(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6546695
(24)【登録日】2019年6月28日
(45)【発行日】2019年7月17日
(54)【発明の名称】車両ネットワーキングに基づく空気質検出システム
(51)【国際特許分類】
G01W 1/00 20060101AFI20190705BHJP
G01N 1/26 20060101ALI20190705BHJP
G01N 33/00 20060101ALI20190705BHJP
【FI】
G01W1/00 A
G01N1/26
G01N33/00 C
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-510355(P2018-510355)
(86)(22)【出願日】2016年9月20日
(65)【公表番号】特表2018-528422(P2018-528422A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】CN2016099463
(87)【国際公開番号】WO2017050211
(87)【国際公開日】20170330
【審査請求日】2018年2月23日
(31)【優先権主張番号】201510617066.X
(32)【優先日】2015年9月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】516099613
【氏名又は名称】浙江吉利汽車研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY AUTOMOBILE RESEARCH INSTITUTE CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】李書福
【審査官】
福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第103969701(CN,A)
【文献】
特開平10−221223(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104914743(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104703135(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第104502534(CN,A)
【文献】
特表2009−506433(JP,A)
【文献】
特開2002−311012(JP,A)
【文献】
特開2010−277172(JP,A)
【文献】
特開昭64−063412(JP,A)
【文献】
中国実用新案第205067451(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01W 1/00
G01N 1/26
G01N 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両の中の各車両に設置された空気質検出装置を備え、
前記空気質検出装置は、
対応する前記車両が位置する現在位置において車両の外部の空気質データを取得するための空気質検出ユニットと、
前記空気質データを遠隔サーバに送信するためのデータ送信ユニットと、を備え、
前記空気質検出ユニットは吸気口を有し、前記吸気口は、逆止弁を介して外空気取入管及び内空気取入管とそれぞれ連通し、前記外空気取入管の空気取入口は前記車両の外部に設けられ、前記内空気取入管の空気取入口は前記車両の内部に設けられ、逆止弁の開放方向を選択することによって、前記吸気口は前記外空気取入管及び前記内空気取入管の1つと連通し、それに対応して、前記車両の外部の前記空気質データを取得し、又は前記車両の内部の車内空気質データを取得する、
ことを特徴とする車両ネットワーキングに基づく空気質検出システム。
【請求項2】
前記空気質検出装置は、対応する前記車両が位置する前記現在位置の位置データを取得するための位置取得ユニットを更に備え、
前記データ送信ユニットは、前記現在位置の前記位置データと前記現在位置の前記空気質データを共に前記サーバに送信するように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気質検出システム。
【請求項3】
前記空気質検出装置は、対応する前記車両が前記現在位置に位置するときの時間データを取得するための時間取得ユニットを更に備え、
前記データ送信ユニットは、前記現在位置の前記時間データと前記現在位置の前記空気質データを共に前記サーバに送信するように配置される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気質検出システム。
【請求項4】
