(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施形態に係る血液浄化装置について図面を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。以下の実施形態の説明においては、血液浄化装置として、持続緩徐式血液浄化療法(Continuous Renal Replacement Therapy:CRRT)に用いられる血液浄化装置について説明する。ただし、血液浄化装置は、持続的血液濾過透析法(continuous hemodiafiltration:CHDF)に用いられる血液浄化装置などであってもよい。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置の構成を示す回路図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置100は、血液浄化器120と、排液管路130と、透析液管路142と、補液管路152と、第1ポンプ160と、第2ポンプ161と、第3ポンプ162と、第1バルブ179と、第1退避管134と、秤139とを備える。
【0019】
血液浄化器120は、たとえば中空糸膜からなる半透膜を内部に含んでいる。血液浄化器120は、血液入口121および血液出口122を有している。血液入口121には、上流側血液管路110が接続されている。血液出口122には、下流側血液管路116が接続されている。
【0020】
上流側血液管路110には、血液を送り出す血液ポンプ111が設けられている。上流側血液管路110の途中には、動脈側ドリップチャンバ112が設けられている。動脈側ドリップチャンバ112には、血液の圧力を測定する上流側圧力測定装置113が設けられている。患者の動脈から採取された血液は、上流側血液管路110を流れる途中で動脈側ドリップチャンバ112を通過する際に圧力を測定された後、血液入口121から血液浄化器120内に流入する。
【0021】
下流側血液管路116の途中には、静脈側ドリップチャンバ114が設けられている。静脈側ドリップチャンバ114には、血液の圧力を測定する下流側圧力測定装置115が設けられている。血液浄化器120によって浄化された血液は、下流側血液管路116を流れる途中で静脈側ドリップチャンバ114を通過する際に圧力を測定された後、患者の静脈に返される。このように、血液浄化器120は、血液回路に組み込まれている。静脈側ドリップチャンバ114は、補液管路152と接続されている。なお、補液管路152が、静脈側ドリップチャンバ114の代わりに動脈側ドリップチャンバ112に接続されていてもよい。
【0022】
血液浄化器120は、透析液入口124および排液出口123をさらに有している。透析液入口124には、透析液管路142が接続されている。排液出口123には、排液管路130が接続されている。
【0023】
透析液管路142の上流端は、透析液141を供給する透析液供給部140と接続されている。透析液管路142には、透析液141を設定流量Qdで送り出す第1ポンプ160が接続されている。
【0024】
第1ポンプ160は、ローラ式ポンプであり、モータに接続されたロータと、ロータに取り付けられた3個のローラとを備える。透析液管路142を構成するチューブは、第1ポンプ160のロータに巻き掛けられている。ロータが回転することにより、ローラがチューブを圧閉しつつロータの回転につれてチューブ内の透析液141を送り出させる。透析液管路142を流れた透析液141は、血液浄化器120内に供給される。このように、透析液管路142は、血液回路に組み込まれている。
【0025】
補液管路152の上流端は、補液151を供給する補液供給部150と接続されている。補液管路152には、補液151を設定流量Qsで送り出す第2ポンプ161が接続されている。
【0026】
第2ポンプ161は、ローラ式ポンプであり、モータに接続されたロータと、ロータに取り付けられた3個のローラとを備える。補液管路152を構成するチューブは、第2ポンプ161のロータに巻き掛けられている。ロータが回転することにより、ローラがチューブを圧閉しつつロータの回転につれてチューブ内の補液151を送り出させる。
【0027】
補液管路152を流れた補液151は、静脈側ドリップチャンバ114内に供給される。すなわち、補液管路152は、血液浄化器120より血液回路の下流側に補液151を供給する。補液管路152が動脈側ドリップチャンバ112に接続されている場合には、補液管路152は、血液浄化器120より血液回路の上流側に補液151を供給する。このように、補液管路152は、血液回路に組み込まれている。
【0028】
