特許第6548100号(P6548100)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6548100荷物管理方法及び荷物管理コンピュータシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6548100
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】荷物管理方法及び荷物管理コンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20190711BHJP
【FI】
   G06Q50/10
【請求項の数】10
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-157316(P2018-157316)
(22)【出願日】2018年8月24日
【審査請求日】2018年9月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518304502
【氏名又は名称】八洲産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100180817
【弁理士】
【氏名又は名称】平瀬 実
(72)【発明者】
【氏名】御調 征吾
【審査官】 小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−538182(JP,A)
【文献】 特開2000−099824(JP,A)
【文献】 特開2017−188110(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0039354(US,A1)
【文献】 寺井 伸太郎,ecbo(エクボ) 荷物預かりサービス もうロッカー探しに困らない,日経ビジネス,日本,日経BP社,2018年 3月19日,第1933号,第84-85頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞄とクリーニング対象品とを含む渡航者の荷物を預かって管理するための荷物管理コンピュータシステムにおける荷物管理方法であって、
書込み手段が、前記鞄を特定するための鞄特定情報に対応するタグ情報を、前記クリーニング対象品を収容するためのクリーニング袋に取り付けられる第1タグに保持させることと、
タグ読取手段が、前記第1タグが取り付けられた前記クリーニング袋であるタグ付きクリーニング袋がクリーニング済みの前記クリーニング対象品が収容された状態で受け取られた場合に、当該クリーニング対象品を預けた渡航者の前記鞄を特定して当該クリーニング対象品を当該特定した鞄に収容するために、前記第1タグに保持されたタグ情報を読み取ることと、
第1表示手段が、前記読み取られたタグ情報に対応する前記鞄特定情報を表示することと、
前記渡航者が保持する渡航者端末が、前記渡航者を識別するための渡航者識別情報に対応する識別画像を表示することと、
画像読取手段が、前記表示された識別画像を読み取ることと、
第2表示手段が、前記渡航者識別情報と前記鞄特定情報とを関連付けて鞄データ記憶手段に予め記憶された鞄データにおいて、前記読み取られた識別画像に対応する前記渡航者識別情報に関連付けられた前記鞄特定情報を表示することとを含む
ことを特徴とする荷物管理方法。
【請求項2】
クリーニング通知手段が、前記タグ付きクリーニング袋が前記クリーニング済みのクリーニング対象品が収容された状態で受け取られた場合に、当該クリーニング対象品を預けた渡航者の予め登録された連絡先へクリーニングが完了したことを通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の荷物管理方法。
【請求項3】
渡航データ記憶手段が、前記渡航者の次回の出国予定を含む渡航データを保持することと、
クリーニング依頼手段が、クリーニング前の前記クリーニング対象品が収容された状態の前記タグ付きクリーニング袋が預けられた場合に、前記渡航データに示される前記渡航者の次回の出国予定までに前記クリーニング対象品のクリーニングが完了するようにクリーニングを依頼することとをさらに含む
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の荷物管理方法。
【請求項4】
クリーニングデータ記憶手段が、前記タグ付きクリーニング袋に収容された前記クリーニング前のクリーニング対象品に含まれる物品の種別及び数量を示すアイテム情報を含むクリーニングデータを保持することをさらに含み、
前記第1表示手段は、前記鞄特定情報に加えて、前記読み取られたタグ情報に対応する前記アイテム情報を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の荷物管理方法。
【請求項5】
前記クリーニングデータ記憶手段は、前記アイテム情報に加えて、前記タグ付きクリーニング袋に収容された前記クリーニング前のクリーニング対象品のクリーニングを完了させるまでの期間が予め定められた標準か、当該標準よりも短い急ぎかを示すクリーニング種別情報を含む前記クリーニングデータを保持し、
前記クリーニング依頼手段は、前記タグ付きクリーニング袋が前記クリーニング前のクリーニング対象品が収容された状態で預けられた場合に、前記クリーニング種別情報に基づいて、前記渡航データに示される前記渡航者の次回の出国予定までに前記クリーニング対象品のクリーニングが完了するようにクリーニング依頼
ことを特徴とする請求項4に記載の荷物管理方法。
【請求項6】
前記鞄データ記憶手段は、前記渡航者識別情報と前記鞄特定情報とに加えて、前記鞄のメンテナンスの要否を示すメンテナンス情報を関連付けた前記鞄データを記憶し、
前記荷物管理方法は、メンテナンス依頼手段が、前記鞄が預けられた場合に、前記渡航データに示される前記渡航者の次回の出国予定までに完了するように前記鞄のメンテナンスを依頼することをさらに含む
ことを特徴とする請求項から5のいずれか1項に記載の荷物管理方法。
【請求項7】
前記鞄特定情報は、前記鞄に関連付けて示される氏名、前記鞄の色、前記鞄の寸法、前記鞄の写真のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の荷物管理方法。
【請求項8】
前記鞄に関連付けて示される氏名は、前記鞄に記載された氏名、又は、前記鞄に取り付けられた札に記載された氏名である
ことを特徴とする請求項7に記載の荷物管理方法。
【請求項9】
前記書込み手段は、さらに、前記鞄を特定するための鞄特定情報に対応するタグ情報を、前記鞄に取り付けられる第2タグに保持させる
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の荷物管理方法。
【請求項10】
鞄とクリーニング対象品とを含む渡航者の荷物を預かって管理するための荷物管理コンピュータシステムであって、
前記鞄を特定するための鞄特定情報に対応するタグ情報を、前記クリーニング対象品を収容するためのクリーニング袋に取り付けられる第1タグに保持させる書込み手段と、
前記第1タグが取り付けられた前記クリーニング袋であるタグ付きクリーニング袋がクリーニング済みの前記クリーニング対象品が収容された状態で受け取られた場合に、当該クリーニング対象品を預けた渡航者の前記鞄を特定して当該クリーニング対象品を当該特定した鞄に収容するために、前記第1タグに保持されたタグ情報を読み取るタグ読取手段と、
前記読み取られたタグ情報に対応する前記鞄特定情報を表示する第1表示手段と、
前記渡航者が保持する装置であって、前記渡航者を識別するための渡航者識別情報に対応する識別画像を表示する渡航者端末と、
前記表示された識別画像を読み取る画像読取手段と、
前記渡航者識別情報と前記鞄特定情報とを関連付けて鞄データ記憶手段に予め記憶された鞄データにおいて、前記読み取られた識別画像に対応する前記渡航者識別情報に関連付けられた前記鞄特定情報を表示する第2表示手段とを備える
