特許第6548138号(P6548138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548138
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】シャープペンシル
(51)【国際特許分類】
   B43K 21/00 20060101AFI20190711BHJP
   B43K 21/22 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   B43K21/00 M
   B43K21/22 A
【請求項の数】1
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-270615(P2013-270615)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-123696(P2015-123696A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
(72)【発明者】
【氏名】横山 昭人
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−120285(JP,U)
【文献】 実開平03−108480(JP,U)
【文献】 実開昭63−132780(JP,U)
【文献】 実開昭50−035333(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 21/00 − 21/26
B43K 24/00 − 24/18
B43K 27/00 − 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側より筆記芯を繰り出すシャープペンシルにおいて、複数の筆記芯を収納する芯収納部を有する芯タンクと、その筆記芯をシャープペンシル先端部に配した芯繰り出し機構に中継する直管状内径の中継パイプと、芯タンクと直管状内径の中継パイプの連通部に、直管状内径の中継パイプの内径以下の内径の芯挿通孔とを備え、前記直管状内径の中継パイプは芯繰り出し機構のチャック体の内部に遊挿されていることを特徴とするシャープペンシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端側より芯を繰り出すシャープペンシルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、シャープペンシルにおける芯タンクに筆記芯が挿通可能な中継パイプを連通し、前記芯タンクから芯繰り出し機構へ筆記芯を供給する構造が知られている。
その一例が、芯タンク部の芯収納部から芯繰り出し機構のチャック部にかけて中継パイプとして芯供給パイプを配設した構造である(特開2007−21966号公報(特許文献1))。
【0003】
前記特許文献1では、ボールチャック機構を使用して芯が自動的に繰り出される様にした自動式シャープペンであり、ユニット体を順次組み立てることで、組み立て作業を容易にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記特許文献1に記載の従来技術にあっては、芯繰り出し機構へ芯を供給する際に、芯収納部内に芯供給パイプが突出して連結されている為、収納されている筆記芯が芯供給パイプに引っ掛かってしまい芯が出なくなってしまう。また、芯供給パイプを突出させなかったとしても芯供給パイプの端面が芯収納部内や芯収納部側に露出していると、芯収納部と芯供給パイプとの間に継ぎ目や段部ができ、筆記芯が引っ掛かりやすく、その結果チャック部まで挿通するのに時間を要し、芯の繰り出しが遅延してしまう恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、先端側より筆記芯を繰り出すシャープペンシルにおいて、複数の筆記芯を収納する芯収納部を有する芯タンクと、その筆記芯をシャープペンシル先端部に配した芯繰り出し機構に中継する直管状内径の中継パイプと、芯タンクと直管状内径の中継パイプの連通部に、直管状内径の中継パイプの内径以下の内径の芯挿通孔とを備え、前記直管状内径の中継パイプは、芯繰り出し機構のチャック体の内部に遊挿されