特許第6548131号(P6548131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6548131屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548131
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/02 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
   A63B71/02 E
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-122500(P2018-122500)
(22)【出願日】2018年6月11日
(65)【公開番号】特開2019-58646(P2019-58646A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2018年6月22日
(31)【優先権主張番号】特願2017-198028(P2017-198028)
(32)【優先日】2017年9月22日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592206156
【氏名又は名称】東田商工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】東 捷俊
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−017507(JP,A)
【文献】 特開2010−234044(JP,A)
【文献】 特開平6−200588(JP,A)
【文献】 特開2012−148048(JP,A)
【文献】 特開2017−80372(JP,A)
【文献】 特許第6120115(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 71/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内空間部の天井面に沿って吊り張りされ、端辺に補強用ロープの設けられた防球・防護を目的とするネット体と、該ネット体の全面に渡って所望の間隔を有して複数個設けられ、且つ天井面の梁等への取り付けを行う取付具とから構成されている屋内空間部用のネットにおいて、前記取付具は、天井面との上下方向の長さ、左右方向の長さを調整する調整部と、該調整部の端部で天井面に固定する固定部とで構成され、且つネット体の全面に渡って所望の間隔を有し、ネット体の対向する補強用ロープを利用して複数個取り付けられたネット付設体を介して設けられ、しかも前記ネット付設体が、少なくとも2以上に分割された長尺状の棒状体と、該隣り合う棒状体間をそれぞれ連結する紐状の架渡具とから構成されていることを特徴とする屋内空間部用のネット。
【請求項2】
屋内空間部の天井面の形状に応じて、1枚又は複数枚のネット本体を用い、端辺に補強用ロープを取り付けてネット体を形成し、該ネット体の全面に渡って取付具を取り付けた後、該取付具を天井面の梁等に取り付けることで、ネット体を天井面に沿って吊り張りする屋内空間部用のネットの吊り張り方法において、前記ネット体の全面に渡って所望の間隔を有し、対向する補強用ロープを利用して前記取付具の設けられたネット付設体を取り付けた後、前記取付具を構成し天井面又は側面との距離、及びネット付設体への取り付け位置を左右方向の長さ、上下方向の長さで調整しながら天井面に渡って取り付けることで、天井面に渡ってネット体を吊り張りすることを特徴とする屋内空間部用のネットの吊り張り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、各種スポーツの練習用、又は試合用として使用する屋内空間部、又は災害避難所において、防球用(間仕切り用)、又は防護用としてその空間部の側面に沿って又は天井面に沿って吊り張りする屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋内空間部の側面(本願発明において側面とは、屋内空間部の側壁面であり、天井面を中心に天井用ネットを吊り張りする以外の側壁面の上面側の傾斜面をも含む面の総称として記載する)に沿って、防球用として使用する側面用ネットは、側面形状に応じて1枚又は複数枚のネット本体を組み合わせて形成されたネット体と、該ネット体の上端辺に沿って取り付けられ、側面の両端側で固定されたロープ体(本願発明においてロープ体とはワイヤロープ、その他ロープの総称として用いる)とから構成され、ネット体を側面に沿って吊り張りする場合は、前記ロープ体を側面に吊り張りし、該ロープ体にネット体の上端辺を連結することでネット体を側面に沿って吊り張りする。
