(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
本実施形態の樹木の支持施工方法は、樹木の根鉢に根鉢用接触体を接触させ、該根鉢用接触体で根鉢を押圧して該根鉢を固定することにより樹木を支持施工する樹木の支持施工方法において、前記根鉢に根鉢用接触体を接触させた状態で該根鉢用接触体を外側から保持するための根鉢用接触体固定部材を前記根鉢に食い込ませ、該根鉢用接触体固定部材で前記根鉢用接触体を根鉢に固定するものである。
【0019】
また本実施形態の根鉢用固定用具は、樹木の根鉢を固定して該樹木を支持するために用いられ、前記根鉢に接触して該根鉢を押圧する根鉢用接触体が具備された根鉢用固定用具であって、前記根鉢に前記根鉢用接触体を接触させた状態で根鉢に食い込ませて前記根鉢用接触体を外側から保持するとともに前記根鉢用接触体を根鉢に固定する根鉢用接触体固定部材がさらに具備されているものである。
【0020】
根鉢用接触体は、たとえば根鉢の側面に接触するようなものであってもよく、また根鉢の側面と上面の境界部分である肩部に接触するようなものであってもよい。また、根鉢用接触体の形状や材質も特に限定されるものではない。要は根鉢に接触して根鉢を押圧することができるように形成されたものであればよい。
【0021】
主として根鉢の側面に接触するようなものとして、たとえば、
図1に及び
図2に示すような根鉢用接触体1が例示される。この根鉢用接触体1は、同図のように、接触体中央片2の上部2aに、接触体頭部片3が固着されて形成されている。そのような固着は、たとえば溶接によりなされる。
【0022】
この接触体頭部片3は、前記接触体中央片2よりも幅広に形成されている。該接触体頭部片3は、接触体中央片2の上部に固着された頭部片上部3aと、該頭部片上部3aから両側に立下り形成された頭部片側部3bと、該頭部片側部3bの下部から内向きに形成された頭部片下部3cとで全体が略枠状となるように形成されている。
【0023】
接触体中央片2には複数(
図1の例では6個)の四角形の孔が穿設されており、それらの孔のうち、5個の孔4b、…は同じ大きさに形成され、最上部の孔4aは、他の孔4bよりも大きく形成されている。この最上部の孔4aの略中央の位置には、後述する支持ベルトを掛止するための棒状の掛止体5が設けられている。この掛止体5は、
図2に示すように前記接触体中央片2を構成する鋼材の一部を湾曲させて形成された湾曲部6内に挿入されることによって設けられている。
【0024】
また、該掛止体5より上側の最上部の孔4aの背面側に、前記接触体頭部片3の頭部片上部3aが位置するように、接触体頭部片3が接触体中央片2の上部2aの背面側に固着されている。そして、掛止体5より上側の接触体中央片2及び接触体頭部片3が、掛止体5より下側の接触体中央片2及び接触体頭部片3に対してわずかに折り曲げて形成されている。さらに、接触体頭部片3の頭部片上部3aの略中央には、後述するボルト挿入用の孔7が穿設されている。
【0025】
上記のように構成された根鉢用接触体1において、掛止体5より下側の接触体中央片2及び接触体頭部片3は真っすぐに形成されているので、鉛直方向に配置して根鉢の側面に接触されるが、掛止体5より上側の接触体中央片2及び接触体頭部片3は、掛止体5より下側の部分に対してわずかに折り曲げて形成されているので、根鉢の肩部に接触されうる。
【0026】
上記
図1及び
図2に示す根鉢用接触体1は、主として根鉢の側面に接触するものの、根鉢の肩部にも接触しうるが、この
図1及び
図2の形態の根鉢用接触体1に限らず、根鉢の側面のみに接触するような根鉢用接触体1を用いることもできる。
【0027】
また根鉢の肩部に接触するようなものとして、たとえば
図3に示すような、一般に肩パットと称される根鉢用接触体1を用いることも可能である。この根鉢用接触体1は、複数の孔4を有して略ハシゴ形状に形成されており、
図4に示すよう折り曲げられつつ根鉢8の肩部8bに接触されて使用されるものである。
【0028】
根鉢用接触体は、後述する根鉢用接触体固定部材によって外側から好適に保持されるためには、上記
図1乃至
図4に示すように、複数の孔を有する略ハシゴ形状に形成されたような形状のものが望ましい。ただし、根鉢用接触体の形状はこれに限定されるものではなく、孔のない板状に形成されたようなものであってもよい。要は、後述する根鉢用接触体固定部材によって外側から保持されうるようなものであれば、その形状は問うのではなく、種々の形状の根鉢用接触体を使用することができる。
【0029】
根鉢の外周面に配置される根鉢用接触体の数は、たとえば4個配置され、或いは3個配置される等、根鉢の大きさに応じて変更可能である。根鉢用接触体の数は1個であってもよいが、後述する支持ベルトを掛け回して支持ベルトを締め付けることによって根鉢用接触体に根鉢に対する押圧力を生じさせるためには、複数の根鉢用接触体が用いられるのが望ましい。また、根鉢用接触体としては、たとえば金属製のものが用いられるが、その材質も限定されるものではない。
【0030】
