(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出荷管理部は、前記出荷処理の際に、前記注文品の在庫数が前記注文品の注文数より少ない場合、前記注文品の在庫数を前記注文品の出荷数とし、かつ、前記注文品の注文数と前記注文品の在庫数との差を、前記代替品の出荷数として決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の出荷管理装置。
前記出荷管理部は、前記出荷処理の際に、前記注文品の在庫数が前記注文品の注文数より少ない場合、前記注文数を、前記代替品の出荷数として決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の出荷管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
<1.出荷管理システムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10の概要を示した図である。
図1に示したように、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10は、データベースサーバ20と、クライアント端末30と、を有し、他システム群40と、ネットワーク100を介して接続されている。
【0021】
本発明の実施形態に係るデータベースサーバ20は、出荷管理装置の一例である。データベースサーバ20は、商品(物品)の在庫や品目等の情報を管理し、他システム群40と当該情報の送受信を行う。クライアント端末30は、オペレータによる操作に従って、データベースサーバ20に蓄積された情報の処理を行う。他システム群40は、複数のシステムで構成されており、ネットワーク100を介して、出荷管理システム10と接続されている。これらの他システム群40を構成する各システムは、例えば、商品の生産を管理する生産管理システムや、商品の購買を管理する購買管理システム、もしくは顧客からの受注や顧客への納品を実施するための情報通信装置などである。
【0022】
なお、
図1においては、出荷管理システム10と他システム群40がネットワーク100を介して論理的に区分されているが、出荷管理システム10と他システム群40とが一体となったシステムを構成してもよい。
【0023】
<2.データベースサーバの構成>
以上、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10の概要について説明した。続いて、本発明の実施形態に係るデータベースサーバ20の構成について説明する。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係るデータベースサーバ20の構成を示したブロック図である。
図2に示されているように、データベースサーバ20は、記憶部200、データベース制御部210、通信部220、判定部222、確保部224、調達部226、および出荷管理部228を備える。
【0025】
(記憶部)
記憶部200は、例えば、受注データベース202、在庫管理データベース204、品目データベース206、および出荷データベース208を備える。記憶部200は、各種データベースにおいて各種データを格納する。例えば、受注データベース202は受注データを格納し、在庫管理データベース204は在庫データを格納し、品目データベース206は品目データを格納し、出荷データベース208は出荷データを格納する。
【0026】
図3Aは、受注データベース202に格納される受注データ401の具体例を示した図である。受注データ401には、例えば、受注処理日フィールド、出荷日フィールド、品目コードフィールド、数量フィールド、および顧客ナンバーフィールド等のフィールドが含まれている。
【0027】
受注処理日フィールドには、オペレータによるクライアント端末30の操作により、データベースサーバ20が他システム群40から受注情報の受信処理を実施した日(受注処理日)が入力される。また、データベースサーバ20がクライアント端末30を介さずに他システム群40から受注情報を自動的に受信する場合、受注処理日は、受注データベース202に当該受信した受注情報が追加された日でもよい。出荷日フィールドには、商品を出荷する日(出荷日)が入力される。品目コードフィールドとは、商品を識別する識別情報が入力される。数量フィールドには、顧客が注文した注文品の数量が入力される。顧客ナンバーフィールドには、顧客を識別するための識別情報が入力される。
【0028】
例えば、
図3Aで示されている受注データ401は、2014年12月15日に受注処理を行ったこと、また、顧客ナンバーが12345の顧客に対して、注文品Aを120個、2014年12月21日に出荷する予定であることを示している。
【0029】
図3Bは、在庫管理データベース204に格納される在庫データ402の具体例を示した図である。在庫データ402には、例えば、日付フィールド、品目コードフィールド、および数量フィールド等のフィールドが含まれている。
【0030】
