(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシン1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、収納箱BX、前面上扉UD及び前面下扉DDからなる箱形の筐体内に複数のリールとしての第1リールR1〜第3リールR3からなるリールユニットが収められている。また、筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(
図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板も収められている。
【0013】
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(以下、各領域を「コマ」と記載する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1〜第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータ(図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち、本実施形態のスロットマシン1では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
【0014】
前面上扉UDと前面下扉DDとは、個別に開閉可能に設けられている。前面上扉UDには、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3の中段によって有効ラインL1が構成される。
【0016】
ここで、本実施形態のスロットマシン1は、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が、遊技開始時における遊技状態に応じて第1投入数としての3枚又は第2投入数としての2枚に設定され、各遊技状態に応じて設定された規定投入数に相当するメダルが投入されると有効ラインL1が有効化されるように構成されている。スロットマシン1は、遊技状態が非ボーナス状態としての通常状態(通常非ボーナス状態)及びリプレイタイム状態(RT状態:高確非ボーナス状態)と、第1ビッグボーナス成立状態(BB1成立状態)と、第2ビッグボーナス成立状態(BB2成立状態)とのいずれかである場合、規定投入数として2枚と3枚とを選択可能に設定される。また、スロットマシン1は、遊技状態が第1ボーナス状態としての第1ビッグボーナス状態(BB1状態)と、第3ボーナス状態としての通常レギュラーボーナス状態(通常RB状態:通常第3ボーナス状態)及び高確レギュラーボーナス状態(高確RB状態:高確第3ボーナス状態)とである場合、規定投入数として2枚に設定される。また、スロットマシン1は、遊技状態が第2ボーナス状態としての第2ビッグボーナス状態(BB2状態)である場合、レギュラーボーナスが作動していない状態(RB非作動中BB2状態)においては、規定投入数として2枚と3枚とを選択可能に設定され、レギュラーボーナスが作動している状態(RB作動中BB2状態)においては、規定投入数が2枚に設定される。各遊技状態の詳細については、後述する。
【0017】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0018】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
前面上扉UDには、遊技演出を行うための表示装置330が設けられている。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像や画像が表示される。また、本実施形態のスロットマシン1では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。スピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
【0020】
また、前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための投入操作手段として、1枚のメダルを投入するシングルベットボタンBT及び規定投入数のメダルを投入するマックスベットボタンMB、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる開始操作を遊技者に実行させるための遊技開始操作手段としてのスタートレバーSL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を遊技者に実行させるための停止操作手段としてのストップボタンB1〜ストップボタンB3及びクレジットされたメダルを精算するための精算ボタンBSも設けられている。
【0021】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを押下する又はマックスベットボタンMBを押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下、つまり遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1〜ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0022】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ240がオン動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。ここで、ストップスイッチは、例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサ等から構成される。
【0023】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1〜ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板へ出力するリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
【0024】
そして、制御基板は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
【0025】
また、前面下扉DDの下部には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、例えば、遊技機内にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、精算ボタンBSが押下された場合、精算ボタンBSの押下に伴ってホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す精算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0026】
図2は、本実施形態のスロットマシン1の機能ブロック図である。本実施形態のスロットマシン1は、制御基板としての遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作を制御をする。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。そして、遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190及びリール演出決定手段200を含む。
【0027】
投入受付手段105は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、投入されたメダルを投入状態に設定し、規定投入数(2枚又は3枚)に相当するメダルを投入状態に設定したことに基づいて、スタートレバーSLに対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお、本実施形態のスロットマシン1では、規定投入数に相当するメダルを投入状態に設定したことに基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技者による遊技の開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、後述する内部抽選手段120が内部抽選を実行する契機となっている。また、本実施形態のスロットマシン1では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また、本実施形態のスロットマシン1では、スロットマシン1にメダルがクレジットされた状態で、シングルベットボタンBT又はマックスベットボタンMBが押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
【0028】
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0029】
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対して開始操作を実行し、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理等を行う。
【0030】
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルL(
図3〜
図5参照)のうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを現在の遊技状態に基づき選択する。各内部抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役及びボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。ここで、リプレイは、有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せがリプレイの成立を示す図柄組合せである場合に、入賞判定手段140によってリプレイが入賞したと判定され、リプレイが入賞した遊技において設定されていた規定投入数のメダルが投入状態に自動的に設定される役である。また、小役は、有効ラインL1上に停止表示された図柄組合せが小役の入賞を示す図柄組合せである場合に、各小役に設定された配当に相当するメダルが払い出される役である。なお、以下の記載において、入賞判定手段140によってリプレイが入賞したと判定されることを、リプレイが成立したとも記載する。
【0031】
図3に示すように、規定投入数が3枚に設定された状態において、遊技状態が通常状態である場合に選択される内部抽選テーブルAと、遊技状態がRT状態である場合に選択される内部抽選テーブルBと、遊技状態がBB1成立状態又はBB2成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルCと、遊技状態がBB2状態であり、RB非作動中である場合に選択される内部抽選テーブルDとは、小役の当選確率が同一に設定されており、小役として、打順ベル1〜打順ベル12とチェリーとにそれぞれ乱数値が対応付けられている。
【0032】
内部抽選テーブルAは、BB1(後述)及びRB(後述)に乱数値が設定されている。内部抽選テーブルBは、内部抽選テーブルAとリプレイの当選確率が異なっており、内部抽選テーブルAにおいてハズレに対応付けられていた乱数値の一部をリプレイに対応付けることで、内部抽選テーブルAよりもリプレイの当選確率が高くなるように設定されている。内部抽選テーブルCは、BB1又はBB2に当選し、かつ当選したボーナスに入賞していない状態でスタートレバーSLが開始操作されスタートスイッチ230が開始操作を検出した場合に選択される内部抽選テーブルであり、内部抽選テーブルAにおけるBB1(後述)及びRB(後述)の代わりにハズレに乱数値が設定されている。内部抽選テーブルDは、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCよりもRB(後述)の当選確率が高くなるように設定されており、BB2状態における遊技において、速やかにRBを作動させることができるように構成されている。
