特許第6546415号(P6546415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546415
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20190705BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20190705BHJP
   F24F 11/77 20180101ALI20190705BHJP
   F24F 110/65 20180101ALN20190705BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20190705BHJP
【FI】
   F24F7/007 C
   F24F7/06 101Z
   F24F11/77
   F24F110:65
   F24F140:00
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-52386(P2015-52386)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2016-173193(P2016-173193A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2018年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】301071893
【氏名又は名称】株式会社ハーマン
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】森本 和幸
【審査官】 ▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−014205(JP,U)
【文献】 特開平05−196268(JP,A)
【文献】 特開2005−180875(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/114906(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 7/06
F24F 7/007
F24F 7/06
F24F 11/77
F24F 110/65
F24F 140/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通風路を有するケーシングと、
前記通風路に設けられる送風手段と、
前記送風手段を制御する制御部と、を備え、
前記ケーシングは、前記通風路の上流端となる吸込口を有し下方から上昇してくる気体を集めて前記吸込口より吸込むフード部を備え、
下限となる0と適宜設定される上限との間で連続的または段階的に設定風量が設定可能であり、
前記制御部は、前記送風手段によって送風される気体の風量が前記設定風量となるように前記送風手段を制御するレンジフードであって、
前記通風路を送風される気体中における特定の種類のガスの濃度を検知するガスセンサが設けられ、
前記制御部は、前記ガスセンサより得られたガス濃度および前記設定風量を基に、前記設定風量を更新するものであり、
更新前の所定の前記設定風量に対して、前記ガス濃度が高くなる程、更新後の前記設定風量が大きくなるように、前記設定風量を更新し、
更新前の前記設定風量が0より大きく所定値より小さい場合、前記ガス濃度が第2の閾値以下であるとき、更新後の前記設定風量が0となるように、前記設定風量を更新することを特徴とするレンジフード
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンジフードに関し、詳しくは、送風手段と、送風手段を制御する制御部とを備えたレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送風手段と、送風手段を制御する制御部とを備えたレンジフードが利用されている。送風手段は、ケーシング内に形成される通風路に設けられ、送風手段が駆動して、下方から上昇してくる気体が通風路の吸込口より吸込まれ、外部に排出される。
【0003】
ところで、通風路を送風される気体中における特定のガスの濃度を検知するガスセンサが設けられたレンジフードが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このレンジフードは、加熱調理器による調理時間を検知するとともに発生するガス濃度を検知することができ、調理時間およびガス濃度に基いてガス発生量およびこれを全て排出するのに要する気体の総量を求め、この総量から、手動で設定されている送風手段の風量で総量の気体を排出するのに要する運転遅延時間を算出し、この運転遅延時間にわたって送風手段を遅延運転するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3276028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に示す従来例にあっては、遅延運転により、排出すべき気体の総量に対して過不足無く気体を排出するものであるため、残留しているガスを確実に外部に排出し、かつ、空調空気の這出による熱エネルギーの損失を最小限に抑えることができる。
【0007】
