(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的なクロージャ装置は、少なくとも1つの第1の接続領域を有する第1のクロージャ部と、少なくとも1つの第2の接続領域を有する第2のクロージャ部とを含む。当該少なくとも1つの第1の接続領域および当該少なくとも1つの第2の接続領域は、スクリュー接続様式で互いに接続され、かつ、2つのクロージャ部が自身の接続領域を介して互いに保持される閉位置へ移動され得る。これに対応して、クロージャ装置を閉じるために、第1のクロージャ部は、接続軸に沿って第2のクロージャ部に取り付け可能であり、接続軸を中心に回転することにより、第2のクロージャ部に対して動いて閉位置へと入ることが可能である。
【0003】
スクリュー接続様式で互いに接続可能な2つのクロージャ部を有するクロージャ装置は、基本的には異なる形状で知られている。しかし、従来のスクリュー接続でクロージャ装置を閉じるためにクロージャ部を回し入れる際には、2つのクロージャ部を互いに確実に拘束させるために、通常、力を多くかけなければならない。そして、解除する際にも、比較的大きな力をかけなければならない。更に、普通のスクリュー接続は、素早く簡単に少しだけ開けるためには適切であることが、しばしばである。
【0004】
この理由で、バヨネットロック(Bajonettverschluss)を有するクロージャ装置が代替で使用される。このクロージャ装置でも同様に、2つのクロージャ部を互いに確実に拘束してクロージャ装置を閉じるために、一方のクロージャ部が他方のクロージャ部に対して接続軸を中心に回転される。しかし、バヨネットロックでは、バヨネットロックの各部分を互いに嵌め合わせるためには2つのクロージャ部を互いに対して正確に位置合わせしなければならないということが、通常不利である。
【0005】
更に、クロージャ装置を閉じるために2つのクロージャ部をスクリュー接続様式で互いに接続するクロージャ装置においては、そのような接続を、クロージャ装置が開かないように簡単には達成できないので通常では不利である。クロージャ部の一方が他方のクロージャ部に対して開方向に不用意に回されて、上記接続が解除されるのを防ぐために、ピン、コッターキー、またはラッチなどの追加の構成部品が通常使用される。しかし、特に手動操作可能なクロージャ装置では、それによって使いやすさや快適さが損なわれる。
【0006】
更に、特許文献1から、第1のクロージャ部が第2のクロージャ部に掛止され、かつ第2のクロージャ部のばねロック要素を介して閉位置に保持される、クロージャ装置が知られている。ばねロック要素は、接続軸に関して半径方向に移動可能であり、この接続軸に沿って、第1のクロージャ部が第2のクロージャ部へ案内される。
【0007】
特許文献1から既知であるクロージャ装置において、第2のクロージャ部に取り付けられた第1のクロージャ部は、第1および第2のクロージャ部に設けられた磁石要素によって第2のクロージャ部に対して自動的に回転されて、磁石が互いに引き付け合う位置へ入る。そして、これらの磁石を介して、第1のクロージャ部は回転せずに接続軸に沿って引っ張られて閉位置へと入り、ばねロック要素が正しくスナップ式に嵌る。そして、クロージャ装置を開けることが可能になるが、それは、第1のクロージャ部を回転することによって可能となる。特許文献1は、特許文献1に開示されたクロージャ装置は荷重がかかるとねじが緩む傾向を有し得ると記載している。クロージャ装置が不用意に開くことは防止できるが、しかしこれは適切な寸法と強度の磁石を使用することによって可能となる。
【0008】
したがって、特許文献1は、クロージャ装置を開けることは第1のクロージャ部を回転させることによって達成できることを開示している。しかし、特許文献1のクロージャ装置においては、一般的なクロージャ装置とは対照的に、第1のクロージャ部が、スクリュー接続様式で接続軸を中心に回転することによって、第2のクロージャ部に対して移動して閉位置に入ることが可能となることは開示していない。むしろ、第1のクロージャ部は、接続軸に沿って引っ張られて閉位置へと入り、接続軸に関して半径方向に移動可能なばねロック要素によって、第2のクロージャ部に掛止される。更に、特許文献1は、荷重がかかってクロージャ装置が不用意に開くのを防止するために、より大きいまたはより強い磁石を使用することを提案している。しかし、より大きな荷重を受けるクロージャにおいては、いかなる大きさの磁石も使用できるわけではないので、そのような対策には限界があり、したがって、クロージャ装置の寸法およびその製造コストが不釣り合いに大きくなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
よって、本発明の目的は、一方のクロージャ部を他方のクロージャ部に対して回転させることによりクロージャ装置を簡単に閉じることができ、同時に、閉位置においてクロージャ装置が望まれないにもかかわらず開いてしまうことを簡便に防止する、改良されたクロージャ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的は請求項1によるクロージャ装置によって解決される。
【0012】
本発明によれば、2つのクロージャ部の接続領域はそれぞれ、少なくとも1つのスライド表面と少なくとも1つのブロッキング表面とを有し、それにより、
合力が第1の荷重方向に接続軸に沿って2つのクロージャ部に作用すると、クロージャ部は、自身のスライド表面に沿って接続軸を中心に互いに対して回転してクロージャ装置の閉位置に入ることが可能であり、
合力が第1の荷重方向とは反対の第2の荷重方向に接続軸に沿って2つのクロージャ部に作用すると、2つのクロージャ部の接続軸を中心とした互いに対する回転が、互いに当接しているブロッキング表面によってブロックされる。
【0013】
2つのクロージャ部のスライド表面同士またはブロッキング表面同士のいずれかが互いに当接することを確実にするために、閉位置において、両クロージャ部が接続軸に関する隙間によって互いに対して軸方向に移動可能であることが更に提供される。このようにして、互いに当接するブロッキング表面を介したブロッキングが解除でき、2つのクロージャ部を互いに対して軸方向に移動させることによって、スライド表面同士は互いに接触可能となる。
【0014】
第1の荷重方向における合力(resultierende Kraft)を介して、2つのクロージャ部は互いに向かって押圧されることができる、または、接続軸に沿って互いから引き離されることができる。この第1の荷重状態において、2つのクロージャ部の互いに対する回転が許可される。他の荷重状態において、合力が反対の荷重方向に作用すると、2つのクロージャ部は自身のブロッキング表面を介して、回転できないようにブロックされる。
【0015】
本発明による解決策によって、一方では、2つのクロージャ部をスライド表面に沿って互いに対して回転させることによって、クロージャ装置を比較的簡単に閉じ得ることが達成される。同時に、2つのクロージャ部が閉位置で荷重をかけられると、閉位置において2つのクロージャ部が互いに対して回転できなくなることが、さらに設けられたブロッキング表面によって確実になる。したがって、ブロッキング表面を介して閉位置が確実なものとなり、クロージャ部が、回し入れられる際に荷重を受ける荷重方向とは反対の荷重方向に荷重を受けると、クロージャ装置が開くことが防止される。例えば、クロージャ部が引張荷重を受けると、ブロッキング表面を介してクロージャ部の互いに対する回転がブロックされる。ここでの引張荷重は、特に、力がクロージャ部に作用することをいい、この力によって、2つのクロージャ部が互いから引き離され、その結果、自身の接続領域を介して拘束されない2つのクロージャ部が、接続軸に沿って互いから取り外されることになる。
【0016】
閉位置において2つのクロージャ部の間に組込まれた隙間により、2つのクロージャ部の2つの相対位置が交互に代わることが可能となる。例えば、2つのクロージャ部を互いに向けて押圧し、その隙間をなくすことにより、ブロッキング表面同士の間の接触が解除できる。それによって、ブロッキング表面はもはや2つのクロージャ部の互いに対する回転をブロックしなくなる。
