(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546412
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20190705BHJP
【FI】
A61M25/09 516
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-41456(P2015-41456)
(22)【出願日】2015年3月3日
(65)【公開番号】特開2016-158933(P2016-158933A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】坪井 勇人
(72)【発明者】
【氏名】竹本 博賢
(72)【発明者】
【氏名】清水 恵理子
【審査官】
佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−44388(JP,A)
【文献】
特開2014−204928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアシャフトと、
前記コアシャフトの先端部を被覆したコイル体と、
前記コアシャフトの先端と前記コイル体の先端とを固着し、かつ先端に向かって外径が減少する先細部を有した先端チップと、
を備えたガイドワイヤにおいて、
前記先細部は、全周にわたり凸形状を有し、先端に向かってさらに縮径する最先端部と、
前記最先端部よりも基端側の外周面に設けられている、当該外周面から窪んだ形状の複数の凹部と、
を有し、
前記凹部は、共に平面視で楕円形の第一凹部と第二凹部とを有し、前記第一凹部の長軸は、平面視で前記コアシャフトの軸線方向から第一方向に傾斜している一方、前記第二凹部の長軸は、平面視で前記コアシャフトの軸線方向から前記第一方向とは逆の第二方向に傾斜しており、
前記コアシャフトの先端は、前記先細部の最先端部に位置している
ことを特徴とするガイドワイヤ。
【請求項2】
前記凹部は複数設けられ、先端側に形成された先端側凹部と該先端側凹部よりも後端側に形成された後端側凹部とを有し、
前記後端側凹部の深さは、前記先端側凹部の深さよりも深い
請求項1に記載のガイドワイヤ。
【請求項3】
前記ガイドワイヤの先端部が、予め所定方向に曲がったプリシェイプ形状とされた構成にあって、
前記先細部の外周面は、ガイドワイヤの曲がり部分の外側と同じ側の外側領域と、内側と同じ側の内側領域とに画定されており、前記外側領域に配設されている前記凹部の配設数が、前記内側領域に配設されている前記凹部の配設数よりも多い
請求項1又は請求項2に記載のガイドワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血管や消化器官に挿入されるガイドワイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
血管や消化器官にカテーテルを挿入する際に用いるガイドワイヤは、既によく知られている。
【0003】
例えば、まずガイドワイヤを血管や消化器官に挿入して狭窄部等を通過させ、その後にガイドワイヤに沿ってカテーテルを進行させる。このように、ガイドワイヤはカテーテルを狭窄部等に導くためのガイドとして機能する。
【0004】
また、手技者は、血管や消化器官の狭窄部等にガイドワイヤを通過させる際、ガイドワイヤの先端部が狭窄部等から受ける抵抗を感じ取りながら、適切な通過経路を探索する。このとき、ガイドワイヤの先端部が狭窄部等から受ける抵抗が大きいと、その抵抗を手技者が感じ取り易くなるので、血管走行や消化器官走行が不明瞭な場合であっても適切な通過経路を探索し易くなり、結果として狭窄部等にガイドワイヤを通過させ易くなる。
【0005】
例えば特許文献1には、コアワイヤと、コアワイヤの先端部を被覆したヘリカルコイルと、コアワイヤの先端とヘリカルコイルの先端とを固着し、かつ先端に向かって外径が減少する第一表面部分及び第二表面部分を有した先端部材と、を備えたガイドワイヤが開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、ガイドワイヤの先端部が狭窄部から受ける抵抗を大きくするために、ガイドワイヤの先端部に螺旋状の溝を設けた構成が開示されている。
【0007】
また、特許文献3には、コアシャフトと、前記コアシャフトの先端に設けられた先端チップ部と前記先端チップ部の表面に設けられた複数の凸部とを備え、前記複数の凸部は、その平面視での形状が長方形または楕円形に形成されており、前記複数の凸部の長軸方向は、互いに交差する方向に設定されているガイドワイヤが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5139798号公報
【特許文献2】特開2007−89901号公報