しかしながら、手動で設定されている送風手段の風量は変更されないため、例えば送風手段の風量が小さく設定されているときには、排出すべき気体の総量全てを排出するのに要する運転遅延時間が長時間にわたり、好ましくないものであった。
【0008】
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、送風手段の設定風量が変更されないことによる不都合を解消するレンジフードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、通風路を有するケーシングと、前記通風路に設けられる送風手段と、前記送風手段を制御する制御部と、を備え、前記ケーシングは、前記通風路の上流端となる吸込口を有し下方から上昇してくる気体を集めて前記吸込口より吸込むフード部を備え、下限となる0と適宜設定される上限との間で連続的または段階的に設定風量が設定可能であり、前記制御部は、前記送風手段によって送風される気体の風量が前記設定風量となるように前記送風手段を制御するレンジフードであって、前記通風路を送風される気体中における特定の種類のガスの濃度を検知するガスセンサが設けられ、前記制御部は、前記ガスセンサより得られたガス濃度および前記設定風量を基に、前記設定風量を更新するものであり、更新前の所定の前記設定風量に対して、前記ガス濃度が高くなる程、更新後の前記設定風量が大きくなるように、前記設定風量を更新し、更新前の前記設定風量が0より大きく所定値より小さい場合、前記ガス濃度が第2の閾値以下であるとき、更新後の前記設定風量が0となるように、前記設定風量を更新することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明にあっては、ガスセンサより得られたガス濃度および設定風量を基に、様々なケースに対応して、適した設定風量を更新することが可能となる。
【0014】
また、ガス濃度が高くなる程、検知したガスを含む空気をすみやかに排出するのに要する風量が大きくなるため、ガス濃度が高くなる程、更新後の設定風量を大きくすることが可能となる。
【0016】
さらに、ガス濃度が第2の閾値以下になって、レンジフードの送風手段を自動的に停止させることができるものであり、ガスコンロとレンジフードとを有線や無線により通信させることなく実質的に連動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のレンジフードの側断面図である。
図2】本発明の一実施形態のレンジフードの正面面図である。
図3】本発明の一実施形態のレンジフードにおけるガスセンサの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図1乃至図3に基いて説明する。
【0019】
図1図2に示すように、本発明のレンジフード1は、ケーシング10と、送風手段40と、制御部(不図示)と、ガスセンサ5と、を備える。
【0020】
ケーシング10は、内部に通風路4を有し、フード部3を備える。フード部3は、通風路4の上流端となる吸込口41を有し、下方から上昇してくる気体を集めて吸込口41より吸込むものである。本実施形態では、ケーシング10は、ケーシング本体2を備え、ケーシング本体2の下側にフード部3が設けられている。
【0021】
フード部3は、上下に短い矩形箱状をしたもので、下面に吸込口41を有して内部に通風路4が形成され、天板31においてケーシング本体2と連結されている。通風路4は、フード部3からケーシング本体2にかけて形成され、ケーシング10内全体に形成されている。なお、ケーシング10は、本実施形態ではケーシング本体2およびフード部3から構成されているが、特にこのような構成に限定されない。
【0022】
フード部3内には、隔壁32が設けられ、通風路4と配線用通路33とが隔壁32により仕切られている。
【0023】
フード部3の前端面には、送風手段40のON/OFFや設定風量等を手動で設定する操作部11が設けられている。また、フード部3には、照明12が設けられている。操作部11や照明12に接続される配線は、配線用通路33に配置される。
【0024】
通風路4のケーシング本体2内に位置する部分に、送風手段40が設けられている。ケーシング本体2内に位置する通風路4の送風手段40の下流側には、ダクト42が設けられており、ダクト42の下流端が通風路4の排出口43となっている。
【0025】
さらに、図示しないが、排出口43にホース等が接続されて、外部(室外)に気体が排出される。
【0026】
制御部は、マイクロコンピュータを備え、制御プログラムにより制御を実行するもので、制御部およびこれに付随する周辺機器としては、公知の種々のものが適宜利用可能であり、特に限定されない。
【0027】
送風手段40は、ファンおよびファンを駆動するモータ等の駆動手段を備えたものが好適に利用されるが、公知の種々のものが適宜利用可能であり、特に限定されない。送風手段40の送風量は、制御部により制御されるもので、具体的には駆動手段が制御される。送風量(単位時間当たり)は、公知の検知手段により直接検知されてもよいし、ファンの回転数から推定されてもよいし、駆動手段の電流と電圧の一方または両方から推定されるものであってもよい。
【0028】