根鉢用接触体固定部材は、要は、根鉢用接触体の外側から保持しつつ根鉢に打ち込むことによって根鉢を固定するようなものであればよく、その形状は問わない。たとえば、
図5及び
図6に示すように、正面略長方形状、側面略コ字状に形成された根鉢用接触体固定部材9を用いることができる。この根鉢用接触体固定部材9の略中央には、ボルトを挿入させるための孔10が穿設されている。
【0031】
この
図5及び
図6に示す根鉢用接触体固定部材9の使用例について、上記
図1及び
図2に示す根鉢用接触体1に適用する場合について説明すると、
図7及び8に示すように、根鉢用接触体固定部材9で根鉢用接触体1を保持させつつ、根鉢用接触体固定部材9を根鉢8の側面8aに打ち込む。より具体的には、根鉢用接触体固定部材9の中央片9aが、根鉢用接触体1の接触体頭部片3の頭部片下部3cの正面に接触し、根鉢用接触体固定部材9の両側片9b、9bが前記接触体頭部片3の頭部片下部3cの両側に跨るように、根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の側面8aに打ち込まれることとなる。このように根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の側面8aに打ち込まれることで、根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の側面8aに食い込むこととなる。
【0032】
さらに、ボルト11が根鉢用接触体固定部材9の孔10に挿入されることによって、根鉢用接触体固定部材9と根鉢用接触体1との相互間が固定されることとなる。この場合には、接触体頭部片3の頭部片下部3cにも、予め孔が穿設されている必要がある。このような頭部片下部3cの孔は、たとえば施工現場でドリル等によって穿設されうる。
【0033】
また、上記
図5及び
図6の根鉢用接触体固定部材9と同様に、正面略長方形状、側面略コ字状に形成されているが、
図9に示すように、略コ字状に形成された両側片9b、9bの先端部9c、9cが略楔形に形成されたような根鉢用接触体固定部材9を用いることもできる。より詳細には、
図9の実施形態では、根鉢用接触体固定部材9の両側の先端部9cが側面略三角形状に形成され、最先端部9dより手前側の頂角の部分9eは、根鉢用接触体固定部材9の側片9bの外面より外側に突出して形成されており、その頂角の部分9eから最先端部9dに向かって内向きのテーパ状となるように先端部9cが形成されている。
【0034】
この
図9の実施形態では、根鉢用接触体固定部材9の両側片9b、9bの先端部9c、9cが略楔形に形成されているので、根鉢用接触体固定部材9を根鉢の側面に容易に打ち込むことができる。また側面略三角形状に形成された根鉢用接触体固定部材9の最先端部9dより手前側の頂角の部分9eは、側片9bの外面より外側に突出して形成されているので、根鉢用接触体固定部材9が一旦根鉢8の側面8aに打ち込まれた後は、前記側片9bの外面より外側に突出した頂角の部分9eが抵抗力として作用して根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の側面8aから不用意に抜け出るのが好適に防止される。
【0035】
また、根鉢用接触体固定部材9として、
図10に示すように、根鉢用接触体固定部材9の側片9bの先端部9cが、3つの三角形が長さ方向に連続するような釘状に形成されたものを用いることもできる。この
図10の実施形態では、それぞれ3つの三角形の両側の頂角の部分9eが、根鉢用接触体固定部材9の側片9bの外面より外側に突出して形成されており、その頂角の部分9eから先端側に向かって内向きのテーパ状となるように形成されている。そして、先端部9cは尖った略楔形に形成されている。
【0036】
この
図10の実施形態においても、根鉢用接触体固定部材9の両側の先端部9cが略楔形に形成されているので、根鉢用接触体固定部材9を根鉢の側面に容易に打ち込むことができる。また、それぞれ3つの三角形の両側の頂角の部分9eが根鉢用接触体固定部材9の側片9bの外面より外側に突出して形成されているので、根鉢用接触体固定部材9が一旦根鉢8の側面8aに打ち込まれた後は、前記側片9bの外面より外側に突出した頂角の部分9eが抵抗力として作用して根鉢用接触体固定部材9が根鉢の側面から不用意に抜け出るのが好適に防止されることとなる。特に、この
図10の実施形態においては、3つの三角形が長さ方向に連続するような釘状に形成されているので、側片9bの外面より外側に突出した頂角の部分9eは、
図10に示すように全部で12個形成されていることになり、従って、根鉢用接触体固定部材9が一旦根鉢8の側面8aに打ち込まれた後の抜け止め防止効果は、一層良好となる。
【0037】
さらに、根鉢用接触体固定部材9として、
図11に示すように、2枚の板状部材12、12が、それぞれ回動自在となるようにピン13で軸支されて構成されたものを用いることもできる。2枚の板状部材12の先端部12aは、尖った形状に形成されている。この
