(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出手段は、前記複数の画像処理手段のそれぞれから、画像データを印刷データに変換する際の処理時間の情報を取得することにより画像データを印刷データに変換する際の頁毎の処理負荷を把握して、処理負荷の周期を検出する請求項1または2記載の画像処理装置。
前記配信手段は、画像処理手段の数に1頁あたりの面付数を乗算した数と、前記繰り返し周期の頁数のうちの大きい値分の頁数の画像データを配信する毎に、次の配信先の画像処理手段を、予め設定された配信順序において次に画像データを配信すべき画像処理手段からずらす請求項4記載の画像処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高速に大量の印刷処理を行う必要がある業務用プリンタでは、印刷処理を途中で途切れさせないために、PDL(Page Description Language:ページ記述言語)等により記述された画像データをラスタ形式の印刷データに展開して印刷装置に供給する処理を高速に実行する必要がある。
【0006】
そのため、画像データをラスタ形式の画像データに変換するための画像処理部を複数設けて並列処理を行うことにより画像データの変換処理を高速に実現することが行われる。
【0007】
このような処理を実行する場合、印刷ジョブに含まれるページ単位の画像データを、順次複数の画像処理部に振り分けて配信する必要がある。
【0008】
しかし、画像データを印刷データに変換する際の処理負荷は、ページ毎に異なるため、予め定められた配信順序で各ページの画像データを順次複数の画像処理部に配信したのでは、特定の画像処理部に処理負荷の重いページが集中して配信されてしまう場合がある。そして、このように特定の画像処理部に処理負荷の重いページが集中して配信されてしまった場合、その特定の画像処理部では、画像データを印刷データに変換する処理に時間がかかってしまい、印刷データの供給が印刷動作の速度に間に合わなくなってしまう。すると、印刷装置では、印刷処理を中断させてしまう場合や、白紙の印刷結果を出力する間欠印刷が発生してしまう場合もある。
【0009】
本発明の目的は、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことが可能な画像処理装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[画像処理装置]
請求項1に係る本発明は、配信されてきた頁単位の画像データを色毎のラスタ形式の印刷データに変換する画像処理を行う複数の画像処理手段と、
画像データを頁単位で印刷データに変換する際の処理負荷の周期を検出する検出手段と、
受信した印刷指示における画像データを頁単位で前記複数の画像処理手段に配信し、前記検出手段により検出された処理負荷の周期と前記複数の画像処理手段の数とから、処理負荷の高い頁が特定の画像処理手段に偏って配信される可能性がある場合、前記複数の画像処理手段に画像データを配信する配信順序を予め設定された配信順序から変更する配信手段とを備えた画像処理装置である。
【0011】
請求項2に係る本発明は、配信されてきた頁単位の画像データを色毎のラスタ形式の印刷データに変換する画像処理を行う複数の画像処理手段と、
画像データを頁単位で印刷データに変換する際の処理負荷の周期を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された処理負荷の周期に関する情報を記憶する記憶手段と、
受信した印刷指示における画像データを頁単位で前記複数の画像処理手段に配信する際に、前記記憶手段に記憶されている処理負荷の周期に関する情報と前記複数の画像処理手段の数とから、処理負荷の高い頁が特定の画像処理手段に偏って配信される可能性がある場合、前記複数の画像処理手段に画像データを配信する配信順序を予め設定された配信順序から変更する配信手段とを備えた画像処理装置である。
【0012】
請求項3に係る本発明は、前記検出手段が、前記複数の画像処理手段のそれぞれから、画像データを印刷データに変換する際の処理時間の情報を取得することにより画像データを印刷データに変換する際の頁毎の処理負荷を把握して、処理負荷の周期を検出する請求項1または2記載の画像処理装置である。
【0013】
請求項4に係る本発明は、前記処理負荷の周期に関する情報が、処理負荷が周期的に繰り返される頁数である繰り返し周期の頁数の情報を含み、
前記配信手段は、当該繰り返し周期の頁数が、画像処理手段の数、又はその数の1以外の約数で割り切れる場合に、前記複数の画像処理手段に画像データを配信する配信順序を予め設定された配信順序から変更する請求項1から3のいずれか1項記載の画像処理装置である。
【0014】
請求項5に係る本発明は、前記配信手段が、画像処理手段の数に1頁あたりの面付数を乗算した数と、前記繰り返し周期の頁数のうちの大きい値分の頁数の画像データを配信する毎に、次の配信先の画像処理手段を、予め設定された配信順序において次に画像データを配信すべき画像処理手段からずらす請求項
4記載の画像処理装置である。
【0015】
[画像形成装置]
請求項6に係る本発明は、配信されてきた頁単位の画像データを色毎のラスタ形式の印刷データに変換する画像処理を行う複数の画像処理手段と、
画像データを頁単位で印刷データに変換する際の処理負荷の周期を検出する検出手段と、