ことを特徴とする荷物管理コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物管理方法及び荷物管理コンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客から預かった荷物を管理するためのシステムとして、例えば特許文献1に記載の荷物預かりシステムがある。特許文献1に記載の荷物預かりシステム1は、図24に示すように、顧客バーコード2と、表示部を有する読取装置3と、ホストコンピュータ4と、ラベル発行装置5と、預かりラベル6と、荷物7とから構成される。
【0003】
荷物預かり処理では、顧客から荷物7を預かる時に顧客が所有する任意の物品8に表示された顧客バーコード2が読取装置3で読み取られる。物品8は、裏面にバーコードを表示したカードなどである。当該読み取られた顧客バーコード2の情報及び顧客バーコード2が読み取られた日時(西暦、日にち、時間)は、ホストコンピュータ4に送信される。
【0004】
ホストコンピュータ4は、顧客バーコード2の情報を暗号化手段によって暗号化した預かりバーコードを生成し、この預りバーコード及び顧客バーコード2が読み取られた日時及び荷物番号である顧客情報をラベル発行装置5に送信する。ラベル発行装置5は、顧客情報を表示した預かりラベル6を発行する。預かりラベル6が顧客の荷物7に貼り付けられた後、荷物7は、荷物預かり所の荷物置き場に置かれる。
【0005】
荷物引渡し処理では、顧客へ荷物7を引き渡す時に顧客が荷物7の引換券として使用する物品8に表示された顧客バーコード2が読取装置3で読み取られる。読取装置3は、読み取られた顧客バーコード2に対応する荷物番号を表示部に表示する。
【0006】
荷物預かり所の作業者は、複数の荷物7のある荷物置き場から読取装置3の表示部に表示された荷物番号に一致する荷物番号が表示された預かりラベル6が貼り付けられている荷物7を目視にて探し、探し当てたら預かりラベル6の預かりバーコード24を読み取りする。
【0007】
読取装置3は、顧客バーコード2と預かりバーコード24と照合し、照合が一致した場合、作業者は、その預かりラベル6の荷物7を顧客に引き渡す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−210349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般的に、出張などで月に数回以上の頻度で頻繁に渡航する渡航者がいる。このような渡航者の場合、自宅と空港との間で渡航用の鞄を持ち運ぶ手間を軽減するために、渡航に共通して必要になるスーツケースなどの荷物を空港などで預けておくことができると、極めて利便性がよい。
【0010】
また、荷物の中でもスーツ、ワイシャツなどは、次の渡航までにクリーニングしておく必要がある。そのため、渡航者は、スーツ、ワイシャツなどのクリーニング対象品を持ち帰ってクリーニングした後に、次の渡航時に持って行くことになる。クリーニング対象品も、空港などで預けてクリーニング後に、スーツケースなどとともに受け取れると、上述のような渡航者にとってさらに利便性が向上する。
【0011】
つまり、渡航者が、クリーニング対象品、スーツケースなどを含む荷物を預け、次の渡航時には、クリーニング後のクリーニング対象品とその他の荷物を受け取ることができる荷物預かりサービスに対する要望がある。
【0012】
しかしながら、クリーニング対象品は通常、少なくともクリーニングに出している間はスーツケースなどその他の荷物と物理的に分離される。また、特許文献1に記載の荷物預かりシステム1では、荷物7を特定する際に顧客バーコード2が必要であり、この顧客バーコード2は、顧客が所持する物品8に表示されている。このような特許文献1に記載の荷物預かりシステム1では通常、顧客が荷物を受け取りに来るまで、クリーニング後のクリーニング対象品をその他の荷物と関連付けることが困難である。
【0013】
そのため、特許文献1に記載の荷物預かりシステム1を上述の預かりサービスに適用するとしても、少なくともクリーニング対象品とその他の荷物とを個別に管理することになると考えられる。つまり、クリーニング対象品とその他の荷物とのそれぞれに預かりラベル6が発行されて貼り付けられることになると考えられる。また、渡航者は、それらの荷物が個別に探し当てられて照合された後に受け取ることになると考えられる。
【0014】
上述の預かりサービスでは多くの場合、渡航者は、預けた荷物をまとめて受け取る。同一渡航者の複数の荷物が個別に管理されると、荷物の各々を探し当てる時間などが掛かってしまい、荷物を受け取る際の渡航者の待ち時間が長くなって利便性が低下するおそれがある。
【0015】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、渡航者の利便性を向上させることが可能な荷物管理方法などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る荷物管理方法は、
鞄とクリーニング対象品とを含む渡航者の荷物を預かって管理するための荷物管理コンピュータシステムにおける荷物管理方法であって、
書込み手段が、前記鞄を特定するための鞄特定情報に対応するタグ情報を、前記クリーニング対象品を収容するためのクリーニング袋に取り付けられる第1タグに保持させることと、
タグ読取手段が、前記第1タグが取り付けられた前記クリーニング袋であるタグ付きクリーニング袋がクリーニング済みの前記クリーニング対象品が収容された状態で受け取られた場合に、当該クリーニング対象品を預けた渡航者の前記鞄を特定して当該クリーニング対象品を当該特定した鞄に収容するために、前記第1タグに保持されたタグ情報を読み取ることと、
第1表示手段が、前記読み取られたタグ情報に対応する前記鞄特定情報を表示することと、
前記渡航者が保持する渡航者端末が、前記渡航者を識別するための渡航者識別情報に対応する識別画像を表示することと、
画像読取手段が、前記表示された識別画像を読み取ることと、
第2表示手段が、前記渡航者識別情報と前記鞄特定情報とを関連付けて鞄データ記憶手段に予め記憶された鞄データにおいて、前記読み取られた識別画像に対応する前記渡航者識別情報に関連付けられた前記鞄特定情報を表示することとを含む。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る荷物管理コンピュータシステムは、
鞄とクリーニング対象品とを含む渡航者の荷物を預かって管理するための荷物管理システムであって、
前記鞄を特定するための鞄特定情報に対応するタグ情報を、前記クリーニング対象品を収容するためのクリーニング袋に取り付けられる第1タグに保持させる書込み手段と、
前記第1タグが取り付けられた前記クリーニング袋であるタグ付きクリーニング袋がクリーニング済みの前記クリーニング対象品が収容された状態で受け取られた場合に、当該クリーニング対象品を預けた渡航者の前記鞄を特定して当該クリーニング対象品を当該特定した鞄に収容するために、前記第1タグに保持されたタグ情報を読み取るタグ読取手段と、
前記読み取られたタグ情報に対応する前記鞄特定情報を表示する第1表示手段と、
前記渡航者が保持する装置であって、前記渡航者を識別するための渡航者識別情報に対応する識別画像を表示する渡航者端末と、
前記表示された識別画像を読み取る画像読取手段と、
前記渡航者識別情報と前記鞄特定情報とを関連付けて鞄データ記憶手段に予め記憶された鞄データにおいて、前記読み取られた識別画像に対応する前記渡航者識別情報に関連付けられた前記鞄特定情報を表示する第2表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、渡航者の利便性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施の形態に係る荷物管理システムの構成を示す図である。
図2】一実施の形態に係る荷物管理装置の機能的な構成を示す図である。
図3】会員管理データの一例を示す図である。
図4】鞄データの一例を示す図である。
図5】渡航データの一例を示す図である。
図6】クリーニングデータの一例を示す図である。
図7】一実施の形態に係る渡航者端末の機能的な構成を示す図である。
図8】一実施の形態に係る店舗装置の機能的な構成を示す図である。
図9】一実施の形態に係るログイン処理の流れを示す図である。
図10】ログイン画面の一例を示す図である。
