【課題を解決するための手段】
【0017】
この項では、本発明の要約を提示するもので、本発明の範囲全体、又はその特徴のすべてを網羅的に開示するものではない。とくに、供給混合物からポリ不飽和脂肪酸を回収する種々の実施形態を記載する。本発明プロセスは、随意的に以下に詳述する方法、ステップ、特徴のうち1つより多くのもののうち、任意の1つ又は任意の組合せを有することができる。
【0018】
本発明は、とくに、以下の項に関連する。
【0019】
[項1]第1ポリ不飽和脂肪酸を供給混合物から回収するプロセスであり、前記供給混合物は、前記第1ポリ不飽和脂肪酸の他に少なくとも第2脂肪酸を含むものとする、該プロセスであって:
・含水有機溶離液を用いる主クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第1溶離液流及び前記第2脂肪酸に富む第2溶離液流を収集する主クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第2溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第2溶離液流を採取する濃縮ステップであって、濃縮は、前記消耗第2溶離液流の水対有機比が前記第2溶離液流の水対有機比よりも低くなるように行う、該濃縮ステップと;
・前記消耗第2溶離液流の少なくとも一部を前記主クロマトグラフ分離ステップに使用するため再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0020】
[項2]項1のプロセスにおいて、消耗第2溶離液流全体を再循環させて主クロマトグラフ分離ステップで使用する、プロセス。
【0021】
[項3]項1又は2のプロセスにおいて、消耗第2溶離液流の流量は、第2溶離液流の流量に対して、好適には少なくとも約2%減少する、又は第2溶離液流の流量に対して少なくとも約5%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約15%減少する、プロセス。
【0022】
[項4]項1〜3のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流の水対有機比が前記第2溶離液流の水対有機比の約0.95倍以下、好適には約0.9倍以下、又は約0.8倍以下、又は約0.7倍以下、又は約0.6倍以下、又は約0.5倍以下、又は約0.4倍以下、又は約0.3倍以下、又は約0.2倍以下、又は約0.1倍以下に低いものとする、プロセス。
【0023】
[項5]項1〜4のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、
・前記第1溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を、他方では消耗第1溶離液流を採取する濃縮ステップと、及び
・前記消耗第1溶離液流の少なくとも一部、好適には、全部を前記主クロマトグラフ分離ステップに使用するために再循環させるステップと、
を備える、プロセス。
【0024】
[項6]項5記載のプロセスにおいて、前記消耗第1溶離液流の流量は、前記1溶離液流の流量の少なくとも90%、好適には少なくとも95%、最も好適には少なくとも98%となるようにする、プロセス。
【0025】
[項7]項1〜6のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、単一の分離ステップ、すなわち、前記主クロマトグラフ分離ステップを備える、プロセス。
【0026】
[項8]項1〜4のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に単一予備分離ステップを備え、前記単一予備分離ステップは、好適には予備クロマトグラフ分離ステップとし、前記単一予備クロマトグラフ分離ステップ及び前記主クロマトグラフ分離ステップは、同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0027】
[項9]項1〜6のうちいずれか一項記載のプロセスであって、主クロマトグラフ分離ステップの前に2つの予備分離ステップを備えるプロセスにおいて、好適には、前記2つの予備分離ステップのうち一方を予備クロマトグラフ分離ステップとする、より好適には、双方の予備分離ステップを予備クロマトグラフ分離ステップとし、各予備クロマトグラフ分離ステップ及び主クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施し、また2つの予備クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0028】
[項10]項8又は9記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流の一部を予備分離ステップで使用するよう再循環させる、プロセス。
【0029】
[項11]項1〜6のうちいずれか一項、又は8〜9のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に単一後続分離ステップを備え、前記単一後続分離ステップは、好適には後続クロマトグラフ分離ステップとし、前記単一後続クロマトグラフ分離ステップ及び前記主クロマトグラフ分離ステップは、同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0030】
[項12]項1〜6のうちいずれか一項、又は8〜9のうちいずれか一項記載のプロセスであって、主クロマトグラフ分離ステップ後に2つの後続分離ステップを備えるプロセスにおいて、好適には、前記2つの後続分離ステップのうち一方を後続クロマトグラフ分離ステップとする、より好適には、双方の後続分離ステップを後続クロマトグラフ分離ステップとし、各後続クロマトグラフ分離ステップ及び主クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施し、また2つの後続クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0031】
[項13]項1〜6のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、ほぼ(又は絶対的に)3つ以上の、好適には3つのクロマトグラフ分離ステップを有し、前記クロマトグラフ分離ステップは、異なるクロマトグラフユニットで実施する、又は少なくとも部分的に同一クロマトグラフユニットで実施する、プロセス。