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、先端側より筆記芯を繰り出すシャープペンシルにおいて、複数の筆記芯を収納する芯収納部を有する芯タンクと、その筆記芯をシャープペンシル先端部に配した芯繰り出し機構に中継する直管状内径の中継パイプと、芯タンクと直管状内径の中継パイプの連通部に、直管状内径の中継パイプの内径以下の内径の芯挿通孔とを備えたので、筆記芯を直管状内径の中継パイプの外面に接触したり、引っ掛かったりする等、干渉されることなく、芯収納部から芯繰り出し機構におけるチャック体の芯把持部へ速やかに挿通させることができ、チャック体の芯把持部の中心に筆記芯を案内することができ、チャック体の拡開やノック時の振動で筆記芯がチャック体のスリット部に入り込み芯が挟まるのを防止することができ、筆記芯の繰り出しが良好なシャープペンシルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施例の製品全体の外観図である。
図2図1の状態から周方向に180度回転させた際の外観図である。
図3図1の製品全体の縦断面図である。
図4図3における先端部拡大図である。
図5図1におけるA−A線断面図である。
図6図1におけるB−B線断面図である。
図7図1におけるC−C線断面図である。
図8】第1実施例の芯タンクの斜視図である。
図9】第1実施例の中継パイプの斜視図である。
図10】第2実施例の製品全体の外観図である。
図11図10の製品全体の縦断面図である。
図12図11における先端部拡大図である。
図13図10におけるD−D線断面図である。
図14図10におけるE−E線断面図である。
図15図10におけるF−F線断面図である。
図16図10におけるG−G線断面図である。
図17】第2実施例の連結具の斜視図である。
図18図17の別角度の斜視図である。
図19】第2実施例の中継部材の斜視図である。
図20】第3実施例の製品全体の縦断面図である。
図21図20における先端部拡大図である。
図22】第3実施例の連結具の斜視図である。
図23】第3実施例の中継部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、先端側より筆記芯を繰り出すシャープペンシルにおいて、複数の筆記芯を収納する芯収納部を有する芯タンクと、その筆記芯をシャープペンシル先端部に配した芯繰り出し機構に中継する中継パイプと、芯タンクと中継パイプの連通部に、中継パイプの内径以下の内径の芯挿通孔とを備えたので、筆記芯を中継パイプの外面に接触したり、引っ掛かったりする等、干渉されることなく、芯収納部から芯繰り出し機構におけるチャック体の芯把持部へ速やかに挿通させることができ、チャック体の芯把持部の中心に筆記芯を案内することができ、チャック体の拡開やノック時の振動で筆記芯がチャック体のスリット部に入り込み芯が挟まるのを防止することができ、筆記芯の繰り出しが良好なシャープペンシルを提供することができる。
【0010】
芯挿通孔は芯タンクそのものに設けても、芯タンクに連接し、その前方に中継パイプを連通する別部材に設けてもよく、芯収納部と中継パイプとの間に形成され、その内径を中継パイプの内径以下とし、挿通する筆記芯の芯径以上となっていれば、筆記芯を中継パイプの外面に接触したり、引っ掛かったりする等、干渉されることなく、芯収納部から芯繰り出し機構におけるチャック体の芯把持部へ速やかに挿通させることができるので問題ない。また、芯挿通孔を中継パイプの内径より小径とすることで、中継パイプ外面の干渉を更に低減させることができる。
【0011】
中継パイプの内径は挿通させる筆記芯1本以上で2本未満とすることが望ましい。内径を挿通させる筆記芯1本以上で2本未満とすることで、中継パイプに筆記芯が二本入り込み筆記芯同士が競って筆記芯が出なくなることを防ぐことができる。更に中継パイプの外径と中継パイプ前方に配したチャック体内径を略同一としたり、チャック体における芯把持部手前まで中継パイプを配設することで、チャック体の芯把持部の中心に筆記芯を案内することができ、チャック体の拡開やノック時の振動で筆記芯がチャック体のスリット部に入り込み芯が挟まるのを防止することができるので、確実に芯の繰り出し操作をすることができる。
【0012】
