(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、上述したような配送ラベルに対する情報表示シートへの情報の表示は、プリンタにおける印字によって行われる場合が多い。特に、一般消費者ではなく企業等から発送する配送物に貼着される配送ラベル等においては、配送情報が事前に印字されたものが用いられている。その場合、シートがプリンタ内を湾曲して搬送されることになるため、上述した個人情報保護シートのように、情報が表示される情報表示シートにループ状の切れ目が設けられている場合、シートがプリンタ内を搬送される際に、ループ状の切れ目の内側領域が搬送方向先端部から捲れ上がり、基材シートから剥離して情報表示シートが使用できなくなってしまう虞がある。
【0007】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、プリンタにて情報を印字する場合でも不用意な剥離を生じさせることなく、表示された情報の漏洩を回避することができる情報保護
ラベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、
情報が表示される情報表示部を有するとともに、前記情報が表示される面とは反対側の面に貼着層が積層された第1のシートと、
前記貼着層を介して前記第1のシートと剥離可能に貼着され、前記情報表示部に対向する領域内に第1の分離線によって分離部が分離可能に区画形成された第2のシートとを有し、
前記第1のシートが、前記分離部が当該第1のシートに貼着された状態で前記貼着層によって被着体に貼着される情報保護ラベルであって、
前記第1のシートおよび前記貼着層は、前記分離部に対向する領域内に、前記第1のシートおよび前記貼着層を貫通し、互いに同一方向を向いた複数の略U字状の第2の分離線が形成されている。
【0009】
上記のように構成された本発明においては、情報表示部に貼着されている分離部を、第2の分離線の略U字状の閉じた端部側を剥離開始端として情報表示部から剥離すると、略U字状の外側の領域が分離部から剥離していく一方、略U字状の内側の領域が分離部に貼着されたままとなって、情報表示部が略U字状の外側の領域と内側の領域とに分離していく。そして、情報表示部の分離部分が略U字状の開いた端部に達した後は、略U字状の延長線に沿って情報表示部が分離していく。このように、情報表示部が第2の分離線の略U字状の外側の領域と内側の領域とに分離した後は、情報表示部には、略U字状の内側の領域が存在しない状態となっており、それにより、情報表示部に表示された情報が認識困難なものとなり、情報の漏洩が回避されることとなる。ここで、情報表示部を2つの領域に分離するための第2の分離線は、略U字状のものであるため、情報表示部にプリンタにて情報を印字する際、第2の分離線の略U字状の開いた端部側を先端としてプリンタ内を搬送して印字すれば、プリンタ内にて略U字状の内側の領域が捲れ上がって不用意な剥離を生じさせることがなくなる。
【0010】
また、複数の第2の分離線が、それぞれが細長の略U字状であって、長手方向に直交する方向に並んでいれば、情報表示部を細かく分離することができ、第1のシートに表示された情報がさらに認識困難となる。
【0011】
また、情報表示部が、切り離し線によって第1のシートから切り離し可能に区画形成されていれば、情報保護
ラベルを配送ラベルとして用いることができる。その場合、第2のシートの分離部以外の領域が第1のシートから剥離され、表出した貼着層によって配送物等の被着体に貼着されて使用された後、情報表示部を廃棄する際、まず、情報表示部を切り離し線を介して第1のシートから切り離して被着体から剥離した後、上記同様に情報表示部から分離部を剥離することで、情報表示部に表示された情報の漏洩が回避されることになる。
【0012】
また、第2のシートに、切り離し線に対向する領域を取り囲むように第3の分離線が形成されていれば、情報保護
ラベルが被着体に貼着された状態においては、第2のシートのうち第3の分離線の内側の領域が第1のシートに貼着されていることで、情報表示部は被着体に貼着されておらず、それにより、情報表示部を切り離し線を介して第1のシートから切り離して被着体から容易に分離することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、情報が表示された情報表示部を2つの領域に分離するための第2の分離線が略U字状のものであることにより、情報表示部にプリンタにて情報を印字する際、第2の分離線の略U字状の開いた端部側を先端としてプリンタ内を搬送して印字すれば、プリンタ内にて略U字状の内側の領域が捲れ上がって不用意な剥離を生じさせることなく、表示された情報の漏洩を回避することができる。
