特許第6546324号(P6546324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6546324硬化剤の予備含浸を実施する付加製造システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6546324
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】硬化剤の予備含浸を実施する付加製造システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/118 20170101AFI20190705BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20190705BHJP
   B29C 64/264 20170101ALI20190705BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20190705BHJP
   B33Y 40/00 20150101ALI20190705BHJP
   B33Y 70/00 20150101ALI20190705BHJP
   B29C 70/16 20060101ALI20190705BHJP
   B29C 70/38 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
   B29C64/118
   B29C64/209
   B29C64/264
   B33Y30/00
   B33Y40/00
   B33Y70/00
   B29C70/16
   B29C70/38
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-138337(P2018-138337)
(22)【出願日】2018年7月24日
【審査請求日】2019年2月13日
(31)【優先権主張番号】15/858,445
(32)【優先日】2017年12月29日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518027597
【氏名又は名称】シーシー3ディー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アルバラード,タイラー ビー.
(72)【発明者】
【氏名】バッジ,トレバー デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ストッケット,ライアン シー.
(72)【発明者】
【氏名】スワロー,ジョン
【審査官】 越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0151728(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第106915079(CN,A)
【文献】 特表2016−518267(JP,A)
【文献】 特表2017−537826(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/182675(WO,A1)
【文献】 特開2017−071101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B29C 70/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合構造体の付加製造方法であって、
連続強化材をプリントヘッドに誘導することと、
前記連続強化材に前記プリントヘッドの内部の第1のマトリックス成分をコーティングすることと、
前記連続強化材に前記第1のマトリックス成分と異なる第2のマトリックス成分をコーティングすることと、
前記プリントヘッドのノズルを通じて前記連続強化材を吐出することと、
前記吐出中、前記プリントヘッドを複数の次元に移動することと、
を含み、
前記第1のマトリックス成分と前記第2のマトリックス成分とは相互作用して、前記連続強化材の周りでマトリックスの硬化を生じさせる、
方法。
【請求項2】
前記第1のマトリックス成分は樹脂であり、
前記第2のマトリックス成分は触媒、硬化剤、及び開始剤のうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続強化材に前記第2のマトリックス成分をコーティングすることは、前記連続強化材に前記第1のマトリックス成分をコーティングした後、前記プリントヘッド内部の前記連続強化材に前記第2のマトリックス成分をコーティングすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記連続強化材に前記第2のマトリックス成分をコーティングすることは、第1のマトリックス成分チャンバの吐出端部において前記第2のマトリックス成分を前記プリントヘッドに誘導すること、又は前記第2のマトリックス成分を