受信した印刷指示における画像データを頁単位で前記複数の画像処理手段に配信し、前記検出手段により検出された処理負荷の周期と前記複数の画像処理手段の数とから、処理負荷の高い頁が特定の画像処理手段に偏って配信される可能性がある場合、前記複数の画像処理手段に画像データを配信する配信順序を予め設定された配信順序から変更する配信手段と、
前記複数の画像処理手段により変換されたラスタ形式の印刷データに基づいた画像を記録媒体上に出力する出力手段とを備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る本発明によれば、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項2に係る本発明によれば、印刷内容が近似する印刷指示を繰り返し実行する場合に、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項3に係る本発明によれば、画像データを印刷データに変換する際の処理時間の情報から頁毎の処理負荷を把握して、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項3に係る本発明によれば、画像データを印刷データに変換する際の処理時間の情報から頁毎の処理負荷を把握して、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項4に係る本発明によれば、処理負荷が周期的に繰り返させる頁数の情報と複数の画像処理手段の数とから特定の画像処理手段に処理負荷が偏る可能性を推定して、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像処理装置を提供することができる。
【0021】
請求項5に係る本発明によれば、複数頁分の印刷データを1つの物理頁に割り当てる面付け処理を行う場合や、画像処理手段の数が繰り返し周期の頁数と比較して多いような場合でも、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像処理装置を提供することができる。
【0022】
請求項6に係る本発明によれば、複数の画像処理手段により画像データを頁単位で印刷データに変換する際に、特定の画像処理手段に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態におけるコントローラ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態におけるコントローラ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】RIP処理部51Yの構成を示すブロック図である。
【
図5】4ページ毎に処理負荷が重いカラーイメージ画像のページが含まれている印刷ジョブの一例を示す図である。
【
図6】
図5に示した印刷ジョブを4つの画像処理部32Y〜32Kを有するシステムにおいて処理した場合の様子を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態の画像形成システムにおいて処理負荷が特定の画像処理部に集中しないように配信順序が切り替えられる処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】処理負荷の周期に関する情報(周期性情報)を、プリント設定情報、用紙設定情報、後処理設定情報等とともに印刷ジョブの設定情報として記憶しておく様子を説明するための図である。
【
図9】ユーザに周期性情報の取得の可否を問い合わせる場合の表示画面例を示す図である。
【
図10】各ページのラスタライズ時間を処理時間が長い順に並び替える様子を示す図である。
【
図11】処理負荷フラグの配列の一例を示す図である。
【
図12】周期性検出部41が処理負荷フラグの配列に基づいて周期性の有無および周期性の情報を検出する際の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】処理負荷フラグの配列から繰り返しパターンを検出する様子を説明するための図である。
【
図14】周期性検出部41により検出される周期性情報の一例を示す図である。
【
図15】配信部42が、繰り返しパターンのページ数と画像処理部の数とから、特定の画像処理部に処理負荷が集中するか否かを判定して、配信順序を切り替える際の具体例を説明するためのフローチャートである。
【
図16】繰り返しパターン数が4、面付け数が1、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図17】
図16に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の途中の様子を示す図である。
【
図18】
図16に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【
図19】繰り返しパターン数が4、面付け数が1、両面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図20】
図19に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【
図21】繰り返しパターン数が4、面付け数が2、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図22】