【0032】
[項14]項13記載のプロセスにおいて、ほぼ(又は絶対的に)主クロマトグラフ分離ステップ、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップ、並びに前記主クロマトグラフ分離ステップ後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップを有する、プロセス。
【0033】
[項15]項13記載のプロセスにおいて、ほぼ(又は絶対的に)2つの予備クロマトグラフ分離ステップに続いて前記主クロマトグラフ分離ステップを行う、プロセス。
【0034】
[項16]項13記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップに続いてほぼ(又は絶対的に)2つの後続クロマトグラフ分離ステップを行う、プロセス。
【0035】
[項17]項1〜16のうちいずれか一項記載のプロセスであって、供給混合物がさらに少なくとも第3脂肪酸を含むものとする、該プロセスにおいて、
・含水有機溶離液を用いる第2クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第3溶離液流及び前記第3脂肪酸に富む第4溶離液流を収集する第2クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第3溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第3溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第3溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;及び/又は
・前記第4溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第4溶離液流を採取し、濃縮は、前記消耗第4溶離液流の水対有機比が、随意的に前記第4溶離液流の水対有機比よりも小さくなるように行う、濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第4溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0036】
[項18]項17記載のプロセスにおいて、前記第2クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップとする;又は代案として、前記第2クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0037】
[項19]項17又は18記載のプロセスにおいて、同一含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第2クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第2クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記主クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする、プロセス。
【0038】
[項20]項17〜19記載のプロセスであって、供給混合物がさらに少なくとも第4脂肪酸を含むものとする、該プロセスにおいて、
・含水有機溶離液を用いる第3クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第5溶離液流及び前記第4脂肪酸に富む第6溶離液流を収集する第3クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第5溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第5溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第5溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;及び/又は
・前記第6溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第6溶離液流を採取する濃縮ステップであって、前記濃縮は、前記消耗第6溶離液流の水対有機比が、随意的に第4溶離液流の水対有機比よりも低くなるように行う、該濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第6溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0039】
[項21]項20記載のプロセスにおいて、前記第3クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップとする;又は代案として、前記第3クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0040】
[項22]項20又は21記載のプロセスにおいて、
・同一含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記主クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする;及び/又は
・同一含水有機溶離液を、前記第2クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記第2クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする;
プロセス。
【0041】
[項23]項20〜22のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はエイコサペンタエン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサヘキサエン酸又はステアリドン酸、及び前記第3脂肪酸及び前記第4脂肪酸はドコサヘキサエン酸又はステアリドン酸のうちの他方、飽和脂肪酸、及び単不飽和脂肪酸から選択したものとする、プロセス。
【0042】
