(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6547286
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】電子式カレンダー
(51)【国際特許分類】
G06F 15/02 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
G06F15/02 341Q
G06F15/02 342A
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-250882(P2014-250882)
(22)【出願日】2014年12月11日
(65)【公開番号】特開2016-114979(P2016-114979A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2017年11月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大久保 伸一
【審査官】
加藤 優一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−171151(JP,A)
【文献】
特開2004−102927(JP,A)
【文献】
特開2013−076843(JP,A)
【文献】
特開2010−020590(JP,A)
【文献】
特表2007−529043(JP,A)
【文献】
特開2008−234070(JP,A)
【文献】
特開2008−097188(JP,A)
【文献】
特開2010−160251(JP,A)
【文献】
特開2008−269211(JP,A)
【文献】
特開平05−181806(JP,A)
【文献】
特開2005−210373(JP,A)
【文献】
特開2014−229102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/02
G06F 17/60
G04G 3/00−99/00
G02B 5/20− 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、日付に関連する追加情報を入力すると共に、この追加情報のうち告知を望む情報を指定する情報入力手段と、前記情報入力手段から入力された情報とカレンダー情報を記憶しておくための情報記録手段とを備え、日付と共に関連して指定された前記追加情報を表示手段に表示して告知する電子式カレンダーにおいて、
前記表示手段は、マイクロカプセル層を上下の電極で挟んだ構成とした白黒のドットマトリクス表示が可能な表示層と、前記表示層の一部に、表示層の各ドットに対応させて色層を形成したカラーフィルタ層とを備えており、
前記表示層が、矩形状に並んだ4つのドットで1画素を構成しており、
前記カラーフィルタ層が、前記表示層のドットに対応して形成されており、矩形状に並んだ4つのドットのうち、一方の対角線上にある2つのドットに対応する2つの色層が補色関係にあり、もう一方の対角線上にある2つのドットには、対応する色層が形成されていないか、あるいは、透明な色層が形成されており、
表示手段に表示して告知する追加情報を、その他の情報とは異なる色彩に表示すると共に、告知するこの追加情報の周辺部の色表示部とその日付の数字や曜日の文字の周辺部の色表示部とは相互に補色関係にある異なる色で表示し、かつ、異なる色で表示された色表示部を点滅させることを特徴とする電子式カレンダー。
【請求項2】
補色関係にある2つの前記色層の色が、赤と青緑、紫と黄緑、黄色と青紫の組み合わせのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電子式カレンダー。
【請求項3】
前記ドットが、長方形であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子式カレンダー。
【請求項4】
前記情報入力手段が、手書き入力手段、ボタン操作による入力手段、無線通信に基づく入力手段、または接触型の情報記録媒体を使用した入力手段のいずれか1つ以上を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子式カレンダー。
【請求項5】
前記情報入力手段が、接触型の情報記録媒体を使用した入力手段を備えており、この入力手段が情報記録媒体を接続する接続端子を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子式カレンダー。
【請求項6】