【0003】
上記工程を側面毎に繰り返すことで屋内空間部の側面全体に渡って固定用の側面用ネットを吊り張りする。
【0004】
前記側面用ネットは、側面の形状が変形(側面上部側が傾斜、又は円弧状)している場合は、天井上面に沿って別体の上部用のネット体を吊り張りし、該上部用のネット体の下部側に沿って水平方向にネット体を上記のように吊り張りすることで変形面に沿ってネット体を吊り張りする。
【0005】
また、屋内空間部の天井面に沿って、防球用(又は防護用)として使用するネット体は、天井面に沿って形成されたネット体と、該ネット体の全面に沿って取り付けた取付体とから構成され、前記取付体を天井面の梁に直接又は間接的に取り付けることで、天井面に沿ってネット体を吊り張りする。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の屋内空間部用のネットは、ネット体の上端辺に別体のロープを介して連結しているために、面積の狭いネット体を水平方向に吊り張りする場合は、容易に対応することができるが、近年多く建設されている大空間部を有する屋内空間部では、天井面が円弧状であるために、ネット体の上端側も水平方向に限定されないので、複数枚のネット体を用いなければ適切にネット体を吊り張りすることができないという欠点があった。
【0007】
また、従来のロープ体はネット体の上端辺に沿って予め1本で形成するために、ネット体の面積が大きい場合は、ネット体の荷重等によりネット体の上端辺に多くの付加がかかり、ロープ体のみでは適切にネット体を形成できず、その取り扱いが不便であった。
【0008】
また、天井面に沿ってネット体を吊り張りする場合は、天井面の梁、又は仮天井板を取り付ける連結棒に取付具を取り付けるために、梁又は連結棒のない部分ではネット体と天井面との連結できないという欠点があった。
【0009】
さらに、従来のロープ体は水平状態を適切に維持できないために、側面、又は天井面との連結部分において、屋内空間部の形状に応じて適切に調整できないという欠点があった。
【0010】
そこで、本発明は屋内空間部の側面に沿って、又は天井面に沿って防球用等のネットの取り付けの作業が容易であり、空間部の形状、及び面積に応じて自在に防球用等のネットを吊り張りでき、且つネット体の取り付け作業、及びメンテナンス作業が安全に且つ容易に行うことができる屋内空間部用のネット、及び該屋内空間部用のネットの吊り張り方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットは、請求項1に記載のように、屋内空間部の天井面に沿って、吊り張りされ、端辺に補強用ロープの取り付けられた防球・防護を目的とするネット体と、該ネット体の全面に渡って所望の間隔を有して複数個設けられ、且つ天井面の梁等への取り付けを行う取付具とから構成されている屋内空間部用のネットにおいて、前記取付具は、天井面の上下方向の長さ、左右方向の長さを調整する調整部と、該調整部の端部で天井面に固定する固定部とから構成され、且つネット体の全面に渡って所望の間隔を有し、ネット体の対向する補強用ロープを利用して複数個取り付けられたネット付設体を介して設けられ、しかも該ネット付設体が、少なくとも2以上に分割された長尺状の棒状体と、隣り合う棒状体間をそれぞれ連結する紐状の架渡具とから構成されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本願発明の上記課題を解決する手段としての屋内空間部用のネットの吊り張り方法は、請求項に記載のように、屋内空間部の天井面の形状に応じて、1枚又は複数枚のネット本体を用い、端辺に補強用ロープを取り付けてネット体を形成し、該ネット体の全面に渡って取付具を取り付けた後、該取付具を天井面の梁等に取り付けることで、ネット体を天井面に沿って吊り張りする屋内空間部用のネットの吊り張り方法において、前記ネット体の全面に沿って所望の間隔を有し、対向する補強用ロープを利用して前記取付具が取り付けられたネット付設体を取り付けた後、前記取付具を構成し天井面との距離、及びネット付設体への取り付け位置を左右方向の長さ、上下方向の長さで調整しながら天井面に渡ってネット体を吊り張りすることを特徴とする。
【発明の作用効果】
【0014】
次に、本願発明の請求項1及び請求項2に記載の屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの吊り張り方法の作用効果を説明する。
【0015】
先ず、請求項1に記載の屋内空間部用のネットは、屋内空間部の天井面全体の形状に応じて同形状に形成されたネット体と、該ネット体の全面に沿って所望の間隔を有して取り付けられたネット付設体とから構成されている。