図11の実施形態の根鉢用接触体固定部材9は、たとえば上記
図3及び
図4に示すような、肩パットと称される根鉢8の肩部8bに接触されるような根鉢用接触体1に適用されうる。具体的には、根鉢用接触体1の孔4に根鉢用接触体固定部材9が挿入されるようにして、該根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の肩部8bに打ち込まれる。
【0038】
この
図11の実施形態においては、根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の肩部8bに打ち込まれる際に、
図12に示すように、尖った先端部12aとは反対側の部分を同図の矢印方向にハンマー等で打設することにより、2枚の板状部材12、12がそれぞれピン13を中心として外向きに少し回動し、2枚の板状部材12、12がそれぞれ開いたような状態にされて根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の肩部8bに打ち込まれることとなる。このように2枚の板状部材12、12がそれぞれ開いたような状態にされて根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の肩部8bに打ち込まれるので、開かれた板状部材12、12が抵抗力として作用して根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の肩部8bから不用意に抜け出るのが好適に防止されることとなる。
【0039】
さらに、根鉢用接触体固定部材9として、
図13に示すように、棒状体が側面略コ字状となるように形成された2つの側片9bが、1つの棒状体9fで連結されたように形成されたものを用いることもできる。この
図13の実施形態では、
図5乃至
図12の実施形態のように、根鉢用接触体固定部材9が板状の部材で形成されているのではなく、棒状の部材で形成されているので、根鉢用接触体固定部材9を形成する材料を節減することができるという利点がある。
【0040】
さらに、根鉢用接触体固定部材9として、
図14に示すように、ボルト状に形成された根鉢用接触体固定部材9を用いることもできる。この場合には、該ボルト状の根鉢用接触体固定部材9に螺合できるようなナット状部材14が、根鉢用接触体1に取り付けられることになり、
図15のようにボルト状の根鉢用接触体固定部材9がナット状部材14に螺合されることによって、根鉢用接触体固定部材9と根鉢用接触体1との相互間が固定されることになる。この
図14の実施形態では、根鉢用接触体固定部材9がハンマー等で根鉢8に打ち込まれるわけではないが、ボルト状の根鉢用接触体固定部材9がナット状部材14に螺合されることによって、結果的に根鉢用接触体固定部材9が根鉢8に食い込むことになる。また、この
図14の実施形態では、汎用性のあるボルト状の部材を根鉢用接触体固定部材9として用いることができるので、根鉢用接触体固定部材の準備のためのコストを節減することができるという利点がある。
【0041】
本実施形態の根鉢用固定用具には、上記のような複数の根鉢用接触体1と、複数の根鉢用接触体固定部材9の他に、樹木の幹部の周囲に配置されて、前記複数の根鉢用接触体1に掛け回される支持ベルトがさらに具備されていてもよい。根鉢用接触体には、支持ベルトが直接掛け回されていてもよく、また別の部材を介して間接的に掛け回されていてもよい。いずれの場合でも、支持ベルトが締め付けられることで該支持ベルトに緊締力が生じると、根鉢に対して根鉢用接触体の押圧力が作用することとなる。このような支持ベルトを用いる場合、1本の支持ベルトを複数個の根鉢用接触体1に架け回すことも可能であるが、これに限らず、たとえば樹木の根元部に支持リングを巻装させ、その支持リングと根鉢用接触体1とに支持ベルトを1本ずつ架け渡して支持することも可能である。
【0042】
また本実施形態の根鉢用固定用具には、根鉢を載置するための根鉢用載置体15がさらに具備されていてもよい。根鉢用載置体15としては、たとえば
図16及び
図17に示すように、根鉢の直接的な載置部分となる固定部材16と、該固定部材16に対して移動可能に構成された移動部材17とで構成されたようなものを用いることができる。
【0043】
この固定部材16としては、たとえば
図16、
図17、
図18のように、断面四角形状の細長い四角筒状に形成された2本の枠杆18、18を平面略十字状に交差させて形成されたようなものを用いることができる。また、このような平面略十字状のものに限らず、3本の枠杆18、或いは4本の枠杆18が、中央で交差するように構成されたものを用いることも可能である。さらに、固定部材16の2本の枠杆17、17が交差されて根鉢用載置体1が形成されているものの他、根鉢用載置体1は、たとえば4本の枠杆で平面略四角形状に形成されたものであってもよく、また3本の枠杆で平面略三角形状に形成されたものであってもよい。
【0044】
また移動部材17としては、たとえば
図16、
図17、