【0017】
一設計例において、スライド表面および/またはブロッキング表面がそれぞれの接続領域のスレッド部分(threaded portion; Gewindeabschnitt)に形成されることが提供される。したがって、それぞれの接続領域は、スライド表面および/またはブロッキング表面が形成され、かつ接続領域の延長軸を中心とした仮想螺旋の一部に沿って延びる部分を含む。基本的にはスライド表面は、それぞれのクロージャ部の1つのスレッド部分に形成することができ、ブロッキング表面はそれぞれのクロージャ部の別のスレッド部分に形成することができる、その場合、1つのスレッド部分にはそれぞれ1つのスライド表面または1つのブロッキング表面しか設けられない。
【0018】
好ましくは、スライド表面およびブロッキング表面の両方が、1つのスレッド部分に、すなわち、当該スレッド部分の両側に逆向きに(gegenueberliegend)形成される。したがって、スライド表面を介してクロージャ装置を容易に開け閉めできるように、スレッド部分の第1の側が設けられ、同じスレッド部分の他方の第2の側は、閉位置において2つのクロージャ部の回転をブロックするために、したがって、閉位置の拘束のために設けられる。
【0019】
基本的には、2つのクロージャ部をスクリュー接続様式で互いに接続するために、それぞれの延長軸を中心とした周方向(したがって、2つのクロージャ部が接続軸を中心とした周方向に接続された状態で)に互いに続く数個の(少なくとも2つの)スレッド部を設けることができる。スレッド部分の互いに対する軸方向距離を介して隙間(Spiel)が画定され、この隙間によって、2つのクロージャ部が閉位置において互いに対して軸方向に移動可能であり、その結果、一方ではスライド表面を互いに接触させ、他方ではブロッキング表面を互いに接触させることができる。
【0020】
一設計例において、スレッド部分がスライド表面を有して形成されており、2つのクロージャ部が接続軸に沿った外力によって互いに向かって押圧されると、互いに当接するクロージャ部のスライド表面を介して、クロージャ部が互いに対して回転して閉位置へ入るようになっている。これは、2つのクロージャ部を閉位置に入れるためには、2つのクロージャ部にトルクが作用してはならないことを意味する。この設計例では、スライド表面はむしろ、2つのクロージャ部が互いに取り付けられた後、クロージャ部が、例えば使用者によって手動で互いに向けて押されると、スライド表面を介してクロージャ部が閉位置の方向へ互いに対して回転せざるを得ないように形成される。2つのクロージャ部を互いに対して動かす場合、勿論、クロージャ部の一方は保持され、2つのクロージャ部の他方は接続軸を中心に回転されることも可能である。
【0021】
外部からのトルクをかける必要なしにクロージャ部が互いに向けて押されるとスライド表面を介してクロージャ部が互いに対して独立に回転して閉位置に入るようにするためには、スライド表面のスレッド部分のピッチは、例えば、10°より大きいもの、好ましくは、10°〜50°の範囲、特に15°〜45°の範囲で選ぶことができる。
【0022】
代替としてまたはそれに加えて、互いに対するスライド表面のスライドを改善するために、そして特に閉位置への回し入れを容易にするために、スライド表面は滑らかな表面を有することができる。例えば、滑らかな表面とは、1.2μmより低い平均粗さを有する表面であると理解される。
【0023】
閉位置における回転をブロックするために、ブロッキング表面は、摩擦(reibschluessig)によりおよび/またはポジティブ(formschluessig)(form-fit)に互いに当接できる。したがって、例えば、クロージャ部が引張荷重を受ける際にブロッキング表面同士の間の摩擦による接続を確実にするために、ブロッキング表面に粗面または摩擦ライニングを設けることができる。代替としてまたは加えて、ポジティブ接続を、ブロッキング表面によって、例えば歯部によって実現できる。したがって、2つのクロージャ部の互いに対する回転を特にポジティブにブロックするために、ブロッキング表面は歯部を介して互いに係合可能である。そのような歯部として、例えば、両方のクロージャ部が、ブロッキング表面用のラッチウェブおよびラッチ開口を形成できる。これらのラッチウェブおよびラッチ開口は、クロージャ部が閉位置にあり、かつ2つのクロージャ部を互いから引き離す傾向を有する(第1のクロージャ部を回し入れる荷重方向とは反対方向の)力がクロージャ装置にかけられているときに、互いに交互に係合する。
【0024】
例示の一実施形態において、クロージャ装置は、
少なくとも1つのクロージャ部の第1のスレッド部分上に、それぞれスレッド部分の逆向きに(反対側に)形成された少なくとも1つのスライド表面および少なくとも1つのブロッキング表面と、
周方向に第1のスレッド部分に続くこのクロージャ部の第2のスレッド部分上に、単一のスライド表面と、を含む。
【0025】
したがって、そのような設計例では、2つの異なるタイプのスレッド部分が1つのクロージャ部に形成される:すなわち、一方では、少なくとも1つのブロッキング表面または数個のブロッキング表面と少なくとも1つの反対側スライド表面とを有する第1のタイプのスレッド部分と;他方では、1つのスライド表面しか形成しない第2のタイプのスレッド部分と、である。2つの第1のスレッド部分および第2のスレッド部分は、接続軸を中心とした螺旋に沿って互いに直接隣接して配置され得る。それによって第2のスレッド部分は、直接(好ましくは、クロージャ装置を開けるために第2のクロージャ部が回転される回転方向に沿って)第1のスレッド部分と隣接する。
【0026】
好ましくは、互いから空間的に(周方向に沿って)離間した数対の第1のスレッド部分および第2のスレッド部分が、それぞれクロージャ部に設けられる。
【0027】
例えば、ラッチウェブは第1のスレッド部分の一部であってよく、第1の側において、ブロッキング表面の各部分を形成し、反対側の第2の側において、それぞれスライド表面を形成する。そして、閉位置でブロッキングするために、2つのクロージャ部の各第1のスレッド部分において各一対のラッチウェブの間にラッチ開口が形成され、このラッチ開口に、それぞれの他方のクロージャ部のラッチウェブがポジティブに係合できる。
【0028】
そのような設計例では、異なるタイプのスレッド部分は、クロージャ装置が閉まる際に自身のスライド表面を介して互いに沿って交互にスライドできることが、基本的に提供され得る。例えば、閉位置へ動かすとき、ラッチウェブを有して形成された第1のクロージャ部の第1のスレッド部分は、a)第2のクロージャ部の、ラッチウェブの一方側(上側または下側)に形成された、第1のスレッド部分のスライド表面に沿って、そして、b)第1のスレッド部分とは対照的に、第2のクロージャ部の、反対側(下側または上側)でブロッキング表面を画定しない、隣接した第2のスレッド部分のスライド表面に沿って、交互にスライドするであろう。
【0029】
しかし代替例では、ラッチウェブを含む第1のスレッド部分を有する第1のクロージャ部、およびラッチウェブを含む第1のスレッド部分を有する第2のクロージャ部は、回転して閉位置に入ると、第1のクロージャ部のラッチウェブに形成されたスライド表面が第2のクロージャ部のラッチウェブに形成されたスライド表面と接触しないように、形成され互いに調節され得る。したがって、この例では、第1のスレッド部分のラッチウェブは単に閉位置におけるブロッキングのために相互接触するだけである。例えば、これは、比較的小さい回転角での回転によってクロージャ部が閉位置(この閉位置では第2のスレッド部分が単に互いに沿ってスライドできるにすぎない)に既に入っているように、第1のスレッド部分および第2のスレッド部分がクロージャ部に形成されるということで達成される。
【0030】
一設計例において、少なくとも1つのプレテンショニング要素(Vorspannelement)