【0014】
また、複数の第2の分離線が、それぞれが細長の略U字状であって、長手方向に直交する方向に並んでいるものにおいては、情報表示部を細かく分離することができ、第1のシートに表示された情報をさらに認識困難とすることができる。
【0015】
また、情報表示部が、切り離し線によって第1のシートから切り離し可能に区画形成されていれば、情報保護
ラベルを配送ラベルとして用いることができ、情報表示部を廃棄する際、情報表示部に表示された情報の漏洩を回避することができる。
【0016】
また、第2のシートに、切り離し線に対向する領域を取り囲むように第3の分離線が形成されているものにおいては、情報保護
ラベルが被着体に貼着された状態においては、第2のシートのうち第3の分離線の内側の領域が第1のシートに貼着されていることで、情報表示部は被着体に貼着されていないものとなり、それにより、情報表示部を切り離し線を介して第1のシートから切り離して被着体から容易に分離することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報保護
ラベルの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は裏面図である。
【0020】
本形態は
図1に示すように、伝票片10と剥離台紙20とが、貼着層30および剥離層40を介して剥離可能に貼着された配送ラベル1である。
【0021】
伝票片10は、本願発明の第1のシートとなるものである。伝票片10には、切り離し線となるジッパー14が形成されており、このジッパー14によって配達票11および貼付票12とが分離可能に区画形成されている。
【0022】
配達票11には、この配送ラベル1が貼着されて配送される配送物の配送先の住所や氏名等の宛先情報が印字される配送情報表示領域11aと、配送物の配送先にて受領印が押下される押印領域11bとが設けられている。また、配送票11には、その角部に三角形の形状に切り欠かれた切り欠き15が形成されている。
【0023】
貼付票12は、本願発明における情報表示部となるものである。貼付票12には、この配送ラベル1が貼着されて配送される配送物の配送先の住所や氏名等の宛先情報が印字される配送情報表示領域12aが設けられている。また、貼付票12には、第2の分離線となる細長のU字状のスリット13が複数形成されている。この複数のスリット13は、互いに同一方向を向いて、U字状の長手方向に直交する方向に並んで形成されているが、U字状の開いた端部が配達票11側となるように、配達票11と貼付票12との並び方向に対して斜めを向いている。
【0024】
伝票片10は、配送情報表示領域11a,12aおよび押印領域11bが設けられた面とは反対側の面、すなわち、剥離台紙20との貼着面のうち配達票11を除いた領域の全面に、粘着剤や接着剤が塗布されることで貼着層30が積層されている。貼付票12に形成されたスリット13は、伝票片10および貼着層30を貫通している。
【0025】
剥離台紙20は、本願発明の第2のシートとなるものである。剥離台紙20には、貼付票12に対向する領域内に、貼付票12の外周に沿って第1の分離線となるスリット21が形成されており、それにより、スリット21の内側が分離部22となって剥離台紙20から分離可能に区画形成されている。剥離台紙20の伝票片10との貼着面には、貼着層30に対向する領域に、剥離ニス等が塗布されることで剥離層40が積層されている。剥離台紙20の伝票片10との貼着面とは反対側の面には、分離部22の1つの角部に分離部22を貼付票12から剥離する際の剥離方向を指示する剥離方向指示情報22aが表示されている。
【0026】
伝票片10に形成されたU字状のスリット13は、分離部22に対向する領域内に形成されている。
【0027】
以下に、上記のように構成された配送ラベル1の作用効果について説明する。
【0028】
まず、配送情報表示領域11a,12aに配送情報を印字する際の作用について説明する。
【0029】
図2は、
図1に示した配送ラベル1に対して配送情報表示領域11a,12aに配送情報を印字する際の作用を説明するための図である。
【0030】