【0033】
また、
図4に示すように、規定投入数が2枚に設定された状態において、遊技状態が通常状態である場合に選択される内部抽選テーブルEと、遊技状態がRT状態である場合に選択される内部抽選テーブルFと、遊技状態がBB1成立状態又はBB2成立状態である場合に選択される内部抽選テーブルGと、遊技状態がBB2状態であり、RB非作動中である場合に選択される内部抽選テーブルHとは、小役の当選確率が同一に設定されており、小役として、打順ベル1〜打順ベル12とチェリーとにそれぞれ乱数値が対応付けられている。
【0034】
内部抽選テーブルEは、BB2(後述)に乱数値が設定されている。内部抽選テーブルFは、内部抽選テーブルEとリプレイの当選確率が異なっており、内部抽選テーブルEにおけるハズレに対応付けられていた乱数値の一部をリプレイに対応付けることで、内部抽選テーブルEよりもリプレイの当選確率が高くなるように設定されている。内部抽選テーブルGは、BB1又はBB2に当選し、かつ当選したボーナスに入賞していない状態でスタートレバーSLが開始操作されスタートスイッチ230が開始操作を検出した場合に選択される内部抽選テーブルであり、内部抽選テーブルEにおけるBB2(後述)の代わりにハズレに乱数値が設定されている。内部抽選テーブルHは、BB2状態において規定投入数が2枚に設定された状態においてRB(後述)が当選しないようにするために、RBに乱数値が対応付けられていない構成となっている。
【0035】
本実施形態のスロットマシン1では、ボーナスとして、第1種特別役物に係る役物連続作動装置としての第1ビッグボーナス(BB1:第1ボーナス)及び第2ビッグボーナス(BB2:第2ボーナス)と、第1種特別役物としてのレギュラーボーナス(RB:第3ボーナス)とが用意されている。
図3に示すように、BB1は、遊技状態が通常状態又はRT状態であり、規定投入数として3枚に設定された場合に選択される内部抽選テーブルA,Bにおいて、抽選対象として設定されている。また、
図4に示すように、BB2は、遊技状態が通常状態又はRT状態であり、規定投入数として2枚に設定された場合に選択される内部抽選テーブルE,Fにおいて、抽選対象として設定されている。また、
図3、
図4に示すように、RBは、遊技状態が通常状態又はRT状態であり、規定投入数として3枚に設定された場合に選択される内部抽選テーブルA,Bと、遊技状態がBB2状態であり、規定投入数として3枚に設定され、RBが作動していないRB非作動中である場合選択される内部抽選テーブルDとにおいて、抽選対象として設定されている。
【0036】
図5に示すように、遊技状態がBB1状態である場合に選択される内部抽選テーブルIは、小役としてJACに乱数値が対応付けられている。また、遊技状態がBB2状態であり、RBが作動中である場合に選択される内部抽選テーブルJと、遊技状態が通常RB状態である場合に選択される内部抽選テーブルKと、遊技状態が高確RB状態である場合に選択される内部抽選テーブルLとは、小役の当選確率が同一に設定されており、小役としてJACとチェリーとにそれぞれ乱数値が対応付けられている。
【0037】
図6(A)、(B)に示すように、本実施形態のスロットマシン1では、入賞可能な小役(以下、「入賞役」と記載)として、ベルA、ベルB、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役A3、特殊小役A4、特殊小役A5、特殊小役A6、特殊小役B1、特殊小役B2が用意されており、複数種類の入賞役が重複して当選する小役の当選態様として、第1当選態様としての打順ベル1〜打順ベル12と、JACと、第2当選態様としてのチェリーとが設定されている。
【0038】
ここで、「打順」とは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対して押下操作を実行する順番を意味し、打順1〜打順6の6種類の打順から構成されている。本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。このため、本実施形態のスロットマシン1では、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
【0039】
打順1は、ストップボタンB1→ストップボタンB2→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される、いわゆる順押しと称される打順である。また、打順2は、ストップボタンB1→ストップボタンB3→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される、いわゆるハサミ打ちと称される打順である。また、打順3は、ストップボタンB2→ストップボタンB1→ストップボタンB3の順に停止操作が実行される打順である。また、打順4は、ストップボタンB2→ストップボタンB3→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される打順である。また、打順5は、ストップボタンB3→ストップボタンB1→ストップボタンB2の順に停止操作が実行される打順である。また、打順6は、ストップボタンB3→ストップボタンB2→ストップボタンB1の順に停止操作が実行される、いわゆる逆押しと称される打順である。
【0040】
打順ベル1〜打順ベル6は、ベルAと、特殊小役A1〜特殊小役A6のうちいずれか1種類と、特殊小役B1とが重複して当選する。また、打順ベル7〜打順ベル12は、ベルBと、特殊小役A1〜特殊小役A6のうちいずれか1種類と、特殊小役B2とが重複して当選する。そして、打順ベル1〜打順ベル12は、それぞれベルA又はベルBのいずれか1つと、2種類の特殊小役とに重複して当選しており、いずれも重複して当選する入賞役の組み合わせが異なるように構成されている。なお、以下の記載において、打順ベル1〜打順ベル6をまとめて打順ベル群1とも記載し、打順ベル7〜打順ベル12をまとめて打順ベル群2とも記載する。JACは、
図6(B)に示すように、ベルAと、ベルBと、特殊小役A1〜特殊小役A6と、特殊小役B1と、特殊小役B2とが重複して当選する。また、チェリーは、特殊小役A1〜特殊小役A6と、特殊小役B1と、特殊小役B2とが重複して当選する。
【0041】
図3〜
図5に示すように、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルHでは、打順ベル群1、打順ベル群2によってベルAとベルBとが互いに重複せずに当選するようになっておいる。また、内部抽選テーブルJ〜Lとは、JACによってベルAとベルBとが重複して当選するようになっている。
【0042】
乱数判定処理では、スタートスイッチ230から出力されるスタート信号に基づいて、遊技ごとに乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値を抽選テーブル選択処理で選択した内部抽選テーブルと比較して、比較結果に基づき役に当選したか否かを判定する。
【0043】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態のスロットマシン1では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお、抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
【0044】
ここで、本実施形態のスロットマシン1では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、BB1と、BB2と、RBとがあり、小役及びリプレイは、後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、内部抽選でBB1に当選すると、BB1の抽選フラグの当選状態を、BB1が入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でBB2に当選すると、BB2の抽選フラグの当選状態を、BB2が入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でRBに当選すると、RBの抽選フラグの当選状態を、RBが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき、内部抽選手段120は、BB1、BB2又はRBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役及びリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、抽選フラグ設定処理では、BB1、BB2又はRBの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているBB1、BB2又はRBの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0045】
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへ開始操作を実行することにより作動するスタートスイッチ230から、スタート信号が出力されたことに基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する。また、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3の回転状態が、所定速度(例えば、約80rpm)で定常回転する回転状態となった場合に、各リールに対応するストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下操作されることでストップスイッチ240によって検出される停止操作を有効化する制御を実行する。そして、リール制御手段130は、停止操作の検出に基づきストップスイッチ240からリール停止信号が出力された場合に、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。このとき、リール制御手段130は、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態、すなわち内部抽選の結果に応じた態様で停止させる制御を行う。つまり、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の各ボタンが押下されるごとに、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたストップボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。
【0046】
また、本実施形態のスロットマシン1では、第1リールR1〜第3リールR3について、ストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止するようになっている。ここで、ストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合、回転している各リールの停止位置は、各リールの直径及び回転速度より、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに最大で4コマ分回転可能に構成されている。リール制御手段130は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ラインL1上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄を有効ラインL1上の表示位置に表示するように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
