(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
顧客からの問い合わせに対応する受付者と、顧客宅で作業を行う作業担当者との間での情報共有を可能とする顧客対応支援システムであって、前記システムは、顧客対応支援サーバ、前記作業担当者が所有するモバイル端末、および受付者が利用する端末装置を備え、
(a)前記顧客対応支援サーバは、
前記端末装置から入力された第1の受付データを受信し、前記第1の受付データは、前記作業に対する対応予定日を含み、
前記第1の受付データを受信したことに応答して、前記作業に対する状態フラグを含めた前記第1の受付データを記憶装置に記憶し、
前記モバイル端末に、前記記憶した第1の受付データを送信し、
前記端末装置から、受付検索要求を受信し、
前記受信した受付検索要求に基づいて、前記第1の受付データを前記記憶装置から取得し、
前記端末装置に、前記取得した第1の受付データを送信し、
(b)前記モバイル端末は、
前記顧客対応支援サーバによって送信された第1の受付データを受信し、
前記受信した第1の受付データを、前記第1の受付データに含まれる前記対応予定日に従って画面にカレンダー形式で表示し、
前記モバイル端末から入力された情報に基づいて、前記第1の受付データを第2の受付データに更新し、
前記第2の受付データを、前記顧客対応支援サーバに送信し、
前記作業担当者が作業を完了すると、作業完了指示を前記顧客対応支援サーバに送信し、
(c)前記端末装置は、
前記顧客対応支援サーバによって送信された第1の受付データを受信し、
前記端末装置から入力された情報に基づいて、前記第1の受付データを第3の受付データに更新し、
前記第3の受付データを、前記顧客対応支援サーバに送信し、
(d)前記顧客対応支援サーバは、
前記第2の受付データを受信した場合、前記受信した第2の受付データを前記記憶装置に記憶し、
前記第3の受付データを受信した場合、前記受信した第3の受付データを前記記憶装置に記憶し、
前記作業完了指示を受信した場合、前記作業完了指示に基づいて、前記記憶装置に記憶された前記第1の受付データまたは前記第2の受付データに含まれる前記状態フラグを更新する
ことを特徴とするシステム。
顧客からの問い合わせに対応する受付者と、顧客宅で作業を行う作業担当者との間での情報共有を可能とするコンピュータシステムによって実行される方法であって、前記コンピュータシステムは、顧客対応支援サーバ、前記作業担当者が所有するモバイル端末、および受付者が利用する端末装置を備え、
(a)前記顧客対応支援サーバが、
前記端末装置から入力された第1の受付データを受信するステップであって、前記第1の受付データは、前記作業に対する対応予定日を含む、ステップと、
前記第1の受付データを受信したことに応答して、前記作業に対する状態フラグを含めた前記第1の受付データを記憶装置に記憶するステップと、
前記モバイル端末に、前記記憶した第1の受付データを送信するステップと、
前記端末装置から、受付検索要求を受信するステップと、
前記受信した受付検索要求に基づいて、前記第1の受付データを前記記憶装置から取得するステップと、
前記端末装置に、前記取得した第1の受付データを送信するステップと、
(b)前記モバイル端末が、
前記顧客対応支援サーバによって送信された第1の受付データを受信するステップと、
前記受信した第1の受付データを、前記第1の受付データに含まれる前記対応予定日に従って画面にカレンダー形式で表示するステップと、
前記モバイル端末から入力された情報に基づいて、前記第1の受付データを第2の受付データに更新するステップと、
前記第2の受付データを、前記顧客対応支援サーバに送信するステップと、
前記作業担当者が作業を完了すると、作業完了指示を前記顧客対応支援サーバに送信するステップと、
(c)前記端末装置が、
前記顧客対応支援サーバによって送信された第1の受付データを受信するステップと、
前記端末装置から入力された情報に基づいて、当該前記第1の受付データを第3の受付データに更新するステップと、
前記第3の受付データを、前記顧客対応支援サーバに送信するステップと、
(d)前記顧客対応支援サーバが、
前記第2の受付データを受信した場合、前記受信した第2の受付データを前記記憶装置に記憶するステップと、
前記第3の受付データを受信した場合、前記受信した第3の受付データを前記記憶装置に記憶するステップと、
