(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第2ウェブ部と、この第2ウェブ部の先端から外側に一定間隔離間して傾斜する係合傾斜部と、が設けられ、
前記第1係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第1ウェブ部と、この第1ウェブ部の先端から前記係合傾斜部と逆方向に傾斜して前記一定間隔内に収まる幅を有する乗り越え傾斜部と、が設けられていること
を特徴とする請求項2に記載のデッキプレート。
コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部と、このスラブ支持部の片面から面外方向に向け長手方向に沿って突設された補強リブと、前記スラブ支持部の長手両側の縁に沿って形成された左右一対の係合リブと、を備え、鋼板から折り曲げられて平面視で長方形状に成形されたコンクリートスラブ用のデッキプレートの前記各リブの長手方向の両端部を上下方向に潰して閉塞するデッキプレートのエンドクローズ加工方法であって、
前記左右一対の係合リブのうち一方の第1係合リブの外側に変形を抑えるブロック状の治具を設置したうえ、前記第1係合リブを上下に押し潰してエンドクローズ部を形成すること
を特徴とするデッキプレートのエンドクローズ加工方法。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の床スラブや屋根スラブなどの構造物のコンクリートスラブを構築するため、解体を要しない打込み型枠として形鋼や型枠間に架け渡され、その中にコンクリートが打設されて使用されるコンクリートスラブ用デッキプレートが種々提案されている。このコンクリートスラブ用デッキプレートは、コンクリート打設時には型枠として機能し、コンクリート硬化後はコンクリートと一体になって引張応力を負担する構造部材としての合成スラブ用デッキプレートと、上面が概ね平ら(フラット)で解体を要さない打込み型枠として使用されるが、構造部材として引張り応力を負担するものとは算定されないフラットデッキ用デッキプレートとの、2種類のデッキプレートに大別される。
【0003】
例えば、特許文献1には、水平なプレート1の下面に断面三角形状の複数条の補強リブ2が形成されたフラットデッキプレート5において、長手方向に沿って一側端に形成された鉤爪状の接続片3を設け、この接続片3を隣接する他のフラットデッキプレートの補強リブ2内に圧入して複数のフラットデッキプレート5同士を横方向(水平方向)にずれないように係合して連結させて使用するフラットデッキプレート5が開示されている(特許文献1の図面の第1図、第3図等参照)。
【0004】
また、特許文献1には、端部の閉塞部材等を取り付けなくても打設時にフレッシュコンクリートが端部から漏れないように、エンドクローズ加工を施してフラットデッキプレート5の補強リブ2の長手方向の端部を閉塞して載架片4としたフラットデッキプレート5も記載されている(特許文献1の図面の第1図、第6図等参照)。
【0005】
しかし、特許文献1に記載のフラットデッキプレート5では、エンドクローズ加工を施した補強リブ2の溝内に、接続片3を嵌め込むことができないため、エンドクローズ加工を施して徐々にリブを押し潰していく形状移行部の途中から接続片3を切り欠く必要があった(特許文献1の第1図、第6図参照)。
【0006】
このため、エンドクローズ加工を施す前に接続片3を切り欠く工程が必要であり、重い切断機をラインの移動に合わせて移動させながら切り欠くため、製造ラインの流れを遅くする工程上のクリティカルポイントとなっており、デッキプレートの製造効率を低下させる要因となっているという問題があった。
【0007】
また、接続片3の切り欠きにより、荷重の掛かる載架片4(閉塞部に相当)の近傍に断面欠損が生じることとなり、断面性能が低下して型枠としてのデッキプレートの強度を低下する要因となっていたという問題もある。
【0008】
さらに、デッキプレート同士の係合部分の接続片3を切り欠くことにより、コンクリート打設時のノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうという問題もあった。
【0009】
また、特許文献2には、合成スラブ用デッキプレートの山部である突出部30の長手方向端部をエンドクローズ加工して閉塞した合成床版用の端部閉塞デッキプレート21が開示されている(特許文献2の図面の
図3、
図4等参照)。
【0010】