中継パイプの材質をステンレスや真ちゅうといった金属とすることで、静電気の発生を防止でき、筆記芯とパイプ内面との空間が狭い状態でも筆記芯がパイプ内面に貼り付くことがなく、確実に筆記芯を芯収納部から芯繰り出し機構におけるチャック体の芯把持部へ挿通することができる。また、中継パイプを肉薄に形成でき、軸筒の細径化に対応できる他、特に呼び直径0.5(JIS S 6005)以下の低芯径用のチャック体にも対応することができる。
【0013】
中継パイプは、複数の筆記芯を収納する芯収納部を有する芯タンクと、その芯タンク前端からシャープペンシル先端部に配した芯繰り出し機構にかけて遊挿や嵌挿してあればよいが、落下や衝撃によって中継パイプが移動すると、芯タンクやチャック体等周囲の部品を傷つける可能性があるため、芯タンクやチャック体等の連接する部品に、接着や圧入等の方法で固定することが望ましい。固定する対象の部品や、固定方法はシャープペンシルの作製に適したものであり、中継パイプの移動防止を達成できればよく、特に限定されない。
【0014】
上記の構成による効果は、筆記芯が脆く、自重の軽い低芯径になるほど部品の干渉や静電気の影響が顕著になるため、特に呼び直径0.5(JIS S 6005)以下の低芯径用シャープペンシルには必要な構成となる。
【0015】
本発明の第1実施例を図1図9に示し、説明する。尚、以下では、後述の先部材6側を前方と言い、押圧部材23側を後方という。
【0016】
軸筒1は、前方にステンレス製のパイプ2と内部に芯保持部材3が圧入固定され、前後に摺動可能なスライダー4と、前記スライダー4の逸脱を防止するストッパーリング5が圧入固定された先部材6と、その先部材6の後端に配置された軸筒本体7とから構成されており、その軸筒1の内部には芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)8が配置されている。前記軸筒本体7は、前記先部材6と前記芯繰り出しユニット8とで挟みこまれており、前記先部材7と前記芯繰り出しユニット8とを螺着させることで、軸筒本体7を固定している。
芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)8は、筆記芯を収納する芯タンク9を有し、その芯タンク9の前端には筆記芯Lを把持、解放するためのチャック体10が圧入によって固定されており、そのチャック体10には、チャック体10の開閉を行うチャックリング12が囲繞した状態で配置されている。チャック体10は、その前方に形成された芯把持部11により、筆記芯Lの把持、解放を行う。また前記芯タンク9、チャック体10の内部には、中継パイプ13が遊挿されている。更に、前記チャック体10、チャックリング12を内包するように前端に開閉リング14がカシメられた中ネジ部材15が配置されている。その中ネジ部材15の位置決めは、中ネジ部材15の前方内部に形成された段部16とチャックリング12の後端面との当接、及び、中ネジ部材15の後方に形成された大径部17の後端と前記芯タンク9の前方であり後述の縮径部18と本体部19により形成された段部20の前端との間に張設された弾撥部材(コイルスプリング)21により、なされている。その弾撥部材21は、芯繰り出しユニット8が、軸筒1内に配置された際に、チャック体10、及び芯タンク9を軸筒1の後方に付勢する。また、芯タンク9の後端には、消しゴム受け部材22が圧入固定され、その消しゴム受け部材22に嵌合により保持された消しゴム23、そして、押圧部材24が着脱自在に取り付けられている。
符号25は、前記軸筒本体7の外周部に取り付けられた金属製の飾りリングである。この飾りリング25は、前記軸筒本体7の後方に形成された凹部26に嵌め込まれている。
【0017】
前記軸筒本体7の前方部であり、周方向には、軸筒本体7を把持した際の滑り止めとして溝部27が等間隔に複数形成されている。尚、本実施例では、前記軸筒本体7は、アクリロニトリルスチレンブタジエン樹脂(ABS)により形成しているが、これに限らず、任意の材料から軸筒本体を形成することができる。
【0018】
次に、本実施例における芯タンク9について詳述する。