前記作業完了指示を受信した場合、前記作業完了指示に基づいて、前記記憶装置に記憶された前記第1の受付データまたは前記第2の受付データに含まれる前記状態フラグを更新するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る顧客支援システム構成を示す図である。
図1に示すように、ガス事業者のコールセンター100には、電話交換機(PBX)101、CTIサーバー102、顧客対応支援サーバー103、各受付者の電話機(111a、112a、113a・・・)および各受付者の端末装置(111b、112b、113b、・・・)が設置され、顧客の電話機110と電話交換機(PBX)101とが電話網を介して接続されている。電話機は、固定電話機に限定されず、IP電話とすることもできる。また、営業所120にも、受付者の電話機121a、および受付者の端末装置121bが設置され、顧客の電話機110と受付者の電話機121aとが電話網を介して接続されている。
【0019】
電話交換機(PBX)101は、電話局側からの複数回線分の電話を受付者の電話機に振り分けている。また、電話交換機(PBX)101は、CTIサーバー102を介して送られる指示に従って、顧客からの呼の接続先を切り替える。たとえば、ある受付者の電話機に接続している呼を、異なる担当部署の電話機に転送するように指示された場合には、この指示に従って顧客からの呼の接続先を切り替える。
【0020】
受付者は、顧客からの問い合わせを受け付ける。パーソナルコンピュータ等の情報処理するための端末装置(111b、112b、113b、121b等)を利用し、端末装置とネットワークで接続された顧客データ記憶部104、設備データ記憶部105等から情報の検索を行い、問い合わせ内容に応じた受付データを入力して、顧客対応支援サーバー103に送信する。
【0021】
顧客対応支援サーバー103は、顧客データ記憶部104、設備データ記憶部105、作業担当者データ記憶部106、および受付データ記憶部107を備え、ネットワークを介して、コールセンター100に設置された各受付者の端末装置(111b、112b、113b、・・・)、および営業所に設置された受付者の端末装置121bと通信を行うよう構成されている。受付者の端末装置からの要求に応じて、顧客データ記憶部104、設備データ記憶部105等に格納された情報を提供し、また、受付者の端末装置から送信された受付データを受付データ記憶部107に格納する。
【0022】
顧客対応支援サーバー103は、また、ネットワークを介して、各作業担当者のモバイル端末130a、130b、・・・、130n(以下、モバイル端末130と呼ぶ)と通信を行うよう構成されている。顧客対応支援サーバー103は、受付者の端末装置から送信された受付データを、対象顧客の問い合わせに対応する作業担当者のモバイル端末130に送信することができる。
【0023】
モバイル端末130は、営業所の各作業担当者が所有する端末である。作業担当者は、モバイル端末130に送信された受付データに従って、対象顧客宅に、対応予定日時に訪問する。顧客宅にて対応を行った作業担当者は、モバイル端末130を介して受付データを更新して、顧客対応支援サーバー103に送信する。
【0024】
次に、
図2のブロック図を参照して、上述した顧客対応支援サーバー103の構成を詳細に説明する。なお、
図2では、単一のコンピュータシステムを想定し、必要な機能構成だけを示しているが、顧客対応支援サーバー103を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0025】
顧客対応支援サーバー103は、CPU201に、システムバス202を介してRAM203、入力装置204、出力装置205、通信制御装置206および不揮発性記憶媒体(ROMやHDDなど)で構成される記憶装置207が接続された構成を有する。記憶装置207は、上記した機能を奏するためのソフトウェアプログラムを格納するプログラム格納領域と、随時取得するデータや処理結果としてのデータなどを格納するデータ格納領域とを備えている。以下に説明するプログラム格納領域の各手段は、実際は独立したソフトウェアプログラム、そのルーチンやコンポーネントなどであり、CPU201によって記憶装置207から呼び出されRAM203のワークエリアに展開されて、データベースなどを適宜参照しながら順次実行されることで、各機能を奏するものである。
【0026】
データ格納領域は、顧客データ記憶部104、設備データ記憶部105、作業担当者データ記憶部106、および受付データ記憶部107を備える。何れも、記憶装置207内に確保された一定の記憶領域である。