しかし、特許文献2に記載の端部閉塞デッキプレート21は、合成スラブ(合成床版)用のものであり、係合リブである係合部28,29は、閉塞せずに長手方向端部でも潰されておらず、そのままフラットデッキ用のデッキプレートとしは使用できないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、係合リブに切り欠き不要のエンドクローズ部を備えたデッキプレート、及びそのデッキプレートのエンドクローズ加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係るデッキプレートは、鋼板から折り曲げられて平面視で長方形状に成形されたコンクリートスラブ用のデッキプレートであって、コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部と、このスラブ支持部の片面から面外方向に向け長手方向に沿って突設された補強リブと、前記スラブ支持部の長手両側の縁に沿って形成された左右一対の係合リブと、が備えられ、前記補強リブと前記左右一対の係合リブは、エンドクローズ加工により長手方向の両端部が上下方向に潰されて閉塞されたエンドクローズ部を有しているとともに、一方の第1係合リブのエンドクローズ部は、スラブ支持部の縁より外側へはみ出ておらず、且つ、他方の第2係合リブのエンドクローズ部は、長手方向の端部においてスラブ支持部の縁より外側へはみ出しており、前記第1係合リブのエンドクローズ部と隣接するデッキプレートの前記第2係合リブのエンドクローズ部は、長手方向の端部において上下に重なりあって
おり、前記各エンドクローズ部は、エンドエンドクローズ加工が施されていない無加工部から長手方向の端部へ向け徐々に上下方向に潰れていく形状移行部と、この形状移行部と連続して上下方向に完全に潰れた閉塞部と、を有し、前記第1係合リブのエンドクローズ部と隣接するデッキプレートの前記第2係合リブのエンドクローズ部は、前記形状移行部においても係合していることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係るデッキプレートは、第1発明において、左右一対の係合リブは、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状のウェブ部と、このウェブ部の先端から面外の一方向に張り出すフランジ部と、が備えられ、前記第1係合リブの前記フランジ部は、内側へ張り出しているとともに、前記第2係合リブの前記フランジ部は、外側へ張り出しており、前記各フランジ部には、フランジ部の面外方向に傾斜して短手方向にずれること防止する折り返し部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
第3発明に係るデッキプレートは、第2発明において、前記第2係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第2ウェブ部と、この第2ウェブ部の先端から外側に一定間隔離間して傾斜する係合傾斜部と、が設けられ、前記第1係合リブには、前記スラブ支持部の面外方向に立ち上がる平板状の第1ウェブ部と、この第1ウェブ部の先端から前記係合傾斜部と逆方向に傾斜して前記一定間隔内に収まる幅を有する乗り越え傾斜部と、が設けられていることを特徴とする。
【0017】
第
4発明に係るデッキプレートは、第1発明ないし第
3発明のいずれかの発明において、前記スラブ支持部には、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されていることを特徴とする。
【0018】
第
5発明に係るデッキプレートのエンドクローズ加工方法は、コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部と、このスラブ支持部の片面から面外方向に向け長手方向に沿って突設された補強リブと、前記スラブ支持部の長手両側の縁に沿って形成された左右一対の係合リブと、を備え、鋼板から折り曲げられて平面視で長方形状に成形されたコンクリートスラブ用のデッキプレートの前記各リブの長手方向の両端部を上下方向に潰して閉塞するデッキプレートのエンドクローズ加工方法であって、前記左右一対の係合リブのうち一方の第1係合リブの外側に変形を抑えるブロック状の治具を設置したうえ、前記第1係合リブを上下に押し潰してエンドクローズ部を形成することを特徴とする。
【0019】
第
6発明に係るデッキプレートは、第
5発明において、前記左右一対の係合リブのいずれも両側にも変形を抑えるブロック状の治具を設置したうえ、前記係合リブをそれぞれ上下に押し潰してエンドクローズ部を形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明〜第
6発明によれば、係合リブのエンドクローズ部を切り欠かなくてもデッキプレート同士の係合が可能となり、エンドクローズ部の事前の切り欠きが不要となる。このため、製造ラインの流れを遅くする工程上のクリティカルポイントであったプレノッチ加工が無くなり、デッキプレートの製造効率が向上する。よって、デッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0021】
