特許第6548428号(P6548428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6548428金属製シェルとライナーとから構成された容器蓋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548428
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】金属製シェルとライナーとから構成された容器蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20190711BHJP
   B65D 53/04 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   B65D41/04 200
   B65D53/04
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-71671(P2015-71671)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-190653(P2016-190653A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2018年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100194629
【弁理士】
【氏名又は名称】小嶋 俊之
(72)【発明者】
【氏名】杉山 尚
(72)【発明者】
【氏名】下地 俊平
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−201315(JP,A)
【文献】 実開昭60−075247(JP,U)
【文献】 実開昭62−185256(JP,U)
【文献】 特開2006−327653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形天面壁及び横断面形状が円弧形状である境界部位を介して該天面壁の周縁に続く円筒形スカート壁を有する金属製シェルと、該天面壁の内面上に型押成形され且つ該天面壁内面に対して非接着状態であるライナーとから構成される容器蓋において、
該天面壁には、該ライナーの型押成形に先立って、内方又は外方に突出し半径方向外方に向いた規制面が形成されている、ことを特徴とする容器蓋。
【請求項2】
該ライナーは、該天面壁の内面上に型押成形され且つ硬質合成樹脂製である基層及び該基層上に型押成形されかつエラストマ製である密封層を有し、該基層は該天面壁の内面に対して非接着状態であり、該密封層は該基層に対して接着状態である請求項1に記載の容器蓋。
【請求項3】
該規制面は、内方又は外方に突出せしめられた突条の外周面によって規定されている請求項1又は2記載の容器蓋。
【請求項4】
該突条は該天面壁の周縁領域に形成された環状突条である、請求項3記載の容器蓋。
【請求項5】
該突条は該天面壁の周縁領域に周方向に間隔を置いて周方向に延びる複数個の弧状突条である、請求項3記載の容器蓋。
【請求項6】
該突条の横断面形状は凸円弧形状である、請求項3から5までのいずれかに記載の容器蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製シェルとライナーとから構成された容器蓋、更に詳しくは円形天面壁及び横断面形状が円弧形状である境界領域を介して天面壁に接続された円筒形スカート壁を有する金属製シェルと、ライナー、殊に天面壁の内面上に型押成形され且つ硬質合成樹脂製である基層及び基層上に型押成形され且つエラストマ製である密封層を有するライナー、とから構成された容器蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、金属製シェルとライナーとから構成された容器蓋が開示されている。アルミニウム基合金薄板の如き金属薄板から形成されるシェルは、円形天面壁及び横断面形状が円弧形状である境界領域を介して天面壁に接続された円筒形スカート壁を有する。ライナーは、天面壁の内面上に型押成形される基層及びこの基層上に型押成形される密封層を有する。基層はガスバリア性に優れたポリプロピレン又は高密度ポリエチレンの如き硬質合成樹脂から成形され、密封層は充分な柔軟性を有するスチレン系ゴム又は低密度ポリエチレンの如きエラストマから成形される。密封層は基層に対して接着状態にせしめられるが、基層に容器の口頸部から容器蓋の少なくとも大部分を離脱せしめて口頸部を開封する際の必要トルクを低減せしめるために基層は天面壁の内面に対して非接着状態にせしめられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−201315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等の経験によれば、上述したとおりの従来の容器蓋には次のとおりの問題が存在することが判明している。