図21に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【
図23】繰り返しパターンのページ数が10の印刷ジョブの一例を示す図である。
【
図24】繰り返しパターン数が10、面付け数が1、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図25】
図21に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【
図26】繰り返しパターン数が10、面付け数が1、両面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図27】
図26に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【
図28】繰り返しパターン数が10、面付け数が2、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図29】
図28に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【
図30】繰り返しパターン数が10、面付け数が2、両面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を示す図である。
【
図31】
図30に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0026】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、
図1に示されるように、大量印刷を高速に印刷可能な印刷装置30と、コントローラ10と、端末装置20とから構成されている。
【0027】
端末装置20は、印刷処理の実行を指示する印刷ジョブ(印刷指示)を生成してネットワーク経由にてコントローラ(印刷制御装置)10に対して送信する。コントローラ10は、端末装置20から送信されてきた印刷ジョブを受信して、印刷装置1の印刷動作を制御する画像処理装置として機能する。印刷装置30は、コントローラ10による制御に基づいて印刷データに応じた画像を連続紙上に出力する。
【0028】
次に、本実施形態の画像形成システムにおけるコントローラ10のハードウェア構成を
図2に示す。
コントローラ10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワークを介して端末装置20等の外部装置との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、印刷装置30との間の通信を行うエンジンインタフェース(IF)部16を有する。これらの構成要素は、制御バス17を介して互いに接続されている。
【0029】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、コントローラ10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0030】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現されるコントローラ10の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態の画像形成装置10は、
図3に示されるように、印刷ジョブ分配処理部31と、4つの画像処理部32Y〜32Kとを備えている。
【0032】
また、印刷ジョブ分配処理部31は、周期性検出部41と、配信部42と、周期性情報記憶部43とから構成されている。
【0033】
周期性検出部41は、画像データをページ(頁)単位で印刷データに変換する際の処理負荷の周期を検出する。具体的には、周期性検出部41は、画像処理部32Y〜32Kのそれぞれから、画像データを印刷データに変換する際の処理時間の情報であるラスタライズ時間情報を取得することにより画像データを印刷データに変換する際のページ毎の処理負荷を把握して、処理負荷の周期を検出する。
【0034】
なお、PDL形式の画像データを中間データに変換する際の処理時間は、中間データをラスタ形式の印刷データに変換する際の処理時間と比較して短いため、ここでは、中間データをラスタ形式の印刷データに変換する際の処理時間であるラスタライズ時間のみを用いて、画像データの処理負荷を評価している。
【0035】
配信部42は、端末装置20から受信した印刷ジョブにおける画像データをページ単位で4つの画像処理部32Y〜32Kに配信している。
【0036】
また、配信部42は、周期性検出部41により検出された処理負荷の周期と画像処理部32Y〜32Kの数とから、処理負荷の高いページが特定の画像処理部に偏って配信される可能性があるか否かを判定する。そして、配信部42は、処理負荷の高いページが特定の画像処理部に偏って(集中して)配信される可能性があると判定した場合、4つの画像処理部32Y〜32Kに画像データを配信する配信順序を予め設定された配信順序から変更する。
【0037】
ここで、処理負荷の周期に関する情報とは、処理負荷が周期的に繰り返されるページ数である繰り返しパターン(繰り返し周期)のページ数の情報を含む。
【0038】
そして、配信部42は、この繰り返し周期のページ数が、画像処理部の数、又はその数の1以外の約数で割り切れる場合に、処理負荷の高いページが特定の画像処理部に偏って配信される可能性があるか否かを判定して、4つの画像処理部32Y〜32Kに画像データを配信する配信順序を予め設定された配信順序から変更する。