また、第1発明〜第
6発明によれば、係合リブのエンドクローズ部の断面欠損が無くなるため、荷重が直接作用するエンドクローズ部の断面性能が向上し、曲げ強度が上がって安全性が増す。このため、デッキプレートの強度を保持したまま薄くすることができ、さらにデッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0022】
さらに、第1発明〜第
6発明によれば、係合リブのエンドクローズ部の事前の切り欠きが不要となるため、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。このため、ノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうおそれもない。
また、第1発明〜第6発明によれば、係合する係合リブ同士が形状移行部においても係合しているので、ノロ漏れ防止効果が高いだけでなく、デッキプレート全体としての強度が向上し、デッキプレートの強度を保持したまま薄くすることができる。このため、さらにデッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0023】
特に、第2発明及び第3発明によれば、合成スラブ用デッキプレートとしてもフラットデッキ用デッキプレートとしても使用することができるとともに、いずれのデッキプレートとして使用しても溶接やカシメなどの固定作業を行わずにデッキプレート同士の連結が容易且つ確実に行うことができる。短手方向の端部の断面性能(曲げ剛性)が向上し、デッキプレートの幅の倍数と構築するコンクリートスラブの幅との関係に端数が生じて幅調整が必要な場合でも、平板状の調整板だけで対応することができ、従来必要であった複数種類の役物が不要となる。このため、デッキプレート及びそれを用いたコンクリートスラブの材料コストを低減及び施工の単純化をすることができる。
【0024】
また、第2発明及び第3発明によれば、デッキプレートの短手方向の端部の係合リブにフランジ部が形成されていて曲げ剛性が高いうえ、フランジ部の向く方向が同一であるため、互いに逆方向に上下に重ねた際にフランジ部が外側へ突出することがない。このため、前述のように半端な役物が不要となるうえ、さらに荷姿が改善され、運搬効率が向上するとともに、デッキプレート揚重の際に、デッキプレートの束に掛けられる玉掛ワイヤーやスリングなどで絞られて係合リブが変形するおそれが少ない。
【0025】
特に、第3発明によれば、デッキプレートを水平方向にスライドさせるだけでデッキプレート同士を簡単に係合させることができる。
【0027】
特に、第
4発明によれば、スラブ支持部の平板面に、長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されているので、スラブ支持部の曲げ剛性が向上する。つまり、デッキプレート上に打設されたコンクリートの強度が発現するまでの施工時の型枠としてのデッキプレートの強度計算において、デッキプレートの長手方向に直交する鉛直断面の全断面積が有効として算定することができる。結果的に、必要強度に比してデッキプレートの厚さを薄くすることができ、輸送費を含めデッキプレートの設置費用を低減することができる。
【0028】
特に、第
6発明によれば、係合リブのエンドクローズ部のエンドクローズ加工が精度よくでき、係合力を高めてデッキプレート全体としての強度をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係るデッキプレート及びデッキプレートのエンドクローズ加工方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
本発明の実施形態に係るデッキプレート1は、建築物の床スラブや屋根スラブなどの構造物のコンクリートスラブを構築するため、解体を要さない打込み型枠として形鋼や型枠間に架け渡され、上面にコンクリートが打設されて使用されるコンクリートスラブ用のデッキプレートである。また、このデッキプレート1は、合成スラブ用デッキプレートとフラットデッキ用デッキプレートのいずれにも適用可能な構成となっている。
【0032】
また、フラットデッキ用デッキプレートとして使用する場合は、エンドクローズ加工によりデッキプレート1の長手方向の端部から打設時にフレッシュコンクリートが漏れないように上下方向に潰して閉塞するのが一般的であり、本実施形態に係るデッキプレート1にも後述のエンドクローズ部が形成されている。
【0033】