が設けられ、このプレテンショニング要素を介して、閉位置にある2つのクロージャ部がプレテンションを与えられてブロッキング位置に入る。このブロッキング位置ではブロッキング表面がブロッキング状態で互いに当接する。したがって、そのようなプレテンショニング要素は、2つのクロージャ部の互いに向かう押圧を相殺し、すなわちブロッキング表面を互いに押し合うまたは引き合うプレテンショニング力を生成する。例えば、一方の(第1の)クロージャ部が他方の(第2の)クロージャ部に接続軸に沿った閉方向に回し入れられると、それにより当該一方のクロージャ部は閉方向に押圧され、その結果、2つのクロージャ部のスライド表面は互い当接し、少なくとも1つのプレテンショニング要素のプレテンショニング力が閉方向とは反対向きに作用し、その結果、当該一方の(第1の)クロージャ部がもはや閉方向に手動で押圧されなくなるとすぐに、ブロッキング表面は自動的にブロッキング状態で互いに当接する。
【0031】
例えば、プレテンショニング要素は、コイルばね等のばね要素を備えることができる。代替としてまたはそれに加えて、フォーム(Schaumdruckfeder)または空気ばね(Luftdruckfeder)の使用が考えられる。更に、プレテンショニング要素は、磁石を備えて磁力を介してプレテンショニング力を生成することができる。
【0032】
一設計例において、少なくとも1つの補助閉手段が2つのクロージャ部の閉位置ヘの方向の動きをサポートする力を発揮することが提供される。例えば、これは、2つのクロージャ部の互いに向かう押圧をサポートする磁力を発揮する少なくとも1つの磁石であってよい。ここで、2つのクロージャ部は磁力によって互いに引き付け合い、その結果、一方のクロージャ部を他方のクロージャ部に回し入れることが容易になる。この目的のために、例えば、第1のクロージャ部に第1の磁石が設けられ、第2のクロージャ部に第2の磁石が設けられ、2つの磁石が互いに引き付け合う。
【0033】
基本的には、クロージャ部内の磁石は、それぞれのクロージャ部の(プラスチック)材料内に埋め込まれ、または挿入され、当該材料に固定され得る。例えば、磁石は、デイスク状または直方体であってよい。それぞれの磁石が点対称でない場合、磁力反転インパルスが、2つのクロージャ部の互いに対する位置に依存してもたらされ得る。
【0034】
一設計例において、クロージャ装置は、少なくとも1つの第1の接触要素を有する第1のクロージャ部と、少なくとも1つの第2の接触要素を有する第2のクロージャ部とを含み、閉位置において、2つの接触要素は導電的に互いに接触している。したがって、本発明によるクロージャ装置のそのような例では、2つのクロージャ部が自身の閉位置に適切に存在する場合に信号が生成され得、かつ/またはクロージャ装置の接触要素を介して信号が伝達され得る。接触要素を介して電流を送り、それによって、接触要素を利用して電力を伝達することもできる。
【0035】
これに基づく展開例では、例えば接触要素が、一方のクロージャ部には弾性装着接触ピンによって形成され、他方のクロージャ部には接触板によって形成される。好ましくは(円形の)円柱状接触部分を有する弾性装着接触ピンは、自身のクロージャ部上で接続軸に関して半径方向に移動可能であり、それによって、閉位置において、それぞれの接触ピンは他方のクロージャ部上の対応付けられた接触要素の方向にプレテンションをかけられるが、接触ピンはそれぞれのクロージャ部を他方のクロージャ部に回し入れることをブロックしない。そして、適切に閉じられた位置では、接触ピンは、他方のクロージャ部に配置された接触板に対して半径方向に押圧される。
【0036】
しかし、導電性接触要素は、例えば、クロージャ部の端面に配置されたばね要素によって形成してもよい。
【0037】
本発明によるクロージャ装置は異なる方法で使用でき、特に、日常使用される異なるアイテムにおいて使用できる。例えば、クロージャ装置は、ドッグリーシュ、ホース結合具、カメラレンズ、または取手部分であってよい。
【0038】
更に、2つのクロージャ部を互いにねじるスレッドは、勿論、多段スレッド、特に2段スレッドまたは4段スレッドであってよいことを理解されたい。個々のスレッドの距離は、クロージャ部を互いに対して閉位置において軸方向に動かし、スライド表面またはブロッキング表面を互いに係合させることができるように、指定された隙間を画定する。好ましくは、スレッド距離は、隙間ができるだけ小さくなるように選ばれる。
【0039】
基本的には、隙間の大きさが0.5mmより小さく、特に0.05〜0.4mmの範囲であれば、有利であるとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の更なる利点および特徴は、図面を参照した例示の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【
図1A】本発明によるクロージャ装置の第1の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図1B】本発明によるクロージャ装置の第1の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図1C】本発明によるクロージャ装置の第1の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。(
図1A〜1Bおよび
図1D〜1Eとは視点が異なる。)
【
図1D】本発明によるクロージャ装置の第1の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図1E】本発明によるクロージャ装置の第1の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図2A】第1の設計例に対してクロージャ部を特に幾何学的に変形した、本発明によるクロージャ装置の第2の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図2B】第1の設計例に対してクロージャ部を特に幾何学的に変形した、本発明によるクロージャ装置の第2の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図2C】第1の設計例に対してクロージャ部を特に幾何学的に変形した、本発明によるクロージャ装置の第2の例示の実施形態を、視点を異にして示す複数の図の一つである。
【
図3A】2つのクロージャ部にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れるためにプレテンショニング要素を有する、第1の設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図3B】2つのクロージャ部にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れるためにプレテンショニング要素を有する、第1の設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図3C】2つのクロージャ部にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れるためにプレテンショニング要素を有する、第1の設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図3D】2つのクロージャ部にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れるためにプレテンショニング要素を有する、第1の設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図3E】2つのクロージャ部にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れるためにプレテンショニング要素を有する、第1の設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図3F】2つのクロージャ部にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れるためにプレテンショニング要素を有する、第1の設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図4A】第1の設計例の更なる代替展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図4B】第1の設計例の更なる代替展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図4C】第1の設計例の更なる代替展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図5A】