図1に示した配送ラベル1に対して配送情報表示領域11a,12aに配送情報を印字する場合は、
図2(a)に示すように、配達票11側が先端となるように配送ラベル1をプリンタにセットし、配送情報表示領域11a,12aに配送情報を印字していく。
【0031】
その際、
図2(b)に示すように、配送ラベル1は、プリンタ内のローラ2によって搬送されることで、伝票片10が外側となるように湾曲しながら搬送されることになる。ここで、
図1に示した配送ラベル1においては、貼付票12に、伝票片10および貼着層30を貫通したスリット13が形成されているため、伝票片10が外側となるように湾曲しながら搬送された場合、スリット13が形成された部分が捲れてしまう虞がある。しかしながら、スリット13は、U字状の開いた端部が配達票11側となるような向きとなっているため、配達票11側が先端となって配送ラベル1が搬送されていくと、U字状の開いた端部側が搬送方向先端側となることで、スリット13が形成された部分が捲れてしまうことがなくなり、貼付票12が不用意に剥離してしまうことが回避される。
【0032】
次に、配送情報表示領域11a,12aに配送情報が印字された配送ラベルの使用方法およびその際の作用について説明する。
【0033】
図3は、
図1に示した配送ラベル1が配送物に貼着されるまでの使用方法を説明するための図である。
【0034】
図1に示した配送ラベル1を配送物に貼着する場合は、まず、伝票片10から剥離シート20を剥離する。伝票片10と剥離シート20とは貼着層30および剥離層40を介して剥離可能に貼着されているため、互いに剥離することができる。伝票片10から剥離シート20を剥離すると、
図3(a)に示すように、伝票片10の剥離シート20との貼着面に積層された貼着層30が表出する。その際、分離部22をスリット21を介して剥離シート20から分離して、伝票片10に貼着されたままの状態とする。
【0035】
そして、
図3(b)に示すように、表出した貼着層30によって伝票片10を配送物3に貼着する。伝票片10が貼着された配送物3は、配送情報表示領域11a,12aに表示された配送情報11c,12cに従って、配送物3の配送先に配送されていく。
【0036】
図4および
図5は、配送物3の配送先に配送された後の配送ラベル1の使用方法を説明するための図である。
【0037】
上記のように伝票片10が貼着された配送物3が配送先に配送されると、
図4(a)に示すように、配達票11の押印領域11bに受領印11dが押下され、配達票11が伝票片10から分離される。この際、配達票11には1つの角部に切り欠き15が設けられているため、切り欠き15が設けられた角部を摘み代とすることで、配達票11を容易に分離し始めることができる。配達票11は、ジッパー14を介して伝票片10から分離可能となっているため、ジッパー14を破断することで、伝票片10から分離することができる。また、伝票片10の裏面には、貼着層30が積層されているが、貼着層30は配達票11を除いた全面に積層されているため、配達票11は配送物3に貼着されておらず、
図4(b)に示すように、伝票片10から分離することで、配送物3からも分離することができる。伝票片10から分離された配達票11は配送業者によって持ち帰られ、配送管理に用いられる。
【0038】
配送物3の配送先においては、配送物3のパッケージ等の外装を廃棄する際、
図5(a)に示すように、貼付票12が伝票片10から分離される。貼付票12は、ジッパー14を介して伝票片10から分離可能となっているため、ジッパー14を破断することで、伝票片10から分離することができる。また、伝票片10の裏面には、貼着層30が積層されているが、貼付票12の裏面には、分離部22が貼着されていることで、貼付票12はその外周に沿う領域のみにて配送物3に貼着されているため、
図5(b)に示すように、伝票片10から分離することで、配送物3からも分離することができる。
【0039】
図6は、配送物3から分離した貼付票12を廃棄する際の使用方法を説明するための図である。
【0040】
配送物3から分離した貼付票12を廃棄する場合は、貼付票12に貼着されたままとなっている分離部22に表示された剥離方向指示情報22aに従って分離部22を貼付票12から剥離していく。ここで、剥離方向指示情報22aは、分離部22のうち、スリット13のU字状の閉じた端部側の角部に表示され、その角部から、U字状の開いた端部側に向かって分離部22を剥離するように指示している。それにより、分離部22を、剥離方向指示情報22aに従って貼付票12から剥離していくと、分離部22を、スリット13のU字状の閉じた端部側を剥離開始端として貼付票12から剥離していくことになる。
