(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548145
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】高圧配電線架設方法およびコンクリート電柱用高圧配電線取付具
(51)【国際特許分類】
H02G 1/02 20060101AFI20190711BHJP
H02G 7/00 20060101ALI20190711BHJP
H02G 7/22 20060101ALI20190711BHJP
H02G 13/00 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
H02G1/02
H02G7/00
H02G7/22
H02G13/00
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-186913(P2015-186913)
(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公開番号】特開2017-63538(P2017-63538A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107467
【弁理士】
【氏名又は名称】員見 正文
(72)【発明者】
【氏名】山内 隆生
【審査官】
木村 励
(56)【参考文献】
【文献】
特開平5−26946(JP,A)
【文献】
実開平2−68623(JP,U)
【文献】
実開昭63−105419(JP,U)
【文献】
実開昭61−98343(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H02G 7/00
H02G 7/22
H02G 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1条の架空地線(GW)が施設されるコンクリート電柱(1)間に3相の高圧配電線を水平槍出し方式で架設するための高圧配電線架設方法であって、
前記コンクリート電柱に取り付けられる高圧配電線取付腕金(11)と一端が前記高圧配電線取付腕金に接続されるとともに他端が接地される接地線(12)とを備えたコンクリート電柱用高圧配電線取付具(10)を用いて前記高圧配電線を架設し、
前記接地線を介して前記高圧配電線取付腕金を接地して前記コンクリート電柱における雷害を防止する、
ことを特徴とする、高圧配電線架設方法。
【請求項2】
前記コンクリート電柱用高圧配電線取付具が、前記架空地線を施設するための槍出し型架空地線取付金物(20)をさらに備え、
前記架空地線を前記高圧配電線の電柱側線(La)および中線(Lb)の中間上に施設するように、前記槍出し型架空地線取付金物を前記高圧配電線取付腕金に取り付ける、
ことを特徴とする、請求項1記載の高圧配電線架設方法。
【請求項3】
前記接地線の前記他端を、直接接地することを特徴とする、請求項1または2記載の高圧配電線架設方法。
【請求項4】
前記接地線の前記他端を、前記コンクリート電柱に取り付けられた柱上機器や金属製金物を接地するための他の接地線と電気的に接続して接地することを特徴とする、請求項1または2記載の高圧配電線架設方法。
【請求項5】
1条の架空地線(GW)が施設されるコンクリート電柱(1)間に3相の高圧配電線を水平槍出し方式で架設するのに用いるためのコンクリート電柱用高圧配電線取付具(10)であって、
前記コンクリート電柱に取り付けられる高圧配電線取付腕金(11)と、
一端が前記高圧配電線取付腕金に接続されるとともに他端が接地される接地線(12)とを具備し、
前記接地線を介して前記高圧配電線取付腕金を接地して前記コンクリート電柱における雷害を防止する、
ことを特徴とする、コンクリート電柱用高圧配電線取付具。
【請求項6】
前記架空地線を前記高圧配電線の電柱側線(La)および中線(Lb)の中間上に施設するように前記高圧配電線取付腕金に取り付けられる槍出し型架空地線取付金物(20)をさらに具備することを特徴とする、請求項5記載のコンクリート電柱用高圧配電線取付具。
【請求項7】
前記槍出し型架空地線取付金物が、
