特許第6546402号(P6546402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6546402消防ホース巻機および消防ホースの巻取り方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546402
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】消防ホース巻機および消防ホースの巻取り方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 33/00 20060101AFI20190705BHJP
   A62C 27/00 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
   A62C33/00 A
   A62C27/00 508
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-24564(P2015-24564)
(22)【出願日】2015年2月10日
(65)【公開番号】特開2016-146896(P2016-146896A)
(43)【公開日】2016年8月18日
【審査請求日】2018年1月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】515037645
【氏名又は名称】有限会社くらや
(74)【代理人】
【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建
(74)【代理人】
【識別番号】100136216
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 道治
【審査官】 小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−013264(JP,A)
【文献】 特開平09−192254(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0252363(US,A1)
【文献】 特開2014−204781(JP,A)
【文献】 特開2006−021848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 33/00
A62C 27/00
B65H 75/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端と他端を有する回転軸の該一端に、アームとこれに略直角な把持部とからなる固定ハンドルの該アームを、該回転軸と該把持部とが該アームを隔てて平行となるように固定し、該回転軸との間に消防用ホースを短手方向に挟持する巻取り軸を該回転軸に平行となるように併設した巻取り用ハンドル軸体と、
前記巻取り用ハンドル軸体を回転自在に支持する本体と、を備え
前記本体に支持させた前記巻取り用ハンドル軸体に消防用ホースを挟持させて、該巻取り用ハンドル軸体の把持部を回転軸の回りに旋回させることにより、該消防用ホースを長手方向に巻き取る消防ホース巻機において、
前記巻取り用ハンドル軸体は、
前記回転軸の他端に、アームとこれに略直角な把持部とからなる補助ハンドルを、該把持部が該アームを隔てて該回転軸と平行となるように装着可能であり、
前記本体は、
4本の鉛直フレームの各上端を天井部水平フレームの手前端と前方端で2本ずつ左右対称に連結したフレーム本体であり、
前記フレーム本体は、
平行な2枚の第1アーム板と第2アーム板を吊下げ支持板の両端から下方に突出させた逆U字型で、前記巻取り用ハンドル軸体の回転軸を着脱自在に嵌合するための切欠きを各々第1アーム板と第2アーム板に設けた巻取り制御機を、前記天井部水平フレームから、水平方向に回動自在に懸吊した消防ホース巻機であって、
前記固定ハンドルおよび前記回転軸の他端に装着した前記補助ハンドルを旋回させて消防用ホースを長手方向に手前から前方へ巻き取る際に、前記巻取り制御機を水平方向に回動させることにより、消防用ホースの捩れを解消し得ることを特徴とする消防ホース巻機。
【請求項2】
前記フレーム本体は、
2本の鉛直フレームの上端を上端部横フレームで連結させた2つの同形のフレーム枠L、フレーム枠R(以下、「フレーム枠L、R」のようにも記載する)を、それぞれの上端部横フレームL、Rの手前側と前方側に蝶番を取り付けて回動可能に連結させ、
前記天井部水平フレームを前記上端部横フレームL、R及び前記蝶番により構成して、フレーム枠L、Rを左右方向に開閉可能とした、請求項1に記載の消防ホース巻機。
【請求項3】
前記連結フレーム本体の2つの同形のフレーム枠L、Rにおいて、手前側と前方側のそれぞれ2本の鉛直フレームの下方を下方横フレームとで連結させた、請求項2に記載の消防ホース巻機。
【請求項4】