【特許文献3】特開2014−204928号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されているガイドワイヤは、手技者がガイドワイヤを操作する際に受ける抵抗を察知し難く、狭窄部等を的確に把握することが困難であった。また、先端に向かって外径が減少する先細部を有した先端チップを備えたガイドワイヤの場合、ガイドワイヤを狭窄部等に押し込んだときに狭窄部等から受ける抵抗の変化が乏しく、ガイドワイヤの先端が狭窄部等に捕捉されたことに気付き難く、そのままガイドワイヤを押し込んでしまって先端チップが屈曲して座屈してしまうおそれがある。
【0010】
また、特許文献2に開示されているガイドワイヤは、ガイドワイヤを押し込んだときの狭窄部等からの抵抗を手技者が感じ取り易いものの、ガイドワイヤを回転させたときの狭窄部等からの抵抗を十分に感じ取ることができないという問題がある。
【0011】
さらに、特許文献3に開示されているガイドワイヤは、ガイドワイヤを押し込んだときも回転させたときも狭窄部等からの抵抗を感じ取り易いが、凸部の突出分だけ先端部の寸法が大きくなってしまい、血管や消化器官の内壁を傷つけてしまったり、他の医療デバイスの通過を邪魔してしまったりして円滑な作業が行えないおそれがあるという問題がある。
【0012】
本発明は、従来の技術が有する上述した課題に対応してなされたものであり、ガイドワイヤを押し込んだときに狭窄部等から受ける抵抗を、手技者が良好に感ずることが可能であり、かつ安全かつ円滑に狭窄部等まで到達できるガイドワイヤの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、コアシャフトと、前記コアシャフトの先端部を被覆したコイル体と、前記コアシャフトの先端と前記コイル体の先端とを固着し、かつ先端に向かって外径が減少する先細部を有した先端チップと、を備えたガイドワイヤにおいて、前記先細部の外周面には、少なくとも一つの凹部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
かかる構成にあっては、先端チップが先端に向かって外径が減少する先細部を有しているため、例えば狭窄部等に対する挿入容易性が確保されている。これと共に、前記先細部の外周面に凹部が設けられていることで、前記先端チップの表面積が従来に比して増大し、凹部内周面と狭窄部等の表面とが接触することで前記先端チップと前記狭窄部等との接触面積が増大して狭窄部等から受ける抵抗が増す。したがって、ガイドワイヤの先端の情報が手技者に一層伝達され易くなる。その結果、手技者はガイドワイヤの先端が狭窄部等に捕捉されたことに気付き易くなり、ガイドワイヤを狭窄部等内で適切な進路に誘導させることが容易となる。また、ガイドワイヤを狭窄部等内に押し込んで狭窄部等内を進行させるときに、前記凹部の内周面と狭窄部等の内周面とが接触しながら凹部の後端が狭窄部等の内周面を削り取って穿孔の径を拡大させるため、他の医療デバイスを狭窄部等内に挿入し易くなる。なお、前記先細部は、側面が直線のテーパ形状であってもよいし、側面が曲線のテーパ形状であってもよい。
【0015】
ここで、前記凹部は複数設けられ、先端側に形成された先端側凹部と該先端側凹部よりも後端側に形成された後端側凹部とを有し、前記後端側凹部の深さは、前記先端側凹部の深さよりも深いことが望ましい。
【0016】
かかる構成にあっては、ガイドワイヤが狭窄部等に到達し、そこでガイドワイヤを狭窄部等内に押し込む際に、まず先端側凹部が狭窄部等内に侵入し、その後で後端側凹部が狭窄部等内に侵入することとなる。ここで、前記後端側凹部の深さは、前記先端側凹部の深さよりも深いため、より一層確実に後端側凹部の内周面と狭窄部等の内周面とが面接触し、後端側凹部が狭窄部等内に侵入したときに狭窄部等から受ける抵抗を更に増加させることができる。したがって、ガイドワイヤの先端の情報を手技者に更に伝達させ易くすることができる。また、本構成のガイドワイヤにあっても、ガイドワイヤを狭窄部等内に押し込んだ際に、先端側凹部の後端と後端側凹部の後端とで狭窄部等の内周面を削り取りながら進行して穿孔の径を大きくすることができるため、より一層他の医療デバイスを狭窄部等内に挿入させることが円滑となる。なお、本発明における凹部の深さは、凹部の開口縁によって画定される開口面と、凹部の最底部と、の最短距離で定められる。
【0017】
また、前記凹部は複数設けられ、共に平面視で長方形又は楕円形の第一凹部と第二凹部とを有し、前記第一凹部の長軸は、平面視で前記コアシャフトの軸線方向から第一方向に傾斜している一方、前記第二凹部の長軸は、平面視で前記コアシャフトの軸線方向から前記第一方向とは逆の第二方向に傾斜していてもよい。
【0018】
かかる構成にあっては、平面視で第一凹部の長軸と第二凹部の長軸とがコアシャフトの軸方向から互いに逆方向に傾斜しているため、ガイドワイヤを狭窄部内で正逆のいずれに回転させた場合でも、第一凹部と第二凹部のいずれか一方が狭窄部等内から大きな抵抗を受けることとなり、ガイドワイヤの先端の情報を手技者に更に伝達させ易くすることができる。