発音体からなる告知手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電
子式カレンダー。
【請求項7】
表示手段に表示して告知する追加情報について、前記発音体で告知することを特徴とする請求項6に記載の電子式カレンダー。
【請求項8】
前記発音体が圧電素子を使用したものであることを特徴とする請求項6または7に記載の電子式カレンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパーを使用して日付や画像を表示する電子式カレンダーに関する。更には、多色表示可能な電子ペーパーを使用して告知したいイベントやスケジュールを視覚的に告知可能とし、且つ発音体を備えることにより聴覚的にも告知可能な電子式カレンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のカレンダーは、紙にインキを印刷する事によって、日単位、月単位、年単位など様々な単位で作成されたカレンダー表示部と風景、造形物、動植物などの画像を一緒に表示したものであった。
【0003】
このような従来のカレンダーにおいては、例えば日めくりカレンダーでは、めくるのを忘れて古い日付表示のままになることがあった。月毎のカレンダーにおいても同様であり、前月のカレンダーのままに放置されることがあった。
【0004】
このようなめくり忘れが無いようにしたカレンダーとして、電子式カレンダーが開示されている。例えば、特許文献1には、薄型のCRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置を使用して日付を表示するカレンダー表示部や風景などの画像を表示する画像表示部を構成し、現在日を表示するために、他の日とは異なった状態で表示するものである。これらは全て電子的に制御されているため、人が操作するのは、カレンダー表示を日単位にするのか、月単位にするのか、などの選択をする場合だけで良い。また、手書き入力したメモをメモ表示部に表示することができ、またICカードに記録した画像を読み込むことで、画像表示部の風景などの画像を更新することも可能となっている。
【0005】
また、特許文献2には、表示装置として電子ペーパーを採用し、入力したスケジュールの日付との関連付けがとられていなかった問題や入力操作に手間がかかるという問題に改良を加えた電子式カレンダーが開示されている。
【0006】
電子ペーパーを用いた電子式カレンダーは、紙媒体の印刷物の視認性とフレキシブル性などを備えているのと同時に、表示内容を書き換え可能であるという電子ディスプレイの特徴を併せ持ち、且つ書き換えた後は電源を切っても表示が維持されるという電子ペーパーの有利な特徴を持っている。しかしながら、2色以上の多色表示を可能とする電子ペーパーを使用して、表示性能を向上した電子式カレンダーは、特許文献においても、非特許文献においても見出すことはできなかった。更に、注目するイベントやスケジュールを視覚以外にうったえる機能を併せ持った電子式カレンダーについても公知文献の中に見出すことはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−181806号公報
【特許文献2】特開2008−269211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の事情に鑑み、本発明は、多色表示を可能とする電子ペーパーを使用して注目するイベントやスケジュールなどを視覚的に他の情報とは異なる表示をすることで告知ができ、且つ視覚以外にも告知可能な機能を併せ持った電子式カレンダーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、
表示手段と、日付に関連する追加情報を入力すると共に、この追加情報のうち告知を望む情報を指定する情報入力手段と、前記情報入力手段から入力された情報とカレンダー情報を記憶しておくための情報記録手段とを備え、日付と共に関連して指定された前記追加情報を表示手段に表示して告知する電子式カレンダーにおいて、
前記表示手段は、マイクロカプセル層を上下の電極で挟んだ構成とした白黒のドットマトリクス表示が可能な表示層と、前記表示層の一部に、表示層の各ドットに対応させて色層を形成したカラーフィルタ層とを備えており、
前記表示層が、矩形状に並んだ4つのドットで1画素を構成しており、
前記カラーフィルタ層が、前記表示層のドットに対応して形成されており、矩形状に並んだ4つのドットのうち、一方の対角線上にある2つのドットに対応する2つの色層が補色関係にあり、もう一方の対角線上にある2つのドットには、対応する色層が形成されていないか、あるいは、透明な色層が形成されており、
