【実施例】
【0037】
実施例1
下記反応により、化学式(4)に示される化合物を合成することができる。
【化11】
100ml3つ口フラスコをアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.31g(0.6eq.)を徐々に加え攪拌した(黄色溶液)。その後、ベンゾフェノン:3gを加えて溶解させ、室温で一時間攪拌した。また100mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.4g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:30ml加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を13.1ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。100mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100ml3つ口フラスコの溶液を滴下した(黄色溶液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率97%であった。
【0038】
実施例2
下記反応により、化学式(5)に示される化合物を合成することができる。
【化12】
100ml3つ口フラスコをアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq)を徐々に加え、攪拌した。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3gを加えて室温で一時間攪拌した。また100mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.22g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加えて攪拌した。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.3ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。100mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100ml3つ口フラスコの溶液を滴下した(黄色懸濁液)。5℃で30分反応させ、GCで反応終了(GC反応率97%)を確認後、氷冷下、19wt%HCl水溶液を20ml加えて攪拌した。ヘキサンを加えて抽出し、有機層を飽和NaHCO
3水溶液、飽和食塩水で分液し、Na
2SO
4で乾燥させた。Na
2SO
4をろ別後、濃縮して粗生成物:3.50g(粗収率95%)を得た。粗生成物に対して、メタノール20mlを用いて懸濁洗浄後ろ集し、フィルター上をメタノールで洗浄し、橙色固体を3.31g(収率90%)を得た。
【0039】
実施例3
下記反応により、化学式(6)に示される化合物を合成することができる。
【化13】
1L4つ口フラスコをアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:900mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:36.3g(0.6eq)を徐々に加え、攪拌した(黄色溶液)。その後、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン:110gを加えて室温で一時間攪拌した。また3L4つ口フラスコをアルゴン置換し、シクロペンタジエン:39.0g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:900mlを加えて攪拌した。氷水浴で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を360.8ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。その後、3L4つ口フラスコを5℃に冷却し、1L4つ口フラスコの溶液を滴下した(その際、内温は最大12℃まで上昇)。5℃で30分反応させ、GCで反応終了を確認後(GC反応率98%)、氷冷下、19wt%HCl水溶液を200ml加えて攪拌した(その際の内温は19℃まで上昇)。ヘキサンを加えて抽出し、有機層を飽和NaHCO
3水溶液、飽和食塩水で分液し、Na
2SO
4で乾燥させた。Na
2SO
4をろ別後、濃縮して粗生成物:131.06g(粗収率99%)を得た。粗生成物に対して、メタノール500mlで懸濁洗浄後ろ集し、フィルター上をメタノールで洗浄して橙色固体を123.1g(収率93%)を得た。
【0040】
実施例4
下記反応により、化学式(7)に示される化合物を合成することができる。
【化14】
1L4つ口フラスコをアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:700mlを加えて、容器を氷水浴で冷却しながら塩化アルミニウム:21.8g(0.6eq.)を加えて溶解させ、氷水浴で冷却し、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン:73.3gを加えた(濃橙色懸濁液)。2L4つ口フラスコをアルゴン置換し、シクロペンタジエン:21.6g(1.2eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:700mlを加えた。容器を氷水浴で冷却しながら1.57M n−BuLiヘキサン溶液:200ml(1.15eq.)を滴下して加え、室温で2時間攪拌した。容器を氷メタノール浴で冷却し、1L4つ口フラスコの溶液を滴下した。5℃以下で30分攪拌し、GCで反応確認後、反応液を冷水へ投入して反応を停止した。有機層を分液し、塩化アンモニウム水溶液、食塩水で順次洗浄してNa
2SO
4で乾燥した。Na
2SO
4をろ過後、濃縮して析出物にメタノールを300ml加え懸濁洗浄して橙色析出物をろ過した。目的のフルベンを77.8g収率90%で得た。
【0041】
比較例1
比較例として、化学式(7)に示される化合物の合成について、ルイス酸を用いない反応例を示す。
【化15】
300mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエンリチウム塩:2.50g(3.1eq.)、脱水シクロペンチルメチルエーテル:70ml、脱水テトラヒドロフラン:1.5mlを加えて攪拌した。氷水浴で容器を冷却後、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン:3.0gを加えた。室温で攪拌後、徐々に昇温しながら還流させ、6日間反応させた。反応液を氷水浴で冷却後、塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチした。酢酸エチルで抽出後、有機層を水洗し、Na
2SO
4で乾燥した。Na
2SO
4をろ別後、濃縮して得られた茶褐色固体をヘキサン/酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルろ過で原点物を除去した後、橙色固体:1.12g、収率32%で得た。
【0042】
比較例2
比較例として、化学式(4)に示される化合物の合成について、ルイス酸を用いない反応例を示す。
50mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。その後、ベンゾフェノン:3.00gを加えて攪拌した。また100mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.4g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:30ml加えた。5℃で冷却後、1.6M n−BuLiヘキサン溶液を12.9ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。100mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、50mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色溶液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率7%であった。
【0043】
置換基Rに水素および電子供与基を有する基質を用いた反応系における、ルイス酸添加効果を確認した。
【表1】
【0044】
ルイス酸を添加しない比較例1および2においては、十分な収率が得られていないのに対し、ルイス酸を添加した場合には、低温、短時間で、いずれも90%以上の収率で目的物が得られることが分かった。なお、Rが水素またはメトキシであるベンゾフェノンについて、ルイス酸を添加しない反応例が非特許文献2に、Rがメチルであるベンゾフェノンについて、ルイス酸を添加しない反応例が非特許文献1に記載されているが、いずれも十分な反応性が得られていない。このことからも、ルイス酸を添加することによる有効性を確認することができる。
【0045】
実施例5
化学式(5)に示される化合物の合成において、環状エーテルとしてTHPを添加し、溶媒にトルエンを用いた合成例を示す。
【化16】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水トルエン:20mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:0.66g(0.6eq.)、脱水テトラヒドロピラン:2.84g(4eq.)を加えて攪拌した(黄色溶液)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:1.74gを加えて溶解させ、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:0.71g(1.3eq.)をはかり取り、脱水トルエン:20mlを加えた。5℃で冷却後、1.6M n−BuLiヘキサン溶液を6.45ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率95%であった。
【0046】
実施例6
化学式(5)に示される化合物の合成において、環状エーテルとしてTHFを添加し、溶媒にEt
2Oを用いた合成例を示す。