図4A〜4Cのクロージャ装置の第1のクロージャ部を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図5B】
図4A〜4Cのクロージャ装置の第1のクロージャ部を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図5C】
図4A〜4Cのクロージャ装置の第1のクロージャ部を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図6A】
図4A〜4Cの設計例の第2のクロージャ部を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図6B】
図4A〜4Cの設計例の第2のクロージャ部を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図6C】
図4A〜4Cの設計例の第2のクロージャ部を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図7A】例えばホース結合具として使用可能な、本発明によるクロージャ装置の第3の設計例を示す図である。
【
図7B】例えばホース結合具として使用可能な、本発明によるクロージャ装置の第3の設計例を示す図である。
【
図9A】ブロッキング手段を有する
図4A〜6Cの設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図9B】ブロッキング手段を有する
図4A〜6Cの設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図9C】ブロッキング手段を有する
図4A〜6Cの設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図9D】ブロッキング手段を有する
図4A〜6Cの設計例の展開を異なる視点から示す複数の図の一つである。
【
図10A】2つのクロージャ部がそれぞれ、第1のセグメントのスレッド部分の互いから離間したラッチウェブ上にブロッキング表面とスライド表面とを形成し、周方向に続く第2の長手方向延在スレッド部分上に単一のスライド表面をそれぞれ形成した、本発明によるクロージャ装置の様々な視点から見た更なる設計例を示す複数の図の一つである。
【
図10B】2つのクロージャ部がそれぞれ、第1のセグメントのスレッド部分の互いから離間したラッチウェブ上にブロッキング表面とスライド表面とを形成し、周方向に続く第2の長手方向延在スレッド部分上に単一スライド表面をそれぞれ形成した、本発明によるクロージャ装置の様々な視点から見た更なる設計例を示す複数の図の一つである。
【
図10C】2つのクロージャ部がそれぞれ、第1のセグメントのスレッド部分の互いから離間したラッチウェブ上にブロッキング表面とスライド表面とを形成し、周方向に続く第2の長手方向延在スレッド部分上に単一のスライド表面をそれぞれ形成した、本発明によるクロージャ装置の様々な視点から見た更なる設計例を示す複数の図の一つである。
【
図10D】2つのクロージャ部がそれぞれ、第1のセグメントのスレッド部分の互いから離間したラッチウェブ上にブロッキング表面とスライド表面とを形成し、周方向に続く第2の長手方向延在スレッド部分上に単一のスライド表面をそれぞれ形成した、本発明によるクロージャ装置の様々な視点から見た更なる設計例を示す複数の図の一つである。
【
図10E】2つのクロージャ部がそれぞれ、第1のセグメントのスレッド部分の互いから離間したラッチウェブ上にブロッキング表面とスライド表面とを形成し、周方向に続く第2の長手方向延在スレッド部分上に単一のスライド表面をそれぞれ形成した本発明によるクロージャ装置の様々な視点から見た更なる設計例を示す複数の図の一つである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1A〜1Eは、本発明によるクロージャ装置1の第1の設計例を、互いに対する2つのクロージャ部2および3を異なる視点および位置から見て示したものである。各設計例において、第1のクロージャ部2および第2のクロージャ部3は、スクリュー接続様式で互いに接続され得、また、閉位置に保持され得る。閉位置が、例えば
図1Aおよび1Bに示されている。ここで、第1のクロージャ部2は、ボルト状に形成されており、デイスク状ヘッド21を含む。デイスク状ヘッド21の底部側からは、環状の円柱状スリーブ部分22の形で接続領域が延び、デイスク状ヘッド21の上側には、アーチ型ブリッジ状ハンドル部分20が形成されている。それに対し、第2のクロージャ部3は、部分的に中空である同様に環状の円柱状スリーブ体31を接続領域として含み、この環状の円柱状スリーブ体31も、同様にブリッジ状に見えるアーチ型ハンドル部分30を形成している。ハンドル部分30は、クロージャ装置1の長手延在方向に沿ってかつ接続軸Aに沿って、第1のクロージャ部2のハンドル部分20の反対側に位置する。接続軸Aは、それに沿って2つのクロージャ部2および3が互いに対して回し入れられる軸である。
【0042】
ハンドル部分20および30は、クロージャ装置1を手動で開閉するために使用者が握ることができる。代替としてまたは加えて、クロージャ装置1を介して互いに結合される追加の構成部品をそれに取り付けることができる。
【0043】
2つのクロージャ部2および3を互いに接続するために、第1のクロージャ部2のスリーブ部分22は、接続軸Aに沿ってかつ第1のクロージャ部2を回転させることによって、第2のクロージャ部3のスリーブ体31の空洞311に回し入れることができる。ヘッド21の支持エッジが第2のクロージャ部3の円形リング状端面310に当接するまで、好ましくは、ヘッド21から離れた方のスリーブ部分22の端面が空洞311の根元で基部312に当接するまで、スリーブ部分22を有する第1のクロージャ部2を、第2のクロージャ部3のスリーブ体31に回し入れることができる。
【0044】
ここで、選択的に、一方ではスリーブ部分22に形成されたスレッドと他方ではスリーブ体31に形成されたスレッドとの2つのスレッドを介して、回転D(
図1D参照)の方向にスリーブ部分22をスリーブ体31内へ回し入れることが可能になる。スリーブ部分22のシェル表面に沿って周方向に互いに続きかつ互いに離間している数個(ここでは4つ)のスレッド部分によって、スリーブ部分22の外スレッドが形成されている。そのスレッド部分23a〜23cが
図1B〜1Eの断面図に示されている。この断続形成(unterbrochen)された外スレッドに、スリーブ体31の同様に断続形成された内スレッドが対応する。この内スレッドは、スリーブ体31の内壁に沿って周方向に互いに続きかつ互いに離間している数個(ここでは4つ)のスレッド部分から形成されている。そのスレッド部分32a〜32cが
図1B〜1Eの断面図に示されている。
【0045】
スレッド部分23a〜23cおよび32a〜32cのそれぞれは、スリーブ部分22またはスリーブ体31の螺旋のある区間に沿って延びる。第1のクロージャ部2の内スレッドのスレッド部分23a〜23cは、接続軸Aに関してスリーブ体31の内壁の方向にスリーブ部分22から半径方向に突出している。それに対し、第2のクロージャ部3の外スレッドのスレッド部分32a〜32cは、スリーブ部分22のシェル表面の方向に、スリーブ体31の内壁から半径方向に突出している。これにより、確実に、スリーブ部分22およびスリーブ体31の形での接続領域における2つのクロージャ部2および3が、殆ど専らスレッド部分23a〜23cおよび32a〜32cを介して互いに接触し、それにより、接続軸Aに沿って作用する荷重が伝達されることもあり得る。