排液管路130は、血液浄化器120から排出された排液138を3つに分流して流す、第1分岐路131、第2分岐路132および第3分岐路133を含む。このように、排液管路130は、血液回路に組み込まれている。
【0029】
第1分岐路131には、排液138を設定流量Qdで送り出す第1ポンプ160が接続されている。すなわち、第1ポンプ160は、第1分岐路131を流れる排液138と透析液管路142を流れる透析液141とを互いに等しい流量で送り出す。
【0030】
第1分岐路131を構成するチューブは、第1ポンプ160のロータに巻き掛けられている。ロータが回転することにより、ローラがチューブを圧閉しつつロータの回転につれてチューブ内の排液138を送り出させる。第1分岐路131を流れた排液138は、排液容器137内に排出される。
【0031】
第2分岐路132には、排液138を設定流量Qsで送り出す第2ポンプ161が接続されている。すなわち、第2ポンプ161は、第2分岐路132を流れる排液138と補液管路152を流れる補液151とを互いに等しい流量で送り出す。
【0032】
第2分岐路132を構成するチューブは、第2ポンプ161のロータに巻き掛けられている。ロータが回転することにより、ローラがチューブを圧閉しつつロータの回転につれてチューブ内の排液138を送り出させる。第2分岐路132を流れた排液138は、排液容器137内に排出される。
【0033】
第3分岐路133には、第3分岐路133を流れる排液138を設定流量Quで送り出す第3ポンプ162が接続されている。第3ポンプ162は、ローラ式ポンプである。第3分岐路133において第3ポンプ162より下流側に、第3分岐路133を開閉する第1バルブ179が設けられている。第3ポンプ162と第1バルブ179との間において第3分岐路133に、排液138が一時的に流れる第1退避管134が接続されている。
【0034】
本実施形態においては、血液浄化装置100は、排液138を一時的に貯留する第1貯液部135をさらに備える。第1貯液部135は、第1退避管134に設けられている。第1貯液部135は、容器で構成されていてもよいし、第1退避管134が部分的に拡径していることにより構成されていてもよい。
【0035】
第1貯液部135の上部には、第1エア供給配管136が接続されている。第1エア供給配管136は、第1エアフィルタ175を通じて透析装置170内のエア配管172と接続されている。エア配管172の末端は、開放されている。エア配管172の末端側に、エア配管172を開閉する第1エアバルブ173が設けられている。エア配管172において第1エアフィルタ175と第1エアバルブ173との間に、エア配管172内の圧力を測定する圧力計174およびエアポンプ171が接続されている。
【0036】
秤139は、排液管路130から排出された排液138の重量を測定する。すなわち、排液容器137内に排出され排液138の重量を測定する。
【0037】
以下、本実施形態に係る血液浄化装置100において、除水量を測定するための動作について説明する。
【0038】
まず、
図1に示すように、第1バルブ179を開いた状態にし、エアポンプ171を停止させたまま第1エアバルブ173を閉じた状態にする。血液ポンプ111、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162を稼働させることにより、第1分岐路131から排液138が流量Qdで排液容器137内に排出され、第2分岐路132から排液138が流量Qsで排液容器137内に排出され、第3分岐路133から排液138が流量Quで排液容器137内に排出される。その結果、秤139によって排液容器137内の排液138の重量変化を測定することにより、(Qd+Qs+Qu)を実測することができる。
【0039】
図2は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置において、第1バルブを閉じて、第1エアバルブを開いた状態を示す回路図である。
図2に示すように、第1バルブ179を閉じた状態にし、エアポンプ171を停止させたまま第1エアバルブ173を開いた状態にする。血液ポンプ111、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162が引き続き稼働することにより、第1分岐路131から排液138が流量Qdで排液容器137内に排出され、第2分岐路132から排液138が流量Qsで排液容器137内に排出され、第3分岐路133からの排液138の排出が止まり、第1退避管134内に排液138が流量Quで流入する。その結果、秤139によって排液容器137内の排液138の重量変化を測定することにより、(Qd+Qs)を実測することができる。
【0040】