前記空気質検出ユニットは、1つ又は複数の離散的な予め設定された時刻を含む時刻表に対応する前記空気質データを取得するように配置され、
前記データ送信ユニットは、前記時刻表に対応する空気質データのみを前記サーバに送信するように配置される、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気質検出システム。
【請求項5】
前記複数の車両に対応する複数の前記空気質検出ユニットは、同じ前記時刻表を採用する、
ことを特徴とする請求項4に記載の空気質検出システム。
【請求項6】
前記サーバを更に備え、前記サーバは、前記複数の車両からの前記空気質データに基づいて空気質マップを形成する、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気質検出システム。
【請求項7】
前記外空気取入管の前記空気取入口は、前記車両の吸気グリルに設けられ、又は前記車両のウィンドシールドグラスとエンジンカバーとの遷移領域に設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気質検出システム。
【請求項8】
前記車両のドア又はウインドウが開いた状態で所定時間継続したか否かを判断するための空気流通判断ユニットを更に備え、
前記空気質検出ユニットは、前記車両の内部に取り付けられ前記車両の内部の車内空気質データを取得し、前記データ送信ユニットは、前記空気流通判断ユニットの判断結果が肯定的である場合、前記車内空気質データを前記車両の外部の前記空気質データとして前記サーバに送信するように配置される、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気質検出システム。
【請求項9】
前記空気質データはPM2.5データであり、又はPM2.5データを含む、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の空気質検出システム。
【請求項10】
複数の車両の中の各車両に設置された空気質検出装置を備え、
前記空気質検出装置は、
対応する前記車両が位置する現在位置において車両の外部の空気質データを取得するための空気質検出ユニットと、
前記空気質データを遠隔サーバに送信するためのデータ送信ユニットと、を備え、
さらに、前記車両のドア又はウインドウが開いた状態で所定時間継続したか否かを判断するための空気流通判断ユニットを備え、
前記空気質検出ユニットは、前記車両の内部に取り付けられ前記車両の内部の車内空気質データを取得し、前記データ送信ユニットは、前記空気流通判断ユニットの判断結果が肯定的である場合、前記車内空気質データを前記車両の外部の前記空気質データとして前記サーバに送信するように配置される、
ことを特徴とする車両ネットワーキングに基づく空気質検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気質検出の分野に関し、特に車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スモッグ天気は、大気汚染の状態であり、スモッグは、基準値を超える大気中の様々な浮遊粒子状物質に対する一般的な表現である。簡単に言えば、空気中の微小な水滴は霧であり、液体に属する。煙霧は、固体であり、空気中の微小な塵粒、硫酸、硝酸、吸入可能な粒子状物質などで構成され、空気を混濁させ、視程を低下させる。両方の組み合わせがスモッグとなる。
【0003】
現在、中国の大中規模都市のほとんどはスモッグに侵襲されているため、人々の生産と生活には大きな迷惑がかかっている。スモッグの防止及び処理は、国の解決すべき重要な問題となっている。スモッグ放送は、スモッグの防止及び処理に対して重要で積極的な指導的役割を果たす。現在、スモッグ放送に使用される空気汚染指数は、人々の生産と生活を指導するために、固定監視点の空気質検出データから直接取得されるか、又は、収集されたこれらの固定点の検出データが数学モデルで計算されて、現地都市全体の空気汚染指数に変換されるものである。
【0004】
しかしながら、人々はしばしば、スモッグ放送の空気汚染指数が実際の感覚から逸脱していると感じ、空気質データの正確さを疑う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの目的は、空気質検出をより正確に行い、正確な空気質データを取得するために、車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムを提供することである。
【0006】