図18のように、前記固定部材16の枠杆18にスライド自在に外嵌合され、該枠杆18と同様に断面四角形状の細長い四角筒状に形成されたスライド杆19と、該スライド杆19の先端側に取り付けられた打込部材20とからなるものを用いることができる。打込部材20は、
図16及び
図17に示すように、2つの直角部分20a、20aと、2つの鈍角部分20b、20bと、1つの鋭角部分20cとからなり、その1つの鋭角部分20cが先端側とされて、該先端側の鋭角部分20cによって、根鉢が収納される植穴の側壁面に打ち込み可能となるように構成されている。
【0045】
さらに、この打込部材20は板状に形成されており、植穴の底面に載置された際に、その植穴の底面における土に対して抵抗を生じさせるような機能をも奏するものである。さらに、前記スライド杆19と打込部材20との連設部分には、
図19に示すようにハンマーで打設するための打設体21が上向きに突設されている。
【0046】
また、上記のような根鉢用載置体15に根鉢8が載置される場合には、連結用部材が根鉢用接触体1と根鉢用載置体15とに連結されることが望ましい。このような連結用部材としては、たとえば、
図20及び
図21に示すアジャスターのようなものを用いることができる。このアジャスター22は、根鉢用載置体15に対する根鉢用接触体1の位置を調整することにより、根鉢の大きさに合わせて根鉢用接触体1を根鉢に接触させることができるようにするためのものである。このアジャスター22は、
図20及び
図21に示すように、前記固定部材16の枠杆18に外嵌できるような大きさの円筒状に形成されたアジャスター軸部23と、該アジャスター軸部23に固着されたアジャスターフレーム24とで構成されている。
【0047】
このアジャスターフレーム24は、細い鋼材が底部24aで折り曲げられ、その折り曲げられた底部24aが前記アジャスター軸部23の外周に沿って固着され、且つ該アジャスター軸部23から1対の鋼材部分が平行に配置されるように構成されている。そして、該アジャスターフレーム24の1対の鋼材部分の上部には、板状部材を折り曲げて形成した係止片25が形成されている。この折り曲げられた係止片25は、幅の異なる長片25aと短片25bとからなり、その係止片25の略中央にはボルト26が前記短片25b側から長片25a側に挿通されるように止着されている。
【0048】
また、このように根鉢用載置体15に対する根鉢用接触体1の位置を調整することができるアジャスター22以外に、位置を調整することができない連結用部材を用いることも可能である。
【0049】
さらに、上記根鉢用載置体15には、前記根鉢8の底部8cに食い込む根鉢底部固定部材27が設けられていてもよい。このような根鉢底部固定部材27が設けられている場合には、根鉢用載置体15に根鉢8を載置する際、根鉢8の底部8cに根鉢底部固定部材27が突き刺さることとなり、このような根鉢底部固定部材27の根鉢8の底部8cに対する食い込み力と、上記のような根鉢用接触体固定部材9の根鉢外周面への打ち込みによる食い込み力との双方によって、根鉢をより確実に固定することができ、地盤沈下が生じた場合や樹木に傾倒力が作用する場合における、鉛直方向に対する根鉢の傾きをより好適に防止することができる。ここで、地盤沈下が生じた場合や樹木に傾倒力が作用する場合における、鉛直方向に対する根鉢の傾きを好適に防止するためには、根鉢底部固定部材27は根鉢8の底部8cの中央付近に食い込ませることが望ましい。
【0050】
根鉢底部固定部材27としては、たとえば
図22及び
図23に示すように、長い板状体28の先端に板状の突片29が上向きに立設されたようなものを用いることができる。より詳細には、この
図22及び
図23の実施形態における根鉢底部固定部材27の突片29は、上縁に2個の山形状部30、30を有しており、2枚の長い板状体28が、固定部材16を構成する2本の枠杆18、18の交差部分の近くの上部にそれぞれ固着されている。この
図22及び
図23の実施形態では、後述のように、根鉢8を前記根鉢用載置体15の固定部材16上に載置した際に、前記根鉢底部固定部材27の突片29の山形状部30が根鉢8の底部8cに突き刺さって前記根鉢底部固定部材27が根鉢8の底部8cに食い込み、それによって根鉢8が固定されることとなる。
【0051】
また根鉢底部固定部材27としては、たとえば
図24及び
図25に示すように、固定部材16を構成する2本の枠杆18、18の交差部分の近くに上向きに突設されたボルト状の形態のものを用いることもできる。より詳細には、この
図24及び
図25の実施形態では、2本の枠杆18、18にそれぞれ複数の孔31が穿設され、それらの孔のうち、2本の枠杆18、18の交差部分から等距離にある4個の孔31にそれぞれボルト状の根鉢底部固定部材27が挿入され、枠杆18、18から上向きに突設されて構成される。
【0052】
この
図24及び
図25の実施形態では、根鉢8を根鉢用載置体15に載置すると、固定部材16の枠杆18、18に上向きに突設された計4本のボルト状の根鉢底部固定部材27が根鉢8の底部8cに食い込むこととなり、それによって根鉢が固定されることとなる。また、この