【0047】
本実施形態では、
図7に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に、赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、特殊リプレイ「SPR」、リプレイ図柄A「RPA」、リプレイ図柄B「RPB」、ベル図柄「BL」、チェリー図柄「CH」、スイカ図柄A「WMA」、スイカ図柄B「WMB」及びブランク図柄「BLK」が配列されている。リール制御手段130は、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ラインL1上に引き込む場合、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄、例えば第1リールR1に配列されたリプレイ図柄A等について、押下検出位置、つまりストップボタンの押下タイミングに関わらずに、有効ラインL1上に表示させることができるようになっている。
【0048】
リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求めるロジック演算処理と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定するテーブル参照処理とを行っている。
【0049】
まず、ロジック演算処理では、役ごとに定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点、つまりストップボタンの押下操作を検出した時点におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。ここで、リール制御手段130は、リールユニット310に設けられたフォトセンサが各リールに設けられたリール位置検出部を検出した場合に出力されるリールが1回転したことを示す情報であるリールインデックスと、リールインデックスが検出されるリールの基準位置からの回転角度(ステッピングモータに供給した駆動パルスの供給回数から算出)を用いて、ストップスイッチからリール停止信号を受信した時点におけるリールの回転状態を取得する。そして、各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただし、ロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置等に応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合がある。最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、テーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
【0050】
本実施形態のスロットマシン1では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められている。ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補を、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
【0051】
なお、本実施形態のスロットマシン1において、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補の優先度の求め方は、有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先度を求める方法と、小役に予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める方法とが存在する。有効ラインL1上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せ(以下、「入賞図柄組合せ」と記載)の数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。また、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合には、有効ラインL1上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置、すなわち配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補の優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補の優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補の優先度がそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0052】
そして、本実施形態では、打順ベル1〜打順ベル12が当選した場合に、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序に応じたロジック演算が行われる。具体的には、
図6(A)に示すように、打順ベル1〜打順ベル12のそれぞれに対して、ベルA、ベルBを入賞させることができる打順である正解打順が設定されており、正解打順と異なる打順が不正解打順として扱われる。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、最初に押下されたストップボタンの種類が正解打順に対応している場合には、最初に停止するリールについてはメダルの払出数が最も多く、かつ有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められ、2番目以降に停止するリールについては、有効ラインL1上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0053】
また、内部抽選でJACが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序及び押下タイミングに関わらず、ベルA又はベルBのいずれかが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。また、内部抽選でチェリーが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下順序及び押下タイミングに関わらずに特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1、特殊小役B2のいずれかが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
【0054】
なお、本実施形態では、ベルAと、ベルBとが第2リールR2に関して共通の図柄(ベル図柄「BL」)が割り当てられており、打順ベル群1、打順ベル群2に含まれる打順ベルの当選時に第2リールR2を最初に停止させる際には、メダルの払出数が最も多くなる停止位置の候補と、最も多くの入賞図柄組合せを有効ラインL1上に表示させることができる停止位置の候補と、が同一となっている。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下されると、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるように優先度が求められる。
【0055】
そして、本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下されると、ベルA又はベルBを入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われ、不正解打順でストップボタンB1〜ストップボタンB3が押下されると、特殊小役A1〜特殊小役A6や特殊小役B1、特殊小役B2を入賞させることができる停止位置の候補の優先度が最も高くなるようにロジック演算が行われる。
【0056】
ここで、特殊小役A1〜特殊小役A6は、不正解打順で停止操作された場合のうちストップボタンB1が最初に停止操作(以下、「第1停止操作」と記載)された場合に入賞可能となる入賞役であり、ストップボタンB1の押下タイミングによっていずれの役も入賞しない取りこぼし(ハズレ)が発生する場合がある入賞役である。また、特殊小役B1、特殊小役B2は、不正解打順で停止操作された場合のうちストップボタンB2又はストップボタンB3が第1停止操作された場合に入賞可能となる入賞役であり、各ストップボタンの押下タイミングによらず入賞するように構成されている。
【0057】
また、ロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。ここで、引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方、蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このように、リール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
【0058】
なお、リール制御手段130は、スタートスイッチ230が開始操作を検出することで出力されるスタート信号を受信し、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始して1回の遊技を開始した場合に、一般にウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、リール制御手段130は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内にスタート信号をスタートスイッチ230から受信した場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始するように構成されている。この構成により、リール制御手段130は、1回の遊技の開始から次の遊技の開始までに一定の時間として最小遊技時間(約4.1秒)を経過してから遊技を開始させることができる。
【0059】
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ラインL1上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ラインL1上に表示された図柄組合せによって、BB1、BB2
、RB、リプレイ、ベルA、ベルB、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1及び特殊小役B2の入賞の有無を判定(以下、「入賞判定」と記載)できるように入賞判定テーブルが用意されている。
【0060】
図8に示すように、BB1の入賞図柄組合せは、「赤7−赤7−赤7」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されている赤7図柄「赤7」と、第2リールR2に配列されている赤7図柄「赤7」と、第3リールR3に配列されている赤7図柄「赤7」とは、それぞれストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態で各ストップボタンが停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように、各リールに配列されている。この構成により、BB1は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれにおいて、押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0061】