図11】メニュー画面の一例を示す図である。
図12】会員情報登録画面の一例を示す図である。
図13】鞄特定情報登録画面の一例を示す図である。
図14】渡航情報登録画面の一例を示す図である。
図15】アイテム情報登録画面の一例を示す図である。
図16】メンテナンス情報登録画面の一例を示す図である。
図17】一実施の形態に係るタグ付きクリーニング袋配布処理の流れを示す図である。
図18】一実施の形態に係る荷物預かり処理の流れを示す図である。
図19】預かり画面の一例を示す図である。
図20】一実施の形態に係るクリーニング受取処理の流れを示す図である。
図21】受取画面の一例を示す図である。
図22】一実施の形態に係る荷物引渡し処理の流れを示す図である。
図23】引渡し画面の一例を示す図である。
図24】関連技術に係る荷物預かりシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。全図を通じて同一の要素には同一の符号を付す。
【0021】
本発明の一実施の形態に係る荷物管理システム100は、予め会員登録された渡航者から空港、その近辺などの店舗で渡航者の荷物を預かって、当該預かった荷物を管理するためのシステムである。
【0022】
渡航者は、典型的には、出張などで数か月に数回からひと月に数回以上の頻度で頻繁に渡航する者である。渡航者から預かる荷物は、典型的には複数の渡航で共通に持参する物品であって、スーツケース101とクリーニング対象品とを含む。本実施の形態に係るスーツケース101は、鞄の一例である。
【0023】
クリーニング対象品は、渡航者が次の渡航のためにクリーニングを依頼するべく選別するアイテムであって、例えば渡航中に使用したスーツ、ワイシャツ、ネクタイ、ソックス、タオルなどである。
【0024】
荷物の預かりサービスを提供するサービス提供者は、クリーニング対象品を渡航者から預かると、渡航者が次に出国するまでに(すなわち、帰国中に)そのクリーニングを済ませておく。そして、サービス提供者は、渡航者が次に出国するまで、クリーニング済みのクリーニング対象品をスーツケース101に収容して保管する。
【0025】
サービス提供者は、歯ブラシ、シェイバーなどその他の荷物を預かってもよく、これらは、スーツケース101に収容して保管されるとよい。
【0026】
荷物管理システム100は、図1に示すように、荷物管理装置102と、渡航者端末103と、クリーニング袋104と、第1タグ105と、書込み手段及びタグ読取手段としてのリーダライタ106と、画像読取手段としての画像読取装置107と、第1表示手段及び第2表示手段としての店舗表示部108を含む店舗端末109とを備える。
【0027】
荷物管理装置102は、渡航者端末103と店舗端末109との各々と通信回線N1を介して相互にデータを送受信可能に接続されている。また、店舗端末109は、通信回線N2,N3のそれぞれを介して、リーダライタ106と画像読取装置107とのそれぞれと相互にデータを送受信可能に接続されている。通信回線N1〜N3は、有線回線と無線回線とを適宜組み合わせて構成されるとよい。なお、図1の点線は、渡航者端末103に接続される通信回線が無線回線であることを示す。
【0028】
荷物管理装置102は、渡航者から預かった荷物を管理するための装置であって、典型的にはネットワークN1に接続されたコンピュータである。荷物管理装置102は、物理的には例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、通信回線N1を介して通信するための通信インタフェース、入力手段としてのキーボードやマウス(図示せず)、表示部としてのディスプレイ(図示せず)などから構成される。荷物管理装置102は、予めインストールされたソフトウェアプログラムを実行することで、各種の機能を発揮して処理を実行する。
【0029】
渡航者端末103は、渡航者が所持する装置であって、典型的にはネットワークN1に接続可能なスマートフォン、タブレット端末などの携帯可能な端末装置である。渡航者端末103は、物理的には例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、通信回線N1を介して通信するための通信インタフェース、入力手段としてのタッチパネル、端末表示部110としての液晶ディスプレイなどから構成される。渡航者端末103は、荷物管理装置102などから提供されるソフトウェアプログラムをネットワークN1を介してダウンロードしてインストールすることで、各種の機能を発揮して処理を実行する。
【0030】
荷物の預かりサービスの提供を受けるには、渡航者は予め会員登録する必要がある。会員登録に必要な情報などの各種情報は、ソフトウェアキーボードなどタッチパネルを利用して渡航者端末103に入力され、渡航者端末103から通信回線N1を通じて荷物管理装置102に設定される。
【0031】
渡航者端末103の端末表示部110は、渡航者の操作に応じて、会員登録時に渡航者に対して付与される会員IDに対応する識別画像Pを表示する。本実施の形態に係る会員IDは、会員登録された渡航者を識別するための情報である渡航者識別情報の一例であって、例えば当該渡航者に固有の数字、文字などの組み合わせから構成される。
【0032】
識別画像Pは、例えば二次元コードであるが、これに限られず、バーコード、文字、数字、記号などであってもよく、これらを組み合わせて構成されてもよい。
【0033】
クリーニング袋104は、渡航者のクリーニング対象品を収容するための袋であって、例えばビニル製の袋である。クリーニング袋104は、渡航する前に渡航者に配布される。渡航者は、渡航中にクリーニング対象品をクリーニング袋104に収容し、帰国時にスーツケース101などとともにサービス提供者にその店舗で預けられる。サービス提供者は、渡航者が次に出国するまでにクリーニング対象品のクリーニングを済ませておき、渡航者が次に出国するまでクリーニング済みのクリーニング対象品をクリーニング袋104に収容した状態でスーツケース101に収容して保管する。なお、クリーニング袋104は、必要に応じてサービス提供者によって新しいものと取り換えられてもよいのはもちろんである。
【0034】
第1タグ105は、クリーニング袋104に取り付けられるRF(Radio Frequency)タグであって、タグ情報を保持する。第1タグ105は、クリーニング袋104に着脱可能に取り付けられる。クリーニング対象品は、サービス提供者と、渡航者及びクリーニングの依頼先(例えば、クリーニング業者)との間で、第1タグ105が取り付けられたクリーニング袋104であるタグ付きクリーニング袋TBに収容された状態で授受される。
【0035】
リーダライタ106は、第1タグ105と無線で通信することによって第1タグ105からタグ情報を読み取り、第1タグ105にタグ情報を保持させる装置である。
【0036】
詳細には、リーダライタ106は、サービス提供者が渡航者へタグ付きクリーニング袋を配布する場合に、店舗端末109からタグ情報を取得すると、当該取得したタグ情報を第1タグ105に保持させる。また、リーダライタ106は、サービス提供者が渡航者から荷物を預かる場合に、サービス提供者の操作に基づいてタグ付きクリーニング袋TBの第1タグ105に保持されたタグ情報を読み取り、当該読み取ったタグ情報を店舗端末109へ出力する。
【0037】
なお、本実施の形態では、第1タグ105にタグ情報を保持させる書込み手段としての機能と、第1タグに保持されたタグ情報を読み取るタグ読取手段としての機能とが1つの装置であるリーダライタ106によって構成される例により説明するが、書込み手段とタグ読取手段とが個別の装置で構成されてもよい。
【0038】
本実施の形態において第1タグ105に保持されるタグ情報は、鞄IDである。本実施の形態に係る鞄IDは、渡航者の会員登録時に当該渡航者の鞄に対して付与される情報であって、渡航者の鞄としてのスーツケース101を特定するための鞄特定情報に対応する情報の一例である。鞄IDは、例えばスーツケース101に固有の数字、文字などの組み合わせから構成される。
【0039】
また、鞄特定情報は、会員登録時に渡航者によって登録される情報であって、本実施の形態ではスーツケース101に取り付けられた札111に記載された氏名、スーツケース101の色、スーツケース101の寸法を含む。また、スーツケース101の寸法は、スーツケースの幅と奥行きと高さを含む。