前記鉛直フレームの下端に車輪を設け、前方に進行しながら消防用ホースを長手方向に巻き取り得る、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の消防ホース巻機。
【請求項5】
前記巻取り制御機に、前記巻取り用ハンドル軸体の回転軸を嵌合させるための切欠きを設けた、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の消防ホース巻機。
【請求項6】
前記補助ハンドルは、前記巻取り用ハンドル軸体の前記回転軸の他端に、着脱自在に装着し得る、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の消防ホース巻機。
【請求項7】
前記補助ハンドルは、前記巻取り用ハンドル軸体の前記回転軸の他端に、伸縮自在に接続した、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の消防ホース巻機。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の消防ホース巻機を準備するステップと、
前記巻取り用ハンドル軸体に、展張した消防用ホースを短手方向に挟持させるステップと、
前記展張した消防用ホースの長手方向を前方方向にして、前方の2本の鉛直フレーム間に該消防用ホースが位置されるように前記本体を配置するステップと、
前記展張した消防用ホースに捩れがなければ、前記固定ハンドルおよび前記補助ハンドルを同方向に旋回させて、前記巻取り用ハンドル軸体の周りに消防用ホースを長手方向に巻き取るステップと、
前記展張した消防用ホースが左又は右に180度の捩れが有れば、前記巻取り制御機を右又は左方向に水平に180度回動させるステップと、
前記巻き取るステップと前記回動させるステップを繰り返して、前記展張した消防用ホースを前記巻取り用ハンドル軸体の周りに巻き取るステップと、
前記巻取り用ハンドル軸体の他端から、前記補助ハンドルを取外すステップと、
前記巻取り用ハンドル軸体から前記巻き上げた消防用ホースを取外すステップと、
を含む、消防ホースの巻取り方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防ホースの曲りや捩れを解消しながらこれを巻き取り得る消防ホース巻機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、消防ホースは火災現場に向かってスムーズに展張できるように二重巻きにして消防車両に搭載される他、倉庫等に保管、管理される。火災現場で使用され、展張された消防ホースは、消防車両に搭載して持ち帰るために、混乱した火災現場で再び二重巻きに巻き直す必要がある。あるいは防火訓練などで使用された場合も、保管・管理のため巻き直さなければならない。
【0003】
この消防ホースの巻き直しは容易ではなく、簡易な消防ホース巻機を用いて、「巻き手」と「支え手」の二人で行う場合が多い。通常の重くて長い消防ホースを二重巻きに巻き直すためには、かなりの訓練と経験が必要とされる。また、現実の火事現場では、多くの物が散乱していたり、地形が複雑であったりするなど、訓練時より劣悪な条件下で、消防ホースを巻き直すことが要求される。消火直後の消防ホースは水を含んで重量化し、消火作業中に曲りや捩れが加わり、火事現場での巻取り作業は訓練時とは格段に困難な作業となる。
【0004】
このように困難な消防ホースの巻き直し作業を容易化するために、多くの消防ホース巻取装置が提案されているが、大掛かりで持ち運び困難なものも多く、これらの大型の消防ホース巻取装置は、混乱した火災現場での消防ホースの巻き直し作業には使用できない。
【0005】
一方、従来の簡易な消防ホース巻取装置は、例えば特許文献1、2に記載されているように、地面に設置する支持本体に軸心が水平となる円板を回転可能に取付け、この円盤の前面に、円板の回転軸心上に位置して円板の全面から所定長さ突出する回転軸と、回転軸との間に消防用ホースが挟まる間隔を設けた偏心位置に巻取り用ハンドル軸体を平行状態で突設し、前記円板を回転軸の後端に取付けたハンドルで回転させる構造になっている。
【0006】
このような消防ホース巻装置により消防ホースを巻き取るには、消防ホースの長さ方向の中心部を回転軸と巻取り用ハンドル軸体の間に挿入し、ハンドルで円板を回転させると、回転軸の回りを巻取り用ハンドル軸体が旋回することで、消防ホースの長さ方向の中心部が巻取り用ハンドル軸体で二つ折りとなりながら中心軸の周囲に巻かれていき、消防ホースの両端側が順次引き込まれることでロール状の巻き姿になり、巻き上がった消防ホースは、中心軸と巻取り用ハンドル軸体から抜き取るようにする。
【0007】