前記ノズルに誘導することのうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記連続強化材に前記第2のマトリックス成分をコーティングすることは、前記連続強化材に前記第1のマトリックス成分をコーティングする前に前記連続強化材に前記第2のマトリックス成分をコーティングすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記連続強化材に前記第2のマトリックス成分をコーティングすることは、前記連続強化材を前記プリントヘッドに誘導する前に前記連続強化材をコーティングすることを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記連続強化材が前記ノズルから吐出された後、前記連続強化材をコーティングしている前記第1のマトリックス成分と前記第2のマトリックス成分との混合物を硬化エネルギーに曝露することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化エネルギーは紫外線である、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記連続強化材に前記第1のマトリックス成分及び前記第2のマトリックス成分のうちの少なくとも1つをコーティングする前に、前記連続強化材を分割すること及び平坦化することのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記連続強化材に前記第1のマトリックス成分をコーティングすることは、前記連続強化材を前記第1のマトリックス成分の浴に浸すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記連続強化材に前記第1のマトリックス成分をコーティングすることは、前記連続強化材を、前記第1のマトリックス成分の気体及び粉体のうちの少なくとも1つに曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
複合構造体の付加製造方法であって、
触媒がコーティングされている連続強化材をプリントヘッドに誘導することと、
前記連続強化材に前記プリントヘッドの内部の樹脂をコーティングすることであって、該樹脂が前記触媒と異なる、ことと、
前記プリントヘッドのノズルを通じて前記連続強化材を吐出することと、
前記吐出中、前記プリントヘッドを複数の次元に移動することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記連続強化材に前記触媒をコーティングすることと、
前記連続強化材が前記プリントヘッドに入る前に、前記触媒を少なくとも部分的に硬化させることと、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記連続強化材が前記ノズルから吐出された後、前記連続強化材をコーティングしている前記触媒と前記樹脂との混合物を硬化エネルギーに曝露することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記硬化エネルギーは紫外線である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記連続強化材に前記樹脂をコーティングすることは、前記連続強化材を前記樹脂の浴に浸すこと及び樹脂を前記連続強化材に噴霧することのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
複合構造体の付加製造方法であって、
プリントヘッドの内部の触媒の浴を通じて連続強化材を誘導することと、
前記プリントヘッドの内部の樹脂の浴を通じて前記連続強化材を誘導することと、
前記プリントヘッドのノズルを通じて前記連続強化材を吐出することと、
前記吐出中、前記プリントヘッドを複数の次元に移動することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記連続強化材が前記ノズルから吐出された後、前記連続強化材をコーティングしている前記触媒と前記樹脂との混合物を硬化エネルギーに曝露することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記硬化エネルギーは紫外線である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記触媒の浴及び前記樹脂の浴のうちの少なくとも1つを通じて前記連続強化材を誘導する前に、前記連続強化材を分割すること及び平坦化することのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
[0001] 本開示は、全般的に、製造システムに関し、特に、硬化剤の予備含浸を実施する付加製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