表示手段に表示して告知する追加情報を、その他の情報とは異なる色彩に表示すると共に、
告知するこの追加情報の周辺部の色表示部とその日付の数字や曜日の文字の周辺部の色表示部とは相互に補色関係にある異なる色で表示し、かつ、異なる色で表示された色表示部を点滅させることを特徴とする電子式カレンダーである。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、補色関係にある2つの前記色層の色が、赤と青緑、紫と黄緑、黄色と青紫の組み合わせのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の電子式カレンダーである。
【0012】
また、
請求項3に記載の発明は、前記ドットが、長方形であることを特徴とする
請求項1または2に記載の電子式カレンダーである。
【0013】
また、
請求項4に記載の発明は、前記情報入力手段が、手書き入力手段、ボタン操作による入力手段、無線通信に基づく入力手段、または接触型の情報記録媒体を使用した入力手段のいずれか1つ以上を備えることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の電子式カレンダーである。
【0014】
また、
請求項5に記載の発明は、前記情報入力手段が、接触型の情報記録媒体を使用した入力手段を備えており、この入力手段が情報記録媒体を接続する接続端子を備えることを特徴とする
請求項1〜4のいずれかに記載の電子式カレンダーである。
【0015】
また、
請求項6に記載の発明は、発音体からなる告知手段を備えることを特徴とする
請求項1〜3のいずれかに記載の電子式カレンダーである。
【0016】
また、
請求項7に記載の発明は、表示手段に表示して告知する追加情報について、前記発音体で告知することを特徴とする
請求項6に記載の電子式カレンダーである。
【0017】
また、
請求項8に記載の発明は、前記発音体が圧電素子を使用したものであることを特徴とする
請求項6または7に記載の電子式カレンダーである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の電子式カレンダーによれば、日単位、月単位、年単位などのカレンダー表示と各種の画像を電子ペーパーからなる表示部に自在に表示可能であり、且つ2色以上の多色
表示によって、月単位などの表示において、モノクロ表示の現在日や告知したいイベントやスケジュールなどの周辺部の色を変えて表示可能であるため告知部を目立たせることができ、且つ予め指定することにより告知音を発して告知することも可能であるであるため、より確実に告知が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の電子式カレンダーの構成の例を示す概略説明図。
【
図2】本発明の電子式カレンダーの表示手段の表示例を示す概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の電子式カレンダーを、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の電子式カレンダー1の構成の例を示す概略説明図である。本発明の電子式カレンダー1は、日付や画像を表示するための表示手段2と、日付毎のスケジュールやイベントなどの追加情報をセットで入力すると共に、この追加情報のうち、告知を望む情報を指定する情報入力手段6と、その情報入力手段6から入力された追加情報と、表示すべきカレンダーの月毎の日付と曜日や暦などのカレンダー情報を記憶しておくための情報記録手段(図示せず)と、その情報記録手段に記録された情報に基づいて表示手段2に表示すると共に、この追加情報のうち告知を望む情報については、他の情報とは異なる表示の仕方で表示手段2に表示する。図示していないが、情報入力手段6から入力されたイベントやスケジュールなどとその日付の情報を、情報記録手段に記録し、それらの記録された情報を、ボタン操作による入力手段8から入力されたコマンドに従って、表示手段2に各種のレイアウトや表示形式で表示する、といった一連の動作を制御する制御装置(図示せず)を備えている。
【0021】