【0027】
顧客データ記憶部104は、顧客に関する情報を格納する。一実施形態では、顧客データ記憶部104には、
図3に示されるように、顧客コード、需要家コード、顧客名、郵便番号、住所、電話番号、保証サービス加入フラグが格納される。
【0028】
顧客コードは、顧客を一意に識別するコードであり、需要家コードは需要家を一意に識別するコードである。顧客コードは、当ガス事業者のすべての顧客に割り当てられるコードであり、需要家コードは、当ガス事業者からガスの供給サービスを受けている顧客のみに割り当てられる。例えば、別のガス事業者からガスの供給サービスを受けているが、当ガス事業者からガス器具を購入したことがある顧客については、顧客コードのみ割り当てられる。
【0029】
保証サービス加入フラグは、当ガス事業者が提供するガス器具保証サービスに加入しているか否かを示す(未加入の場合は「0」、加入の場合は「1」)。
【0030】
設備データ記憶部105は、顧客宅に設置される設備に関する情報を格納する。一実施形態では、設備データ記憶部105には、
図4に示されるように、顧客コード、メーカー、器種、製造年月、器具名、および設置場所が格納される。設備データは、顧客が当ガス事業者から器具を購入した際、定期的に行われる保安点検の際、またはコールセンター等への問い合わせの際に、随時登録されるものである。
【0031】
作業担当者データ記憶部106は、作業担当者に関する情報を格納する。一実施形態では、作業担当者データ記憶部106には、
図5に示されるように、郵便番号、営業所コード、担当営業所、担当者コード、作業担当者、およびモバイル端末アドレスが格納され、郵便番号で識別されるエリアを管轄する営業所、および作業担当者を特定することができる。
【0032】
モバイル端末アドレスには、受付データの配信先となる作業担当者が所有する端末をネットワーク上で識別する情報が格納される。本実施形態では、エリアを識別する最小単位として郵便番号を用いているが、他の単位(市、区、町など)に一意な識別子を付与して管理することもできる。
【0033】
受付データ記憶部107は、顧客からの問い合わせに関する情報を格納する。一実施形態では、受付データ記憶部107には、
図6に示されるように、受付コード、受付区分、受付日、受付時刻、受付場所、受付者、顧客コード、需要家コード、顧客名、保証サービス加入フラグ、郵便番号、住所、電話番号、対応予定日、対応予定時刻、営業所コード、担当営業所、担当者コード、作業担当者、受付メモ、更新理由、および状態が格納される。
【0034】
受付コードは、顧客からの問い合わせを一意に識別するコードである。受付区分には、「器具見積・購入依頼」、「契約プラン相談」、「ガス器具故障」等、問い合わせの分類が格納される。対応予定日、対応予定時刻には、顧客宅訪問が必要なケースにおいて、受付者が顧客から確認した希望訪問日時が格納される。
【0035】
営業所コード、担当営業所、担当者コード、および作業担当者には、当該問い合わせに対応する営業所、および作業担当者の情報が格納される。本実施形態では、顧客対応支援サーバー103が、顧客の郵便番号に基づいて作業担当者データ記憶部106を参照して、対応する営業所、および作業担当者を特定する。
【0036】
受付メモには、受付者が顧客から確認した問い合わせの内容が格納される。また、更新理由は、受付データを受付データ記憶部107に登録した後、状況に応じて受付者、または作業担当者が当該受付データを更新する際に用いることができる。状態は、問い合わせの状態を「0:未完了」または「1:完了」で示している。
【0037】
プログラム格納領域に格納されているソフトウェアプログラムは、本発明に関連するものだけを列挙すると、データ取得手段208、受付データ作成手段209、受付データ登録手段210、受付データ更新手段211、および修理依頼手段212を備えている。
【0038】
データ取得手段208は、端末装置からの検索要求に応じて、データ格納領域の記憶部から、所定のデータを取得して、端末装置に送信する。まず、データ取得手段208は、端末装置から顧客名、住所等を含む顧客検索要求を受信すると、受信した顧客検索要求に基づいて、顧客データ記憶部104から顧客データを取得する。また、データ取得手段208は、端末装置から顧客コードを含む設備検索要求を受信すると、受信した設備検索要求に基づいて、設備データ記憶部105から設備データを取得する。