[項23a]1〜23のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流を再循環させて前記主クロマトグラフ分離ステップで使用する前に前記消耗第2溶離液流に新鮮な水を添加するステップを備える、プロセス。
【0043】
[項24]第1ポリ不飽和脂肪酸を供給混合物から回収するプロセスであり、前記供給混合物は、前記第1ポリ不飽和脂肪酸の他に少なくとも第2脂肪酸を含むものとする、該プロセスであって:
・含水有機溶離液を用いる主クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第1溶離液流及び前記第2脂肪酸に富む第2溶離液流を収集する主クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第2溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第2溶離液流を採取する濃縮ステップと;
を備え;
前記消耗第2溶離液流の少なくとも一部を前記主クロマトグラフ分離ステップとは異なる他のプロセスステップで使用するため再循環させる、プロセス。
【0044】
前記他のプロセスステップは、前記第1ポリ不飽和脂肪酸を回収するのに効果があるステップとすることができる。代案として、前記他のプロセスステップは、他の目的、例えば、他の化合物の精製又は生成に効果があるステップとすることができる。
【0045】
項24の好適な実施形態によれば、他のプロセスステップで使用する消耗第2溶離液流の少なくとも一部は液体の形態で使用する。濃縮ステップから採取した蒸気相の形態で直接使用しないのが好ましい。消耗第2溶離液流からの熱回収は、項24に記載の一部使用とすることができるが、この使用は熱回収に限定しない。この使用は、消耗第2溶離液流の少なくとも一部を他の流れ又は生成物と混合するステップ、又は消耗第2溶離液流の少なくとも一部を化学修飾する(例えば、それを燃焼させる)ステップを含む。
【0046】
[項25]項24記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流は、前記主クロマトグラフ分離ステップで使用するための前記主クロマトグラフ分離ステップへの再循環を行わない、プロセス。
【0047】
[項26]項24又は25記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、種を他の種から分離するステップ、好適には種を他の種からクロマトグラフで分離するステップにおける溶離液及び/若しくは燃料として使用するために、並びに/又は溶剤を再生するために、再利用する、プロセス。
【0048】
[項27]項24〜26のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて:
・前記主クロマトグラフ分離ステップの前に、それぞれに対応する含水有機溶離液を用いて実施する1つ又は複数の予備分離ステップと;
・前記消耗第2溶離液流の少なくとも一部を、前記1つ又は複数の予備分離ステップに使用するために、再循環させるステップと、
を備える、プロセス。
【0049】
[項28]項27記載のプロセスにおいて、少なくとも1つの予備分離ステップはクロマトグラフ分離ステップとし、また好適には、全ての予備分離ステップをクロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0050】
[項29]項27又は28のプロセスにおいて、消耗第2溶離液流のほぼ全部を再循環させて、1つ又は複数の予備分離ステップに使用する、プロセス。
【0051】
[項30]項24〜29のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に、少なくとも1つ、好適には単一後続分離ステップを備え、この後続分離ステップは、好適には、後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0052】
[項31]項24〜30のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、消耗第2溶離液流の一部を再循環させて、主クロマトグラフ分離ステップに使用する、プロセス。
【0053】
[項32]項24〜31のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、単一予備分離ステップを備える、プロセス。
【0054】
[項33]項24〜31のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、厳密に2つの予備分離ステップを備える、プロセス。
【0055】
[項34]項28〜33のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び少なくとも1つの予備クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニットで実施する;及び/又は主クロマトグラフ分離ステップ及び少なくとも1つの後続クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニットで実施する;及び/又は全ての予備クロマトグラフ分離ステップ及び全ての随意的後続クロマトグラフ分離ステップ及び主クロマトグラフ分離ステップを異なるクロマトグラフユニットで実施する、プロセス。
【0056】
[項35]項24〜34のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて:
・前記第1溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を、他方では消耗第1溶離液流を採取する濃縮ステップと;
・前記消耗第1溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記プロセスの分離ステップに使用するため、最も好適には主クロマトグラフ分離ステップ及び/又は主クロマトグラフ分離ステップ前の少なくとも1つの予備分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0057】
[項36]項35記載のプロセスにおいて、前記消耗第1溶離液流の流量は、前記1溶離液流の流量の少なくとも95%、好適には少なくとも98%、最も好適には少なくとも99%となるようにする、プロセス。
【0058】
[項37]項24〜36のうちいずれか一項記載のプロセスであって、供給混合物がさらに少なくとも第3脂肪酸を含むものとする、該プロセスにおいて、