【0046】
スレッド部分23a〜23cおよび32a〜32cのそれぞれは、ブロッキング表面232または322およびスライド表面231または321を有する。スライド表面231、321およびブロッキング表面232、322は、互いに反対方向を向くそれぞれのスレッド部分23a〜23cまたは32a〜32cの軸方向、逆向きに存在する。例えば、第1のクロージャ部2のスレッド部分23a、23bまたは23cは、それぞれヘッド21に対向する上側にブロッキング表面232を形成し、反対側の底部側にスライド表面231を形成する。
【0047】
スライド表面231および321ならびにブロッキング表面232および322は2つのクロージャ部2および3に形成され、それによって、第1のクロージャ部2を回し入れる際、クロージャ部2および3が接続軸Aに沿って互いに向かって押圧されるとき、例えば、第2のクロージャ部3が保持されており第1のクロージャ部2が閉力(Schliesskraft)F
Sで第2のクロージャ部3の方向に押圧されるとき、クロージャ部2および3は、それらのスライド表面231および321に沿って接続軸Aを中心に互いに対して回転可能となっている。そして、スライド表面231および321は互いに当接する。ここで、個々のスレッド部分23a〜23cおよび32a〜32cのピッチαは非常に大きいものが選択されており、スライド表面は滑らかな表面を備えているので、閉力F
Sが接続軸Aに沿ってかけられたときに、クロージャ部2および3は接続軸Aを中心に自動的に回転して互いに対し入り込む。例えば、回し入れる際に、スライド表面231を有するスレッド部分23bは、第2のクロージャ部3の(下にある)スレッド部分32cのスライド表面321に沿ってスライドできる。クロージャ部2および3のスレッド部分23a〜23cおよび32a〜32cのスライド表面231、321における静止摩擦は非常に小さいので、接続軸Aに沿って作用する手動でかけられる比較的小さい閉力F
Sだけで、クロージャ部2および3は、クロージャ部2および3にトルクをかける必要なく、スライド表面231、321上を案内され互いに対して回転される。
【0048】
2つのクロージャ部2および3が互いに対して完全に回し入れられると、2つのクロージャ部2および3の閉位置が決まる。この閉位置において、互いに対向して位置するブロッキング表面232および322は、元の閉方向とは反対側に回転軸Aまたは接続軸Aに沿って2つのクロージャ部2および3を互いに対して動かす(引張)荷重F
Bにより、互いに係合できる。この目的のために、ブロッキング表面232および322はそれぞれ、ラッチ歯を含む。このラッチ歯を介して、対向するスレッド部分、例えば第1のクロージャ部2のスレッド部分23bと第2のクロージャ部3の(上にある)スレッド部分32bが、閉位置において互いに正しくロックされ、それにより、2つのクロージャ部2および3の互いに対する回転をブロックできるようになる。
【0049】
2つのクロージャ部2および3の間に、閉位置において隙間(クリアランス)が設けられている。それによって、2つのクロージャ部2および3は接続軸Aに沿って互いに対して軸方向に移動可能である。クロージャ部2を回し入れると、例えば、スライド表面231を有する第1のクロージャ部2のスレッド部分23bは、自身に隣接する第2のクロージャ部3のスレッド部分32cのスライド表面321に沿って閉方向にスライド可能である。しかし同時に、第1のクロージャ部2はまた、閉方向の反対側に第2のクロージャ部3に対して軸方向に移動され得る。それによって、その歯付きブロッキング表面232を介して、同じスレッド部分23bは、スレッド部分32bのブロッキング表面322とブロック状態で係合する。このブロッキング表面322は、閉方向に逆らってスレッド部分23bに隣接している。このようにして、2つのクロージャ部2および3は互いに対する回転を防止され、クロージャ装置1は、例えばハンドル部分20、30に固定されたベルト部分、ロープ部分、または綱部分を介してクロージャ部2、3に引張荷重がかけられている限り、開かないようにブロックされる。2つのクロージャ部2および3の拘束は、スリーブ体31によって画定される空洞311内において行われる。空洞311は、閉位置において、接続軸Aに沿って、第2のクロージャ部3の基部312とこれと反対側のヘッド21とによって、境界が定められている。
【0050】
したがって、その結果、2つのクロージャ部2および3は接続軸Aに沿った圧力によりスライド表面に沿って互いに対して回し入れられるという点において、例示したクロージャ装置1は簡便に閉じることができる。続いて引張荷重がかけられると、2つのクロージャ部2および3は、互いに当接するブロッキング表面232および322を介して互いに正しくロックし合い、それによって、2つのクロージャ部2および3の互いに対する回転がブロックされ、したがって、クロージャ装置1が開くことが防止される。
【0051】
図2A、2Bおよび2Cにより、クロージャ装置1’の第2の例示の実施形態を示す。第2の例示の実施形態では、
図1A〜1Eの第1の例示の実施形態とは対照的に、第2のクロージャ部3’は、長くして製作されており、更に、磁石M2およびM3の形での補助閉手段が設けられており、これにより、第1のクロージャ部2’が第2のクロージャ部3’に取り付けられた後、クロージャ装置1’を閉じることがサポートされ、かつクロージャ装置1’が殆ど自動的に閉じるようにするようになっている。
【0052】
ここでもまた、第1のクロージャ部2’は、ハンドル部分20’とヘッド21’とを含む。閉位置において、再度、ヘッド21’は空洞311’を閉じ、この空洞311’内で、2つのクロージャ部2’および3’の接続が、
図1A〜1Eの設計例に対応するスライド表面とブロッキング表面とを有するスレッド部分を介して行われる。ここで、空洞311’はスリーブ体31’の容積の一部しか占めない。
【0053】
クロージャ装置1’を閉じることをサポートするために、ここでのクロージャ部2’、3’はそれぞれ、磁石M2またはM3を含む。2つの磁石M2およびM3は、互いに引き付け合い、この例では、閉位置において互いに隣接する第1のクロージャ部2’および第2のクロージャ部3’の端面の領域に配置される。スライド表面とブロッキング表面とを有して形成されたスレッド部分の対応するピッチと、各スライド表面の十分に滑らかな表面とにより、空洞311’に取り付けられた第1のクロージャ部2’は、磁石M2、M3によって閉方向に接続軸に沿って第2のクロージャ部3’に向かって引っ張られ、それによって、スライド表面に沿って接続軸を中心に自動的に回転して閉位置に入る。クロージャ部2’、3’を互いに対して閉方向に逆らって動かす引張荷重F
Bが、閉位置にあるクロージャ部2’および3’に作用すると、ブロッキング表面は、互いに接触し合い、2つのクロージャ部2’、3’を、接続軸を中心に互いに対して回転しないようにブロックする。
【0054】
図3A〜3Fにより、
図1A〜1Eの設計例の展開を例示する。
図1A〜1Eの設計例と比較すると、ここに示されるクロージャ装置1*は、変形した第2のクロージャ部3*を含む。第1のクロージャ部2は、これに対応して形成される。更に、プレテンショニング要素(ここではコイルばねの形で)としてばね要素4が設けられている。これにより、閉位置における2つのクロージャ部2および3*にプレテンションを与えてブロッキング位置に入れる。このブロッキング位置では、2つのクロージャ部2、3*のブロッキング表面232、322はブロッキング状態で互いに当接する。ここでのばね要素4は、ばね力F
Fを生成するように配置される。ばね力F
Fは、2つのクロージャ部2、3*の互いに向かう動きを相殺し、したがって、閉方向の反対向きに作用する。
【0055】