【0040】
このような鞄特定情報を参照することで、スーツケース101をその外観から容易に特定することができる。
【0041】
なお、鞄特定情報は、スーツケース101を特定できる情報であればよく、スーツケース101に関連付けて示される文字、スーツケース101の色、スーツケース101の寸法、スーツケース101の状態のうちの少なくとも1つ又は複数の組み合わせを示す情報であってもよい。スーツケース101の状態とは例えば、スーツケース101に凹みや傷がある場合にはその場所と程度、スーツケース101の外観や内部を撮影した写真などである。また、上述のスーツケース101に取り付けられた札111に記載された氏名は、鞄に関連付けて示される文字の一例であって、鞄に関連付けて示される文字は、スーツケース101に記載された氏名などの文字などであってもよい。
【0042】
画像読取装置107は、識別画像Pが端末表示部110に表示されている場合に、サービス提供者の操作に基づいて当該表示された識別画像Pを読み取る装置であって、例えばハンディスキャナである。画像読取装置107は、当該読み取った識別画像Pに対応する会員IDを生成する。
【0043】
なお、第1タグ105は、二次元コード、バーコードなどが印刷されたラベル(シール)などであってもよく、この場合、書込み手段はプリンタなどであり、タグ読取手段は、画像読取手段と共通の画像読取装置107であってもよい。
【0044】
店舗端末109は、荷物管理装置102、リーダライタ106、画像読取装置107との間で相互にデータを送受信し、鞄特定情報などを表示する装置であって、典型的にはネットワークN1〜N3に接続されたコンピュータ、タブレット端末などである。店舗端末109は、例えば空港やその近辺に開設されるサービス提供者の店舗に設置され、サービス提供者によって操作される。
【0045】
店舗端末109は、物理的には例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、通信回線N1〜N3を介して通信するための通信インタフェース、入力手段としてのキーボードやマウス(図示せず)、店舗表示部108を構成するディスプレイなどから構成される。店舗端末109は、予めインストールされたソフトウェアプログラムを実行することで、各種の機能を発揮して処理を実行する。
【0046】
なお、本実施の形態では店舗表示部108が、リーダライタ106によって読み取られた鞄IDに対応する鞄特定情報を表示する第1表示手段としての機能と、画像読取装置107によって読み取られた識別画像Pに対応する鞄特定情報を表示する第2表示手段としての機能とを兼ね備える例により説明するが、第1表示手段と第2表示手段と一方又は両方が、店舗端末109とは別の装置に含まれる表示装置又は表示部で構成されてもよい。
【0047】
荷物管理装置102は、機能的には図2に示すように、会員管理データ記憶部112と、鞄データ記憶部113と、渡航データ記憶部114と、クリーニングデータ記憶部115と、ログイン判定部116と、書込み情報送信部117と、預かり情報送信部118と、クリーニング依頼部119と、メンテナンス依頼部120と、受取情報送信部121と、クリーニング通知部122と、引渡し情報送信部123とを備える。
【0048】
会員管理データ記憶部112は、会員管理データ124を保持するとともにそれを読み書きするための制御を行う。会員管理データ124は、例えば図3に示すように、会員IDと会員情報とが関連付けられたデータである。会員情報は、渡航者に関連する情報であって、会員登録の際に入力する情報として予め定められている。本実施の形態に係る会員情報は、例えば渡航者の電子メールのアドレス、パスワード、氏名を含む。なお、会員情報は、氏名を含んでいなくてもよく、さらに住所、電話番号などを含んでもよい。
【0049】
本実施の形態では、会員登録済みの渡航者は渡航者端末103から荷物管理装置102にログインして当該渡航者に関連する各種情報の登録などの処理を荷物管理装置102にさせることができる。このログインには、渡航者のログインID(Identification)、パスワードがログイン情報として利用される。本実施の形態では、会員情報に含まれる電子メールのアドレス、パスワードのそれぞれが、ログインの際の渡航者のログインID、パスワードとして利用される。なお、ログインIDが渡航者識別情報として利用されてもよい。
【0050】
鞄データ記憶部113は、鞄データ125を保持するとともにそれを読み書きするための制御を行う。鞄データ125は、例えば図4に示すように、会員IDと鞄特定情報とメンテナンス情報とが関連付けられたデータである。
【0051】
メンテナンス情報は、スーツケース101のメンテナンスの要否を示す情報であって、メンテナンスが必要な場合にはその旨のメンテナンス情報が渡航者によって登録される。
【0052】
渡航データ記憶部114は、渡航データ126を保持するとともにそれを読み書きするための制御を行う。渡航データ126は、例えば図5に示すように、会員IDと渡航情報とが関連付けられたデータである。渡航情報は、渡航者の渡航予定に関連する情報であって、本実施の形態では、予定されている出国日時と帰国日時とを含む。なお、渡航情報は、少なくとも渡航者の次回の出国予定を含めばよい。
【0053】
なお、渡航情報は、出国日時、帰国日時のそれぞれに代えて、渡航者が搭乗予定の航空機のフライト番号、搭乗締切日時、到着予定日時などが採用されてもよく、さらに渡航先などを含んでもよい。
【0054】
クリーニングデータ記憶部115は、クリーニングデータ127を保持するとともにそれを読み書きするための制御を行う。クリーニングデータ127は、例えば図6に示すように、会員IDとアイテム情報とクリーニング種別情報とが関連付けられたデータである。
【0055】
アイテム情報は、クリーニング対象品に含まれる物品の種別及び数量を示す情報である。物品の種別は、例えばワイシャツ、スーツなどであり、数量は、各種別の数である。
【0056】
クリーニング種別情報は、図6に例示するように、「標準」と「急ぎ」とのいずれかのクリーニング種別を示す情報であって、クリーニング対象品のクリーニングを完了させるまでの期間がどの程度であるかを示す。
【0057】
詳細には、「標準」は、クリーニング対象品のクリーニングを完了させるまでの期間が予め定められた標準の期間でよいことを示す。「急ぎ」は、標準の期間よりも短い期間内にクリーニング対象品のクリーニングを完了させる必要があることを示す。
【0058】
ログイン判定部116は、渡航者端末103から送信されるログイン情報に基づいて、当該ログイン情報を送信した渡航者端末103からのログインを許可するか否かを判定する。許可すると判定した場合、ログイン判定部116は、会員IDを渡航者端末103へ送信する。
【0059】
書込み情報送信部117は、渡航者端末103から送信された会員IDを受信すると、当該受信した会員IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄IDを取得する。書込み情報送信部117は、当該取得した鞄IDを店舗端末109へ送信する。
【0060】
預かり情報送信部118は、店舗端末109から送信される鞄IDを受信し、当該受信した鞄IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄特定情報を取得する。預かり情報送信部118は、当該取得した鞄特定情報を店舗端末109へ送信する。
【0061】
クリーニング依頼部119は、店舗端末109から送信された鞄IDを受信した場合に、当該受信した鞄IDにクリーニングデータ127にて関連付けられたアイテム情報とクリーニング種別情報とをクリーニングデータ記憶部115から取得する。クリーニング依頼部119は、取得したアイテム情報とクリーニング種別情報とを含むクリーニング依頼情報を、予め定められた装置(図示せず)へ送信する。このとき、クリーニングは、渡航者が次回の渡航のために出国するまでに完了するように依頼される。
【0062】