即ち、加熱溶融乃至軟化状態の合成樹脂素材を型押成形することによって成形された基層は冷却固化される際に幾分収縮されるが、基層は天面壁の内面に対して非接着状態であるので、天面壁に対して同心状に成形された基層が冷却固化されて収縮する際に天面壁に対して幾分移動して天面壁に対して偏心してしまう傾向がある。そして、天面壁に対して基層が相当量偏心してしまうと、密封層を型押成形する際に型押工具、更に詳しくは型押工具における密封層の外周面を規定するスリーブの下端が基層の先端縁部に噛み込んでしまって、基層の先端縁部が損傷してしまうと共に密封層の型押成形が毀損され、ライナーが不良なものになってしまう虞がある。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、天面壁の内面に型押成形されたライナー、殊に天面壁の内面上に型押成形され且つ硬質合成樹脂製である基層及びこの基層上に型押成形されかつエラストマ製である密封層からなるライナーにおける基層、が冷却固化して収縮する際の、天面壁に対するライナーの移動が可及的に防止される、新規且つ改良された容器蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、鋭意検討の結果、ライナーを型押成形するのに先立って、天面壁に内方又は外方に突出し半径方向外方に向いた規制面を形成することによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
【0007】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する容器蓋として、円形天面壁及び横断面形状が円弧形状である境界部位を介して該天面壁の周縁に続く円筒形スカート壁を有する金属製シェルと、該天面壁の内面上に型押成形され且つ該天面壁内面に対して非接着状態であるライナーとから構成される容器蓋において、
該天面壁には、該ライナーの型押成形に先立って、内方又は外方に突出し半径方向外方に向いた規制面が形成されている、ことを特徴とする容器蓋が提供される。
【0008】
該ライナーは、該天面壁の内面上に型押成形され且つ硬質合成樹脂製である基層及び該基層上に型押成形されかつエラストマ製である密封層を有し、該基層は該天面壁の内面に対して非接着状態であり、該密封層は該基層に対して接着状態であるのが好適である。好ましくは、該規制面は内方又は外方に突出せしめられた突条の外周面によって規定されている。該突条は該天面壁の周縁領域に形成された環状突条である、或いは該天面壁の周縁領域に周方向に間隔を置いて周方向に延びる複数個の弧状突条であってもよい。該環状突条の横断面形状は凸円弧形状であるのが好都合である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の容器蓋においては、天面壁に形成されている規制面に対応して基層の天面壁に面する上面には被規制面が形成され、規制面と被規制面との相互係止作用によって、天面壁に対する基層の移動が可及的に防止される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を、一部を断面で示す正面図。
図2図1に示す容器蓋の平面図。
図3】本発明に従って構成された容器蓋の第1の変形例を断面で示す正面図。
図4】本発明に従って構成された容器蓋の第2の変形例を断面で示す正面図。
図5】本発明に従って構成された容器蓋の第3の変形例を断面で示す正面図。
図6図1に示す容器蓋の天面壁の内面に基層を成型する際の、シェルと型押工具との関係を示す断面図。
図7図6の一部を拡大した部分拡大図。
図8図1に示す容器蓋の天面壁の内面に成型された基層が収縮した状態を示す断面図。
図9図8の一部を拡大した部分拡大図。
図10図1に示す容器蓋の天面壁の内面で収縮した基層上に密封層を成型する際の、シェルと型押工具との関係を示す断面図。
図11】天面壁に規制面が形成されていない容器蓋の天面壁の内面に成型された基層上に密封層を成型する際の、シェルと型押工具との関係を断面で示す、部分拡大図。
図12図1に示す容器蓋を容器の口頸部に装着して口頸部を密封した状態を、一部を断面で示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成された容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳述する。
【0012】