また、BB2の入賞図柄組合せは、「BAR−BAR−BAR」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているBAR図柄「BAR」と、第2リールR2に配列されているBAR図柄「BAR」と、第3リールR3に配列されているBAR図柄「BAR」とは、それぞれストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態で各ストップボタンが停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように、各リールに配列されている。この構成により、BB2は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のそれぞれにおいて、押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0062】
また、RBの入賞図柄組合せは、「BL−BL−RPA」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているベル図柄「BL」と、第2リールR2に配列されているベル図柄「BL」と、第3リールR3に配列されているリプレイ図柄A「RPA」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。この構成により、RBは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させ、入賞させることが可能な役となっている。
【0063】
また、リプレイの入賞図柄組合せは、「RPA−RPA(RPB)−RPA」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」と、第2リールR2に配列されているリプレイ図柄A「RPA」又はリプレイ図柄B「RPB」と、第3リールR3に配列されているリプレイ図柄A「RPA」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。この構成により、リプレイは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させ、成立させることが可能な役となっている。
【0064】
また、ベルAの入賞図柄組合せは、「BL−BL−BL」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているベル図柄「BL」と、第2リールR2に配列されているベル図柄「BL」と、第3リールR3に配列されているベル図柄「BL」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。この構成により、ベルAは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させ、入賞させることが可能な役となっている。
【0065】
また、ベルBの入賞図柄組合せは、「WMA(WMB)−BL−RPA」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているスイカ図柄A「WMA」又はスイカ図柄B「WMB」と、第2リールR2に配列されているベル図柄「BL」と、第3リールR3に配列されているリプレイ図柄A「RPA」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。この構成により、ベルBは、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させ、入賞させることが可能な役となっている。
【0066】
図9に示すように、特殊小役A1の入賞図柄組合せは、「RPA−SPR(RPA)−BAR」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」は、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させることができる。また、第2リールR2に配列されている特殊リプレイ図柄「SPR」又はリプレイ図柄A「RPA」と、第3リールR3に配列されているBAR図柄「BAR」とは、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態でストップボタンB2、ストップボタンB3が停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように第2リールR2、第3リールR3に配列されている。この構成により、特殊小役A1は、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0067】
また、特殊小役A2の入賞図柄組合せは、「RPA−SPR(RPA)−WMB」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」は、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させることができる。また、第2リールR2に配列されている特殊リプレイ図柄「SPR」又はリプレイ図柄A「RPA」と、第3リールR3に配列されているスイカ図柄B「WMB」とは、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態でストップボタンB2、ストップボタンB3が停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように第2リールR2、第3リールR3に配列されている。この構成により、特殊小役A2は、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0068】
また、特殊小役A3の入賞図柄組合せは、「RPA−SPR(RPA)−WMA」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」は、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させることができる。また、第2リールR2に配列されている特殊リプレイ図柄「SPR」又はリプレイ図柄A「RPA」と、第3リールR3に配列されているスイカ図柄A「WMA」とは、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態でストップボタンB2、ストップボタンB3が停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように第2リールR2、第3リールR3に配列されている。この構成により、特殊小役A3は、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0069】
また、特殊小役A4の入賞図柄組合せは、「RPA−RPB(BLK)−BAR」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」は、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させることができる。また、第2リールR2に配列されているリプレイ図柄B「RPB」又はブランク図柄「BLK」と、第3リールR3に配列されているBAR図柄「BAR」とは、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態でストップボタンB2、ストップボタンB3が停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように第2リールR2、第3リールR3に配列されている。この構成により、特殊小役A4は、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0070】
また、特殊小役A5の入賞図柄組合せは、「RPA−RPB(BLK)−WMB」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」は、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させることができる。また、第2リールR2に配列されているリプレイ図柄B「RPB」又はブランク図柄「BLK」と、第3リールR3に配列されているスイカ図柄B「WMB」とは、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態でストップボタンB2、ストップボタンB3が停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように第2リールR2、第3リールR3に配列されている。この構成により、特殊小役A5は、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0071】
また、特殊小役A6の入賞図柄組合せは、「RPA−RPB(BLK)−WMA」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されているリプレイ図柄A「RPA」は、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されているため、ストップボタンB1の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させることができる。また、第2リールR2に配列されているリプレイ図柄B「RPB」又はブランク図柄「BLK」と、第3リールR3に配列されているスイカ図柄A「WMA」とは、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合、つまり、各図柄が滑りコマ数の範囲内に位置する状態でストップボタンB2、ストップボタンB3が停止操作された場合に有効ラインL1上に表示されるように第2リールR2、第3リールR3に配列されている。この構成により、特殊小役A6は、ストップボタンB2、ストップボタンB3の押下タイミングによって取りこぼすことがある役となっている。
【0072】
図10に示すように、特殊小役B1の入賞図柄組合せは、「赤7(BAR,BLK,SPR)−BL−SPR(RPA)」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されている赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、ブランク図柄「BLK」又は特殊リプレイ図柄「SPR」と、第2リールR2に配列されているベル図柄「BL」と、第3リールR3に配列されている特殊リプレイ図柄「SPR」又はリプレイ図柄A「RPA」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。この構成により、特殊小役B1は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させ、入賞させることが可能な役となっている。
【0073】
また、特殊小役B2の入賞図柄組合せは、「赤7(BAR,BLK,SPR)−RPA(RPB)−RPA」が割り当てられている。
図7に示すように、第1リールR1に配列されている赤7図柄「赤7」、BAR図柄「BAR」、ブランク図柄「BLK」又は特殊リプレイ図柄「SPR」と、第2リールR2に配列されているリプレイ図柄A「RPA」又はリプレイ図柄B「RPB」と、第3リールR3に配列されているリプレイ図柄A「RPA」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。この構成により、特殊小役B2は、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングに関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示させ、入賞させることが可能な役となっている。
【0074】