[0002] 従来の付加製造は、コンピュータの案内制御下で材料の重なった層を堆積させることにより3次元部品を作製するプロセスである。付加製造の一般的な形態は、熱溶解積層法(FDM:fused deposition modeling)として知られている。FDMを用いて、加熱されたプリントヘッド内に熱可塑性プラスチックを通過させ、液化させる。プリントヘッドから材料が吐出される際に、重なった2次元層の特定パターン及び形状で材料が堆積されるように、プリントヘッドを既定の軌道(ツールパスとして知られる)で移動させる。材料は、プリントヘッドを出た後、冷却し、最終形態へと硬化させる。最終形態の強度は、主として、プリントヘッドに供給される特定の熱可塑性プラスチックの性質及び2次元層のスタックにより形成される3次元形状の性質による。
【0003】
[0003] 最近開発された、従来のFDM製造の改良形態には、プリントヘッドから吐出される材料内に埋め込まれた連続繊維の使用(連続繊維3Dプリンティング−CF3D(商標)としても知られる)を含む。特に、マトリックスがプリントヘッドに供給され、同じく同一ヘッドに同時に通過させた1つ以上の連続繊維とともに吐出される(例えば、押し出し成形及び/又は引き抜き成形される)。マトリックスは、従来の熱可塑性プラスチック、粉末金属、液体マトリックス(例えば、UV硬化性及び/又は2液型樹脂)、又はこれらのいずれかと他の既知のマトリックスとの組み合わせであり得る。プリントヘッドを出る際、マトリックスの硬化を開始する及び/又は完了するために硬化エンハンサー(例えば、紫外線、超音波エミッタ、熱源、触媒供給源等)を活性化させる。この硬化はほぼ即座に行われ、自由空間内で無支持の構造体を作製することを可能にする。また、繊維、特に連続繊維が構造体内に埋め込まれている場合、構造体の強度はマトリックス依存強度を超えて増大する可能性がある。この技術の一例は、2016年12月6日にTylerに対して発行された米国特許第9,511,543号(「’543特許」)に開示されている。
【0004】
[0004] 不透明繊維(例えば、炭素繊維)、高密度繊維、高濃度繊維、大径繊維等を含む一部の用途では、対応する繊維束の中心にあるマトリックス材料が十分な硬化促進(例えば、十分な硬化エネルギー、触媒等)を受けることが困難な場合がある。これに対処しなければ、得られる構造体の強度が不足する場合がある及び/又は構造体が不必要にたわむ場合がある。
【0005】
[0005] 開示されるシステムは、上記課題の1つ以上及び/又は他の従来技術の課題に対処することに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
[0006] 一態様では、本開示は、複合構造体の付加製造方法に関する。本方法は、連続強化材をプリントヘッドに誘導すること(directing)と、連続強化材にプリントヘッドの内部の第1のマトリックス成分をコーティングすることと、を含んでもよい。本方法は、連続強化材に第2のマトリックス成分をコーティングすることと、プリントヘッドのノズルを通じて連続強化材を吐出することと、吐出中、プリントヘッドを複数の次元に移動することと、を更に含んでもよい。第1のマトリックス成分と第2のマトリックス成分とは相互作用して、連続強化材の周りでマトリックスの硬化を生じさせる。
【0007】
[0007] 別の態様では、本開示は、複合構造体を付加製造するためのシステムに関する。システムは、支持物と、支持物の端部に接続されたプリントヘッドと、を含んでもよい。プリントヘッドは、連続強化材に樹脂及び触媒のうちの1つをコーティングするチャンバを有する本体を有してもよい。プリントヘッドは、また、本体の吐出端部に接続されたノズルを含んでもよく、ノズルは、樹脂及び触媒の両方でコーティングされた連続強化材を吐出するように構成されている。システムは、支持物及びヘッドと通信するコントローラを更に含んでもよい。コントローラは、複合構造体の仕様に従い、ノズルから連続強化材を吐出中、支持物によってヘッドを複数の次元に選択的に移動させるように構成されていてもよい。
【0008】
[0008] 更に別の態様では、本開示は、複合構造体の付加製造において使用するためのプリプレグ材料に関する。プリプレグ材料は、連続強化材と、多液型マトリックスの触媒と、を含んでもよい。少なくとも樹脂も含む多液型マトリックスは、複合構造体を形成するために連続強化材の周りで硬化可能である。複合構造体の製造前、強化材は触媒で少なくとも部分的に飽和しており、樹脂を実質的に含有せず、強化材は複合構造体の約35〜70%を占めている。触媒は複合構造体の約0.1〜10%を占めている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]開示される例示的な製造システムの概略図である。
図2】[0010]図1の製造システムとともに使用してもよい、開示される例示的なヘッドの概略図である。
図3】[0010]図1の製造システムとともに使用してもよい、開示される例示的なヘッドの概略図である。
