(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548546
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】プレキャストブロックの接合方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/12 20060101AFI20190711BHJP
【FI】
E04G21/12 104D
E04G21/12 104Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-200940(P2015-200940)
(22)【出願日】2015年10月9日
(65)【公開番号】特開2017-71996(P2017-71996A)
(43)【公開日】2017年4月13日
【審査請求日】2018年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】松浦 正典
(72)【発明者】
【氏名】大窪 一正
(72)【発明者】
【氏名】横田 祐起
【審査官】
村田 泰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開平01−102197(JP,A)
【文献】
特開平06−093736(JP,A)
【文献】
実開平04−117043(JP,U)
【文献】
特開2001−193172(JP,A)
【文献】
特開昭62−148740(JP,A)
【文献】
実開昭63−094308(JP,U)
【文献】
特開平08−238612(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01079044(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/12
E04B 1/06
E04B 1/22
E04B 1/38−1/61
B28B 7/00−7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有するプレキャストブロック同士を接合するプレキャストブロックの接合方法であって、
膨張型を、間隔を空けて配置された両プレキャストブロックの貫通孔の間を通って前記膨張型の少なくとも一方の端部が前記貫通孔内に位置するように配置し、
前記膨張型を膨張させた後、両プレキャストブロックの間に充填材を充填し、
前記膨張型は弾性部材によって形成され、前記膨張型を前記貫通孔の軸方向に押しつぶすことで前記貫通孔の径方向に膨張させることを特徴とするプレキャストブロックの接合方法。
【請求項2】
前記膨張型が天板と底板の間に設けられ、
前記天板および前記膨張型の孔を通る棒材が、前記底板に取付けられ、
前記棒材は前記天板の前記孔に螺合し、
前記棒材を回転させることで前記底板が前記天板に近づいて前記膨張型が押しつぶされることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストブロックの接合方法。
【請求項3】
貫通孔を有するプレキャストブロック同士を接合するプレキャストブロックの接合方法であって、
膨張型を、間隔を空けて配置された両プレキャストブロックの貫通孔の間を通って前記膨張型の少なくとも一方の端部が前記貫通孔内に位置するように配置し、
前記膨張型を膨張させた後、両プレキャストブロックの間に充填材を充填し、
前記膨張型はゴムを筒状に形成したものであり、先端がテーパ状に窄まった棒材を前記膨張型の孔に挿入することにより径方向に押し広げて膨張させることを特徴とするプレキャストブロックの接合方法。
【請求項4】
前記膨張型の配置は、一方のプレキャストブロックの貫通孔に前記膨張型を通して行われ、
前記充填材の充填後、前記膨張型を収縮させて前記一方のプレキャストブロックの貫通孔から引き出し、
両プレキャストブロックの貫通孔に緊張材を通し、前記緊張材の緊張によるプレストレスを両プレキャストブロックに導入することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプレキャストブロックの接合方法。
【請求項5】
前記貫通孔はシース管であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のプレキャストブロックの接合方法。
【請求項6】
両プレキャストブロックは上下に配置され、前記貫通孔は前記プレキャストブロックを上下に貫通していることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のプレキャストブロックの接合方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプレキャストブロックの接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工事の効率化等の観点から、プレキャストブロック同士を接合して構造体を構築することが多くなっている。
図9はこの構造体の例であり、上下のプレキャストブロック100(以下、ブロックということがある)を積み重ねてその間に充填材2を充填して構築される。
【0003】
ブロック100の本体11内にはシース管13が埋め込まれており、上下のブロック100のシース管13に通したPC鋼線等の緊張材12の緊張によりプレストレスが導入される。これにより上下のブロック100が締め付けられて固定される。このような構造体の構築を行う例としては、例えばLNG(Liquid Natural Gas)を貯蔵するLNGタンクの防液堤の構築時などがある。