そして、本実施形態のスロットマシン1では、入賞判定処理における入賞判定手段140の判定結果に基づいて各処理が実行される。入賞役の判定結果に基づき実行される各処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150にメダルを払い出させる枚数を決定する処理が行われ、リプレイが成立した場合にはリプレイ処理手段160に次回の遊技をメダルを消費せずに実行させる処理を行わせ、各ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170に入賞したボーナスに対応する遊技状態を移行させる処理が行われる。遊技状態の移行について、より詳しくは、後述する。
【0075】
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役ごとに予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、払出装置としてのホッパーユニット320に払い出させる制御を行う。本実施形態において、ベルA、ベルBの配当は、規定投入数が2枚又は3枚のいずれに設定された場合においても、いずれも8枚に定められている。また、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1及び特殊小役B2の配当は、規定投入数が2枚又は3枚のいずれに設定された場合においても、いずれも1枚に定められている。
【0076】
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出すごとに作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられている。払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいて、ホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお、メダルのクレジットが許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0077】
リプレイ処理手段160は、入賞判定手段140により有効ラインL1上にリプレイの成立を示す図柄組合せが停止表示されたと判定され、リプレイが成立した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同数のメダルを投入状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。本実施形態のスロットマシン1では、リプレイが成立した場合、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインL1を設定した状態で、次回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機する。また、本実施形態のリプレイ処理手段160は、自動投入処理を実行した場合に、更にメダルを追加することをできないように制御する。このため、本実施形態のスロットマシン1は、例えば、前回の遊技で規定投入数が2枚に設定され、かつリプレイが成立した場合に、リプレイ処理手段160による自動投入処理によって、規定投入数が2枚に設定された状態で有効ラインL1を設定し、今回のスタートレバーSLに対する開始操作を待機するとともに、新たにメダルを追加し規定投入数を3枚に設定することができないように制御する。
【0078】
遊技状態移行制御手段170は、
図11に示すように、通常状態、RT状態、BB1成立状態、BB2成立状態、BB1状態、BB2状態、通常RB状態及び高確RB状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。ここで、遊技状態の移行条件は、1つの条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうちいずれか1つの条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
【0079】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはRT状態、BB1成立状態、BB2成立状態及び通常RB状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態において、ベルA、ベルB、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1又は特殊小役B2のいずれかが入賞した場合にはRT状態へ移行し、BB1が当選した場合にはBB1成立状態へ移行し、BB2が当選した場合にはBB2成立状態へ移行し、RBが入賞した場合には通常RB状態へ移行する。また、通常状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、BB1及びRBが抽選対象として設定され、BB2が抽選対象から除外された内部抽選テーブルA、あるいはBB2が抽選対象として設定され、BB1及びRBが抽選対象から除外された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。また、通常状態である場合に選択される内部抽選テーブルA,Eにおいて、リプレイの当選確率は、例えば約1/7.3に設定されている。
【0080】
RT状態は、通常状態における遊技においてベルA、ベルB、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1又は特殊小役B2のいずれかが入賞した場合に移行する遊技状態である。RT状態からは、BB1成立状態、BB2成立状態及び高確RB状態への移行が可能となっている。具体的には、RT状態において、BB1が当選した場合にはBB1成立状態へ移行し、BB2が当選した場合にはBB2成立状態へ移行し、RBが入賞した場合には高確RB状態へ移行する。また、RT状態においてRBが入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、RT状態から後述する高確RB状態に移行し、高確RB状態において所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行された場合、高確RB状態からRT状態に移行するように構成されている。
【0081】
また、RT状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、BB1及びRBが抽選対象として設定され、BB2が抽選対象から除外された内部抽選テーブルB、あるいはBB2が抽選対象として設定され、BB1及びRBが抽選対象から除外された内部抽選テーブルFを参照した内部抽選が行われる。また、RT状態である場合に選択される内部抽選テーブルB,Fにおいて、リプレイの当選確率は、内部抽選テーブルA,Eよりも高い例えば約1/3.0に設定されている。つまり、RT状態は、通常状態よりもリプレイの当選確率が高く、またBB1又はBB2に当選するまで継続する無限リプレイタイム(無限RT)である。
【0082】
BB1成立状態は、遊技状態が通常状態又はRT状態である場合に内部抽選でBB1に当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB1成立状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、内部抽選テーブルC、あるいは内部抽選テーブルGを参照した内部抽選が行われる。内部抽選テーブルC,Gにおいては、上述した通り、BB1が持越可能フラグに対応付けられた当選役であることから、内部抽選テーブルA,Eにおいて抽選対象に設定されているBB1、BB2及びRBを抽選対象から除外している。
【0083】
また、BB1成立状態では、上述した通り、BB1が入賞するまでBB1に対応する抽選フラグが当選状態に維持される。遊技状態移行制御手段170は、BB1の入賞図柄組合せ「赤7−赤7−赤7」が有効ラインL1上に表示されると、遊技状態をBB1成立状態からBB1状態へ移行させる。
【0084】
BB2成立状態は、遊技状態が通常状態又はRT状態である場合に内部抽選でBB2に当選したことを契機として移行する遊技状態である。BB2成立状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、内部抽選テーブルC、あるいは内部抽選テーブルGを参照した内部抽選が行われる。内部抽選テーブルC,Gにおいては、上述した通り、BB2が持越可能フラグに対応付けられた当選役であることから、内部抽選テーブルA,Eにおいて抽選対象に設定されているBB1、BB2及びRBを抽選対象から除外している。
【0085】
また、BB2成立状態では、上述した通り、BB2が入賞するまでBB2に対応する抽選フラグが当選状態に維持される。遊技状態移行制御手段170は、BB2の入賞図柄組合せ「BAR−BAR−BAR」が有効ラインL1上に表示されると、遊技状態をBB2成立状態からBB2状態へ移行させる。
【0086】
BB1状態は、BB1の入賞図柄組合せ「赤7−赤7−赤7」が有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB1状態では、BB1状態に移行したことに伴い、RBが常に作動している状態となり、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、BB1又はRBの非作動中に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルC、内部抽選テーブルE〜内部抽選テーブルG及びBB2作動中でかつRB非作動中に選択される内部抽選テーブルD、内部抽選テーブルHとは小役の当選確率が異なる構成の内部抽選テーブルIを参照した内部抽選が行われる。
【0087】
また、BB1状態では、BB1状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判定する。遊技状態移行制御手段170は、予め定められた第1払出数(例えば、400枚)を超えるメダルが払い出されると、BB1状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。つまり、本実施形態におけるBB1状態は、第1払出数を超えるメダルが払い出されるまで継続するように構成されている。
【0088】
BB2状態は、BB2の入賞図柄組合せ「BAR−BAR−BAR」が有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。BB2状態では、RBに入賞した場合に、所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行されるまでRBが作動するように構成されている。そのため、BB2状態では、RB非作動中とRB作動中とで異なる内部抽選テーブルを参照した内部抽選が行われる。RB非作動中のBB2状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、RBの当選確率が高確率に構成された内部抽選テーブルD、あるいは内部抽選テーブルE〜内部抽選テーブルGと小役の当選確率が同一に構成された内部抽選テーブルHを参照した内部抽選が行われる。そして、RB作動中のBB2状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、BB1又はRBの非作動中に選択される内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルC、内部抽選テーブルE〜内部抽選テーブルG及びBB2作動中でかつRB非作動中に選択される内部抽選テーブルD、内部抽選テーブルHとは小役の当選確率が異なる構成の内部抽選テーブルJを参照した内部抽選が行われる。
【0089】
