(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の測定子固定部材のうち、少なくとも最下段の測定子固定部材において、前記多角形の重心位置にさらに前記測定子が配置されている、請求項2に記載の油流速測定装置。
油の流路を形成するダクトを備えた焼入れ装置において、前記ダクトは、当該ダクトの一端の開口がアジテーターに向き、他端の開口が油内に浸漬する前記複数の測定子固定部材に向くように固定されており、
前記焼入れ装置の測定子の温度履歴を測定する際に、前記アジテーターを逆回転させる、請求項9に記載の油流速測定方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る油焼入れ装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る油流速測定装置の使用状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る油流速測定装置の概略構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る測定子の概略構成を示す図である。
【
図5】本発明の実施例に係る測定子の配置箇所を示す図である。
【
図6】本発明の実施例に係る油流速測定の手順を示す図である。
【
図7】本発明の実施例に係る各測定子の温度履歴を示す図である(アジテーター無回転:0[rpm])。
【
図8】本発明の実施例に係る各測定子の温度履歴を示す図である(アジテーター正回転:180[rpm])。
【
図9】本発明の実施例に係る各測定子の温度履歴を示す図である(アジテーター正回転:180[rpm]、搖動:60回)。
【
図10】本発明の実施例に係る各測定子の温度履歴を示す図である(アジテーター逆回転:150[rpm]、搖動:60回)。
【
図11】本発明の実施例に係る各測定子の油流速を示す図である(アジテーター正回転:180[rpm])。
【
図12】本発明の実施例に係る各測定子の油流速を示す図である(アジテーター正回転:180[rpm]、搖動:60回)。
【
図13】本発明の実施例に係る各測定子の油流速を示す図である(アジテーター逆回転:150[rpm]、搖動:60回)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る油流速測定装置について、油流速測定装置を使用する油焼入れ装置と共に図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る油焼入れ装置50は、焼入れ油が貯留する油槽51と、ワークWを昇降させる昇降機構52と、油槽内の油を攪拌するアジテーター53とを備えている。
【0014】
昇降機構52は、油槽51の外壁を貫通する昇降アーム54を備えている。昇降アーム54の先端部は二又に分かれ、ワークWを載置するトレイ55の両端部に取り付けられている。トレイ55は、網目状に形成されており、昇降アーム54が降下して焼入れ処理を行う際には、トレイ底面を油が通過できる形状となっている。
【0015】
トレイ55の上方には、油槽内外にワークWを搬送する搬送空間Sが設けられている。油焼入れを終えたワークWは、昇降アーム54が上昇し、搬送口(不図示)を介して、槽外に搬出される。
【0016】
アジテーター53は、昇降機構52の側方に設けられている。アジテーター53は、槽内の油を攪拌するブレード56と、ブレード56に接続する回転シャフト57を備えている。回転シャフト57は、槽外に設けられたモーター58に接続されている。アジテーター53が稼働することにより、槽内の油は攪拌される。
【0017】
槽内には、油の流路を形成するダクト59が設けられている。ダクト59は、アジテーター53のブレード56を囲むようにして槽内側面に沿って下方に延び、槽内底面に沿って昇降機構52の下方まで延びている。そして、昇降アーム54下降時のトレイ55の周囲を囲むように槽内底面から上方に延びる形状となっている。
【0018】
このようなダクト59があることにより、アジテーター53で流速が付与された油がダクト内面に沿って流れることになる。これにより、槽内の乱流を抑えた状態でワークWに油が流れるため、効率良くワークWを冷却することができる。
【0019】
なお、焼入れ装置には、油の温度を測定する液温センサー(不図示)が設けられている。また、油の温度を一定に保つヒーター(不図示)も設けられている。
【0020】
本実施形態に係る油焼入れ装置50は、以上のように構成される。しかし、このような従来の焼入れ装置では、油槽内において油の流速バラつきが生じることが避けられない。例えば、本実施形態に係る油焼入れ装置50の場合、ダクト59内を流れる油のうち、ダクト59の外側を流れる油の流速が大きく、ダクト59の内側を流れる油の流速が小さくなる。また、ダクト59の内壁面周辺では、壁面摩擦抵抗により、ダクト中心部を流れる油よりも流速が低下することになる。これに加え、ブレード56の形状やトレイ55の形状、油槽51の形状等によって油流速が変動することもあるため、槽内における油の流速は一定とはならない。