発明者は、空気質データが不正確であると感じさせる理由が多くあり、主な理由の1つとして空気質監視点の分布がまばら過ぎることを発見した。例えば、2015年に北京のある新聞の報道によると、北京の空気質監視点は35か所あり、各主要な市街地に分布している検出点は数か所のみであり、中規模都市の空気質監視点は数か所のみであり、小規模都市には何の空気質監視点もない。発明者は、従来の方式で空気質監視点を大幅に増加させると、空気検出のコストが大幅に増加し、特に空気質監視点の数が既存の空気質監視点の数桁に増加した場合、コストが劇的に増加することを更に発見した。また、大量の空気質監視点を配置するために考慮すべき配置位置の決定及び選択も課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明は、車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムを提供する。
特に、本発明は、複数の車両の中の各車両に設置された空気質検出装置を含む、車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムを提供する。
前記空気質検出装置は、
対応する前記車両が位置する現在位置において車両の外部の空気質データを取得するための空気質検出ユニットと、
前記空気質データを遠隔サーバに送信するためのデータ送信ユニットと、を備える。
【0008】
さらに、前記空気質検出装置は、対応する前記車両が位置する前記現在位置の位置データを取得するための位置取得ユニットを更に備え、
前記データ送信ユニットは、前記現在位置の前記位置データと前記現在位置の前記空気質データを共に前記サーバに送信するように配置される。
【0009】
さらに、前記空気質検出装置は、対応する前記車両が前記現在位置に位置するときの時間データを取得するための時間取得ユニットを更に備え、
前記データ送信ユニットは、前記現在位置の前記時間データと前記現在位置の前記空気質データを共に前記サーバに送信するように配置される。
【0010】
さらに、前記空気質検出ユニットは、1つ又は複数の離散的な予め設定された時刻を含む時刻表に対応する前記空気質データを取得するように配置され、
前記データ送信ユニットは、前記時刻表に対応する空気質データのみを前記サーバに送信するように配置される。
【0011】
さらに、前記複数の車両に対応する複数の前記空気質検出ユニットは、同じ前記時刻表を採用する。
【0012】
さらに、前記システムは前記サーバを更に備え、前記サーバは、前記複数の車両からの前記空気質データに基づいて空気質マップを形成するように配置される。
【0013】
さらに、前記空気質検出ユニットは吸気口を有し、前記吸気口は、逆止弁を介して外空気取入管及び内空気取入管とそれぞれ連通し、前記外空気取入管の空気取入口は前記車両の外部に設けられ、前記内空気取入管の空気取入口は前記車両の内部に設けられ、逆止弁の開放方向を選択することによって、前記吸気口は前記外空気取入管及び前記内空気取入管の1つと連通し、それに対応して、前記車両の外部の前記空気質データを取得し、又は前記車両の内部の車内空気質データを取得する。
【0014】
さらに、前記外空気取入管の前記空気取入口は、前記車両の吸気グリルに設けられ、又は前記車両のウィンドシールドグラスとエンジンカバーとの遷移領域に設けられる。
【0015】
さらに、前記システムは、
前記車両のドア又はウインドウが開いた状態で所定時間継続したか否かを判断するための空気流通判断ユニットを更に備え、
前記空気質検出ユニットは、前記車両の内部に取り付けられ前記車両の内部の車内空気質データを取得し、前記データ送信ユニットは、前記空気流通判断ユニットの判断結果が肯定的である場合、前記車内空気質データを前記車両の外部の前記空気質データとして前記サーバに送信するように配置される。
【0016】
さらに、前記空気質データはPM2.5データであり、又はPM2.5データを含む。
【0017】
本発明の車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムは、車両ネットワーキングに接続された各車両を移動可能な空気質監視点として使用して、各車両が位置する現在位置において車両の外部の空気質データを取得し、且つ、車両ネットワーキングを介して、データ処理センターとしてのサーバに空気質データをタイムリーに送信することができる。車両ネットワーキングに接続された車両の数は非常に多くなることができるので、本発明は、既存の設置されている固定監視点と比べて数桁多くの空気質データを得ることができる。それにより、本発明の採取するサンプル量は比較的包括的である。そのため、本発明は、正確な空気質データを取得することができ、本発明のシステムを用いた空気質検出はより正確である。
【0018】