図24及び
図25の実施形態では、2本の枠杆18、18にそれぞれ複数の孔31が穿設されているので、孔31の位置を変更してボルト状の根鉢底部固定部材27を挿入することができ、根鉢8の大きさや根鉢8の底部8cの形状(たとえば丸みを帯びているか平坦であるか等)に応じて根鉢底部固定部材27の位置を調整することができる。
【0053】
さらに、根鉢底部固定部材27として、
図26及び
図27に示すように、側面略L字状のものを用いることもできる。より詳細には、この
図26及び
図27の実施形態における根鉢底部固定部材27は、全体が平面略正方形状に形成された底部32を有しており、該底部32の周縁部の1辺に、上向きに突片33が突設されている。この突片33は、上縁に3個の山形状部34を有している。また、根鉢底部固定部材27の底部32には、長孔35が穿設され、その長孔35にボルト36が挿入されているとともに、該ボルト36にナット37が螺合されることによって、根鉢底部固定部材27が固定部材16の枠杆18、18に固定されている。
【0054】
そして、この
図26及び
図27の実施形態では、根鉢8を前記根鉢用載置体15の固定部材16上に載置した際に、前記根鉢底部固定部材27の突片33の山形状部34が根鉢8の底部8cに突き刺さって前記根鉢底部固定部材27が根鉢8の底部8cに食い込み、それによって根鉢8が固定されることとなる。また、この
図26及び
図27の実施形態においても、2本の枠杆18、18にそれぞれ複数の孔31が穿設されており、それらの孔31のうち、2本の枠杆18、18の交差部分から等距離にある4個の孔31にボルト36が挿入される。より詳しくは、根鉢底部固定部材27の底部32の長孔35に枠杆18の孔31が連通状態とされ、該底部32の長孔35と枠杆18の孔31とにボルトが36が挿入され、さらにボルト36にナット37が螺合されることによって、根鉢底部固定部材27が枠杆18、18に固定されることとなる。2本の枠杆18、18にそれぞれ複数の孔31が穿設されているので、孔31の位置を変更してボルト36を挿入することができ、根鉢8の大きさや根鉢底部の形状(たとえば丸みを帯びているか平坦であるか等)に応じて根鉢底部固定部材27の位置を調整することができることは、上記
図24及び
図25の実施形態と同様である。
【0055】
さらに、根鉢底部固定部材27としては、
図28及び
図29に示すようなものを用いることもできる。この
図28及び
図29の根鉢底部固定部材27は、同図に示すように、固定部材16の2本の枠杆18、18が交差する部分に設けられている。この根鉢底部固定部材27は、
図28及び
図29に示すように、全体が平面略正方形状に形成された底部38を有しており、該底部38の周縁部に、上向きに突片39が突設された構成からなる。この突片39は、上縁に2個の山形状部40、40を有し、前記底部38の周縁部の4辺に、それぞれ2個ずつ形成されている。そして、根鉢8を根鉢用載置体15の固定部材16上に載置した際に、前記山形状部40が突き刺さって前記根鉢底部固定部材27が根鉢8の底部8cに食い込むように、該根鉢底部固定部材27が構成されている。この根鉢底部固定部材27の底部38の略中央、及び前記枠杆18、18が交差する前記固定部材16の略中央部分に貫通するようにボルト41が挿通され、該ボルト41の挿通によって根鉢底部固定部材27が固定部材16の略中央部分に固定して取り付けられている。
【0056】
次に、本実施形態の樹木の支持施工方法は、上記のように、樹木の根鉢に根鉢用接触体を接触させ、該根鉢用接触体で根鉢を押圧して該根鉢を固定することにより樹木を支持施工する樹木の支持施工方法において、前記根鉢に根鉢用接触体を接触させた状態で該根鉢用接触体を外側から保持するための根鉢用接触体固定部材を前記根鉢に食い込ませ、該根鉢用接触体固定部材で前記根鉢用接触体を根鉢に固定するものである。
【0057】
根鉢の周囲に根鉢用接触体を複数配置し、一つの根鉢用接触体と他の根鉢用接触体との間に支持ベルトを掛け回した状態で該支持ベルトを締め付けることによって前記根鉢用接触体で根鉢を押圧した後に、前記根鉢用接触体固定部材を、前記根鉢用接触体の外側から保持しつつ根鉢に打ち込むことも可能である。
【0058】
このような支持ベルトが複数の根鉢用接触体に掛け回され、支持ベルトが締め付けられることで該支持ベルトに緊締力が生じると、根鉢に対して根鉢用接触体の押圧力が作用することとなる。そして、上記のように支持ベルトを締め付けることによって前記根鉢用接触体で根鉢を押圧した後に、根鉢用接触体固定部材が根鉢用接触体を外側から保持しつつ根鉢に食い込むことで、根鉢に対する根鉢用接触体の位置ずれがより確実に防止されることとなる。この結果、根鉢に対する根鉢用接触体の押圧力の低下をより好適に防止できることとなり、根鉢を固定する効果がより向上することとなる。
【0059】