しかし、上述のように、現実の火事現場では、多くの物が散乱していたり、地形が複雑であったりするなど、訓練時より劣悪な条件下で、消防ホースを巻き直すことが要求される。消火直後の消防ホースは水を含んで重量化し、消火作業中に曲りや捩れが加わり、火事現場での巻取り作業は訓練時とは格段に困難な作業となる。従って、従来の簡易な消防ホース巻取装置を用いて巻取りを容易化しても、迅速・確実に二重巻きに巻き直すには、「巻き手」の他に、消防ホースの曲りや捩れを取り除いてホースを直線状に戻す「支え手」を必要とした。ただ、「支え手」を擁しても、消火作業直後の、水を含んで重くなった消防ホースの複雑な曲りや捩れを解消するのは重労働である。
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3155856号公報
【特許文献2】特開2003−192240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、一人であっても消防ホースの曲りや捩れを解消しながら当該消防ホースを巻き取ることができる、持ち運び可能な簡易な消防ホース巻機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る消防ホース巻機は、回転軸の一端に固定ハンドルを一体化し、該回転軸との間に消防用ホースを挟持する巻取り軸を該回転軸と平行に立設した巻取り用ハンドル軸体と、上記回転軸を回転自在に支持する本体と、を備え、上記本体に支持させた上記巻取り用ハンドル軸体に消防用ホースを挟持させて、上記固定ハンドルを上記回転軸の回りに旋回させることにより、該消防用ホースを長手方向に巻き取る消防ホース巻機において、上記本体は、複数の鉛直フレームの上端に支持された天井部水平フレームを有し、上記回転軸の他端に補助ハンドルを装着し、上記本体の天井部水平フレームから、上記巻取り用ハンドル軸体の回転軸を水平に着脱自在な逆U字型の巻取り制御機を、水平方向に回動自在に懸吊した消防ホース巻機であって、上記固定ハンドルおよび上記補助ハンドルを旋回させて消防用ホースを長手方向に巻き取る際に、上記巻取り制御機を水平方向に回動させることにより、消防用ホースの捩れを解消し得ることを特徴とする。
【0011】
なお、説明の便宜のため、以下本明細書及び特許請求の範囲、図面、要約書において、本発明に係る消防ホース巻機の使用者は、使用者の前方に消防ホース巻機を設置し、消防ホース巻機の前方長手方向に展張した消防ホースを巻き取るものとし、使用者を基準に、本発明の消防ホース巻機から手前側方向を「手前」と、その反対方向を「前方」と、また、「前方」に向かって左右方向を各々「左」、「右」と呼ぶものとする。
【0012】
本発明に係る消防ホース巻機は、一端と他端を有する回転軸の該一端に、アームとこれに略直角な把持部とからなる固定ハンドルの該アームを、該回転軸と該把持部とが該アームを隔てて平行となるように固定し、該回転軸との間に消防用ホースを短手方向に挟持する巻取り軸を該回転軸に平行となるように併設した巻取り用ハンドル軸体と、上記巻取り用ハンドル軸体を回転自在に支持する本体と、を備え、上記本体に支持させた上記巻取り用ハンドル軸体に消防用ホースを挟持させて、該巻取り用ハンドル軸体の把持部を回転軸の回りに旋回させることにより、該消防用ホースを長手方向に巻き取る消防ホース巻機において、上記巻取り用ハンドル軸体は、上記回転軸の他端に、アームとこれに略直角な把持部とからなる補助ハンドルを、該把持部が該アームを隔てて該回転軸と平行となるように装着可能であり、上記本体は、4本の鉛直フレームの各上端を天井部水平フレームの手前端と前方端で2本ずつ左右対称に連結したフレーム本体であり、上記フレーム本体は、
平行な2枚の第1アーム板と第2アーム板を吊下げ支持板の両端から下方に突出させた逆U字型で、前記巻取り用ハンドル軸体の回転軸を着脱自在に嵌合するための切欠きを各々第1アーム板と第2アーム板に設けた巻取り制御機を、前記天井部水平フレームから、水平方向に回動自在に懸吊した消防ホース巻機であって、
前記固定ハンドルおよび前記回転軸の他端に装着した前記補助ハンドルを旋回させて消防用ホースを長手方向に手前から前方へ巻き取る際に、前記巻取り制御機を水平方向に回動させることにより、消防用ホースの捩れを解消し得ることを特徴とする
【0013】
本発明に係る消防ホース巻機は、上記フレーム本体は、2本の鉛直フレームの上端を上端部横フレームで連結させた2つの同形のフレーム枠L、フレーム枠R(以下、「フレーム枠L、R」のようにも記載する)を、それぞれの上端部横フレームL、Rの手前側と前方側に蝶番を取り付けて回動可能に連結させ、上記天井部水平フレームを上記上端部横フレームL、R及び上記蝶番により構成して、フレーム枠L、Rを左右方向に開閉可能とした。
【0014】
本発明に係る消防ホース巻機は、上記連結フレーム本体の2つの同形のフレーム枠L、Rにおいて、手前側と前方側のそれぞれ2本の鉛直フレームの下方を下方横フレームとで連結させた。
【0015】
本発明に係る消防ホース巻機は、上記下方横フレームは上記鉛直フレームに着脱可能である。
【0016】
本発明に係る消防ホース巻機は、上記鉛直フレームの下端に車輪を設け、前方に進行しながら消防用ホースを長手方向に巻き取り得る。