図1は本発明に従って構成された容器蓋の好適形態を図示している。全体を番号2で示す容器蓋は、アルミニウム基合金薄板、クロム処理鋼薄板又はブリキ薄板の如き適宜の金属薄板にプレス加工等の機械加工を施すことによって形成することができる金属製シェル4と、ライナー6とから構成される。シェル4は、円形天面壁8及び横断面形状が円弧形状である境界部位10を介してこの天面壁8の周縁に続く円筒形スカート壁12を有する。スカート壁12の上端部には、周方向に連続して延びる環状凹部14と、この環状凹部14より幾分下方を全周に渡って延在する滑り止めナール16が形成されている。スカート壁12の下部には半径方向外方に膨出せしめられた環状膨出部18が形成されている。そして、この環状膨出部18には周方向に延びる弱化ライン20が規定されており、スカート壁12は弱化ライン20より上方の主部22と弱化ライン20より下方のタンパーエビデント裾部24とに区画されている。図示の実施形態においては、弱化ライン20は周方向に間隔をおいて周方向に延びる複数個のスリット26とかかるスリット26間に位置する複数個の橋絡部28とから構成されている。
【0013】
本発明に従って構成されたシェル4においては、天面壁8に、後述するライナー6の基層の型押成形に先立って、内方又は外方に突出し半径方向外方に向いた規制面30が形成されていることが重要である。図1と共に図2を参照することによって明確に理解されるとおり、図示の実施形態においては、規制面30は、天面壁8の周縁領域に形成された環状突条32の外周面によって規定される。突条32の横断面形状は内方に突出せしめられた凸円弧形状である。突条32及び規制面30については種々の変形例が考えられる。例えば、突条32は、天面壁8の周縁領域に周方向に間隔を置いて周方向に延びる複数個の弧状突条であってもよく、内方に突出することに替えて図3に示すような外方に突出するようにしてもよく、また、図4に示すような天面壁8の中央において下方に突出する形状であってもよい。更にまた、突条32は凸円弧形状に限られることなく、例えば図5に図示する如く、実質上鉛直に延びる切り立った外周面即ち規制面30と半径方向内方に向かって上方(又は下方)に傾斜する緩やかな内周面を有する形態にすることもできる。
【0014】
ライナー6は、シェル4の天面壁8の内面上に型押成形され且つ硬質合成樹脂製である基層34及びこの基層34上に型押成形され且つエラストマ製である密封層36を有する。基層34は天面壁8の内面に対して非接着状態であり(更に詳しくは、シェル4の内面には基層34を構成する硬質合成樹脂に対して非接着性を有するコーティングが施されている)、密封層36は基層34に対して接着状態である(更に詳しくは、密封層36を構成するエラストマと基層34を構成する合成樹脂とは相互接着性を有する)。シェル4の天面壁8の内面上へのライナー6の成型方法について図6乃至図11を参照して説明する。
【0015】
まず、図6に示すとおり、シェル4がアンビル38上に倒立状態(即ちその天面壁8の外面がアンビル38の上面に接触せしめられ、そのスカート壁12が天面壁8の周縁から上方に延在する状態)に載置される。そして、シェル4の天面壁8の内面上に軟化乃至溶融状態の硬質合成樹脂素材が供給される。かかる硬質合成樹脂としては、例えばポリプロピレンが好都合である。次いで、型押工具40がシェル4内に挿入せしめられ、上記硬質合成樹脂素材が型押成形されることで基層34が形成される。図示の型押工具40は、スカート壁12における環状凹部14が形成されている部位の最小内径と実質上同一の外径を有する円柱形状であり、その下面には天面壁8に形成された突条32と対応する環状凹溝42が形成されている。これにより、この型押工具40によって型押成形された基層34は、図6に示すとおり、シェル4の天面壁8及び境界部位10の内面に沿った形状となり、基層34の天面壁8に面する下面には、天面壁8に形成された突条32の横断面形状に対応する横断面形状を有する環状凹条44が形成される。この凹条44は、天面壁8に形成されている規制面30に対応した被規制面46を規定する(図7も併せて参照されたい)。
【0016】
図8及び図9を参照して説明すると、基層34を型押成形した後に型押工具40がシェル4内から離脱され、基層34が冷却される。そして、基層34は冷却に応じて収縮され、天面壁8の内面に対して移動される傾向がある。しかしながら、図示の実施形態においては、天面壁8に形成されている規制面30と基層34に形成されている被規制面46との共働によって、天面壁8の内面に対する移動が可及的に抑制され、天面壁4に対して基層34が偏心してしまうことが充分確実に防止される。
【0017】