日付フィールドには、過去、現在および未来の日付が入力される。品目コードフィールドには、商品を識別する識別情報が入力される。数量フィールドには、当該日付時点における当該品目コードで識別された商品の予測される在庫数が入力される。
【0031】
当該日付における商品の予測される在庫数とは、当該日付において受注のない(未受注)商品の在庫数である。具体的には、商品の予測される在庫数は、受注処理時における在庫数に、当該日付までに生産され得る当該商品の生産数、または当該日付までに購買され得る当該商品の購買数を加算した数から、当該日付までに出荷され得る当該商品の出荷数を減算した数である。在庫データ402に格納される当該商品の予測される在庫数は、当該商品の生産、および購買等に応じて、データベースサーバ20が他システム群40から当該在庫データ402の更新の指示を受信することにより、逐次更新され得る。
【0032】
例えば、
図3Bにおける在庫データ402は、2014年12月21日における商品Aの在庫数は100であり、また、同日における商品Bの在庫数は150であることを示している。
【0033】
図3Cは、品目データベース206に格納される品目データ403の具体例を示した図である。品目データ403には、例えば、品目コードフィールド、品目名フィールド、代替可能品フィールド、品質フィールド、およびサイズ情報フィールド等のフィールドが含まれている。つまり、品目データ403には、ある品目コードで識別される商品の品目名に関する情報が含まれている。
【0034】
品目コードフィールドには、上記と同じく商品を識別する識別情報が入力される。品目名フィールドには、商品を識別する名称が入力される。代替可能品フィールドには、ある商品が欠品もしくは不足した際に、当該商品を代替することが可能な商品の品目コードが入力される。品質フィールドには、商品の材質等の品質情報が入力される。サイズ情報フィールドには、商品のサイズ情報が入力される。例えば、商品が板材である場合、サイズ情報には、板材の幅、奥行き、および厚みに関する情報等が含まれる。また、商品が丸棒である場合、サイズ情報には、丸棒の外径、および長さに関する情報等が含まれる。
【0035】
例えば、
図3Cにおける品目データ403は、商品AおよびBは板材であり、品質(材質)がA6063であることを示している。また、品目データ403は、商品Aのサイズは90×100×t5であり、商品Bのサイズは90×120×t5であることを示している。さらに、商品Aは商品Bに代替することが可能であることが、品目データ403の代替可能品フィールドにおいて示されている。
【0036】
また、出荷データベース208は、出荷データを格納する。出荷データには、出荷日フィールド、品目コードフィールド、数量フィールド、顧客ナンバーフィールド、および代替表示フラグフィールド等のフィールドが含まれている。出荷データの詳細は、確保部224の説明において後述する。
【0037】
(データベース制御部)
図2に戻って、各機能部の説明を続ける。データベース制御部210は、各機能部や他システム群40から提供される情報に基づき、記憶部200に含まれる各種データベースの各データの作成や蓄積、更新などの制御を行う。また、データベース制御部210は、各機能部や他システム群40からの指示に基づき、記憶部200からデータを呼び出し、当該データを指示元に送信する。
【0038】
(通信部)
通信部220は、クライアント端末30および他システム群40とのインタフェースであり、クライアント端末30や他システム群40との間で情報等の送受信を行う。
【0039】
(判定部)
判定部222は、受注処理時において、受注データベース202に格納されている受注データ、および在庫管理データベース204に格納されている在庫データに基づいて、出荷日における当該注文品の予測される在庫数が注文数以上であるか否かを判定する。
【0040】
図4は、本発明の実施形態に係る判定部222の判定の具体例を示した図である。例えば、受注処理時における当該注文品の在庫数が注文数を下回っている場合において(301)、当該注文品が生産もしくは購買によって調達されること、もしくは、受注処理以降に当該注文品に係る他の出荷予定がキャンセルされたこと等により、出荷処理時における当該注文品の予測される在庫数が注文数以上となる場合がある(311)。一方で、当該注文品が予定通り調達されなかったこと、または、受注処理以降に当該注文品に係る他の出荷予定が多数組まれたこと等により、出荷処理時における当該注文品の予測される在庫数が注文数を下回る場合が存在する(312)。逆に、例えば、受注処理時における当該注文品の在庫数が注文数以上である場合においても(302)、出荷処理時における当該注文品の予測される在庫数が注文数以上となる場合や(311)、出荷処理時における当該注文品の予測される在庫数が注文数を下回る場合(312)が存在する。
【0041】
判定部222は、受注処理時の在庫数にかかわらず、出荷処理時における当該注文品の予測される在庫数が注文数以上か否かを判定する。具体的には、判定部222は、
図3Bにおける在庫データ402に示されている注文品の在庫の数量が、
図3Aにおける受注データ401に示されている注文数以上か否かを判定する。