・含水有機溶離液を用いる第2クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第3溶離液流及び前記第3脂肪酸に富む第4溶離液流を収集する第2クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第3溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第3溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第3溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記プロセスの分離ステップに使用するために、最も好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;及び/又は
・前記第4溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第4溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第4溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記プロセスの分離ステップに使用するために、最も好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0059】
[項38]項37記載のプロセスにおいて、前記第2クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップとする;又は前記第2クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0060】
[項39]項37又は38記載のプロセスにおいて、同一含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第2クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第2クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記主クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする、プロセス。
【0061】
[項40]項37〜39のうちいずれか一項記載のプロセスであって、供給混合物がさらに少なくとも第4脂肪酸を含むものとする、該プロセスにおいて、
・含水有機溶離液を用いる第3クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第5溶離液流及び前記第4脂肪酸に富む第6溶離液流を収集する第3クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第5溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第5溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第5溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、前記プロセスの分離ステップに使用するために、最も好適には前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;及び/又は
・前記第6溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第6溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第6溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記プロセスの分離ステップに使用するために、最も好適には前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0062】
[項41]項40記載のプロセスにおいて、前記第3クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップとする;又は前記第3クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0063】
[項42]請求項41又は42記載のプロセスにおいて、
・同一含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記主クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする、及び/又は
・同一含水有機溶離液を、前記第2クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記第2クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする、
プロセス。
【0064】
[項43]項40〜42のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はエイコサペンタエン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサヘキサエン酸又はステアリドン酸、及び前記第3脂肪酸及び前記第4脂肪酸はドコサヘキサエン酸又はステアリドン酸のうちの他方、飽和脂肪酸、及び単不飽和脂肪酸から選択したものとする、プロセス。
【0065】
[項44]第1ポリ不飽和脂肪酸を供給混合物から回収するプロセスであり、前記供給混合物は、前記第1ポリ不飽和脂肪酸の他に少なくとも第2脂肪酸を含むものとする、該プロセスであって、順次に:
・含水有機溶離液を用いる主クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第1溶離液流及び前記第2脂肪酸に富む第2溶離液流を収集する主クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第2溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第2溶離液流を採取する濃縮ステップであって、濃縮は、前記消耗第2溶離液流の流量が前記第2溶離液流の流量よりも減少するように行う、該濃縮ステップと;