ここでのばね要素4は、第2のクロージャ部3*のスリーブ体31*における基部312*内の中央収容部3120*内に搭載される。ばね要素4は、クロージャ部2が第2のクロージャ部3*に取り付けられると、基部312*および第1のクロージャ部2の端面24を支持する。
【0056】
第1のクロージャ部2がスリーブ体31*の空洞311に回し入れられると圧縮されなければならないばね要素4を介して、以下のことが達成される。すなわち、第1のクロージャ部2が少なくとも僅かに第2のクロージャ部3*に回し入れられ、2つのクロージャ部2、3*を互いに向けて押圧する閉力F
Sがクロージャ装置1*にもはや作用しなくなるとすぐに、2つのクロージャ部2、3*のブロッキング表面232および322が自動的に互いに係合する。その結果、ブロッキング表面232および322が互いに当たることにより、2つのクロージャ部2および3*は、互いに拘束可能かつロック可能となって、クロージャ装置1”の完全に閉じた位置から外れても回転できないようになる。したがって、引張荷重F
Bの作用とは独立して、以下のことが達成される。すなわち、クロージャ部2および3*は、2つのクロージャ部2、3*が隙間を詰めることで互いに対して最大に近づく閉(端)位置に拘束されるだけでなく、画定された中間位置にも拘束される。
【0057】
図3A〜3Fに示す例示の実施形態において、以下のことがばね要素4を介して達成される。すなわち、2つのクロージャ部2および3*が押されて互いに離され、それにより、回し入れられる第1のクロージャ部2のブロッキング表面232の個々の歯が他方の第2のクロージャ部3*の歯付きブロッキング表面322とポジティブに係合できるようになるとすぐに、個々のスレッド部分のブロッキング表面232および322がブロッキング状態で互いに当接する。歯付きブロッキング表面232、322の代わりにブロッキング表面同士の間の摩擦接触が用いられる場合、段階的な拘束だけでなく無段階の拘束も個々の中間位置において可能である。
【0058】
異なる視点による
図3Aおよび3Bは、最初に、2つのクロージャ部2および3*の互いに対する位置を示している。この位置において、第1のクロージャ部2は第2のクロージャ部3*に取り付けられたところであり、そのスリーブ部分22は空洞311内に入れられている。
図3Cおよび3Dは、互いに完全に回し入れられた2つのクロージャ部2および3*を示しており、2つのクロージャ部2および3*は、閉力F
Sによって互いに向かって押圧されており、それによって、ブロッキング表面232および322は互いにポジティブに接続されておらず、ばね要素4は最大に圧縮されている。そして、
図3Eおよび3Fは、ばね力F
Fの結果、ブロッキング表面232、322がブロッキング状態で互いに当接する閉位置を示す。
【0059】
図4A〜4C、5A〜5C、および6A〜6Cは、
図1A〜1Cの例示の実施形態の更なる可能な展開を例示する。これらの図において、クロージャ装置1**は、閉位置において互いに導電的に接続される接触要素5a、6a、5b、6bを含む。
図4A〜4Cは、クロージャ部2**、3**が互いに回し入れられた状態でのクロージャ装置1**を、異なる視点から示している。
図5A〜5Cは、それぞれ異なる視点から第1のクロージャ部2**を示している。
図6A〜6Cは異なる視点から第2のクロージャ部3**を示している。
【0060】
図1A〜1Eおよび3A〜3Fの例示の実施形態に対応して、ここでの第1のクロージャ部2**は、再度、ボルト状に形成され、内スレッドおよび外スレッドのスライド表面231、321に沿って押圧することにより第2のクロージャ部3**のスリーブ体31**内に回し入れられることができ、また、第2のクロージャ部3**において内スレッドおよび外スレッドのブロッキング表面232、
322を介して回転できないようにブロックされ得る。
図2A〜2Cの例示の実施形態に対応して、磁石M2、M3が2つのクロージャ部2**および3**に設けられており、それによって、2つのクロージャ部2**および3**を互いに自動的に回し入れることをサポートし、したがって、クロージャ装置1**を自動的に閉じることをサポートする。ここでの磁石M2、M3は、スリーブ体31**の基部312**内に、または第1のクロージャ部2**の中空の円柱状スリーブ部分22**の端部に配置され、例えば、それぞれのクロージャ部2**、3**の(プラスチック)材料に埋め込まれる。
【0061】
更に、導電性材料の接触板6a、6bが、第1のクロージャ部2**のスリーブ体22**を空洞311内へと導入する開口部に近接した、スリーブ体31**の内壁に配置される。これらの接触板6a、6bに、第1のクロージャ部2**の2つの接触ピン5a、5bが対応付けられる。2つの接触ピン5a、5bは、接続軸に関して半径方向に弾性的に移動可能にスリーブ体22**上に搭載され、スリーブ部分22**の外側表面から半径方向に突出する。スリーブ部分22**内に収容される(ここでは例えばコイルばねの形での)プレテンショニング手段50を介して、2つの接触ピン5a、5bは、互いに対してプレテンションをかけられ、それによって、接触ピン5a、5bの端部はスリーブ部分22**の外側表面から押し出される。これにより、2つのクロージャ部2**および3**が互いの中に十分に回し入れられ、(空洞311が第1のクロージャ部2**のヘッド21によってカバーされる)閉位置に来るとすぐに、接触ピン5a、5bが確実に接触シート6a、6bと接触する。このようにして、互いに接触している接触ピン5a、5bおよび接触板6a、6bにより回転しないよう固定された2つのクロージャ部2**および3**の閉位置において、閉位置がとられたとことを示す信号が生成される。代替としてまたはそれに加えて、導電性接触ピン5a、5bおよび6a、6bを介して、例えば、第1のクロージャ部2**に当接する信号線から、第2のクロージャ部3**に当接する信号線へ、信号が伝達されてもよい。
【0062】
図7Aおよび7Bは、例えばホース結合部の部分として使用され得る、本発明によるクロージャ装置7の更なる設計例を示す。互いに対して回し入れられたクロージャ部71、72を介して、第1のクロージャ部71のチャネルピースK1が、第2のクロージャ部72のチャネルピースK2に、外部に対して密閉されるように接続される。
【0063】
上記説明した例示の実施形態と同様に、スリーブ部分712の形での第1の接続領域を有する第1のクロージャ部71はまた、第2のクロージャ部72のスリーブ体721の形での第2の接続領域の空洞73内に回し入れられることができ、それによって、2つのクロージャ部71、72をスクリュー接続様式で互いに接続しかつクロージャ装置7を閉じることができる。スリーブ部分712の外側シェル表面とスリーブ体721の内壁との間に配置される周方向シールリングの形でのシールDRを介して、以下のことが確実になる。すなわち、2つのクロージャ部71、72が密閉的に互いに当接し、クロージャ装置7が適切に閉じられたときに、中空の円柱状スリーブ部分712内で外部に対して密閉されたチャネルピースK1が、スリーブ体721内でチャネルピースK2と流体技術的に接続される。
【0064】
ここでも同様に、第1のクロージャ部71のスレッド部分713a、713b上のスライド表面7231および第2のクロージャ部72のスレッド部分723a、723b上のスライド表面7231を介して、確実に、2つのクロージャ部71、72を簡単に回し入れることができる。同時に、以下のことが確実になる。すなわち、第1のクロージャ部71のスレッド部分713a、713b上の互いに対向するブロッキング表面7132と、第2のクロージャ部72のスレッド部分723a、723b上のブロッキング表面7232とにより、閉位置において、2つのクロージャ部71、72を互いに対して回転できないように比較的簡単にブロックすることができる。
【0065】
図3A〜3Fの例示の実施形態と同様に、ばね要素74が設けられ、それによって、2つのクロージャ部71、72にそれらの接続軸に沿ってプレテンションを与えてブロッキング位置に入れる。このブロッキング位置は、ブロッキング表面7132および7232がブロッキング状態で互いに当接する位置である。ここでのばね要素74は、第1のクロージャ部71に対向する第2のクロージャ部72の円形リング状端面7210を、かつ第1のクロージャ部71のヘッド711のエッジを支持する。