図3は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置において、第1貯液部内に排液が貯留された状態を示す回路図である。
図3に示すように、第1貯液部135内に排液138が貯留された状態になるまで、第1退避管134内に排液138を流量Quで流入させる。第1貯液部135内に排液138が貯留された状態になったことを厳密に把握する必要はなく、たとえば、第1貯液部135内の約80%が排液138で満たされる予測時間になるまで、第1退避管134内に排液138を流量Quで流入させる。よって、第1貯液部135は、精密に作製されている必要はない。
【0041】
図4は、本発明の実施形態1に係る血液浄化装置において、第1バルブを開いて、エアバルブを閉じて、エアポンプを稼働させた状態を示す回路図である。
図4に示すように、第1バルブ179を開いて、第1エアバルブ173を閉じて、エアポンプ171を稼働させることにより、エア配管172内に流量Paでエアが供給される。
【0042】
エア配管172内に供給されたエアは、第1エアフィルタ175を通過した後、第1貯液部135の上部に流入する。第1貯液部135内に流入したエアによって、第1貯液部135内の排液138は第1退避管134に押し出されて、流量Qxで第1退避管134を流れる。第1退避管134を流れた排液138は、第3分岐路133を流れる排液138に合流して、排液容器137内に排出される。
【0043】
第1貯液部135内の排液138が全て排出されて、圧力計174の測定値の低下が確認された後、エアポンプ171を停止させる。これにより、
図1に示す状態に戻る。上記の一連の動作により得られた、(Qd+Qs+Qu)の実測値と(Qd+Qs)の実測値とを減算することにより実際の流量Quを算出することができる。
【0044】
実際の流量Quと設定流量Quとの間に差がある場合には、第3ポンプ162の出力を調整する。具体的には、実際の流量Quが設定流量Quより大きい場合には、第3ポンプ162の出力を低くする。実際の流量Quが設定流量Quより小さい場合には、第3ポンプ162の出力を高くする。このように実際の流量Quの測定値に基づいて第3ポンプ162の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置100が備えていることが好ましい。
【0045】
血液浄化装置100の稼働時間と実際の流量Quとの積から除水量を正確に測定できる。上記の一連の動作を一定間隔毎に繰り返し行なうことにより、除水量を正確に維持することができる。本実施形態に係る血液浄化装置100は、1つの排液容器137内の排液138の重量変化を秤139で測定するのみで除水量を正確に測定できるため、構成が簡易である。
【0046】
本実施形態に係る血液浄化装置100においては、第1退避管134に流れた排液138を第1貯液部135内に一時的に貯留する構成を有しているが、必ずしも第1貯液部135を有する必要はなく、第1退避管134に流れた排液138を排液容器137外に設けられた排液管に排出するように構成されていてもよい。この場合、第1エアバルブ173の代わりに第1退避管134を開閉するバルブが必要となるが、エアポンプ171および圧力計174などを設ける必要がないため、血液浄化装置100の構成をさらに簡易にすることができる。
【0047】
以下、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置について説明する。なお、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置200は、第2分岐路132に第2バルブ279および第2退避管234が設けられている点が主に、実施形態1に係る血液浄化装置100と異なるため、実施形態1に係る血液浄化装置100と同様である構成については同一の参照符号を付してその説明を繰り返さない。
【0048】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置の構成を示す回路図である。
図5に示すように、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置200は、第2バルブ279と第2退避管234とをさらに備える。
【0049】
第2分岐路132において第2ポンプ161より下流側に、第2分岐路132を開閉する第2バルブ279が設けられている。第2ポンプ161と第2バルブ279との間において第2分岐路132に、排液138が一時的に流れる第2退避管234が接続されている。
【0050】
本実施形態においては、血液浄化装置200は、排液138を一時的に貯留する第2貯液部235をさらに備える。第2貯液部235は、第2退避管234に設けられている。第2貯液部235は、容器で構成されていてもよいし、第2退避管234が部分的に拡径していることにより構成されていてもよい。