【0039】
また、配信部42は、画像処理部の数に1ページあたりの面付数を乗算した数と、繰り返し周期のページ数のうちの大きい値分のページ数の画像データを配信する毎に、次の配信先の画像処理部を、予め設定された配信順序において次に画像データを配信すべき画像処理部からずらすようにしても良い。
【0040】
なお、上記で言及した配信部42が処理負荷の高いページが特定の画像処理部に偏って配信されると判定する具体的な判定方法および、配信部42が画像データの配信順序を変更する具体的方法の詳細については具体例を用いて後述する。
【0041】
周期性情報記憶部43は、周期性検出部41により検出された処理負荷の周期に関する情報を記憶しておく。
【0042】
そのため、配信部42は、過去に実行した印刷業務と近似する内容の印刷業務を実行する場合には、受信した印刷ジョブにおける画像データを頁単位で前記複数の画像処理手段に配信する際に、周期性情報記憶部43に記憶されている処理負荷の周期に関する情報を利用して、この処理負荷の周期に関する情報と画像処理部32Y〜32Kの数とから、処理負荷の高い頁が特定の画像処理部に偏って配信される可能性があるか否かを判定するようにしても良い。
【0043】
さらに、4つの画像処理部32Y〜32Kは、それぞれ、RIP(Raster Image Processing)処理部51Y〜51Kを有していて、配信部42から配信されてきたページ単位の画像データをCMYKの各色のラスタ形式の印刷データに変換する画像処理を行う。
【0044】
次に、RIP処理部51Y〜51Kの詳細について説明するが、RIP処理部51Y〜51Kは基本的な動作は同様のため、以下の説明においてはRIP処理部51Yの動作についてのみ説明を行う。
【0045】
RIP処理部51Yは、中間データ生成部61Yと、中間データ格納部62Yと、描画処理部63Yと、ラスタデータ格納部64Yとから構成されている。
【0046】
中間データ生成部61Yは、配信部42から配信されてきた1ページ分の画像データを中間形式の中間データに変換して、中間データ格納部62Yに格納する。
【0047】
描画処理部63Yは、中間データ格納部62Yに格納された中間データに基づいてラスタ形式の印刷データを生成して、ラスタデータ格納部64Yに格納する。なお、描画処理部63Yは、中間データをラスタ形式の印刷データに変換する際の処理時間を、ラスタライズ時間情報として周期性検出部41に転送している。
【0048】
また、RIP処理部51Yは、YMCK4色の印刷データを生成しているが、担当色であるY色以外のMCK色の色版データについては、それぞれ、RIP処理部51M、51C、51Kに転送される。また、同様にして、RIP処理部51Yには、RIP処理部51M、51C、51Kにおいて生成されたY色の印刷データが転送されてくる。
【0049】
そして、RIP処理部51Y〜51Kでは、それぞれ、ラスタデータ格納部64Yに格納された各色の印刷データが印刷装置30に対して送信される。
【0050】
そして、印刷装置30は、4つの画像処理部32Y〜32Kにより変換されたラスタ形式の印刷データに基づいた画像を印刷用紙等の記録媒体上に出力する。
【0051】
次に、
図3に示したような4つの画像処理部32Y〜32Kを有するシステムにおいて、周期性のある印刷ジョブをそのまま印刷処理した場合の問題点について説明する。
【0052】
例えば、
図5に示したような構成の印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行した場合について説明する。この
図5に示した印刷ジョブは、4ページ目の画像データP4、8ページ目の画像データP8というように、4ページ毎に処理負荷が重いカラーイメージ画像のページが含まれている。
【0053】
そのため、この
図5に示した印刷ジョブを4つの画像処理部32Y〜32Kを有するシステムにおいて処理した場合、
図6に示すように、RIP処理部51Kという特定の画像処理部に処理負荷が集中してしまうことになる。
【0054】
そこで、本実施形態の画像形成システムでは、処理負荷が特定の画像処理部に集中しないように配信順序が切り替えられる。つまり本実施形態によれば、複数の画像処理部32Y〜32Kにおける画像データをラスタ形式の印刷データに変換する処理が平準化されることとなり、間欠印刷のリスクは低減し、印刷速度も向上することになる。
【0055】
本実施形態の画像形成システムにおいて処理負荷が特定の画像処理部に集中しないように配信順序が切り替えられる処理を
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
まず、周期性検出部41は印刷ジョブの負荷の周期性を検出する(ステップS101)。すると、配信部42は、予め定められた配信方法で配信したのでは、特定の画像処理部に処理負荷の高いページが集中してしまうと判定した場合(ステップS102においてyes)、配信順序を予め定められた配信順序から変更する(ステップS103)。
【0057】
ここで、予め定められた配信順序とは、例えば、RIP処理部51Y〜51K(画像処理部32Y〜32K)に対して、RIP処理部51Y、RIP処理部51M、RIP処理部51C、RIP処理部51K、RIP処理部51Y、・・・・と配信先を順次切り替えるような配信順序である。