【0039】
また、データ取得手段208は、顧客コード、受付コード等を含む受付検索要求を受信すると、受信した受付検索要求に基づいて、受付データ記憶部107から受付データを取得する。
【0040】
受付データ作成手段209は、端末装置から顧客コードを含む受付データ作成指示を受信すると、まず、受付データ作成指示に含まれる顧客コードに対応する需要家コード、顧客名、保証サービス加入フラグ、郵便番号、住所、電話番号を顧客データ記憶部104から取得する。さらに、受付データ作成手段209は、顧客の郵便番号に対応する担当営業所、および作業担当者を作業担当者データ記憶部106から取得し、受付データを作成して端末装置に送信する。
【0041】
受付データ登録手段210は、端末装置から受付コードが設定されていない受付データを受信すると、受付コードを設定して受付データ記憶部107に登録する。さらに、受付データ登録手段210は、受付データに含まれる担当者コードに基づいて、作業担当者データ記憶部106からモバイル端末アドレスを取得して、取得したモバイル端末アドレスに受付データを配信する。
【0042】
受付データ更新手段211は、端末装置またはモバイル端末130から受付コードが設定された受付データを受信すると、受信した受付データで受付データ記憶部107を更新する。さらに、受付データ更新手段211は、端末装置から受付データを受信した場合、受付データに含まれる担当者コードに基づいて、作業担当者データ記憶部106からモバイル端末アドレスを取得して、取得したモバイル端末アドレスに受付データを配信する。
【0043】
修理依頼手段212は、端末装置またはモバイル端末130から、受付コード、修理依頼先情報、および請求先情報を含む修理依頼指示を受信すると、修理依頼指示に含まれる修理依頼先に、受付コードにより特定される受付データと、請求先情報とを送信する。修理依頼先情報には、ガス器具の修理を依頼するメーカーの情報(代表メールアドレス、担当者メールアドレス等)が含まれる。請求先情報には、ガス器具の修理に要した費用の請求先となる情報(「0:ガス事業者」、または「1:顧客」)が含まれる。
【0044】
次に、
図7のフローチャートを参照して、顧客からの問い合わせに受付者/作業担当者が対応する際の処理工程を説明する。ガス事業者Aにおいて、
図3に示されるような顧客データ記憶部104、
図4に示されるような設備データ記憶部105、
図5に示されるような作業担当者データ記憶部106、および
図6(a)に示されるような受付データ記憶部107が事前に登録されているものとする。
【0045】
また、ガス事業者Aは、製造・販売先に関わらず、ガスを供給する需要家が保有するガス器具について、製造後10年以内に故障した場合については、メーカー保証に準じた保証を行うサービスを提供しており、当該ガス器具保証サービスに加入しているか否かが、顧客データ記憶部104に格納されているものとする。
【0046】
ガス事業者Aの顧客である顧客2が、コールセンターに電話をかけ、電話交換機(PBX)101が受付者2の電話機112aに着信を通知し、受付者が応答操作(受信ボタンを押す、受話器を上げる等)を行い、通話を開始したものとする。
【0047】
受付者は、顧客から顧客名、住所等の情報を確認し、S701において、端末装置から顧客対応支援サーバー103に、確認した顧客情報を含む顧客検索要求を送信する。S702において、顧客対応支援サーバー103のデータ取得手段208は、受信した顧客検索要求に基づいて、顧客データ記憶部104から顧客データを取得して、端末装置に送信する。
【0048】
本実施形態では、受付者2が、端末装置112bから顧客対応支援サーバー103に、「顧客名:顧客2」、住所「○県△市」を含む顧客検索要求を送信し、データ取得手段208は、
図3に示される「顧客コード:22345678」により特定される顧客データを取得して、端末装置112bに送信する。受付者2は、端末装置112bに表示された顧客データを参照しながら、顧客への対応を続ける。
【0049】
受付者は、ガス器具の故障に関する問い合わせであることをヒアリングし、S703において、端末装置から顧客対応支援サーバー103に、現在表示されている顧客データに関する設備検索要求を送信する。S704において、データ取得手段208は、受信した設備検索要求に基づいて、設備データ記憶部105から設備データを取得して、端末装置に送信する。
【0050】