【0019】
さらに、前記ガイドワイヤの先端部が、予め所定方向に曲がったプリシェイプ形状とされた構成にあって、前記先細部の外周面は、ガイドワイヤの曲がり部分の外側と同じ側の外側領域と、内側と同じ側の内側領域とに画定されており、前記外側領域に配設されている前記凹部の配設数が、前記内側領域に配設されている前記凹部の配設数よりも多い構成が望ましい。
【0020】
ガイドワイヤには、手技者の便宜等のため、例えば予め湾曲させたプリシェイプ形状を有しているものがある。このような構成のガイドワイヤを狭窄部等内に挿入した際には、湾曲した部分の外側が主に、狭窄部の内周面に接触する。したがって、前記先細部の外側領域が主に抵抗を受けることなり、そのため、特に外側領域に凹部を多く配設することで、狭窄部等から受ける抵抗を手技者に更に確実に伝達することができる。なお、上述の構成にあっては、前記内側領域に凹部が一つも配設されていない構成であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明のガイドワイヤは、例えば狭窄部等に対する挿入容易性を維持したまま、狭窄部等から受ける抵抗を増加させて、ガイドワイヤの先端の情報を手技者に伝達させ易くすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1にかかるガイドワイヤの部分断面図である。
【
図2】実施例1にかかるガイドワイヤの先端部を拡大して示す拡大平面図である。
【
図3】実施例1にかかるガイドワイヤの先端部と狭窄部とが接触した状態を拡大して示す説明図である。
【
図4】実施例2にかかるガイドワイヤの先端部を拡大して示す拡大平面図である。
【
図5】実施例2にかかる先端側凹部と後端側凹部の深さを説明する説明図である。
【
図6】実施例3にかかるガイドワイヤの先端部を拡大して示す拡大平面図であり、(a)は第一凹部が配設される位置を示し、(b)は第二凹部が配設される位置を示している。
【
図7】実施例4にかかるガイドワイヤの部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明のガイドワイヤを具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
〔実施例1〕
図1に示すように、ガイドワイヤ1Aは、コアシャフト10と、コアシャフト10の先端部を覆うように設けられたコイル体20と、コアシャフト10の先端とコイル体20の先端とを固着した先端チップ30と、を備えている。また、
図2に示すように、前記先端チップ30は、先端に向かって外径が減少する先細部31を有している。
【0024】
なお、前記コアシャフト10と前記先端チップ30とが接合する部分、及びコアシャフト10とコイル体20の後端部とが接合する部分は、公知技術であるロウ材によって構成されている。
【0025】
また、
図2に示すように、前記先端チップ30の先細部31における外周面32には、凹部35が複数設けられている。さらに詳述すると、前記凹部35は、前記外周面32から窪んだ形状をなし、平面視でほぼ楕円形状とされている。
【0026】
なお、
図3に示すように、前記凹部35の後端であって、前記外周面32と凹部35の内周面とが交わる境界縁によってエッジ38が形成されている。
【0027】
上述のように、前記先端チップ30は、先端に向かって外径が縮径する先細部31を有しているため、狭窄部100に対する挿入容易性が確保されている。さらに、前記先細部31の外周面32に凹部35が設けられているため、先端チップ30の表面積が従来に比して増大しており、凹部35の内周面と狭窄部100の表面とが接触した際に先端チップ30と狭窄部100との接触面積を増大させることができる。このため、先端チップ30が狭窄部100から受ける抵抗が増し、ガイドワイヤ1Aの先端の情報が手技者に伝達され易くなる。その結果、手技者はガイドワイヤ1Aの先端が狭窄部100に捕捉されたことに気付き易くなり、ガイドワイヤ1Aを狭窄部100内で適切な進路に誘導させることが容易となる。
【0028】
また、
図3に示すように、ガイドワイヤ1Aを狭窄部100内に押し込んで狭窄部100内を進行させるときに、前記凹部35の内周面と狭窄部100の内周面とが接触しながら凹部35の後端に形成されたエッジ38が狭窄部100の内周面を削り取って穿孔の径を拡大させる。これにより、他の医療デバイス(図示省略)が狭窄部100内に挿入し易くなる。
【0029】
〔実施例2〕
図4に従って、実施例2にかかるガイドワイヤ1Bを説明する。なお、実施例1と同様の構成については、同じ符号を付すと共に説明を省略又は簡略する。
【0030】
図4に示すように、前記ガイドワイヤ1Bにおける先端チップ40に形成された先細部41の外周面42には、先端側凹部45と、先端側凹部45よりも後端側に配置された後端側凹部46とが設けられている。
