(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
放射方向が同一方向となるよう所定の間隔を開けて配置された複数のアンテナ部、前記複数のアンテナ部からの出力を合成する信号合成部、前記信号合成部にて合成される前記各アンテナ部からの出力の内、少なくとも1つを位相調整する位相調整部、外部から入力される指令信号に従い、前記位相調整部を介して前記信号合成部にて合成される前記各アンテナ部からの出力の位相差を調整することで、前記複数のアンテナ部による合成放射方向を設定する制御部、及び、外部の無線端末との間で短距離無線通信を行う無線通信部を備え、前記無線通信部にて前記指令信号が受信されると、前記制御部が、該指令信号に従い前記合成放射方向を変化させる、ように構成されたアンテナ装置と、
前記アンテナ装置を介してRFIDタグとの間で電波を送受信することで、前記RFIDタグから情報を読み出す読出装置と、
前記アンテナ装置の無線通信部を介して、前記アンテナ装置周囲の携帯端末に対し情報を配信する情報配信装置と、
を備えたことを特徴とするRFIDシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のRFIDシステムでは、出入り口等の所望の領域を通過するRFIDタグを検知できるように、アンテナ装置に指向性を有するものを利用し、アンテナ装置からの電波の放射方向を検知範囲に対応させる必要がある。
【0005】
このため、アンテナ装置の設置時や、店舗内の模様替え等に伴う検知範囲の変更時には、アンテナ装置からの電波の放射方向を調整することになるが、アンテナ装置は、天井等の高所に設置されることから、放射方向の調整時に、使用者がアンテナ装置を手で持ち、その向きを物理的に変化させるのは難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、天井等への設置後に、電波の放射方向を遠隔操作で簡単に調整することのできるアンテナ装置、及び、そのアンテナ装置を利用したRFIDシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載のアンテナ装置は、
放射方向が同一方向となるよう所定の間隔を開けて配置された複数のアンテナ部と、
前記複数のアンテナ部からの出力を合成する信号合成部と、
前記信号合成部にて合成される前記各アンテナ部からの出力の内、少なくとも1つを位相調整する位相調整部と、
外部から入力される指令信号に従い、前記位相調整部を介して前記信号合成部にて合成される前記各アンテナ部からの出力の位相差を調整することで、前記複数のアンテナ部による合成放射方向を設定する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記複数のアンテナ部は、平面アンテナにて構成され、放射方向が、当該アンテナ装置の設置対象物への設置面に対し同一角度で傾斜するよう、当該アンテナ装置のケース内に収納されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置において、
前記複数のアンテナ部は、それぞれ、異なる基板に形成された平面アンテナにて構成され、
前記各平面アンテナは、それぞれ、当該アンテナ装置のケース内に、当該アンテナ装置の設置対象物への設置面からの距離が同じで、且つ、放射方向が前記設置面に対し所定角度で傾斜するよう、収納されていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のアンテナ装置において、
前記各平面アンテナから前記信号合成部に至る信号経路の長さは、該信号経路上に配置される前記位相調整部による位相調整量が零であるとき、前記信号合成部にて合成される前記各平面アンテナからの出力が同相となるよう、設定されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載のアンテナ装置において、
前記各平面アンテナは、前記設置面に対する傾斜角度を調整可能な支持部を介して、前記ケースに収納されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のアンテナ装置において、
外部の無線端末との間で短距離無線通信を行う無線通信部を備え、
前記制御部は、前記無線通信部にて前記指令信号が受信されると、該指令信号に従い前記合成放射方向を変化させることを特徴とする。
【0013】
一方、請求項7に記載のRFIDシステムは、
請求項6に記載のアンテナ装置と、
前記アンテナ装置を介してRFIDタグとの間で電波を送受信することで、前記RFIDから情報を読み出す読出装置と、
前記アンテナ装置の無線通信部を介して、前記アンテナ装置周囲の携帯端末に対し情報を配信する情報配信装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載のアンテナ装置には、放射方向が同一方向となるよう所定の間隔を開けて配置された複数のアンテナ部と、この複数のアンテナ部からの出力を合成する信号合成部と、位相調整部と、制御部と、が備えられている。