当業者であれば、添付の図面を伴う本発明の具体的な実施形態に対する以下の詳細な説明から、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴がより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、添付の図面を参照しながら、限定的ではなく例示的に、本発明の幾つかの実施例を詳細に説明する。図面において、同じ符号は同一又は類似の部品又は部分を示す。当業者であれば、図面における各部分は必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解すべきである。
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムの模式的な論理制御図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される空気質検出装置の模式的な構造図である。
【
図3】
図3は、
図2に示される空気質監視ユニットと外空気取入管及び内空気取入管との模式的な組立図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される空気質検出装置の別の模式的な論理制御図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施例による車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムの模式的な構造図である。
図1において、各車両1とサーバ200は車両ネットワーキングを介して相互に通信することができる。
図1に示されるように、この空気質検出システムは、複数の車両1の中の各車両1に設置された空気質検出装置100を含むことができる。
【0021】
本実施例において、車両1の現在位置は、車両1の走行経路上の任意の位置であってもよく、車両1が駐車している位置であってもよい。概して、車両が到着する領域は、人間の活動が頻繁に行われる領域であることが多いため、車両1の走行経路上の各位置で取得された空気質データは、人々の実際の生活領域の空気質をよりよく表現する。それにより、最終的なスモッグ放送の空気質状況は、人々の実際の感覚により一致する。
【0022】
大規模な自動車企業の毎年の車種の売上高は一般的に30万台以上、多くの場合50万台以上に達する。且つ、車両は、全国の全ての省と都市に販売される。従って、本発明の車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムによってカバーされる監視点の数は、国によって設置されている固定監視点の数よりはるかに多いため、検出範囲は国の大部分の地域をカバーすることができる。
【0023】
本発明の車両ネットワーキングに基づく空気質検出システムは、複数の車両1の中の各車両1に空気質検出装置100が設置され、空気質検出装置100により、それに対応する車両1が位置する現在位置において車両1の外部の空気質データを取得する。そのため、本発明は、既存の設置されている固定監視点と比べて数桁多くの空気質データを得ることができるので、本発明の採取するサンプル量は比較的包括的である。それにより、本発明は、正確な空気質データを取得することができ、本発明のシステムの空気質検出はより正確で実際の状況により近づき、人々の外出や生活に対してより正確な指導を提供する。
【0024】
図2は、
図1に示される空気質検出装置100の模式的な論理制御図である。
図2を参照すると、各車両1の空気質検出装置100は、空気質検出ユニット10及びデータ送信ユニット20を含むことができる。空気質検出ユニット10は、それに対応する車両1が位置する現在位置において車両1の外部の空気質データを取得するために用いられる。データ送信ユニット20は、空気質データを遠隔サーバ200に送信するために用いられる。具体的には、本実施例において、車両1の本来の構成を十分に活用してコストを低減するために、データ送信ユニット20は、車両1が車両ネットワーキングに接続するために備える備え付けの車載データ伝送システム又はその一部であってもよい。当然のことながら、データ送信ユニット20は、追加的に設けられるユニットであってもよい。
【0025】
図2を参照すると、本実施例において、空気質検出装置100は、それに対応する車両1が位置する現在位置の位置データを取得するための位置取得ユニット30を更に備えてもよい。データ送信ユニット20は、現在位置の位置データと現在位置の空気質データを共にサーバ200に送信するように配置されてもよい(
図1を参照)。このように、車両1が位置する現在位置の空気質データと位置データを同時に取得し、これらのデータを共にサーバ200(
図1を参照)に送信することによって、サーバ200(
図1を参照)側での空気質マップの描画が容易になされて、人々の仕事や外出をより良く指導するように健康な生活の軌跡や領域が形成される。
【0026】