【0042】
(確保部)
当該注文品の予測される在庫数が注文数を下回ると判定部222が判定した場合、確保部224は、当該注文品の代替品を確保する。より具体的には、まず、確保部224は、当該注文品を代替することが可能な代替品を、品目データベース206から検索する。
【0043】
本発明の実施形態においては、確保部224は、当該注文品の代替品を2通りの方法を用いて検索することが可能である。まず、第1の方法とは、確保部224が、データベース制御部210を介して品目データベース206に格納された当該注文品に対応する品目データに含まれる代替可能品フィールドを参照する方法である。例えば、
図3Cに示されている品目データ403においては、品目コードAの代替可能品はBであることが示されている。注文品がAである場合において、出荷処理時における注文品Aの予測される在庫数が注文数を下回る場合、確保部224は、品目データベース206に格納されている注文品Aのデータを照会して、代替可能品として示されているBを代替品として確保する。
【0044】
次に、第2の方法とは、確保部224が、データベース制御部210を介して品目データベース206に格納された当該注文品の品目データに含まれる品質フィールドおよびサイズ情報フィールドを参照する方法である。より具体的には、注文品がAである場合において、出荷処理時における注文品Aの予測される在庫数が注文数を下回る場合、確保部224は、注文品Aと同じ品質を有し、さらに、注文品Aと同じサイズ情報を有するか、もしくは加工等により注文品Aと同じサイズの商品を用意できるサイズ情報を有する商品を、代替品として確保する。
【0045】
図5は、サイズ情報に基づく注文品の代替の可否の例を示した図である。
図5を参照して、品目A351の代替品候補である品目B352、および品目C353による代替の可否の例について説明する。品目A351は、サイズが90×100である板材である。そして、品目B352のサイズは、90×120であるので、品目B352を切断等の手段によって加工することで、品目A351と同等のサイズを有する板材を得ることができる。よって、品目B352は品目A351を代替することが可能である。一方、品目C353のサイズは、70×120であるため、品目C353を加工することにより、品目A351を得ることはできない。よって、品目C353は品目A351を代替することができない。
【0046】
なお、代替可能品フィールドに含まれる品目コードは、品質やサイズ情報等に基づき、予め品目データに対して入力されてもよい。また、当該品目コードは、クライアント端末30や他システム群40から事後的に入力または更新されてもよい。さらに、ある商品の品目コードが注文品の品目データにおける代替可能品フィールドに含まれていない場合であっても、品質およびサイズ情報に基づき、当該商品が、当該注文品の代替品となり得るケースが存在する。例えば、顧客が
図5で示されている品目A351の板材を受注した際に、顧客が要望した板材のサイズが70×100である場合は、
図5で示されている品目C353も70×100のサイズに加工することが可能である。よって、品目C353の品目コードが品目A351の品目データにおける代替可能品フィールドに含まれていない場合においても、サイズ情報等を参照することにより、確保部224が、品目C353を品目A351の代替品として確保することが可能となる。
【0047】
また、本発明の実施形態においては、板材のサイズ情報に基づく代替品の検索方法について説明したが、かかる例は板材だけに限られない。例えば、確保部224は、丸棒や配管、角材などの、板材とは異なる形状を有する部材が注文された場合においても、当該部材のサイズ情報に基づいて、当該注文品の代替品を検索することが可能である。
【0048】
以上、確保部224による代替品の検索方法について説明した。次に、確保部224は、上記の方法を用いて代替品を検索し、必要な代替品の個数を確保する。また、確保部224は、データベース制御部210に対して、出荷データを作成し、出荷データベース208に対して当該出荷データを送信する指示を行う。
【0049】
図6および
図7を用いて、確保部224の指示による出荷データの作成について説明する。
図6は、本発明の実施形態に係る出荷データ414の一例を示した図である。確保部224は、受注データ411、受注処理時の在庫データ412、および品目データ413に基づき、注文品Aおよび代替品Bの出荷数を決定し、データベース制御部210に対して出荷データ414の作成を指示する。
【0050】
受注データ411には、受注処理日が2014年12月15日であり、出荷日が2014年12月21日であり、品目コードがAであり、注文数が120であることが示されている。一方、在庫データ412には、2014年12月21日における注文品Aの予測される在庫数が100であることが示されている。この場合、確保部224は、不足分である20個を注文品Aの代替品で賄うために、注文品Aの代替品となり得る品目を品目データ413から検索する。そして確保部224は、品目データ413の代替可能品フィールドに示されている商品Bを、代替品Bとして確保する。その際、確保部224は、2014年12月21日における代替品Bの予測される在庫数を確認し、注文品Aの不足分を賄えるかどうかを判断する。