【0058】
なお、大量な印刷処理が行われる印刷業務では、近似した構成の印刷ジョブが繰り返し実行される場合が多い。そのため、
図8に示すように、一度ある印刷ジョブを実行する際に取得した処理負荷の周期に関する情報(周期性情報)を、プリント設定情報、用紙設定情報、後処理設定情報等とともに印刷ジョブの設定情報として記憶しておく。そして、その印刷業務の他の印刷ジョブを実行する場合に、記憶していた設定情報を適用することにより、その印刷ジョブからは周期性情報を取得しなくても、特定の画像処理部に処理負荷が集中してしまうことを防ぐことができる。
【0059】
また、印刷ジョブの実行前に、その印刷ジョブの周期性情報が予め取得されていなかった場合でも、印刷ジョブを実行しながら周期性情報を取得して、その印刷ジョブの実行途中から配信順序の切り替えを行って処理負荷が特定の画像処理部に集中することを防ぐようにすることもできる。
【0060】
なお、周期性情報が取得されていない印刷ジョブを実行する際には、その印刷ジョブの実行前に
図9に示すような表示画面を表示して、ユーザが周期性情報の取得を承認した場合に、周期性の有無の解析を行って周期性情報を取得するようにしても良い。
【0061】
次に、図面を参照して、周期性検出部41が、RIP処理部51Y〜51Kからそれぞれ取得したラスタライズ時間情報に基づいて周期性の有無およびその周期の情報を検出する際の具体的な動作について説明する。
【0062】
なお、周期性検出部41は、一定の範囲のページを判定対象のページとして周期性の検出を行うが、以下の説明ではP1〜P16の16ページ分のラスタライズ時間情報に基づいて周期性情報の検出を行う場合について説明する。
【0063】
まず、周期性検出部41は、
図10に示すように、取得した各ページのラスタライズ時間を、処理時間が長い順に並び替える。そして、周期性検出部41は、並び替えたリストにおいて、前後の処理時間の差を算出することにより、ページ間のラスタライズ時間の差を算出する。
【0064】
そして、周期性検出部41は、ラスタライズ時間の差が最も大きな値となるページを境として、その境よりも前のページをラスタライズ時間の長い処理負荷が重いページであると判定する。
【0065】
図10に示した例では、16、8、4、12ページのデータP16、P8、P4、P12が、処理負荷が重いページであると判定されている。
【0066】
次に、周期性検出部41は、
図11に示すように、判定対象の各ページに対して処理負荷フラグを設定した配列を用意して、処理負荷が重いと判定されたページについては処理負荷フラグを”1”として、それ以外のページについては処理負荷フラグを”0”に設定する。
【0067】
ここで、処理負荷フラグが”1”であることは、そのページは処理負荷が重いページであることを示している。
【0068】
そして、周期性検出部41は、この処理負荷フラグの配列に基づいて、
図12のフローチャートに示すような方法により周期性の有無および周期性の情報を検出する。
【0069】
まず、周期性検出部41は、
図11に示したような処理負荷フラグの配列において、最初に負荷が重いページまでのパターンを仮パターンとする(ステップS201)。例えば、
図11に示したような処理負荷フラグの配列例では、
図13に示すように、”0001”というパターンが仮パターンと判定される。
【0070】
次に、周期性検出部41は、この仮パターンと、仮パターン以降のページのパターンとを比較する(ステップS202)。そして、仮パターンと仮パターン以降のページのパターンとが一致する場合(ステップS203においてyes)、周期性検出部41は、その仮パターンを負荷パターン(繰り返しパターン)として決定する(ステップS204)。
【0071】
なお、仮パターンと仮パターン以降のページのパターンとが一致しない場合(ステップS203においてno)、周期性検出部41は、仮パターンの次のページの処理負荷フラグを含めたパターンを新たな仮パターンとする(ステップS205)。そして、周期性検出部41は、この新たな仮パターンと、仮パターン以降のページのパターンとを比較する(ステップS202)。そして、周期性検出部41は、この処理を判定範囲内の全てのページが終了するまで実行する。
【0072】
なお、判定範囲内の全てのページの判定が終了した場合(ステップS206においてyes)、周期性検出部41は、周期性無して判定して処理を終了する(ステップS207)。
【0073】
なお、
図13に示した例では、仮パターン”0001”が5ページ目以降のパターンと一致しているため、この”0001”というパターンが繰り返しパターンであると判定される。
【0074】
そして、周期性検出部41は、このような判定処理の結果、
図14に示すように、印刷ジョブの周期性の有無”有り”、繰り返しパターン”0、0、0、1”、繰り返しパターンのページ数”4”という周期性情報を印刷ジョブの設定情報として格納する。
【0075】
次に、
図15のフローチャートを参照して、配信部42が、繰り返しパターンのページ数と、画像処理部32Y〜32Kの数とから、特定の画像処理部に処理負荷が集中する(偏る)か否かを判定して、配信順序を切り替える際の具体例について説明する。
【0076】
まず、配信部42は、繰り返しパターンのページ数が、画像処理部の数またはその数の1以外の約数で割り切れるか否かを判定する(ステップS301)。なお、配信部42は、繰り返しパターンのページ数が、画像処理部の数またはその数の1以外の約数で割り切れる場合には、処理負荷が特定の画像処理部に集中する可能性があると判定し、割り切れない場合には、処理負荷が特定の画像処理部に集中する可能性は低いと判定する。