本実施例の芯タンク9の内径部の後方には、最も内径の大きい芯収納部28が形成され、筆記芯Lの減少に合わせて適宜供給される予備芯L´が収納されている。前記芯収納部28は前記予備芯L´が、2本から5本程度入るような内径となっている。前記芯収納部28の前端には、筆記芯が1本のみ通過できる内径の芯挿通孔29が形成されている。前記芯挿通孔29と前記芯収納部28との間には、緩やかなテーパ部30が連続的に形成されており、このテーパ部30により、縮径された芯挿通孔29への予備芯L´の速やかな通過を可能にしている。また、前記芯挿孔29の前端には芯挿通孔29よりも拡径され、中継パイプ13の外径と略同一の中継パイプ案内部31が形成されている。前述したように中継パイプ案内部31を形成することで、芯挿通孔29と中継パイプ13の中心を合わせることができる。さらに、中継パイプ案内部31の前端には中継パイプ案内部31よりも拡径された圧入部32が形成され、チャック体10の圧入を容易にしている。本実施例にあたっては、前記芯挿通孔29の内径を中継パイプの内径以下としたことを特徴としている。後述するが、前記芯挿通孔29の内径を中継パイプ13の内径以下としたことで筆記芯Lを中継パイプ13の外面に干渉されることなく、芯収納部28から芯繰り出し機構8におけるチャック体10の芯把持部11へ速やかに挿通させることができる。
【0019】
前記芯タンク9の外径部は、縮径部18、本体部19からなる。本体部19の前方に縮径部18が設けられ、芯タンク9を弾発部材21によって後方へ付勢する為の段部20を形成している。
【0020】
続いて、前記中継パイプ13について詳述する。
本実施例の中継パイプ13の内径は、前記芯挿通孔29の内径以上であり筆記芯が1本のみ通過できる内径とし、中継パイプ13に筆記芯が二本入り込み芯同士が競って芯が出なくなることを防止することができる。また、外径形状は、大径部33と小径部34からなる。前記大径部33は外径を芯タンク9における中継パイプ案内部31とチャック体10の内径と略同一とすることで芯タンク9とチャック体10と中心を合わせることができる。さらに大径部33の前方に、前記小径部34をチャック体10に形成されたすり割り部35より後方から形成することで、チャック体10が筆記芯Lを把持し、チャックリング12で囲繞され内径方向に撓んだ際にもチャック体10内部と中継パイプ13が干渉せずに確実に筆記芯Lを把持することができる。
【0021】
さらに、中継パイプ13の配設方法について詳述する。
本実施例における中継パイプ13の後端側は、芯タンク9に形成されたパイプ案内部31の芯挿通孔29とパイプ案内部31により形成された段部36まで嵌合により配設され、前端側においてはチャック体10の芯把持部11の近傍まで配設されている。前述のように中継パイプ13を配設することで、芯挿通孔29と中継パイプ13が一連となり芯タンク9の芯収納部28からチャック体10の芯把持部11の中心に筆記芯Lを案内することができ、チャック体10の拡開やノック時の振動で筆記芯がチャック体10のすり割り部35に入り込み芯が挟まるのを防止することができる。中継パイプ13は、芯収納部28を有する芯タンク9と、その芯タンク9前端から軸筒本体1の先端部に配した芯繰り出し機構8にかけて遊挿や嵌挿してあればよいが、落下や衝撃によって中継パイプ13が移動すると、芯タンク9やチャック体10等の連接する部品を傷つける可能性があるため、芯タンク9やチャック体10等の連接する部品に、接着や圧入等の方法で固定することが望ましい。固定する対象の部品や、固定方法はシャープペンシルの作製に適したものであり、中継パイプ13の移動防止を達成できればよく、特に限定されない。
【0022】
また、中継パイプ13の材質をステンレスや真ちゅうといった金属とすることで、静電気の発生を防止でき、筆記芯Lと中継パイプ13内面との空間が狭い状態でも筆記芯Lが中継パイプ13内面に貼り付くことがなく、確実に筆記芯を芯収納部から芯繰り出し機構におけるチャック体の芯把持部へ挿通することができる。また、中継パイプを13肉薄に形成でき、軸筒の細径化に対応できる他、低芯径用のチャック体にも対応することができる。
【0023】
以上のように、複数の筆記芯を収納する芯収納部28を有する芯タンク9と、その芯タンク9前端から軸筒本体1の先端部に配した芯繰り出し機構8にかけて中継パイプ13を配設すると共に、芯タンク9と中継パイプ13の連通部に筆記芯を挿通可能とする芯挿通孔29を形成し、その芯挿通孔29の内径を中継パイプ13の内径以下としたので、筆記芯Lを中継パイプ13の外面に干渉されることなく、芯収納部28から芯繰り出し機構8におけるチャック体10の芯把持部11へ速やかに挿通させることができ、筆記芯Lの繰り出しが良好なシャープペンシルを提供することができる。