尚、上記のような支持ベルトを複数の根鉢用接触体に掛け回す工程は、根鉢用接触体固定部材を、根鉢用接触体の外側から保持しつつ根鉢に打ち込む工程の後の行うことも可能ではあるが、上記のように、支持ベルトの緊締力による根鉢用接触体の根鉢に対する押圧力を損なわないようにしつつ、根鉢用接触体固定部材が根鉢用接触体を外側から保持しつつ根鉢に打ち込まれることによる根鉢に対する根鉢用接触体の押圧力と、上記根鉢用接触体固定部材が根鉢に打ち込まれることによる食い込み力を好適に生じさせるためには、根鉢用接触体固定部材を、根鉢用接触体の外側から保持しつつ根鉢に打ち込む工程の前に、支持ベルトを複数の根鉢用接触体に掛け回して緊締させることを行うのが望ましい。
【0060】
また、樹木の根鉢の外周面に、複数の根鉢用接触体を接触させる工程の前に、根鉢を載置するための根鉢用載置体を地面に設置し、該根鉢用載置体上に根鉢を載置する工程をさらに含むことも可能である。
【0061】
このような根鉢用載置体が用いられる場合には、複数の根鉢用接触体を接触させる工程の後に、複数の根鉢用接触体と、根鉢用載置体とを、連結用部材によって連結する工程をさらに含むことができる。
【0062】
また、上記のような根鉢用載置体を用いずに、地面に打ち込み可能な打込杆を用い、該打込杆を根鉢の周囲の地面に打ち込み、打ち込まれた打込杆に連結用部材を介して根鉢用接触体を連結することもできる。この場合においても、根鉢用接触体に、上記のような支持ベルトを掛け回して緊締させることができる。
【0063】
尚、本実施形態の樹木の支持施工方法は、植穴内に根鉢を埋め、土で閉塞して樹木を支持する、いわゆる地下支柱の施工を行う場合に適用される他、たとえば屋上庭園における樹木の支持施工に本発明を適用することも可能である。また一般の地盤の他、人工地盤における樹木の支持施工に本発明を適用することも可能である。
【0064】
以下、本発明のより具体的な実施形態について図面に従って説明する。先ず、一実施形態としての樹木の支持施工における根鉢用固定用具の構成について説明する。
【0065】
本実施形態の根鉢用固定用具には、根鉢を載置するための根鉢用載置体15と、根鉢の側面に接触させて該根鉢の側面を支持するための4個の根鉢用接触体1と、前記根鉢用載置体15と根鉢用接触体1とに掛け渡された4個のアジャスター22と、前記根鉢用接触体1の上部に掛け回されて根鉢を支持する支持ベルト42と、該支持ベルト42を締め付けるためのウインチ48と、前記根鉢用接触体1を保持しつつ、根鉢の側面に打ち込むための根鉢用接触体固定部材9とが具備されている。
【0066】
根鉢用載置体15としては、
図16及び
図17に示すものが用いられる。根鉢用載置体15の構成については、
図16、
図17、
図18に基づいてすでに詳細に説明したとおりであり、ここではその説明は繰り返さない。
【0067】
根鉢用載置体15の略中央には、根鉢8の底部8cの略中央に食い込む根鉢底部固定部材27が設けられている。根鉢底部固定部材27としては、
図22及び
図23に示すものが用いられる。根鉢底部固定部材27の構成については、
図22及び
図23に基づいてすでに詳細に説明したとおりであり、ここではその説明は繰り返さない。
【0068】
また根鉢用接触体1としては、
図1及び
図2に示すものが用いられる。根鉢用接触体1の構成については、
図1、及び
図2に基づいてすでに詳細に説明したとおりであり、ここではその説明は繰り返さない。
【0069】
さらにアジャスター22としては、
図20及び
図21に示すものが用いられる。アジャスター22の構成については、
図20及び
図21に基づいてすでに詳細に説明したとおりであり、ここではその説明は繰り返さない。
【0070】
根鉢用接触体固定部材9としては、
図5及び
図6に示すものが用いられる。根鉢用接触体固定部材9の構成については、
図5及び
図6に基づいてすでに詳細に説明したとおりであり、ここではその説明は繰り返さない。
【0071】
支持ベルト42は、
図30に示すように合成繊維、天然繊維、若しくは合成樹脂等からなる平らなベルトボディ43と、該ベルトボディ43の先端側に取り付けられた取付金具44とで構成されている。支持ベルト42の先端部45側は、
図30に示すように取付金具44の長孔46に挿入され、それによって前記支持ベルト42の先端部45側が取付金具44に取り付けられている。この取付金具44には、該取付金具44と後述するウインチ48とがボルト49によって根鉢用接触体1に取り付けられる際に、そのボルト49の挿通部分となる挿通孔47が穿設されている。
【0072】
ウインチ48は、
図31及び
図32に示すように、支持ベルト42の端部を取り付ける軸部50を具備し、さらに該軸部50の側部に設けられたラチェット51と、該ラチェット51に係止可能な係止体52とを具備して構成されている。
【0073】
このようなウインチ48と、支持ベルト42の取付金具44とが、
図33及び
図34に示すように根鉢用接触体1に取り付けられる。この場合、ウインチ48と44とは、