このデッキプレート1は、溶融亜鉛めっき鋼板(JIS G3302:SGCC,SGC340,SGH340)などの防錆処理が施された0.8mm〜1.6mm程度の薄鋼板から折り曲げられて、構造物の形状に応じた所定の長さの平面視で概形が長方形状に成形されたデッキプレートである。なお、デッキプレート1の長さは、構築するコンクリートスラブの長さ、及び鋼板の厚さや用途(合成スラブ用デッキプレートとして使用するか、又はフラットデッキ用デッキプレートとして使用するか)によって相違するが、一般的には、0.8m〜3.7m程度の範囲の長さとなっている。
【0034】
本実施形態に係るデッキプレート1は、
図1、
図2に示すように、コンクリートスラブの下面を支持する長方形平板状のスラブ支持部2と、このスラブ支持部2の片面(図上の下面)から垂直(鉛直)に長手方向に沿って突設された補強リブ3と、スラブ支持部2の長手両側の縁に沿って形成された互いに係合し合う形状の左右一対の係合リブ4,5など、から構成されている。
【0035】
なお、
図1、
図2は、デッキプレート1のリブ(補強リブ3、係合リブ4,5)が下を向いてスラブ支持部2の下方に位置する場合、即ち、デッキプレート1をフラットデッキ用デッキプレートとして使用する場合の設置方向を例示している。
【0036】
図2に示すように、このデッキプレート1は、スラブ支持部2の中央に一条だけ補強リブ3が突設されており、スラブ支持部2は、この補強リブ3を境に第1スラブ支持部21と、第2スラブ支持部22に分割されている。勿論、補強リブ3は、複数条設けられていてもよく、スラブ支持部2も3以上に分割されていてもよい。
【0037】
(スラブ支持部)
第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22は、
図2に示すように、補強リブ3を境に線対称となった左右一対の平板状の部材であり、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられて凹凸が形成されている。
【0038】
本実施形態に係るスラブ支持部2では、
図1、
図2に示すように、曲げ剛性を高める凹凸として、第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22のいずれにも断面台形状の凹条である台形リブ23が二本ずつ形成されている。
【0039】
このため、デッキプレート1上に打設されたコンクリートの強度が発現するまでの施工時の型枠としてのデッキプレート1の強度計算において、デッキプレート1の長手方向に直交する
図2の鉛直断面の全断面積が有効として算定することができる。よって、結果的に、必要強度に比してデッキプレートの厚さを薄くすることができ、輸送費を含めデッキプレート1の設置費用を低減することができる。
【0040】
勿論、スラブ支持部2に設ける凹凸として、断面台形状の凹条である台形リブ23を例示したが、断面三角形状や多角形状の凹条でもよい。即ち、スラブ支持部2に設ける凹凸は、曲げ剛性を高めるため長手方向に沿って折り曲げられる凹凸であれば、他の形状からなる凹条、凸条の台形リブでも構わない。
【0041】
(補強リブ)
補強リブ3は、スラブ支持部2の片面中央(第1スラブ支持部21と第2スラブ支持部22の間)に垂設され、2枚の平板状の鋼板が重なり合った平板部30と、この平板部30の先端に形成された断面三角形状の補強リブ部31など、から構成されており、スラブ支持部2の長手方向に対する曲げ剛性を向上する機能を有している。
【0042】
(第1係合リブ)
一対の係合リブのうち
図2に示す右側の係合リブである第1係合リブ4は、スラブ支持部2の面外方向である第1スラブ支持部21の面に対して垂直に下降する平板状の第1ウェブ部40と、この第1ウェブ部40の先端から
図2の状態で内側下方に向け傾斜して下降する乗り越え傾斜部41(フランジ部)と、この乗り越え傾斜部41の先端から
図2の状態で下方に傾斜する押圧傾斜部42など、から構成されている。
【0043】
この第1係合リブ4は、隣接する他のデッキプレート1の第2係合リブ5と係合してデッキプレート1同士を連結する機能を有している。
【0044】
また、乗り越え傾斜部41の傾斜高さは、後述の係合傾斜部53と案内傾斜部54の傾斜高さより高く、且つ、乗り越え傾斜部41の傾斜角度は、係合傾斜部53と案内傾斜部54の傾斜角度と相違して
図2の状態でこれらの傾斜角度より緩くなっている。このため、デッキプレート1を載置した鋼材等の上を水平方向にスライド移動させた際に、乗り越え傾斜部41が係合傾斜部53及び案内傾斜部54を容易に乗り越えて第1係合リブ4と他のデッキプレートの第1係合リブとが係合し易くなっている。
【0045】
その上、押圧傾斜部42の傾斜は、係合傾斜部53と同一方向に略同角度で傾斜しているので、第1係合リブ4と他のデッキプレートの第2係合リブ5とが係合した際に、デッキプレート1の自重により係合傾斜部53及び押圧傾斜部42の傾斜で第1係合リブ4と他のデッキプレート1の第2係合リブ5とが押圧される方向に荷重が掛かり、デッキプレート1同士をピッタリ係合させることができる。このため、コンクリート打設時のノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうことを防止することができる。