【0041】
すると、
図6(a)に示すように、スリット13のU字状の外側の領域が分離部22から剥離していく一方、U字状の内側の領域が分離部22に貼着されたままとなって、貼付票12がスリット13のU字状の外側の領域と内側の領域とに分離していく。そして、貼付票12の分離部分がU字状の開いた端部に達した後は、U字状の延長線に沿って貼付票12が分離していく。
【0042】
このように、貼付票12がスリット13のU字状の外側の領域と内側の領域とに分離した後は、
図6(b)に示すように、貼付票12には、U字状の内側の領域が存在しない状態となっており、それにより、貼付票12の配送情報表示領域12aに表示された配送情報12cが認識困難なものとなり、配送情報12cの漏洩を回避することができる。
【0043】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の情報保護
ラベルの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図、(c)は裏面図である。
【0044】
本形態は
図7に示すように、
図1に示したものに対して、伝票片10の剥離台紙120との貼着面の全面に貼着層30が積層されているとともに、剥離台紙120の伝票片10との貼着面の全面に剥離層40が積層され、さらに、剥離台紙120に、配達票11および貼付票12に対向する領域を取り囲むように第3の分離線となるスリット23が形成され、その内側が分離部24となって剥離台紙120から分離可能に区画形成されている点が異なる配送ラベル101である。
【0045】
図7に示した配送ラベル101においても、
図1に示したものと同様に、配達票11側が先端となるようにプリンタにセットし、配送情報表示領域11a,12aに配送情報を印字していくが、スリット13が、U字状の開いた端部が配達票11側となるような向きとなっているため、配達票11側が先端となって配送ラベル1が搬送されていくと、U字状の開いた端部側が搬送方向先端側となることで、スリット13が形成された部分が捲れてしまうことがなくなり、貼付票12が不用意に剥離してしまうことが回避される。
【0046】
図8は、
図7に示した配送ラベル101が配送物に貼着されるまでの使用方法を説明するための図である。
【0047】
図7に示した配送ラベル101を配送物に貼着する場合は、まず、伝票片10から剥離シート120を剥離する。伝票片10と剥離シート120とは貼着層30および剥離層40を介して剥離可能に貼着されているため、互いに剥離することができる。伝票片10から剥離シート120を剥離すると、
図8(a)に示すように、伝票片10の剥離シート120との貼着面に積層された貼着層30が表出する。その際、分離部24をスリット23を介して剥離シート120から分離して、伝票片10に貼着されたままの状態とする。
【0048】
そして、
図8(b)に示すように、表出した貼着層30によって伝票片10を配送物3に貼着する。伝票片10が貼着された配送物3は、配送情報表示領域11a,12aに表示された配送情報11c,12cに従って、配送物3の配送先に配送されていく。
【0049】
その後、
図1に示したものと同様に、配達票11および貼付票12が伝票片10から分離される。その際、配達票11および貼付票12の裏面には、分離部24が剥離可能に貼着されていることで、配達票11および貼付票12は配送物3に貼着されておらず、配達票11および貼付票12を分離部24から剥離することで、配送物3からも分離することができる。なお、貼付票12においては、分離部24から剥離する際、分離部22を分離部24から分離して貼付票12に貼着されたままの状態とする。
【0050】
このように、剥離シート120に、配達票11および貼付票12に対向する領域を取り囲むようにスリット23が形成されていることにより、伝票片10が配送物3に貼着された状態においては、剥離シート120のうちスリット23の内側となる分離部24が伝票片10に貼着されていることで、配達票11および貼付票12は配送物3に貼着されていないものとなり、それにより、配達票11および貼付票12をジッパー14を介して伝票片10から切り離して配送物3から容易に分離することができる。