本実施形態では、端末装置112bから顧客対応支援サーバー103に、「顧客コード:22345678」を含む設備検索要求が送信され、データ取得手段208は、
図4に示される「顧客コード:22345678」を含む2件の設備データを取得して、端末装置112bに送信する。受付者2は、端末装置112bに表示された2件の設備データのうち、顧客の問い合わせに関するガス器具の設備データを選択して参照しながら、顧客への対応を続ける。
【0051】
受付者が、作業担当者による顧客宅訪問が必要であると判断すると、S705において、端末装置から顧客対応支援サーバー103に、顧客コードを含む受付データ作成指示を送信する。S706において、顧客対応支援サーバー103の受付データ作成手段209は、受付データ作成指示に含まれる顧客コードに対応する需要家コード、顧客名、保証サービス加入フラグ、郵便番号、住所、電話番号を顧客データ記憶部104から取得する。さらに、受付データ作成手段209は、顧客の郵便番号に対応する営業所コード、担当営業所、担当者コード、および作業担当者を作業担当者データ記憶部106から取得し、受付データを作成して端末装置に送信する。
【0052】
本実施形態では、端末装置112bから顧客対応支援サーバー103に、「顧客コード:22345678」を含む受付データ作成指示が送信され、受付データ作成手段209は、「顧客コード:22345678」に対応する顧客情報を顧客データ記憶部104から取得し、さらに、顧客の「郵便番号:1234001」に対応する営業所情報(100:大宮営業所)と作業担当者情報(22222:作業担当者2)とを
図5に示される作業担当者データ記憶部106から取得し、受付データを作成して端末装置112bに送信する。受付者2の端末装置112bには、
図8に示されるような受付画面が表示されているものとする。なお、受付データの状態には、初期値として「0:未完了」が設定されているものとする。
【0053】
受付日、受付時刻、受付場所、受付者については、端末装置で保持している情報に基づいて、端末装置が、受付データ作成指示を送信した日付、時刻、端末装置が設置されている場所、現在端末装置にログインしている受付者を自動で設定することができる。
【0054】
受付者は、顧客からヒアリングした情報に基づいて、受付画面において受付区分、対応予定日、対応予定時刻、および受付メモの入力を行う。ガス器具の故障に関する問い合わせの場合、受付者は、参照している設備データから、メーカー、器種、製造年月、器具名等の情報を受付メモに転記し、併せてガス器具の不具合内容を入力する。
【0055】
また、担当営業所、および作業担当者については、顧客の郵便番号のエリアを管轄する営業所の作業担当者が設定されているが、例えば担当者が休暇や出張で不在である場合には、受付者は、別の作業担当者を設定することもできる。
【0056】
S707において、端末装置から顧客対応支援サーバー103に、入力が完了した受付データを送信する。S708において、顧客対応支援サーバー103の受付データ登録手段210は、受信した受付データに受付コードを設定して受付データ記憶部107に登録する。さらに、S709において、受付データ登録手段210は、受付データに含まれる担当者コードに基づいて、作業担当者データ記憶部106からモバイル端末アドレスを取得して、取得したモバイル端末アドレスに受付データを配信する。
【0057】
本実施形態では、受付データ登録手段210は、受付データに「受付コード:20150120-001」を設定して、
図6(b)に示される受付データを受付データ記憶部107に登録し、さらに、受付データに含まれる「担当者コード:22222」に基づいて、作業担当者データ記憶部106から「モバイル端末アドレス:100-22222」を取得して、取得したモバイル端末アドレスに受付データを配信する。
【0058】
顧客対応支援サーバー103から受付データを受信すると、S710において、モバイル端末130は、受付データの受信を知らせる通知(アイコンの表示、電子音の出力等)を行う。また、モバイル端末130は、
図9に示されるような、作業カレンダー画面を用いて受付データを表示する。作業カレンダー画面は、カレンダー部901と作業リスト部902とで構成されており、カレンダー部901には、各日ごとに、対応予定日が当該日である受付データの件数が表示される。作業リスト部902には、対応予定日が当日である受付データのリストを表示する直近作業リスト、対応予定日を経過した受付データのリストを表示する経過作業リスト、または、将来の対応予定日である受付データのリストを表示するToDoリストが表示される。