【0046】
図2等に示すように、第1係合リブ4の第1ウェブ部40、乗り越え傾斜部41、押圧傾斜部42の各部の接合部となる角も、全て曲面加工され折り曲げられ、丸面角となっている。
【0047】
ここで、本発明に係るデッキプレートでは、フランジ部の一部である乗り越え傾斜部41は、傾斜しておらず水平となっていてもよい。但し、本発明に係るデッキプレートでも、フランジ部の折り返し部である押圧傾斜部42は、第2係合リブ5の係合傾斜部53と係合するため必要である。
【0048】
(第2係合リブ)
一対の係合リブのうち
図2に示す左側の係合リブである第2係合リブ5は、スラブ支持部2の面外方向である第2スラブ支持部22の面に対して垂直に立ち上がる平板状の第2ウェブ部50と、この第2ウェブ部50の先端から
図2の状態で内側(補強リブ3と近接する側、以下同じ)下方に向け傾斜して下降するウェブ傾斜部51(ウェブ部)と、このウェブ傾斜部51の先端から水平に連続する第2フランジ部52と、この第2フランジ部52の先端から
図2の状態で上方に傾斜する係合傾斜部53(フランジ部)と、この係合傾斜部53の先端から係合傾斜部53と逆方向に傾斜する案内傾斜部54(フランジ部)など、から構成されている。
【0049】
なお、第1係合リブ4と同様に、第2係合リブ5の第2ウェブ部50、ウェブ傾斜部51、第2フランジ部52、係合傾斜部53、案内傾斜部54の各部の接合部となる角は、全て曲面加工され折り曲げられ、丸面角となっている。
【0050】
また、本発明に係るデッキプレートでは、ウェブ部の一部であるウェブ傾斜部51は、傾斜せず第2ウェブ部50と同一平面上で連続していても構わないし、フランジ部の一部である案内傾斜部54もなくてもよい。
【0051】
また、
図2(
図12も参照のこと)に示すように、第1係合リブ4の第1ウェブ部40の外面と、その折り返し部である押圧傾斜部42の傾斜が始まる折り返し点の外面との水平距離D1は、第2係合リブ5の第2ウェブ部50と、その折り返し部である係合傾斜部53の傾斜が始まる折り返しの点との水平距離D2と略等しくなっている。このため、押圧傾斜部42や係合傾斜部53の傾斜角度の加工精度に多少の誤差があったとしも、第2係合リブ5内に、第1係合リブ4がピッタリと嵌まり込んで係合して第1ウェブ部40と、第2ウェブ部50とが面接触で当接するため、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。
【0052】
<エンドクローズ部>
次に、
図1、
図3〜
図8を用いて、本発明の特徴部分であるデッキプレート1のエンドクローズ部について説明する。
【0053】
図1、
図3〜
図8に示すように、本実施形態に係るデッキプレート1は、エンドクローズ加工により、前述の補強リブ3、係合リブ4、及び係合リブ5長手方向の両端部が上下方向に押し潰されて閉塞されたエンドクローズ部が形成されている。
【0054】
図3は、デッキプレート1の長手方向の一端部付近となるエンドクローズ部を示す部分拡大斜視図であり、
図4は、そのエンドクローズ部を右側から水平に見た状態を示す部分拡大右側面図、
図5は、そのエンドクローズ部を長手方向に沿って水平に見た正面図である。
【0055】
図3〜
図5に示すように、このエンドクローズ部は、補強リブ3、係合リブ4、及び係合リブ5の各リブが、上下方向に押し潰されてリブの高さが長手方向の端部に行くに従って徐々に低くなっていく形状移行部を経て、リブの高さが完全に押し潰されて平らになった閉塞部が形成されている。そして、この閉塞部が床スラブを支持するH形鋼などの形鋼上に載置されることとなる(
図9〜
図11も参照)。
【0056】
図6〜
図8は、エンドクローズ加工が施されていない一般部となる無加工部から徐々に上下に潰れて低くなっていく様子を示す形状移行部及び閉塞部の端面図であり、
図6が、
図3、
図4のB−B線切断端面図、
図7が、C−C線切断端面図、
図8が、D−D線切断端面図である。
図4等に示すように、
図6、
図7がエンドクローズ部の形状移行部の端面を示し、
図8が、エンドクローズ部の閉塞部の端面を示している。
【0057】
本実施形態に係るデッキプレート1では、
図6に示すようにB−B線鉛直面では、補強リブ3は、2枚の鋼板が重なり合った平板部30が中央付近で座屈して、くの字状に折れ曲がるとともに、断面三角形状の補強リブ部31が正三角形状の断面から偏平な2等辺三角形状に押し潰されている。
【0058】
また、第1係合リブ4のエンドクローズ部は、
図6に示すようにB−B線鉛直面では、平板状の第1ウェブ部40が内側に折れ曲がっている。しかし、乗り越え傾斜部41と、押圧傾斜部42は、一般部である