末端部側に対して先端部側が横方向に90度曲げられた棒状のL型金物(21)と、
該L型金物の前記末端部に取り付けられた、かつ、前記槍出し型架空地線取付金物を前記高圧配電線取付腕金に取り付けるための取付金物(22)と、
前記L型金物の前記先端部に取り付けられた、かつ、架空地線支持用碍子を取り付けるための架空地線取付金物(23)とを備える、
ことを特徴とする、請求項6記載のコンクリート電柱用高圧配電線取付具。
【請求項8】
前記接地線の前記他端が、直接接地されることを特徴とする、請求項5乃至7いずれかに記載のコンクリート電柱用高圧配電線取付具。
【請求項9】
前記接地線の前記他端が、前記コンクリート電柱に取り付けられた柱上機器や金属製金物を接地するための他の接地線と電気的に接続されて接地されることを特徴とする、請求項5乃至7いずれかに記載のコンクリート電柱用高圧配電線取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1条の架空地線が施設されるコンクリート電柱間に高圧配電線(6.6kV配電線)を水平槍出し方式で架設するのに好適な高圧配電線架設方法およびコンクリート電柱用高圧配電線取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社では、支持物接地は鋼管電柱でない限り施設しておらず、コンクリート電柱1には架空地線、アレスタおよび変圧器保護用ZnO等を取り付けることにより、柱上機器(変圧器等)の焼損に至る雷害を減少させてきている。
【0003】
また、近年では、高圧配電線取付腕金(水平槍出しアーム)を用いた水平槍出し方式(コンクリート電柱の片側に3相の高圧配電線を架設する方式)による高圧配電線敷設が増加していることに伴い、3相の高圧配電線のうち電柱側線および中線の雷による断線事故を防止するために1条の架空地線をコンクリート電柱間に施設している。
【0004】
このような架空地線施設方法としては、以下に示す2つの方法がある。
(1)
図4(a)に示すように、垂直アーム型架空地線取付金物120(以下、「垂直アーム型GW取付金物120」と称する。)をコンクリート電柱1の頂部に取り付けて、垂直アーム型GW取付金物120の上端部に1条の架空地線GWを取り付けて支持する。
(2)
図4(b)に示すように、先端部が高圧配電線の電柱側線Laの略上方となるように槍出し型架空地線取付金物130(以下、「槍出し型GW取付金物130」と称する。)をコンクリート電柱1の頂部に取り付けて、槍出し型GW取付金物130の先端部に1条の架空地線GWを取り付けて支持する。
【0005】
なお、架空地線が雷を遮蔽する範囲については古くから種々の説があり未だ決定的な結論を得るには至っておらず、送電線鉄塔では一般的には鉄塔高が高くなると遮蔽効果が悪くなり、鉄塔高20mでは遮蔽角が45度で十分遮蔽効果があるが、鉄塔高30mでは30度、鉄塔高40mでは上相に対しては20度、中相に対しては15度程度しか十分な遮蔽効果は得られないと言われている。
そのため、送電線下での架空地線は1条布設して遮蔽角(架空地線の地上への垂線と架空地線と送電線を結ぶ線の作る角度)を45°程度以下にしたり、高電圧主要送電線では鉄塔高が高くまた遮蔽効果を上げるために架空地線を2条布設して遮蔽角を15°以下にしたりしている。
【0006】
下記の特許文献1には、電力の安定な供給を維持しつつ架空地線の施設費用およびメンテナンス費用を大幅に削減するために、配電用避雷器の存在する電柱を中心にしてその左右両側の電柱との間に跨がって架空地線を施設するようにした配電線耐雷方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−285794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、コンクリート電柱1では高圧配電線取付腕金110は接地されておらず、一実験結果によるとコンクリート電柱1はサージインピーダンス=200Ωおよび伝搬速度=300m/μ秒の分布定数回路であり、架空地線GWによる遮蔽が十分であっても、架空地線GWまたはコンクリート電柱1が雷撃を受けるとコンクリート電柱1の過大な電位上昇によって逆フラッシュオーバが発生して、雷異常電圧が高圧配電線に進入するという問題があった。
