特許第6548467号(P6548467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548467
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】機械式駐車装置とその制御方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
   E04H6/42 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-116012(P2015-116012)
(22)【出願日】2015年6月8日
(65)【公開番号】特開2017-2524(P2017-2524A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】大隈 政春
(72)【発明者】
【氏名】一木 渡
(72)【発明者】
【氏名】濱田 浩史
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−327204(JP,A)
【文献】 米国特許第05267822(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00−6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え
前記光電センサは、入庫部の前記駐車スペースの車両前後に設けられ、複数の光ビームを水平に照射し、
前記入庫部に上下動可能な開閉扉を備え、
前記光電センサの一部が前記開閉扉の内側に固定されている、機械式駐車装置。
【請求項2】
前記光電センサは、入庫部における前記駐車スペースの上方と側部外側に設けられ、複数の前記光ビームを斜めに照射する、請求項1に記載の機械式駐車装置。
【請求項3】
車両が前記入庫部に進入する動作中に、前記光ビームを照射して前記正面すみ切り部と前記車両との干渉を検出する制御装置を備える、請求項2に記載の機械式駐車装置。
【請求項4】
仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え
前記光電センサは、車両が昇降する昇降路に設けられ、前記駐車スペースの車両前後に複数の光ビームを水平に照射する、機械式駐車装置。
【請求項5】
仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え
前記光電センサは、前記駐車スペースの複数の高さに対応して複数組が設けられる、機械式駐車装置。
【請求項6】
仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、
車両が入庫部に進入する動作中に、仮想上の前記駐車スペースの上方と側部外側との間で複数の光ビームを斜めに照射して前記正面すみ切り部と前記車両との干渉を検出する、機械式駐車装置の制御方法。
【請求項7】
仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、
仮想上の前記駐車スペースの複数の高さに対応して、昇降路の複数の高さで、車両前後の間で複数の光ビームを水平に照射して前記正面すみ切り部と車両との干渉を検出する、機械式駐車装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正面すみ切り部と車両との干渉を検出する機械式駐車装置とその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車装置では、駐車の用に供する空間として、仮想上の駐車スペースが設定されている。駐車スペースは、車両(自動車)が入庫してから出庫するまでの、入出庫部、昇降路、格納部、およびそれらの中間位置において設定される。
駐車スペースの形状は直方体であり、その幅、長さ、高さは格納する車両(自動車)の寸法に応じて設定される。また、車両の外面は通常斜め内側に傾斜しているので、格納する自動車の形状に対して適当なすきまを有することを条件に、駐車スペースの幅方向(車両正面方向)の上端両側に「正面すみ切り部」を設定することができる。
【0003】
しかし、車両の形状によっては、正面すみ切り部に車両の一部が侵入して正面すみ切り部と車両とが干渉する可能性がある。この場合、機械式駐車装置を作動させるとその内部で車両と装置の一部が実際に干渉し、物損事故が発生する可能性がある。
そこで正面すみ切り部に車両の一部が侵入したことを検出するために、例えば特許文献1が開示されている。
【0004】
特許文献1の「車両異常積載検知装置」は、車両積載部上に停止した車両の周辺の8つの面を撮影するカメラを設置し、各カメラにより撮影した像を画像処理し、車両が正規の位置にあるか否かを判断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−140494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の装置は、カメラで撮影した画像を画像処理するため、画像処理が複雑であり、撮影した画像によっては誤って判断する可能性があり、信頼性が低く、かつ高価である。
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、正面すみ切り部と車両との干渉を検出することができる信頼性が高い機械式駐車装置とその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え
前記光電センサは、入庫部の前記駐車スペースの車両前後に設けられ、複数の光ビームを水平に照射し、
前記入庫部に上下動可能な開閉扉を備え、
前記光電センサの一部が前記開閉扉の内側に固定されている、機械式駐車装置が提供される。