本発明の電子式カレンダーの表示手段2には、電気泳動方式の電子ペーパーを使用する事が可能である。この電子ペーパーからなる表示層は、白黒表示するためのマイクロカプセル層を上下の電極でサンドイッチした構成によりドットマトリクス表示が可能である。更に、その一部の表示層を構成する各ドットに対応させて色層を形成したカラーフィルタ層を備えている。更には、より鮮明な多色表示を可能にするため、ドットマトリクスを構成するドットが矩形状に並んだ4つのドットで1つの画素を構成し、その4つのドットに対応してカラーフィルタ層が形成され、表示層の矩形状に並んだ4つのドットにおいて、その一方の対角線上にある2つのドットに対応する2つの色層を補色関係にある色とし、もう一方の対角線上にある2つのドットに対応する位置には色層を形成しない、または色層を透明にすることによって、より鮮明な表示が可能となる。補色関係にある色とは、例えば赤と青緑、紫と黄緑、黄色と青紫、などである。また、ドットの形状としては、面積の利用度が高い長方形が好ましいが、長方形以外の形状であってもドットマトリクス表示を実施することは可能である。このようにすることで、日付の数字などの周辺部とイベントやスケジュールの文字の周辺部とは、異なる色表示が可能で、その他はモノクロ表示とすることが可能とした。
【0022】
本発明の電子式カレンダー1の表示手段2が発する告知は、例えば、月毎のカレンダー表示をしている場合に、その日付の数字や曜日の文字の周辺部の色と、イベントやスケジュールの文字の周辺部の色とを、相互に補色関係にある異なる色で表示し、他の日付の数字やイベント、スケジュールの文字はモノクロで表示することで告知する。また、周辺部の色表示部は、異なる色に加えて、それらを点滅させることも可能である。色を変えずに、他の日付の数字や文字と同じモノクロ表示のまま、単に数字や文字を点滅させることも可能である。また、それらの表示による告知の他に、告知手段5として備えてある圧電素子やスピーカなどの発音体から予め指定した音やメロディを発することが可能である。
【0023】
情報入力手段6としては、例えば、ボタン操作による入力手段8、手書き入力手段7、RFIDなどの無線通信に基づく入力手段9および接触型の情報記録媒体を使用した入力手段(接続端子設置部10を使用した入力手段)などのうち、1つ以上を備えていればよい。できるだけ、多くの手段を備えていることが望ましいが、コスト増加に繋がるため、全ての手段を備えていなくても良い。またボタン操作による入力手段8は、本発明の電子式カレンダー1に対するコマンドの入力手段を兼ねている。そのコマンドには、カレンダーのレイアウトや表示形式、画像表示部3に表示する風景などの画像などの選択や、その他の動作させたいコマンドを選択する機能を持たせることが可能である。
【0024】
無線通信に基づく入力手段9としては、例えば、RFIDシステムを使用して、情報を書き込んだ非接触情報記録媒体をカレンダーにかざすことによって、電子式カレンダー1に情報を入力することが可能である。またスマートフォンなどの携帯情報端末に対応した無線通信システムを使用することにより携帯情報端末からの入力も可能である。家庭内において無線LAN環境がある場合は、パーソナルコンピュータを使用して本発明の電子式カレンダー1に情報を入力することも可能である。携帯情報端末やパーソナルコンピュータから入力する場合は、本発明の電子式カレンダー1に、無線LAN環境を構築する無線ルータと通信可能とする通信機能を付加することによって可能となる。
【0025】
また、接触型の情報記録媒体を、本発明の電子式カレンダー1の接続端子設置部10に備えた情報記録媒体に適合した接続端子に差し込む事により、接触型の情報記録媒体を使用した入力手段も可能である。そのためには、本発明の電子式カレンダー1の情報入力手段6に備えた接続端子設置部10に、少なくとも1種以上の接触型の情報記録媒体に対応した接続端子が備えられていればよい。
情報記録媒体としては、例えばUSBメモリ、SDカード、マイクロSDカードなどを挙げることができるが、これらのうち、いずれか1つ以上の接続端子を接続端子設置部10に設けていればよい。
【0026】
また、無線通信に基づく入力手段9や接触型の情報記録媒体を使用した入力手段を用いる場合は消費電力が大きくなるため、商用電源への接続が好ましい。それらを使用しない場合は、電池を電源として使用することで商用電源への接続が不要になる。
【0027】
また、本発明の電子式カレンダー1に時刻を表示するために、時計機能を備えることが可能である。正確な時刻情報を獲得するためには、電波時計の機能を備えることやインターネットと接続して時刻情報を獲得するようにすることも可能である。
【実施例】
【0028】
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例>
本発明の電子式カレンダーの表示手段として、マイクロカプセル層の矩形状に並んだ4つのドットに対応した位置に形成されるカラーフィルタ層の色層について、一方の対角線上の補色関係にある2色を赤と青緑とし、もう一方の対角線上にある色層を形成せず、透明な部位として、一部が多色表示可能な電子ペーパー表示装置を作製した。この電子ペーパー表示装置は、告知したいイベントやスケジュールの周辺部を、当該日は赤で表示し、日付や時刻は青緑で表示し、その他は、モノクロで表示するものとした。