【0059】
本実施形態では、カレンダー部901には、1月20日の受付データの件数として1件が表示され、作業リスト部902には、対応予定日が当日である受付データとして顧客2の受付データが表示される。
【0060】
作業担当者は、表示された受付データを選択して、
図10に示されるような受付データ詳細画面を確認し、顧客宅において作業を行うものとする。
【0061】
本実施形態では、作業担当者による現場対応の結果、部品故障のためメーカーに修理を依頼する必要があると判断されたものとする。
【0062】
作業担当者は、受付データ詳細画面から完了ボタンを押下して現場対応の結果を更新理由に入力し、S711において、モバイル端末130から、更新された受付データと共に、当該受付データに対する現場対応が完了した旨を示す指示を顧客対応支援サーバー103に送信する。
【0063】
S712において、顧客対応支援サーバー103の受付データ更新手段211は、モバイル端末130から受付データを受信すると、受信した受付データの状態に「1:完了」を設定して受付データ記憶部107を更新する。
【0064】
本実施形態では、受付データ更新手段211は、受付データの状態に「1:完了」を設定して、
図6(c)に示されるように受付データ記憶部107を更新する。
【0065】
本発明によれば、受付者が顧客からの問い合わせを受け付けた際、受付者は、対象の顧客データを検索し、問い合わせに応じた受付データを登録するだけで、対象顧客の問い合わせに対応する作業担当者が自動的に特定され、当該特定された作業担当者のモバイル端末に受付データを送信することができる。これにより、受付者のミスによる作業担当者の手配、作業担当者への引継ぎにおける事故を大きく軽減することができる。さらに、受付者の作業負担を軽減することで、受付者は、効率的に次の問い合わせに対応することができるようになる。
【0066】
(受付者による受付データ更新処理)
次に、
図11のフローチャートを参照して、作業担当者が顧客宅で作業を開始する前に、顧客からの再問い合わせに受付者が対応する際の処理を説明する。
【0067】
本実施形態では、
図7のS709の後、S711の前に、顧客2から再度コールセンターに連絡があり、受付者2が通話を開始したものとする。
【0068】
受付者は、顧客から顧客名、住所、問い合わせの経緯等の情報を確認し、S1101において、端末装置から顧客対応支援サーバー103に、確認した顧客情報、受付日時等を含む受付検索要求を送信する。S1102において、顧客対応支援サーバー103のデータ取得手段208は、受信した受付検索要求に基づいて、受付データ記憶部107から受付データを取得して、端末装置に送信する。
【0069】
本実施形態では、受付者2が、端末装置112bから顧客対応支援サーバー103に、「顧客名:顧客2」、「受付日:2015/01/20」を含む受付検索要求を送信し、データ取得手段208は、
図6(b)に示される「受付コード:20150120-001」により特定される受付データを取得して、端末装置112bに送信する。受付者2の端末装置112bには、
図12に示されるような受付履歴画面が表示されているものとする。
【0070】
受付者は、顧客からヒアリングした追加情報に基づいて、受付履歴画面において修正内容または更新内容を入力する。本実施形態では、登録済みの受付データに修正を行う場合、受付者は、
図12に示される受付履歴画面の受付情報修正ボタンを押下して、該当の項目を修正する。新たな情報を受付データに追加する場合、受付者は、
図12に示される受付履歴画面の継続ボタンを押下して、更新理由に新たな情報を入力する。さらに、顧客からヒアリングした結果、ガス器具の故障が改善する等、本問い合わせをクローズする場合、受付者は、
図12に示される受付履歴画面の完了ボタンを押下して、更新理由にその理由を入力する。
【0071】
S1103において、端末装置から顧客対応支援サーバー103に、入力が完了した受付データを送信する。S1104において、顧客対応支援サーバー103の受付データ更新手段211は、受信した受付データを用いて受付データ記憶部107を更新する。さらに、S1105において、受付データ更新手段211は、受付データに含まれる担当者コードに基づいて、作業担当者データ記憶部106からモバイル端末アドレスを取得して、取得したモバイル端末アドレスに受付データを配信する。