【0015】
位相調整部は、複数のアンテナ部からの出力の内、少なくとも1つを位相調整することで、信号合成部にて合成される各アンテナ部からの出力の位相差を調整するためのものである。
【0016】
そして、制御部は、外部から入力される指令信号に従い、位相調整部を介して信号合成部にて合成される各アンテナ部からの出力の位相差を調整することで、複数のアンテナ部による合成放射方向を設定する。
【0017】
従って、本発明のアンテナ装置によれば、設置後、制御部に指令信号を送信することで、アンテナ装置の向きを物理的に変更することなく、アンテナ装置からの電波の放射方向(合成放射方向)を調整することができる。
【0018】
よって、本発明のアンテナ装置を、上述したRFIDシステムのアンテナ装置として利用すれば、アンテナ装置を天井に設置するときや、設置後、アンテナ装置によるRFIDタグの検知範囲が変化したときに、アンテナ装置からの電波の放射方向を簡単に調整することができるようになる。
【0019】
ここで、アンテナ装置を構成する複数のアンテナ部は、RFIDタグとの間で電波を送受信できるものであればよいが、天井等への設置作業を考慮すると、軽量にすることが望ましい。そして、このためには、各アンテナ部を、基板にアンテナパターンを形成することにより構成される平面アンテナにするとよい。
【0020】
また、特許文献1に記載のように、RFIDタグ用のアンテナ装置は、電波の放射方向が、RFIDタグが通る検知対象領域を上下方向に斜めに横切るようにする必要がある。このため、アンテナ部を平面アンテナにて構成した場合には、その平面アンテナの開口面が水平面に対し斜めに傾斜するように配置する必要がある。
【0021】
このため、本発明のアンテナ装置においては、請求項2に記載のように、複数のアンテナ部を平面アンテナにて構成し、各平面アンテナからの放射方向が、当該アンテナ装置の設置対象物への設置面に対し同一角度で傾斜するよう、当該アンテナ装置のケース内に収納するようにするとよい。
【0022】
なお、当該アンテナ装置の設置対象物への設置面に対し各平面アンテナからの放射方向を同一角度で傾斜させるのは、各平面アンテナからの電波の放射方向を同一方向にするためであるが、その傾斜角度は厳密に一致させる必要はなく、数度程度異なっていても実用上問題はない。
【0023】
つまり、本発明において、複数のアンテナ部からの電波の放射方向は、略同一方向であれば実用上問題はなく、アンテナ部を平面アンテナにて構成して、各平面アンテナからの放射方向を設置面に対し傾斜させる際には、傾斜角度を略同一角度とすればよい。
【0024】
一方、このように複数のアンテナ部を平面アンテナにて構成する場合、各平面アンテナを同一の基板上に形成するようにしてもよいが、このようにすると、これら各アンテナ部を収納するケースの高さが高くなり、アンテナ装置を天井に設置した際には、天井から大きく突出することになる。
【0025】
つまり、複数のアンテナ部を、同一基板に形成した複数の平面アンテナにて構成し、各平面アンテナの開口面が水平面に対し斜めに傾斜するように配置すると、アンテナ装置のケースの高さ方向の長さが長くなり、天井等の設置対象物に設置すると、その設置対象物からの突出量が大きくなって、見栄えが悪くなるのである。
【0026】
このため、複数のアンテナ部を平面アンテナにて構成する場合には、請求項3に記載のように、各アンテナ部を、それぞれ、異なる基板に形成された平面アンテナにて構成し、各平面アンテナを、それぞれ、アンテナ装置のケース内に、当該アンテナ装置の設置対象物への設置面からの距離が同じで、且つ、放射方向がその設置面に対し所定角度で傾斜するよう、収納してもよい。
【0027】
つまり、このようにすれば、例えば、当該アンテナ装置を天井に固定した際、各アンテナ部を構成する平面アンテナを共通の基板に形成した場合に比べて、各平面アンテナの天井からの高さ(換言すれば下方への長さ)を短くすることができる。
【0028】
よって、アンテナ装置を天井に固定した際、天井からのアンテナ装置の突出量を少なくして、アンテナ装置を見栄えよく配置することができる。
なお、アンテナ装置をこのように構成すると、各平面アンテナからの電波の放射方向は一致させることはできるものの、その放射方向に沿った放射経路の長さが、2つの平面アンテナの開口面のずれの分だけ異なることになる。
【0029】
そこで、アンテナ装置を請求項3に記載のように構成した際には、更に、請求項4に記載のように、各平面アンテナから信号合成部に至る信号経路の長さは、その信号経路上に配置される位相調整部による位相調整量が零であるとき、信号合成部にて合成される各平面アンテナからの出力が同相となるよう、予め設定しておくことが望ましい。
【0030】