【0051】
その後、
図1に示したものと同様に、貼付票12から分離部22を剥離することで、貼付票12には、スリット13のU字状の内側の領域が存在しない状態となり、それにより、貼付票12の配送情報表示領域12aに表示された配送情報12cが認識困難なものとなり、配送情報12cの漏洩を回避することができる。
【0052】
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の情報保護
ラベルの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
図10は、
図9に示した配送ラベル201の貼着構造を示す図であり、(a)は貼付シート202の剥離台紙205との貼着面の構成を示す図、(b)は剥離台紙205の貼付シート202との貼着面の構成を示す図である。なお、
図10(a)においては図をわかりやすくするためにスリット214aの図示を省略している。
【0053】
本形態は
図9および
図10に示すように、貼付シート202と剥離台紙205とが、貼着層203および剥離層204を介して剥離可能に貼着された配送ラベル201である。
【0054】
貼付シート202は、伝票片210と収納片220とが折り部となるミシン目230を介して折り畳み可能に連接して構成されている。
【0055】
伝票片210は、本願発明における第1のシートとなるものである。伝票片210は、伝票本体部211と、伝票本体部211を取り囲む伝票補助部216とから構成され、伝票本体部211がジッパー214によって伝票片210から分離可能に区画形成されている。なお、ジッパー214としては、略への字の切り込みとタイとが連続してなるものが考えられる。
【0056】
伝票本体部211は、配達票212と貼付票213とから構成され、これらがジッパー214を介して分離可能に連接している。配達票212及び貼付票213のそれぞれには、この配送ラベル201が貼着されて配送される配送物の配送先の住所や氏名、品名等の配送情報が印字される配送情報表示領域212a,213aが設けられており、配達票212にはさらに、配送物の配送先にて受領印を押下するための押印領域212bが設けられている。また、配達票212の角部に、配達票212を配送ラベル201から分離する際の分離開始端を示す情報を表示してもよい。
【0057】
貼付票213は、本願発明における情報表示部となるものである。貼付票213には、第2の分離線となる細長のU字状のスリット214aが複数形成されている。この複数のスリット214aは、互いに同一方向を向いて、U字状の長手方向に直交する方向に並んで形成されているが、U字状の開いた端部が配達票212側となるように、配達票212と貼付票213との並び方向に対して斜めを向いている。
【0058】
収納片220は、納品書221と補助部222とから構成されており、伝票片210との連接辺に隣接する2辺に余剰部229がジッパー227を介して切り離し可能に連接している。
【0059】
補助部222は、伝票片210と連接してミシン目230に沿って形成され、孔部を形成する孔形成部225がスリット215によって分離可能に区画形成されている。なお、孔形成部225の形状は、任意のものとすることができるが、本形態のように伝票片210に向かって幅広となる台形形状であることが好ましい。
【0060】
納品書221は、補助部222のミシン目230とは反対側にミシン目231によって切り離し可能に連接し、配送ラベル201を用いて配送される配送物の明細情報が印字される明細情報表示領域221aが設けられている。
【0061】
剥離台紙205は、本願発明の第2のシートとなるものである。剥離台紙205には、貼付票213に対向する領域内に、貼付票213の外周に沿って第1の分離線となるスリット251が形成されており、それにより、スリット251の内側が分離部252となって剥離台紙205から分離可能に区画形成されている。
【0062】
伝票片210に形成されたU字状のスリット214aは、分離部252に対向する領域内に形成されている。
【0063】
貼付シート202の剥離台紙205との貼着面には、分離部252に対向する領域と、伝票補助部216と、孔形成部225と、余剰部229とに、接着剤や粘着剤が塗布されることで貼着層203が積層されている。
【0064】
剥離台紙205の貼付シート202との貼着面には、伝票補助部216に対向する領域と分離部252とに、剥離ニス等が塗布されることで剥離層204が積層されている。