メンテナンス依頼部120は、店舗端末109から送信された鞄IDを取得した場合に、当該取得した鞄IDに鞄データ125にて関連付けられたメンテナンス情報を参照し、必要に応じて、予め定められたメンテナンス依頼情報を予め定められた装置(図示せず)へ送信する。このとき、メンテナンスは、渡航者が次回の渡航のために出国するまでに完了するように依頼される。
【0063】
受取情報送信部121は、クリーニング済みのクリーニング対象品を受け取る場合に、店舗端末109から送信される鞄IDを受信する。受取情報送信部121は、当該受信した鞄IDにクリーニングデータ127及び鞄データ125にて関連付けられたアイテム情報、鞄特定情報及び会員IDを、クリーニングデータ記憶部115及び鞄データ記憶部113から取得する。受取情報送信部121は、当該取得した情報のうち、アイテム情報と鞄特定情報とを店舗端末109へ送信する。
【0064】
クリーニング通知部122は、荷物管理装置102から送信されたクリーニング通知指示を受信すると、受取情報送信部121によって取得されたIDに会員管理データ124にて関連付けられた電子メールアドレスを取得する。そして、クリーニング通知部122は、当該取得された電子メールアドレスへ、クリーニングが完了したことを知らせるための電子メールを送信する。
【0065】
引渡し情報送信部123は、会員IDを店舗端末109から受信すると、当該取得した会員IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄特定情報を取得し、当該取得した鞄特定情報を店舗端末109へ送信する。
【0066】
渡航者端末103は、機能的には図7に示すように、ログイン処理部128と、渡航者識別情報記憶部129と、識別画像表示部130とを備える。
【0067】
ログイン処理部128は、渡航者からログイン情報の入力を受け付けと、当該受け付けたログイン情報を荷物管理装置102へ送信する。当該送信したログイン情報に基づいて荷物管理装置102へのログインが許可される場合、ログイン処理部128は、荷物管理装置102から送信される会員IDを受信する。
【0068】
渡航者識別情報記憶部129は、ログイン処理部128によって受信された会員IDを保持する。渡航者の操作に基づいて荷物管理装置102からログアウトする場合、渡航者識別情報記憶部129に保持された会員IDは消去される。
【0069】
識別画像表示部130は、渡航者識別情報記憶部129に会員IDが保持されている場合に、当該保持された会員IDに対応する識別画像Pを端末表示部110に表示させる。
【0070】
店舗端末109は、図8に示すように、配布処理部131と、タグ情報送信部132と、預かり処理部133と、受取処理部134と、引渡し処理部135とを備える。
【0071】
配布処理部131は、画像読取装置107によって生成される会員IDを取得し、当該取得した会員IDを荷物管理装置102へ送信する。配布処理部131は、当該送信した会員IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄IDを荷物管理装置102から受信すると、当該受信した鞄IDをリーダライタ106へ出力する。
【0072】
タグ情報送信部132は、リーダライタ106から鞄IDを取得すると、当該取得した鞄IDを荷物管理装置102へ送信する。
【0073】
預かり処理部133は、荷物管理装置102から鞄特定情報を受信し、当該受信した鞄特定情報を第1表示手段としての店舗表示部108に表示させる。預かり処理部133は、サービス提供者の操作に基づいて、店舗表示部108に表示された鞄特定情報の内容が渡航者から預かるスーツケース101と一致しているか否かを判定する。預かり処理部133は、一致していると判定した場合に、当該スーツケース101とともに預かるタグ付きクリーニング袋TBの第1タグ105に保持された鞄IDを荷物管理装置102へ送信する。
【0074】
受取処理部134は、荷物管理装置102から送信されるアイテム情報と鞄特定情報とを受信し、当該受信したアイテム情報と鞄特定情報とを店舗表示部108に表示させる。受取処理部134は、サービス提供者の操作に基づいて、店舗表示部108に表示されたアイテム情報の内容がクリーニング業者から受け取るクリーニング済みのクリーニング対象品と一致するか否かを判定する。受取処理部134は、一致していると判定した場合に、荷物管理装置102にクリーニング通知指示を送信する。
【0075】
引渡し処理部135は、荷物管理装置102から送信された鞄特定情報とを受信し、当該受信した鞄特定情報を第2表示手段としての店舗表示部108に表示させる。
【0076】
これまで、本発明の一実施の形態に係る荷物管理システム100の構成について説明した。ここから、本実施の形態に係る荷物管理方法について説明する。
【0077】
荷物管理方法は、渡航者から荷物を預かり、当該預かった荷物に含まれるクリーニング対象品及びスーツケース101のそれぞれのクリーニング及びメンテナンスを必要に応じて行って、渡航者が次回の渡航のために出国する際に荷物を渡航者に引き渡すための方法である。
【0078】
荷物管理方法では、荷物管理システム100を構成する各装置102,103,106,107,109が、渡航者、サービス提供者の操作に応じて以下に説明する処理を実行する。これらの処理を実行する前提として、渡航者は既に会員登録を済ませているものとし、また、会員管理データ124、鞄データ125、渡航データ126、クリーニングデータ127のそれぞれが、荷物管理装置102に予め登録されているものとする。
【0079】
(ログイン処理)
図9は、ログイン処理の流れを示す図である。ログイン処理は、会員登録済みの渡航者が渡航者端末103から荷物管理装置102にログインするための処理である。ログイン処理は、例えば、渡航者端末103にてソフトウェアプログラムを起動した直後に実行される。
【0080】
ログイン処理部128は、ログイン情報の入力を受け付ける(ステップS101)。
【0081】
詳細には、ログイン処理部128は、渡航者がログイン情報を入力するためのログイン画面を端末表示部110に表示させる。ログイン画面は、図10に例示するように、予め定められたログイン情報を入力するための入力欄を含む。
【0082】
本実施の形態ではログイン情報は、上述の通り、電子メールアドレスとパスワードとの組み合わせで構成される。そのため、ログイン画面では、電子メールアドレスとパスワードとのそれぞれに対応する入力欄が設けられている。渡航者は、各入力欄に対応付けられたログイン情報を入力し、入力が完了するとログインボタンを押下する。これにより、渡航者が入力したログイン情報が、ログイン処理部128によって受け付けられる。なお、キャンセルボタンが押下されると、ログイン処理部128は、ログイン処理を終了する。
【0083】
ログイン処理部128は、ステップS101にて受け付けたログイン情報を荷物管理装置102へ送信する(ステップS102)。ログイン判定部116は、ステップS102にて送信されたログイン情報を通信回線N1を介して受信する(ステップS103)。
【0084】
ログイン判定部116は、ステップS103にて受信したログイン情報に基づいて、当該ログイン情報を送信した渡航者端末103からのログインを許可するか否かを判定する(ステップS104)。
【0085】
詳細には、ログイン判定部116は、ステップS103にてログイン情報が会員管理データ記憶部112に記憶された会員管理データ124に含まれているか否かに基づいて、ログインを許可するか否かを判定する。
【0086】
より詳細には、ログイン判定部116は、ステップS103にて受信したログイン情報が会員管理データ124に含まれていない場合、ログインを許可しないと判定する。また、ログイン判定部116は、ステップS103にて受信したログイン情報が会員管理データ124に含まれている場合、ログインを許可すると判定する。
【0087】
ログインを許可しないと判定した場合(ステップS104;No)、ログイン判定部116は、当該判定結果を示す情報を渡航者端末103へ送信する。ログイン処理部128は、ログインを許可しないとの判定結果を示す情報を荷物管理装置102から受信すると、テップS101を再び実行する。このとき、ログイン画面には、ログイン情報が誤っていることを渡航者に知らせるためのメッセージが含まれてもよい。