また、BB2状態では、BB2状態によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判定する。遊技状態移行制御手段170は、予め定められた第2払出数(例えば、465枚)を超えるメダルが払い出されると、BB2状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。つまり、本実施形態におけるBB2状態は、第2払出数を超えるメダルが払い出されるまで継続するように構成されている。
【0090】
通常RB状態は、遊技状態が通常状態であり、かつRBの入賞図柄組合せ「BL−BL−RPA」が有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。通常RB状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、内部抽選テーブルA及び内部抽選テーブルEとリプレイの当選確率が同一に構成された内部抽選テーブルKを参照した内部抽選が行われる。
【0091】
また、通常RB状態では、通常RB状態において実行された遊技の回数により終了条件が成立したか否かを判定する。遊技状態移行制御手段170は、予め定められた所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行されると、通常RB状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる制御を行う。つまり、本実施形態における通常RB状態は、所定の遊技回数の遊技が実行されるまで継続するように構成されている。
【0092】
高確RB状態は、遊技状態がRT状態であり、かつRBの入賞図柄組合せ「BL−BL−RPA」が有効ラインL1上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。高確RB状態では、
図3〜
図5に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルLのうち、内部抽選テーブルB及び内部抽選テーブルFとリプレイの当選確率が同一に構成された内部抽選テーブルLを参照した内部抽選が行われる。
【0093】
また、高確RB状態では、高確RB状態において実行された遊技の回数により終了条件が成立したか否かを判定する。遊技状態移行制御手段170は、予め定められた所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行されると、高確RB状態を終了させて、遊技状態をRT状態へ復帰させる制御を行う。つまり、本実施形態における高確RB状態は、所定の遊技回数の遊技が実行されるまで継続するように構成されている。また、遊技状態移行制御手段170は、高確RB状態を終了した場合に、遊技状態をRT状態に移行することで、RBが入賞しても通常状態よりも高確率でリプレイに当選するRT状態を終了しないように構成されている。
【0094】
演出制御手段180は、遊技制御手段100を構成する各手段から送信される各種コマンドを受信したことに基づき、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出を制御する。具体的には、メダルの投入、シングルベットボタンBT、マックスベットボタンMB、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜ストップボタンB3に対する操作等への遊技者によるスロットマシン1の各構成の操作時や、遊技状態の変動等の遊技イベントの発生時に、ランプ及びLEDの点灯あるいは点滅、表示装置330の表示内容の変化、スピーカからの音の出力等を実行することにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。また、演出制御手段180は、遊技状態の移行に応じて演出の内容を変更するように構成されている。演出制御手段180は、例えば、遊技状態が通常状態である場合、規定投入数が3枚に設定された場合には、BB1に当選可能性があり遊技者にとって有利な状態であることを示唆する演出を実行し、規定投入数が2枚に設定された場合には、BB2に当選可能性があり遊技者にとって規定投入数が3枚に設定された場合よりも有利ではない状態であることを示唆する演出を実行する。
【0095】
なお、本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また、上記コンピュータシステムにおいて、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また、上記コンピュータシステムにおいて、リールユニット310、ホッパーユニット320等は、必須の構成要件ではない。これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
【0096】
2.遊技状態の遷移と遊技性
本実施形態のスロットマシン1は、BB1の入賞により遊技状態をBB1状態へ移行し、
図5に示した内部抽選テーブルIを参照した内部抽選を実行することで、毎回の遊技において規定投入数よりも払出数が多く設定されたベルA、ベルBを入賞させる機会を遊技者に付与し、遊技者にメダルを獲得させるように構成されている。また、本実施形態では、BB2の入賞により遊技状態をBB2状態へ移行し、BB2状態においてRBに入賞した場合に、
図5に示した内部抽選テーブルJを参照した内部抽選を実行することで、BB1、BB2又はRBが作動していない状態である場合よりもメダルを獲得する機会を増やすことができるように構成されている。以下では、本実施形態のスロットマシン1における遊技状態の遷移に伴う遊技性の変化について、より詳細に説明する。
【0097】
まず、本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態が通常状態である場合、規定投入数として2枚又は3枚を選択可能に構成されている。
図11に示すように、規定投入数として3枚を選択した場合、スロットマシン1は、
図3に示す内部抽選テーブルAを参照して内部抽選を実行する。上述した通り、内部抽選テーブルAにおいては、BB1及びRBが抽選対象となっており、BB2は抽選対象から除外されている。また、規定投入数として2枚を選択した場合、スロットマシン1は、
図4に示す内部抽選テーブルEを参照して内部抽選を実行する。上述した通り、内部抽選テーブルEにおいては、BB2が抽選対象となっており、BB1及びRBは抽選対象から除外されている。
【0098】
通常状態において規定投入数として3枚を選択し、BB1に当選した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB1成立状態に移行する。スロットマシン1は、BB1に当選した場合、BB1が入賞するまでBB1の当選フラグを維持するように構成されているため、BB1に入賞するまでBB1成立状態が継続する。ここで、遊技状態が通常状態又はBB1成立状態である場合におけるメダル獲得の期待値は、
図12(A)、(B)に示すように、規定投入数が2枚又は3枚のいずれである場合においても、14.28%と低く設定されている。
【0099】
そして、BB1に入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB1状態に移行する。遊技状態がBB1状態に移行した場合、スロットマシン1は、
図5に示す内部抽選テーブルIを参照した内部抽選を実行することで、毎回の遊技においてベルA又はベルBが入賞する。遊技状態がBB1状態である場合におけるメダル獲得の期待値は、
図14(A)に示すように、400%と高く設定されている。BB1状態において第1払出数(本実施形態では400枚)のメダルが払い出された場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態を通常状態に移行する。
【0100】
一方、通常状態において規定投入数として2枚を設定し、BB2に当選した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB2成立状態に移行する。スロットマシン1は、BB2に当選した場合、BB2が入賞するまでBB2の当選フラグを維持するように構成されているため、BB2に入賞するまでBB2成立状態が継続する。ここで、遊技状態がBB2成立状態である場合におけるメダル獲得の期待値は、
図12(A)、(B)に示すように、規定投入数が2枚又は3枚のいずれである場合においても、14.28%と通常状態及びBB1成立状態と同様に低く設定されている。
【0101】
BB2に入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB2状態に移行する。遊技状態がBB2状態に移行した場合、スロットマシン1は、RB非作動中であり規定投入数として3枚が選択された場合には、
図3に示す内部抽選テーブルDを参照した内部抽選を実行し、RB非作動中であり規定投入数として2枚が選択された場合には、
図4に示す内部抽選テーブルHを参照した内部抽選を実行する。遊技状態がBB2状態でありRBが作動していない場合におけるメダル獲得の期待値は、
図12(A)、(B)に示すように、規定投入数が2枚又は3枚のいずれである場合においても、14.28%と、通常状態、BB1成立状態及びBB2成立状態と同様に低く設定されている。
【0102】
そして、BB2状態においてRBに入賞しRBが作動した場合、スロットマシン1は、
図5に示す内部抽選テーブルJを参照した内部抽選を実行する。この場合における期待値は、
図14(B)に示すように、55.23%と、通常状態、BB1成立状態及びBB2成立状態よりも高く、かつBB1状態よりも低く設定されている。BB2状態においてRBが作動した場合には、所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行されることで、RBが終了し、RB非作動中のBB2状態となる。そして、BB2状態において第2払出数(本実施形態では465枚)のメダルが払い出された場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態を通常状態に移行する。
【0103】
つまり、本実施形態のスロットマシン1は、規定投入数として3枚が選択された通常状態における遊技において、入賞した場合に、メダルの獲得率の期待値が最も高く遊技者にとってより有利なBB1状態に移行するBB1に当選可能に構成され、規定投入数として2枚が選択された通常状態における遊技において、入賞した場合に、メダルの獲得率の期待値が通常状態よりは高いもののBB1状態よりは低く設定されたBB2状態に移行するBB2に当選可能に構成されている。
【0104】
以下に、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態における小役当選確率及び期待値と、RB作動中のBB2状態における小役当選確率及び期待値とについて、
図12〜
図14を参照してより詳しく説明する。
【0105】
通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態では、規定投入数として3枚に設定された場合、
図12(A)、
図13(A)に示すように、ベルAの当選確率が6144/65536(約1/10.7)であり、ベルBの当選確率が6144/65536(約1/10.7)であることから、ベルA又はベルBの少なくとも1つが当選する確率が12288/65536(約1/5.3)であり、規定投入数として2枚に設定された場合、
図12(B)、
図13(B)に示すように、ベルAの当選確率が4092/65536(約1/16.0)であり、ベルBの当選確率が4092/65536(約1/16.0)であることから、ベルA又はベルBの少なくとも1つが当選する確率が8184/65536(約1/8.0)である。一方、本実施形態において、RB作動中のBB2状態では、
図14(B)に示すように、ベルA及びベルBの少なくとも1つが当選する確率が6145/65536(約1/10.7)となる。
【0106】