【0017】
本発明に係る消防ホース巻機は、前記巻取り制御機に、前記巻取り用ハンドル軸体の回転軸を嵌合させるための切欠きを設けた。
【0018】
本発明に係る消防ホース巻機において、前記補助ハンドルは、前記巻取り用ハンドル軸体の前記回転軸の他端に、着脱自在に装着し得る。
【0019】
本発明に係る消防ホース巻機において、前記補助ハンドルは、前記巻取り用ハンドル軸体の前記回転軸の他端に、伸縮自在に接続してもよい。
【0020】
本発明に係る消防ホースの巻取り方法は、
(ステップ1)消防ホース巻機1を準備するステップと、
(ステップ2)巻取り用ハンドル軸体20に、展張した消防用ホース100を短手方向に挟持させるステップと、
(ステップ3)上記展張した消防用ホース100の長手方向を前方方向にして、前方の2本の鉛直フレーム54L、54R間に該消防用ホースが位置されるようにフレーム本体50を配置するステップと、
(ステップ4)上記展張した消防用ホース100に捩れがなければ、固定ハンドル30および補助ハンドル40を同方向に旋回させて、巻取り用ハンドル軸体20の周りに消防用ホース100を長手方向に巻き取るステップと、
(ステップ5)上記展張した消防用ホース100が左又は右に180度の捩れが有れば、巻取り制御機10を右又は左方向に水平に180度回動させるステップと、
(ステップ6)ステップ4の巻き取るステップとステップ5の回動させるステップを繰り返して、上記展張した消防用ホース100を巻取り用ハンドル軸体20の周りに巻き取るステップと、
(ステップ7)巻取り用ハンドル軸体20の他端222から、補助ハンドル40を取外すステップと、
(ステップ8)巻取り用ハンドル軸体20から巻き上げた消防用ホース100を取外すステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る消防ホース巻機は、巻取り制御機を水平方向に回転させることにより、消防ホースの曲りや捩れを取り除きながら消防ホースを巻き取ることができる。消火現場のような複雑な環境、地形、作業条件等の厳しい条件の中では、消防ホースは複雑に捩れたり曲がったりしているが、本発明の消防ホース巻機を用いれば、1人でも容易に消防ホースを巻き取ることができる。
【0022】
例えば、消火直後に消防用ホースが左右に曲がりくねって展張していても、本発明に係る消防ホース巻機を用いれば、逆U字型の巻取り制御機を左右に回動させることにより、消防用ホースを綺麗な環状に巻き取ることができる。また、巻取り作業に伴い、消防用ホース内に残存している水を排水することもできる。
【0023】
また、消防用ホースが左右に捩れて展張していても、本発明に係る消防ホース巻機を用いれば、逆U字型の巻取り制御機を左右に180度回動させることにより、それぞれ右180度捩れと左180度捩れを解消することができる。言い換えれば、巻取り制御機を左右に180度回動させれば、左右へ捩れて裏返った消防用ホースであっても、裏返りを解消して巻き取ることができる。さらに、消防用ホースが複雑に左右に回転するように捩れて展張していても、逆U字型の巻取り制御機を適宜左右に360度回動させることにより、これらの回転捩れを順次解消して消防ホースを正常に環状に巻き取ることができる。
【0024】
本発明の消防ホース巻機を用いた巻き取りは、巻取り用ハンドル軸体の回転軸と巻取り軸との間に消防用ホースを挟持して、固定ハンドルおよび補助ハンドルを回転軸の回りに旋回させることにより行う。この消防用ホースの巻き取り方は、いわゆる一重巻・二重巻どちらでも対応することができる。
【0025】
すなわち、消防用ホースを一重巻に巻き取る場合は、回転軸と巻取り軸との間に消防用ホースを短手方向(幅方向)に挟持し、消防用ホースの端に取付けられた継手を回転軸と巻取り軸に引掛けることにより、消防用ホースを一重巻に巻き取ることができる。巻取り軸に掛ける継手は、雄継手でも雌継手であってもよい。
【0026】
また、消防用ホースを二重巻に巻き取る場合は、消防用ホースを半分に折り曲げて、その折り目を巻取り軸に掛けるようにして回転軸と巻取り軸との間に消防用ホースを挟持し、ハンドルを旋回させて消防用ホースを二重巻に巻き取ることができる。
【0027】
また、フレーム本体の鉛直フレームの下端に車輪を取り付けることにより、自由に移動させることができるため、前方に展張した消防用ホースの方向に前進させながら、より迅速に消防用ホースを巻き取ることが可能である。
【0028】
巻取り終えた消防用ホースは、巻取り用ハンドル軸体の他端から補助ハンドルを取外し、続いて巻取り用ハンドル軸体から巻き上げた消防用ホースを取外すことにより、環状に巻き上がった状態で本発明の消防ホース巻機から容易に離脱させることができる。
【0029】
発明に係る消防ホース巻機は、本体から逆U字型の巻取り制御機を取り外して分解し、本体を折り畳んでコンパクト化することができ、消防車等の狭い空間に容易に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る消防ホース巻機の斜視図。