・前記消耗第2溶離液流の少なくとも一部を前記主クロマトグラフ分離ステップに使用するため再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0066】
[項45]項44のプロセスにおいて、消耗第2溶離液流の流量は、第2溶離液流の流量に対して、少なくとも約2%減少する、又は少なくとも約5%、又は少なくとも約10%、又は少なくとも約15%減少する、プロセス。
【0067】
[項46]項44又は45のプロセスにおいて、消耗第2溶離液流全体を再循環させて主クロマトグラフ分離ステップで使用する、プロセス。
【0068】
[項47]項44〜46のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流の水対有機比が前記第2溶離液流の水対有機比の約0.95倍未満、好適には約0.9倍未満、又は約0.8倍未満、又は約0.7倍未満、又は約0.6倍未満、又は約0.5倍未満、又は約0.4倍未満、又は約0.3倍未満、又は約0.2倍未満、又は約0.1倍未満に低いものとする、プロセス。
【0069】
[項48]項44〜47のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、
・前記第1溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を、他方では消耗第1溶離液流を採取する濃縮ステップと、及び
・前記消耗第1溶離液流の少なくとも一部、好適には、全部を前記主クロマトグラフ分離ステップに使用するために再循環させるステップと、
を備える、プロセス。
【0070】
[項49]項48記載のプロセスにおいて、前記消耗第1溶離液流の流量は、前記1溶離液流の流量の少なくとも90%、好適には少なくとも95%、最も好適には少なくとも98%となるようにする、プロセス。
【0071】
[項50]項44〜49のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、単一の分離ステップ、すなわち、前記主クロマトグラフ分離ステップを備える、プロセス。
【0072】
[項51]項44〜49のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に単一予備分離ステップを備え、前記単一予備分離ステップは、好適には予備クロマトグラフ分離ステップとし、前記単一予備クロマトグラフ分離ステップ及び前記主クロマトグラフ分離ステップは、同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0073】
[項52]項44〜49のうちいずれか一項記載のプロセスであって、主クロマトグラフ分離ステップの前に2つの予備分離ステップを備えるプロセスにおいて、好適には、前記2つの予備分離ステップのうち一方を予備クロマトグラフ分離ステップとする、より好適には、双方の予備分離ステップを予備クロマトグラフ分離ステップとし、各予備クロマトグラフ分離ステップ及び主クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施し、また2つの予備クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0074】
[項53]項51又は52記載のプロセスにおいて、前記消耗第2溶離液流の一部を予備分離ステップで使用するよう再循環させる、プロセス。
【0075】
[項54]項44〜49のうちいずれか一項、又は51〜53のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に単一後続分離ステップを備え、前記単一後続分離ステップは、好適には後続クロマトグラフ分離ステップとし、前記単一後続クロマトグラフ分離ステップ及び前記主クロマトグラフ分離ステップは、同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0076】
[項55]項44〜49のうちいずれか一項、又は51〜53のうちいずれか一項記載のプロセスであって、主クロマトグラフ分離ステップ後に2つの後続分離ステップを備えるプロセスにおいて、好適には、前記2つの後続分離ステップのうち一方を後続クロマトグラフ分離ステップとする、より好適には、双方の後続分離ステップを後続クロマトグラフ分離ステップとし、各後続クロマトグラフ分離ステップ及び主クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施し、また2つの後続クロマトグラフ分離ステップを同一クロマトグラフユニット又は異なるクロマトグラフユニットのいずれかで実施する、プロセス。
【0077】
[項56]項44〜49のうちいずれか一項に記載のプロセスにおいて、ほぼ(又は絶対的に)3つ以上の、好適には3つのクロマトグラフ分離ステップを有し、前記クロマトグラフ分離ステップは、異なるクロマトグラフユニットで実施する、又は少なくとも部分的に同一クロマトグラフユニットで実施する、プロセス。
【0078】
[項57]項56記載のプロセスにおいて、ほぼ(又は絶対的に)主クロマトグラフ分離ステップ、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップ、並びに前記主クロマトグラフ分離ステップ後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップを有する、プロセス。
【0079】
[項58]項56記載のプロセスにおいて、ほぼ(又は絶対的に)2つの予備クロマトグラフ分離ステップに続いて前記主クロマトグラフ分離ステップを行う、プロセス。
【0080】
[項59]項56記載のプロセスにおいて、前記主クロマトグラフ分離ステップに続いてほぼ(又は絶対的に)2つの後続クロマトグラフ分離ステップを行う、プロセス。
【0081】
[項60]項44〜59のうちいずれか一項記載のプロセスであって、供給混合物がさらに少なくとも第3脂肪酸を含むものとする、該プロセスにおいて、