つまり、このようにすれば、位相調整部を、各平面アンテナの配置に伴い生じる信号経路の長さ調整に利用する必要がなく、アンテナ装置からの電波の放射方向を調整するためにだけ利用することができる。このため、位相調整部による位相調整可能範囲を小さくして、位相調整部の構成を簡単にすることができる。
【0031】
なお、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載のアンテナ装置において、各平面アンテナは、請求項5に記載のように、設置対象物への設置面に対する傾斜角度を調整可能な支持部を介して、ケース内に収納するとよい。
【0032】
このようにすれば、アンテナ装置の天井等への設置時には、支持部を介して、各アンテナ部のケース設置面に対する傾斜角度を調整することで、アンテナ装置からの電波の放射方向を大雑把に調整することが可能となる。
【0033】
このため、アンテナ装置の設置後、電波の放射方向の調整作業をより簡単に行うことができるようになり、アンテナ装置の使い勝手を向上できる。
また、支持部を利用することで、位相調整部による位相調整可能範囲を超えて、アンテナ装置からの電波の放射方向を変化させることができるので、放射方向の調整可能範囲をより広くすることができ、アンテナ装置の使用可能範囲を拡大できる。
【0034】
次に、制御部は、外部から放射方向調整のための指令信号を入力できればよく、その指令信号を発生する指令装置と有線にて接続されていてもよい。しかし、このようにすると、アンテナ装置の設置時に、指令装置の設置、アンテナ装置と指令装置との接続、等の作業を同時に行う必要がある。
【0035】
そこで、本発明のアンテナ装置は、請求項6に記載のように、外部の無線端末との間で短距離無線通信を行う無線通信部を備え、制御部は、無線通信部にて指令信号が受信されると、その指令信号に従い合成放射方向を変化させるように構成するとよい。
【0036】
つまり、このようにすれば、アンテナ装置の設置時に、指令装置の設置、アンテナ装置と指令装置との接続、といった作業を行う必要がなく、しかも、無線端末を使って放射方向を簡単に調整することができるようになる。
【0037】
一方、請求項7に記載のRFIDシステムは、請求項6に記載のアンテナ装置を介してRFIDタグとの間で電波を送受信することで、RFIDから情報を読み出す読出装置を備えるだけでなく、アンテナ装置の無線通信部を介して、アンテナ装置周囲の携帯端末に対し情報を配信する情報配信装置を備える。
【0038】
このため、本発明のRFIDシステムによれば、店舗等でRFIDタグを添付した商品の盗難監視を実施することができるだけでなく、アンテナ装置に設けられた無線通信部を利用して、店舗や商品等の情報を周囲の携帯端末に配信することができるようになり、アンテナ装置の用途を拡大できる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態のアンテナ装置2は、店舗の出入り口等に設置されて、商品の不正な持ち出し(盗難)を監視するのに用いられるものであり、
図2に示すように、商品に添付されたRDIDタグとの間で電波を送受信するための2つのアンテナ部10、20を備える。
【0041】
図1、
図2に示すように、この2つのアンテナ部10、20は、円板状の基台部5と、一方の開口端が閉塞され、基台部5を覆うように組み付けられる蓋部6と、により構成された、円筒形のケース4内に収納されている。
【0042】
ここで、ケース4の蓋部6は、電波を透過可能な合成樹脂にて形成されている。また、基台部5は、合成樹脂若しくは金属製であり、蓋部6が被せられる面(おもて面)とは反対側の面(裏面)には、複数の足部8が設けられている。
【0043】
この足部8は、基台部5を、アンテナ装置2の設置対象物である天井若しくは壁面と平行になるように配設して、天井若しくは壁面にねじ止めするためのものである。
図2に示すように、2つのアンテナ部10、20は、それぞれ、長方形状の両面基板の片面に、基板の長手方向に沿って間隔を開けて矩形の導電体パターンを2つ形成し、両面基板の裏面をグランドパターンとすることにより構成されている。
【0044】
そして、各アンテナ部10、20の2つの導電体パターンには、それぞれ、所定の給電点に両面基板の裏面から挿通された信号線が接続されている。
つまり、各アンテナ部10、20において、2つの導電体パターンは、それぞれ、平面アンテナである2つのパッチアンテナ12、14及び22、24を構成している。
【0045】
そして、各アンテナ部10、20は、両面基板の長手方向両端側を、基台部5のおもて面に突設された支持部16、26に固定することで、
図3に示すように、両面基板の基板面(換言すればパッチアンテナ12、14及び22、24の開口面)が、ケース4の基台部5の板面(換言すれば、アンテナ装置2の設置対象物の設置面)に対し、所定角度α(例えば45度)をなすよう、基台部5に組み付けられている。
【0046】
また、支持部16、26の基台部5からの高さは同じであり、各アンテナ部10、20は、支持部16、26を介して、両面基板の基板面(換言すればパッチアンテナ12と22の開口面、及び、パッチアンテナ14と24の開口面)が互いに平行になるように、基台部5に組み付けられる。