【0021】
ワークWに当たる油の流速にバラつきがあると、ワークWの冷却バラつき、ひいては焼入れ品質のバラつきにつながる。そこで、本実施形態においては、
図2に示すように、油流速測定装置1を用いて油の流速バラつきを測定する。
【0022】
図2に示すように、油流速測定装置1は、トレイ上に載置することが可能な大きさを有している。
図2〜
図4に示すように、油流速測定装置1は、油槽内の油に浸漬する球状の複数の測定子2と、各測定子2を固定する複数の測定子固定部材3と、各測定子2の温度履歴に基づいて油流速を算出する表示装置4を備えている。
【0023】
各測定子固定部材3は、平坦形状の金属製の枠体3aを備えており、枠体3aは平面視において正方形状に形成されている。枠体3a内には金網3bが張られており、油の流れを遮らないようになっている。また、各測定子固定部材3は、鉛直方向に沿って多段状に配置され、各枠体3aがパイプ状の支柱5に溶接されることで連結されている。なお、各測定子固定部材同士の間隔は、油槽の形状や油流速を測定したい範囲に応じて適宜変更される。本実施形態においては、3つの測定子固定部材3で立方体を形成するように各測定子固定部材3の間隔が定められている。
【0024】
測定子2は、50φ程度の径を有しており、SS400等で形成されている。
図4に示すように、測定子2は、穴開け加工が施されており、表面から中心部に向けて開口部2aを有している。その開口部2aには、開口部2aの径と同径のシース熱電対6が埋め込まれており、シース熱電対6は、測温部の先端が測定子の中心に位置するような状態で開口部2aにおいてカシメ固定されている。このようにシース熱電対6が固定されることで、熱電対が直接油に接することに起因するシース熱電対6の急激な温度上昇を防ぐことができる。
【0025】
また、測定子2は、針金7で金網3bに押さえつけられた状態で固定される。針金7の両端部は金網3bに巻き付けられる。測定子2は、油の流れにより初期位置がずれない程度の拘束力で固定されていれば良い。
【0026】
上記測定子2が油内に浸漬することにより、測定子2の表面から中心部に向かって熱が伝わり、測定子2の温度が上昇する。このとき、油の流速が大きければ大きいほど、流速が小さい場合に比べて、油温と測定子表面温度との熱勾配が大きい状態が続くことになり、測定子2の温度は上昇しやすい。即ち、測定子2の温度上昇は、油流速の大きさの違いが反映されていることになる。
【0027】
このような測定子2で測定された温度データは、ケーブル8を介して槽外の表示装置4に入力される。表示装置4は、入力された測定子2の温度履歴に基づいて油流速を算出する演算機能を有している。また、表示装置4は、算出された油流速を表示するディスプレイ等を備えている。測定子2の温度履歴から油流速への換算は、測定子2の形状や使用する油の特性に応じて換算式が異なる。例えば、測定子2が球状である本実施形態においては下記の式から油流速μを算出する。
Q=πDλNu(To−Tw)、Q=mc(Tw−Tw’)
Nu=2+0.6 P
r(1/3)・Re
(1/2)
Pr=νCp・ρ/λ
Re= μD/ν
Q:伝熱量、D:測定子の直径、Nu:ヌセルト数、To:設定油温、Tw:測定子の温度、m:測定子の質量、c:測定子の比熱、Tw’:微小時間前の測定子の温度、Pr:プラントル数、Re:レイノルズ数、ν:動粘度、Cp:定圧比熱、ρ:流体密度、λ:熱伝導率、μ:油流速
【0028】
各測定子2の温度履歴から測定子2ごとの油流速を算出することにより、トレイ55上の油流速のバラつきを測定することが可能となる。
【0029】
図3に示すように、3段ある測定子固定部材3のうち、下段の測定子固定部材3では、各測定子2が枠体3aの四隅に配置されている。このように各測定子2が平面視において正方形の頂点をなすように配置されることで、隣り合う測定子同士の間隔を等しくすることができる。これにより、トレイ55上の油流速のバラつき傾向が把握しやすくなる。
【0030】
また、本実施形態においては、上段の測定子固定部材3の枠体四隅にも測定子2が配置されている。即ち、本実施形態における油流速測定装置1では、下段及び上段に配置された測定子2が立方体の頂点を構成するように配置されている。このように測定子2が配置されることで、各測定子2の間隔を均一にすることができると共に、トレイ55上の油流速のバラつき傾向を立体的に把握することができる。これにより、油流速のバラつきを更に抑制した焼入れ条件を見出すことが可能となる。
【0031】
さらに、下段の測定子固定部材3においては、枠体3a内の中央部、即ち、枠体四隅に配置された測定子2を頂点とした正方形の重心に相当する位置(重心位置)に、更に測定子2が配置されている。なお、本明細書における「重心位置」とは、厳密な重心の位置でなくても良い。重心位置に配置される測定子2は、枠体四隅に配置された各測定子2との距離がそれぞれ等しい状態にあるため、油流速のバラつき傾向が更に把握しやすくなる。