【0077】
例えば、上記で説明した例では、繰り返しパターンのページ数は4であり、画像処理部32Y〜32K(RIP処理部51Y〜51K)の数も4であるため割り切れるので、処理負荷が特定の画像処理部に集中する可能性があると判定される。
【0078】
なお、繰り返しパターンのページ数は2であり、画像処理部32Y〜32Kの数が4の場合でも、繰り返しパターンのページ数である2は、画像処理部32Y〜32Kの数が4の約数の2で割り切れるため、処理負荷が特定の画像処理部に集中する可能性があると判定される。
【0079】
そして、画像処理部の数またはその数の1以外の約数で割り切れると判定された場合には(ステップS302においてno)、配信部42は、画像処理部の数をSとして、面付け処理(Nアップ処理)が行われる場合の面付け数をNとして、繰り返しパターンのページ数がS×Nの値以上であるか否かを判定する(ステップS304)。
【0080】
なお、1物理ページに2ページ分の画像が印される面付け処理(2アップ処理)の場合にはN=2となり、1物理ページに4ページ分の画像が印される面付け処理(4アップ処理)の場合にはN=4となる。
【0081】
そして、繰り返しパターンのページ数がS×Nの値以上であると判定された場合(ステップS304においてyes)、配信部42は、繰り返しパターンのページ数分配信したら、次の配信先を1ページずらすような配信方法を選択する(ステップS305)。
【0082】
なお、繰り返しパターンのページ数がS×Nの値以上ではない判定された場合(ステップS304においてno)、配信部42は、S×Nページ数分配信したら、次の配信先を1ページずらすような配信方法を選択する(ステップS306)。
【0083】
つまり、配信部42は、繰り返しパターン数と、S×Nページ数のうち大きな方の値のページ数分配信したら、次の配信先を1ページずらすような配信方法を選択する。
【0084】
次に、
図16〜
図31を参照して、繰り返しパターンの数、面付け数、片面印刷/両面印刷のそれぞれの状況毎にどのように配信順序が変更されることにより特定の画像処理部に処理負荷が集中しないような処理が行われるかについて説明する。
【0085】
[繰り返しパターン数:4、面付け数:1、片面印刷]
まずは、繰り返しパターン数が4、面付け数が1、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図16に示す。
【0086】
この
図16を参照すると、繰り返しパターン数4と画像処理部(RIP処理部51〜51K)の数4とが一致しているため、RIP処理部51Kに負荷の重いページP4、P8、P12、・・・が連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0087】
この
図16に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図17に示す。
【0088】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51Kの数)S=4であり、面付け数N=1であるため、S×N=4となる。そのため、配信部42は、4ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0089】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P4をRIP処理部51Y〜51Kにそれぞれ配信し終わると、次のページP5については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP6をRIP処理部51Cに配信し、ページP7をRIP処理部51Kに配信する。
【0090】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図18に示すように処理負荷の重いページはRIP処理部51Y〜51Kに分散して配信されることになる。
【0091】
[繰り返しパターン数:4、面付け数:1、両面印刷]
また、繰り返しパターン数が4、面付け数が1、両面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図19に示す。
【0092】
なお、
図19では、両面印刷を行うために表面印刷を行うためのRIP処理部51Y〜51K、裏面印刷を行うためのRIP処理部52Y〜52Kという8つの画像処理部が用いられている。
【0093】
この
図19を参照すると、繰り返しパターン数4が画像処理部の数8の約数である4により割り切れるため、RIP処理部52M、52Kに負荷の重いページP4、P12、P20、・・・、P8、P16、P24・・・がそれぞれ連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0094】
この
図19に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図20に示す。