本実施例において、車両1の本来の構成を十分に活用してコストを低減するために、位置取得ユニット30は、車両1の備え付けのGPSシステムであってもよい。当然のことながら、他の実施例では、位置取得ユニット30は、追加的に設けられるユニットであってもよい。
【0027】
なお、
図1を参照すると、サーバ200側で空気質マップを描画する場合、各車両1からの空気質データの時間的なマッチング又はアラインメントの問題を考慮する必要がある。例えば、ある自動車1からのデータは、ネットワーク輻輳のためにサーバ200に到達するまで遅れる可能性があるため、ある時刻にサーバ200が受信したデータは、異なる時間の空気質データを反映するものである可能性がある。
【0028】
このため、
図2を参照すると、本実施例では、空気質検出装置100は、それに対応する車両1が現在位置に位置するときの時間データを取得するための時間取得ユニット40を更に備えてもよい。データ送信ユニット20は、現在位置の時間データと現在位置の空気質データを共にサーバ200に送信するように配置されてもよい(
図1を参照)。別の実施例において、データ送信ユニット20は、現在位置の時間データ、現在位置の空気質データ、及び現在位置の位置データを一緒にサーバ200(
図1を参照)に送信するように配置されてもよい。このように、時間データに基づいて古い空気質データをフィルタリングすることができ、一方、空気質マップを描画するときに、各車両からの同じ時間又は同じ時間帯内の空気質データ(即ち、時間的にアラインされたデータ)を用いて、この時間又は時間帯に対応する空気質マップを描画することができるので、空気質マップは時間性を有し、異なる時間のデータに基づいて空気質マップの経時的な変化を観測することもできる。
【0029】
空気質検出ユニット10は、1つ又は複数の離散的な予め設定された時刻を含む時刻表に対応する空気質データを取得するように配置されてもよい。データ送信ユニット20は、時刻表に対応する空気質データのみをサーバ200に送信するように配置されてもよい。本実施例における1つの予め設定された時刻は、予め設定された当日の任意の時刻、例えば午前8時、9時などを指す。複数の離散的な予め設定された時刻は、所定の規則に従って設定された時刻、例えば、2時間おきの予め設定された時刻、午前6時、8時…〜24時のような2時間おきの時刻を指す。上述した技術案によって、データの収集及び送信量を削減することができる。
【0030】
本実施例では、複数の車両1(
図1を参照)に対応する複数の空気質検出ユニット10は、同じ時刻表を採用する。上述したように、サーバ200(
図1を参照)側で空気質マップを描画するとき、データを時間的にアラインするか又は実質的にアラインする必要がある。本実施例では、上述した技術案によって、異なる車両間のデータを時間的にアラインするのが容易に達成され、サーバ200(
図1を参照)側のマップの描画が便利になる。
【0031】
図1を参照すると、本実施例において、システムは、上述したサーバ200を更に備える。上述したように、サーバ200は、複数の車両1からの空気質データに基づいて空気質マップを形成するように配置されてもよい。
【0032】
一実施例において、空気質マップは、車両1の現在位置の位置データ及び空気質データに基づいて、位置データをマップにおける緯度経度の座標に関連付け、対応する位置データの空気質データをマークして形成する空気質マップであってもよい。さらに加重平均によって、領域内の全体の空気質データを計算して、全体の空気質データ(全体のPM2.5値でもよい)の等高線図を作成し、人々が必要に応じて国の各緯度及び経度の大体の空気汚染指数を知ることができる。本実施例では、上記技術案によって、使用者に利便性をもたらし、彼らの外出や生活に対してより正確な指導を提供する。
【0033】
図3は、
図2に示される空気質検出ユニット10と外空気取入管2及び内空気取入管3との模式的な組立図であり、車両1(
図1を参照)におけるこの空気質検出ユニット10の配置状況を表す。
図3に示されるように、本実施例において、空気質検出ユニット10は吸気口11を有する。吸気口11は、逆止弁4を介して外空気取入管2及び内空気取入管3とそれぞれ連通する。外空気取入管2の空気取入口は車両1(
図1を参照)の外部に設けられ、内空気取入管3の空気取入口は車両1(
図1を参照)の内部に設けられる。逆止弁4の開放方向を選択することによって、吸気口11は外空気取入管2及び内空気取入管3の中の1つと連通し、それに対応して、車両1(
図1を参照)の外部の空気質データを取得し、又は、車両1(
図1を参照)の内部の車内空気質データを取得する。具体的な実施では、逆止弁4の制御は、運転者によって手動で切り替えられてもよく、車両1(
図1を参照)内のマルチメディア画面で自動的に表示できるように、コンピュータによって定期的に自動的に切り替えられてもよい。
【0034】
図3を参照すると、本実施例では、外空気取入管2の空気取入口は、車両1(