図4】[0010]図1の製造システムとともに使用してもよい、開示される例示的なヘッドの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
[0011] 図1は、任意の所望の断面形状(例えば、円形、多角形等)を有する複合構造体12を連続的に製造するために使用してもよい例示的なシステム10を示す。システム10は、少なくとも支持物14及びヘッド16を含んでもよい。ヘッド16は、支持物14に結合されており支持物14によって動作する本体18と、本体18の反対側の吐出端部にあるノズル20と、を有してもよい。図1の開示される実施形態では、支持物14は、得られる構造体12の長手方向軸線が3次元であるように、構造体12の製造中、ヘッド16を複数の方向に動かすことができるロボットアームである。しかしながら、その代わりに支持物14は、構造体12の製造中、同様にヘッド16を複数の方向に動かすことができるオーバーヘッドガントリ又はハイブリッドガントリ/アームにすることができると考えられる。支持物14は6軸運動が可能なものとして示しているが、所望であれば、ヘッド16を同じ又は異なる手法で動かすことができる任意の他の種類の支持物14も利用できると考えられる。いくつかの実施形態では、ドライブによりヘッド16を支持物14に機械的に結合してもよく、ドライブは、ヘッド16に電力又は材料を協働して移動させる及び/又は供給する構成要素を含んでもよい。
【0011】
[0012] 本体18は、マトリックス材料を受け入れる又はそうでなければ含むように構成されていてもよい。マトリックス材料は、硬化可能な任意の種類のマトリックス材料(例えば、液体樹脂、例えばゼロ揮発性有機化合物樹脂;粉末金属等)を含んでもよい。例示的な樹脂としては、熱硬化性樹脂、1液型又は多液型エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、カチオン性エポキシ、アクリル化エポキシ、ウレタン、エステル、熱可塑性プラスチック、感光性ポリマー、ポリエポキシド、チオール、アルケン、チオール−エン等が挙げられる。一実施形態では、本体18内部のマトリックス材料は、例えば、対応する導管(図示せず)によってヘッド16に流体的に接続された外部デバイス(例えば、押出機又は別の種類のポンプ(図示せず))により加圧されてもよい。別の実施形態では、しかしながら、圧力は、類似の種類のデバイスによって本体18の完全に内部で発生させてもよい。更に他の実施形態では、マトリックス材料は、本体18内に重力供給されてもよい及び/又は本体18内で混合されてもよい。一部の例では、本体18内部のマトリックス材料は、時期尚早の硬化を阻止するために冷却された状態及び/又は暗い状態に維持する必要があってもよい一方、他の例では、マトリックス材料は同じ理由で温かい状態に維持する必要があってもよい。いずれの状況においても、これらニーズに対処するために本体18は特別に構成されて(例えば、絶縁されて、冷却されて及び/又は温められて)もよい。
【0012】
[0013] マトリックス材料は、任意の数の連続強化材(例えば、別個の繊維、屑麻、粗糸及び/又は材料シート)をコーティングするため、覆うため、又はそうでなければ覆い囲むために使用してもよく、強化材とともに、複合構造体12の少なくとも一部分(例えば壁)を構成してもよい。強化材は、本体18内に(例えば、別個の内部スプール(図示せず)に)保存されてもよく、又はそうでなければ本体18に通してもよい(例えば、外部スプール21から供給される、図2図4を参照)。複数の強化材が同時に使用される場合、強化材は、同じ直径及び断面形状(例えば、円形、四角形、平坦等)を有する同一種類のものであってもよい、又は異なる直径及び/若しくは断面形状を有する異なる種類のものであってもよい。強化材としては、例えば、炭素繊維、植物繊維、木材繊維、ミネラル繊維、ガラス繊維、金属ワイヤ、光学管等が挙げられ得る。用語「強化材」は、ノズル20から吐出されるマトリックス材料に少なくとも一部入れることができる、構造的種類及び非構造的種類両方の連続材料を含むものであることに留意されたい。
【0013】
[0014] 強化材が本体18を通過している間、強化材は、マトリックス材料に曝され(例えば、コーティングされ)てもよい。マトリックス材料、乾燥強化材、及び/又はマトリックス材料に既に曝された強化材(例えば、濡れた強化材)は、当業者に明らかな任意の手法で本体18内に給送してもよい。
【0014】
[0015] マトリックス材料及び強化材は少なくとも2つの異なる動作モードによってノズル20から吐出されてもよい。第1の動作モードでは、ヘッド16が支持物14によって動作するとマトリックス材料及び強化材がノズル20から押し出され(例えば、圧力及び/又は機械的力下で押される)、構造体12の3次元形状が作成される。第2の動作モードでは、吐出中、強化材に引張応力が生じるように、少なくとも強化材がノズル20から引かれる。この動作モードでは、マトリックス材料は強化材に密着することで同様に強化材とともにノズル20から引かれてもよい及び/又はマトリックス材料は引かれる強化材とともに圧力下でノズル20から吐出されてもよい。マトリックス材料がノズル20から引かれる第2の動作モードでは、強化材に生じる張力は構造体12の強度を増加し得る一方、より長い無支持材料がより直線の軌道を有することも可能にする(即ち、張力は、構造体12の自立支持を与えるように、重力の力に反して作用し得る)。