【0016】
前記ネット付設体は、天井面用のネットの場合は、ネット体の全面に渡って端辺の補強用ロープを利用して所望の方向及び間隔で複数個取り付ける。
【0017】
前記ネット付設体は、所望の長さに形成された複数本の棒状体と、隣り合う棒状体間をそれぞれ連結する紐状の架渡具とから構成されているために、棒状体間の距離を架渡具の長さの範囲内で自在に調整することができ、空間部の上部が円弧状の場合であっても、棒状体をその円弧面に沿って位置させて対応することができる。
【0019】
同様に、架渡具を左右方向、上下方向に調整することで、天井面の梁の距離間に応じて棒状体を適切に位置させ、又は梁の形状に応じて棒状体を適切に位置さることができる。
【0020】
このため、ネット体は、天井面の梁の間隔に応じて棒状体間を自在に調整することができる。
【0021】
その後、前記取付具を構成する調整部で上下方向の長さ、左右方向の長さを調整し該調整部の端部に設けられた固定部を天井面の梁に沿って取り付けることで、天井面に沿ってネット体を適正に吊り張りすることができる。
【0022】
また、各棒状体の長さを予め設定(主に長尺状)することで、少ない本数で形成し、上端側が水平である場合に適切に水平状態でネット体を容易に吊り張りすることができる。
【0023】
このように、本願発明の屋内空間部用の防球用等のネットは、屋内空間部の天井面の形状に応じて自在にネット体を吊り張りすることができ、その吊り張りを容易に行うことができる。
【0025】
次に、請求項に記載の屋内空間部用のネットの吊り張り方法について説明する。
【0026】
先ず、最初の工程(ネット体の形成)は、天井面の形状に応じて左右方向、又は上下方向に沿って1枚又は複数枚のネット本体を組み合わせ、端辺に補強用ロープを取り付けることでネット体を形成、又は連続して複数枚のネット体を連結することで、形状に応じたネット体を形成する。
【0027】
このため、複数枚のネット体を連結することで大面積のネット体を形成することができ、防球用、又は防護用として、目的(球技の種類、試合用、練習用等)に応じて自在に適切なネット体を選択できる。
【0028】
次の工程(ネット体の形状に応じての調整)は、天井用のネット体の全面に渡って所望の間隔を有し、対向する補強用ロープを利用して複数本のネット付設体を取り付ける。
【0029】
天井用のネット体の場合は、ネット体の全面に平行状態に複数本、又は交差状態に複数本等を上記目的に応じて選択する。
【0030】
前記ネット付設体は、複数本の棒状体と隣り合う棒状体間を連結する紐状の架渡具とから構成され、天井面の傾斜角度等に応じて棒状体間を自在に調整することができるために、天井面の梁に対応するように広げた状態とすることができる。
【0031】
最終工程(ネット体の吊り張り工程)は、別体の移動用ロープ(天井面側の滑車を介して、ウインチで駆動)を前記ネット付設体に連結した後、前記移動用ロープを上方側に移動し、前記ネット付設体に取り付けられた取付具を構成する調整部の端部に設けられた固定部を天井面の梁に沿って取り付ける。
【0032】
この際、前記取付具を構成する調整部をネット付設体に沿って左右方向に調整しながら、且つ天井面との上下方向を調整することで、最適にネット体を吊り張りすることができる。
【0033】
このように、本願発明の屋内空間部用のネットは、屋内空間部の形状に応じて自在にネット体を吊り張りすることができ、しかもその取り付け作業を容易に行うことができる。
【0034】
また、ネット付設体がネット体の吊り張り作業時において、邪魔になることなく、最適に防球・防護を目的とするネットを吊り張りする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本願発明の屋内空間部用のネット、及び屋内空間部用のネットの吊り張り方法について図面を用いて説明する。
【0036】
図1は本願発明の屋内空間部用のネットを側面に使用する場合の一実施例を示す概略説明正面図であり、図2はネット体とネット付設体との連結の一実施例を示す概略説明側面断面図であり、図3はネット付設体を示す概略説明正面断面図であり、図4は屋内空間部用のネットの水平方向の吊り張り状態を示す概略説明正面図であり、図5は屋内空間部用のネットの円弧面に沿っての吊り張り状態を示す概略説明正面図であり、図6はネット体とネット付設体との連結の他実施例を示す概略説明側面断面図であり、図7は棒状体への取付具の連結を示す概略説明平面図であり、図8は棒状体への取付具の連結の他実施例を示す概略説明平面図であり、図9は本願発明の屋内空間部用のネットを天井面に使用する場合の一実施例を示す概略説明正面図であり、図10図9のネット付設体を用いた天井面への取り付けを示す概略説明側面図である。