【0088】
ログインを許可すると判定した場合(ステップS104;No)、ログイン判定部116は、ステップS103にて受信されたログイン情報に会員管理データ124にて関連付けられた会員IDを渡航者端末103へ送信する(ステップS105)。ログイン処理部128は、ステップS105にて送信された会員IDを通信回線N1を介して受信する(ステップS106)。
【0089】
渡航者識別情報記憶部129は、ステップS106にて受信された会員IDを保持する(ステップS109)。
【0090】
識別画像表示部130は、ステップS109にて保持された会員IDに対応する識別画像Pを表示する。本実施の形態では、識別画像表示部130は、識別画像Pを含むメニュー画面を端末表示部110に表示させる(ステップS110)。これにより、ログイン処理は終了する。
【0091】
メニュー画面は、図11に例示するように、識別画像Pの他に、会員情報登録ボタン、鞄特定情報登録ボタン、渡航情報登録ボタン、アイテム情報登録ボタン及びメンテナンス情報登録ボタンを含む。これらのボタンのいずれかが押下されると、押下されたボタンに応じた情報を渡航者端末103を通じて荷物管理装置102に登録するための処理が開始される。
【0092】
本実施の形態では、会員情報登録ボタン、鞄特定情報登録ボタン、渡航情報登録ボタン、アイテム情報登録ボタン及びメンテナンス情報登録ボタンのそれぞれが押下された場合、渡航者端末103は、会員情報登録画面、鞄特定情報登録画面、渡航情報登録画面、アイテム情報登録画面、メンテナンス情報登録画面を端末表示部110に表示する。図12〜16は、ぞれぞれ、会員情報登録画面、鞄特定情報登録画面、渡航情報登録画面、アイテム情報登録画面、メンテナンス情報登録画面の一例を示す。
【0093】
会員情報登録画面、会員情報登録画面、鞄特定情報登録画面、渡航情報登録画面、アイテム情報登録画面、メンテナンス情報登録画面は、それぞれ、会員情報、鞄特定情報、渡航情報、アイテム情報、メンテナンス情報を入力するための入力欄を含む。これらの情報について荷物管理装置102に登録済みの情報がある場合、渡航者端末103は、当該登録済みの情報を荷物管理装置102から受信し、各入力欄に受信した情報が入力された状態で画面を表示するとよい。
【0094】
渡航者は、タッチパネルを利用して各入力欄に情報を入力した後に、登録ボタンを押下する。これにより、入力された情報が、荷物管理装置102へ送信される。ここで、キャンセルボタンが押下されると、渡航者端末103は実行中の登録処理を終了し、識別画像表示部130がメニュー画面を端末表示部110に表示する。
【0095】
荷物管理装置102は、荷物管理装置102から会員情報、鞄特定情報、渡航情報、アイテム情報、メンテナンス情報のいずれかを受信すると、受信した情報をそれに応じた記憶部112〜115に保持する。
【0096】
詳細には、荷物管理装置102は、会員情報を受信した場合、その情報を会員管理データ記憶部112に保持する。荷物管理装置102は、鞄特定情報を受信した場合、その情報を鞄データ記憶部113に保持する。荷物管理装置102は、渡航情報を受信した場合、その情報を渡航データ記憶部114に保持する。荷物管理装置102は、アイテム情報を受信した場合、その情報をクリーニングデータ記憶部115に保持する。荷物管理装置102は、メンテナンス情報を受信した場合、その情報を鞄データ記憶部113に保持する。
【0097】
このような処理によって、各情報を荷物管理装置102に初期登録することができるとともに、登録済みの情報を修正して荷物管理装置102に登録することができる。
【0098】
なお、図12〜16は各登録画面の一例に過ぎず、適宜変更されてもよい。例えば図14では、渡航情報として、次回の渡航予定に加えて、その先の渡航予定を入力できる渡航情報登録画面の例を示すが、少なくとも次回の渡航予定が登録できればよく、この他に登録できる渡航予定の数は適宜変更されてよい。また、図15では、物品の種別として、ワイシャツ、スーツ、ネクタイ、タオルを含み、それぞれの数量を入力するアイテム情報登録画面の例を示すが、物品の種別は適宜変更されてもよく、さらに渡航者が任意で設定できる項目が設けられてもよい。さらに、図16ではチェックボックスを選択することで、メンテナンスの要否を登録するメンテナンス情報登録画面の例を示すが、メンテナンス情報の登録方法はこれに限られず、適宜の方法で入力されてもよい。
【0099】
(タグ付きクリーニング袋配布処理)
図17は、タグ付きクリーニング袋配布処理の流れを示す図である。クリーニング袋配置処理は、タグ付きクリーニング袋TBを渡航者に配布するための処理であって、例えば店舗端末109が予め定められた指示を受け付けると開始される。クリーニング袋配置処理の開始時には、ログイン処理を実行することによって渡航者端末103から荷物管理装置102にログインされ、識別画像Pが端末表示部110に表示されているものとする。
【0100】
画像読取装置107は、サービス提供者の操作に基づいて、端末表示部110に表示された識別画像Pを読み取る(ステップS201)。画像読取装置107は、ステップS201にて読み取った識別画像Pに対応する会員IDを生成して(ステップS202)。画像読取装置107は、当該生成した会員IDを店舗端末109へ出力する。
【0101】
配布処理部131は、ステップS202にて生成された会員IDを取得し、当該取得した会員IDを荷物管理装置102へ送信する(ステップS203)。
【0102】
なお、画像読取装置107は、読み取った識別画像Pを示す情報を配布処理部131へ送信し、配布処理部131は、当該送信された識別画像Pを示す情報に基づいて、会員IDを生成して荷物管理装置102へ送信してもよい。
【0103】
書込み情報送信部117は、ステップS203にて送信された会員IDを受信すると、当該受信した会員IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄IDを取得し(ステップS204)、当該取得した鞄IDを店舗端末109へ送信する。
【0104】
配布処理部131は、ステップS204にて取得された鞄IDを荷物管理装置102から受信すると、当該受信した鞄IDをリーダライタ106へ出力する(ステップS205)。
【0105】
リーダライタ106は、店舗端末109から鞄IDを取得すると、当該取得した鞄IDを第1タグ105に保持させる(ステップS206)。これにより、鞄IDが、タグ情報として第1タグ105に書き込まれる。
【0106】
サービス提供者が、第1タグ105をクリーニング袋104に取り付ける。例えば、クリーニング袋104には第1タグ105を収容するためのタグ用ポケットが設けられており、このタグ用ポケットに第1タグ105を収容することによって、第1タグ105はクリーニング袋104に収容されてタグ付きクリーニング袋TBが作製される。作製されたタグ付きクリーニング袋TBは、渡航者に配布される。
【0107】
(荷物預かり処理)
図18は、荷物預かり処理の流れを示す図である。荷物預かり処理は、サービス提供者が渡航者から荷物を預かるための処理であって、例えば店舗端末109が予め定められた指示を受け付けると開始される。サービス提供者は、クリーニング前のクリーニング対象品が収容されたタグ付きクリーニング袋TBをスーツケース101とともに預けるために渡航者が店舗に持ち込むと、預かり処理の開始を店舗端末109に指示する。
【0108】
荷物預かり処理の開始時には、ログイン処理を実行することによって渡航者端末103から荷物管理装置102にログインされ、識別画像Pが端末表示部110に表示されているものとする。
【0109】
リーダライタ106が、タグ付きクリーニング袋TBの第1タグ105に保持された鞄IDを読み取り(ステップS301)、店舗端末109へ出力する。タグ情報送信部132は、ステップS301にて読み取られた鞄IDをリーダライタ106から取得し、当該取得した鞄IDを荷物管理装置102へ送信する(ステップS302)。
【0110】
預かり情報送信部118は、ステップS302にて送信された鞄IDを受信し、当該受信した鞄IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄特定情報を取得する。預かり情報送信部118は、当該取得した鞄特定情報を店舗端末109へ送信する(ステップS303)。