【0072】
顧客対応支援サーバー103から受付データを受信すると、S1106において、モバイル端末130は、受付データの受信を知らせる通知(アイコンの表示、電子音の出力等)を行う。また、モバイル端末130は、作業カレンダー画面を更新して表示する。
【0073】
本実施形態では、状態が「0:未完了」の受付データを受信した場合、モバイル端末130は、作業カレンダー画面に更新された受付データの内容を表示する。一方、状態が「1:完了」の受付データを受信した場合、モバイル端末130は、受信済みの受付データをモバイル端末から削除することにより、カレンダー部901に表示されていた受付データの件数から除外する。同様に、モバイル端末130は、作業リスト部902に表示されていた受付データについても削除する。
【0074】
(作業担当者によるデータ更新処理)
受付者によるデータ更新処理と同様に、未完了の受付データについては、作業担当者もデータ更新を行うことができる。例えば作業担当者は、
図7のS711の前に、受付データ詳細画面から受付情報修正、または継続ボタンを押下して該当の項目に入力し、モバイル端末130から、更新された受付データを顧客対応支援サーバー103に送信することができる。更新された受付データを受信すると、顧客対応支援サーバー103の受付データ更新手段211は、受信した受付データを用いて受付データ記憶部107を更新する。
【0075】
本発明によれば、未完了の受付データに対して、受付者/作業担当者双方から更新情報を付加することを可能としたことで、リアルタイムで顧客の状態を把握し、顧客に対応することができる。顧客は、受付者/作業担当者に重複した情報を伝えるストレスから開放されることとなり、ガス事業者は、顧客満足度を向上させることができる。
【0076】
(作業担当者による修理依頼処理)
さらに追加の実施形態として、本発明の顧客対応支援サーバー103は、登録済みの受付データに基づいて、メーカーに修理依頼要求を送信することができる。
【0077】
例えば、前述した実施形態のように、作業担当者による現場対応の結果、メーカーに修理を依頼する必要があると判断される場合、S711の前または後に、作業担当者は、受付詳細画面から修理依頼ボタン(図示せず)を押下して修理依頼先情報、および請求先情報を入力し、モバイル端末130から、入力された修理依頼先情報、請求先情報(「0:ガス事業者」、または「1:顧客」)、および受付コードを含む修理依頼指示を送信することができる。
【0078】
本実施形態では、ガス事業者Aは、製造・販売先に関わらず、ガスを供給する需要家が保有するガス器具について、製造後10年以内に故障した場合については、メーカー保証に準じた保証を行うサービスを提供しており、顧客2は、当該ガス器具保証サービスに加入している。受付メモの内容から、修理対象のガス器具は、製造後10年以内である。
【0079】
そこで、本実施形態では、担当者2は、修理依頼先情報(修理依頼先コード:001)、請求先情報(0:ガス事業者)、および受付コード(20150120-001)を含む修理依頼指示を送信したものとする。
【0080】
モバイル端末130から修理依頼指示を受信すると、顧客支援サーバー103の修理依頼手段212は、修理依頼指示に含まれる修理依頼先に、受付コードにより特定される受付データと、請求先情報とを送信することができる。
【0081】
本実施形態では、修理依頼手段212は、「修理依頼先コード:001」に基づいてメーカーの代表アドレス等を特定して、特定したアドレスに、「受付コード:20150120-001」により特定される受付データと、請求先情報(0:ガス事業者)を送信する。
【0082】
顧客支援サーバー103から修理依頼データを受信したメーカーでは、修理依頼データに基づいて迅速に修理担当者の手配を行うことができる。また、メーカーは、ガス事業者が提供しているガス器具保証サービスの内容や、顧客のサービス加入状況を都度確認することなく、請求先情報に基づいて、正しい請求先に費用を請求することができる。
【0083】
本発明によれば、メーカーへの修理依頼についても、少ないステップで正確に処理することができる。製造・販売先に関わらず、「需要家であること」、「製造後一定期間内であること」を要件としたガス器具保証サービスを提供し、当該ガス器具保証サービスの実施の一助となる顧客対応支援サーバーを利用することで、ガス事業者は、顧客に対して今までにない安心感と満足感を提供することができる。