【0015】
[0016] 強化材は、ヘッド16がアンカー点22から離れた結果、ノズル20から引かれてもよい。特に、構造体形成の開始時、ある長さのマトリックス含浸強化材をノズル20から引き及び/又は押し、アンカー点22上に堆積させ、吐出された材料がアンカー点22に付着するように硬化させてもよい。その後、ヘッド16をアンカー点22から離してもよく、相対運動によって強化材をノズル20から引かせてもよい。所望であれば、本体18内における強化材の移動は(例えば、1つ以上の内部及び/又は外部送り機構(図示せず)によって)補助され得ることに留意されたい。しかしながら、ノズル20からの強化材の吐出速度は、強化材内に張力が生成され、維持されるように、主としてヘッド16とアンカー点22との間の相対運動によるものであり得る。ヘッド16がアンカー点22から離される代わりに又はこれに加えて、アンカー点22をヘッド16から離すことができると考えられる。
【0016】
[0017] 1つ以上の硬化エンハンサー(例えば、紫外線、超音波エミッタ、レーザー、ヒータ、触媒ディスペンサ等)24がヘッド16(例えば、本体18の基部、本体18の内部、本体18の外部に、又はそうでなければノズル20に隣接して)の近傍(例えば、ヘッド16内、ヘッド16上及び/又はヘッド16の後ろ)に取り付けられていてもよく、マトリックス材料がヘッド16から吐出される際、マトリックス材料の硬化速度及び/又は品質を高めるように構成されていてもよい。硬化エンハンサー24は、構造体12の形成中、構造体12の内部表面及び/又は外部表面をエネルギー(例えば、紫外線、電磁放射、振動、熱、化学触媒、硬化剤、又は開始剤等)に選択的に曝露するように制御されてもよい。エネルギーは、マトリックス材料内で起こる化学反応の速度を増加してもよく、材料を焼結してもよく、材料を硬化させてもよく、又はそうでなければヘッド16から吐出する際に材料を硬化させてもよい。
【0017】
[0018] コントローラ26が設けられ、支持物14、ヘッド16、任意の数及び種類の硬化エンハンサー24に通信的に結合されていてもよい。コントローラ26は、システム10及び/若しくは構造体12の動作を制御するための手段を含む1つのプロセッサ又は複数のプロセッサを組み込んでもよい。コントローラ26は、1つ以上の汎用若しくは特殊用途向けプロセッサ又はマイクロプロセッサを含んでもよい。コントローラ26は、例えば、設計限界、性能特性、動作命令、マトリックスの特性、強化材の特性、構造体12の特性、及び対応するシステム10の各構成要素のパラメータなどのデータを記憶するためのメモリを更に含んでもよい又はこのようなメモリと対応付けられてもよい。電源回路、信号調整回路、ソレノイド/モータドライバ回路、通信回路、及び他の適切な回路を含む他の種々の既知の回路をコントローラ26と対応付けてもよい。更に、コントローラ26は、有線及び/又は無線伝送によってシステム10の他の構成要素と通信可能であってもよい。
【0018】
[0019] コントローラ26のメモリに1つ以上のマップを記憶し、構造体12の製造中に使用してもよい。これらマップはそれぞれ、ルックアップテーブル、グラフ及び/又は式の形態のデータの集合体を含んでもよい。開示される実施形態では、マップは、硬化エンハンサー24、構造体12内の異なる位置にある対応するマトリックス及び/又は対応する強化材の所望の特性を決定するためにコントローラ26によって使用される。特性としてはとりわけ、構造体12内の特定位置に吐出される強化材及び/若しくはマトリックスの種類、数量及び/若しくは構成、並びに/又は所望の硬化の量、形状及び/若しくは位置が挙げられ得る。コントローラ26は、その後、構造体12が所望の状態で製造されるように、支持物14の動作(例えば、ヘッド16の位置及び/又は姿勢)及び/又はノズル20からの材料の吐出(材料の種類、材料の所望の性能、材料の架橋要件、吐出速度等)を、硬化エンハンサー24の動作と相関させてもよい。
【0019】
[0020] 一部の用途では、ヘッド16内を通る各繊維が、ノズル20から吐出される前に、マトリックス材料で十分にコーティングされていることが確実となる(即ち、適切な結合及び硬化を確実にするほど十分にコーティングされる)よう注意を払わなければならない。図2に示すように、繊維は、本体18の内部に配置された1つ以上のチャンバ28内を移動する間、マトリックス材料に曝されてもよい。
【0020】