【0024】
次に、本発明の第2実施例を図10図19に示し、説明する。第2実施例は、芯収納部28、芯挿通孔29、中継パイプ案内部31をそれぞれ別部品に形成した例である。尚、以下では、第1実施例と同様の構成に関する説明は省略する。
【0025】
本実施例においても芯タンク9前端から軸筒本体1の先端部に配した芯繰り出し機構8にかけて中継パイプ13を配設すると共に、芯タンク9と中継パイプ13の連通部に筆記芯を挿通可能とする芯挿通孔29を形成し、その芯挿通孔29の内径を中継パイプ13の内径以下としている。
【0026】
本実施例では、一定の肉厚でパイプ状に形成され芯収納部28を有する芯タンク9、後述する連結具36、中継部材37により芯収納部28、芯挿通孔29、中継パイプ案内部31を形成している。前記中継部材37の前方にはチャック体10がカシメにより固定され、中ネジ部材15の後方に形成された大径部17の後端と前記連結具36に形成された大径部44の前端と間に張設された弾撥部材21により芯繰り出しユニット8が、軸筒1内に配置された際に、チャック体10、及び芯タンク9を軸筒1の後方に付勢している。
【0027】
まず、前述した連結具36に関して詳述する。
本実施例における連結具36の内部形状は後端側から緩やかなテーパ部30が連続的に形成され、その前方には芯挿通孔29が中継パイプ13の内径以下に形成されている。また、前記芯挿孔29の前方には芯挿通孔29よりも拡径され、中継パイプ13の外径と略同一の中継パイプ支持部38が形成されている。中継パイプ支持部38を形成することで実施例1と同様に芯挿通孔29と中継パイプ13の中心を合わせることができる。さらに、中継パイプ案内部31の前方には中継パイプ支持部38よりも拡径された圧入部32が形成され、中継部材37の圧入を容易にしている。
【0028】
連結具36の外形形状においては、後端側から芯タンク9の内径よりやや小となるように形成された圧入ガイド部A39が形成されている、その前方には芯タンク9の内径よりやや大となるように形成された圧入径部A40が形成されている。また、圧入ガイド部A39と圧入径部A40との間、及び圧入径部A40前方に逃し凹部41を芯タンク9の内径以下となるように形成している。前述したように、圧入ガイド部A39、逃し凹部41を形成することで、芯タンク9に対して連結具を真っすぐ圧入することができる他、圧入時に芯タンク9内面が削れて削れカスが発生したとしても、逃し凹部41で収まり芯収納部28まで到達するのを防ぐことができる。さらに、逃し凹部41を形成したことで、圧入部の面積を減らし、逃し凹部41が無い場合より軽い力で圧入することができ、圧入時の芯タンク9の座屈を防止することができる。その結果、安定した製品を供給することができる。
前端側からは、縮径部42、弾撥部材21の内径よりやや小となる径部43、大径部44の順に形成され、前記最大径部44には前述した通り、弾撥部材21が径部43にガイドされるように張設されている。径部43は弾撥部材21をガイドすることにより、弾撥部材21が伸縮する際に、座屈するのを抑制している。
【0029】
次に中継部材37について詳述する。
本実施例における中継部材37の内部形状は後端側から中継パイプ13の外径以上となるように中継パイプ案内部31が形成され、その前方にはチャック体10が挿入される挿入部45が形成されている。外形形状においては、後端側から前記連結具36に圧入する際のガイドとして圧入ガイド部Bが形成され、その前方には圧入径部B47が形成されている。前端側には薄肉部48が形成され、挿入部45に挿入されたチャック体10をカシメ易くしている。本実施例における中継パイプ案内部31は組み立て時に、中継パイプ13をチャック体10の内部に入れ易くする目的で形成している。
【0030】
本実施例のように、芯収納部28、芯挿通孔29、中継パイプ案内部31をそれぞれ別部材に形成することで、急な内径の変化がなく、長手の距離も分割できる為、低芯径用に細穴を形成する場合においても精度良く加工することができる。また、前述した理由から急な肉厚変化も抑制することができ、薄肉部と厚肉部による応力集中も回避することができ、安定した製品を供給することができる。