図1を参照)の吸気グリルに設けられる。他の実施例において、外空気取入管2の空気取入口は、車両1(
図1を参照)のウィンドシールドグラスとエンジンカバーとの遷移領域に設けられてもよい。車両1(
図1を参照)のウィンドシールドグラスとエンジンカバーとの遷移領域は一定の防水・防塵領域を有しているので、空気質検出ユニット10の二次汚染の可能性を回避し、外空気取入管2の空気取入口の清浄度を維持し、空気質データの正確さを保証するのに有利である。
【0035】
この空気質検出ユニット10は、従来の車載空気質検出器を改造して得ることができる。それにより、空気質検出ユニット10は、車両1の外部の空気質データと、車両1の内部の空気質データとの両方を取得することができ、操作が簡単で、使用しやすい利点を有する。他の実施例では、この空気質検出ユニット10は、車両1の外部の空気質データを検出するために専用されてもよい。この空気質検出ユニット10は、無線又は有線の方式でデータ送信ユニット20と通信することができる。
【0036】
上記空気質検出装置100は、車両の設計・製造時に備え付けの装置として実現されてもよく、追加装置として既存車両に取り付けられてもよい。技術案の実現の柔軟性が向上する。
【0037】
図4は、
図1に示されるシステムの別の模式的な論理制御図である。
図4に示されるように、システムは、車両1(
図1を参照)のドア又はウインドウが開いた状態で所定時間継続したか否かを判断するための空気流通判断ユニット300を更に備えてもよい。空気質検出ユニット10(
図2を参照)は、車両1(
図1を参照)の内部に取り付けられて車両1(
図1を参照)の内部の車内空気質データを取得してもよい。データ送信ユニット20(
図2を参照)は、空気流通判断ユニット300の判断結果が肯定的である場合、車内空気質データを車両1(
図1を参照)の外部の空気質データとしてサーバ200に送信することができる。
【0038】
本実施例では、空気質検出ユニット10(
図2を参照)は、主に車両1(
図1を参照)の内部の空気質を検出し、ユーザに車両1(
図1を参照)の内部の空気質変化を直観的に示してもよい。この空気質検出ユニット10(
図2を参照)は、車両1の外部の空気質を直接検出しないが、空気流通判断ユニット300によりドアの開閉又はウインドウの開閉の信号を受信することによってドア又はウインドウの状態を判断し、ドア又はウインドウが期間T≧A秒間開いていることを示す信号である場合、車内空気質データを前記車両1(
図1を参照)の外部の空気質データとすることができる。
【0039】
このように、従来技術における車両の内部の空気質データを検出するための車両の備え付けの空気質検出ユニットにより、車両の外部の空気質データを間接的に取得することができる。この技術案により、既存の空気質検出ユニットを改造する必要がなく、追加コストの必要がない。
【0040】
上記各実施例における空気質データはPM2.5データであってもよく、又はPM2.5データを含んでもよい。本実施例において、空気質データは、主にPM2.5データを含むが、窒素酸化物データや硫化物データなどの他の空気質データを含むことができる。それにより、車両1の外部の汚染物の濃度を取得して、ユーザにPM2.5以外の窒素酸化物や、硫化物などの汚染物の濃度値を提供する。
【0041】
また、本発明の空気質検出システムの原理は、車両ネットワーキングだけでなく、ユーザの家庭用浄化装置の空気質及びユーザの携帯電話端末での空気質を検出することにも適用することができる。ユーザの家庭用浄化装置及びユーザの携帯電話にそれぞれ空気質監視装置を取り付けて、ユーザの家庭環境及びユーザの活動環境の空気質データを検出することによって、ユーザは、どの環境を選択して仕事、生活及び外出をするかを明確に知ることができ、ユーザの体験が向上する。
また、本発明のシステムの空気質データに基づいて作成された空気質マップと、国政府が公表するPM2.5濃度とを比較することによって、空気質マップと政府の公表する情報との差を取得して、空気質マップを補正し又はユーザに空気質マップの正確さを示すことができる。
【0042】
以上より、本明細書では本発明の多くの例示的な実施例を示して詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本発明に開示された内容に基づいて、本発明の原理に一致する多くの他の変形又は修正が直接確定又は導出され得ることを認識すべきである。従って、本発明の範囲は、これらの他の変形又は修正を包含するものとして理解され、認識されるべきである。
【符号の説明】
【0043】
1 車両
2 外空気取入管
3 内空気取入管
4 逆止弁
100 空気質検出装置
10 空気質検出ユニット
11 吸気口
20 データ送信ユニット
30 位置取得ユニット
40 時間取得ユニット
200 サーバ
300 空気流通判断ユニット