【0037】
図11図12図13、及び図14は屋内空間部用のネットの吊り張り方法を示すフローチャートである。
【実施例1】
【0038】
本願発明の屋内空間部の側面に沿って使用する防球用(間仕切り用、又は防護用)を目的とする屋内空間部用のネット1は、前記屋内空間部の側面の形状に応じて形成されたネット体4と、該ネット体4の少なくとも上端辺に沿って固定状態で連結されたネット付設体5とから構成されている。
【0039】
前記ネット体4は、屋内空間部の形状に応じて左右方向、上下方向、又は斜め方向に沿って複数枚のネット本体2を組み合わせて(繋ぎ合わせて)形成され、且つ上下の対向辺方向及び左右の対向辺方向に沿ってネット体4の形状を維持するための補強用ロープ3が取り付けら(組み込まれ)ている。
【0040】
尚、前記ネット体4の形成方法は、上記のように側面側の形状に応じて、複数枚のネット本体2を組み合わせて1枚で形成したが、本願発明において、ネット体4の形成方法はこれに限定されるものでなく、例えば、屋内空間部の側面側の横方向の面積が大きい場合は、前記のように形成されたネット体4を複数枚横方向に、又側面側の縦方向の面積が大きい場合は、上下方向に連続して連結することで、側面の形状に応じて形成することも可能である。
【0041】
前記ネット体4の上端辺側に取り付けられたネット付設体5は、ネット体4の上端辺に沿って所望の長さを有する複数本の短形状の棒状体6と隣り合う棒状体6間に連結した紐状の架渡具7とから構成されている。
【0042】
前記棒状体6はネット体4の上端辺を挟むように所望の間隔を有して取り付けることで、前記架渡具7により隣合う棒状体7間の長さ調整をおこないネット体4の上端辺の長さ調整行い取り付け面に沿って取り付けできる。
【0043】
前記架渡具7は、棒状体6間をそれぞれ別体として連結したが、本願発明において、架渡具7の構成はこれに限定されるものでなく、それぞれの棒状体6の中心軸を挿通した1本の紐状の架渡具7で構成することも可能である。この場合も同様に棒状体6間を自在に調整することができる。
【0044】
前記棒状体6は、上記のようにネット体4の上端辺に沿って複数本に分割した棒状体6を連結することに限定されるものでなく、2本の長尺状の棒状体6をネット体4の上端辺に連結することも可能であり、また1本の棒状体6でネット体4の上端辺全てを連結するも可能である。要は、ネット体4の面積が大きく上端辺が水平方向に吊り張りする場合は、棒状体を長尺状に形成し、ネット体4の荷重等を分散して吊り張りし、上端側を円弧面に沿って吊り張りする場合は、棒状体6を複数本の短形状に形成し、各棒状体6を円弧面に沿って円弧状に位置させて適切にネット体4を吊り張りする。
【0045】
尚、上記棒状体6のネット体4の上端辺への取り付けは上記のように直接ネット体4を挟むように連結することに限定されるものでなく、ネット体4の上端辺と棒状体6とを別体の紐状の吊下体10で間接的に連結することも可能である。この場合は、円弧状の面に沿ってネット体4を取り付けるとネット体4と棒状体6との間を利用し、余裕を持ってネット体4を吊り張りすることができる。
【0046】
前記ネット付設体5を形成する複数本の棒状体6には、それぞれ天井面、及び側面に固定する取付具8が設けられている。
【0047】
前記取付具8は棒状体6と天井面、又は側面との距離を調整する紐状の調整部8Aと、該調整部8Aの端部で天井面又は側面に固定する固定部8Bとから構成されている。
【0048】
前記調整部8Aには、棒状体6に沿って長尺方向に沿って移動可能で所望の位置で棒状体6に固定できる構成と、上下方向、又は左右方向にその長さ調整可能な構成とを有する調整部8Aとが存在する。
【0049】
前記移動可能な調整部8Aは、棒状体6にリング環等8Cで移動自在とし、螺子等でその移動位置を固定する構成である。
【0050】
前記上下方向、又は左右方向への長さ調整可能な調整部8Aは、棒状体6に移動自在挿通し、所望の位置にストッパー体8Dを設ける構成、又は棒状体6に弾性体8Eを介して連結する構成である。
【0051】
前記棒状体6の設けられる取付具8の本数、及び調整部8Aの選択は、ネット体4の設置面の形状に応じて自在に選択可能である。
【0052】
さらに、前記ネット付設体5部分には、飛来する各種スポーツの球が直接当接するのを防止するための防護用ネット体15を天井面より吊り下げることも可能である。この場合、ネット付設体5と防護用ネット体15とは所望の間隔を有することで、防護効果をさらに高めることができる。
【0053】
本願発明の屋内空間部用のネット1は上記のように構成され、次に、該屋内空間部用のネット1を屋内空間部の側面に沿って吊り張りする場合について説明する。
【0054】