【0004】
図10は上方のブロック100と下方のブロック100の接合方法を示す図である。
図10(a)に示すように、シース管13の上端部はブロック100の上面から突出しており、その外周に沿ってパッキン132が設けられる。パッキン132はシース管13の天端に設ける場合もある。一方シース管13の下端部131は拡径しており、上下のブロック100の接合時には、上方のブロック100を下降させて
図10(b)に示すように下方のブロック100の上面から突出したシース管13の上端部を上方のブロック100のシース管13の下端部131に挿入する。この後、上下のブロック100間に充填材を充填する。
【0005】
上下のブロック100のシース管13を接続することにより充填材の充填後に緊張材12を挿入するための空間が確保され、パッキン132はシース管13内に充填材が流入するのを防ぐシールとして機能する。特許文献1、2には、ブロック間に補強繊維で補強したゴムホースを配置してその両端部をブロックの外部に突出させ、空気注入用のホースを介して圧縮空気を注入して膨張させることで、上記と同様の機能を奏することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08-238612号公報
【特許文献2】特開平09-141634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、
図10の例ではブロック100からシース管13が突出していなければならず、ブロック100の運搬時等に破損する恐れが有る。また上下のブロック100の位置がずれるとパッキン132が追随できずシールが効かなくなる恐れもあり、パッキン132が効いているかどうかも確認しづらい。さらに、上下のブロック100のシース管13の接続部では両シース管13の径が違って段差ができるので、緊張材12の挿入時に引っかかる可能性が有る。
【0008】
特許文献1、2の方法では上記のような問題が無いものの、ゴムホースの両端部をブロックの外部に突出させて配置するので必然的に長いゴムホースが必要になりコストが高くなる。
図10の例ではブロック間だけシール等ができればよいので無駄も多い。また特許文献1、2のゴムホースには空気注入用のホースを更に接続するので、そのための金具が設けられておりこれもコストアップの要因となる。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、プレキャストブロックの接合を好適に行うことができるプレキャストブロックの接合方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するための第1の発明は、貫通孔を有するプレキャストブロック同士を接合するプレキャストブロックの接合方法であって、膨張型を、間隔を空けて配置された両プレキャストブロックの貫通孔の間を通って前記膨張型の少なくとも一方の端部が前記貫通孔内に位置するように配置し、前記膨張型を膨張させた後、両プレキャストブロックの間に充填材を充填
し、前記膨張型は弾性部材によって形成され、前記膨張型を前記貫通孔の軸方向に押しつぶすことで前記貫通孔の径方向に膨張させることを特徴とするプレキャストブロックの接合方法である。
第1の発明では、例えば前記膨張型が天板と底板の間に設けられ、前記天板および前記膨張型の孔を通る棒材が、前記底板に取付けられ、前記棒材は前記天板の前記孔に螺合し、前記棒材を回転させることで前記底板が前記天板に近づいて前記膨張型が押しつぶされる。
第2の発明は、貫通孔を有するプレキャストブロック同士を接合するプレキャストブロックの接合方法であって、膨張型を、間隔を空けて配置された両プレキャストブロックの貫通孔の間を通って前記膨張型の少なくとも一方の端部が前記貫通孔内に位置するように配置し、前記膨張型を膨張させた後、両プレキャストブロックの間に充填材を充填し、前記膨張型はゴムを筒状に形成したものであり、先端がテーパ状に窄まった棒材を前記膨張型の孔に挿入することにより径方向に押し広げて膨張させることを特徴とするプレキャストブロックの接合方法である。
【0011】
本発明では、膨張型を膨張させることで両プレキャストブロックのシース管等による貫通孔の間を埋めて貫通孔をシールすることで、充填材の充填後に前記した緊張材を通すための空間を確保し、貫通孔内への充填材の流入も防ぐことができる。また前記したようにシース管をブロックから突出させる必要が無くブロックの運搬時に破損等することがない。また膨張型に長いものを用いる必要が無く低コストであり、シール確認も容易である。さらに、両ブロックの位置が多少ずれても両ブロックの貫通孔の間で膨張型がずれに対応した形状へと膨張して誤差を吸収できる。
【0012】
前記膨張型の配置は、一方のプレキャストブロックの貫通孔に前記膨張型を通して行われ、前記充填材の充填後、前記膨張型を収縮させて前記一方のプレキャストブロックの貫通孔から引き出し、両プレキャストブロックの貫通孔に緊張材を通し、前記緊張材の緊張によるプレストレスを両プレキャストブロックに導入することが望ましい。前記貫通孔は、例えばシース管である。
このように、膨張型は充填材の充填後収縮させれば貫通孔から引き出すことができ、他のブロックの接合時に転用できる。また貫通孔はシース管等で形成され、膨張型を引き出した後緊張材をスムーズに挿入して両ブロックにプレストレスを導入できる。
【0013】