つまり、本実施形態においては、RB作動中のBB2状態において規定投入枚数よりも多いメダルが払い出される小役(ベルA、ベルB)を含む当選態様が得られる確率を、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態において特定小役を含む当選態様が得られる確率よりも低くなるように構成している。このように、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態において複数種類の規定投入数よりも多いメダルが払い出される小役を互いに重複せずに当選させる態様を設けて内部抽選を行うように構成し、RB作動中のBB2状態において複数種類の規定投入数よりも多いメダルが払い出される小役を重複して当選させる態様を設けて内部抽選を行うように構成することにより、RB作動中のBB2状態において特定小役を含む当選態様が得られる確率を、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態において特定小役を含む当選態様が得られる確率よりも低くし、RB作動中のBB2状態におけるメダル獲得の期待値が高くなることを防ぐことができる。
【0107】
また、
図14(B)に示すように、RB作動中のBB2状態においていずれかの小役の当選態様が得られる確率は、19457/65536(約1/3.4)であり、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態において、規定投入数として3枚に設定された場合にいずれかの小役の当選態様が得られる確率である13312/65536(約1/4.9)(
図12(A)、
図13(A)参照)及び規定投入数として2枚に設定された場合にいずれかの小役の当選態様が得られる確率である8866/65536(約1/7.4)(
図12(B)、
図13(B)参照)よりも高くなるように内部抽選を行っている。
【0108】
そして、RB作動中のBB2状態において特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1又は特殊小役B2のいずれかに当選する確率は、19457/65536(約1/3.4)であり、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態において、規定投入数として3枚に設定された場合に特殊小役A1〜特殊小役A6のいずれかに当選する確率である3072/65536(約1/21.3)(
図12(A)、
図13(A)参照)、特殊小役B1、特殊小役B2のいずれかに当選する確率である7168/65536(約1/9.1)(
図12(A)、
図13(A)参照)及び規定投入数として2枚に設定された場合に特殊小役A1〜特殊小役A6のいずれかに当選する確率である2046/65536(約1/32.0)(
図12(B)、
図13(B)参照)、特殊小役B1、特殊小役B2のいずれかに当選する確率である4774/65536(約1/13.7)(
図12(B)、
図13(B)参照)のいずれよりも高くなるように内部抽選を行っている。
【0109】
このように構成することで、RB作動中のBB2状態では、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1、特殊小役B2のそれぞれの当選確率が通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態よりも上昇し、かつ小役全体の当選確率も通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態よりも上昇しているが、上述した通り、規定投入数より配当の高いベルA及びベルBを含む当選態様を得られる確率(6145/65536(約1/10.7))が、通常状態、BB1成立状態、BB2成立状態及びRT状態においてベルA又はベルBの少なくとも1つの当選態様が得られる確率(12288/65536(約1/5.3)又は8184/65536(約1/8.0))よりも低くなっている。
【0110】
この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、RB作動中のBB2状態でのメダルの獲得率の期待値を100%未満(本実施形態では55.23%)としメダルの獲得率の期待値を引き下げ、BB1状態と、BB2状態とで遊技者にとって有利な度合が異なるように構成することができ、遊技状態が通常状態又はRT状態である場合の遊技で実行される内部抽選におけるBB1の当選確率と、BB2の当選確率とが変動することに対して、遊技者に関心を持たせることができる。また、スロットマシン1は、BB2状態におけるメダルの獲得率の期待値の上昇を抑えることで、BB1状態におけるメダルの獲得率の期待値がより高くなるように設計することができ、設計の自由度を向上させることができる。
【0111】
また、遊技状態が通常状態であり、規定投入数として3枚を選択した場合に参照される内部抽選テーブルAにおいては、上述した通り、RBが抽選対象となっている。内部抽選においてRBが当選した場合、
図6、
図7に示すように、RBの入賞図柄組合せ「BL−BL−RPA」を構成する第1リールR1に配列されているベル図柄「BL」と、第2リールR2に配列されているベル図柄「BL」と、第3リールR3に配列されているリプレイ図柄A「RPA」とは、押下検出位置に関わらずにいずれかの図柄を有効ラインL1上に表示可能な位置関係で配列されている。つまり、RBに当選した遊技においては、押下タイミングによらずRBが入賞するように構成されている。
【0112】
通常状態においてRBに入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態を通常RB状態に移行する。遊技状態が通常RB状態に移行した場合、スロットマシン1は、
図5に示す内部抽選テーブルKを参照した内部抽選を実行する。また、スロットマシン1は、通常RB状態において、規定投入数を2枚に設定するように構成されている。通常RB状態における期待値は、
図15(A)に示すように、55.23%と、通常状態、BB1成立状態及びBB2成立状態よりも高く、かつBB1状態よりも低く設定されている。そして、通常RB状態において所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行された場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態を通常状態に移行する。
【0113】
ここで、本実施形態のリプレイ処理手段160は、上述した通り、リプレイが成立した場合に、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理を実行するように構成されている。
【0114】
そのため、通常RB状態における最後の遊技(本実施形態では8回目の遊技)において、リプレイに当選しリプレイが成立した場合、スロットマシン1は、8回の遊技が実行されて通常RB状態の終了条件が成立したことに基づき遊技状態を通常状態に移行するとともに、リプレイが成立した遊技の次の遊技の規定投入数を2枚に設定する。つまり、通常RB状態における最後の遊技でリプレイが成立した場合、リプレイが成立した遊技の次の遊技における内部抽選では、通常状態で規定投入数が2枚に設定された場合に参照される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルEが参照され、BB1に当選不可能でかつBB2に当選可能な内部抽選が実行されることになる。この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者にとって有利な度合の異なるBB1とBB2との当選確率を遊技の進行に応じて変動させることができ、遊技性を向上させることができる。
【0115】
遊技状態が通常状態であり、ベルA、ベルB、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1、特殊小役B2のいずれかが入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をRT状態に移行する。遊技状態がRT状態に移行した場合、スロットマシン1は、規定投入数として2枚又は3枚を選択可能に構成されている。
図11に示すように、規定投入数として3枚を選択した場合、スロットマシン1は、
図3に示す内部抽選テーブルBを参照して内部抽選を実行する。上述した通り、内部抽選テーブルBにおいては、BB1及びRBが抽選対象となっており、BB2は抽選対象から除外されているとともに、リプレイの当選確率が21845/65536(約1/3.0)に設定されており、内部抽選テーブルAが参照された場合におけるリプレイの当選確率である8978/65536(約1/7.3)よりも高確率に設定されている。また、規定投入数として2枚を選択した場合、スロットマシン1は、
図4に示す内部抽選テーブルFを参照して内部抽選を実行する。上述した通り、内部抽選テーブルFにおいては、BB2が抽選対象となっており、BB1及びRBは抽選対象から除外されているとともに、リプレイの当選確率が21845/65536(約1/3.0)に設定されており、内部抽選テーブルEが参照された場合におけるリプレイの当選確率である8978/65536(約1/7.3)よりも高確率に設定されている。
【0116】
RT状態において規定投入数として3枚を選択し、BB1に当選した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB1成立状態に移行する。一方、RT状態において規定投入数として2枚を設定し、BB2に当選した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をBB2成立状態に移行する。
【0117】
また、遊技状態がRT状態であり、規定投入数として3枚を選択した場合に参照される内部抽選テーブルBにおいては、上述した通り、RBが抽選対象となっている。RT状態においてRBに入賞した場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態を高確RB状態に移行する。遊技状態が高確RB状態に移行した場合、スロットマシン1は、
図5に示す内部抽選テーブルLを参照した内部抽選を実行する。また、スロットマシン1は、高確RB状態において、規定投入数を2枚に設定するように構成されている。高確RB状態における期待値は、
図15(B)に示すように、71.49%と、通常状態、BB1成立状態及びBB2成立状態よりも高く、かつBB1状態よりも低く設定されている。そして、高確RB状態において所定の遊技回数(本実施形態では8回)の遊技が実行された場合、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をRT状態に移行する。
【0118】
ここで、
図15(A)、(B)に示すように、遊技状態が高確RB状態である場合におけるリプレイの当選確率は、21845/65536(約1/3.0)であり、遊技状態が通常RB状態である場合におけるリプレイの当選確率である8978/65536(約1/7.3)よりも高確率に設定されている。つまり、本実施形態のスロットマシン1は、高確RB状態に遊技状態を移行した場合、高確RB状態が終了する遊技においてリプレイが成立する確率が、通常RB状態が終了する遊技においてリプレイが成立する確率よりも高くなることで、規定投入数が2枚に設定された状態でRT状態における遊技が実行される確率が高くなる。ここで、高確RB状態における最後の遊技(本実施形態では8回目の遊技)において、リプレイに当選しリプレイが成立した場合、スロットマシン1は、8回の遊技が実行されて高確RB状態の終了条件が成立したことに基づき遊技状態をRT状態に移行するとともに、リプレイが成立した遊技の次の遊技の規定投入数を2枚に設定する。つまり、高確RB状態における最後の遊技でリプレイが成立した場合、リプレイが成立した遊技の次の遊技における内部抽選では、RT状態で規定投入数が2枚に設定された場合に参照される内部抽選テーブルである内部抽選テーブルFが参照され、BB1に当選不可能でかつBB2に当選可能な内部抽選が実行されることになる。そして、スロットマシン1は、高確RB状態の最後の遊技でリプレイが成立する確率が、通常RB状態の最後の遊技でリプレイが成立する確率よりも高くなるように構成されている。この構成により、本実施形態のスロットマシン1は、遊技者にとって有利な度合の異なるBB1とBB2との当選確率を遊技の進行に応じて変動させることができ、遊技性を向上させることができる。