【0095】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51K、52Y〜52Kの数)S=8であり、面付け数N=1であるため、S×N=8となる。そのため、配信部42は、8ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0096】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P8をRIP処理部51Y〜51K、52Y〜52Kにそれぞれ配信し終わると、次のページP9については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP10をRIP処理部52Mに配信し、ページP11をRIP処理部51Cに配信する。
【0097】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図20に示すように処理負荷の重いページは分散して配信されることになる。
【0098】
[繰り返しパターン数:4、面付け数:2、片面印刷]
また、繰り返しパターン数が4、面付け数が2、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図21に示す。
【0099】
この
図21を参照すると、繰り返しパターン数4が画像処理部の数4により割り切れるため、RIP処理部51M、51Kに負荷の重いページP4、P12、P20、・・・、P8、P16、P24・・・がそれぞれ連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0100】
この
図21に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図22に示す。
【0101】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51K)S=4であり、面付け数N=2であるため、S×N=8となる。そのため、配信部42は、8ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0102】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P8をRIP処理部51Y〜51Kにそれぞれ配信し終わると、次のページP9、P10については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP11、P12をRIP処理部51Cに配信し、ページP13、P14をRIP処理部51Kに配信する。
【0103】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図22に示すように処理負荷の重いページは分散して配信されることになる。
【0104】
次に、以下の説明では、画像処理部の数が4ではなく5であり、繰り返しパターンのページ数が10の場合について説明する。
【0105】
具体的には、以下の説明では、
図23に示すように繰り返しパターンが”0、0、1、1、0、0、0、0、1,0”となっており、繰り返しパターンのページ数が10の印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う場合について説明する。
【0106】
[繰り返しパターン数:10、面付け数:1、片面印刷]
まずは、繰り返しパターン数が10、面付け数が1、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図24に示す。
【0107】
ここでは、配信部42は、RIP処理部51Y、51M、51C、51K1、51K2という5つの画像処理部に対して画像データを配信する場合について説明する。
【0108】
この
図24を参照すると、繰り返しパターン数10が画像処理部の数5により割り切れるため、RIP処理部51K1に負荷の重いページP4、P9、P14、P19、・・・が連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0109】
この
図24に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図25に示す。
【0110】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51K)S=5であり、面付け数N=1であるため、S×N=5となる。そのため、配信部42は、繰り返しパターンのページ数である10ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0111】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P10をRIP処理部51Y〜51K2にそれぞれ配信し終わると、次のページP11については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP12をRIP処理部51Cに配信し、ページP13をRIP処理部51K1に配信する。
【0112】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図25に示すように処理負荷の重いページは分散して配信されることになる。
【0113】
[繰り返しパターン数:10、面付け数:1、両面印刷]
次に、繰り返しパターン数が10、面付け数が1、両面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図26に示す。
【0114】
なお、