【0111】
預かり処理部133は、ステップS303にて送信された鞄特定情報を受信し、当該受信した鞄特定情報を店舗表示部108に預かり画面136として表示させる(ステップS304)。図19は、預かり画面136の一例を示す。
【0112】
預かり処理部133は、サービス提供者の操作に基づいて、店舗表示部108に表示された鞄特定情報の内容が渡航者から預かるスーツケース101と一致しているか否かを判定する(ステップS305)。
【0113】
詳細には、サービス提供者は、店舗表示部108に表示された鞄特定情報の内容が渡航者から預かるスーツケース101に一致するか否かを確認し、一致していない場合には、預かり画面136に含まれる終了ボタンを押下する。
【0114】
また、店舗表示部108に表示された鞄特定情報の内容が渡航者から預かるスーツケース101と一致している場合には、サービス提供者は預かり画面136に含まれる一致ボタンを押下する。この場合、サービス提供者は、スーツケース101と、クリーニング前のクリーニング対象品が収容されたタグ付きクリーニング袋TBとを渡航者から預かる。
【0115】
預かり処理部133は、預かり画面136の終了ボタンが押下されると、一致していないと判定し(ステップS305;No)、荷物管理装置102に預かり処理の終了指示を送信して荷物預かり処理を終了する。また、荷物管理装置102は、預かり処理の終了指示を受信し、これに応じて預かり処理を終了する。
【0116】
預かり処理部133は、預かり画面136の一致ボタンが押下されると、一致していると判定し(ステップS305;Yes)、荷物を預かることを示す情報としてステップS301にて読み取られた鞄IDを荷物管理装置102へ送信する(ステップS306)。
【0117】
クリーニング依頼部119は、ステップS306にて送信された鞄IDを店舗端末109から受信すると、当該受信した鞄IDにクリーニングデータ127にて関連付けられたアイテム情報とクリーニング種別情報とをクリーニングデータ記憶部115から取得する。クリーニング依頼部119は、取得したアイテム情報とクリーニング種別情報とを含むクリーニング依頼情報を、予め定められたクリーニング管理装置へ送信する。これによって、クリーニング依頼部119は、クリーニングを依頼する(ステップS307)。クリーニング管理装置は、例えば、クリーニングの依頼を受け付けるために、クリーニングの依頼先(例えば、クリーニング業者)に設置されたコンピュータである。
【0118】
このとき、クリーニングは、渡航者が次回の渡航のために出国するまでに完了するように依頼される。本実施の形態では、クリーニングは、クリーニング種別情報によって、クリーニングを完了させる期間を指定して依頼される。
【0119】
メンテナンス依頼部120は、ステップS306にて送信された鞄IDをクリーニング依頼部119から取得する。そして、メンテナンス依頼部120は、当該取得した鞄IDに鞄データ125にて関連付けられたメンテナンス情報に基づいて、スーツケース101のメンテナンスが必要か否かを判定する(ステップS308)。
【0120】
メンテナンスが必要でないことをメンテナンス情報が示す場合、メンテナンス依頼部120は、メンテナンスが必要でないと判定し(ステップS308;No)、荷物預かり処理を終了する。
【0121】
メンテナンスが必要であることをメンテナンス情報が示す場合、メンテナンス依頼部120は、メンテナンスが必要であると判定し(ステップS308;Yes)、メンテナンス依頼情報を、予め定められたメンテナンス管理装置へ送信する。これによって、メンテナンス依頼部120は、スーツケース101のメンテナンスを依頼する(ステップS309)。メンテナンス管理装置は、例えば、メンテナンスの依頼を受け付けるために、メンテナンスの依頼先(例えば、メンテナンス業者)に設置されたコンピュータである。
【0122】
このとき、メンテナンスは、渡航者が次回の渡航のために出国するまでに完了するように依頼される。例えば、サービス提供者が、店舗端末109を利用して渡航データ126を参照して、渡航者の次回の出国までに完了するようにメンテナンスの期間を適宜設定してスーツケース101のメンテナンスを依頼する。
【0123】
その後、クリーニングの依頼を受けたクリーニング業者は、例えばサービス提供者の店舗にて、クリーニング前のクリーニング対象品が収容されたタグ付きクリーニング袋TBを受け取る。そして、クリーニング業者は、依頼に応じた期間内にクリーニングを完了し、クリーニング済みのクリーニング対象品をサービス提供者の店舗へ配送する。このとき、クリーニング済みのクリーニング対象品は、タグ付きクリーニング袋TBに収容された状態でサービス提供者に引き渡される。
【0124】
スーツケース101のメンテナンスについても同様に処理される。すなわち、メンテナンスの依頼を受けたメンテナンス業者は、例えばサービス提供者の店舗にて、メンテナンス前のスーツケース101を受け取る。そして、メンテナンス業者は、依頼に応じた期間内にメンテナンスを完了し、メンテナンス済みのスーツケース101をサービス提供者の店舗へ配送する。
【0125】
なお、本実施の形態ではクリーニング及びメンテナンスは、店舗端末109を介して荷物管理装置102から依頼される例を説明したが、クリーニング及びメンテナンスの一方又は両方は、これらの装置102,109を利用せずに、サービス提供者によって渡航者の次回の出国までに完了するようにクリーニングの期間が指定されてクリーニング業者又はメンテナンス業者に依頼されてもよい。
【0126】
(クリーニング受取処理)
図20は、クリーニング受取処理の流れを示す図である。クリーニング受取処理は、クリーニング済みのクリーニング対象品を受け取って、クリーニング対象品を渡航者のスーツケース101に収容するための処理であって、例えば店舗端末109が予め定められた指示を受け付けると開始される。サービス提供者は、クリーニング済みのクリーニング対象品をタグ付きクリーニング袋TBに収容された状態でクリーニング業者から受け取ると、クリーニング受取処理の開始を店舗端末109に指示する。
【0127】
ステップS301〜S302と同様の処理が行われる。
【0128】
受取情報送信部121は、ステップS302にて送信された鞄IDを受信すると、当該受信した鞄IDにクリーニングデータ127にて関連付けられたアイテム情報をクリーニングデータ記憶部115から取得する。また、受取情報送信部121は、当該受信した鞄IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄特定情報及び会員IDを鞄データ記憶部113から取得する(ステップS401)。
【0129】
受取情報送信部121は、取得した情報のうち、アイテム情報と鞄特定情報とを店舗端末109へ送信する(ステップS402)。
【0130】
受取処理部134は、ステップS401にて送信されたアイテム情報と鞄特定情報とを受信し、当該受信したアイテム情報と鞄特定情報とを店舗表示部108に受取画面137として表示させる(ステップS403)。図21は、受取画面137の一例を示す。これによって、リーダライタ106によって読み取られた鞄IDに対応するアイテム情報と鞄特定情報とが、店舗端末109の店舗表示部108に表示される。
【0131】
受取処理部134は、サービス提供者の操作に基づいて、店舗表示部108に表示されたアイテム情報の内容がクリーニング業者から受け取るクリーニング済みのクリーニング対象品と一致するか否かを判定する(ステップS404)。
【0132】
詳細には、サービス提供者は、店舗表示部108に表示されたアイテム情報の内容がクリーニング業者から受け取るクリーニング対象品に一致するか否かを確認し、一致していない場合には、受取画面137に含まれる終了ボタンを押下する。
【0133】
また、店舗表示部108に表示されたアイテム情報の内容がクリーニング業者から受け取るクリーニング対象品と一致している場合には、サービス提供者は受取画面137に含まれる一致ボタンを押下する。この場合、サービス提供者は、リーニング済みのクリーニング対象品を、それを収容したタグ付きクリーニング袋TBともにクリーニング業者から受け取る。