図2】本発明に係る消防ホース巻機の平面図。
図3】本発明に係る消防ホース巻機の消防ホースの巻取り方法を示す側面拡大図。
図4】本発明に係る消防ホース巻機の巻取り用ハンドル軸体部分の正面拡大図。
図5】(a)(b)本発明に係る消防ホース巻機の巻取り用ハンドル軸体の分解図、(c)本発明に係る消防ホース巻機の巻取り用ハンドル軸体の状態遷移図。
図6】本発明に係る消防ホース巻機の逆U字型の巻取り制御機と巻取り用ハンドル軸体の組立図。
図7】右捩れ消防ホースの巻取り方法を示す、本発明に係る消防ホースの逆U字型の巻取り制御機の平面模式図であり、それぞれ左図から右図へ、(a)前方右側からの右捩れ消防ホースの場合、(b)前方右側からの右捩れ消防ホースの場合、における本発明に係る消防ホースの巻取り方法を示す状態遷移図。
図8】左捩れ消防ホースの巻取り方法を示す、本発明に係る消防ホースの逆U字型の巻取り制御機の平面模式図であり、それぞれ左図から右図へ、(a)前方左側からの左捩れ消防ホースの場合、(b)前方左側からの左捩れ消防ホースの場合、における本発明に係る消防ホースの巻取り方法を示す状態遷移図。
図9】捩れて回転が生じた(左捩れ一回転)消防ホースの巻取り方法を示す、本発明に係る消防ホースの逆U字型の巻取り制御機の平面模式図であり、左図から右図へ、本発明に係る消防ホースの巻取り方法を示す状態遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明に係る消防ホース巻機の実施形態について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
1.本発明に係る消防ホース巻機の構成
【0032】
図1に示す本発明に係る消防ホース巻機1は、図5に示すように回転軸22の一端に固定ハンドル30を一体化し、回転軸22との間に消防用ホース100を挟持する巻取り軸24を、回転軸22と平行に立設した巻取り用ハンドル軸体20と、回転軸22を回転自在に支持する本体50(図1参照)と、を備え、図1のように本体50に支持させた巻取り用ハンドル軸体20に消防用ホース100を挟持させて、固定ハンドル30を回転軸22の回りに旋回させることにより(図4参照)、消防用ホース100を長手方向に巻き取る消防ホース巻機1である(図3参照)。
【0033】
上述のように、本発明に係る消防ホース巻機1の使用者は、使用者の前方に消防ホース巻機1を設置し、消防ホース巻機1の前方に、略長手方向に展張した消防ホース100を巻き取るものとし、使用者を基準に、消防ホース巻機1から手前側方向を「手前」と、その反対の消防ホース100が展張する方向を「前方」と、また、使用者が「前方」に向かって左右の方向を各々「左」、「右」と呼ぶ。
【0034】
図1に示す本発明の消防ホース巻機1において、本体50は、複数の鉛直フレーム52(52L、52R)、54(54L、54R)の上端に支持された天井部水平フレーム60を有する。そして、回転軸22の他端222に、例えば図5(a)や図5(b)のように、着脱可能な補助ハンドル40(図4参照)を装着し、本体50の天井部水平フレーム60から、巻取り用ハンドル軸体20の回転軸22を水平に着脱自在な逆U字型の巻取り制御機10を、水平方向に回動自在に懸吊する。
【0035】
本発明の消防ホース巻機1は、図3のように固定ハンドル20および補助ハンドル40を旋回させて消防用ホース100を長手方向に巻き取る際に、図2に示すように巻取り制御機10を水平方向に回動させることにより、下記の実施例で説明するように、消防用ホース100の捩れを解消し得ることを特徴とする。
【0036】
以下、本発明の消防ホース巻機1の構成について、さらに詳しく説明する。
【0037】
本発明の消防ホース巻機1において、巻取り用ハンドル軸体20は図6下方に示すように、一端221と他端222を有する回転軸22の一端221に、アーム34とこれに略直角な把持部32とからなる固定ハンドル30のアーム34を、回転軸22と把持部32とがアーム34を隔てて平行となるように固定し、回転軸22との間に消防用ホースを短手方向(幅方向)に挟持する巻取り軸24を回転軸22に平行となるように併設する。固定ハンドル30のアーム34は、回転軸22の一端221に溶接などで固定してもよいが、固定ハンドル30と回転軸22とを一体成型してもよい。
【0038】
また、図4図5(a)に示すように、巻取り用ハンドル軸体20は、回転軸22の他端222に、アーム44とこれに略直角な把持部42とからなる補助ハンドル40を、当該把持部42が当該アーム44を隔てて回転軸22と平行となるように装着する。
【0039】