【0051】
第2貯液部235の上部には、第2エア供給配管236が接続されている。第2エア供給配管236は、第2エアフィルタ275を通じて透析装置270内の第1エア分岐配管271と接続されている。第1エア分岐配管271は、エア配管172の先端に接続されている。第1エア分岐配管271には、第1エア分岐配管271を開閉する第2エアバルブ273が設けられている。
【0052】
第1エア供給配管136は、第1エアフィルタ175を通じて透析装置270内の第2エア分岐配管272と接続されている。第2エア分岐配管272は、エア配管172の先端に接続されている。第2エア分岐配管272には、第1エア分岐配管271を開閉する第3エアバルブ274が設けられている。
【0053】
以下、本実施形態に係る血液浄化装置200において、除水量を測定するための動作について説明する。
【0054】
まず、
図5に示すように、第1バルブ179および第2バルブ279を開いた状態にし、エアポンプ171を停止させたまま、第1エアバルブ173、第2エアバルブ273および第3エアバルブ274を閉じた状態にする。
【0055】
血液ポンプ111、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162を稼働させることにより、第1分岐路131から排液138が流量Qdで排液容器137内に排出され、第2分岐路132から排液138が流量Qsで排液容器137内に排出され、第3分岐路133から排液138が流量Quで排液容器137内に排出される。その結果、秤139によって排液容器137内の排液138の重量変化を測定することにより、(Qd+Qs+Qu)を実測することができる。
【0056】
図6は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置において、第1バルブおよび第2バルブを閉じて、第1エアバルブ、第2エアバルブおよび第3エアバルブを開いた状態を示す回路図である。
図6に示すように、第1バルブ179および第2バルブ279を閉じた状態にし、エアポンプ171を停止させたまま、第1エアバルブ173、第2エアバルブ273および第3エアバルブ274を開いた状態にする。
【0057】
血液ポンプ111、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162が引き続き稼働することにより、第1分岐路131から排液138が流量Qdで排液容器137内に排出され、第2分岐路132からの排液138の排出が止まり、第2退避管234内に排液138が流量Qsで流入し、第3分岐路133からの排液138の排出が止まり、第1退避管134内に排液138が流量Quで流入する。その結果、秤139によって排液容器137内の排液138の重量変化を測定することにより、Qdを実測することができる。
【0058】
図7は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置において、第1バルブおよび第2エアバルブを閉じて、第2バルブ、第1エアバルブおよび第3エアバルブを開いた状態を示す回路図である。
図7に示すように、第1バルブ179および第2エアバルブ273を閉じた状態にし、エアポンプ171を停止させたまま、第2バルブ279、第1エアバルブ173および第3エアバルブ274を開いた状態にする。
【0059】
血液ポンプ111、第1ポンプ160、第2ポンプ161および第3ポンプ162が引き続き稼働することにより、第1分岐路131から排液138が流量Qdで排液容器137内に排出され、第2分岐路132から排液138が流量Qsで排液容器137内に排出され、第3分岐路133の排液138は、第1退避管134内に流量Quで流入する。
図7に示すように、第1貯液部135内に排液138が貯留された状態になるまで、第1退避管134内に排液138を流量Quで流入させる。その結果、秤139によって排液容器137内の排液138の重量変化を測定することにより、(Qd+Qs)を実測することができる。
【0060】
図8は、本発明の実施形態2に係る血液浄化装置において、第1バルブ、第2バルブ、第2エアバルブおよび第3エアバルブを開いて、第1エアバルブを閉じて、エアポンプを稼働させた状態を示す回路図である。
図8に示すように、第1バルブ179、第2バルブ279、第2エアバルブ273および第3エアバルブ274を開いて、第1エアバルブ173を閉じて、エアポンプ171を稼働させることにより、エア配管172内に流量Paでエアが供給される。
【0061】