【0047】
このため、
図3に示すように、2つのアンテナ部10、20にて構成される4つのパッチアンテナ12、14、22、24の電波の放射方向(詳しくは放射ビーム中心軸)Xは、互いに平行で、同一方向を向くことになる。
【0048】
次に、基台部5のおもて面には、回路基板30が固定されており、その回路基板30の基台部5とは反対側の上部に、アンテナ部10、20が配置されている。
回路基板30は、両面基板の片面に、上記各パッチアンテナ12、14、22、24からの受信信号を合成するための回路パターン(マイクロストリップライン)を形成することにより、合成回路を構成している。
【0049】
図4に示すように、回路基板30は、入力端子T12、T14、T22、T24と、回路パターンにて形成された3つの信号合成部32、34、36と、を備える。
入力端子T12、T14、T22、T24は、それぞれ、パッチアンテナ12、14、22、24からの受信信号を入力するためのものである。
【0050】
また、信号合成部32は、アンテナ部10からの受信信号として、パッチアンテナ12、14からの受信信号を合成するためのものであり、信号合成部34は、アンテナ部20からの受信信号として、パッチアンテナ22、24からの受信信号を合成するためのものである。
【0051】
入力端子T12から信号合成部32の出力端に至る回路パターンと、入力端子T14から信号合成部32の出力端に至る回路パターンとは、それぞれ、信号合成部32の出力端を通る中心軸に対し軸対象となるよう形成されている。
【0052】
同様に、入力端子T22から信号合成部34の出力端に至る回路パターンと、入力端子T44から信号合成部34の出力端に至る回路パターンとは、それぞれ、信号合成部34の出力端を通る中心軸に対し軸対象となるよう形成されている。
【0053】
そして、入力端子T12、T14から信号合成部32に至る信号経路31は、入力端子T22、T24から信号合成部34に至る信号経路33よりも長くなるように設定されている。
【0054】
これは、
図3に示すように、パッチアンテナ12、14にて受信されるX方向からの電波の伝播経路が、パッチアンテナ22、24にて受信されるX方向からの電波の伝播経路に比べて、各アンテナ部10、20のX方向の位置ずれ量である長さLだけ短くなるためである。
【0055】
つまり、各アンテナ部10、20は、その基板面が基台部5に対し所定角度αをなすよう、同じ高さ位置に、間隔を開けて配置されている。このため、アンテナ装置2から見てX方向にある送信源からの送信電波を、各アンテナ部10、20にて受信した際には、その受信信号に、長さLと受信信号の波長とで決まる位相差が生じることになる。
【0056】
そこで、本実施形態では、その位相差に対応した遅延時間分だけ、入力端子T12、T14から信号合成部32に至る信号経路(配線パターン)の長さを長くすることで、各信号合成部32、34で合成された受信信号が同相となるようにしている。
【0057】
なお、
図4において、信号経路31に対し間隔を開けて設けられている配線パターン35は、伝送インピーダンス調整用の容量成分を形成するためのものである。
また、各信号合成部32、34から信号合成部36の出力端に至る信号経路37、38は、信号合成部36の出力端を通る中心軸に対し軸対象となるよう形成されているが、このうち、アンテナ部10側の信号経路37は、信号合成部32近傍で一部が切断されている。
【0058】
そして、その切断部分には、制御電圧(直流)Vcに応じて信号経路37を通過する受信信号の位相を調整できるようにした可変移相器40が実装されている。
このため、回路基板30には、制御電圧Vcを入力するための電圧入力端子Tdc、及び、この電圧入力端子Tdcに入力された制御電圧Vcを可変移相器40まで伝送するための電圧入力経路(配線パターン)39も設けられている。
【0059】
本実施形態では、可変移相器40は、
図5に示すハイブリッド型可変移相器にて構成される。
すなわち、可変移相器40は、信号合成部32の出力端に接続される入力端子41、信号経路37に接続される出力端子42、電圧入力経路39に接続される電圧入力端子56、を備える。
【0060】
そして、入力端子41及び出力端子42には、直流信号成分を遮断する直流遮断部43、44を介して、第1フィルタ45、46と、第2フィルタ47、48とにより構成されるハイブリッド回路に接続されている。なお、直流遮断部43、44は、カップリングコンデンサ等にて構成される。
【0061】
ハイブリッド回路は、第1フィルタ45、46と第2フィルタ47、48とでブリッジ回路を形成しており、第1フィルタ45、46は、それぞれ、一端が入力端子41及び出力端子42に接続された直流遮断部43、44の他端に接続される。
【0062】
また、第2フィルタ47は、第1フィルタ45、46の直流遮断部43、44側端部を接続するように配置され、第2フィルタ48は、第1フィルタ45、46の直流遮断部43、44とは反対側端部を接続するように配置される。