【0119】
また、本実施形態のスロットマシン1は、RT状態において、通常状態よりも高確率でリプレイに当選することから、リプレイ処理手段160による自動投入処理により2枚に相当するメダルが投入状態に設定された状態で開始された遊技において、リプレイが当選、成立し、リプレイ処理手段160による自動投入処理により次回の遊技も2枚に相当するメダルが投入状態に設定された状態で開始される可能性を高め、ひいてはBB2の当選確率を高めることができ、遊技性を向上させることができる。
【0120】
また、本実施形態のスロットマシン1は、
図6に示すように、打順ベル群1、打順ベル群2に当選した場合に、打順3〜打順6でストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作した場合に、押下タイミングによらず入賞するベルA、ベルB、特殊小役B1又は特殊小役B2が入賞するように構成されている。つまり、スロットマシン1は、遊技状態が通常状態である場合に打順3〜打順6でストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作すると、リプレイの当選確率が高くなるものの結果的にBB2の当選確率が通常状態よりも高くなるRT状態に移行するように構成されている。このため、スロットマシン1は、遊技者に打順1、打順2でストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作させて遊技を実行させる動機を与えることができる。
【0121】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1は、遊技状態が通常状態又はRT状態である遊技において、3枚に相当するメダルが投入状態に設定された状態で開始した場合には、入賞時に遊技者にとってより有利なBB1状態に移行するBB1に当選可能に構成され、2枚に相当するメダルが投入状態に設定された状態で開始した場合にはBB2に当選可能に構成されている。そして、規定投入数が2枚に設定される通常RB状態又は高確RB状態が終了する遊技においてリプレイが成立した場合、リプレイが成立した遊技の次の遊技が、規定投入数が2枚に設定された通常状態又はRT状態における遊技となるため、遊技者にとって有利な度合の異なるBB1とBB2との当選確率を遊技の進行に応じて変動させることができ、遊技性を向上させることができる。
【0122】
また、本実施形態のスロットマシン1は、高確RB状態に遊技状態を移行した場合、高確RB状態が終了する遊技においてリプレイが成立する確率が通常RB状態が終了する遊技においてリプレイが成立する確率よりも高くなることで、規定投入数が2枚に設定された状態でRT状態における遊技が実行される確率が高くなる。また、RT状態においては、通常状態よりも高確率でリプレイに当選することから、2枚に相当するメダルが投入状態に設定された状態で開始された遊技において、リプレイに当選し次回の遊技も2枚に相当するメダルが投入状態に設定された状態で開始される可能性を高め、ひいてはBB2の当選確率を高めることができ、遊技性を向上させることができる。
【0123】
また、本実施形態のスロットマシン1は、BB1状態と、BB2状態とで遊技者にとって有利な度合が異なるように構成することができ、遊技状態が通常状態又はRT状態である場合の遊技で実行される内部抽選におけるBB1の当選確率と、BB2の当選確率とが変動することで、遊技性を向上させることができる。
【0124】
3.変形例
なお、本実施形態において、スロットマシン1は、第3ボーナス状態として、第1種特別役物のRBを採用しているが、これに限らず、例えば普通役物のシングルボーナス(SB)を採用してもよい。この場合、第3ボーナス状態は、1回の遊技が実行された場合に終了するように構成する必要がある。また、第3ボーナスSBは、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とするように構成する必要がある。
【0125】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、通常RB状態及び高確RB状態において、メダルの獲得率の期待値が100%を下回る構成となっているが、これに限らず、メダルの獲得率の期待値が100%以上に構成されていてもよい。
【0126】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1ボーナス状態及び第2ボーナス状態として第1種特別役物に係る役物連続作動装置のBBを採用しているが、これに限らず、例えば第2種特別役物に係る役物連続作動装置のチャレンジボーナス(CB)を採用してもよい。この場合、CB状態におけるメダル獲得の期待値が、100%以上になるように構成する必要がある。
【0127】
また、本実施形態において、演出制御手段180は、遊技制御手段100を構成する各手段からコマンドを受信することに基づき、演出の制御処理を実行するように構成されているが、これに限らず、遊技制御手段100を構成する各手段が実行する遊技の制御処理の中で演出の制御処理を実行するように構成してもよい。このように構成した場合、演出制御手段180は、遊技制御手段100を構成する各手段と同一のCPU、いわゆるメインCPUに含まれる構成となる。また、このように構成した場合、演出制御手段180は、各種抽選処理の実行時において、乱数発生手段110が生成する0〜65535の65536個の乱数値のいずれかを取得するように構成される。
【0128】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、当選態様として打順ベル1〜打順ベル12及びチェリーを有しているが、ストップボタンB1〜ストップボタンB3のうち少なくとも1つのストップボタンの押下タイミングによって取りこぼす可能性を有する入賞役に当選する当選態様を有していてもよい。
【0129】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、遊技状態が通常状態、RT状態、BB1成立状態、BB2成立状態又はRB非作動中のBB2状態であり、打順ベル1〜打順ベル12に当選した場合に、打順1又は打順2でストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作した場合にベルA及びベルBに入賞しないように構成されているが、打順1又は打順2でストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作した場合にベルA及びベルBに入賞可能な打順ベル役を有する構成であってもよい。また、打順ベル群1、打順ベル群2の当選時における遊技状態に応じて、打順1又は打順2でストップボタンB1〜ストップボタンB3を押下操作した場合にベルA及びベルBに入賞可能となるようにリール制御手段130が第1リールR1〜第3リールR3の停止制御を実行するように構成されていてもよい。
【0130】
また、本実施形態において、演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、例えば、表示装置330を用いて行う表示演出や音響装置340を用いて行う音響演出等、遊技に関する演出を制御するように構成されているが、遊技の進行に応じて演出の内容を変更するように、演出状態を有するように構成されていてもよい。このように構成した場合、演出制御手段180は、例えば遊技状態がBB1成立状態やRT状態であり、打順ベル1〜打順ベル12に当選した場合に、正解打順を報知する演出状態としてアシストタイム状態(AT状態)を有するように構成されていてもよい。
【0131】
また、本実施形態において、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態が通常状態であり、ベルA、ベルB、特殊小役A1〜特殊小役A6、特殊小役B1、特殊小役B2のいずれかの入賞役に入賞した場合にRT状態に移行するように構成されているが、これに限らず、例えば、ベルA又はベルB入賞した場合等、予め設定された所定の入賞役に入賞した場合にRT状態に移行するように構成されていてもよい。
【0132】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、RBの入賞図柄組合せをストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらずに入賞する「BL−BL−RPA」としているが、これに限らず、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞する入賞図柄組合せであってもよい。この場合、遊技状態移行制御手段170は、RBの当選に伴い遊技状態を移行するように構成されていてもよく、例えば通常状態でRBに当選した場合には通常RB成立状態に移行し、RT状態でRBに当選した場合には高確RB成立状態に移行するように構成されていてもよい。また、スロットマシン1は、通常状態及びRT状態においては、RBの入賞図柄組合せをストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞する入賞図柄組合せによって構成し、BB2状態においては、RBの入賞図柄組合せをストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングによらずに入賞する入賞図柄組合せによって構成してもよい。この場合、スロットマシン1は、BB2状態において、ストップボタンB1〜ストップボタンB3の押下タイミングが適切な場合に入賞する入賞図柄組合せによって構成されたRBに入賞した場合にもRBが作動するように構成される。
【0133】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、第1払出数として400枚のメダルが払い出された場合にBB1状態を終了し、第2払出数として465枚のメダルが払い出された場合にBB2状態を終了するように構成されているが、これに限定されない。第1払出数及び第2払出数は、予め設定された払出数であればよく、同じ払出数であってもよい。
【0134】
また、本実施形態において、内部抽選手段120は、通常状態又はRT状態において、規定投入数として3枚に設定された場合、BB2に当選しないように構成されているが、これに限らず、低確率(例えば、1/65536)で当選するように構成してもよい。このように構成した場合、スロットマシン1は、規定投入数として3枚に設定された遊技においても、BB2の入賞図柄組合せを停止表示することができるように構成される。
【0135】
また、本実施形態において、スロットマシン1は、通常RB状態及び高確RB状態を8回の遊技が実行された場合に終了するように構成されているが、これに限定されない。通常RB状態及び高確RB状態は、入賞役に入賞した回数が8回以内の予め設定された回数(入賞回数)になった場合又は12回以内でかつ入賞回数以上の予め設定された回数(RB遊技回数)の遊技が実行された場合に終了するように構成されていてもよい。このように構成した場合、スロットマシン1は、通常RB状態及び高確RB状態において、入賞役に入賞した回数が入賞回数になる場合には、通常RB状態及び高確RB状態が終了する最後の遊技においてリプレイが成立することがないため、通常RB状態及び高確RB状態が終了した遊技の次の遊技において、規定投入数として3枚に設定した状態で遊技を実行、つまりBB1の当選確率がBB2の当選確率よりも高い状態で遊技を実行することができる。