特許第6548164号(P6548164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548164
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】ベルトコンベアスタッカ
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/28 20060101AFI20190711BHJP
   B65H 31/06 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   B65H31/28
   B65H31/06
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-216104(P2015-216104)
(22)【出願日】2015年10月15日
(65)【公開番号】特開2017-75050(P2017-75050A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第364367(GB,A)
【文献】 特開平4−328587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H5/36−5/38、29/52−29/56、29/66−29/68、31/00−31/40
B65G57/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアのベルト上で刺身状に前後を重ね合わせながら搬送されるシート状の搬送物を起立状態で積載するベルトコンベアスタッカであって、ベルトコンベアの後部に設けられた積載板に取り付けられると共に直線状の先端部を平面状のベルト表面に押し当て湾曲した弾性板により、送られてくるシート状の搬送物が前記弾性板に沿って順次起立状態で積載されることを特徴としたベルトコンベアスタッカ。
【請求項2】
弾性板が積載板に対してスライド可能であり、前記スライドによりベルトとの接触位置を移動させて弾性板の湾曲状態を変化可能としたことを特徴とした請求項1に記載のベルトコンベアスタッカ。
【請求項3】
弾性板が積載板に対して磁石により任意の位置に固定することができることを特徴とした請求項1に記載のベルトコンベアスタッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チラシ、DM、ハガキ、パンフレット等、上流の加工工程からベルトコンベアにより搬送されて来る、様々な加工が施されたシート状加工物を順次起立させて積載するためのベルトコンベアスタッカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベルトコンベアによりシート状の加工物を順次起立状態で積載する装置として、例えば特開平9−77326号公報の連続用紙切断処理装置に記載されるベルトコンベアスタッカ装置があった。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】特開平9−77326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献の発明に記載される従来のベルトコンベアスタッカ装置の原理を以下に説明する。
図1(A)、(B)及び図2に示すように、従来は複数の搬送ベルト1が配置され、そのベルト間を搬送ベルト1より下方に延長させ櫛状に成形されたガイド板2により、図3に示すようシート状の搬送物をライダーローラR等を使用してガイド板2に擦り付けて順次起立状態で積載するように構成されている。
【0005】
ところが前記複数の搬送ベルト1の構成では、ベルト同士の間隔により搬送できるシートの幅に制限がある。即ち幅の狭いシート等の場合、前記ベルト同士の間隔が障害になり安定して搬送できなくなる。装置を扱う側としては様々な幅のシートに対応できる幅の広い1本のベルトで処理したいところである。しかし1本の幅広ベルトではシートを順次擦り上げて起立状態にするための、ベルトの下方に入り込むガイド板2の櫛状部分の構造を取り入れることができない。
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、1本の幅広ベルトにも関わらず確実に搬送されてくるシートを擦り上げて順次起立状態にして集積することができるシート状搬送物の積載手段備えたベルトコンベアスタッカを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のベルトコンベアスタッカは、ベルトコンベアのベルト上で刺身状に前後を重ね合わせながら搬送されるシート状の搬送物を起立状態で積載するベルトコンベアスタッカであって、ベルトコンベアの後部に設けられた積載板に取り付けられると共に直線状の先端部を平面状のベルト表面に押し当て湾曲した弾性板により、送られてくるシート状の搬送物が前記弾性板に沿って順次起立状態で積載されることを特徴としている。
【0008】
なお、前記弾性板は、積載板にネジ等を利用してスライド可能に取り付けても構わず、更に磁石により自由自在に積載板の任意の個所に固定できるようにしても構わない。何れの場合でも、積載板に対する弾性板の取付け位置により搬送ベルトとの接触位置が変化して、弾性板の湾曲率が変化する。従って搬送されてくるシートの材質等の性質により、前記弾性板の最良の取付け位置を選択すればよいのである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のベルトコンベアスタッカによれば、1本の幅広ベルトにより刺身状に前後を重ね合わせながら搬送されてくる様々な幅のシートを擦り上げ、順次起立状態で集積することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】(A)及び(B)は従来のベルトコンベアスタッカの原理を示す斜視図である。
図2】従来のベルトコンベアスタッカの原理を示す平面図である。
図3】従来のベルトコンベアスタッカの原理を示す部分拡大側面図である。
図4】本発明のベルトコンベアスタッカの部分拡大側面図である。
図5】本発明のベルトコンベアスタッカの部分拡大側面図である。
図6】本発明のベルトコンベアスタッカの部分斜視図である。
図7】本発明のベルトコンベアスタッカを積載板2の後方側から見た背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図面と共に分かりやすく説明する。
図4乃至図6に示すように本発明のベルトコンベアスタッカは、基本的に幅の広い一本のベルト1と前記ベルトの反転部分に設けられた積載板2及び弾性板3の組み合わせからなる。
【0012】
前記弾性板3は金属、プラスチック樹脂、紙、不織布等を使用することができる。金属であれば、SPCC、SUS、SK、黄銅等の弾性のある材質で、厚さが0.08〜0.3mmの範囲のものを好適に使用することができる。厚さが厚過ぎると湾曲しづらくなると共にベルト1の表面を強く押え過ぎて抵抗になりかねない。また厚さが薄すぎると弾性力不足でベルトの流れに巻き込まれてしまい折れ曲がる可能性がある。
【0013】
またプラスチック樹脂であれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート等の弾性のある材質で前記金属と同程度の厚さのものから選択すればよい。なお紙や不織布等で弾性板3を構成しても構わず、その場合材質(紙質や布質)、厚さを適宜選択して弾性力を調整すればよい。
【0014】
弾性体3のベルト1と接触する端面は角落し加工がされていることが好ましい。そうすることによりベルト1との摩擦による抵抗を極力減らすことができ、また搬送されてくるシートが突き当たることもない。なお既述の厚さ0.08〜0.3mmの金属の弾性板3の場合レーザーや打ち抜きによる加工した後に端面処理を施せばシートが突き当たることはない。
【0015】
図7に示すように、例えば積載板2に長穴5を設け弾性板3が取付けネジ4を緩めることにより上下にスライドできるように構成すれば、弾性板3とベルト1の接触位置を変えることができ、それにより弾性板3のベルト1に対する角度及び湾曲の状態を変更することができる。そうすることにより取り扱うシートの材質の性質に関わらず良好に順次起立状態で積載することができるのである。
【0016】
また図6に示す取付けネジ4を、例えばマグネットにして自由な位置に固定できるようにすれば、弾性板3を上下左右に自在に移動できるので、より多種類のシートの積載に対応することが可能になる。
【符号の説明】
【0017】
S シート
R ライダーローラ
1 ベルト
2 積載板
3 弾性板
4 取付けネジ
5 長穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7