図6においては、不足数20に対し、代替品Bの予測される在庫数は150であるので、確保部224は代替品Bを20個確保することが可能であると判断し、代替品Bの出荷数を20と決定する。
【0051】
なお、注文品Aの代替品が存在しない場合、もしくは、代替品の在庫数が不足している場合においては、確保部224は、代替品の確保を実施しなくてもよい。この場合、調達部226は、注文品Aの生産もしくは購買の指示を、他システム群40に対して送信する。調達部226については、後ほど詳細に説明する。
【0052】
確保部224は、代替品Bを確保することが可能であると判断した場合、データベース制御部210に対して、出荷データ414の作成を指示する。具体的には、
図6で示されているように、出荷データ414には、出荷日フィールド、品目コードフィールド、数量フィールド、顧客ナンバーフィールド、代替表示フラグフィールド等が含まれている。出荷日フィールドには、上記と同じく、出荷日が入力される。品目コードには、上記と同じく商品を識別する識別情報が入力される。数量フィールドは、確保部224により予定される注文品および代替品の出荷数量が入力される。顧客ナンバーフィールドには、顧客を識別するための識別情報が入力される。
【0053】
また、代替表示フラグフィールドには、不足している注文品の代替品であることを示す品目コードが、代替表示フラグとして入力される。例えば、
図6で示されているように、代替品Bが注文品Aに代わって出荷される予定であることを示すために、代替表示フラグフィールドにおいて、品目Bの行に、Aが記載されている。この代替表示フラグは、後の出荷処理時において、注文品Aの在庫が回復した際に、代替品Bではなく、注文品Aを出荷するために付加されるものである。代替表示フラグの詳細については後述する。
【0054】
図6で示されるとおり、データベース制御部210は、確保部224の指示により、出荷日2014年12月21日において、顧客ナンバーが12345の顧客に対して、品目Aを100個、および品目Bを20個出荷する内容を含む出荷データ414を作成する。また、品目Bの行においては、代替表示フラグフィールドに、品目Aの代替品であることを示す「A」のフラグが付される。データベース制御部210は、確保部224の指示により、出荷データ414を、出荷データベース208へ格納する。
【0055】
なお、
図6においては、品目Aを100、品目Bを20出荷することを含む出荷データ414が作成されたが、注文品および代替品の出荷すべき数は、自由に設定することが可能である。
【0056】
図7は、本発明の実施形態に係る出荷データ414の変形例である出荷データ424の例を示した図である。
図7に示されるように、受注データ421に示されている品目Aの注文数120に対して、出荷処理時である2014年12月21日の時点での品目Aの予測される在庫数が100である場合において、データベース制御部210は、確保部224の指示により、代替品Bを120出荷するよう出荷データ424を作成することも可能である。つまり、出荷処理時における注文品の予測される在庫数が注文数よりも少ない場合、確保部224は、注文数を当該注文品の代替品の確保数とするように設定することも可能である。
【0057】
なお、データベース制御部210は、確保部224の指示により、出荷データの作成が完了すると、在庫データを更新する。具体的には、データベース制御部210は、確保部224の指示により、出荷データに示されている注文品および代替品の数量を在庫データに示されている出荷日の日付における数量から減算し、得られた数を新たな在庫数として在庫データを更新する。
図6の例では、在庫データ412に示されている注文品Aおよび代替品Bの数量は、出荷データ414の作成後に更新される。例えば、更新前の在庫データ412に示されている注文品Aの数量は100であり、出荷データ414には100個出荷されることが記載されているので、更新後の在庫データ412に示される注文品Aの数量は0となる。また、更新後の在庫データ412に示される代替品Bの数量は150であり、出荷データ414には20個出荷されることが記載されているので、更新後の在庫データ412に示される代替品Bの数量は130となる。また、
図7の例では、更新後の在庫データ422に示されている注文品Aの数量は100のままであり、代替品Bの数量は30となる。
【0058】
(調達部)
次に、調達部226について説明する。判定部222において出荷処理時における注文品の予測される在庫数が当該注文品の注文数を下回ると判定された場合、調達部226は、当該注文品の生産もしくは購買の指示を制御する。具体的には、調達部226は、不足分に相当する個数の注文品の生産もしくは購買の指示を、他システム群40に対して送信する。例えば、調達部226が当該注文品の生産を指示する場合、当該指示の送信先は、他システム群40に含まれる生産管理システムであり、調達部226が当該注文品の購買を指示する場合、当該指示の送信先は、購買管理システムであってもよい。