【0032】
特に、測定子固定部材3が多段状に設けられている場合には、本実施形態のように最下段の測定子固定部材3の中央部に測定子2が配置されていることが好ましい。最下段の中央部は、他の箇所よりも油流速が大きくなりやすいため、そこに配置した測定子2の温度履歴を記録することで、油流速のバラつき傾向を把握しやすくなる。
【0033】
また、本実施形態においては、中段の測定子固定部材3の中央部にも測定子2が配置されている。即ち、本実施形態においては、各測定子2が頂点を構成する立方体の重心位置に、更に測定子2が配置されている。このように測定子2を配置することで、立方体の頂点を構成する各測定子2との間隔が等しい箇所において、温度履歴を記録することができる。これにより、トレイ55上の油流速のバラつき傾向をより精度良く算出することができる。
【0034】
本実施形態に係る油流速測定装置1は以上のように構成される。このような油流速測定装置1を使用する場合は、まず、測定子2を配置した測定子固定部材3をトレイ55に載せ、昇降機構52を降下させる。そして、アジテーター53により流速が付与された油に測定子2を浸漬させる。続いて、各測定子2の温度履歴を記録し、温度履歴に基づいて各測定子2の油流速を算出する。これにより、トレイ55上の油流速のバラつきを把握することができる。その後、トレイ55を引き上げて、測定子2が雰囲気温度となるまで放置する。
【0035】
次に、算出された油流速バラつきに基づいて、焼入れ条件(アジテーター53の回転速度等)を変更し、再度、測定子2を油内に浸漬させる。ここで、再度、各測定子2の温度履歴を記録し、油流速のバラつきを算出する。このときの流速バラつきと前回の流速バラつきとを比較し、必要に応じて更に焼入れ条件を見直し、前述の工程を繰り返す。このような工程を繰り返すことにより、油流速バラつきを最も抑制することができる最適な焼入れ条件を短時間で見出すことができる。
【0036】
即ち、本実施形態に係る油流速測定装置1を用いて、槽内の油流速のバラつきを把握することで、油流速バラつきが小さくなる条件で油焼入れを行うことができる。これにより、ワークWの焼入れ品質を向上させることが可能となる。
【0037】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0038】
例えば、上記実施形態では、10個の測定子2を用いたが、測定子2の数はこれに限定されない。測定子2の数を増やせば、油流速のバラつき傾向を精度良く算出することができる。
【0039】
また、上記実施形態では、測定子2の形状を球状としたが、測定子2の形状はその他の形状であっても良い。ただし、その他の形状の場合には、測定子2の温度履歴に基づく油流速の換算式が複雑になるため、測定子2の形状は球状とすることが好ましい。また、測定子2の形状を球状とした方が、測定子表面からの熱が測定子2の中心にあるシース熱電対6の測温部に向かって均一に伝わりやすい。このため、測定子2の配置位置における油流速の測定精度を向上させることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、測定子2の温度履歴を記録するために、測定子2にシース熱電対6を埋め込んだが、その他の温度センサーを用いても良い。
【0041】
また、上記実施形態の表示装置4は、測定子2の温度履歴から油流速を算出する演算機能を備えていたが、演算機能は必須ではない。上記実施形態で説明した通り、油流速は測定子の温度履歴から算出することができ、例えば油流速が大きければ、単位時間当たりの測定子2の温度変化量も大きくなる。即ち、本発明においては測定子の温度履歴を測定することは油流速を測定することと同義である。このため、測定子2の温度履歴から油流速を換算しなくても、各測定子2の温度履歴を見ることができれば、どの測定子2の位置で油流速のバラつきが大きいか把握することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、測定子固定部材3に配置する測定子2を平面視において正方形の頂点を構成するように配置したが、正方形状でなくても良い。例えば、多角形の頂点を構成するように測定子2を配置しておけば、油流速のバラつき傾向を把握することができる。この場合、測定子固定部材3に配置する測定子2は、正多角形の頂点を構成するように配置されていることが好ましい。これにより、各測定子2の間隔が等しくなり、油流速のバラつき傾向が更に把握しやすくなる。また、測定子固定部材3に配置する測定子2は、多角形の頂点を構成するような配置でなくても良い。各測定子固定部材3に測定子2が複数配置されていれば、測定子2の温度履歴情報から油流速のバラつきを把握することができる。
【実施例】