【0066】
ヘッド711に類似したスリーブ体721の一部分が、クロージャ装置7を介して互いに密閉的に接続される2つのホース端部の一方用に、接続ピースとして機能できる。
【0067】
図8Aおよび8Bは、
図7Aおよび7Bの例示の実施形態の可能な展開を示す。対応する構成部品は、“7”の代わりに先頭に “8”をつけて示す。これに対応して、
図8Aおよび8Bのクロージャ装置8は、第1のクロージャ部81および第2のクロージャ部82を含む。第1のクロージャ部81および第2のクロージャ部82は、スレッド部分813a、813bおよび823a、823bを介して互いに滑らかに回し入れられることができ、また、スレッド部分813a、813bおよび823a、823bに同様に形成されたブロッキング表面8132、8232を介して確実に回転が阻止される。
【0068】
図7Aおよび8Bの例示の実施形態の他に、クロージャ装置8は、磁石M7、M8の形での補助閉手段を含む。この磁石M7、M8を介して、2つのクロージャ部81、82は、互いに引っ張られ閉位置に入る。それによって閉位置に回し入れることが容易になる。
【0069】
あるいは、クロージャ部81および82に収容された磁石M7およびM8を、互いに反発し合うように形成し、配置してもよい。こうすることで、磁石M7およびM8はプレテンショニング力を生成し、それによって、2つのクロージャ部81、82が閉位置において引張荷重を受けることなく、2つのクロージャ部81、82のブロッキング表面8132および8232がブロッキング状態で互いに当接する。しかし、いずれにせよ、クロージャ装置8によってまた、以下のことが確実になる。すなわち、互いに当接するブロッキング表面8132および8232によって、2つのクロージャ部81、82が引張荷重を受けた際に、2つのクロージャ部81、82の互いに対する回転がブロックされる。
【0070】
例示した図では、ブロッキング表面は断面台形のラッチ歯を有して示されたが、勿論、ブロッキング表面に別の設計を施し、それによって、2つのクロージャ部が互いに摩擦によりおよび/またはポジティブに拘束されるようにしてもよい。例えば、ブロッキング表面にのこぎり歯を配置したものは有利であると思われる。なぜなら、それによって、対応するクロージャ装置は、常に簡単に閉じるまたは押して閉じることができるが、引張荷重がかかった状態では、断面台形のラッチ歯の場合よりも更に効果的に、開かないようになるからである。
【0071】
更に、閉位置において、2つのクロージャ部の互いに対する軸方向の動きをブロックできる(調節可能に搭載された)ブロッキング手段を設けることが有利であり得る。したがって、そのようなブロッキング手段によって、2つのクロージャ部の間に設けられた隙間を閉位置においてブリッジすることができ、それによって、ブロッキング手段の動きなしでは、2つのクロージャ部は互いに対して軸方向に動けなくなり、その結果、それらのブロッキング表面はもはや互い当接しなくなる。したがって、そのようなブロッキング手段によって、互いに当接するブロッキング表面による回転防止が、更に確実なものとなる。
【0072】
そのようなブロッキング手段は、ブロッキング位置と解除位置との間を選択的にシフトできるように作動可能に形成することができ、ブロッキング位置にあるブロッキング手段は、2つのクロージャ部の互いに対する軸方向の動きをブロックし、解除位置においてはそのような軸方向の動きを可能にする。
【0073】
図9A〜9Dは、
図4A〜6Cの例示の実施形態に基づくクロージャ装置1**の展開を示す。このクロージャ装置1**には、ブロッキング手段が設けられており、それによって、閉位置において2つのクロージャ部2**および3**の軸方向の動きをブロックし、それによって、簡単に操作可能な高安全性クロージャを提供する。
【0074】
図4A〜6Cの例示の実施形態とは対照的に、第2のクロージャ部3のスリーブ体31**内にかつ接続軸Aに沿ってシフト可能に搭載された磁石M3のための筐体90が、第2のクロージャ部3**に設けられている。このシフト可能に搭載された筐体90は、ラッチピン93a、93bと共に、ブロッキング装置9のブロッキング手段を形成する。筐体90は、閉位置における2つのクロージャ部2**とクロージャ部3**との間に形成された隙間によって、または当該隙間に(ほぼ)対応する調節路によって、シフト可能であり、その結果、筐体90は、回し入れられる第1のクロージャ部2の方向にシフト可能であり、2つのクロージャ部2**とクロージャ部3**との間の隙間(遊び)をブリッジする。
【0075】
更に、筐体90は、第2のクロージャ部3**内のばね要素91を介して閉方向とは反対方向にプレテンションをかけられている。したがって、筐体90は、ばね要素91を介して、第1のクロージャ部2**から離れて解除位置へ入るように付勢されている。この例では、ばね要素91はコイルばねとして形成される。このコイルばねは、一方ではスリーブ体31**の内壁の肩部で支持されており、他方では筐体(ハウジング)90で支持されている。2つのクロージャ部2**および3**の磁石M2およびM3によってトリガ(始動)されると、筐体90内に位置する磁石M3を有する筐体90は、閉位置において、ばね要素91の復元力に逆らって回し入れられた第1のクロージャ部2の方向にシフトされる。
【0076】
更に、ラッチピン92aおよび92bが、筐体90に調節可能に搭載されている。これらのラッチピン92aおよび92bは、接続軸Aに関して半径方向に調節可能であり、かつ外部に向かって半径方向にプレテンションをかけられている。ラッチピン92aおよび92bはプレテンションをかけられているため、2つの磁石M2およびM3を介して磁力がかけられた結果、2つのクロージャ部2**とクロージャ部3**との間の隙間がなくなる程度に筐体90が第1のクロージャ部2**の方向にシフトされてブロッキング位置へ入ると、ラッチピン92aおよび92bは、スリーブ体31**の内壁のラッチ開口に自動的にスナップ式に嵌る。ラッチピン92aおよび92bによりブロッキング位置にラッチ止めされた筐体90を介して、2つのクロージャ部2**および3**の接続軸Aに沿った互いに向かう軸方向の動きはブロックされる。したがって、2つのクロージャ部2**および3**のスレッド部分のブロッキング表面232および322は、接触したままであり、クロージャ装置1**と押してもブロック解除され得ない。
【0077】
スリーブ体31**の外壁上で操作可能な作動要素93aおよび93bを介して、ラッチピン92aおよび92bは再度、それぞれに対応付けられたラッチ開口との係合から解放され得、それによって、筐体90は再度、軸方向にシフト可能となり、2つのクロージャ部2**とクロージャ部3**との間のブロックが解除され得る。
【0078】
したがって、例示した設計例では、第1のクロージャ部2**は、スライド表面231および321に沿って動かされ得、そして、磁石M2およびM3のサポートにより、第2のクロージャ部3**内へ簡単に回し入れられ得る。閉位置に到達した後、第1のクロージャ部2**は、既に僅かな引張荷重がかかっている上記設けられた隙間により、第2のクロージャ部3**に対して動くことができる。それによって、ブロッキング表面232および322は、ブロッキング状態で互いに係合し、2つのクロージャ部2**および3**の互いに対する回転を確実に阻止する。このブロッキング表面232および322が互いにブロックするように当たることによって上記画定されたブロッキング位置への動きが生じている間、シフト可能に搭載された筐体90は、磁石M2と磁石M3との間の磁力の結果、引き込まれる。したがって、筐体90は解除位置からブロッキング位置へと移動される。そして、ブロッキング位置において、ラッチピン92aおよび92bは、正しくスナップ式に嵌り、筐体90をそれ自体のブロッキング位置に拘束することができる。このブロッキング位置において、筐体90は、互いに当接するブロッキング表面232および322を介した2つのクロージャ部2**および3**のブロックが解除可能となることを防止する。