【0059】
調達部226が注文品の生産または購買の指示を他システム群40に送信した後、他システム群40は、当該注文品の生産または購買が完了した際、または完了されると見込まれた際に、在庫管理データベース204に対して、データベース制御部210を介して当該生産または購買に応じた在庫データの更新を指示する。これにより、出荷処理時における予測される在庫数が回復する。
【0060】
(出荷管理部)
次に、出荷管理部228は、在庫管理データベース204に格納されている在庫データ、および出荷データベース208に格納されている出荷データに基づき、実際に出荷する品目と出荷数を決定する。より具体的には、出荷管理部228は、出荷処理時における注文品の在庫数を在庫データから確認し、当該在庫数に応じて、実際に出荷する当該注文品および代替品の出荷数を決定する。その後、出荷管理部228は、データベース制御部210に対して、決定した出荷数を含む出荷指示内容の作成を指示する。
【0061】
図8および
図9は、本発明の実施形態に係る出荷指示内容の一例を示している。まず、
図8に示されている例について説明する。出荷管理部228は、出荷時の在庫データ451、および出荷データ452に基づいて、注文品および代替品の出荷数を決定する。そして、出荷管理部228は、データベース制御部210に対して、上記決定された出荷数を含む出荷指示内容453の作成を指示する。出荷指示内容453には、例えば、出荷日フィールド、品目フィールド、数量フィールド、顧客ナンバーフィールド等が含まれている。出荷日フィールドには、出荷日が入力される。品目フィールドには、出荷すべき商品の品目コードが入力される。数量フィールドには、実際に出荷指示を出す際の出荷数量が入力される。具体的には、数量フィールドには、出荷管理部228が後述する処理に従って決定する注文品および代替品の出荷数が入力される。顧客ナンバーフィールドには、出荷先の顧客を識別する識別情報が入力される。
【0062】
図8の例は、出荷処理時(2014年12月21日)における注文品Aの未受注の在庫数(100)が、代替品の出荷予定数(20)を上回った場合を示している。まず、出荷処理時における在庫データ451は、注文品Aの未受注の在庫数が100であることを示している。そして、出荷データ452の1行目には、Aを100個出荷すること、そして、出荷データ452の2行目には、Aの代替であるBを20個出荷することが示されている。
【0063】
出荷管理部228は、まず出荷データベース208から出荷データ452を呼び出し、呼び出された出荷データ452の1行目から順に処理を行う。まず、出荷管理部228は、出荷データ452の1行目に示される内容に従い、注文品Aを100個出荷することを決定する。続いて、出荷管理部228は、出荷データ452の2行目に示される内容に従い、処理を行う。このとき、出荷データ452の2行目における代替表示フラグフィールドには、注文品Aを示すフラグが示されている。その場合、出荷管理部228は、代替表示フラグとして示されている注文品Aの在庫確認を行う。出荷処理前の注文品Aの未受注の在庫は100個である。そのため、出荷データ452に示されている数量(20)よりも、当該在庫数が上回っているので、出荷管理部228は、代替品Bではなく、注文品Aを20個出荷することを決定する。出荷管理部228は、最終的に、注文品Aの出荷数を120、代替品Bの出荷数を0と決定し、データベース制御部210に対して、上記出荷数の内容を含む出荷指示内容453の作成を指示する。
【0064】
なお、出荷指示内容453が作成されたのち、在庫データ451に示されている注文品Aおよび代替品Bの数量は、上記の受注処理と同様に、変更された出荷数に応じて更新され得る。
図8の例においては、在庫データ451に示される注文品Aの数量は、注文品Aの出荷に応じて100から80に更新され得る。また、代替品Bの数量は、代替品Bの出荷のキャンセルに応じて、130から150に更新され得る。
【0065】
このように、出荷データに代替表示フラグを付加することにより、代替品により代替された当該注文品を特定することが可能である。そして、特定された注文品の在庫が回復し、当該注文品の在庫数が受注処理時の注文数以上である場合に、代替品ではなく、特定された注文品を出荷することが可能となる。
【0066】
次に、
図9に示されている例について説明する。
図9の例は、出荷処理時(2014年12月21日)における注文品Aの未受注の在庫数(10)が、代替品の出荷予定数(20)を下回る場合を示している。つまり、この例は、当該注文数と注文品Aの未受注の在庫数の差(10)の分だけ不足しているという場合である。出荷データ462は、
図8に示されている出荷データ452と同じである。
【0067】
