特許第6548583号(P6548583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548583
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】エアダム取付部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 37/02 20060101AFI20190711BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   B62D37/02 A
   B60R19/48 T
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-7551(P2016-7551)
(22)【出願日】2016年1月19日
(65)【公開番号】特開2017-128168(P2017-128168A)
(43)【公開日】2017年7月27日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219705
【氏名又は名称】東海興業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洋介
(72)【発明者】
【氏名】坂嵜 慎哉
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−118518(JP,A)
【文献】 特開2011−247394(JP,A)
【文献】 特開2003−341561(JP,A)
【文献】 特開2004−330994(JP,A)
【文献】 特開2005−8128(JP,A)
【文献】 特開2003−237639(JP,A)
【文献】 特開2013−67319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 37/02
B60R 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前部に車幅方向に沿って取り付けられるバンパと該バンパの下部に車幅方向に沿って取り付けられた長尺なエアダムとを含むエアダム取付部構造であって、
前記バンパは、該バンパの下部に設けられて前後方向に延びる上壁部と該上壁部の後部から下方に延びる底壁部と該底壁部の下部から前方に延びる下壁部とによって三方を囲まれて前方に向けて開口する凹溝と、前記凹溝の底壁部を前後方向に貫通する取付孔と、前記凹溝の上壁部から下方に向けて突出する突起とを有し、
前記エアダムは、上下方向に延びる平板状の前壁部と、前記前壁部の上部から後方に延びる平板状の取付部と、前記取付部を上下方向に貫通する貫通孔とを有し、
前記取付部が前記凹溝に差し込まれて前記取付孔に挿通されていると共に前記突起が前記貫通孔の後方縁部に係合していることを特徴とするエアダム取付部構造。
【請求項2】
前記底壁部の後側の面と前記突起の後側の面とが同一平面上にあることを特徴とする請求項1に記載のエアダム取付部構造。
【請求項3】
前記突起の前側の面が前記上壁部に対して傾斜した面であり、前記突起の後側の面が前記上壁部に対して垂直な面であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアダム取付部構造。
【請求項4】
前記取付部は、前記前壁部よりも剛性を有する弾性変形可能な材料で形成され、
前記前壁部は、前記取付部よりも軟らかい材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアダム取付部構造。
【請求項5】
前記前壁部は、上部の後側部分が前記取付部と同じ材料で該取付部と連続して形成され、前記上部の後側部分以外の部分が前記取付部よりも軟らかい材料で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエアダム取付部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバンパの下部にエアダムを取り付けるエアダム取付部構造に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
自動車においては、車両のフロント側のバンパの下部にエアダム(スポイラと呼称されることもある)を取り付けるようにしたものがある。このようなエアダムとしては、例えば、特許文献1(特開2003−237639号公報)に記載されているように、断面略横U字状の取付部と、この取付部の前部から垂下する平板状のヒレ部とを備え、取付部の上片の上下両面及び下片の上面に複数のリップを形成したものがある。この特許文献1では、バンパの下部前面に設けられた水平板状の支持部を挟むようにエアダムの取付部を支持部に嵌着して取付部のリップをバンパの下部外面及び支持部の上下両面に密着させることで、バンパの下部にエアダムを取り付け固定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−237639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1の技術は、単に取付部のリップをバンパ側の面に密着させるだけであるため、次のような不具合が発生する可能性がある。車両の走行時にエアダムの下部が縁石等に当たると、エアダムの下部(つまりヒレ部の下部)が後方に押されて、エアダムの上部(つまり取付部)が上方に押されながら前方に引き抜かれる方向に力が作用することがある。このため、エアダムの下部が縁石等に当たったときに、エアダムの取付部がバンパの支持部から抜けて、エアダムがバンパから外れてしまうおそれがある。また、バンパとエアダムとの間に隙間が生じて見栄えが悪くなるおそれもある。
【0005】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、エアダムをバンパから外れ難くすることができると共に見栄えを向上させることができるエアダム取付部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の前部に車幅方向に沿って取り付けられるバンパと該バンパの下部に車幅方向に沿って取り付けられた長尺なエアダムとを含むエアダム取付部構造であって、前記バンパは、該バンパの下部に設けられて前後方向に延びる上壁部と該上壁部の後部から下方に延びる底壁部と該底壁部の下部から前方に延びる下壁部とによって三方を囲まれて前方に向けて開口する凹溝と、前記凹溝の底壁部を前後方向に貫通する取付孔と、前記凹溝の上壁部から下方に向けて突出する突起とを有し、前記エアダムは、上下方向に延びる平板状の前壁部と、前記前壁部の上部から後方に延びる平板状の取付部と、前記取付部を上下方向に貫通する貫通孔とを有し、前記取付部が前記凹溝に差し込まれて前記取付孔に挿通されていると共に前記突起が前記貫通孔の後方縁部に係合していることを特徴とするものである。