エア配管172内に供給されたエアの一部は、第1エア分岐配管271および第2エアフィルタ275を通過した後、第2貯液部235の上部に流入する。第2貯液部235内に流入したエアによって、第2貯液部235内の排液138は第2退避管234に押し出されて、流量Qzで第2退避管234を流れる。第2退避管234を流れた排液138は、第2分岐路132を流れる排液138に合流して、排液容器137内に排出される。
【0062】
エア配管172内に供給されたエアの残部は、第2エア分岐配管272および第1エアフィルタ175を通過した後、第1貯液部135の上部に流入する。第1貯液部135内に流入したエアによって、第1貯液部135内の排液138は第1退避管134に押し出されて、流量Qyで第1退避管134を流れる。第1退避管134を流れた排液138は、第3分岐路133を流れる排液138に合流して、排液容器137内に排出される。
【0063】
第2貯液部235内の排液138が全て排出されて、圧力計174の測定値の低下が確認された後、第2エアバルブ273を閉じる。第1貯液部135内の排液138が全て排出されて、圧力計174の測定値の低下が確認された後、第3エアバルブ274を閉じて、エアポンプ171を停止させる。これにより、
図5に示す状態に戻る。
【0064】
上記の一連の動作により得られた、(Qd+Qs+Qu)の実測値と(Qd+Qs)の実測値とを減算することにより実際の流量Quを算出することができる。また、(Qd+Qs)の実測値とQdの実測値とを減算することにより実際の流量Qsを算出することができる。すなわち、本実施形態に係る血液浄化装置200においては、実際の流量Qd、実際の流量Qs、および、実際の流量Quの全てを測定することができる。
【0065】
実際の流量Qdと設定流量Qdとの間に差がある場合には、第1ポンプ160の出力を調整する。具体的には、実際の流量Qdが設定流量Qdより大きい場合には、第1ポンプ160の出力を低くする。実際の流量Qdが設定流量Qdより小さい場合には、第1ポンプ160の出力を高くする。このように実際の流量Qdの測定値に基づいて第1ポンプ160の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置200が備えていることが好ましい。
【0066】
実際の流量Qsと設定流量Qsとの間に差がある場合には、第2ポンプ161の出力を調整する。具体的には、実際の流量Qsが設定流量Qsより大きい場合には、第2ポンプ161の出力を低くする。実際の流量Qsが設定流量Qsより小さい場合には、第2ポンプ161の出力を高くする。このように実際の流量Qsの測定値に基づいて第2ポンプ161の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置200が備えていることが好ましい。
【0067】
実際の流量Quと設定流量Quとの間に差がある場合には、第3ポンプ162の出力を調整する。具体的には、実際の流量Quが設定流量Quより大きい場合には、第3ポンプ162の出力を低くする。実際の流量Quが設定流量Quより小さい場合には、第3ポンプ162の出力を高くする。このように実際の流量Quの測定値に基づいて第3ポンプ162の出力を自動で調整する制御部を、血液浄化装置200が備えていることが好ましい。
【0068】
血液浄化装置200の稼働時間と実際の流量Quとの積から除水量を正確に測定できる。上記の一連の動作を一定間隔毎に繰り返し行なうことにより、除水量を正確に維持することができる。本実施形態に係る血液浄化装置200は、1つの排液容器137内の排液138の重量変化を秤139で測定するのみで除水量を正確に測定できるため、構成が簡易である。
【0069】
本実施形態に係る血液浄化装置200においては、第1退避管134に流れた排液138を第1貯液部135内に一時的に貯留する構成を有しているが、必ずしも第1貯液部135を有する必要はなく、第1退避管134に流れた排液138を排液容器137外に設けられた排液管に排出するように構成されていてもよい。同様に、第2退避管234に流れた排液138を第2貯液部235内に一時的に貯留する構成を有しているが、必ずしも第2貯液部235を有する必要はなく、第2退避管234に流れた排液138を排液容器137外に設けられた排液管に排出するように構成されていてもよい。
【0070】
この場合、第2エアバルブ273および第3エアバルブ274の代わりに第1退避管134および第2退避管234をそれぞれ開閉する2つのバルブが必要となるが、エアポンプ171および圧力計174などを設ける必要がないため、血液浄化装置200の構成をさらに簡易にすることができる。
【0071】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。