出荷管理部228は、まず出荷データベース208から出荷データ462を呼び出し、呼び出された出荷データ462の1行目から順に処理を行う。まず、出荷管理部228は、出荷データ462の1行目に示される内容に従い、注文品Aを100個出荷することを決定する。続いて、出荷管理部228は、出荷データ462の2行目に示される内容に従い、処理を行う。このとき、出荷データ462の2行目における代替表示フラグフィールドには、注文品Aを示すフラグが示されている。その場合、出荷管理部228は、代替表示フラグとして示されている注文品Aの在庫確認を行う。出荷処理前の注文品Aの未受注の在庫は10個である。この場合、出荷データ462に示されている数量(20)よりも当該在庫数が下回っている状態なので、出荷管理部228は、例えば、次の2通りの方法に従って、注文品Aおよび代替品Bの出荷数を決定する。
【0068】
第1の方法は、注文品の在庫をすべて出荷したのち、不足分を代替品から捻出するように数量を設定する方法である。
図9の例においては、出荷管理部228は、まず注文品Aを10個出荷することを決定し、代替品Bを10個出荷することを決定する。よって、最終的に出荷指示内容463に含まれる注文品Aの出荷数は110、代替品Bの出荷数は10となる。一方、第2の方法は、当初の出荷データの内容どおりに数量を設定する方法である。
図9の例においては、出荷管理部228は、出荷データ462に示されているとおり、代替品Bを20個出荷することを決定する。よって、出荷指示内容464に含まれる注文品Aの出荷数は100、代替品Bの出荷数は20となる。
【0069】
このように、出荷処理時において、出荷管理部228が再度出荷処理時における注文品の未受注の在庫数を確認することにより、当該出荷処理時における在庫数が回復し当該在庫数が代替品の出荷数以上となった場合に、受注処理時に一度確保された代替品を出荷せず、従来の注文通り、注文品を注文数出荷することが可能となる。また、当該出荷処理時に当該在庫数が代替品の出荷数を下回る場合においても、注文品および受注処理時に確保された代替品を出荷することが可能である。
【0070】
図10および
図11は、本発明の実施形態に係る出荷指示内容の変形例を示している。まず、
図10の例について説明する。
図10の例は、出荷処理時(2014年12月21日)における注文品Aの在庫数(200)が、従来の注文数(120)を上回った場合を示している。まず、出荷処理時における在庫データ471は、注文品Aの在庫数が200であることを示している。そして、出荷データ472には、代替品Bを120個出荷することが示されている。
【0071】
出荷管理部228は、まず出荷データベース208から出荷データ472を呼び出し、呼び出された出荷データ472の処理を行う。このとき、出荷データ472の代替表示フラグフィールドには、注文品Aを示すフラグが示されている。その場合、出荷管理部228は、代替表示フラグとして示されている注文品Aの在庫確認を行う。出荷データ472に係る処理の時点で、注文品Aの在庫数は、200である。そのため、出荷データ472に示されている数量(120)よりも当該在庫数が上回っているので、出荷管理部228は、代替品Bではなく、注文品Aを120個出荷することを決定する。よって、出荷指示内容473に含まれる注文品Aの出荷数は、120となる。
【0072】
次に、
図11に示されている例について説明する。
図11の例は、出荷処理時(2014年12月21日)における注文品Aの在庫数(110)が、従来の注文数(120)を下回る場合を示している。出荷データ482は、
図10に示されている出荷データ472と同じである。
【0073】
出荷管理部228は、まず出荷データ482を出荷データベース208から呼び出し、処理を行う。このとき、出荷データ482の代替表示フラグフィールドには、注文品Aを示すフラグが示されている。その場合、出荷管理部228は、代替表示フラグとして示されている注文品Aの在庫確認を行う。出荷データ482に係る処理の時点で、注文品Aの在庫数は、110である。この場合、出荷データ482に示されている数量(120)よりも当該在庫数が下回っている状態なので、出荷管理部228は、次の2通りの方法に従って、注文品Aおよび代替品Bの出荷数を決定する。
【0074】
第1の方法は、注文品の在庫をすべて出荷したのち、不足分を代替品から捻出するように数量を設定する方法である。
図11の例においては、出荷管理部228は、注文品Aを110個出荷し、代替品Bを10個することを決定する。よって、出荷指示内容483に含まれる注文品Aの出荷数は110、代替品Bの出荷数は10となる。また、第2の方法は、当初の出荷データの内容どおりに数量を設定する方法である。
図11の例においては、出荷管理部228は、出荷データ482に示されている通り、代替品Bを120個出荷することを決定する。よって、出荷指示内容484に含まれる代替品Bの出荷数は、120となる。
【0075】
<3.出荷管理システムの動作例>
以上、本発明の実施形態に係るデータベースサーバ20の構成を説明した。続いて、本実施形態に係る出荷管理システム10の動作例を、段階に分けて説明する。
【0076】
(受注処理時における動作例)
図12は、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10の受注処理時における動作例を示したフローチャートである。まず、
図12のフローチャートに従って、受注処理時における出荷管理システム10の動作例について説明する。
【0077】