【0063】
第1フィルタ45、46は、回路基板30における配線パターンの特性インピーダンスZ0に対応して、その特性インピーダンスZ0に整合されたフィルタであり、本実施形態では受信信号が通過可能なローパスフィルタ(LPF)として構成されている。
【0064】
また、第2フィルタ47、48は、特性インピーダンスZ0の1/√2のインピーダンス(つまりZ0/√2)に整合されたフィルタであり、本実施形態では受信信号が通過可能なローパスフィルタ(LPF)として構成されている。
【0065】
なお、第1フィルタ45、46及び第2フィルタ47、48は、インピーダンスが上記のように設定されていて、受信信号が通過可能であれば、ハイパスフィルタ(HPF)であっても、バンドパスフィルタ(BPF)であってもよい。
【0066】
このように構成されたハイブリッド回路においては、第1フィルタ45、46の直流遮断部43、44とは反対側端部をポート2、3として、これら各ポート2、3を特性インピーダンスZ0にて終端すると、入力端子41から直流遮断部43を介して入力される受信信号が2分配されて、各ポート2、3から出力され、第1フィルタ46の直流遮断部44側端部であるポート4から受信信号が出力されることはない。
【0067】
一方、ポート2、3に反射部材を設けると、各ポート2、3で反射した信号が、ポート4に現れ、直流遮断部44を介して、出力端子42から出力されることになる。
そこで、本実施形態では、ポート2、3としての第1フィルタ45、46の直流遮断部43、44とは反対側端部に、それぞれ、反射部材としてローパスフィルタ(LPF)49、50を設け、そのフィルタ特性を調整することで、出力端子42から出力させる受信信号の位相を調整するようにしている。
【0068】
つまり、LPF49、50は、それぞれ、第1フィルタ45、46の直流遮断部43、44とは反対側端部に接続されるコイル51、52と、そのコイル51をグランドラインに接地するバリキャップ53、54とから構成されている。
【0069】
このため、LPF49、50は、バリキャップ53、54への印加電圧を調整することで、その容量を可変させて、出力端子42から出力させる受信信号の位相を調整できるようになる。
【0070】
そして、その位相調整用の電圧として、電圧入力端子56に入力される制御電圧Vcが使用され、可変移相器40には、制御電圧VcをLPF49、50に印加するための入力回路として、直流信号成分を通過させ、不要な高周波信号成分を遮断する直流フィルタ57が設けられている。
【0071】
なお、直流フィルタ57は、電圧入力端子56と、第1フィルタ46の直流遮断部44とは反対側端部との間に直列に設けられるチョークコイル58と、電圧入力端子56とグランドラインとの間に設けられるコンデンサ59とにより構成されている。
【0072】
そして、この直流フィルタ57を介して入力された制御電圧Vcは、LPF50には直接印加され、LPF49には第2フィルタ(LPF)48を介して印加される。
また、LPF49、50において、コイル51、52及びバリキャップ53、54の特性は、制御電圧Vcが零であるときに略開放状態となって受信信号を位相差零で全反射し、制御電圧Vcが増加するに従い受信信号に位相差をつけて反射するように、設定されている。
【0073】
従って、本実施形態のアンテナ装置2においては、制御電圧Vcが零であるとき、信号合成部36に入力される各アンテナ部10、20からの受信信号の位相差が略零となって、アンテナ装置2からの電波の放射方向は、各アンテナ部10、20の基台部5への取付角度αで決まるX方向となる。そして、この場合、アンテナ装置2を天井に取り付けたときのアンテナ装置2からの放射特性は、
図6に実線で示すように、ビーム中心:約225度の基準特性となる。
【0074】
これに対し、制御電圧Vcを零から上昇させると、信号合成部36に入力される各アンテナ部10、20からの受信信号に位相差が生じ、その位相差により、アンテナ部10からの放射特性が、
図6に点線で示すように、基準特性よりも低角度となる。
【0075】
つまり、本実施形態のアンテナ装置2は、天井に取り付けた場合、その放射特性を、ビーム中心軸が天井から所定角度α傾いた基準特性から、ビーム中心軸の傾きを更に増加させて下方に向けた特性へと変化させることができ、しかも、その傾斜角度は、
図6に点線で示すように、制御電圧Vcの電圧値により調整できる。
【0076】
次に、本実施形態のアンテナ装置2は、商品の盗難防止のために、店舗の出入り口等に設置されて、商品に添付されたRDIDタグとの間で電波を送受信するのに用いられることから、回路基板30の出力端子Toutには、同軸ケーブルを介して、
図7に示すRFIDリーダ62に接続される。
【0077】
RFIDリーダ62は、アンテナ装置2を介して、その放射特性に対応した監視エリア内にRFIDタグ60起動用信号を送信し、その信号を受信したRFIDタグ60が送信してくる信号を、アンテナ装置2を介して受信することで、監視エリアまで商品が持ち出されたことを検出するためのものである。