【0134】
受取処理部134は、受取画面137の終了ボタンが押下されると、一致していないと判定し(ステップS404;No)、荷物管理装置102に受取処理の終了指示を送信してクリーニング受取処理を終了する。また、荷物管理装置102は、クリーニング受取処理の終了指示を受信し、これに応じてクリーニング受取処理を終了する。
【0135】
受取処理部134は、受取画面137の一致ボタンが押下されると、一致していると判定し(ステップS404;Yes)、荷物管理装置102にクリーニング通知指示を送信し(ステップS405)、クリーニング受取処理を終了する。
【0136】
クリーニング済みのクリーニング対象品を受け取ると、サービス提供者は、ステップS403にて表示された鞄特定情報を参照して、当該クリーニング対象品を預けた渡航者のスーツケース101をその保管エリアで特定する。そして、サービス提供者は、当該特定したスーツケース101にクリーニング済みのクリーニング対象品を収容する。このとき、タグ付きクリーニング袋TBのクリーニング袋104は、新しいものと交換されてもよい。
【0137】
クリーニング通知部122は、ステップS405にて送信されたクリーニング通知指示を受信すると、ステップS401にて取得した会員IDに会員管理データ124にて関連付けられた電子メールアドレスを取得する。そして、クリーニング通知部122は、当該取得された電子メールアドレスへ、クリーニングが完了したことを知らせるための電子メールを送信する。これによって、クリーニング通知部122は、クリーニング対象品を預けた渡航者の予め登録された連絡先へクリーニングが完了したことを通知し(ステップS406)、クリーニング受取処理を終了させる。このように、クリーニングが完了したことを通知することで、渡航者は、クリーニングが完了していることを知ることができる。
【0138】
(鞄受取処理)
メンテナンス済みのスーツケース101を受け取ると、サービス提供者は、当該スーツケース101をそれを保管するための保管エリアにて、渡航者が受け取りに来るまで保管する。
【0139】
なお、第1タグ105と同様の第2タグがスーツケース101に取り付けられていてもよい。この場合、メンテナンス済みのスーツケース101を受け取る際に、店舗端末109は、第2タグに保持された鞄IDに基づくステップS301〜S302,ステップS401〜S403と同様の処理を経て、鞄特定情報を店舗表示部108に表示するとよい。このとき、アイテム情報は含まれなくてよい。サービス提供者は、店舗表示部108に表示された鞄特定情報を参照して、メンテナンス済みのスーツケース101が渡航者のものと一致することを確認してもよい。
【0140】
(荷物引渡し処理)
図22は、荷物引渡し処理の流れを示す図である。荷物引渡し処理は、サービス提供者が渡航者に荷物を引き渡すための処理であって、例えば店舗端末109が予め定められた指示を受け付けると開始される。サービス提供者は、渡航者が出国前などに預けていた荷物を受け取るために店舗に訪れると、荷物引渡し処理の開始を店舗端末109に指示する。
【0141】
荷物引渡し処理の開始時には、ログイン処理を実行することによって渡航者端末103から荷物管理装置102にログインされ、識別画像Pが端末表示部110に表示されているものとする。
【0142】
ステップS201〜S203と同様の処理が行われる。
【0143】
引渡し情報送信部123は、会員IDを店舗端末109から受信すると、当該取得した会員IDに鞄データ125にて関連付けられた鞄特定情報を取得し、当該取得した鞄特定情報を店舗端末109へ送信する(ステップS501)。
【0144】
引渡し処理部135は、ステップS501にて送信された鞄特定情報とを受信し、当該受信した鞄特定情報を店舗表示部108に引渡し画面138として表示させる(ステップS502)。図23は、引渡し画面138の一例を示す。これによって、リーダライタ106によって読み取られた鞄IDに対応する鞄特定情報が、店舗端末109の店舗表示部108に表示される。
【0145】
サービス提供者は、ステップS502にて表示された鞄特定情報を参照して、荷物を受け取りに来た渡航者のスーツケース101をその保管エリアで特定する。そして、サービス提供者は、当該特定したスーツケース101を渡航者に引き渡す。このとき、スーツケース101には、クリーニング済みのクリーニング対象品が収容されている。なお、新しいクリーニング袋104が配布されて、それに従前のタグ付きクリーニング袋TBに含まれていた第1タグ105が、新しいクリーニング袋104に付け替えられてもよいことはもちろんである。
【0146】
なお、本実施の形態に係る荷物管理装置102は、サービス提供者の店舗に設置されてもよく、その場合、本実施の形態に係る店舗端末109の機能が荷物管理装置102の機能として備えられ、本実施の形態にて店舗端末109が実行する処理が、荷物管理装置102によって実行されてもよい。
【0147】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0148】
本実施の形態では、クリーニング袋104に取り付けられた第1タグ105が取り付けられ、当該第1タグ105に鞄特定情報が対応付けられているので、サービス提供者は、ユーザがいなくても第1タグ105の鞄識別情報に基づいてスーツケース101を特定してクリーニング対象品を収容しておくことができる。渡航者が預けた荷物を受け取る際には、渡航者端末103に表示される識別画像Pを読み取り、当該読み取った識別画像Pに対応付けられた鞄識別情報に基づいて、クリーニング後のクリーニング対象品が収容されたスーツケース101を特定することができる。これにより、渡航者が渡航用の鞄を持ち運ぶ手間を軽減することができるだけではなく、次回の渡航までに衣類をクリーニングする手間も軽減することができる。また、渡航者が預けた荷物を受け取る際に、サービス提供者は、渡航者から預かった荷物をまとめて引き渡すことができる。従って、頻繁に渡航する渡航者の利便性を向上させることが可能になる。
【0149】
以上、本発明の実施の形態及び変形例について説明したが、本発明は、これらに限られるものではない。例えば、本発明は、これまで説明した実施の形態及び変形例の一部又は全部を適宜組み合わせた形態、その形態に適宜変更を加えた形態をも含む。
【符号の説明】
【0150】
100 荷物管理システム
101 スーツケース
102 荷物管理装置
103 渡航者端末
104 クリーニング袋
105 第1タグ
106 リーダライタ
107 画像読取装置
108 店舗表示部
109 店舗端末
110 端末表示部
111 札
112 会員管理データ記憶部
113 鞄データ記憶部
114 渡航データ記憶部
115 クリーニングデータ記憶部
116 ログイン判定部
117 書込み情報送信部
118 預かり情報送信部
119 クリーニング依頼部
120 メンテナンス依頼部
121 受取情報送信部
122 クリーニング通知部
123 引渡し情報送信部
124 会員管理データ
125 鞄データ
126 渡航データ
127 クリーニングデータ
128 ログイン処理部
129 渡航者識別情報記憶部
130 識別画像表示部
131 配布処理部
132 タグ情報送信部
133 預かり処理部
134 受取処理部
135 引渡し処理部
136 預かり画面
137 受取画面
138 引渡し画面
【要約】
【課題】渡航者の利便性を向上させる。
【解決手段】スーツケースとクリーニング対象品とを含む渡航者の荷物を預かって管理するための荷物管理方法であって、タグ付きクリーニング袋がクリーニング済みの前記クリーニング対象品が収容された状態で受け取られた場合に、第1タグに保持された鞄IDを読み取ることと(ステップS301)、当該読み取られた鞄IDに対応する鞄特定情報を表示すること(ステップS403)とを含む。渡航者に荷物を引き渡す際に、渡航者が保持する渡航者端末が、前記渡航者を識別するための渡航者識別情報に対応する識別画像を表示し、当該読み取られた識別画像に対応する前記渡航者識別情報に鞄データにて関連付けられた鞄特定情報を表示する。
【選択図】図20
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24