【0031】
続いて中継パイプ13の配設方法について詳述する。
本実施例における中継パイプ13は連結具36、中継部材37、チャック体10により形成された空間Sに遊挿され、後端側は前記連結具36における中継パイプ支持部38内に挿入され、仮に筆記芯Lが斜めに芯挿通孔29を通過した場合にも中継パイプ13の外面に触れないよう芯挿通孔29近傍まで配設されている。前端側においてはチャック体10の芯把持部11の近傍まで配設されている。また、中継パイプ13、チャック体10、及び芯挿通孔29との中心は、中継パイプ13の外径よりやや大となるように形成されたチャック体10の内部と連結具36に形成した中継パイプ支持部38により中継パイプ13の前端と後端を支持することで出している。前述のように中継パイプ13を配設することで筆記芯Lを芯挿通孔29から中継パイプ13への挿通を可能とし、芯タンク9の芯収納部28からチャック体10の芯把持部11の中心に筆記芯Lを確実に案内することができる。結果として、チャック体10の拡開やノック時の振動で筆記芯がチャック体10のすり割り部35に入り込み芯が挟まるのを防止することができる。
【0032】
以上のように、複数の筆記芯を収納する芯収納部28を有する芯タンク9と、その芯タンク9前端から、軸筒本体1の先端部に配した芯繰り出し機構8にかけて中継パイプ13を配設すると共に、芯タンク9と中継パイプ13の連通部に筆記芯を挿通可能とする芯挿通孔29を形成し、その芯挿通孔29の内径を中継パイプ13の内径以下としたので、筆記芯Lを中継パイプ13の外面に干渉されることなく、芯収納部28から芯繰り出し機構8におけるチャック体10の芯把持部11へ速やかに挿通させることができ、筆記芯Lの繰り出しが良好なシャープペンシルを提供することができる。
【0033】
最後に、本発明の第3実施例について図20図23に示し、説明する。
第3実施例は、芯タンク9、連結具36、中継部材37をカシメにより固定した例である。尚、以下では、第1、2実施例と同様の構成に関する説明は省略する。
【0034】
本実施例においても芯タンク9前端から軸筒本体1の先端部に配した芯繰り出し機構8にかけて中継パイプ13を配設すると共に、芯タンク9と中継パイプ13の連通部に筆記芯を挿通可能とする芯挿通孔29を形成し、その芯挿通孔29の内径を中継パイプ13の内径以下としている。
【0035】
まず、本実施例における連結具36に関して詳述する。
本実施例における連結具36の内部形状は後端側から緩やかなテーパ部30が連続的に形成され、その前方には芯挿通孔29が中継パイプ13の内径以下に形成されている。また、前記芯挿孔29の前方には芯挿通孔29よりも拡径され、中継パイプ13の外径と略同一の中継パイプ支持部38が形成されている。前記の通り中継パイプ支持部38を形成することで芯挿通孔29と中継パイプ13の中心を合わせることができる。さらに、中継パイプ支持部38の前方には中継パイプ支持部38よりも拡径された中継部材挿入部49が形成され、中継部材37の挿入を容易にしている。
【0036】
外形形状においては、後端側から芯タンク9の内径よりやや小となるように形成された挿入ガイド部A50が縮径したカシメ溝A51を挟むようにして形成され、芯タンク9と連結具36をカシメる際の応力がかかった場合にも、挿入ガイド部A50により芯タンク9と連結具36のガタつきを抑制することができ、カシメ作業をし易くなるので生産性が向上する。挿入ガイド部A50の前方には逃し凹部41を芯タンク9の内径以下となるように形成している。前端側からは、薄肉部52、弾撥部材21の内径よりやや小となる径部43、大径部44の順に形成され、第2実施例と同様に最大径部44には、弾撥部材21が径部43にガイドされるように張設されている。径部43で弾撥部材21をガイドすることにより、弾撥部材21が伸縮する際に、座屈するのを抑制している。また、薄肉部52を形成することで、軽い力でカシメ作業が実施できるので、連結具36及び内包する後述する中継部材37、中継パイプ13への負荷を低減することができる。
【0037】