【0029】
一方、その表示手段に隣接して、情報入力手段の手書き入力手段とボタン操作による入力手段を、タッチパネルを使用して作製した。
【0030】
また、無線通信に基づく入力手段としては、市販のRFIDシステムを使用した。本発明の電子式カレンダー側に、非接触ICタグの情報を読み取るアンテナを設置し、外部にリーダ/ライタの本体を接続する形とした。リーダ/ライタの本体には商用電源を使用した。
【0031】
また、接触型の情報記録媒体としてUSBメモリを使用できるようにするため、USBメモリ用の接続端子を接続端子設置部10(
図1参照)に設置した。
【0032】
告知手段5としては、本例では圧電素子を使用した発音体を使用する事が可能であり、本発明の電子式カレンダーの情報入力手段6を設ける領域の上部に設置した(
図1参照)。この圧電素子を使用した発音体は、電報などの台紙に貼り付けて置き、電報を開くと発音素子からメロディが発せられるのに使用されるものであり、小さい電力で十分な注意を引く告知音となる。発音体としては、その他に各種のスピーカを使用することも可能である。
【0033】
本発明の電子式カレンダーの表示手段は、ドットマトリクス表示により、自在に表示する内容を変えることが可能である。例えば、
図1に示した様に、風景などを表示する画像表示部3を表示手段の上部に配置し、画像表示部3の下部に、年月を表示し、更にその下部のカレンダー表示部4に、1ヶ月分のカレンダーを表示するレイアウトを示したものである。また、
図2に示した様に、1日だけの表示として、日めくりカレンダーとしても表示可能である。日めくりカレンダーとしての表示内容は、例えば、月日、曜日、時刻をカレンダーの上部に表示し、その下に、その日のイベントやスケジュールを案件毎に表示可能である。
【0034】
そのような表示手段の横に隣接して、情報入力手段を配置した。また、情報入力手段の上部には、告知手段として、圧電素子を使用した発音素子を配置した。
【0035】
この表示手段を駆動する電子回路は、告知手段と情報入力手段を駆動するためのプリント配線基板と一緒に実装し、その表面の露出すべき部位以外を化粧ボードでカバーすることにより、本発明の電子式カレンダーを作製する事が可能である。
【0036】
このようにして作製した電子式カレンダーは、年、月、日毎のカレンダー表示を予め作成してあるカレンダーの日付と曜日、暦などの情報とレイアウトデータを使用して表示することが可能である。また、カレンダーへの日付とイベントやスケジュールなどの追加情報の入力は、ボタン操作による入力手段で選択した入力項目を、手書き入力手段かボタン操作による入力手段によって入力可能である。また、書込み可能な非接触ICタグに書き込んだ情報を、無線通信に基づく入力手段を用いて入力可能である。また、USBメモリに書き込んだ情報を、USBメモリ用の接続端子に差し込むことにより入力可能である。
【0037】
また、この様にして入力した誕生日などの告知したいイベントなどについては、予めその情報の入力時に、告知することを一緒に入力しておくことにより、当該日の予め設定した時刻に告知することが可能である。告知の内容は、当該イベントまたはスケジュールの文字表示を、告知しないイベントなどの見時表示とは異なる色で表示することが可能である。また、予め設定しておく事により、同時に告知音を発することも可能である。或いは逆に、告知音だけを発することも可能である。
【0038】
<比較例1>
次に、比較例について説明する。
実施例と異なるのは、表示手段にカラーフィルタ層が無い電子ペーパーを使用したこと、および告知手段が無い電子式カレンダーを作製した。
【0039】
<比較例2>
実施例と異なるのは、表示手段にカラー液晶表示装置を使用したこと、および告知手段が無い電子式カレンダーを作製した。
【0040】
<評価>
実施例における本発明の電子式カレンダーは、多色表示可能な電子ペーパーを使用しているため、多色表示ができない電子ペーパーを使用した電子式カレンダーより、注目すべきイベントなどを視覚的に識別し易いばかりでなく、告知音を発することにより、聴覚的にも識別し易い電子式カレンダーであった。
【符号の説明】
【0041】
1・・・電子式カレンダー
2・・・表示手段
3・・・画像表示部
4・・・カレンダー表示部
5・・・告知手段
6・・・情報入力手段
7・・・手書き入力手段
8・・・ボタン操作による入力手段
9・・・無線通信に基づく入力手段
10・・・接続端子設置部