【0065】
以下に、上記のように構成された配送ラベル201の使用方法について説明する。
【0067】
図9および
図10に示した配送ラベル201を用いて配送物を配送する場合は、まず、貼付シート202が剥離台紙205に貼着された状態で、配送情報表示領域212a,213aのそれぞれに、この配送ラベル201が貼着されて配送される配送物の配送先の住所や氏名等の配送情報を印字するとともに、明細情報表示領域221aに、配送ラベル201が貼着されて配送される配送物の明細情報を印字する。このように、配送情報表示領域212a,213a及び明細情報表示領域123aのそれぞれに、配送情報および明細情報を同時に印字することにより、配送情報と明細情報とのマッチングミスが防止される。この際、上述した実施の形態にて示したものと同様に、配達票212側が先端となるようにプリンタにセットし、配送情報表示領域212a,213aに配送情報を印字するとともに、明細情報表示領域221aに明細情報を印字していくことで、貼付票213にスリット214aが形成されているものの、スリット214aのU字状の開いた端部側が搬送方向先端側となることにより、スリット214aが形成された部分が捲れてしまうことがなくなり、貼付票213が不用意に剥離してしまうことが回避される。
【0068】
その後、貼付シート202を剥離台紙205から剥離していくと、伝票片210においては、伝票補助部216が、貼着層203および剥離層204を介して剥離台紙205に剥離可能に貼着されていることにより、伝票片210を剥離台紙205から剥離することができる。なおこの際、分離部252は、スリット251を介して剥離台紙205から分離し、貼着層203および剥離層204によって貼付票213に貼着されたままの状態とする。
【0069】
一方、収納片220においては、孔形成部225が、裏面に積層された貼着層203によって剥離台紙205に貼着され、孔形成部225以外の領域が剥離台紙205には貼着されておらず、また、孔形成部225がスリット215によって補助部222から分離可能に区画形成されていることにより、孔形成部225が補助部222から分離し、孔形成部225のみが剥離台紙205に貼着されたまま、孔形成部225以外の領域が剥離台紙205から分離する。これにより、
図11(a)に示すように、補助部222は、孔形成部225が区画形成されていた領域に孔部225aが形成されることになる。
【0070】
また、余剰部229においても、裏面に積層された貼着層203によって剥離台紙205に貼着されており、また、ジッパー227によって収納片220から切り離し可能となっているとともに、伝票片210との連接部分にミシン目230が形成されているため、余剰部229が収納片220から切り離されて剥離台紙205に貼着されたままの状態となる。
【0071】
次に、収納片220を収納状態とするために、
図11(b)に示すように、貼付シート202をその裏面が内側となるようにミシン目230にて折り畳む。すると、折り畳まれた収納片220は、伝票補助部216の裏面に積層された貼着層203のうち、伝票片220と収納片220との連接部分に沿う領域以外とは対向しない。また、折り畳まれた収納片220のうち納品書221が伝票本体部211と対向し、補助部222が、伝票補助部216の裏面に積層された貼着層203のうち、伝票片210と収納片220との連接部分に沿う領域に対向する。
【0072】
このような状態となることにより、収納片220が収納状態とされて貼付シート202をミシン目230にて折り畳むと、
図11(b)に示すように、伝票補助部216の裏面に積層された貼着層203のうち、伝票片210と収納片220との連接部分に沿う部分が孔部225aを介して表出することになる。
【0073】
上記のようにして折り畳まれた貼付シート202は、伝票補助部216のうち、伝票片210と収納片220との連接部分に沿う領域以外の部分にて貼着層203が表出しているとともに、伝票片210と収納片220との連接部分に沿う部分においては貼着層203が孔部225aを介して表出しているため、