図33に示すように、相互に約90度の角度をなすように、ボルト49で同軸的に根鉢用接触体1に取り付けられる。そして、ウインチ48の端部48aが根鉢用接触体1を押さえ付けることとなる。そして、ボルト49が孔7に挿入されて、取付金具44とウインチ48とが根鉢用接触体1に取り付けられた状態において、取付金具44は左右に可動しうるように構成されている。これによって、ウインチ48の締付力が、該ウインチ48側に取り付けられた支持ベルト42の端部のみならず、取付金具44側に取り付けられた支持ベルト42の端部にも好適に作用することとなり、支持ベルト42の張力が好適に生じることとなるのである。
【0074】
この支持ベルト42の素材としては、年月の経過に伴って分解する素材、たとえば生分解樹脂、その他、麻、綿、ジュート等の素材を用いることができる。生分解樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート等の材質のものを用いることができる。また支持ベルト42の素材の形態としては、上記生分解樹脂からなる糸であって、たとえばテグス等に用いられるような糸を編成又は織成されたような形態のものを用いることができる。この場合、この支持ベルト42の全体を上記のような分解性の素材で構成してもよいが、本実施形態では、
図30に示すように、取付金具44の長孔46に挿入される部分となる先端部45のみが分解性の素材で構成されており、それ以外のベルトボディ43の部分は、たとえば一般の合成樹脂製素材のように分解しにくい素材のものを用いてもよい。このように構成することで、たとえば支持ベルト42の先端部45は比較的高価な生分解樹脂で構成し、先端部45以外の部分を比較的安価な汎用性の合成樹脂で構成し、全体のコストを低減することが可能となる。
【0075】
次に、上記のような構成からなる根鉢用固定用具を用いて樹木の支持施工を行う樹木の支持施工方法の実施形態について説明する。上記のような根鉢用固定用具は、植穴の底壁面に設置して使用されるものである。そして、上記のような各構成部材によって根鉢用固定用具が組み立てられる。
【0076】
すなわち、前記スライド杆19が枠杆18に挿入されることによって、移動部材17が固定部材16に一体化されて根鉢用載置体15が形成され、さらに
図35に示すようにアジャスター軸部23が移動部材17のスライド杆19に外嵌されることによって、アジャスター22が前記根鉢用載置体15に連結される。このようにして4個のアジャスター22が
図36及び
図37のように移動部材17に取り付けられて該移動部材17上に立設されることとなる。
【0077】
このようにして組み立てられた根鉢用固定用具が植穴の底壁面に設置された状態で、打込部材20を植穴の側壁面に打ち込む。この打ち込みは、打設体21をハンマーで打設することによって行う。この場合において、本実施形態では、
図36及び
図37に示すように、アジャスター22が根鉢用載置体15の移動部材17のスライド杆19上に立設され、また前記打設体21はスライド杆19の先端側に設けられているため、この打設体21をハンマーで打設する作業を行う場合、前記根鉢用接触体1が立設されているアジャスター22の存在が支障となって、ハンマーでの打設作業が行いにくくなる。
【0078】
しかしながら、本実施形態のアジャスター22は、略円筒状のアジャスター軸部23に、1対の鋼材部分が平行に配置されるようなアジャスターフレーム24が固着されて構成されたものであり、そのアジャスター軸部23が移動部材17のスライド杆19に外嵌されて構成されたものであるため、
図38に示すように、アジャスター軸部23を中心として、アジャスターフレーム24をスライド杆19に対して横向きに回動させることが可能となる。この結果、ハンマーで打設体21を打設する作業を行う場合、前記アジャスター22が支障となることがなく、打設体21の打設作業を容易に行うことができる。これによって、
図39に示すように打込部材20を植穴53の側壁面54に容易に打ち込むことができるのである。
【0079】
次に、上記のようにして、打込部材20を植穴53の側壁面54に打ち込んだ後、アジャスター22のアジャスターフレーム24を逆方向に回動させて再度スライド杆19上に起立させ、その状態で
図40に示すようにアジャスター22に根鉢用接触体1を取り付ける。より具体的には、アジャスターフレーム24の上部に取り付けられた係止片25を、接触体中央片2における2個の孔4b、4bに跨がるようにして前記根鉢用接触体1の背面側に係止させる。本実施形態では、計6個の孔のうち、上から4番目の孔4bと5番目の孔4bとに跨がるようにアジャスター22の係止片25が係止される。ただし、何番目の孔4bに跨がるようにアジャスター22の係止片25を係止させるかは任意に変更可能であり、係止片25を係止させる孔4bの位置によって、根鉢用接触体1の高さが変わることになる。従って、支持する根鉢の高さに応じて根鉢用接触体1の高さを調節することができる。
【0080】
さらにボルト26を係止片25に挿通することによって、孔4b、4bに跨がって係止されている係止片25が接触体中央片2から離脱するのが禁止される。これによって、
図40に示すように、根鉢用接触体1がアジャスター22に連結されることとなる。そして、