検知(または推定)された送風量のデータは、制御部に送信される。なお、送風量のデータは、検知手段から制御部に印可される電圧や電流等のアナログデータであってもよいし、デジタルデータであってもよい。制御部は、送信された送風量のデータより、送風量を得るものである。例えば、送信されたのが送風量のいわゆる生データの場合には、制御部は、生データを基にして一機能として有する演算機能により送風量を得るが、制御における具体的なプロセスは種々考えられ、特に限定されるものではない。制御部は、実際に検知される送風量を、設定されている送風量(以下、設定風量という)と一致させるべく、送風量のデータを基にフィードバック制御を行う。なお、制御部による送風量の制御は、フィードバック制御でなくフィードフォワード制御等であってもよく、特に限定されず、実際の送風量が設定風量に対して所定の誤差範囲内に収まように制御されるものであればよい。
【0029】
ガスセンサ5は、雰囲気中における特定の種類のガスの濃度(以下、ガス濃度という)を検知するものである。図3に、本実施形態のガスセンサ5と等価の回路を示す。
【0030】
本実施形態においては、半導体ガスセンサであって、抵抗Rを有する検知部51と、抵抗Rを有し検知部51と直列に接続される抵抗部52と、直列に接続された検知部51および抵抗部52の両端に所定の電圧V(V)を印可する印可部(不図示)と、検知部51を所定の温度に維持するための加熱部53と、抵抗部52の両端の電圧V(V)を計測する計測部(不図示)と、を備えたものである。さらに、加熱部53は、抵抗Rを有し、この抵抗Rの両端に所定の電圧V(V)が印可されることで抵抗Rにおいて所定の発熱が生じる。これにより、検知部51の温度を所定の温度に維持し易くなる。なお、便宜上、抵抗Rの抵抗値をR(Ω)、と同符号で表し、抵抗Rについても同様とする。
【0031】
検知部51の抵抗Rは、ガス濃度により抵抗値Rが変化する可変抵抗となる。ここで、抵抗値Rは、[数1]で表される。
【0032】
【数1】
【0033】
本実施形態のガスセンサ5は、特定の可燃性を有するガスについて、ガス濃度(雰囲気全体に対する雰囲気中の特定のガスの比率)に応じて検知部51の抵抗値Rが変化し、計測部で計測される電圧Vが変化する。これにより、特定の可燃性のガスのガス濃度が検知される。本実施形態における特定のガスは、水素、エタノール、イソブタン、一酸化炭素であるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
なお、ガスセンサ5は、本実施形態では上述した公知の半導体ガスセンサ5であるが、特にこれに限定されるものではなく、種々のガスセンサ5が適宜利用可能である。
【0035】
検知されたガスの濃度データは、制御部に送信される。なお、本実施形態では、制御部に送信される濃度データは、ガスセンサ5の計測部から制御部に印可される電圧(アナログデータ)であり、制御部は、前記電圧を基にして一機能として有する演算機能によりガス濃度を得る。なお、制御部に送信されるのがアナログデータでなく、電圧を基に変換されたデジタルデータであってもよく、特に限定されない。いずれにしても、制御部は、送信された濃度データより、最終的にガス濃度を得ることができる。
【0036】
本発明のレンジフード1は、ガスセンサ5より得られたガス濃度および設定風量を基に、制御部が設定風量を新たに設定する、すなわち、設定風量を更新するものである。設定風量としては、レンジフード1によって所定の範囲が適宜設定されるもので、下限としてOFF(停止状態)すなわち0(m/h)を必ず含み、上限は適宜設定される。設定風量は、上限と下限との間で、連続的に設定可能であってもよいし、段階的に設定可能であってもよいし、一部が連続的で残りが段階的に設定可能であってもよい。
【0037】
また、設定風量の更新は、所定の間隔毎に行うもので、特にできるだけ短い間隔で(究極的には連続して)行うことが好ましいが、特に限定されず、例えば、更新を行う条件を別途定めて、条件を満たした場合に行われるようにしてもよい。
【0038】
以下に、設定風量の更新について、本実施形態に即して説明する。
【0039】
濃度データは、本実施形態では上述したように、ガスセンサ5の計測部で計測される電圧Vである。電圧Vは、ガス濃度が0の場合には、所定の値となり、この時の抵抗値Rも所定の値となり、これを基準抵抗値RS0とする。なお、基準抵抗値RS0やその他の値(抵抗値R、抵抗値R等)は、ガスセンサ5毎に異なるが、制御部に付随するROM(Read Only Memory)等の記憶装置に各ガスセンサ5に応じた値が記憶される。
【0040】
本実施形態では、ガス濃度を示す指標として、変化率K(%)を定義する。変化率Kは、[数2]で表される。
【0041】
【数2】
【0042】
変化率Kは、抵抗値Rと一対一で対応し、抵抗値Rはガス濃度と一対一で対応するため、変化率Kはガス濃度と一対一で対応し、ガス濃度が高くなる程、変化率Kが大きくなるものである。このため、以下に説明する制御は、変化率Kを基にしていてガス濃度は直接は表れないものの、ガス濃度を基に制御を行っているといえる。
【0043】
[表1]に、検知対象が異なるタイプ1〜タイプ3の三種類のガスセンサ5における検知対象となるガスの種類と、各タイプにおける各ガスの濃度(ppm)とR/RS0の関係を例示する。なお、表中の空欄は、該当するタイプにおいて、該当するガスが検知対象となっていないことを示す。本実施形態のガスセンサ5は、タイプ1のものであるが、タイプ1やタイプ2、タイプ3等に限定されない。
【0044】
【表1】
【0045】
上述したように、本発明のレンジフード1は設定風量を更新するものであるが、具体的には、ある時点でのガス濃度(変化率Kに対応)および設定風量から、制御部が、以降で用いられる設定風量を更新するものである。ある時点とは、設定風量の更新時より以前の時点であるのはいうまでもないが、更新時の直前であることが好ましい。