図12に示すように、これら表出した貼着層203によって配送物206に貼着することができる。これにより、貼付シート202は、伝票片210と配送物206との間に収納片220が収納された状態で、伝票片210がほぼ全周に渡って配送物206に貼着されたような状態となるため、納品書221に秘匿性が要求される情報が印字または記入されている場合にその情報の漏洩を回避することができる。また、配送物206の配送過程において、配送物206との間へのごみ等の侵入を防止することができるとともに、貼付シート202の端部が物体に引っ掛かり、貼付シート202が配送物206から剥がれてしまう等の事故を防止することができる。
【0074】
貼付シート202が貼付された配送物206は、配送情報表示領域212a,213aに印字された配送情報212c,213cに従って配送先に配送される。
【0075】
そして、配送先において、
図13(a)に示すように、配達票212の押印領域212bに受領印が押下された後、ジッパー214を破断することによって配達票212を伝票片210から分離していく。伝票片210の裏面には、貼着層203が積層されているが、配達票212には貼着層203は積層されていないため、配達票212は配送物206に貼着されておらず、
図13(b)に示すように、伝票片210から分離することで、配送物206からも分離することができる。伝票片210から分離された配達票212は配送業者によって持ち帰られ、配送管理に用いられる。
【0076】
その後、配送物206の配送先において、
図14(a)に示すようにジッパー214を破断していき、貼付票212を伝票片210から分離する。その際、伝票片210から分離される貼付票212には、分離部252が貼着されたままの状態となっている。
【0077】
貼付票212を伝票片210から分離すると、
図14(b)に示すように、納品書221が、伝票本体部211に対向する領域に収納されていることにより、伝票本体部211が伝票片210から分離した領域から納品書221が取り出し可能な状態となる。
【0078】
そして、
図15に示すように、ミシン目231を破断することによって納品書221を補助部222から切り離すことにより、納品書221を取り出すことができる。
【0079】
図16は、配送物206から分離した貼付票213を廃棄する際の使用方法を説明するための図である。
【0080】
配送物206から分離した貼付票213を廃棄する場合は、貼付票213に貼着されたままとなっている分離部252を貼付票213から剥離していく。この際、
図1に示したものと同様に、分離部252のうち、スリット214aのU字状の閉じた端部側の角部に表示された剥離方向指示情報に従って分離票252を貼付票213から剥離していくことで、分離部252を、スリット214aのU字状の閉じた端部側を剥離開始端として貼付票213から剥離していくことになる。
【0081】
すると、
図16(a)に示すように、スリット214aのU字状の外側の領域が分離部252から剥離していく一方、U字状の内側の領域が分離部252に貼着されたままとなって、貼付票213がスリット214aのU字状の外側の領域と内側の領域とに分離していく。そして、貼付票213の分離部分がU字状の開いた端部に達した後は、U字状の延長線に沿って貼付票213が分離していく。
【0082】
このように、貼付票213がスリット214aのU字状の外側の領域と内側の領域とに分離した後は、
図16(b)に示すように、貼付票213には、U字状の内側の領域が存在しない状態となっており、それにより、貼付票213の配送情報表示領域213aに表示された配送情報213cが認識困難なものとなり、配送情報213cの漏洩を回避することができる。
【0083】
なお、上述した実施の形態においては、第2の分離線として、細長のU字状のスリット13,214aを例に挙げて説明したが、一方の端部が開いた形態のものであれば、V字状やコの字状のものであってもよい。これらを含めて、略U字状と定義する。ただし、長手方向の端部が開いた細長の形状とし、長手方向に直交する方向に複数並んだ構成とすれば、貼付票12,213を細かく分離することができ、貼付票12,213に表示された情報をさらに認識困難とすることができる。
【0084】
また、上述した実施の形態においては、配送ラベル1,101,201を例に挙げ、情報表示部として貼付票12,213がジッパー214によって伝票片10,210から切り離し可能に区画形成された構成について説明したが、略U字状の第2の分離線が形成された情報表示部を有する第1のシートに、情報表示部に対向する領域内に第1の分離線によって分離部が分離可能に区画形成された第2のシートが貼着層によって剥離可能に貼着されたものであれば、情報表示部が第1のシートから切り離し可能なものに限らない。