次に中継部材37について詳述する。本実施例における中継部材37の内部形状は後端側から中継パイプ13の外径以上となるように中継パイプ案内部31が形成され、その前方にはチャック体10が挿入される挿入部45が形成されている。外形形状においては、後端側から挿入ガイド部B53が前記が前記連結具36における中継部材挿入部49よりやや小となるように形成され、その前方には縮径したカシメ溝B54が形成されている。前端側には薄肉部48が形成され、挿入部45に挿入されたチャック体10をカシメ易くしている。本実施例における中継パイプ案内部31は組み立て時に、中継パイプ13をチャック体10の内部に入れ易くする目的で形成している。
【0038】
本実施例のように、芯タンク9、連結具36、中継部材37をそれぞれカシメにより連結することで、連結部以外の箇所に組立の際の余計な応力がかかるのを防いでいる。特に低芯径用の部材の場合、チャック体10など薄肉部を有する部材を樹脂やリン青銅など比較的軟らかい材質で形成する場合には、組立時の余計な応力により座屈や折れ、ヒビなどが発生する恐れがある為、有効である。そして、その結果、安定した製品を供給することができる。また、芯タンク9に挿入された連結具36の後端や、芯タンクと連結具の継ぎ目に筆記芯Lがひっかからないように内径側に向けてカシメ突起55を形成することで、より確実に芯収納部28から芯挿通孔29へ筆記芯Lを案内することができ、筆記芯Lの繰り出しが良好なシャープペンシルを提供することができる。
【0039】
続いて中継パイプ13の配設方法について詳述する。
本実施例における中継パイプ13は連結具36、中継部材37、チャック体10により形成された空間Sに遊挿され、後端側は前記連結具36における中継パイプ支持部38内に挿入され、仮に筆記芯Lが斜めに芯挿通孔29を通過した場合にも中継パイプ13の外面に触れないよう芯挿通孔29近傍まで配設されている。前端側においてはチャック体10の芯把持部11の近傍まで配設されている。また、中継パイプ13、チャック体10、及び芯挿通孔29との中心は、中継パイプ13の外径よりやや大となるように形成されたチャック体10の内部と連結具36に形成した中継パイプ支持部38により中継パイプ13の前方と後端を支持することで出している。前述のように中継パイプ13を配設することで筆記芯Lを芯挿通孔29から中継パイプ13への挿通を可能とし、芯タンク9の芯収納部28からチャック体10の芯把持部11の中心に筆記芯Lを確実に案内することができる。結果として、チャック体10の拡開やノック時の振動で筆記芯がチャック体10のすり割り部35に入り込み芯が挟まるのを防止することができる。
【0040】
以上のように、複数の筆記芯を収納する芯収納部28を有する芯タンク9と、その芯タンク9前端から、軸筒本体1の先端部に配した芯繰り出し機構8にかけて中継パイプ13を配設すると共に、芯タンク9と中継パイプ13の連通部に筆記芯を挿通可能とする芯挿通孔29を形成し、その芯挿通孔29の内径を中継パイプ13の内径以下としたので、中継パイプ13の外面に干渉することなく筆記芯Lを芯収納部28から芯繰り出し機構8におけるチャック体10の芯把持部11へ速やかに挿通させることができ、筆記芯Lの繰り出しが良好なシャープペンシルを提供することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 軸筒
2 パイプ
3 芯保持部材
4 スライダー
5 ストッパーリング
6 先部材
7 軸筒本体
8 芯繰り出しユニット(芯繰り出し機構)
9 芯タンク
10 チャック体
11 芯把持部
12 チャックリング
13 中継パイプ
14 開閉リング
15 中ネジ部材
16 段部
17 拡径部
18 縮径部
19 本体部
20 段部
21 弾撥部材
22 消しゴム受け部材
23 消しゴム
24 押圧部材
25 飾りリング
26 凹部
27 溝部
28 芯収納部
29 芯挿通孔
30 テーパ部
31 中継パイプ案内部
32 圧入部
33 大径部
34 小径部
35 すり割り部
36 連結具
37 中継部材
38 中継パイプ支持部
39 圧入ガイド部A
40 圧入径部A
41 逃し凹部
42 縮径部
43 径部
44 大径部
45 挿入部
46 圧入ガイド部B
47 圧入径部B
48 薄肉部
49 中継部材挿入部
50 挿入ガイド部A
51 カシメ溝A
52 薄肉部
53 挿入ガイド部B
54 カシメ溝B
55 カシメ突起
L 筆記芯
L’ 予備芯
S 空間
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