【0078】
また、RFIDリーダ62には、警報装置64が接続されており、RFIDリーダ62は、監視エリアまで商品が持ち出されたことを検出すると、警報装置64を介して、店員や警備員にその旨を報知する。
【0079】
また、アンテナ装置2の設置時や店舗の模様替えをした場合などには、アンテナ装置2による監視エリアを調整する必要があることから、例えば、アンテナ装置2の基台部5の裏側で、複数の足部8に囲まれる空間には、
図7に示す方向調整装置70が組み付けられる。
【0080】
この方向調整装置70は、内部回路駆動用の電源となるバッテリ72と、バッテリ電圧を所定電圧まで昇圧する昇圧回路74と、この昇圧回路74にて昇圧された電圧を利用して、制御電圧Vcを生成する電圧可変回路76と、を備える。
【0081】
また、方向調整装置70には、周囲の携帯端末(スマートフォン、タブレット等)との間で、近距離無線通信方式の一つである「Bluetooth (登録商標)」を利用した無線通信を行う無線通信モジュール78が備えられている。
【0082】
そして、無線通信モジュール78は、方向調整用の携帯端末66からアンテナ方向調整用の指令信号を受けると、その指令信号に含まれる設定値に従い電圧可変回路76を制御し、電圧可変回路76から、その設定値に対応した制御電圧Vcを出力させる。
【0083】
このため、アンテナ装置2からの電波の放射方向は、アンテナ装置2の設置者若しくは管理者が所持する方向調整用の携帯端末66を利用して、任意に設定することができる。
なお、方向調整用の携帯端末66は、一般的な携帯端末(スマートフォンやタブレット等)に方向調整用のアプリ(プログラム)をインストールしたものであり、そのアプリを起動して、携帯端末66の表示部に
図8(a)に例示する方向調整用の画面を表示させることにより、アンテナ装置2からの電波の放射方向を調整できるようになる。
【0084】
すなわち、
図8(a)に例示する表示画面は、無線通信モジュール78との間の通信回線を接続させる「接続」ボタン、その通信回線を切断させる「遮断」ボタン、無線通信モジュール78への放射方向の設定値を送信させる「出力」ボタン、その設定値を予め設定された複数の電圧値の中から選択するための「1」〜「6」までの選択ボタン、その設定値として制御電圧Vcを入力するための電圧入力領域68、及び、放射方向の現在の設定値若しくは使用者が設定変更した設定値を表示するための表示領域67を備える。
【0085】
そして、携帯端末66の表示部に設けられたタッチパネルにより、使用者が「接続」ボタンを操作すると、携帯端末66内の制御回路(マイコン)が、
図8(b)に示す放射方向設定処理を実行する。
【0086】
この放射方向設定処理では、S110(Sはステップを表す)にて、アンテナ装置2の無線通信モジュール78に対し接続要求を送信し、続くS120にて、無線通信モジュール78との通信回線が接続されたか否かを判断し、通信回線が接続されていなければ再度S110を実行することにより、無線通信モジュール78に接続(所謂ペアリング)されるのを待つ。
【0087】
そして、S120にて通信回線が接続されたと判断されると、S130に移行して、無線通信モジュール78から、放射方向の現在の設定値を取得し、その取得した設定値を表示領域67に表示する。
【0088】
次に、続くS140では、使用者が「1」〜「6」の選択ボタンを操作するか、或いは、電圧入力領域68へ制御電圧Vcを入力することにより、放射方向の設定入力があったか否かを判断する。
【0089】
そして、設定入力がなければ、再度S140の判定処理を実行することにより、使用者により設定入力がなされるのを待つ。
また、S140にて、設定入力があったと判断されると、その入力に対応した設定値を表示領域67に表示することで、設定値の表示を更新し、再度S140に移行する。
【0090】
この結果、表示領域67には、アンテナ装置2の現在の放射方向若しくは使用者が設定変更した放射方向を表す設定値が表示されることになる。
また、この状態で、使用者が「出力」ボタンを操作すると、表示領域67に表示されている設定値が無線通信モジュール78に送信され、使用者が「切断」ボタンを操作すると、無線通信モジュール78との通信回線を切断する。
【0091】
そして、無線通信モジュール78は、携帯端末66から送信されてきた設定値に従い電圧可変回路76を制御して、電圧可変回路76から、その設定値に対応した制御電圧Vcを出力させることから、使用者は、携帯端末66を介してアンテナ装置2からの電波の放射方向を任意に設定することができるようになる。
【0092】
また、
図7に示すシステムでは、無線通信モジュール78に、有線若しくは無線の通信回線(例えば、LAN)を介して、広告配信サーバ80が接続されている。