[0021] 図2の実施形態では、ヘッド16の内部で強化材に適用されるマトリックス材料は多液型マトリックスである。特に、マトリックスは、第1のマトリックス成分(例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、又は別の種類の樹脂)と、少なくとも第2のマトリックス成分(例えば、硬化剤、触媒、又は別の開始剤)とを含み、これらは、制御された条件下で、共に反応して又は反応させて、対応する強化材を収容する硬化された(cured)及び硬化された(hardened)マトリックスを形成する。強化材に第1のマトリックス成分及び第2のマトリックス成分を別々にコーティングするために少なくとも2つの別個のチャンバ28が図2の本体18の内部に配置されている。これらチャンバ28は、ヘッド16内における強化材の移動方向(例えば、スプール21からノズル20まで)に関して、第2のチャンバ28bと連続的に配置された第1のチャンバ28aを含む。この例では、第1のチャンバ28aは第1のマトリックス成分及び第2のマトリックス成分のうちの1つを含む一方、第2のチャンバ28bは第1のマトリックス成分及び第2のマトリックス成分のうちのもう一方を含む。本体18内における第1のマトリックス成分の順番及び第2のマトリックス成分の順番の両方が、本開示では企図されることに留意されたい。
【0021】
[0022] 第1のマトリックス成分及び/又は第2のマトリックス成分は対応するチャンバ28a,28bにいくつかの異なる手法で供給されてもよい。例えば、第1のマトリックス成分及び第2のマトリックス成分のうちの1つ又は両方は、噴射口30(図4を参照)を通じて気体流、液体流、又は粉体流として;供給入口32又は噴射口30を通じて液体浴として;加圧導管34、供給入口32、又は噴射口30を通じて懸濁粉体として;又は当該技術分野で既知の別の手法で供給されてもよい。いくつかの実施形態では、第1のチャンバ28aと第2のチャンバ28bとの間(及び/又は第2のチャンバ28bの下流側)に、コーティング済みの強化材が第2のチャンバ28bに入る前に(及び/又はコーティング済みの強化材がノズル20に入る直前に)強化材から余分なマトリックス成分を除去するための調整デバイス36(例えば、対向するローラ、スキージ、ワイパ、ブラシ、空気噴射口等)が配置されていてもよい。このようにして、強化材に付着している任意の余分なマトリックス成分が、第2のチャンバ28bの内部にある次に供給されるマトリックス成分と混合されること(及び第2のチャンバ28b内部の混合物の対応する時期尚早の硬化)を阻止してもよい。一部の用途では、機械的手段(例えば、触媒コーティング済みの強化材を覆い囲み、噴射口30まで延びている管)を使用して、触媒とベースマトリックスとの時期尚早の混合を阻止してもよい。他の実施形態では、マトリックス成分の硬化は主として、第2のチャンバ28b内部の望ましくない混合に関わらず、マトリックス成分の温度が最小閾値を超えた場合にのみ急速に開始又は進行してもよい。これら実施形態では、ヘッド16の本体18は、時期尚早の硬化を阻止するために最小閾値未満に維持されてもよい。
【0022】
[0023] ヘッド16を通過する強化材の軸線にほぼ直交して方向付けられた1つの噴射口30を示しているが、所望であれば、任意の数の噴射口30を使用し、異なる角度で方向付けることができると考えられることに留意されたい。例えば、噴射口30は、ノズル20に向かって下方に且つ強化材の軸線に対して斜角で傾斜させることができる。これにより、一部の用途では、マトリックスリザーバ28内の触媒の跳ね及び汚染の低減を補助してもよい。加えて、所望であれば、噴射口30にパージ流体(例えば、鉱油)を定期的に(例えば、製造イベントの開始及び/又は終了時に)通過させることができると考えられる。
【0023】
[0024] 強化材が第1及び第2のチャンバ28a,28bを通過する際、強化材は、第1のマトリックス成分及び第2のマトリックス成分の重なった内層及び外層でコーティングされてもよい。いくつかの実施形態では、層は、強化材がノズル20に達するまで実質的に分離されたままである。他の実施形態では、強化材がノズル20に達する前に、第1のマトリックス成分と第2のマトリックス成分のいくらかの混合がそれらの対応する境界において起こる。ノズル20の上流でどれほどの混合が行われるかを問わず、集束し、ノズル20を通じて吐出されるコーティング済みの強化材の機械的な動きによって、第1のマトリックス成分と第2のマトリックス成分の混合を高めてもよい。また、ノズル20を出る際、混合の増加及び硬化エンハンサー24によるエネルギーへの曝露両方の結果として、硬化が開始し、加速してもよい。一部の用途では、ノズル20における2つのマトリックス成分の混合(及び/又は周囲条件に対する混合済みの成分の曝露)は完全な硬化に十分な場合があるため、硬化エンハンサー24が必要ない場合があると考えられる。更に、所望であれば、硬化の速度を増加するためにノズル20(例えば、ノズル20の先端部)は通電することができる(例えば、加熱される、振動される等)と考えられる。
【0024】