図41に示すように、4個の根鉢用接触体1をすべてアジャスター22のアジャスターフレーム24に取り付ける。
【0081】
次に、上記のようにして、根鉢用接触体1をアジャスター22に取り付けた後、根鉢8を根鉢用載置体15に載置する。この場合、根鉢用接触体1は、
図42に示すようにアジャスター22とともに、予め傾倒させておく。すなわち、上述のようにアジャスター22のアジャスター軸部23を中心に、アジャスターフレーム24を回動させることができるので、根鉢用接触体1もアジャスター22とともに傾倒させることができるのである。このようにアジャスター22のアジャスターフレーム24をスライド杆19に対して横向きに回動させて傾倒させることにより、根鉢8を根鉢用載置体15に載置する作業にも支障を生じさせないこととなる。
【0082】
また、この場合において、根鉢8を根鉢用載置体15に載置すると、
図43に示すように、根鉢底部固定部材27が根鉢の底部に突き刺さる。より具体的には、根鉢底部固定部材27の突片29の山形状部30が、根鉢8の底部8cに突き刺さって、根鉢底部固定部材27が根鉢8の底部8cに食い込むこととなり、それによって、根鉢8が固定されることとなる。このように、根鉢底部固定部材27が根鉢8の底部8cに食い込んで根鉢8が固定されることで、地盤沈下が生じた場合や樹木に傾倒力が作用する場合における、鉛直方向に対する根鉢8の傾きが防止される要因となる。
【0083】
次に、アジャスターフレーム24を逆方向に回動させてアジャスター22及び根鉢用接触体1を再度起立させる。この場合、アジャスター22の位置は、
図44に示すように、根鉢8から離間するように設定されている。
【0084】
そして、
図45に示すように、移動部材17のスライド杆19に沿ってアジャスター22のアジャスター軸部23を移動させることにより、根鉢用接触体1を根鉢8の側面8aに接触させる。この場合において、アジャスター軸部23は略円筒状に形成されたものであって、スライド杆19に外嵌されているので、そのスライド杆19上を容易に移動させることができる。また、アジャスター軸部23が略円筒状に形成されているので、植穴53の底部の地面との設置面積が少なく、アジャスター軸部23をスライド杆19に対してスライドさせる際の抵抗が少ないこととなり、この点でもアジャスター軸部23を移動させる際の作業が容易となる。
図45には、4個の根鉢用接触体2をすべて根鉢8の側面8aに当接した全体の状態を示している。
【0085】
次に、
図46及び
図47に示すように、4個の根鉢用接触体1の掛止体5に支持ベルト42を掛け回す。この場合、支持ベルト42は前記のウインチ48によって締め付ける。これによって、根鉢8の上面側が支持ベルト42によって支持され、さらに支持ベルト42の締付力によって、根鉢用接触体1が根鉢8側に押圧され、根鉢用接触体1がより確実に固定されることとなる。
【0086】
次に、
図7及び
図8に示すように、根鉢用接触体固定部材9で根鉢用接触体1を保持させつつ、根鉢用接触体固定部材9を根鉢8の側面8aに打ち込む。より具体的には、根鉢用接触体固定部材9の中央片9aが、根鉢用接触体1の接触体頭部片3の頭部片下部3cの正面に接触し、根鉢用接触体固定部材9の両側片9b、9bが前記接触体頭部片3の頭部片下部3cの両側に跨るように、根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の側面8aに打ち込まれることとなる。さらに、ボルト11が根鉢用接触体固定部材9の孔10に挿入されることによって、根鉢用接触体固定部材9と根鉢用接触体1との相互間が固定されることとなる。
【0087】
このような根鉢用接触体固定部材9は、
図48に示すように、4ケ所の根鉢用接触体1をそれぞれ保持するように、打ち込まれる。
このようにして根鉢用接触体固定部材9を根鉢8の側面8aに打ち込むことによって、根鉢用接触体1が根鉢用接触体固定部材9に保持されて固定されることとなる。
【0088】
このように根鉢用接触体1が根鉢用接触体固定部材9に保持、固定された状態で、根鉢用接触体固定部材9が根鉢8の側面8aに打ち込まれることによって、根鉢8に対する根鉢用接触体1の位置ずれが防止されることとなり、また根鉢用接触体固定部材9が根鉢8に打ち込まれることによる食い込み力も根鉢に対して作用することになるので、地盤沈下が生じた場合や樹木に傾倒力が作用する場合における、鉛直方向に対する根鉢の傾きを、従来に比べてより確実に防止することが可能となる。
【0089】
上記のように、根鉢用接触体1を外側から保持しつつ根鉢用接触体固定部材9を根鉢8の側面8aに打ち込んだ後、植穴53内に土を埋め、植穴を閉塞する。これによって樹木の支持施工が完了する。
【0090】
上記のように、本実施形態では、前記根鉢用接触体固定部材9の作用と、前記根鉢底部固定部材27の根鉢8の底部8cへの打ち込みの作用との双方の作用によって、地盤沈下が生じた場合や樹木に傾倒力が作用する場合における、鉛直方向に対する根鉢の傾きの防止効果が一層良好となる。