まず、オペレータによるクライアント端末30の操作により、受注データベース202から受注データが呼び出される(S102)。受注データにおいて指定されている出荷日における当該注文品の予測される在庫数が、受注データに含まれている注文品の注文数以上であるか否かを判定部222が判定する(S104)。
【0078】
当該在庫数が当該注文数以上である場合は(S104/NO)、データベース制御部210は、受注データに記載の通り、当該注文品の出荷データを作成し、当該出荷データを出荷データベース208へ格納する(S106)。一方、当該在庫数が当該注文数を下回る場合は(S104/YES)、確保部224は、当該注文品の代替品を確保する(S108)。続いて、調達部226は、不足している当該注文品の生産および購買を他システム群40に対して指示を行う(S110)。なお、ステップS108において、確保部224が、当該注文品の代替品を確保することができなかった場合は、本発明の実施形態における動作は、ステップS110の処理を終えた時点で終了してもよい。
【0079】
続いて、データベース制御部210は、確保部224の指示により、当該注文品および当該代替品の出荷データを作成し、当該出荷データを出荷データベース208へ格納する(S112)。そして、確保部224は、データベース制御部210を介して、当該代替品に係る出荷データの代替表示フラグフィールドに、当該注文品の品目を示す代替表示フラグを付加する(S114)。この代替表示フラグは、出荷データの作成時に当該出荷データに付加されてもよいし、出荷データベース208に当該出荷データが格納された後に当該出荷データに付加されてもよい。
【0080】
(出荷処理時における動作例)
図13は、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10の出荷処理時における動作例を示したフローチャートである。ここでは、
図13のフローチャートに従って、出荷処理時における出荷管理システム10の動作例について説明する。
【0081】
まず、オペレータによるクライアント端末30の操作により、出荷データベース208から出荷データが呼び出される(S202)。出荷管理部228は、呼び出された出荷データを逐次的に処理する。出荷管理部228は、出荷データの処理の際に、当該出荷データに代替表示フラグが付加されているか判断する(S204)。代替表示フラグが出荷データに付加されていない場合は(S204/NO)、出荷データに記載の通り、注文品の出荷数を決定する(S206)。
【0082】
一方、代替表示フラグが出荷データに付加されている場合は(S204/YES)、出荷管理部228は、代替表示フラグに示された注文品の在庫数を、在庫データから確認し、出荷データに記載されている数量と比較する(S208)。代替表示フラグに示された注文品の在庫数が、当該出荷データに記載されている数量以上である場合(S208/YES)、出荷管理部228は、注文品の出荷数を決定し、代替品の出荷をキャンセルする(S210)。一方、代替表示フラグに示された注文品の在庫数が、当該出荷データに記載されている数量を下回る場合(S208/NO)、出荷管理部228は、当該注文品の在庫数および当該出荷データに記載されている数量に基づき、注文品および代替品の出荷数を決定する(S212)。
【0083】
<4.ハードウェア構成>
以上、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10の動作例を説明した。上述した受注処理および出荷処理等の情報処理は、ソフトウェアと、データベースサーバ20と、クライアント端末30との協働により実現される。以下では、代表例として、データベースサーバ20のハードウェア構成を説明する。
【0084】
図14は、データベースサーバ20のハードウェア構成を示したブロック図である。データベースサーバ20は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、ホストバス504と、を備える。また、データベースサーバ20は、ブリッジ505と、外部バス506と、インタフェース507と、入力装置508と、出力装置509と、ストレージ装置510と、ドライブ511と、ネットワークインタフェース512と、を備える。
【0085】
CPU501は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従ってデータベースサーバ20内の動作全般を制御する。また、CPU501は、マイクロプロセッサであってもよい。なお、CPU501は、データベース制御部210、判定部222、確保部224、調達部226、および出荷管理部228の機能を実現する。ROM502は、CPU501が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM503は、CPU501の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス504により相互に接続されている。
【0086】
