するためであってもよい。例えば、16桁の乱数は、ランダム(取得要求の日時、取得要求に対応する情報伝送クライアントの情報)等のランダム機能を介して取得されてもよい。
【0108】
本開示の1つ以上の例示的実施形態において、乱数の効率的な管理を促進するために、本技法は、乱数を管理する例示的な方法を提供することができる。
【0109】
ランダムデータ表は、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を記憶するために使用される。ランダムデータ表に記憶された乱数の情報は、乱数の数値、乱数の生成日付および/または乱数の生成時刻を含んでもよい。
【0110】
情報受信クライアントからの無線ホットスポットSSIDは、情報伝送クライアントの情報に対応する乱数であるため、情報システムは、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するために、マッピング関係に従って、無線ホットスポットSSIDを乱数とマッチングさせる。このようなマッチング動作は、情報受信クライアントからの無線ホットスポットSSIDに従って、情報伝送クライアントの情報を検出するためにランダムデータ表を検索することを含んでもよい。
【0111】
乱数は作動させる期間を有し、S分間のみ有効であるため、情報システムは、乱数を周期的に置換することが必要である。SSIDをスイッチするとき、情報システムが情報伝送クライアントの情報と関連付けられる新しい乱数を作動させるにする一方、情報受信クライアントは、ランダムデータ表を検索するために古いSSIDをまだ使用している可能性がある。このため、情報伝送クライアントの情報を検出するために古いSSIDを使用することが不可能である場合、情報受信クライアントは、任意の新しいSSIDが存在するかを発見するために、再び無線ネットワークのビーコンフレームをスキャンすることが必要である。新しいSSIDが存在する場合、新しいSSIDは、情報システムへの問い合わせを送信するために使用される。
【0112】
図4は、本開示に従う近距離情報伝送の第4の例示的方法のフローチャートである。
【0113】
402で、情報伝送クライアントは、取得要求を情報システムに伝送する。404で、情報システムは、情報伝送クライアントから取得要求を受信し、取得要求に従って対応する乱数を取得し、それを対応する情報伝送クライアントに返す。
【0114】
406で、情報システムは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。
【0115】
408で、情報伝送クライアントは、情報システムによって返され、取得要求に対応する乱数を受信し、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用する。サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信を介して放送される。
【0116】
410で、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って、情報受信クライアントは、最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得し、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数である。
【0117】
412で、情報システムは、情報受信クライアントから無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信し、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するためにマッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせ、取得された対応する情報伝送クライアントの情報を対応する情報受信クライアントに返す。
【0118】
414で、情報受信クライアントは、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0119】
当業者が本開示を理解できるように、AA収集における近距離情報伝送の例示的方法を以下に記載する。
【0120】
支払い受け取り者の観点からは、ユーザーは、情報伝送クライアントが位置するクライアント端末をシェイクすること等によって、AA収集を作動させる。情報伝送クライアントは、情報システムへ取得要求を伝送し、情報伝送クライアントは、情報システムによって返され、取得要求に対応する乱数を受信する。乱数は、情報伝送クライアントの情報に対応する。情報伝送クライアントは、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用し、サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレーム等の通信を介して放送される。
【0121】
支払い者の観点からは、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って、情報受信クライアントは、最高信号強度を有するホットスポットビーコンフレームのSSIDを取得し、情報システムから支払い受け取り者のアカウント番号(オンライン支払いアカウント等、例えば、オンラインAlipay(商標)アカウントの19桁のID番号)を要求する。
【0122】
情報システムは、マッチングから取得された支払いアカウント番号および金額を合わせて支払い者に伝送する。支払い者は支払いを確定する。続いて、支払い受け取り者のクライアント端末は、支払い者による支払いが成功したことを表示する。
【0123】
要約すると、本技法は、実装が容易かつ信頼性が高く、低い実装コストならびに高いセキュリティおよび精度を有する。例えば、本技法は、顧客および販売業者の電子装置上に特定のクライアントソフトウェアをインストールすることによって実装されてもよい。
【0124】
図5は、本開示に従う例示的な情報伝送クライアント500の図を例示する。情報伝送クライアント500は、要求伝送デバイス502と、乱数受信デバイス504と、サービスセット識別子設定デバイス506とを含むことができる。
【0125】
要求伝送デバイス502は、取得要求を情報システムに伝送する。乱数受信デバイス504は、取得要求に対応し、情報システムによって返される乱数を受信する。乱数は、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0126】
サービスセット識別子設定デバイス506は、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用し、サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレームを介して放送される。例えば、無線通信プロトコルとして、IEEE802.11プロトコルが挙げられてもよい。
【0127】