【0031】
また、前記先端側凹部45の深さD1(
図5a参照)と、前記後端側凹部46の深さD2(
図5b参照)とを対比すると、前記後端側凹部46の深さD2は、前記先端側凹部45の深さD1(
図5a参照)よりも深くなるように設定されている。これにより、ガイドワイヤ1Bが狭窄部100内に深く挿入されると、後端側凹部46の内周面と狭窄部100の内周面とが面接触するため、狭窄部100から受ける抵抗をより一層増加させることができる。さらに、ガイドワイヤ1Bを狭窄部100内に押し込んだ際に、先端側凹部45のエッジ48と後端側凹部46のエッジ49とで狭窄部100の内周面を削り取って穿孔の径を大きくすることができる。
【0032】
なお、
図5に示すように、前記先端側凹部45の深さD1と前記後端側凹部46の深さD2は、各凹部45,46の開口縁によって画定される開口面Sと、各凹部45,46の最底部と、の最短距離で定められる。
【0033】
〔実施例3〕
図6に従って、実施例3にかかるガイドワイヤ1Cを説明する。なお、実施例1,2と同様の構成については、同じ符号を付すと共に説明を省略又は簡略する。
【0034】
図6a,bに示すように、ガイドワイヤ1Cにあっては、先端チップ50における先細部51の外周面52に第一凹部55と第二凹部56とが設けられている。
【0035】
前記第一凹部55と前記第二凹部56は、共に平面視で楕円形をなし、前記第一凹部55の長軸は、平面視で前記コアシャフト10の軸線方向Cから時計回りにαの角度をなす第一方向に傾斜している(
図6a参照)。一方、前記第二凹部56の長軸は、平面視で前記コアシャフト10の軸線方向Cから反時計回りにαの角度をなす第二方向に傾斜している(
図6b参照)。なお、
図6aに示すように、第一凹部55の後端であって、外周面52と第一凹部55の内周面とが交わる境界縁によってエッジ58が形成されており、
図6bに示すように、第二凹部56の後端であって、外周面52と第二凹部56の内周面とが交わる境界縁によってエッジ59が形成されている。
【0036】
すなわち、前記第一凹部55と前記第二凹部56は、コアシャフト10の軸線方向Cを基準にして互いに逆方向に傾斜しており、これにより、ガイドワイヤ1Cを狭窄部100で正逆のいずれに回転させた場合でも、第一凹部55と第二凹部56のいずれか一方が狭窄部100内から大きな抵抗を受けることとなり、ガイドワイヤ1Cの先端の情報を手技者に更に伝達させ易くすることができる。
【0037】
〔実施例4〕
図7に従って、実施例4にかかるガイドワイヤ1Dを説明する。なお、実施例1〜3と同様の構成については、同じ符号を付すと共に説明を省略又は簡略する。
【0038】
図7に示すように、ガイドワイヤ1Dは、先端部が予め湾曲したコアシャフト11と、コアシャフト11の先端部を覆うように設けられたコイル体21と、コアシャフト11の先端とコイル体21の先端とを固着した先端チップ60と、を備えている。また、先端チップ60は、先端に向かって外径が縮小する先細部61を有している。なお、前記ガイドワイヤ1Dは、予め所定方向に曲がったプリシェイプ形状とされている。
【0039】
また、前記先細部61の外周面62は、ガイドワイヤ1Dの曲がり部分の外側と同じ側の外側領域T1と、内側と同じ側の内側領域T2とに画定されている。そして、前記外側領域T1のみに凹部65が配設されている。すなわち、前記外側領域T1に配設された凹部65の配設数が、前記内側領域T2に配設されている凹部の配設数よりも多くなるように設計されている。
【0040】
このような構成のガイドワイヤ1Dを狭窄部100内に挿入した際には、湾曲した部分の外側が主に、狭窄部100の内周面に接触する。したがって、前記先細部61の外側領域T1が主に抵抗を受けることなり、そのため、特に外側領域T1に凹部65を多く配設することで、狭窄部100から受ける抵抗を手技者に更に確実に伝達することができる。
【0041】
本発明は、上記実施例以外にも適宜変更可能である。例えば、前記凹部35,45,46,55,56,65の平面視形状は、製品加工の容易性及び先端情報の伝達性を考慮すれば楕円形が望ましいが、長方形であってもよい。また、前記凹部35,45,46,55,56,65の配設数は、特に限定されない。また、先端チップ30,40,50,60とコアシャフト10,11、あるいは先端チップ30,40,50,60とコイル体20,21との接合はロウ材を用いる手法に限定されるものではなく、他の手段によって接合されていても勿論構わない。
【符号の説明】
【0042】
1A,1B,1C,1D ガイドワイヤ
10,11 コアシャフト
20,21 コイル体
30,40,50,60 先端チップ
31,41,51,61 先細部
32,42,52,62 外周面
35,65 凹部
38,48,49,58,59 エッジ
45 先端側凹部
46 後端側凹部
55 第一凹部
56 第二凹部
T1 外側領域
T2 内側領域
100 狭窄部