【0079】
クロージャ装置1**を開けるためには、クロージャ装置1**をまず緩めなければならない。すなわち、例えば第1のクロージャ部2**に引張り力が作用しないようにしなければならない。すると、作動要素93aおよび93bを作動することによって、筐体90の拘束をラッチピン92aおよび92bを介して解除できるようになる。そして、ばね要素91を介して、筐体90をその解除位置に戻す。第1のクロージャ部2**を接続軸Aに沿って第2のクロージャ部3**の方向に押すことによって、ブロッキング表面232および322を介したブロックが解除可能となり、第1のクロージャ部2**を第2のクロージャ部3**から回し外すことによって、クロージャ装置1**を開けることができる。
【0080】
例示した設計例では、簡単に操作可能な高安全性クロージャを提供できる。そのクロージャにおいては、第2のクロージャ部3**の上記シフト可能に搭載された筐体90の画定された位置によって、閉位置が効果的にかつ場合によっては視覚的にも聴覚的にも確保され、磁石M3を用いたクロージャが不用意に開けられることが防止され、更に、再び簡便に開けることができる。
【0081】
作動要素93aおよび93b上に更にカラーコーディングを設けて、ブロッキング装置9の筐体90がブロッキング位置にあり拘束されていることを、クロージャ装置1**の使用者に対して視覚的に知覚可能に提示してもよい。
【0082】
代替としてまたはそれに加えて、ブロッキング位置をとることにより、例えば、プレテンションをかけられたラッチピン92a、92bを介して電気信号がトリガされ、次いで、ラッチピン92a、92bが相手方接触子またはスイッチにあたるようにしてもよい。
【0083】
図10A〜10Eにおいて、本発明によるクロージャ装置1の更なる設計例を例示する。この設計例では、2つのクロージャ部2、3は、それぞれ、第1のセグメントのスレッド部分23a1、23b1、23c1、23d1または32a1、32b1、32c1、32d1の離間したラッチウェブ233または323上に、ブロッキング表面232、322およびスライド表面231.1、321.1を形成し、周方向に続く第2の長手方向延在スレッド部分23a2、23b2、23c2、23d2;32a2、32b2、32c2、32d2上には単一のスライド表面231.2および321.2を形成する。クロージャ部2または3の異なるタイプのスレッド部分23a1/23a2、23b1/23b2、23c1/23c2、23d1/23d2、および32a1/32a2、32b1/32b2、32c1/32c/、32d1/32d1のスライド表面231.1、231.2、および321.1、321.2は、スリーブ部分22またはスリーブ体31を周る螺旋に沿って互いに並んでおり、クロージャ部2、3が適切に互いと接続された状態において、それぞれの他方のクロージャ部3、2のスライド表面321.1、321.2および231.1、231.2に対向する。
【0084】
図10A〜10Eの例では、各クロージャ部2、3は、それぞれの接続領域22または31に沿って互いから空間的に離間した数個の(この例では、それぞれ4つの)スレッドセグメントを含む。各スレッドセグメントは、一対の第1のスレッド部分および第2のスレッド部分23a1/23a2、23b1/23b2、23c1/23c2、23d1/23d2、および32a1/32a2、32b1/32b2、32c1/32c2、32d1/32d2からなる。第1のスレッド部分23a1、23b1、23c1、23d1または32a1、32b1、32c1、32d1は、それぞれ、互いから離間しかつ接続軸Aに関して半径方向に突出するラッチウェブ233または323によって形成される。クロージャ部2、3の一対のラッチウェブ233または323の間に、ラッチ開口234または324がそれぞれ形成される。ラッチウェブ233および323の両側(上側および下側)に、一方では(第1の側に)スライド表面231.1または321.1が、他方では(反対側の第2の側に)ブロッキング表面322が画定される。他方では、ラッチウェブ233、323を有する第1のスレッド部分23a1、23b1、23c1、23d1または32a1、32b1、32c1、32d1にそれぞれ隣接する、スレッドセグメントのスレッド部分23a2、23b2、23c2、23d2または32a2、32b2、32c2、32d2は、一方側のみにスライド表面231.2または321.2を形成する。
【0085】
この例においても、第1のクロージャ部2のスライド表面231.1、231.2および第2のクロージャ部のスライド表面321.1、321.2により、例えば第1のクロージャ部2がスクリュー接続様式で第2のクロージャ部3内に回し入れられると、クロージャ装置1を容易に閉じることできる。2つのクロージャ部2、3のスレッドセグメントは、異なるスライド表面231.1、231.2および321.1、321.2を互いに沿ってスライドする。
図10Eに示す閉位置に到達すると、数個のラッチウェブ233および323を含む2つのクロージャ部2、3の第1のスレッド部分23a1、23b1、23c1、23d1;32a1、32b1、32c1、32d1は、互いに対向し、それによって、反対向きの荷重F
B(
図10A〜10Eでは上向き)下で、ラッチウェブ233、323、およびラッチ開口324、234は、互いとポジティブに係合することができ、それによって、2つのクロージャ部2、3の互いに対する回転をブロックできる。
【0086】
しかし、2つのクロージャ部2、3のラッチウェブ233、323と、これらのラッチウェブ233、323の間に画定されたそれぞれの他方のクロージャ部3、2のラッチ開口324、234との間のラッチングは、閉位置への移動中は行われない。それぞれのラッチウェブ233、323は、クロージャ部2、3を互いに向けて押圧する閉力F
Sがかかることにより、他方のクロージャ部3、2のラッチ開口324、234に一時的に対向して位置するが、以下のことが常に確実にされる。すなわち、互いに当接しかつ長手方向に延びるように形成された、2つのクロージャ部の第2のスレッド部分23a2、23b2、23c2、23d2;32a2、32b2、32c2、32d2があるため、ラッチウェブ233、323は、それぞれの他方のクロージャ部3、2のラッチ開口324、234に、閉力F
Sの作用方向(
図10〜10Eでは下向き)に係合できない。
【0087】
この設計例においても、閉位置における2つのクロージャ部2、3は、更に、組込まれた隙間により、接続軸Aに沿って互いに対して選択的に軸方向に調節可能であり、それにより、ブロッキング表面232と322との噛み合わせを介するブロックを解除できる。このようにして、2つのクロージャ部2および3を共に押すことにより、一方のクロージャ部2または3を、再度、他方のクロージャ部3または2に対して閉位置から回して外すことができ、そしてそれぞれのスライド表面231.1、231.2および321.1、321.2もまた、再度、互いに接触させることができる。
【0088】
クロージャ部を互いに回し入れるためには、結果として生じる外力F
Sによって第1の荷重方向にクロージャ部を互いに向けて押圧しなければならず、そして荷重方向とは反対方向への外力F
B下で回転をブロックする効果が確実になる、という図示した例の他に、逆の構成も勿論可能である。例えば、回し入れる際には例えばばねの圧縮力に逆らって引っ張ることが必要であり、圧力下では、ブロッキング表面を介して回転阻止するようにブロックする、ということが可能であろう。これを応用できる可能な分野としては、例えばレベリングフィートがある。
【0089】
本発明によるクロージャ装置は、例えば、ドッグリーシュ、ホース結合具、カメラレンズ、または取っ手の一部として設計できる。したがって、例えば、クロージャ装置を介してベルト部分、ロープ部分、または綱部分を互いに効果的に接続でき、使用中は、クロージャ部が引張荷重を受けているので、クロージャ装置が開くことはない。