・含水有機溶離液を用いる第2クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第3溶離液流及び前記第3脂肪酸に富む第4溶離液流を収集する第2クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第3溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第3溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第3溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;及び/又は
・前記第4溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第4溶離液流を採取し、濃縮は、前記消耗第4溶離液流の流量が、随意的に前記第4溶離液流の流量よりも減少するように行う、濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第4溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0082】
[項61]項60記載のプロセスにおいて、前記第2クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップとする;又は代案として、前記第2クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0083】
[項62]項60又は61記載のプロセスにおいて、同一含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第2クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第2クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記主クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする、プロセス。
【0084】
[項63]項60〜62記載のプロセスであって、供給混合物がさらに少なくとも第4脂肪酸を含むものとする、該プロセスにおいて、
・含水有機溶離液を用いる第3クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第5溶離液流及び前記第4脂肪酸に富む第6溶離液流を収集する第3クロマトグラフ分離ステップと;
・前記第5溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第5溶離液流を採取する濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第5溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;及び/又は
・前記第6溶離液流を濃縮して、一方では濃縮脂肪酸流を採取するとともに、他方では消耗第6溶離液流を採取する濃縮ステップであって、前記濃縮は、前記消耗第6溶離液流の流量が、随意的に第4溶離液流の流量よりも減少するように行う、該濃縮ステップと;次に、
・前記消耗第6溶離液流の少なくとも一部、好適には全部を、好適には前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用するために、再循環させるステップと;
を備える、プロセス。
【0085】
[項64]項63記載のプロセスにおいて、前記第3クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの前に実施する予備クロマトグラフ分離ステップとする;又は前記第3クロマトグラフ分離ステップは、前記主クロマトグラフ分離ステップの後に実施する後続クロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0086】
[項65]項63又は64記載のプロセスにおいて、
・同一含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記主クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記主クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする;及び/又は
・同一含水有機溶離液を、前記第2クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;又は異なる含水有機溶離液を、前記第2クロマトグラフ分離ステップ及び第3クロマトグラフ分離ステップに使用する;かつ好適には前記第2クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比は、前記第3クロマトグラフ分離ステップに使用する前記含水有機溶離液の水対有機比とは異なるようにする;
プロセス。
【0087】
[項66]項63〜65のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はエイコサペンタエン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサヘキサエン酸又はステアリドン酸、及び前記第3脂肪酸及び前記第4脂肪酸はドコサヘキサエン酸又はステアリドン酸のうちの他方、飽和脂肪酸、及び単不飽和脂肪酸から選択したものとする、プロセス。
【0088】
[項67]項1〜66のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、各濃縮ステップを、膜濾過装置、蒸発器、精留カラム、蒸留カラム、液−液抽出器、又はこれら装置の組合せで実施する、プロセス。
【0089】
[項68]項1〜67のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸は、前記プロセスの終了時に、組成における脂肪酸の総重量に対する第2脂肪酸の約1重量%未満、好適には約0.5重量%未満、又は約0.1重量%未満、又は約0.05重量%未満、又は約0.03重量%未満、又は約0.01重量%未満で含む該組成として回収する、プロセス。
【0090】
[項69]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はエイコサペンタエン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサヘキサエン酸とする、プロセス。
【0091】
[項70]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はドコサヘキサエン酸とし、前記第2脂肪酸はエイコサペンタエン酸とする、プロセス。