両プレキャストブロックは上下に配置され、前記貫通孔は前記プレキャストブロックを上下に貫通していることが望ましい。
ブロックを上下に接合する場合、膨張型を上げ下げして移動でき膨張型の設置が容易である。
【0015】
第1の発明において、前記膨張型は弾性部材によって形成され、前記膨張型を押しつぶすことで膨張させる
。一方、第2の発明において、前記膨張型は弾性部材を筒状に形成したものであり、先端がテーパ状に窄まった棒材を前記膨張型の孔に差し込むことにより径方向に押し広げて膨張させる
。
これらの場合、膨張型に空気を注入しなくてもよいので空気漏れ等の心配がなく、また膨張型が比較的丈夫なものとなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、プレキャストブロックの接合を好適に行うことができるプレキャストブロックの接合方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図9】プレキャストブロック100を用いた構造体の例
【
図10】プレキャストブロック100の接合方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
[第1の実施形態]
図1〜
図3は本発明の第1の実施形態に係るプレキャストブロック1の接合方法を示す図である。本実施形態では、
図9の例と同様、ブロック1を上下に積み重ねてその間に充填材を充填し、PC鋼線等の緊張材の緊張によりプレストレスを導入して構造体を構築する。構造体は例えばLNGタンクの防液堤であるが、これに限ることはない。
【0020】
図1(a)に示すように、ブロック1の本体11にはシース管13が埋設され、これによりブロック1を上下に貫通する貫通孔が形成される。ただし、シース管13の上下の端部はブロック1から突出しない。
【0021】
本実施形態では、
図1(a)の矢印に示すように上方のブロック1を下降させ、上下のブロック1をスペーサ(不図示)等で間隔を空けて配置する。その後、
図1(b)に示すように膨張型20を上方のブロック1のシース管13に通して下ろし、膨張型20を上下のブロック1のシース管13の間に通して配置する。この時、膨張型20の上端部が上方のブロック1から突出し、膨張型20の下端部が下方のブロック1のシース管13内に位置する。なお、膨張型20の上端部は上方のブロック1から突出させずに、上方のブロック1のシース管13内の上端部(下方のブロック1と反対側の端部)近傍に配置してもよい。
【0022】
本実施形態ではブロック1同士の隙間が例えば数cm程度と小さく、膨張型20の強度もそれほど必要ではないため、膨張型20が1層のゴム(弾性部材)を袋状としたゴム風船状に形成され、補強繊維等による補強も特に必要でない。膨張型20の上端部は上方のブロック1の外部に突出しており、
図1(b)に示す状態で外部から膨張型20に空気を注入すると、
図2(a)に示すように膨張型20が膨張して上下のブロック1のシース管13の間を埋め、膨張型20によるシース管13のシールが行われる。ここでは、膨張型20の上端部から膨張型20内にホースを介さず直接空気を注入している。
【0023】
その後、
図2(b)に示すようにブロック1間にモルタル等の充填材2を充填する。この時膨張型20により上下のブロック1のシース管13の間に充填材2が流入することはなく、緊張材を通すための空間が確保される。また膨張型20によりシールが行われ、シース管13内に充填材2が流入することもない。
【0024】
この後、上方のブロック1の外部から膨張型20内の空気を抜き、
図3(a)に示すように膨張型20を収縮させる。ここでも上記と同様、ホースを介さずに膨張型20内の空気を膨張型20の上端部から直接排出させる。その後
図3(a)の矢印に示すように膨張型20を上へと引き上げ、膨張型20を上方のブロック1のシース管13から引き出す。
【0025】
以降は従来と同様、上下のブロック1のシース管13に
図3(b)に示すようにPC鋼線等の緊張材12を通し、緊張材12を緊張して上下のブロック1にプレストレスを導入することで構造体が構築される。図の14は緊張材12の定着部である。上下のブロック1のシース管13内および両シース管13の間にはセメントミルク等の充填材131が充填される。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によれば、膨張型20を膨張させることで両ブロック1のシース管13の間を埋めてシース管13をシールすることで、充填材2の充填後に緊張材12を通すための空間を確保し、シース管13内への充填材2の流入も防ぐことができる。また前記したようにシース管13をブロック1から突出させる必要が無くブロック1の運搬時に破損等することがない。また膨張型20に長いものを用いる必要が無く低コストであり、シール確認も容易である。さらに、両ブロック1の位置が多少ずれても両ブロック1のシース管13の間で膨張型20がずれに対応した形状へと膨張して誤差を吸収できる。
【0027】
膨張型20は充填材2の充填後収縮させればシース管13から引き出すことができ、他のブロック1の接合時に転用できる。またシース管13により貫通孔が形成され、膨張型20を引き出した後緊張材12をスムーズに挿入して両ブロック1にプレストレスを導入できる。
【0028】
本実施形態のように上下のブロック1を接合する場合、膨張型20を上げ下げして移動でき膨張型20の設置が容易である。ただし、本発明の方法は左右のブロック1を接合する場合にも適用可能である。