【0009】
前記光電センサは、入庫部における前記駐車スペースの上方と側部外側に設けられ、複数の前記光ビームを斜めに照射する。
【0010】
車両が前記入庫部に進入する動作中に、前記光ビームを照射して前記正面すみ切り部と前記車両との干渉を検出する制御装置を備える。
【0012】
また本発明によれば、仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え、
前記光電センサは、車両が昇降する昇降路に設けられ、前記駐車スペースの車両前後に複数の光ビームを水平に照射する。
【0013】
また本発明によれば、仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え、
前記光電センサは、前記駐車スペースの複数の高さに対応して複数組が設けられる。
【0014】
また本発明によれば、仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、
車両が入庫部に進入する動作中に、仮想上の前記駐車スペースの上方と側部外側との間で複数の光ビームを斜めに照射して前記正面すみ切り部と前記車両との干渉を検出する、機械式駐車装置の制御方法が提供される。
【0016】
また本発明によれば、仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、
仮想上の前記駐車スペースの複数の高さに対応して、昇降路の複数の高さで、車両前後の間で複数の光ビームを水平に照射して前記正面すみ切り部と車両との干渉を検出する

【発明の効果】
【0017】
仮想上の駐車スペースの幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部の内面に沿って、光ビームを照射する光電センサを備え、光ビームを照射して正面すみ切り部と車両との干渉を検出する。
【0018】
従って、正面すみ切り部に車両の一部が侵入して正面すみ切り部と車両とが干渉する場合に、光ビームが侵入した車両の一部で遮られるので、正面すみ切り部と車両との干渉を検出することができる。
また、光電センサは振動等に対し耐久性が高く、かつ検出時に複雑な処理(例えば画像処理)を必要としないので、信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】駐車スペースの寸法の説明図である。
図2】本発明による機械式駐車装置の第1実施形態図である。
図3】本発明による機械式駐車装置の第2実施形態図である。
図4】本発明による機械式駐車装置の第3実施形態図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0021】
図1は、駐車スペース2の寸法の説明図である。
駐車スペース2とは、車両1(自動車)が入庫してから出庫するまでの、入出庫部(入庫部と出庫部)、昇降路、格納部、およびそれらの中間位置などにおいて、駐車の用に供される仮想上の空間である。
駐車スペース2の形状は直方体であり、その幅W、長さ、及び高さHは格納する車両1(自動車)の寸法に応じて設定される。例えば、図1において、駐車スペース2の幅Wは格納する車両1の幅に余裕分を加算したものであり、駐車スペース2の高さHは格納する車両1の高さに余裕分を加算したものである。
車両1の高さは、自動車の車種(例えば、普通車、軽自動車、ハイルーフ車、ミッドルーフ車、など)により相違する。そのため、駐車スペース2の高さHは、格納する車両1の車種に応じて、1つ又は複数に設定する必要がある。この高さHは、例えば、2050mm、1800mm(又は1750mm)、1550mmのうち、1、2又は3を用いる必要がある。なお、駐車スペース2の高さHは、これらに限定されず、4以上であってもよい。
【0022】
図1において、格納する自動車の形状に対して適当なすきまを有することを条件に、駐車スペース2の幅方向(車両正面方向)の上端両側に「正面すみ切り部3」を設定することができる。正面すみ切り部3の鉛直断面形状は幅e、高さfの直角三角形である。幅eと高さfは、例えば300mm以下である。
【0023】
図2は、本発明による機械式駐車装置10の第1実施形態図である。この図において、(A)は正面図、(B)は側面図である。
本発明の機械式駐車装置10は、仮想上の駐車スペース2の幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部3の内面に沿って、光ビーム11を照射する光電センサ13を備える。
【0024】
「正面すみ切り部3の内面」とは、図1に示した正面すみ切り部3のうち水平面に対する傾斜平面を意味する。また、「内面に沿って」とは、光ビーム11が正面すみ切り部3の内部で傾斜平面に近接することを意味する。従って、駐車スペース2の内側から正面すみ切り部3の傾斜平面を通して正面すみ切り部3の内部に侵入する物体(車両1の一部)は、光ビーム11を遮断するように配置されている。
【0025】
本発明の機械式駐車装置10は、垂直循環方式、エレベータ方式、多層循環方式、水平循環方式である。
なお、本発明の機械式駐車装置10は、これらに限定されず、正面すみ切り部3が発生する機械式駐車装置であればよい。
【0026】
図2において、光電センサ13は、車両1が入庫する入庫部4に設けられる。入庫部4は、独立した入庫室であるのが好ましいが、機械式駐車装置10の内部であってもよい。
【0027】
入庫部4には車両1が入庫するための上下動可能な開閉扉5が設けられている。また、開閉扉5の三方枠6には、車両1の進入を検出する車両検出センサ7が設けられている。
車両検出センサ7は、この例では光電センサであり、投光部7aと受光部7bを有し、その間に光ビーム7cを照射して車両1の進入を検出する。