広告配信サーバ80は、無線通信モジュール78を介して、アンテナ装置2が設置された店舗からの案内情報や、その周囲の施設でのイベント情報等、各情報を広告配信対象となる周囲の携帯端末79に配信するためのものである。
【0093】
なお、広告配信対象となる携帯端末79とは、広告配信サーバ80からの案内情報を取得するためのアプリが起動されている携帯端末のことであり、無線通信モジュール78は、そのアプリの実行により携帯端末79から送信されてくる接続(ペアリング)用の識別情報を受けて、その携帯端末79との間の通信回線を接続し、所定の情報を配信する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態のアンテナ装置2には、放射方向が同一方向となるよう所定の間隔を開けて配置された2つのアンテナ部10、20と、この2つのアンテナ部10、20からの出力を合成するための回路基板30と、が備えられている。
【0095】
そして、回路基板30には、各アンテナ部10、20からの出力を信号合成部36にて同相で合成できるように、マイクロストリップラインからなる配線パターンが形成され、しかも、一方のアンテナ部10から信号合成部36に至る配線パターン上には、可変移相器40が設けられている。
【0096】
このため、本実施形態のアンテナ装置2によれば、可変移相器40を利用して、信号合成部36にて合成される各アンテナ部10、20からの出力に位相差を生じさせ、これによって、2つのアンテナ部10、20による合成放射方向(つまり、アンテナ装置2からの電波の放射方向)を変更できるようにされている。
【0097】
よって、本実施形態のアンテナ装置2によれば、アンテナ装置2を天井に設置するときや、設置後、RFIDタグ60を監視すべきエリアが変化したときに、アンテナ装置2からの電波の放射方向を変化させて、放射方向を監視エリアに対応させることができる。
【0098】
また、こうした放射方向の調整のために、本実施形態のアンテナ装置2には、無線通信モジュール78を備えた方向調整装置70が設けられている。このため、アンテナ装置2の放射方向は、方向調整用の携帯端末66を利用することで、アンテナ装置2の向きを物理的に変化させることなく、簡単に設定変更できるようになる。
【0099】
また、アンテナ装置2において、アンテナ部10、20は、パッチアンテナからなる平面アンテナにて構成されているが、これら各アンテナ部10、20は、それぞれ、異なる基板を用いて構成されている。
【0100】
また、各アンテナ部10、20は、それぞれ、アンテナ装置2の基台部5に、設置対象物である天井からの距離が同じで、且つ、放射方向がその設置面に対し所定角度αで傾斜するよう配置されている。
【0101】
このため、各アンテナ部10、20を同一基板上に形成し、放射方向が設置対象物の設置面に対し所定角度αで傾斜するよう、ケース4の基台部5に設けた場合に比べて、設置対象物からの突出量(換言すればケース4の高さ)を少なくすることができる。よって、本実施形態のアンテナ装置2は、小型化を図り、設置対象物である天井に取り付けた際の見栄えをよくすることができる。
【0102】
なお、本実施形態のアンテナ装置2においては、ケース4の基台部5(延いては設置対象物の設置面)に対し、各アンテナ部10、20の放射面を所定角度αで傾斜させるだけでなく、可変移相器40による位相調整量が零であるときには、各アンテナ部10、20からの受信信号が信号合成部36に同相で入力されるように、配線パターンを形成している。
【0103】
これは、アンテナ部10、20の傾斜角度αを基準として、可変移相器40による移相量で変化させる放射方向の可変範囲を、必要最小限にするためである。
つまり、可変移相器40による位相調整可能範囲を大きくすると、可変移相器40を通過する際の受信信号の通過損失も大きくなり、所望のアンテナゲインを実現できなくなる。
【0104】
そこで、本実施形態では、可変移相器40での位相調整可能範囲を必要最小限に抑えて、アンテナ装置2の放射方向を変更できるようにするため、上記のように構成しているのである。
【0105】
また、本実施形態では、アンテナ装置2に設けられる方向調整装置70内の無線通信モジュール78に、広告配信サーバ80を接続することで、広告配信サーバ80から無線通信モジュール78を介して、周囲の携帯端末79に所定の情報を配信できるようにしている。
【0106】
このため、本実施形態によれば、店舗等でRFIDタグを添付した商品の盗難監視を実施することができるだけでなく、アンテナ装置2に設けられた無線通信モジュール78の有効利用を図ることができる。
【0107】
なお、本実施形態では、可変移相器40が本発明の位相調整部に相当し、方向調整装置が、本発明の制御部に相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
【0108】
例えば、上記実施形態では、本発明の主要部である可変移相器40は、
図5に示すハイブリッド型可変移相器にて構成されるものとして説明したが、
図9に例示するように、可変移相器40は、λ/4ストリップライン82を利用した移相器にて構成することもできる。