【0043】
本発明に係る油流速測定装置を用い、油槽内の油流速のバラつきを測定した。油流速測定装置を使用する焼入れ装置は、
図2に示すような油の流路を形成するダクトを備えたものである。ダクトは、ダクトの一端の開口がアジテーターに向いており、他端の開口が油内に浸漬する測定子固定部材に向くように固定されている。本実施例における測定子の配置は、
図5に示す通りである。
図5のように、各測定子には配置位置に応じて番号を与え、後述の測定結果において、どの位置にある測定子であるかを明瞭にした。本実施例で使用した測定子は、φ50のSS400から成る球状の測定子であり、使用した焼入れ油は、マルテンパーSである。
【0044】
本実施例における油温の測定手順は、
図6に示す通りである。具体的には、まず、アジテーターで油槽内の油を攪拌する。このときの設定油温は100℃であり、ヒーターにより一定温度が維持されている。次に、20℃の温度状態にある測定子を油内に浸漬させる。その後、各測定子が20℃から100℃に昇温するまでの温度履歴を記録する。
【0045】
そして、測定子の温度履歴に基づいて各測定子の配置位置における油流速を算出する。本実施例では、焼入れ条件(アジテーターの回転条件やトレイの上下搖動回数)を変えて数回、実験を行った。各条件において算出された各測定子の油流速は、
図7〜
図10に示す通りである。
【0046】
図7に示すように、アジテーターが無回転の場合には、各測定子が時間と共にほぼ均一に昇温していた。即ち、油の流速が付与されていない状態では、トレイ上の測定子の温度バラつきは、ほぼ生じないことがわかる。
【0047】
一方、
図8に示すように、アジテーターを正回転180rpmで回転させた場合には、各測定子の温度に大きなバラつきが生じた。また、
図9に示すように、アジテーターを正回転180rpmで回転させ、トレイの搖動を60回とした場合も、各測定子の温度に大きなバラつきが生じている。ただし、
図8と
図9を比較すると、各測定子の温度バラつきは小さくなった。
【0048】
また、
図10に示すように、アジテーターを逆回転150rpmで回転させ、トレイの搖動を60回とした場合には、各測定子の温度バラつきが
図9に対して更に小さくなった。
【0049】
図8〜
図10に対応する各測定子の油流速を
図11〜
図13に示す。なお、
図11〜
図13に示す各測定子の油流速は、各測定子の温度履歴から算出した油流速の平均値である。また、本実施例では、各測定子の配置位置における油流速が0.15〜0.30m/sの範囲内となるように目標値を設定した。
【0050】
図11に示すように、アジテーターが正回転180rpmの場合には、上段に位置する測定子の油流速が小さく、下段中央部に位置する測定子の油流速が大きい傾向にあった。また、
図12に示すように、搖動を60回加えた条件においても同様の傾向を示した。ただし、トレイを搖動させていない
図11に比べ、油流速が目標の範囲内となった測定子の数が増えており、油流速のバラつきが抑制されていることがわかる。
【0051】
また、
図12に示すように、アジテーターが逆回転150rpm、搖動60回の条件では、上段に位置する測定子の油流速が大きくなり、下段中央部の測定子の油流速は小さくなった。その結果、各測定子の位置における油流速が目標とする範囲内に収まり、油流速のバラつきも小さくすることができた。即ち、この条件で、ワークの油焼入れ処理を実施すれば、油流速のバラつきが小さい状態で油焼入れを行うことができる。
【0052】
以上の通り、本願発明に係る油流速測定装置を用いることで、油流速のバラつきを抑制する最適な焼入れ条件を短時間で見出すことが可能となる。その結果、焼入れ品質のバラつきを抑制することが可能となる。
【0053】
また、本実施例の結果によれば、トレイを搖動させた方が、油流速のバラつきが小さくなることがわかる。したがって、油流速測定装置を用いて測定子の温度履歴を測定する際には、測定子が固定された測定子固定部材を搖動させることが好ましい。これにより、当初から油流速のバラつきを小さくした条件で油流速の測定を開始することができる。このため、最適な焼入れ条件を見出すまでの時間を短縮することができる。
【0054】
また、本実施例で使用したダクトを備えた焼入れ装置で測定子の温度履歴を測定する場合には、アジテーターを逆回転させること、即ち、ダクト内の油が測定子固定部材からアジテーターに向かって流れるようにアジテーターを回転させることで、油流速のバラつきを抑制できることがわかる。したがって、油流速測定装置を用いて測定子の温度履歴を測定する際には、アジテーターを逆回転させて測定を行うことが好ましい。これにより、当初から油流速のバラつきを小さくした条件で油流速の測定を開始することができる。このため、最適な焼入れ条件を見出すまでの時間を短縮することができる。また、トレイを搖動させ、かつ、アジテーターを逆回転させて測定子の温度履歴の測定を行うことで、その効果は更に向上する。