また、入庫部4には、車両1が入庫して停止する定位置に、車両1が載る車両支持部8が設けられている。車両支持部8は、例えばパレット、くし歯、又は昇降装置上の支持台である。
【0028】
図2において、光電センサ13は、入庫部4の駐車スペース2の上方と側部外側に設けられ、複数の光ビーム11を斜めに照射する。光電センサ13は、入庫部4のフレームにブラケット等を用いて固定するのがよい。以下、上方の光電センサ13を固定する部材を、光電センサ取付部12とする。
【0029】
この例では複数の光電センサ取付部12に取り付けられた複数組の光電センサ13が、駐車スペース2の複数(この例では2)の高さに対応してそれぞれ定位置に固定して設けられている。駐車スペース2の高さHは、例えば、2050mm、1800mm(又は1750mm)、1550mmのうちの、格納する車両1に対応する2つである。しかし、駐車スペース2の高さHの種類は、これに限定されず、対象とする車両1の車高に応じて、1つでも3以上でもよい。また、駐車スペース2の高さHの大きさも、これらに限定されず、その他であってもよい。
なお図2では、2つの高さに対応した駐車スペース2のうち、高さHが低い駐車スペース2を破線で記載し、高さHが高い駐車スペース2を一点鎖線で記載している。
【0030】
この構成により、入庫する車両1の車高に応じて、光電センサ13を選択することにより、定位置の光電センサ13で、その車両1に対応する正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出することができる。
【0031】
光電センサ13は、この例では投光部13aと受光部13bで構成され、投光部13aから出た光ビーム11が検出物体(車両1の一部)によって変化(有無、強弱)したのを受光部13bが検知して電気信号を出力する。
投光部13aには発光素子(可視光または赤外のLED)を内蔵し、受光部13bには対応する受光素子(フォトトランジスタ、フォトダイオード)を内蔵する。なお、この図では透過型であるが、ミラーを用いた反射型であってもよい。
反射型の場合、図2における投光部13aと受光部13bの一方を反射ミラーで置き換えることができる。また、投光部13aと受光部13bの位置は上下が逆でもよい。
【0032】
また、図2では、光電センサ13の投光部13aを駐車スペース2の真上に近接して設けているが、図に破線で示すように、駐車スペース2の上方の離れた位置(例えば、上段の棚下)に設けてもよい。
【0033】
この例において、光ビーム11は、線状であり、正面すみ切り部3の内面に沿って、斜めに照射される。なお、光ビーム11を正面すみ切り部3の内面に沿って、扇状(放射状)に照射してもよい。
【0034】
この例では、複数の光電センサ13が、開閉扉5の近傍(図2(B)で右端)のみに設けられている。しかし、本発明はこの構成に限定されず、車両1の進入方向の複数個所(例えば、車両1の前後と中間部の3箇所)に設けてもよい。
また、光電センサ13を上述した三方枠6に組み込んでもよい。
【0035】
図2において、本発明の機械式駐車装置10は、さらに制御装置14を備える。
制御装置14は、例えばコンピュータであり、機械式駐車装置10の作動と連動して、光電センサ13を制御し、光電センサ13により正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出する。またこの検出により、機械式駐車装置10の作動を停止させ、かつ警報(アラーム)を発する。
なお、制御装置14は、機械式駐車装置10の作動を制御する装置と一体であってもよい。
【0036】
図2において、制御装置14は、車両1が入庫部4に進入する動作中に、光ビーム11を照射し正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出する。
【0037】
本発明の制御方法では、上述した光電センサ13を用い、仮想上の駐車スペース2の幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部3の内面に沿って、光電センサ13により光ビーム11を照射して正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出する。
【0038】
図2の例では、車両1が入庫部4に進入する動作中に、駐車スペース2の上方と側部外側との間で複数の光ビーム11を斜めに照射する。
また、この例では、制御装置14により、開閉扉5が開いている間に、或は、車両検出センサ7が車両1の進入を検出したときに、上述した光電センサ13による車両1の検出を開始する。次いで、車両1が入庫部4に進入中(進入する動作中)はこの検出を継続し、車両1が車両支持部8の定位置に停止(駐車)したときに、検出を終了するのがよい。
【0039】
上述した構成により、正面すみ切り部3に車両1の一部が侵入して正面すみ切り部3と車両1とが干渉する場合に、光ビーム11が侵入した車両1の一部で遮られるので、正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出することができる。
【0040】
またこの例では、光電センサ13は、駐車スペース2の上方と側部外側に設けられるので、光電センサ13を定位置に固定することができ、かつ車両1の進入時と利用者の通過時における通路高さを確保することができる。
【0041】
さらにこの例では、車両1が入庫部4に進入中に、正面すみ切り部3と車両1との干渉の有無を検出できる。従って、庫内進入中(入庫の途中)に干渉の有無の検出ができるため、干渉する場合のアラームの発信が早く、車両1の利用者に直ちに知らせることができる。その結果、車両1の置き去りを未然に防止でき、次の利用者に、待ち時間が長くなるなどの迷惑がかからない。
またこの例では、車両1が入庫部4に進入中に、検出するので、進入方向の1箇所、例えば開閉扉5の近傍(図2(B)で右端)のみで、上述の検出ができる。