【0009】
また、雷撃によって雷異常電圧が発生すると、コンクリート電柱1に取り付けられた柱上機器や金属製金物(腕金や変台等)の間に電位差が生じて、放電による柱上機器の破損および損傷を招くという問題があった。
【0010】
さらに、
図4(a)に示した架空地線施設方法では、同図に示すように遮蔽角45°の場合には3相の高圧配電線のうち電柱側線Laしか保護できず、また、遮蔽角20°の場合には3相の高圧配電線すべてを保護できないため、雷撃による断線を十分に防止することができないという問題があった。
同様に、
図4(b)に示した架空地線施設方法でも、同図に示すように遮蔽角45°の場合には3相の高圧配電線すべてを保護できるが、遮蔽角20°の場合には3相の高圧配電線のうち電柱側線Laしか保護できないため、雷撃による断線を十分に防止することができないという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、水平槍出し方式により高圧配電線が架設されたコンクリート電柱における雷害を十分に防止できる高圧配電線架設方法およびコンクリート電柱用高圧配電線取付具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の高圧配電線架設方法は、1条の架空地線(GW)が施設されるコンクリート電柱(1)間に3相の高圧配電線を水平槍出し方式で架設するための高圧配電線架設方法であって、
前記コンクリート電柱に取り付けられる高圧配電線取付腕金(11)と
一端が前記高圧配電線取付腕金に接続されるとともに他端が接地される接地線(12)とを備えたコンクリート電柱用高圧配電線取付具(10)を用いて前記高圧配電線を架設
し、前記接地線を介して前記高圧配電線取付腕金を接地して前記コンクリート電柱における雷害を防止することを特徴とする。
ここで、前記コンクリート電柱用高圧配電線取付具が、前記架空地線を施設するための槍出し型架空地線取付金物(20)をさらに備え、前記架空地線を前記高圧配電線の電柱側線(La)および中線(Lb)の中間上に施設するように、前記槍出し型架空地線取付金物を前記高圧配電線取付腕金に取り付けてもよい。
前記接地線の
前記他端を、直接接地してもよい。
前記接地線の
前記他端を、前記コンクリート電柱に取り付けられた柱上機器や金属製金物を接地するための他の接地線と電気的に接続して接地してもよい。
本発明のコンクリート電柱用高圧配電線取付具は、1条の架空地線(GW)が施設されるコンクリート電柱(1)間に3相の高圧配電線を水平槍出し方式で架設するのに用いるためのコンクリート電柱用高圧配電線取付具(10)であって、前記コンクリート電柱に取り付けられる高圧配電線取付腕金(11)と、
一端が前記高圧配電線取付腕金に接続されるとともに他端が接地される接地線(12)と
を具備し、前記接地線を介して前記高圧配電線取付腕金を接地して前記コンクリート電柱における雷害を防止することを特徴とする。
ここで、前記架空地線を前記高圧配電線の電柱側線(La)および中線(Lb)の中間上に施設するように前記高圧配電線取付腕金に取り付けられる槍出し型架空地線取付金物(20)をさらに具備してもよい。
前記槍出し型架空地線取付金物が、末端部側に対して先端部側が横方向に90度曲げられた棒状のL型金物(21)と、該L型金物の前記末端部に取り付けられた、かつ、前記槍出し型架空地線取付金物を前記高圧配電線取付腕金に取り付けるための取付金物(22)と、前記L型金物の前記先端部に取り付けられた、かつ、架空地線支持用碍子を取り付けるための架空地線取付金物(23)とを備えてもよい。
前記接地線の
前記他端が、直接接地されてもよい。
前記接地線の
前記他端が、前記コンクリート電柱に取り付けられた柱上機器や金属製金物を接地するための他の接地線と電気的に接続されて接地されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の高圧配電線架設方法およびコンクリート電柱用高圧配電線取付具は、以下の効果を奏する。