【化17】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水ジエチルエーテル:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq.)、脱水テトラヒドロフラン:4.11g(4eq.)を加えて、攪拌した(黄色溶液)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて溶解させ、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水ジエチルエーテル:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率95%であった。
【0047】
実施例7
化学式(5)に示される化合物の合成において、環状エーテルとしてTHFを添加し、溶媒にトルエンを用いた合成例を示す。
【化18】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水トルエン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq.)、脱水テトラヒドロフラン:4.11g(4eq.)を加えて、攪拌した(黄色溶液)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて溶解させ、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水トルエン:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率96%であった。
【0048】
環状エーテルは、いずれの溶媒と組み合わせても高い反応率を示した。
【表2】
【0049】
実施例8
化学式(5)に示される化合物の合成において、ルイス酸と環状エーテル以外のエーテルを添加した合成例を示す。
【化19】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水t−ブチルメチルエーテル:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq.)を徐々に加えて、攪拌した(溶解)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水t−ブチルメチルエーテル:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率3%であった。
【0050】
実施例9
化学式(5)に示される化合物の合成において、ルイス酸と環状エーテル以外のエーテルを添加した合成例を示す。
【化20】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水シクロペンチルメチルエーテル:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq.)を徐々に加えて、攪拌した(褐色溶液)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水シクロペンチルメチルエーテル:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率4%であった。
【0051】
実施例10
化学式(5)に示される化合物の合成において、ルイス酸と環状エーテル以外のエーテルを添加した合成例を示す。
【化21】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水ジエチルエーテル:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq.)を徐々に加えて、攪拌した(黄色溶液)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水ジエチルエーテル:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率3%であった。
【0052】
実施例11
化学式(5)に示される化合物の合成において、ルイス酸を添加し、エーテル類を用いない合成例を示す。
【化22】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水トルエン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。AlCl
3:1.15g(0.6eq.)を徐々に加えて、攪拌した(溶解しない)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水トルエン:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率2%であった。
【0053】
比較例3
50mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水ジエチルエーテル:30mlを加え、氷水浴で冷却した。4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、攪拌した。また100mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水ジエチルエーテル:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.6M n−BuLiヘキサン溶液を11.12ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。100mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、50mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率1%であった。
【0054】
比較例4
50mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、攪拌した。また100mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.6M n−BuLiヘキサン溶液を11.12ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(淡黄色懸濁液)。100mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、50mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。30分後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率1%であった。
【0055】
環状エーテルを用いる実施例5〜7の場合と比較し、環状エーテルではないエーテルを用いた場合、またはエーテルを用いない場合には、低温、短時間での反応率(GC反応率)は低かった。しかしながら、低温、短時間での反応においても、ルイス酸を用いない場合(比較例3および4)と比較して、ルイス酸による加速効果が認められた。
【表3】
【0056】
実施例12
化学式(5)に示される化合物の合成において、ルイス酸に塩化亜鉛を用いた合成例を示す。
【化23】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。ZnCl
2:1.17g(0.6eq.)を徐々に加えて、攪拌した(黄色溶液)。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。室温で14時間攪拌した後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率94%であった。
【0057】
実施例13
化学式(5)に示される化合物の合成において、ルイス酸にBF
3・OEt
2を用いた合成例を示す。
【化24】
100mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加え、氷水浴で冷却した。BF
3・OEt
2:4.05g(2eq.)を徐々に加えて攪拌した。その後、4,4’−ジメチルベンゾフェノン:3.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また200mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:1.23g(1.3eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:30mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を11.34ml(1.25eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した(黄色懸濁液)。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した(黄色懸濁液)。室温で24時間攪拌した後、少量の溶液をサンプリングし、19wt%HClaqに加えて、トルエンで抽出した。GCを測定すると反応率74%であった。
【0058】
実施例14
化学式(7)に示される化合物の合成において、ルイス酸にBF
3・OEt
2を用いた合成例を示す。
【化25】
20mlシュレンク管をアルゴン置換し、脱水テトラヒドロフラン:10mlを加え、氷水浴で冷却した。BF
3・OEt
2:1.06g(2eq.)を加えて攪拌した。氷水浴で冷却後、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン:1.00gを加えて、室温で一時間攪拌した。また50mlシュレンク管をアルゴン置換し、シクロペンタジエン:0.27g(1.1eq.)をはかり取り、脱水テトラヒドロフラン:10mlを加えた。5℃で冷却後、1.57M n−BuLiヘキサン溶液を2.61ml(1.1eq.)を滴下して、室温で一時間攪拌した。200mlシュレンク管を再び5℃に冷却し、100mlシュレンク管の溶液を滴下した。室温で24時間攪拌した後、少量の溶液をサンプリングし、飽和塩化アンモニウム水溶液に加えて、ジエチルエーテルで抽出した。GCを測定すると反応率76%であった。
【0059】
AlCl
3以外のルイス酸について、添加効果を確認した。AlCl
3以外にも、ZnCl
2およびBF
3においても、添加効果が確認された。
【表4】