情報伝送クライアントの例示的な実施形態に関して、近距離伝送の第1の例示的方法に類似するので、本明細書の説明は相対的に簡単であり、関連部分は近距離伝送の第1の例示的方法の対応する部分を参照することができる。
【0128】
図6は、本開示に従う例示的な情報受信クライアント600の図を例示する。情報受信クライアント600は、識別子取得デバイス602と、識別子伝送デバイス604と、情報受信デバイス606とを含むことができる。
【0129】
識別子取得デバイス602は、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数であり、乱数は、情報システムによって生成され、情報伝送クライアントの情報に対応する。
【0130】
識別子伝送デバイス604は、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システムに伝送する。
【0131】
情報受信デバイス606は、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0132】
本開示の例示的な実施形態において、識別子取得デバイス602は、コマンド伝送モジュールと、結果受信モジュールと、識別モジュールとをさらに含んでもよい。
【0133】
コマンド伝送モジュールは、検出コマンドをWiFiモジュールに伝送する。
【0134】
結果受信モジュールは、検出コマンドに従ってWiFiモジュールによって返された無線ホットスポットのサービスセット識別子および対応する信号強度情報のリストを受信する。
【0135】
識別モジュールは、情報受信クライアントにおいて、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストから、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を特定する。
【0136】
これに対応して、WiFiモジュールは、以下のサブモジュールをさらに含んでもよい。スキャンサブモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリストを取得するために、検出コマンドに従って、無線ネットワークビーコンフレームをスキャンする。検出サブモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットの信号強度情報を検出する。分析サブモジュールは、それらの対応するサービスセット識別子を取得するために、無線ホットスポットのサービスセット識別子のリスト内の無線ホットスポットを分析する。返却サブモジュールは、無線ホットスポットのサービスセット識別子およびそれらの対応する信号強度情報のリストを返す。
【0137】
例示的な情報受信クライアントに関して、その実装は近距離伝送の第2の例示的方法に実質的に類似するので、説明は相対的に簡単であり、関連部分は近距離伝送の第2の例示的な方法の対応する部分を参照することができる。
【0138】
図7は、本開示に従う例示的な情報システム700の図である。情報システム700は、要求受信デバイス702と、乱数生成デバイス704と、乱数返却デバイス706と、第1の記憶デバイス708とを含むことができる。
【0139】
要求受信デバイス702は、情報伝送クライアントから取得要求を受信する。乱数生成デバイス704は、取得要求に従って対応する乱数を取得する。
【0140】
乱数返却デバイス706は、乱数を対応する情報伝送クライアントに返す。第1の記憶デバイス708は、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアントの情報を記憶する。
【0141】
識別子受信デバイス710は、情報受信クライアントから、無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信する。マッチングデバイス712は、対応する情報伝送クライアントの情報を取得するために、マッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせる。
【0142】
情報返却デバイス714は、マッチングから取得された情報伝送クライアントの情報を対応する情報受信クライアントに返す。
【0143】
本開示の例示的な実施形態において、乱数生成デバイス704は、具体的には、ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムを使用して乱数を生成するために使用されてもよい。ランダムアルゴリズムまたはハッシュアルゴリズムのパラメータは、具体的には、取得要求の日付、取得要求の時刻、および取得要求に対応する情報伝送クライアントの情報のパラメータのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0144】
本開示の1つ以上の例示的な実施形態において、情報システムは、第2の記憶デバイスをさらに含んでもよい。第2の記憶デバイスは、乱数と情報伝送クライアントの情報との間のマッピング関係を記憶するためにランダムデータ表を使用する。ランダムデータ表に記憶された乱数の情報は、乱数の数値、乱数の生成日付および/または乱数の生成時刻のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0145】
例示的な情報システムに関して、近距離伝送の第3の例示的方法に実質的に類似するので、説明は相対的に簡単であり、関連部分は近距離伝送の第3の例示的な方法の対応する部分を参照することができる。
【0146】
図8は、本開示に従う例示的な近距離情報伝送システム800の図である。近距離情報伝送システム800は、情報伝送クライアント802と、情報受信クライアント804と、情報システム806とを含んでもよい。
【0147】
情報伝送クライアント802は、要求伝送デバイス808と、乱数受信デバイス810と、サービスセット識別子設定デバイス812とを含むことができる。要求伝送デバイス808は、取得要求を情報システム806に伝送する。乱数受信デバイス810は、情報システム806によって返され、取得要求に対応する乱数を受信する。サービスセット識別子設定デバイス812は、乱数をパーソナルホットスポットのサービスセット識別子として使用する。サービスセット識別子は、無線通信プロトコルのビーコンフレームを介して放送されてもよい。
【0148】
情報受信クライアント804は、識別子取得デバイス814と、識別子伝送デバイス816と、情報受信デバイス818とを含んでもよい。識別子取得デバイス814は、無線通信プロトコルのビーコンフレームによって放送されたコンテンツに従って最高信号強度を有するホットスポットのサービスセット識別子を取得する。最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子は、情報システムによって情報伝送クライアントに発行される乱数である。
【0149】