(1)高圧配電線取付腕金を接地することにより、水平槍出し方式により3相の高圧配電線が架設されたコンクリート電柱における雷害を十分に防止することができる。
(2)高圧配電線取付腕金を接地するとともに、槍出し型架空地線取付金物を用いて高圧配電線の電柱側線および中線の中間上に架空地線を施設することにより、水平槍出し方式により3相の高圧配電線が架設されたコンクリート電柱における雷害を更に十分に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例による高圧配電線架設方法について説明するための図である。
【
図2】
図1に示した槍出し型架空地線取付金物20の構成を示す図であり、(a)はその正面図であり、(b)はその右側面である。
【
図3】
図2に示した槍出し型架空地線取付金物20の高圧配電線取付腕金11への取付方法について説明するための図である。
【
図4】従来の架空地線施設方法について説明するための図であり、(a)は垂直アーム型GW取付金物120を用いる場合について説明するための図であり、(b)は槍出し型GW取付金物130を用いる場合について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の目的を、高圧配電線取付腕金を接地するとともに高圧配電線の電柱側線および中線の中間上に架空地線を施設することによりに実現した。
【実施例1】
【0016】
以下、本発明の高圧配電線架設方法およびコンクリート電柱用高圧配電線取付具の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の高圧配電線架設方法は、以下に示す2つの特徴を有する。
(1)高圧配電線取付腕金を接地することにより、架空地線GWまたはコンクリート電柱1が雷撃を受けた際の逆フラッシュオーバの発生を防止して雷異常電圧の高圧配電線への進入を防止するとともに、放電による柱上機器の破損および損傷を防止する。
(2)非接地方式の高圧配電線では雷による絶縁破壊が1相だけであれば地絡電流は数アンペアと小さく短時間で自然消弧すると考えられているため高圧配電線の断線に至らない(すなわち、高圧配電線の雷断線は支持碍子2(
図4(a)参照)近傍での絶縁破壊が2相以上で発生し短絡に至ってAC続流により発生するため、2相のAC続流を遮断できれば短絡に至らずに雷断線を防止することができる)ことに鑑みて、槍出し型架空地線取付金物を用いて3相の高圧配電線の電柱側線Laおよび中線Lbの中間上に架空地線GWを施設することにより、1条の架空地線GWによって電柱側線Laおよび中線Lbを確実に保護できるようにする。
【0017】
そのため、本発明の一実施例による架空地線施設方法では、
図1に示すように、高圧配電線取付腕金11、接地線12および槍出し型架空地線取付金物20(以下、「槍出し型GW取付金物20」と称する。)を備えたコンクリート電柱用高圧配電線取付具10(以下、「高圧配電線取付具10」と称する。)を用いて3相の高圧配電線(電柱側線La、中線Lbおよび外側線Lc)を支持碍子2を介して架設するとともに1条の架空地線GWを電柱側線Laおよび中線Lbの中間上に施設する。
【0018】
ここで、接地線12の一端は、高圧配電線取付腕金11に電気的に接続されており、また、接地線12の他端は、コンクリート電柱1に設置された変圧器3および腕金4(先端部に高圧カットアウトが取り付けられた腕金4等)を接地するための接地線と電気的に接続されて接地されている。
【0019】
これにより、架空地線GWまたはコンクリート電柱1が雷撃を受けた際の逆フラッシュオーバの発生を防止して雷異常電圧の高圧配電線への進入を防止することができる。
また、高圧配電線取付腕金11、変圧器3および腕金4を接地線12で電気的に接続することにより、経路全体の電位上昇を抑制することができる。
【0020】
槍出し型GW取付金物20は、
図2(a),(b)に示すように、L型金物21と、取付金物22と、架空地線取付金物23(以下、「GW取付金物23」と称する。)とを備える。
【0021】
L型金物21は、末端部側に対して先端部側が横方向に90度曲げられた径=45mmの棒状のものであり、末端部側の長さ=850mmおよび先端部側長さ=755mmとされている。