[0025] いくつかの実施形態では、上述の2つのマトリックス成分に加えて、添加物又は第3のマトリックス成分を第1のマトリックス成分及び第2のマトリックス成分のうちの1つ又は両方に混合してもよい。添加物は、例えば、フィラー及び/又は追加の若しくは異なる触媒を含んでもよい。所望であれば、例えば、UV硬化開始剤(例えば、第2のマトリックス成分とは異なる)を第1のマトリックス成分に混合することができる。UV硬化開始剤は、硬化エンハンサー24の光エネルギーに曝露時、強化材をコーティングするマトリックス混合物の温度を上述の最小閾値温度に上昇させるのに十分なものであってもよい。その後、強化材をコーティングする混合物の第2のマトリックス成分は、トリガーされて混合物の第1のマトリックス成分の十分且つ完全な硬化を生じさせてもよい。
【0025】
[0026] いくつかの状況では、ヘッド16に供給される強化材は、束ねられ、織られ、撚られ、又はそうでなければまとめられた多く(例えば、数千)の個々の繊維を含んでもよい。これらの状況では、十分量の第1のマトリックス成分及び/又は第2のマトリックス成分が個々の繊維をそれぞれ確実にコーティングするのは困難な場合がある。これは、大きな屑麻又は厚い繊維のリボンをヘッド16に高速で通過させる場合、更により困難になる場合がある。この理由から、マトリックス成分が真ん中の繊維により完全に及び/又はより迅速に浸透できるように屑麻又はリボンを分割する及び/又は平らにするのを補助する1つ以上の繊維細切機構38がヘッド16に備えられていてもよい。機構38は、チャンバ28の上流及び/又はチャンバ28の間の位置の、本体18の内部及び/又は外部に配置されていてもよい。機構38は、例えば、ブラシ、突起(例えば、ローラ、フィンガ又は固定バンプ)の蛇行路、空気及び/又は樹脂噴射口、並びに他の類似のデバイスを含んでもよい。
【0026】
[0027] 図3は、同じく、多液型マトリックスでコーティングされた強化材を吐出するように構成されたヘッド16の別の実施形態を示す。この実施形態では、しかしながら、本体18は1つのチャンバ28を含む。1つのチャンバ28は、添加物あり又はなしの上述の第1のマトリックス成分又は第2のマトリックス成分のいずれかを保持してもよい。強化材は残りのマトリックス成分で既にコーティングされ、プリプレグ材料として(例えば、スプール21から及び/又は上流及び外部コーティングチャンバ(図示せず)から)ヘッド16に供給されてもよい。換言すると、ヘッド16は、多液型マトリックスの一部のみを適用し、残りの液は先に及び/又は上流位置で強化材に既に適用されるように構成されていてもよい。この実施形態では、プリプレグ材料は、材料がヘッド16に供給される前、材料の寿命を延ばす状態、例えば、乾燥状態、冷却状態、及び/又は暗状態に確実に維持されるよう注意を払うべきである。
【0027】
[0028] 図4は、同じく、多液型マトリックスでコーティングされた強化材を吐出するように構成された1つのチャンバヘッド16を有する別の実施形態を示す。図3の実施形態と同様に、図4の1つのチャンバ28は、(添加物あり又はなしの)上述の第1のマトリックス成分又は第2のマトリックス成分のいずれかを保持してもよい。残りのマトリックス成分は、吐出端部においてヘッド16に注入してもよく、噴霧してもよく、又はそうでなければ送ってもよい(例えば、噴射口30、入口32、及び/又は導管34を通じて)。一例では、残りのマトリックス成分は、ノズル20のすぐ上流のチャンバ28の吐出端部において本体18に送ってもよい。別の実施形態では、残りのマトリックス成分はノズル20に直接送られる。マトリックス成分を送る位置は、マトリックス成分の適切な混合を確実にするためにノズル20の先端部の上流の十分に遠くにすべきであるが、ノズル20の内部における時期尚早の硬化を阻止するために十分に下流にすべきである。図4の実施形態では、ヘッド16に供給される強化材は、所望であれば、乾燥繊維又は別の材料(例えば添加物)を予備含浸させた繊維を含んでもよいと考えられる。
【0028】
[0029] 構造体12の製造に用いられる特定の実施形態(例えば、図2図3又は図4の実施形態)を問わず、構造体12は、少なくとも3つの主要構成成分を含んでもよい。上述のように、これら構成成分は、強化材(例えば、連続繊維、屑麻、リボン、シート等)、第1のマトリックス成分(例えば、エポキシ樹脂などの樹脂)、及び第2のマトリックス成分(例えば、硬化剤、触媒、開始剤等)を含んでもよい。またいくつかの実施形態では、添加物(例えば、UV硬化開始剤)を製造工程の任意の所望の時点で第1のマトリックス成分及び/又は第2のマトリックス成分に混合してもよい。本開示の目的では、強化材は、構造体12の約(例えば、設計公差内)35〜70(例えば、重量及び/又は体積)%を含んでもよく、第1のマトリックス成分は構造体12の約30〜50%を含んでもよく、第2のマトリックス成分は構造体12の約0.1〜10%を含んでもよい。添加物を含む実施形態では、添加物は約0〜10%を含んでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
産業上の利用可能性