図2に示した断面形状と略同じ構成のままである。
【0059】
そして、第2係合リブ5のエンドクローズ部は、
図6に示すようにB−B線鉛直面では、平板状の第2ウェブ部50が内側へ倒れるとともに、第2ウェブ部50とウェブ傾斜部51との角度、及びウェブ傾斜部51と第2フランジ部52との角度が変更され、ウェブ傾斜部51の下端が丸くなり第2フランジ部52が内側へ広がっている。一方、第2フランジ部52と係合傾斜部53との角度、係合傾斜部53と案内傾斜部54との角度は、殆ど変化はない。
【0060】
よって、
図6に示すようにB−B線鉛直面では、実線で示す第1係合リブ4と、破線で示す隣接する他のデッキプレート1の第2係合リブ5とは、係合傾斜部53、押圧傾斜部42等で互い係合している。
【0061】
次に、
図7に示すようにC−C線鉛直面では、補強リブ3のエンドクローズ部は、平板部30の座屈が進行するとともに、補強リブ部31の断面がさらに偏平な2等辺三角形状に押し潰されている。
【0062】
また、第1係合リブ4のエンドクローズ部は、
図7に示すようにC−C線鉛直面では、第1ウェブ部40の座屈がさらに進行するとともに、乗り越え傾斜部41と押圧傾斜部42との相関角度が広がって、
図2の一般部と比べて、乗り越え傾斜部41及び押圧傾斜部42の傾斜が緩くなっている。
【0063】
そして、第2係合リブ5のエンドクローズ部は、
図7に示すようにC−C線鉛直面では、第2ウェブ部50が水平に近くなる程内側へ倒れるとともに、第2ウェブ部50とウェブ傾斜部51との角度が略180度となり、第2フランジ部52がさらに内側へ広がっている。また、第2フランジ部52と係合傾斜部53との角度、係合傾斜部53と案内傾斜部54との角度も少し潰れて平たくなっている。
【0064】
よって、
図7に示すようにC−C線鉛直面では、係合傾斜部53等の傾斜角度は緩くなったものの、実線で示す第1係合リブ4と、破線で示す隣接する他のデッキプレート1の第2係合リブ5とは、係合傾斜部53と押圧傾斜部42等で互い係合された状態を維持している。
【0065】
図6、
図7に示すように、第1係合リブ4のエンドクローズ部は、形状移行部においてスラブ支持部2の縁より外側へはみ出しておらず、一方、他方の第2係合リブ5のエンドクローズ部は、長手方向の端部においてスラブ支持部の縁より外側へはみ出している。このため、隣接するデッキプレートの係合リブ同士が形状移行部においても干渉することなく、係合状態を維持した状態である。よって、ノロ漏れ防止効果が高いだけでなく、デッキプレート全体としての強度が向上し、デッキプレートの強度を保持したまま薄くすることができる。
【0066】
そして、
図8に示すように閉塞部であるD−D線鉛直面では、補強リブ3、第1係合リブ4、第2係合リブ5のいずれのリブも全て上下方向に押し潰されて略平となっている。また、スラブ支持部2の台形リブ23も全て押し潰されて平板状になっている。
【0067】
しかし、第1係合リブ4のエンドクローズ部と隣接するデッキプレートの第2係合リブ5のエンドクローズ部は、長手方向の端部において上下に重なりあって隙間がない。このため、閉塞部においてもノロ漏れ防止効果が高い。また、第2係合リブ5の閉塞部には、段差があり、第1係合リブ4を掛け止めて、デッキプレート1同士が、横方向へずれることを閉塞部においても防止することができる。
【0068】
<デッキプレートの設置方法及び係合リブの係合方法>
次に、
図9〜
図16を用いて、前述の本発明の実施形態に係るデッキプレート1の設置方法と係合リブの係合方法について、建築物の床スラブを構築する際に、デッキプレート1をフラットデッキ用のデッキプレートとして使用する場合を例示して説明する。
【0069】
図9に示すように、建築物の床スラブを構築するための打込み型枠としてデッキプレート1を、その長手方向が建築物の梁であるH形鋼Hと直交するように閉塞部を載置して、H形鋼H間にリブを下向きに水平に架け渡す。
【0070】
そして、
図9に示すように、破線で示すもう1つのデッキプレート1を、実線で示す既にH形鋼H上に載置したデッキプレート1と略平行となるように並べて載置する。その後、実線で示すデッキプレート1側へ図中の矢印方向に破線で示すデッキプレート1を押すか、又は引いて第2係合リブ5(図示せず)に第1係合リブ4を係合させてデッキプレート1同士を連結する。
【0071】
このような要領で、第2係合リブ5と第1係合リブ4を係合させて複数のデッキプレート1同士を連結して
図10に示すように、必要枚数のデッキプレート1を敷き並べる。
【0072】
図10に示すように、床スラブを支持する床梁であるH形鋼Hのフランジ上面にエンドクローズ加工部の閉塞部を載置し、デッキプレート1を全て敷き並べた後、溶接金網などの床スラブの構造設計に応じた所定の配筋を施し、所定設計強度のコンクリートを打設して、