先ず、屋内空間部の側面の形状と略同形状に形成する為に1枚又は複数枚のネット本体2を左右方向、又は上下方向等の所望の方向に組み合わせた後、その各端部辺(左右端辺、及び上下端辺)に沿ってそれぞれ補強用ロープ3を取り付けることで側面形状を適切に維持した状態でネット体4を形成する。(ネット体4の形成工程)
【0055】
その後、前記ネット体4の上端辺に沿って所望の本数で形成された複数本の棒状体6を所望の間隔を有して前記ネット体4を挟むように取り付けるとともに、隣り合う棒状体6間をそれぞれ架渡具7で連結することで、隣合う棒状体6間を自在に調整できるようにネット付設体5を取り付ける。
【0056】
この際、前記ネット付設体5を形成する各棒状体6の長さ調整下記の基準で行う。即ち、ネット体4の面積が大きく、且つネット体4の取り付け面が水平方向である場合は、水平方向を維持し、ネット体4の上端辺の弛み等を少なくするために、長尺状の棒状体6を利用し、少ない本数でネット体4を吊り張りでき、しかも水平状態を安定的に維持することができる。また、側面上部面の取り付け面が傾斜角度を有する斜面、又は円弧状の面である場合は、その傾斜面、又は円弧面に沿って適切に各棒状体6が位置するように複数本の短形状の棒状体6を用いることで、各棒状体6の隣合う間を調整しながらネット体4を吊り張りすることができる。
【0057】
次に、前記ネット付設体5を形成する任意の棒状体6にネット体4を吊り張りする両側面側、又は天井面側への取り付けを行うための取付具8を取り付ける。実施例では、1本の棒状体6に2個の取付具8を取り付けて構成されている。
【0058】
本実施例では、天井面が水平状態であるために、前記取付具8は棒状体6の長尺方向に沿って移動可能な調整部8Aを選択して取り付ける。
【0059】
尚、天井面が円弧状である場合は、1個の取付具8は棒状体6の長尺方向に沿って移動自在な調整部8Aを選択して取り付けることで、天井面での固定位置を調整でき、他の取付具8は上下方向に調整可能な調整部8Aを選択するkとで、円弧面に沿って上下方向の長さ調整を行い棒状体6を適切な方向に設ける。
【0060】
その後、前記調整部8Aの先端側に設けられた固定部8Bを用いて天井面、又は側面に固定する。
【0061】
前記固定部8Bは、例えば、H鋼の場合は、板状のネット押さ体で形成し、調整部8Aを挟んで状態でH鋼に固定する。
【0062】
これにより、側面に沿ってネット体4を吊り張りする。
【0063】
この場合、前記棒状体6間は架渡具7で余裕を持って連結されているために、ネット体4の上端辺が余裕を持って取り付けられることとなり、全面に沿って固定した従来に比しネット体4の摩耗等が少なくメンテナンス作業を頻繁に行うことがない。
【0064】
また、天井面が円弧状である場合は、円弧面に沿って各棒状体6の間が狭められるように調整され、円弧面に沿って適切に広げた状態でネット体4を吊り張りすることができる。
【0065】
これにより、側面用の防球用のネット1を適切に屋内空間部の側面に沿って吊り張りすることができる。
【0066】
このように、本願発明の屋内空間部用のネット1はスムーズに屋内空間部に吊り張りすることができ、またあらゆる空間部用の形状に応じて自在に吊り張りすることができる。
【0067】
また、ネット体4の取り付け面に応じて自在に棒状体6間を調整して吊り張りすることができる。
【0068】
また、メンテナンス作業又は不使用時において、ネット体4の上端側のみそのまま固定した状態で、左右側面又は下端辺部分の固定を解除することで、ネット体4の下端側を畳ながら上端側に移動して収納することができる。
【実施例2】
【0069】
次に、本願発明の屋内空間部用のネット1を屋内空間部の天井面に沿って取り付ける場合について説明する。
【0070】
天井用として使用する屋内空間部用のネット1は、天井面を被覆すべく同形状に応じて形成されたネット体4と、該ネット体4の一方向に沿って、所望の間隔を有して全面に渡って直線状に取り付けられた複数本のネット付設体5とから構成されている。
【0071】
前記ネット付設体5のネット体4への取り付けは、前記ネット体4の対向する両端辺の補強用ロープ3を利用して両端側をそれぞれ取り付け、前記ネット体4の面部分はネット本体2に直接、又はネット本体2に取り付け用ロープ体(図示せず)を縫い付け、該取り付け用ロープを介してネット付設体5を取り付ける。
【0072】
前記ネット付設体5は複数本の棒状体6で形成され、隣合う棒状体6は紐状の架渡具7で連結されているために、前記ネット体4の吊り張り時の天井面に応じてその長さを自在に調整し、適切な吊り張りを可能とする。
【0073】
前記ネット付設体5は、前記のように平行に設けることに限定されるものでなく、交差して設けることも可能である。即ち、ネット体4の各対向する端辺側にそれぞれ複数本のネット付設体5を取り付けることで、交差状態でネット付設体5を取り付ける。