【0092】
[項71]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はエイコサペンタエン酸とし、前記第2脂肪酸はステアリドン酸とする、プロセス。
【0093】
[項72]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はドコサペンタエン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサヘキサエン酸とする、プロセス。
【0094】
[項73]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はドコサヘキサエン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサペンタエン酸とする、プロセス。
【0095】
[項74]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はアラキドン酸とし、前記第2脂肪酸はドコサヘキサエン酸とする、プロセス。
【0096】
[項75]項1〜68のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記第1ポリ不飽和脂肪酸はドコサヘキサエン酸とし、前記第2脂肪酸はアラキドン酸とする、プロセス。
【0097】
[項76]項1〜75のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記供給混合物は、魚、藻類及び/又は酵母から抽出する、好適には魚から抽出する、プロセス。
【0098】
[項77]項1〜76のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、前記プロセスは連続プロセスとする、プロセス。
【0099】
[項78]項1〜77のうちいずれか一項記載のプロセスにおいて、少なくとも前記主クロマトグラフ分離ステップ、好適には全てのクロマトグラフ分離ステップは、模擬流動床又は実流動床によるクロマトグラフ分離ステップとする、プロセス。
【0100】
[項79]第1ポリ不飽和脂肪酸を供給混合物から回収するプロセスであり、前記供給混合物は、前記第1ポリ不飽和脂肪酸の他に少なくとも第2脂肪酸を含むものとする、該プロセスであって:
・含水有機溶離液を用いる主クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第1溶離液流及び前記第2脂肪酸に富む第2溶離液流を収集する主クロマトグラフ分離ステップを備え;
前記第2溶離液流の少なくとも一部は燃料として再利用する、プロセス。
【0101】
[項80]項79記載のプロセスにおいて、項25〜43、又は項67〜78の何れかの特徴を有する(ただし、項25〜43、又は項67〜78における用語「消耗第2溶離液流」は「第2溶離液流」に置き換えるものとする)、プロセス。
【0102】
使用済み溶離液を燃料として再利用するとき(項79のように)、濃縮ステップは単に随意的なものであることに留意されたい。第2溶離液流の組成に基づいて、第2溶離液流の一部又は全部を直接燃料として使用する(それ以上の濃縮又は処理を何らすることなく)ことが考えられる。
【0103】
したがって、一実施形態によれば、第1ポリ不飽和脂肪酸及び第1ポリ不飽和脂肪酸の他に少なくとも第2脂肪酸を含む供給混合物から第1ポリ不飽和脂肪酸を回収するプロセスを提供する。このプロセスは、含水有機溶離液を用いる主クロマトグラフ分離を行い、これにより前記第1ポリ不飽和脂肪酸に富む第1溶離液流及び前記第2脂肪酸に富む第2溶離液流を収集する主クロマトグラフ分離ステップを備える。さらに、このプロセスは、第2溶離液流の少なくとも一部を、何らの事前濃縮ステップを行うことなく燃料として再利用することができる。
【0104】
本発明は、従来技術の欠点を克服することができる。とくに、本発明は、溶剤消費量を抑えてPUFAsをより高い純度で精製する改善したプロセス(極めて高純度のDHA又は極めて高純度のEPAを精製するプロセス)を提供する。
【0105】
若干の態様において、本発明は、出発PUFA流からクロマトグラフ分離によって分離した望ましくないFAs(及びとくに、望ましくないPUFAs)を含むクロマトグラフ留分の濃縮中(一般的に溶離液の蒸発を含む)、少量ではあるが無視できない量のこのようなFAsが再循環溶離液内に同伴され、これにより再循環溶離液を不純化するという驚くべき発見に基づく。この結果、この結果、望ましくないFAsは、望ましいPUFAを含むクロマトグラフ流を不純化し、これにより潜在的に最終生成物における望ましくないFAs(とくに、望ましくないPUFA)の目標仕様に到達できなくする。
【0106】
FAsは極めて高い沸点を有するので、濃縮段階におけるFAsの蒸気相内への同伴は起こり得ないものであった。本発明の発明者らは、FAs(とくに、PUFA)がとくに、含水有機溶剤の水成分に同伴されることを特定した。
【0107】
若干の態様において、本発明の目的は、溶離液の再循環の際に望ましくないFAsによる望ましいPUFAの不純化を減少又は回避することである。
【0108】
2つの類似する解決法によりこの目的を達成することができ、これら解決法の双方とも、クロマトグラフユニットから収集される少なくとも1つの望ましくないFAを含む流れから回収される溶離液の再循環をどのように取り扱うかに着目ものである。
・第1解決法は、溶離液をクロマトグラフユニットに再循環させる前に、望ましくないFAを含む流れを濃縮する段階を調整し、この調整は、望ましくないFAの収集される溶離液内への同伴を減少又は回避できるように行う。より具体的には、この調整は、再循環される溶離液の水対有機比を濃縮段階で(クロマトグラフユニットから収集される流れの水対有機比に対して)減少するように実施するものである。
・第2解決法は、溶離液を収集するクロマトグラフユニットには溶離液を再循環させない(又はほとんど再循環させない)が、むしろ他の目的のために溶離液を再循環させて使用する、例えば、溶離液を収集したクロマトグラフユニットの上流に位置する他の分離ユニットに再循環させる。第2解決法によれば、何らかの望ましくないFAsが濃縮段階における再循環溶離液に同伴するのを回避する特別なステップをとらず、クロマトグラフユニット内に望ましくないFAが溜まらないように再循環溶離液をプロセスで使用する。