【0029】
また、膨張型20は弾性部材を袋状に形成したゴム風船状のものとすることで、膨張や収縮が容易となり、また構成も簡易で安価である。また膨張型20の上端部をブロック1から突出させるか、ブロック1のシース管13内の上端部近傍に配置することで、ホースを介さず直接膨張型20内に空気を注入して膨張させることができ、ホースやホース接続用の金具等が不要になり低コストである。また膨張型20の突出部分を目視することで膨張型20が膨らんでいるかを容易に確認できる。
【0030】
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば上記の膨張型20をより短いものとし、
図4(a)に示すように、膨張型20’を上下のブロック1のシース管13の間に通して配置する際、膨張型20’の上端部が上方のブロック1のシース管13内に位置し、膨張型20’の下端部が下方のブロック1のシース管13内に位置するようにしてもよい。この例では、膨張型20’に接続されたホース21を介して上方のブロック1の外部から空気を注入して
図4(b)に示すように膨張させ、上下のブロック1のシース管13の間を埋め、膨張型20’によるシース管13のシールが行われる。充填材2(
図2(b)等参照)の充填後はホース21を介して膨張型20’内の空気を抜くことができる。
【0031】
以下、膨張型が異なる別の例について、第2の実施形態として説明する。第2の実施形態は第1の実施形態と異なる点について主に説明し、同様の点については同じ符号を付すなどして説明を省略する。
【0032】
[第2の実施形態]
図5は第2の実施形態に係る膨張型30を示す図であり、本実施形態では1層のゴムからなるゴム筒状の膨張型が用いられる。
【0033】
膨張型30の上下には天板31aと底板31bが設けられ、天板31aに管体33が取り付けられる。膨張型30の径方向断面の中心には孔301が設けられ、棒材32が天板31aの孔311を通過して膨張型30の孔301に挿入され、棒材32の先端が底板31bに取付けられる。棒材32の下端部には雄ネジが設けられる。孔311の内面には雌ネジが設けられ、上記の雄ネジと螺合する。
【0034】
第2の実施形態では、
図6(a)に示すように管体33で支持した膨張型30を上方のブロック1のシース管13に通して下ろし、上下のブロック1のシース管13の間に通して配置する。この時、前記と同様、膨張型30の上端部が上方のブロック1のシース管13内に位置し、膨張型30の下端部が下方のブロック1のシース管13内に位置する。
【0035】
管体33および棒材32の上端部は上方のブロック1の外部に突出しており、外部から管体33により膨張型30の天板31aを支えつつ棒材32のみを回転させると、
図6(b)に示すように底板31bが上昇し、天板31aと底板31bの間で膨張型30が軸方向に押しつぶされて径方向に膨張する。これにより上下のブロック1のシース管13の間を埋め、膨張型30によるシース管13のシールが行われる。
【0036】
その後、
図7(a)に示すようにブロック1間に充填材2を充填する。この時も膨張型30により上下のブロック1のシース管13の間に充填材2が流入することはなく、緊張材を通すための空間が確保される。また膨張型30によりシールが行われ、シース管13内に充填材2が流入することもない。
【0037】
棒材32を先程とは逆に回転させると
図7(b)に示すように底板31bが下降し、膨張型30が元の形状に戻って径方向に収縮するので、上方のブロック1の外部から矢印に示すように膨張型30を上へと引き上げ、膨張型30を上方のブロック1のシース管13から引き出す。
【0038】
以降は前記と同様、上下のシース管13に緊張材を通して緊張し、上下のブロック1にプレストレスを導入して構造体を構築する流れとなる。上下のブロック1のシース管13内および両シース管13の間には充填材の充填が行われる。
【0039】
これによっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。また膨張型30に空気を注入しなくてもよいので空気漏れ等の心配がない。さらに膨張型30が比較的丈夫なものとなる利点もある。
【0040】
なお、ゴム筒状の膨張型を膨張させる機構はこれに限らず、例えば
図8(a)の矢印に示すように、先端がテーパ状に窄まった棒材38をゴム筒状の膨張型30aの中心の孔301に挿入するような機構としてもよい。
【0041】
膨張型30aの孔301の径は棒材38の先端の径と同程度であり、膨張型30aを前記した管体等の支持材(不図示)で支えつつ棒材38の先端を膨張型30aの孔301に差込んで挿入することで、
図8(b)に示すように膨張型30aが内部の孔301から押し広げられて径方向に膨張する。これを前記の膨張型30と同様にして用い、膨張型30aによって上下のブロック1のシース管13の間を埋め、シース管13のシールを行うこともできる。
【0042】
ブロック1間に充填材を充填した後は、棒材38を膨張型30aの孔301から引き抜くと膨張型30aが径方向に収縮するので、前記の膨張型30と同様、上方のブロック1のシース管13から引き出すことができる。
【0043】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0044】
1、100;プレキャストブロック
2;充填材
12;緊張材
13;シース管
20、20’、30、30a;膨張型
21;ホース
31a;天板
31b;底板
32、38;棒材
33;管体
301;孔