【0022】
取付金物22は、槍出し型GW取付金物20を高圧配電線取付腕金11に取り付けるためのものであり(
図1参照)、L型金物21の末端部に取り付けられている。
取付金物22は、上端部に2個のボルト貫通孔が横方向に並設された矩形板状の抑え板と、下端部に1個のボルト貫通孔がそれぞれ形成されるとともにL型金物21の末端部の左右にそれぞれ取り付けられた2個の直角台形板上の取付板と、両端部にボルト溝が形成された2本のU字状ボルトと、4個のナットとを備える。
抑え板は、横=250mmのものであり、取付板の底面からの縦方向の長さが75mmとなるようにされている。
取付板は、縦=150mmとされている。
U字状ボルトの上端部と下端部との間隔は75±3mmとされている。
【0023】
取付金物22は、L型金物21および2個の取付板の底面を高圧配電線取付腕金11の上面に接触させ、2本のU字状ボルトを抑え板に形成された2個のボルト貫通孔および2個の取付板に形成されたボルト貫通孔に挿入したのちに4個のナットを螺合させることにより、高圧配電線取付腕金11に取り付けられる。
【0024】
GW取付金物23は、架空地線支持用碍子(
図1参照)を取り付けるためのものであり、L型金物21の先端部に取り付けられており、上面中央部および両側面部の下端部にボルト貫通孔が1個ずつ形成された正面視コの状の碍子取付板と、一対のボルトおよびナットとを備える。
碍子取付板は、高さ=90mm、厚さ=4.5mmおよび開口部の横方向の長さ=70mmのものであり、上面中央部のボルト貫通孔はその中心が両側面から50mmの位置になるように形成されており、両側面部のボルト貫通孔はその中心が上面から70mmの位置になるように形成されている。
【0025】
GW取付金物23は、碍子取付板の上面をL型金物21の先端部の下側に接触させ、ボルトを下方から碍子取付板のボルト貫通孔に挿入したのちにナットを螺合させることにより、L型金物21の先端部の下側に取り付けられている。
【0026】
なお、GW取付金物23は、碍子取付板の上面をL型金物21の先端部の上側に接触させ、ボルトを上方から碍子取付板のボルト貫通孔に挿入したのちにナットを螺合させることにより、L型金物21の先端部の上側に取り付けてもよい。
【0027】
次に、GW取付金物23のコンクリート電柱1への取付方法について、
図3を参照して説明する。
なお、コンクリート電柱1に取り付けられている高圧配電線取付腕金11は、長さ=1,550mm(=800mm+350mm+350mm+50mm)であり、電柱側線La用の支持碍子2、中線Lb用の支持碍子2および外側線Lc用の支持碍子2は、コンクリート電柱1の外周面から800mm、1,150mm(=800mm+350mm)および1,500mm(=800mm+350mm+350mm)の位置で高圧配電線取付腕金11にそれぞれ取り付けられているものとする。
【0028】
槍出し型GW取付金物20は、架空地線GWを電柱側線Laおよび中線Lbの中間上に施設するように、GW取付金物23の横方向の中心が電柱側線La用の支持碍子2と中線Lb用の支持碍子2との間に位置するように、取付金物22によって高圧配電線取付腕金11に取り付けられる。
【0029】
これにより、万一電位上昇が発生した場合でも、雷による絶縁破壊は一相のみにすることが可能となるため、高圧配電線の断線に至らないようにすることができる。
【0030】
以上の説明では、接地線12の他端を変圧器3および腕金4の接地線と電気的に接続して接地したが、柱上機器(変圧器3等)や金属製金物(腕金4等)が取り付けられていないコンクリート電柱1では接地線12を直接接地してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 コンクリート電柱
2 支持碍子
3 変圧器
4 腕金
10 高圧配電線取付具
11 高圧配電線取付腕金
12 接地線
20 槍出し型GW取付金物
21 L型金物
22 取付金物
23 GW取付金物
110 高圧配電線取付腕金
120 垂直アーム型GW取付金物
130 槍出し型GW取付金物
GW 架空地線
La 電柱側線
Lb 中線
Lc 外側線