【0074】
又は、一方向(平行方向)に取り付けた複数本のネット付設体5のうち所望の棒状体6に横方向の横架渡具7Aを連結することで、ネット体4に交差状態でネット付設体5を取り付けることも可能である。
【0075】
前記ネット付設体5を形成する棒状体6の長さは、天井面の梁間の距離、梁の長さに対応する長さに形成することで、梁間のネット体4の強度を維持することができる。
【0076】
また、梁部分が円弧状の場合は、円弧面に沿ってネット体5を吊り張りするために、複数本の矩形状の棒状体6を用いて形成することで、前記棒状体6が梁の円弧面に沿って適切に位置することができ、ネット体4を広げた状態で吊り張りすることができる。
【0077】
また、天井面が水平面の場合は、長尺状の棒状体6を用いて形成することで、容易に水平方向を維持してネット体4を吊り張りすることができる。
【0078】
前記各棒状体6には、それぞれ取付具8が取り付けられている。実施例では、1本の棒状体6に2個の取付具8が設けられているが、取り付ける個数は、天井面の形状大きさに応じて自在に決定することができる。
【0079】
即ち、天井面の面積が広く梁等の連結部が多くある場合は、多くの取付具8を設けることで対応することができる。
【0080】
次に、前記取付具8を形成する調整部8Aは、天井面の形状に応じて対応し、水平状態である場合は、棒状体6の長尺方向に沿って移動可能な調整部8Aを用い、円弧面である場合は、上下方向に長さ調整可能な調整部8Aを用いる。
【0081】
また、前記ネット体4の各端部側の棒状体6には側面に取り付けるために、左右方向に長さ調整可能な調整部8Aを有する取付具8を取り付ける。
【0082】
尚、前記側面に取り付けるための取付具8は、ネット体4の各端部側の棒状体6にそれぞれ取り付けることで、側面の各面と左右方向の長さ調整して取り付けることも可能である。
【0083】
先ず前記ネット体4を天井面に吊り張りする場合は、先ず、ネット付設体5を形成する複数本の棒状体6のうち、各端部側の棒状体6に取り付けられた取付具8の左右方向の調整部8Aで各側面との距離を調整し、固定部8Bを側面に固定する。
【0084】
次に、前記ネット体4に取り付けられた他の棒状体6に取り付けられた取付具8の調整部8Aで天井面との上下方向の距離を調整し、固定部8Bを天井面の梁部分に固定する。
【0085】
この際、前記梁部分と取付具8に位置を棒状体6の長尺方向に沿って移動することで微調整し、適切な位置で固定することで、適切に吊り張りすることができる。
【0086】
この際、前記棒状体6間は屋内空間部の天井面の形状、及びネット体4の荷重等によりその距離を調整して位置し、適切にネット体4を天井面に沿って吊り張りすることができる。
【0087】
このように、本願発明の屋内空間部用のネット1は、天井面に沿って容易に取り付けでき、且つその取り付け作業が容易である。
【0088】
しかも、ネット体4のメンテナンス作業時には容易にネット体4を取り外して、安全に及び容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
図1】本願発明の屋内空間部用のネットを側面に使用する場合の一実施例を示す概略説明正面図
図2】ネット体とネット付設体との連結の一実施例を示す概略説明側面断面図
図3】ネット付設体を示す概略説明平面断面図
図4】屋内空間部用の防球用のネットを水平方向に吊り張りした状態を示す概略説明正面図
図5】屋内空間部用の防球用のネットを円弧面に沿って吊り張りした状態を示す概略説明正面図
図6】ネット体とネット付設体との連結の他実施例を示す概略説明側面断面図
図7】棒状体への取付具の連結を示す概略説明正面図
図8】棒状体への取付具の連結の他実施例を示す概略説明正面図
図9】本願発明の屋内空間部用のネットを天井面に使用する場合の一実施例を示す概略説明平面図
図10】ネット付設体を用いた天井面への取り付けを示す概略説明側面図
図11】本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャート
図12】本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャート
図13】本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャート
図14】本願発明の屋内空間部用のネットの吊り張り方法のフローチャート
【符号の説明】
【0090】
1−屋内空間部用のネット、4−ネット体、5−ネット付設体、6−棒状体、7−架渡具
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