図10を参照して説明を続けると、基層34の形成の後に密封層36が型押成形される。密封層36を形成するに際しては、まず、基層34の内面上に軟化乃至溶融状態のエラストマ製素材が供給される。かかるエラストマとしては、例えばスチレン系エラストマが好都合である。次いで、図10に明確に図示する如く、全体を番号48で示す型押工具がシェル4内に挿入せしめられ、基層34上に上記エラストマ製素材が型押成形されることで密封層36が形成される。図示の型押工具48は、円柱状中央パンチ50、中央パンチ50を囲繞する円筒状中間ブッシュ52、及び中間ブッシュ52を囲繞する外側スリーブ54から構成されている。型押成形される密封層36は、中央パンチ50によって規定される比較的肉薄である円板形状の薄肉中央部56と、外側スリーブ54及び中間ブッシュ52によって規定される比較的肉厚の厚肉周縁部58とを有する。密封層36の厚肉周縁部58は、厚肉周縁部58の半径方向内側において上方に延出し且つ後述するとおりに容器蓋2を容器に装着した際に容器の口頸部内に進入せしめられる内側筒状シール片59aと、厚肉周縁部58の半径方向外側において実質上水平であって且つ後述するとおりに容器蓋2を容器に装着した際に容器の口頸部の先端部外周面に密接せしめられる外側平坦部59bと、厚肉周縁部58の半径方向中央部に位置し且つ後述するとおりに容器蓋2を容器に装着した際に容器の口頸部の先端面に密接せしめられる中央密接部59cとを有する。
【0018】
図示の実施形態においては、上述したとおり、天面壁8に対する基層34の偏心が充分確実に防止され、それ故に充分良好に密封層36の型押成形を遂行することができる。天面壁8に対して基層34が過剰に偏心してしまった場合には、図11に図示する如く、型押工具48における密封層36の外周面を規定するスリーブ54の下端が基層34の先端縁部に噛み込んでしまって、基層34の先端縁部が損傷してしまうと共に密封層36の型押成形が毀損される虞がある。
【0019】
図12には上記した方法によって製造された容器蓋2と共に容器の口頸部60も図示されている。アルミニウム基合金薄板、クロム酸処理鋼薄板或いはブリキ薄板の如き適宜の金属薄板から形成することができる容器の口頸部60は全体として略円筒形状であり、その軸線方向中央部には雄螺条62が形成され、かかる雄螺条62の下方には環状に膨出せしめられた係止あご部64が形成されている。口頸部60の上部は上方に向かって直径が漸次減少する円錐台形状にせしめられており、口頸部60の上端にはカール66が形成されている。カール66は、断面図において、軸線方向上方に略鉛直に延び、次いで半径方向外方に向かって円弧上に延び、そして軸線方向下方に略鉛直に延び、更に半径方向内方に向かって円弧上に延び、しかる後に軸線方向上方に略鉛直に延びている。かような口頸部60を備えた金属製容器自体は周知であるので、金属製容器自体についての詳細な説明は、本明細書においては省略する。
【0020】
金属製容器内に内容物を充填した後、容器蓋2は口頸部60に被嵌せしめられ、適宜の様式によって口頸部に装着される。図12を参照して説明すると、口頸部60に容器蓋2を被嵌した後に、平坦な下面を有する図示しない押圧工具を容器蓋2のシェル4の天面壁8の外面に当接せしめて天面壁8を下方に押圧し、これと同時に或いはこれに続いて下端部内周面に下方を向いた環状肩面を有する図示しない絞り工具をシェル4の境界部位10に作用せしめて境界部位10を下方及び半径方向内側に変形せしめる。かくすると、図12に明確に図示する如く、密封層36の内側筒状シール片59aがカール66の内周面乃至上面に密接せしめられ、そしてまた密封層36の外側平坦部59bが下方に変形されてカール66の外周面に密接せしめられ、これによって口頸部60が密封される。更に、スカート壁12に図示しない螺条形成工具を作用せしめてスカート壁12に形成されている環状凹部14から下方に向けて口頸部60の雄螺条62に沿ってスカート壁12に雌螺条68を形成し、そしてまたスカート壁12のタンパーエビデント裾部24に図示しない係止工具を作用せしめてタンパーエビデント裾部24を半径方向内側に強制して口頸部60の係止あご部64に係止せしめる。
【0021】
容器の口頸部60を開封して内容物を消費する際には、容器蓋2を開方向即ち図12において上方から見て反時計方向に回転せしめる。かくすると、口頸部60の雄螺条62と容器蓋2の雌螺条68との協働によって容器蓋2は回転と共に上昇せしめられる。しかしながら、容器蓋2のシェル4におけるタンパーエビデント裾部24は口頸部60の係止あご部64に係止されている故に上昇が阻止され、これによってシェル4の周方向弱化ライン20の橋絡部28に相当な応力が生成され、周方向弱化ライン20が破断されてタンパーエビデント裾部24がスカート壁12の主部22から分離される。しかる後においては、タンパーエビデント裾部24を口頸部60に残留せしめて容器蓋2が口頸部60から離脱され、口頸部60が開封される。
【符号の説明】
【0022】
2:容器蓋
4:シェル
6:ライナー
8:天面壁
10:境界部位
12:スカート壁
20:弱化ライン
30:規制面
32:突条
34:基層
36:密封層
56:薄肉中央部
58:厚肉周縁部
59a:内側筒状シール片
59b:外側平坦部
46:被規制面
60:口頸部
64:係止あご部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12