【0042】
図3は、本発明による機械式駐車装置10の第2実施形態図である。この図において、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【0043】
この例において、図2と同様に、光電センサ13は、車両1が入庫する入庫部4に設けられる。
図3において、光電センサ13は、投光部13aと受光部13bで構成され、それぞれが入庫部4の駐車スペース2の車両前後に設けられ、複数の光ビーム11を水平に照射する。
【0044】
この例において、光電センサ13の一部(この例では、受光部13b)が開閉扉5の内側に連結具15を介して固定されている。また、投光部13aは、入庫部4の車両1の正面の定位置に固定されている。なお、投光部13aと受光部13bの一方を反射ミラーで置き換えることができる。また、投光部13aと受光部13bの位置は逆でもよい。
この構成により、開閉扉5が開放することにより、光電センサ13の一部(この例では、受光部13b)が上方に退避するので、車両1の進入時と利用者の通過時における通路高さを確保することができる。
【0045】
この例では複数の光電センサ13が、駐車スペース2の複数(この例では2)の高さに対応してそれぞれ固定して設けられている。
この構成により、入庫する車両1の車高に応じて、光電センサ13を選択することにより、定位置の光電センサ13で、その車両1に対応する正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出することができる。
なお図3では、2つの高さに対応した駐車スペース2のうち、高さHが低い駐車スペース2を破線で記載し、高さHが高い駐車スペース2を一点鎖線で記載している。
【0046】
また、この例では、車両検出センサ7が車両1の進入完了を検出し、開閉扉5が全閉した直後に、制御装置14により、上述した光電センサ13による検出を開始するのがよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0047】
上述した構成により、車両1の進入が完了し、開閉扉5が全閉した直後に、正面すみ切り部3と車両1との干渉の有無を検出できる。従って、開閉扉5の全閉直後に干渉の有無の検出ができるため、干渉する場合のアラームの発信が早く、車両1の利用者に直ちに知らせることができる。その結果、車両1の置き去りを未然に防止でき、次の利用者に、待ち時間が長くなるなどの迷惑がかからない。
【0048】
図4は、本発明による機械式駐車装置10の第3実施形態図である。この図において、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【0049】
図4において、光電センサ13は、車両1が昇降する昇降路9に設けられる。
この場合、車両支持部8は、昇降装置(例えば、ケージ、リフト、エレベータなど)の上のパレット、くし歯、又は支持台である。
この例において、光電センサ13は、昇降路9の内壁の定位置に固定されている。またその定位置において、光電センサ13は、駐車スペース2の車両前後に設けられ、複数の光ビーム11を水平に照射する。光電センサ13は、投光部13aと受光部13bで構成されている。
【0050】
またこの例において、制御装置14により、駐車スペース2の複数の高さHに対応して、昇降路9の複数の高さで、車両前後の間で複数の光ビーム11を水平に照射する。
光ビーム11を水平に照射する位置は、昇降路9の途中、例えば入庫部4から一定高さ上昇した位置、或は昇降路9の最下端から一定高さであるのがよい。
その他の構成は、第2実施形態と同様である。
【0051】
上述した構成により、入庫部4の通路高さを確保することができる。
また、駐車スペース2の複数の高さHに対応して、昇降路9の複数の高さで正面すみ切り部3の車両1を検出するので、光電センサ13の設置数を大幅に低減できる。
【0052】
上述した第1〜第3の実施形態によれば、仮想上の駐車スペース2の幅方向の上端両側に設定された正面すみ切り部3の内面に沿って、光ビーム11を照射する光電センサ13を備える。また、正面すみ切り部3の内面に沿って、光ビーム11を照射して正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出する。
【0053】
従って、正面すみ切り部3に車両1の一部が侵入して正面すみ切り部3と車両1とが干渉する場合に、光ビーム11が侵入した車両1の一部で遮られるので、正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出することができる。
また、光電センサ13は振動等に対し耐久性が高く、かつ検出時に複雑な処理(例えば画像処理)を必要としないので、信頼性が高い。
【0054】
さらに、第1〜第3の実施形態によれば、光電センサ13を定位置に固定して設けることができ、かつ車両1の進入時と利用者の通過時における通路高さを確保することができる。
【0055】
また、入庫する車両1の車高に応じて、定位置の光電センサ13で、その車両1に対応する正面すみ切り部3と車両1との干渉を検出することができる。
【0056】
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
H 駐車スペースの高さ、W 駐車スペースの幅、
1 車両(自動車)、2 駐車スペース、3 正面すみ切り部、
4 入庫部(入庫室)、5 開閉扉、6 三方枠、
7 車両検出センサ(光電センサ)、7a 投光部、7b 受光部、7c 光ビーム、
8 車両支持部、9 昇降路、10 機械式駐車装置、11 光ビーム、
12 光電センサ取付部、13 光電センサ、13a 投光部、13b 受光部、
14 制御装置、15 連結具
図1
図2
図3
図4