ホストバス504は、ブリッジ505を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス506に接続されている。なお、必ずしもホストバス504、ブリッジ505および外部バス506を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0087】
入力装置508は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU501に出力する入力制御回路などから構成されている。
【0088】
出力装置509は、例えば、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED装置およびランプなどの表示装置を含む。さらに、出力装置509は、スピーカ及びヘッドホンなどの音声出力装置を含む。出力装置509は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データや表示装置に表示されたテキストデータ等を音声に変換して出力する。
【0089】
ストレージ装置510は、本実施形態に係るデータベースサーバ20におけるデータ格納用の装置である。ストレージ装置510は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読み出し装置および記憶媒体に記憶されたデータを削除する削除装置などを含んでも良い。ストレージ装置は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Drive)で構成される。このストレージ装置510は、CPU501が実行するプログラムや各種データを格納する。なお、ストレージ装置510は、記憶部200の機能を実現する。
【0090】
ドライブ511は、記憶媒体用リーダライタであり、データベースサーバ20に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ511は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体56に記録されている情報を読みだして、RAM503に出力する。また、ドライブ511は、リムーバブル記憶媒体56に情報を書き込むこともできる。
【0091】
ネットワークインタフェース512は、例えば、他の装置に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、ネットワークインタフェース512は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。なお、ネットワークインタフェース512は、通信部220の機能を実現する。
【0092】
なお、上記では
図14を参照してデータベースサーバ20のハードウェア構成について説明したが、クライアント端末30および他システム群40を構成する他の装置のハードウェアもデータベースサーバ20と実質的に同一に、または部分的に同一に構成することが可能である。
【0093】
<5.まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、受注処理において、出荷処理時における注文品の在庫数が当該注文品の注文数を下回ると予測された場合に、注文品の代替品が確保された場合にあっても、出荷処理時に再度注文品の在庫数を確認することにより、当該注文品の在庫数が回復し、当該在庫数が当初の注文数以上となった場合において、当初の予定通り、注文品を出荷することが可能となる。これにより、出荷時に注文品の在庫がある状態で、代替品をそのまま出荷することを防ぐことができるので、顧客の要求を満たし、顧客の負担を減らすことが可能である。
【0094】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0095】
例えば、本明細書の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、本発明の実施形態に係る出荷管理システム10の、受注処理時における動作例を示した
図12における、ステップS108からステップS114までの処理は、必ずしも図示されている順序に沿って時系列実施される必要はなく、また、これらの処理が同時に実施されることも可能である。
【0096】
また、本発明の実施形態に係るデータベースサーバ20が本発明である出荷管理装置を実現すると説明されたが、クライアント端末30が、本発明である出荷管理装置を実現してもよい。例えば、データベースサーバ20が有する各機能部を、クライアント端末30が有してもよい。また、出荷管理システム10を構成するデータベースサーバ20およびクライアント端末30は、必ずしも分離構成する必要はなく、一つのハードウェアにおいて実現されてもよい。
【0097】
また、データベースサーバ20、およびクライアント端末30に内蔵されるCPU501、ROM502およびRAM503などのハードウェアを、上述したデータベースサーバ20、およびクライアント端末30の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。