[0030] 開示されるシステムは、任意の所望の断面形状、長さ、密度及び/又は強度を有する複合構造体を連続的に製造するために使用してもよい。複合構造体は、同じ又は異なる種類、直径、形状、構成の任意の数の異なる強化材を含んでもよく、及び/又は任意の数の異なるマトリックスからなる。ここで、システム10の動作を詳細に記載する。
【0030】
[0031] 製造イベントの開始時、所望の構造体12に関する情報をシステム10に(例えば、支持物14、硬化エンハンサー24、噴射口30、調整デバイス36、繊維細切機構38、及び/又は任意の他の関連構成要素の動作の調整を担うコントローラ26に)ロードしてもよい。この情報にはとりわけ、大きさ(例えば、直径、壁厚、長さ等)、輪郭(例えば、軌道)、表面特徴(例えば、隆起の大きさ、位置、厚み、長さ;フランジの大きさ、位置、厚み、長さ等)、接続部の幾何学的配置(例えば、カップリング、T字管、スプライス等の位置及び大きさ)、特定位置のマトリックス条件、特定位置の強化材条件、所望の硬化速度、硬化位置、硬化形状、硬化量等を含んでもよい。その代わりに又はそれに加えて、この情報は、所望であれば、製造イベント中、異なる時間に及び/又は連続的にシステム10にロードされてもよいことに留意されたい。
【0031】
[0032] 構成要素の情報に基づき、特定のノズル20及び/又は硬化エンハンサー構成をヘッド16に(例えば、本体18の吐出端部に)接続してもよく、1つ以上の異なる(例えば、異なる大きさ、形状及び/若しくは種類の)強化材及び/若しくはマトリックス材料をシステム10内に選択的に実装してもよい及び/又はノズル20に連続的に供給してもよい。対応する強化材(例えば、プリプレグ又は乾燥繊維、屑麻、リボン、又はシート)を1つ以上の繊維細切機構38(例えば、隣接するブラシの毛の間及び/又は突起上若しくは突起の周り等)及びノズル20に通過させ、その後、引張機械(図示せず)及び/又は取付具(例えば、アンカー点22)に接続してもよい。マトリックス材料の実装には、チャンバ28の充填及び/又はヘッド16への押出機(図示せず)の結合を含んでもよい。
【0032】
[0033] ヘッド16は、コントローラ26の制御下で、マトリックスコーティング済み強化材が対応するアンカー点22に又はアンカー点22上に配置されるように支持物14によって移動させてもよい。硬化エンハンサー24を、その後、選択的に作動させ(例えば、オン/オフにされる及び/又はコントローラ26によって強度が調整される)、強化材を覆い囲むマトリックス材料の硬化を生じさせ、それによって、強化材をアンカー点22に結合してもよい。
【0033】
[0034] その後、システム10の動作を制御するために構成要素の情報を使用してもよい。例えば、強化材を繊維細切機構38内に引き、分割及び/又は平坦にし、第1のマトリックス成分内に浸し、調整デバイス36により絞り、第2のマトリックス成分内に浸し、その後、ノズル20から吐出してもよい。この時点で、得られる構造体12の軸線が所望の軌道(例えば、自由空間の、無支持の3D軌道)に追従するように、コントローラ26は、支持物14によってヘッド16を所望の状態に選択的に移動させる。加えて、液体マトリックス混合物の硬化を開始する、加速する又は完了するために、材料吐出中、硬化エンハンサー24をコントローラ26により選択的に作動させてもよい。構造体12が所望の長さに成長すると、構造体12を任意の所望の手法でヘッド16から分離(例えば、切断)してもよい。
【0034】
[0035] 開示されるシステム及びヘッドに種々の修正及び変形を施すことができることは当業者には明らかであろう。他の実施形態は、明細書並びに開示されるシステム及びヘッドの手法を考慮すると当業者には明らかであろう。明細書及び例は、単なる例示であるとみなされ、実際の範囲は以下の特許請求の範囲及びこれらの均等物によって示されるものとする。
【符号の説明】
【0035】
10 システム
12 複合構造体
14 支持物
16 ヘッド
18 本体
20 ノズル
21 外部スプール
22 アンカー点
24 硬化エンハンサー
26 コントローラ
28 チャンバ
28a 第1のチャンバ
28b 第2のチャンバ
30 噴射口
32 供給入口
34 加圧導管
36 調整デバイス
38 繊維細切機構
【要約】
【課題】 硬化剤の予備含浸を実施する付加製造システムを提供する。
【解決手段】 複合構造体を付加製造するための方法が開示される。方法は、連続強化材をプリントヘッドに誘導することと、連続強化材にプリントヘッドの内部の第1のマトリックス成分をコーティングすることと、を含んでもよい。方法は、連続強化材に第2のマトリックス成分をコーティングすることと、プリントヘッドのノズルを通じて連続強化材を吐出することと、吐出中、プリントヘッドを複数の次元に移動することと、を更に含んでもよい。第1のマトリックス成分と第2のマトリックス成分とは相互作用して、連続強化材の周りでマトリックスの硬化を生じさせる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4