上記図5(a)のように、補助ハンドル40は、例えば他端222に設けた螺子穴に、補助ハンドル40のアーム44に開口した接続口46を貫通させた接続螺子48を螺合させたり、あるいは図5(b)のように、他端222の凸部にアーム44の凹部を嵌合させて着脱自在に装着する。あるいは、補助ハンドル40は、図5(c)のように、回転軸22の他端222に伸縮自在に接続してもよく、巻取り用ハンドル軸体20の回りに巻き上げた消防ホース100を、他端222側から取り外せる機構であれば、補助ハンドル40の構成や装着方法は限定されない。
【0040】
このような巻取り用ハンドル軸体20を回転自在に支持する本体50は、例えば図1のような、4本の鉛直フレーム52L、52R、54L、54Rの各上端を、天井部水平フレーム60の手前端と前方端で2本ずつ左右対称に連結したフレーム本体50である。消防ホースを巻き取る際は、前方の鉛直フレーム54L、54R間に消防ホースを挟み、消防ホースが前方に長手方向に展張するように、消防ホース巻機1の配置を調整するのが好ましい。
【0041】
図1においてフレーム本体50は、2本の鉛直フレーム52L、54Lの上端を上端部横フレーム60Lで連結させたフレーム枠50Lと、これと同形の本の鉛直フレーム52R、54Rの上端を上端部横フレーム60Rで連結させたフレーム枠50R(以下、「フレーム枠50L、50R」のようにも記載する)から構成されている。
【0042】
すなわち、図1に示すフレーム本体50は、それぞれのフレーム枠50L、50Rの上端部横フレーム60L、60Rの手前側と前方側に蝶番56、57を取り付けて、フレーム枠50L、50Rとを回動可能に連結させ、天井部水平フレーム60を上端部横フレーム60L、60R及び蝶番56、57により構成して、フレーム枠50Lと50Rを左右方向に開閉可能とした。これにより、フレーム本体50をコンパクトに畳んで、消防車両の狭い隙間にでも収納することが可能になる。
【0043】
このようなフレーム本体50は、上記のように、天井部水平フレーム60から、図6に示す巻取り用ハンドル軸体20の回転軸22を水平に着脱自在な逆U字型の巻取り制御機10を、水平方向に回動自在に懸吊する。例えば、図1のように、吊下げ支持板16の下側から、下端に抑え部があるボルト19を貫通させ、これを上端部横フレーム60Lと上端部横フレーム60R間を通して、ボルト19の先端に設けた螺子にナット18を螺合させる。上端部横フレーム60Lと上端部横フレーム60R上に載置した金属板に、上記螺合によりナット18を固定することができる。そして、逆U字型の巻取り制御機10の吊下げ支持板16は、ボルト19の下端に設けた抑え部により支持され、吊下げ支持板16をフレーム本体50に対して水平方向に回動自由にすることができる。このように、巻取り制御機10を水平方向に回動自在に天井部水平フレーム60から懸吊することができるが、その懸吊方法は上記実施例に限定されず、巻取り制御機10を天井部水平フレーム60から水平方向に回動自由に懸吊できるあらゆる公知の懸吊方法を選択可能である。
【0044】
なお、連結フレーム本体の2つの同形のフレーム枠L、Rにおいて、手前側と前方側のそれぞれ2本の鉛直フレーム52L、R間と54L、R間を、それぞれ下方横フレーム58、59で連結させ、連結フレーム本体の安定を図ってもよい。なお、コンパクト化を可能とするため、下方横フレーム58、59は、鉛直フレーム52L、R間と54L、R間に着脱可能とするのが好ましい。
【0045】
さらに、鉛直フレーム52L、R、及び鉛直フレーム54L、Rの下端にそれぞれ車輪を設け、消防ホース巻機1を前方に進行しながら消防用ホースを長手方向に巻き取るようにしてもよい。このように、フレーム本体50の鉛直フレーム52L、R、及び54L、Rの下端に車輪を取り付けることにより、消防ホース巻機1を自由に移動させることができるため、前方に展張させた消防用ホース100の方向にフレーム本体50を前進させながら、より迅速に消防用ホース100を巻き取ることが可能となる。
【0046】
上記巻取り制御機10は、図6に示すように、平行な2枚の第1アーム板12と第2アーム板14を吊下げ支持板16の両端から下方に突出させた逆U字型である。第1アーム板12と第2アーム板14は、巻取り用ハンドル軸体20の回転軸22を水平方向に着脱自在に嵌合するための切欠き121、141を設けている。
【0047】
回転軸22を、第1アーム板12と第2アーム板14に設けた切欠き121、141に嵌合させたときに、巻取り用ハンドル軸体20が回転作業中に左右にぶれないように、回転軸22の両端221と222付近に、第1アーム板12と第2アーム板14間の幅に合わせたブレ抑止板231、232を設けるのが好ましい。
【0048】
本発明の消防ホース巻機1は、図1のように、巻取り制御機10を天井部水平フレーム60から水平方向に回動自在に懸吊し、巻取り用ハンドル軸体10の回転軸22と巻取り軸24との間に消防用ホース100を挟持させる。
【0049】
このようにして、本発明の消防ホース巻機1は、巻取り用ハンドル軸体20の把持部32、42(図5参照)を回転軸22の回りに旋回させることにより、消防用ホース100を長手方向に巻き取る際に、図2に示すように巻取り制御機10を水平方向に回動させることにより(図1図3参照)、消防用ホース100の捩れを解消し得ることを特徴とする。