【0046】
設定風量の更新は、更新前の所定の設定風量に対して、ガス濃度が高くなる程、更新後の設定風量が大きくなる傾向にあることが好ましい。すなわち、図示しないが、更新前の所定の設定風量に対して、X軸にガス濃度をとるとともにY軸に更新後の設定風量をとると、ガス濃度−更新後の設定風量の関係線がいわゆる右肩上がりとなるのが好ましい。前記関係線が右肩上がりになるとは、X値が増加するにつれてY値が連続的に増加(単調増加)してもよいし、一部に水平部がありその他の部分が連続的に増加してもよいし、段階的に増加してもよいものとする。なお、X値が増加するにつれてY値が全体的に増加するものの、何らかの都合上、一部において減少させることも妨げないものとする。
【0047】
ガス濃度が高くなる程、検知したガスを含む空気をすみやかに排出するのに要する風量(m/h)が大きくなるため、上記のように更新後の設定風量を大きくすることが好ましいものである。
【0048】
また、設定風量の更新は、所定のガス濃度に対して、更新前の設定風量が大きくなる程、更新後の設定風量が大きくなる傾向にあることが好ましい。すなわち、図示しないが、所定のガス濃度に対して、X軸に更新前の設定風量をとるとともにY軸に更新後の設定風量をとると、更新前の設定風量−更新後の設定風量の関係線がいわゆる右肩上がりとなるのが好ましい。前記関係線が右肩上がりになるとは、上述したガス濃度−更新後の設定風量の関係線の場合と同様に、X値が増加するにつれてY値が連続的に増加(単調増加)してもよいし、一部に水平部がありその他の部分が連続的に増加してもよいし、段階的に増加してもよいものとする。また、同様に、X値が増加するにつれてY値が全体的に増加するものの、何らかの都合上、一部において減少させることも妨げないものとする。
【0049】
通常は、ガス濃度によらず、更新前の設定風量が大きい場合には、更新後にも望まれる設定風量が大きくなるため、上記のように更新前の設定風量が大きい程、更新後の設定風量を大きくすることが好ましい。
【0050】
本実施形態では、設定風量の更新は、[表2]に示すように行われる。
【0051】
【表2】
【0052】
すなわち、[表2]中の上段に示す変化率K(すなわちガス濃度に対応)および左列に示す更新前の設定風量(m/h)から、対応する、更新後の設定風量(m/h)に更新する。本実施形態では、設定風量(m/h)は、0(OFF)、150、200、250、300、400、500の7段階を有している。
【0053】
本実施形態においては、[表2]より、更新前の各設定風量に対して、変化率Kが大きい程、更新後の設定風量が大きくなる傾向にあることが分かる。
【0054】
特に、更新前の設定風量が0の場合でもこの傾向にあり、この場合、ガス濃度が第1の閾値を超えるとき、更新後の設定風量が0を超えた設定風量となっている。
【0055】
例えばガスコンロによる調理を行うと、検知対象となるガス濃度が所定値(これを第1の閾値とする)に達する。そこで、レンジフード1の送風手段40が停止している場合でも、変化率Kが、第1の閾値のガス濃度に対応する変化率Kの値(本実施形態では10)を超えると、レンジフード1の送風手段40が駆動を開始するようにする。これにより、ガスコンロによる調理を行うと、ガス濃度が第1の閾値を超えて、レンジフード1の送風手段40を自動的に駆動させることが可能となる。これにあたり、ガスコンロとレンジフード1とを有線や無線により通信させることなく、しかもガスコンロがレンジフード1と同じメーカや所定の型式である必要もなく、ガスコンロとレンジフード1とを実質的に連動させることが可能となる。
【0056】
また、更新前の設定風量が0より大きく所定値より小さい場合でも、ガス濃度が第2の閾値以下であるとき、更新後の設定風量を0にしている。本実施形態においては、設定風量が段階的であり、更新前の設定風量が0より大きいうちの最小の設定風量の150(m/h)の場合において、変化率Kが第2の閾値の5以下であるときに、更新後の設定風量を0にしている。
【0057】
例えばガスコンロによる調理を行う際に、特に大きい風量は要らないものの、発生するガスを排出するために、0より大きく所定値より小さい設定風量でレンジフード1を駆動している場合には、ガスコンロによる調理が終了するとガスも発生しなくなり、レンジフード1の駆動は不要となる。
【0058】
そこで、更新前の設定風量が0より大きく所定値(本実施形態では150(m/h))以下の場合に、変化率Kが、第2の閾値のガス濃度に対応する変化率Kの値(本実施形態では5)以下になると、レンジフード1の送風手段40が駆動を停止するようにする。これにより、ガスコンロによる調理を終了すると、ガス濃度が第2の閾値以下になって、レンジフード1の送風手段40を自動的に停止させることが可能となる。これにあたり、ガスコンロとレンジフード1とを有線や無線により通信させることなく、しかもガスコンロがレンジフード1と同じメーカや所定の型式である必要もなく、ガスコンロとレンジフード1とを実質的に連動させることが可能となる。
【符号の説明】
【0059】
1 レンジフード
10 ケーシング
11 操作部
12 照明
2 ケーシング本体
3 フード部
31 天板
32 隔壁
33 配線用通路
4 通風路
40 送風手段
41 吸込口
42 ダクト
43 排出口
5 ガスセンサ
51 検知部
52 抵抗部
53 加熱部
図1
図2
図3