識別子伝送デバイス816は、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子を情報システム806に伝送する。情報受信デバイス818は、情報システムによって返され、最高信号強度を有する無線ホットスポットのサービスセット識別子に対応する、情報伝送クライアントの情報を受信する。
【0150】
情報システム806は、要求受信デバイス820と、乱数生成デバイス822と、乱数返却デバイス824と、第1の記憶デバイス826と、識別子受信デバイス828と、マッチングデバイス830と、情報返却デバイス832とを含んでもよい。
【0151】
要求受信デバイス820は、情報伝送クライアント802から取得要求を受信する。乱数生成デバイス822は、取得要求に従って対応する乱数を生成する。乱数返却デバイス824は、乱数を対応する情報伝送クライアント802に返す。第1の記憶デバイス826は、乱数と情報伝送クライアント804の情報との間のマッピング関係を用いて、乱数および対応する情報伝送クライアント802の情報を記憶する。
【0152】
識別子受信デバイス828は、情報受信クライアント804から、無線ホットスポットのサービスセット識別子を受信する。マッチングデバイス830は、対応する情報伝送クライアント802の情報を取得するために、マッピング関係に従って無線ホットスポットのサービスセット識別子を乱数とマッチングさせる。情報返却デバイス832は、マッチングから取得された情報伝送クライアント802の情報を対応する情報受信クライアント804に返す。
【0153】
当業者は、本開示の実施形態が、方法、システム、またはコンピュータプログラミング製品であり得ることを理解すべきである。したがって、本開示は、ハードウェア、ソフトウェア、または両者の組み合わせによって実装することができる。加えて、本開示は、コンピュータ実行可能記憶媒体(ディスク、CD−ROM、光ディスク等を含むがこれらに限定されない)に実装することができるコンピュータ実行可能命令を含む1つ以上のコンピュータプログラムの形式にすることができる。
【0154】
本開示は、本開示の実施形態の方法、デバイス(システム)、およびコンピュータプログラムのフローチャート、および/またはブロック図を参照して説明される。フローチャートおよび/またはブロック図の各フローおよび/またはブロックならびにフローおよび/ブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊コンピュータ、埋め込みプロセッサまたはマシンを生成するための他のプログラマブルデータプロセッサに提供することができ、フローチャートの1つ以上のフローおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックを実装するデバイスは、コンピュータまたは他のプログラマブルデータプロセッサによって演算される命令を介して生成することができる。
【0155】
いくつかの例示的な実施形態において、本明細書に記載のデバイスまたはシステムは、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含むことができる。メモリは、コンピュータ可読媒体の一例である。本明細書に使用される場合、「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含む。
【0156】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータが実行可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータ等の情報の記憶のための任意の方法または技術において実装される、揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体の例として、相変化メモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、他の種類のランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学的記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいはコンピューティング装置によるアクセスのために情報を記憶するために使用することができる任意の他の非伝送媒体が挙げられるが、これらに限定されない。対照的に、通信媒体は、コンピュータ可読の命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波等の変調データ信号内の他のデータを具現化することができる。本明細書に定義される場合、コンピュータ記憶媒体は通信媒体を含まない。メモリは、プログラムユニットまたはモジュール、およびプログラムデータをその中に記憶することができる。
【0157】
これらのコンピュータプログラム命令もまた、コンピュータまたは他のプログラマブルデータプロセッサに所定の方式で動作するように命令することができる、他のコンピュータ可読媒体に記憶され得るので、コンピュータ可読記憶装置に記憶された命令は、命令デバイスを含む製品を生成し、命令デバイスが、フローチャートの1つ以上のフローおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実装する。
【0158】
これらのコンピュータプログラム命令もまた、コンピュータまたは他のプログラマブルデータプロセッサにロードすることができるので、コンピュータまたは他のプログラマグルデータプロセッサは、コンピュータによって実装されたプロセスを生成するための一連の動作ステップを操作することができる。したがって、コンピュータまたは他のプログラマブルデータプロセッサにおいて演算される命令は、フローチャートの1つ以上のフローおよび/またはブロック図の1つ以上のブロックに指定された機能を実装するためのステップを提供することができる。
【0159】
実施形態は、本開示を例示するために過ぎず、本開示の範囲を制限することを目的としない。当業者は、所定の変形および改善を行うことができることを理解するであろう。このため、請求項は、本開示の例示的な実施形態だけではなく、本開示の保護の下の任意の変形および変更も網羅するように作成されなければならない。
【0160】
本開示の例示的実施形態は、斬新的に説明される。各例示的実施形態は、他の例示的実施形態との違いを強調する。各例示的実施形態の同一または類似部分は、相互に参照されてもよい。
【0161】
本開示は、近距離情報伝送方法およびシステム、情報伝送クライアント、情報受信クライアント、ならびに情報システムを提供する。例示的な実施形態は、本開示の方法および重要概念を例示するために過ぎず、本開示の範囲を制限することを目的としない。所定の変形、置換、および改善は、本開示の原則から逸脱することなく行うことができ、かつ本開示の保護下にあると見なされるべきであることが当業者によって理解されるべきである。本明細書の記載は、本開示を限定すると理解されてはならない。
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