【0050】
以下、本発明に係る消防ホース巻機1を用いて、如何に消防用ホース100の捩れを解消し、これを迅速かつスムーズに環状に巻き上げることができるか、消防ホース巻機1の使用方法について説明する。

2.本発明に係る消防ホース巻機の使用方法
【0051】
次に、本発明に係る消防ホース巻機1を使用して、展張した消防ホース100を環状に巻き取る方法について説明する。
【0052】
本発明に係る消防ホースの巻取り方法は、
(ステップ1)消防ホース巻機1を準備するステップと、
(ステップ2)巻取り用ハンドル軸体20に、展張した消防用ホース100を短手方向に挟持させるステップと、
(ステップ3)上記展張した消防用ホース100の長手方向を前方方向にして、前方の2本の鉛直フレーム54L、54R間に該消防用ホースが位置されるようにフレーム本体50を配置するステップと、
(ステップ4)上記展張した消防用ホース100に捩れがなければ、固定ハンドル30および補助ハンドル40を同方向に旋回させて、巻取り用ハンドル軸体20の周りに消防用ホース100を長手方向に巻き取るステップと、
(ステップ5)上記展張した消防用ホース100が左又は右に180度の捩れが有れば、巻取り制御機10を右又は左方向に水平に180度回動させるステップと、
(ステップ6)ステップ4の巻き取るステップとステップ5の回動させるステップを繰り返して、上記展張した消防用ホース100を巻取り用ハンドル軸体20の周りに巻き取るステップと、
(ステップ7)巻取り用ハンドル軸体20の他端222から、補助ハンドル40を取外すステップと、
(ステップ8)巻取り用ハンドル軸体20から巻き上げた消防用ホース100を取外すステップと、
を含む。
【0053】
以下、本発明に係る消防ホース巻機1を使用して、展張した消防ホース100を環状に巻き取る方法を、実施例を用いて説明する。以下の実施例において、展張した消防用ホース100の長手方向を前方方向にして、前方の2本の鉛直フレーム54L、54R間に該消防用ホースが位置されるようにフレーム本体50を配置しており、固定ハンドル30および補助ハンドル40を同方向に旋回させて、巻取り用ハンドル軸体20の周りに消防用ホース100を長手方向に巻き取るものとする。なお、以下に用いる図7(a)、(b)、および図8(a)、(b)においては、それぞれ左側の図が巻取り制御機10を回動する前の始状態(消防用ホース100が180度捩れている状態)、右側の図が巻取り制御機10を回動した後の終状態(消防用ホース100の180度捩れが解消した状態)を表し、始状態において、消防用ホース100の表側を上にして巻取り用ハンドル軸体20の周りに巻き取っているものとする。
【実施例1】
【0054】
右捩れの解消方法1
図7(a)左図(始状態)において、消防用ホース100は、前方右端から右捩れを生じて、前方左方で裏返し状態になっている。この右捩れを解消するために、巻取り制御機10を180度左回転すると右捩れは解消し、消防用ホース100の裏側が前方に直線状に展張する(終状態;図7(a)右図)。巻取り制御機10の180度左回転により、固定ハンドル30の補助ハンドル40の位置は左右反転し、始状態と反対方向に固定ハンドル30の補助ハンドル40を回転軸22の回りに旋回させて消防用ホース100を巻き取っていくことができる。
【実施例2】
【0055】
右捩れの解消方法2
図7(b)左図(始状態)においては、消防用ホース100は、実施例1とは反対に前方左端から右捩れを生じて、前方右方で裏返し状態になっている。この右捩れを解消するためには、実施例1と同様に、巻取り制御機10を180度左回転すると右捩れは解消し、消防用ホース100の裏側が前方に直線状に展張する(終状態;図7(b)右図)。実施例1と同様に、巻取り制御機10の180度左回転により固定ハンドル30の補助ハンドル40の位置は左右反転し、始状態と反対方向に固定ハンドル30の補助ハンドル40を回転軸22の回りに旋回させて消防用ホース100を巻き取っていくことができる。
【実施例3】
【0056】
左捩れの解消方法1
図8(a)左図(始状態)において、消防用ホース100は、前方左端から左捩れを生じて、前方右方で裏返し状態になっている。この左捩れを解消するために、巻取り制御機10を180度右回転すると左捩れは解消し、消防用ホース100の裏側が前方に直線状に展張する(終状態;図8(a)右図)。巻取り制御機10の180度右回転により、固定ハンドル30の補助ハンドル40の位置は左右反転し、始状態と反対方向に固定ハンドル30の補助ハンドル40を回転軸22の回りに旋回させて消防用ホース100を巻き取っていくことができる。
【実施例4】
【0057】
左捩れの解消方法2