図11に示すように鉄筋コンクリート製の床スラブを構築する。
【0073】
次に、
図12〜
図16を用いて、デッキプレート同士の係合方法について詳細に説明する。
【0074】
図12は、デッキプレート1同士の係合前の状態を長手方向と直交する鉛直断面で示す係合状態説明図である。実線で示す第2係合リブ5は、H形鋼H上に最初に載置したデッキプレート1の係合リブを示し、破線で示す第1係合リブ4は、後から載置して既設のデッキプレート1の方へ引き寄せるか、又は押圧してH形鋼Hのフランジ上を図中の矢印方向へスライド移動させる側のデッキプレート1の係合リブを示している。
【0075】
図13は、
図12の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート1同士を係合させる直前状態、即ち、スライド移動させている右側のデッキプレート1の第1係合リブ4が左側のデッキプレート1の第2係合リブ5と当接した状態を示す係合状態説明図である。
【0076】
図13に示すように、右側のデッキプレート1を左側へスライド移動させていくと、左側の第2係合リブ5の係合傾斜部53と案内傾斜部54の丸面角が、右側のデッキプレート1の乗り越え傾斜部41の斜面の途中に当接する。
【0077】
図14は、
図13の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート同士の係合を開始した直後、即ち、右側の第1係合リブ4の乗り越え傾斜部41が、左側の第2係合リブ5の係合傾斜部53と案内傾斜部54の丸面角に乗り上げた状態を示す係合状態説明図である。
【0078】
図14に示すように、右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動を継続すると、右側の第1係合リブ4の乗り越え傾斜部41が、左側の第2係合リブ5の係合傾斜部53と案内傾斜部54の丸面角に案内されて、乗り越え傾斜部41の傾斜に沿って乗り上げ上昇して行き、右側のデッキプレート1の片側が持ち上がることとなる。
【0079】
このとき、本実施形態に係る係合傾斜部53と案内傾斜部54の角が丸面(曲面)となっているので、乗り越え傾斜部41が、丸面角への乗り上げの摺動がスムーズとなっている。但し、乗り越え傾斜部41の乗り上げは、案内傾斜部54が無く、係合傾斜部53の端面と乗り越え傾斜部41の斜面とが摺接する場合であっても可能であるため案内傾斜部54はなくてもよい。
【0080】
図15は、
図14の矢印方向へそのまま破線で示す右側のデッキプレート1をスライド移動させてデッキプレート同士の係合終了前、即ち、左側の第2係合リブ5の係合傾斜部53と案内傾斜部54の丸面角を、右側の第1係合リブ4の乗り越え傾斜部41が乗り越えた直後の状態を示す係合状態説明図である。
【0081】
図15に示すように、右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動を継続すると、持ち上がった右側の第1係合リブ4の乗り越え傾斜部41が、左側の第2係合リブ5の係合傾斜部53と案内傾斜部54の丸面角を乗り越え、次に、第1係合リブ4の押圧傾斜部42が、スライド移動に伴って、左側の第2係合リブ5の係合傾斜部53の斜面に沿って、滑りながら下降していくこととなる。
【0082】
このとき、押圧傾斜部42の斜面の傾斜角度と、係合傾斜部53の斜面の傾斜角度が、略同じ角度となっているため、スライド移動させている右側のデッキプレート1の移動の慣性力に加え、持ち上がった右側のデッキプレート1の自重により押圧傾斜部42と係合傾斜部53の斜面に案内されて左側へ移動しようとする力が働く。
【0083】
図16は、破線で示す右側のデッキプレート1の左側へのスライド移動が完了した状態、即ち、デッキプレート同士の係合終了後の状態を示す係合状態説明図である。
【0084】
図16に示すように、係合傾斜部53の斜面による右側のデッキプレート1の自重の左側への分力と、これと反対方向に働く左側の静止しているデッキプレート1の止まろうとする慣性力とで、係合させるデッキプレート1同士が互いに押圧される結果となる。また、前述のように、D1≒D2となっている(
図2、
図12等参照)。このため、デッキプレート1同士をピッタリ係合させることができ、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。
【0085】
以上のように、本発明の実施形態に係るデッキプレート1によれば、フラットデッキ用デッキプレートとして使用しても溶接やカシメなどの固定作業を行わずにデッキプレート同士の連結が容易且つ確実に行うことができる。
【0086】