【0109】
図9に示す可変移相器40は、入力端子41とλ/4ストリップライン82との間、及び、λ/4ストリップライン82と出力端子42との間を、受信信号の伝送路となるストリップライン81、83にて接続し、λ/4ストリップライン82の両端に、ハイインピーダンスのストリップライン84、85を介して、LC並列共振回路86、87を接続することにより構成されている。
【0110】
LC並列共振回路86、87は、それぞれ、コイルとコンデンサとを並列接続することにより構成される周知の回路であり、コイル及びコンデンサは、一端がストリップライン84、85に接続され、他端がグランドラインに接地される。
【0111】
そして、
図9に示す可変移相器40では、LC並列共振回路86、87のコンデンサとしてバリキャップ88、89を利用し、その容量を制御電圧Vcにて調整することで、ストリップライン81〜83を介して、入力端子41から出力端子42へと伝送される受信信号の位相を調整できるようにしている。
【0112】
このため、
図9に示す可変移相器40にも、
図5に示した可変移相器40と同様、電圧入力端子56に入力される制御電圧Vcを、バリキャップ88、89に印加するための入力回路として、直流信号成分を通過させ、不要な高周波信号成分を遮断する直流フィルタ57が設けられている。
【0113】
また、LC並列共振回路86、87には、直流フィルタ57内のチョークコイル58を介して入力される制御電圧Vcにて、LC並列共振回路86、87内のコイルや、LC並列共振回路86、87に接続されたストリップライン84、85側に直流電流が流れるのを防止するために、直流遮断用のコンデンサが設けられている。
【0114】
次に、上記実施形態では、アンテナ部10、20を基台部5に組み付けるための支持部16、26は、基台部5のおもて面に突設されていて、その他端にアンテナ部10、20が固定されるものとして説明したが、支持部16、26は、
図10に示すように構成してもよい。
【0115】
すなわち、
図10に示す支持部16、26は、基台部5に突設される固定部材90と、アンテナ部10に固定される可動部材92との2つの部材にて構成されている。そして、可動部材92は、固定軸94を介して、固定部材90に対し回動可能に設けられている。また、可動部材92には、固定軸94を中心とする円弧状の長孔96が形成されており、その長孔96には、固定部材90のねじ孔に螺合されたねじ98が挿通されている。
【0116】
従って、
図10に示す支持部16、26は、それぞれ、ねじ98の締め付けを緩めることで、可動部材92を、固定軸94を中心に回動でき、ねじ98を締め付けることで、可動部材92を固定部材90に所定角度で固定できることになる。
【0117】
このため、
図10に示す支持部16、26を使って、アンテナ部10、20を基台部5に固定するようにすれば、基台部5に対するアンテナ部10、20の傾斜角度αを変更できるようになり、これによって、可変移相器40による移相量を零にしたときのアンテナ装置2の放射方向(基準方向)を任意に設定することが可能となる。
【0118】
よって、アンテナ装置2の設置後、電波の放射方向の調整作業をより簡単に行うことができるようになり、アンテナ装置の使い勝手を向上できる。
次に、上記実施形態では、アンテナ部10、20には、それぞれ、2つのパッチアンテナ12、14及び22、24を設け、これら各パッチアンテナ12、14及び22、24からの受信信号を同相で合成することにより、各アンテナ部10、20からの受信信号として取り込むようにした。
【0119】
これは、アンテナ部10、20のゲインを高めるためであり、アンテナ部10、20は、それぞれ、1つのアンテナ素子にて構成してもよい。
また、上記実施形態では、アンテナ装置2は、2つのアンテナ部10、20を備え、アンテナ部10からの信号経路37に可変移相器40を設けて、その信号経路37を流れる信号の位相を調整できるようにすることで、アンテナ装置2からの電波の放射方向(合成放射方向)を可変できるようにしたが、アンテナ装置2に設けるアンテナ部は3個以上であってもよい。
【0120】
また、可変移相器は、アンテナ装置2を構成する全てのアンテナ部からの信号経路に設けるようにしてもよく、或いは、アンテナ装置2を構成する一部のアンテナ部の信号経路に設けるようにしてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、アンテナ装置2を構成するアンテナ部10、20は、それぞれ、異なる基板を用いて構成された平面アンテナにて構成するものとして説明したが、アンテナ装置を構成する複数のアンテナ部は、同一基板上に形成された平面アンテナにて構成するようにしてもよい。
【0122】
また、複数のアンテナ部は、必ずしも平面アンテナにて構成する必要はなく、例えば、放射器に対し導波器又は反射器(若しくはその両方)を設けたアンテナにて構成してもよい。つまり、アンテナ部は、指向性を有するものであればよい。