図26では、両面印刷を行うために表面印刷を行うためのRIP処理部51Y〜51K2、裏面印刷を行うためのRIP処理部52Y〜52K2という10の画像処理部が用いられている。
【0115】
この
図26を参照すると、繰り返しパターン数10が画像処理部の数10により割り切れるため、RIP処理部51M、51K2、52Mに負荷の重いページが連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0116】
この
図26に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図27に示す。
【0117】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51K2、52Y〜52K2、)S=10であり、面付け数N=1であるため、S×N=10となる。そのため、配信部42は、繰り返しパターンのページ数である10ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0118】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P10をRIP処理部51Y〜51K2にそれぞれ配信し終わると、次のページP11については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP12をRIP処理部52Mに配信し、ページP13をRIP処理部51Cに配信する。
【0119】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図27に示すように処理負荷の重いページは分散して配信されることになる。
【0120】
[繰り返しパターン数:10、面付け数:2、片面印刷]
次に、繰り返しパターン数が10、面付け数が2、片面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図28に示す。
【0121】
この
図28を参照すると、繰り返しパターン数10が画像処理部の数5により割り切れるため、RIP処理部51M、51K2に負荷の重いページが連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0122】
この
図28に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図29に示す。
【0123】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51K2)S=5であり、面付け数N=2であるため、S×N=10となる。そのため、配信部42は、10ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0124】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P10をRIP処理部51Y〜51K2にそれぞれ配信し終わると、次のページP11、P12については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP13、P14をRIP処理部51Cに配信し、ページP15、P16をRIP処理部51K1に配信する。
【0125】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図29に示すように処理負荷の重いページは分散して配信されることになる。
【0126】
[繰り返しパターン数:10、面付け数:2、両面印刷]
最後に、繰り返しパターン数が10、面付け数が2、両面印刷の場合に、配信部42が、予め設定された配信順序のまま配信順序を変更せずに画像データを配信した場合の様子を
図30に示す。
【0127】
この
図30を参照すると、繰り返しパターン数10が画像処理部の数10により割り切れるため、RIP処理部51K1、52Yに負荷の重いページが連続して配信され処理負荷が集中しているのが分かる。
【0128】
この
図30に示したような状態に対して、配信部42が配信順序を変更した場合の様子を
図31に示す。
【0129】
ここでは、画像処理部の数(RIP処理部51Y〜51K2、52Y〜52K2)S=10であり、面付け数N=2であるため、S×N=20となる。そのため、配信部42は、20ページ配信する毎に、配信先を1つ飛ばして次の画像処理部とするような配信方法を選択する。
【0130】
具体的には、配信部42は、ページP1〜P20をRIP処理部51Y〜51K2、52Y〜52K2にそれぞれ配信し終わると、次のページP21、P22については、RIP処理部51Yではなくて1つ飛ばしてRIP処理部51Mに配信する。そして、配信部42は、その後ページP23、P24をRIP処理部52Mに配信し、ページP25、P26をRIP処理部51Cに配信する。
【0131】
このように配信部42が、予め設定された配信順序を変更して配信を行うことにより、
図31に示すように処理負荷の重いページは分散して配信されることになる。
【0132】
[変形例]
上記実施形態ではコントローラ10と印刷装置30とが独立して構成される構成を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コントローラ10と印刷装置30とが一旦の画像形成装置として構成される場合でも同様に本発明を適用することができるものである。