図8(b)左図(始状態)においては、消防用ホース100は、実施例3とは反対に前方右端から左捩れを生じて、前方左方で裏返し状態になっている。この左捩れを解消するためには、実施例3と同様に、巻取り制御機10を180度右回転すると左捩れは解消し、消防用ホース100の裏側が前方に直線状に展張する(終状態;図8(b)右図)。実施例3と同様に、巻取り制御機10の180度右回転により固定ハンドル30の補助ハンドル40の位置は左右反転し、始状態と反対方向に固定ハンドル30の補助ハンドル40を回転軸22の回りに旋回させて消防用ホース100を巻き取っていくことができる。
【実施例5】
【0058】
回転の解消方法
図9左図(始状態)においては、消防用ホース100は、実施例4と同様に前方右端から左捩れを生じて前方左方で裏返し状態になり、更に消防用ホース100に沿って前方で、実施例3と同様に前方左端から左捩れを生じて前方右方で表返し状態になっている。したがって、この消防用ホース100は、消防ホース巻機1の前方で、左捩れで一回転している状態である。この左捩れを解消するためには、実施例4及び実施例3の手順を連続して行えばよい。
【0059】
すなわち、まず、実施例4と同様に巻取り制御機10を180度右回転すると左180度捩れは解消し、更に実施例3と同様に巻取り制御機10を180度右回転すると次の左180度捩れは解消し、消防用ホース100の裏側が前方に直線状に展張する(終状態;図9右図)。したがって、消防用ホース100が左捩れで一回転している状態は、巻取り制御機10を360度右回転することにより、即ち、巻取り制御機10を右方向に一回転することにより解消することができる。
【0060】
同じように、消防用ホース100が右捩れで一回転している状態は、巻取り制御機10を左方向に一回転することにより解消することができる。
【0061】
以上のように、実施例1〜4に記載した巻取り制御機10の左右180度の回動の手順により、消防用ホース100の左右180度の捩れ、いわゆる「裏返し」(又は「表返し」)は、全て解消することができる。また、消防用ホース100が回転している状態は、上記のような所謂「裏返し」(又は「表返し」)が連続した状態であるので、実施例5で示したように、やはり実施例1〜4に記載した巻取り制御機10の左右180度の回動の手順の組み合わせにより解消することができる。
【0062】
以上より、上記本発明に係る消防ホースの巻取り方法を用いれば、火災現場で消火直後の複雑に捩れたり曲がったりした消防ホースであっても、一人で消防ホース巻機1を使用して、消防ホースを容易に環状に巻き取ることができる。
【0063】
以上、本発明に係る消防ホース巻機、及びその使用方法について実施形態、実施例を用いて説明したが、本発明に係る消防ホース巻機は上記実施形態等に限定されるものではない。上記実施形態では、フレーム本体をフレーム枠を回動可能に蝶番で連結させて開閉可能としたが、搭載車両の必要に応じて、その形状、構造を適宜変化させて良い。
【0064】
また、本発明に係る消防ホース巻機は、鉄などの金属を材料として用いるが、その材質は燃えにくければ特に限定されず、必要に応じてその材質は適宜選択することができる。さらに、本発明の消防ホース巻機は、市販の素材を有効に使用して構成できるため、どのような修理にも容易に対応することができる。
【0065】
さらに、本発明に係る消防ホース巻機において、巻取り制御機の第1アーム板と第2アーム板間の幅を調整可能とすることにより、様々な幅の一般的に使用される消防ホース全てに対応することができ、これを環状に巻き取ることができる。
【0066】
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る消防ホース巻機は、消防車等に搭載され、災害現場等で放水を伴い利用される。消防団の消火練習の際に利用することもできる。複雑な地形・環境・作業条件等の厳しい現場でも、本発明に係る消防ホース巻機を用いて、消防ホースを容易に巻き取ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1: 本発明に係る消防ホース巻機
10:(逆U字型)巻取り制御機
12、14:第1アーム板、第2アーム板
16:吊下げ支持板
18:ナット
19:ボルト
121、141:(第1、第2)切欠き
20:巻取り用ハンドル軸体
22:回転軸
221、222:一端、他端
231、232:ブレ抑止板
24:巻取り軸
30:固定ハンドル
32、42:把持部
34、44:アーム
40:補助ハンドル
46:接続口
48:接続螺子
50:本体(フレーム本体)
50L、50R:(左右)フレーム枠
52(52L、52R):(左右)手前鉛直フレーム
54(54L、54R):(左右)前方鉛直フレーム
56:手前蝶番
57:前方蝶番
58:手前下方横フレーム
59:前方下方横フレーム
60:天井部水平フレーム
60L、60R:左上端部横フレーム、右上端部横フレーム
100:消防ホース

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9