また、以上のように、デッキプレート同士の係合方法を図示して説明したが、図示した方向とは逆方向、即ち、第2係合リブを第1係合リブへスライド移動させて係合しても構わない。その場合でも前記作用効果を奏することは明らかである。
【0087】
なお、以上のように、本発明の実施形態に係るデッキプレート1として、横方向にスライド移動させるだけで係合できるものを例示して説明したが、デッキプレート同士を係合させる際に、一方のデッキプレートを持ち上げて係合させる手間を掛ければ、前述のように、ウェブ傾斜部51、案内傾斜部54、乗り
越え傾斜部51などの構成は、図示形態等に限られず、他の構成でも構わない。要するに、本発明に係るデッキプレートとしては、一対の係合リブに同一方向に開いたフランジ部をそれぞれ設けて、そのフランジ部に折り返し部を形成すればよい。
【0088】
<実施形態に係るデッキプレートの作用効果>
以上説明した本発明の実施形態に係るデッキプレート1によれば、係合リブのエンドクローズ部を切り欠かなくてもデッキプレート同士の係合が可能となり、エンドクローズ部の事前の切り欠きが不要となる。このため、製造ラインの流れを遅くする工程上のクリティカルポイントであったプレノッチ加工が無くなり、デッキプレートの製造効率が向上する。よって、デッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0089】
また、デッキプレート1によれば、係合リブのエンドクローズ部の断面欠損が無くなるため、荷重が直接作用するエンドクローズ部の断面性能が向上し、曲げ強度が上がって安全性が増す。このため、デッキプレートの強度を保持したまま薄くすることができ、さらにデッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0090】
さらに、デッキプレート1によれば、係合リブのエンドクローズ部の事前の切り欠きが不要となるため、コンクリート打設時のノロ漏れを確実に防止することができる。このため、ノロ漏れによりセメント成分が硬化してデッキプレートの下面に剥離困難な汚れが付着してしまうおそれもない。
【0091】
その上、デッキプレート1によれば、係合する係合リブ同士が形状移行部においても係合しているので、ノロ漏れ防止効果が高いだけでなく、デッキプレート全体としての強度が向上し、デッキプレートの強度を保持したまま薄くすることができる。このため、さらにデッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0092】
<デッキプレートのエンドクローズ加工方法>
次に、
図17、
図18を用いて、前述のデッキプレート1のエンドクローズ加工方法について説明する。
【0093】
本発明の実施形態に係るデッキプレートのエンドクローズ加工方法では、
図17、
図18に示すように、リブの外側に変形を抑えるブロック状の治具J1〜J4を設置したうえ、各リブを上下に押し潰してエンドクローズ部を形成する。例えば、デッキプレート1のエンドクローズ部の長手方向に関しては、
図17に示すように、形状移行部の直前の無加工部にブロック状の治具J1を設置し、閉塞部をプレス機で押圧する。
【0094】
また、デッキプレート1の各リブについては、
図18に示すように、第1係合リブ4及び第2係合リブ5の両側にも変形を抑えるブロック状の治具J1,J2、J3,J4をそれぞれ設置したうえ、各係合リブをそれぞれ上下に押し潰してエンドクローズ部を形成する。
【0095】
但し、前述のように、第1係合リブ4の第1ウェブ部40が、エンドクローズ加工の際に外側に倒れると、エンドクローズ部の形状移行部において、隣接するデッキプレート1の第2係合リブ5と干渉してデッキプレート1同士が係合できなくなる。よって、第1係合リブ4の第1ウェブ部40の外側、即ち、ブロック状の治具J4が、本発明に係るデッキプレートのエンドクローズ加工方法では、必須となる。
【0096】
本実施形態に係るデッキプレートのエンドクローズ加工方法によれば、係合リブを事前に切り欠くプレノッチ加工が不要となり、製造ラインの流れを遅くする工程上のクリティカルポイントが無くなり、デッキプレートの製造効率が向上する。よって、デッキプレートの製造コストを低減することができる。
【0097】
その上、本実施形態に係るデッキプレートのエンドクローズ加工方法によれば、係合リブのエンドクローズ加工が精度よくでき、係合力を高めてデッキプレート全体としての強度をさらに向上させることができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態に係るデッキプレートについて詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。特に、デッキプレートをH形鋼などの形鋼間に架け渡す場合を例示して説明したが、デッキプレートを基礎等の木製型枠などの型枠間に架け渡してもよいことは云うまでもない。