【0007】
前述したように、車両の走行時にエアダムの下部が縁石等に当たると、エアダムの下部(つまり前壁部の下部)が後方に押されて、エアダムの上部(つまり取付部)が上方に押されながら前方に引き抜かれる方向に力が作用することがある。請求項1に係る発明では、凹溝の上壁部から突出する突起が取付部の貫通孔に係合しているため、エアダムの下部が縁石等に当たったときに、取付部が上方に押されながら前方に引き抜かれる方向に力が作用しても、取付部が上方に押されて突起と貫通孔との係合が強くなる方向に力が作用して、取付部が凹溝から抜け難くなり、エアダムをバンパから外れ難くすることができる。また、突起が貫通孔の後方縁部に係合しているため、取付部が凹溝に引き込まれた状態を維持して、バンパとエアダムとの間に隙間が生じることを防止でき、見栄えを向上させることができる。
【0008】
また、請求項2のように、前記底壁部の後側の面と前記突起の後側の面とが同一平面上にある(つまり凹溝の最も底側に突起が設けられている)ようにしても良い。このようにすれば、凹溝の最も底側で突起と貫通孔とが係合している状態となり、凹溝が開くように変形しても、その影響を受け難くすることができ、取付部を凹溝から更に抜け難くして、エアダムをバンパから更に外れ難くすることができる。
【0009】
更に、請求項3のように、前記突起の前側の面が前記上壁部に対して傾斜した面であり、前記突起の後側の面が前記上壁部に対して垂直な面であるようにしても良い。このようにすれば、取付部を凹溝に差し込み易くしながら、取付部を凹溝から抜け難くすることができる。
【0010】
また、請求項4のように、前記取付部は、前記前壁部よりも剛性を有する弾性変形可能な材料で形成され、前記前壁部は、前記取付部よりも軟らかい材料で形成されているようにしても良い。取付部を剛性を有する弾性変形可能な材料で形成することで、突起と取付部の貫通孔とを確実に係合させることができる。また、前壁部を軟らかい材料で形成することで、前壁部に力が加わった場合に、前壁部が変形して、取付部に力が加わり難くすることができる。
【0011】
更に、請求項5のように、前記前壁部は、上部の後側部分が前記取付部と同じ材料で該取付部と連続して形成され、前記上部の後側部分以外の部分が前記取付部よりも軟らかい材料で形成されているようにしても良い。このようにすれば、前壁部の上部の後側部分(つまり前壁部の根元部分)の剛性を高くすることができ、前壁部が変形しても元の形状に戻り易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は本発明の一実施例におけるエアダムが装着された車両の正面図である。
図2図2図1のA−A断面図の助手席側である。
図3図3図2のB−B断面図である。
図4図4図2のC−C断面図でエアダムの取り付け前の状態を示す図である。
図5図5図2のC−C断面図でエアダムの取り付け後の状態を示す図である。
図6図6は比較例における不具合を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
図1に示すように、車両の前部には、車幅方向に沿って長尺なバンパ11が取り付けられ、このバンパ11の下部に、車幅方向に沿って長尺なエアダム12が取り付けられている。バンパ11は、ポリプロピレン(エチレンプロピレン共重合体及びタルク入り)等のポリマー材料で形成され、エアダム12は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリマー材料で形成されている。図2に示すように、エアダム12は、直線的に延びた形状(図2の二点鎖線参照)で製造されるが、バンパ11の形状に合わせて曲げられた状態(図2の破線参照)でバンパ11に取り付けられる。
【0014】
次に、図2乃至図5に基づいてエアダム取付部構造について説明する。
図3乃至図5に示すように、エアダム12は、断面L字形状に形成されている。エアダム12には、車両取付状態において、上下方向に延びる平板状の前壁部13と、この前壁部13の上部から前上方に延びるリップ部14とが設けられている。また、エアダム12の長手方向(車幅方向)の複数箇所に、前壁部13の上部から後方に延びる平板状のクリップ留め部15(図3参照)が設けられ、前壁部13とクリップ留め部15とがL字形状に接合されている。更に、エアダム12の長手方向の複数箇所でクリップ留め部15とは別の位置に、前壁部13の上部から後方に延びる平板状の取付部16(図4及び図5参照)が設けられ、前壁部13と取付部16とがL字形状に接合されている。
【0015】
図2に示すように、クリップ留め部15と取付部16は、エアダム12の長手方向に沿って交互に配置されている。エアダム12の長手方向のうちクリップ留め部15と取付部16との間(つまりクリップ留め部15及び取付部16が設けられていない部分)には、前壁部13の上部から後方に延びる平板部17が設けられている。クリップ留め部15及び取付部16は、平板部17よりも後方へ突出している。
【0016】
図2及び図3に示すように、各クリップ留め部15には、クリップ留め部15を上下方向に貫通する貫通孔18が設けられている。クリップ留め部15の貫通孔18のうちエアダム12の長手方向の中央付近の貫通孔18は、円形状に形成されているが、それ以外の貫通孔18は、エアダム12の長手方向に延びる長穴形状に形成されている。
【0017】
図2及び図4に示すように、各取付部16には、取付部16を上下方向に貫通する貫通孔19が設けられている。取付部16の貫通孔19は、エアダム12の長手方向に延びる長穴形状に形成されている。
【0018】
エアダム12は、押出成形により形成された押出成形品にプレス加工(打ち抜き加工)を施して形成されている。尚、エアダム12は、射出成形により形成するようにしても良い。エアダム12のクリップ留め部15及び取付部16及び平板部17(以下これらを「取付部16等」と総称することもある)は、前壁部13よりも剛性を有する弾性変形可能な材料(例えばJISK6253によるデュロメータタイプAでの硬度がA95±5の範囲内の材料)で形成されている。一方、エアダム12の前壁部13は、取付部16等よりも軟らかい材料(例えばJISK6253によるデュロメータタイプAでの硬度がA70±5の範囲内の材料)で形成されている。但し、前壁部13は、上部の後側部分13aが取付部16等と同じ材料で取付部16等と連続して形成され、上部の後側部分13a以外の部分が取付部16等よりも軟らかい材料で形成されている。エアダム12のリップ部14は、前壁部13と同じ材料(取付部16等よりも軟らかい材料)で前壁部13と連続して形成されている。尚、前壁部13と取付部16等との接合部(例えば前壁部13の上部の後側部分13a)に、前壁部13や取付部16等を形成する材料よりも線膨張係数が小さい材料(例えば金属)を埋設するようにしても良い。
【0019】
図3に示すように、バンパ11の下部のうちエアダム12のクリップ留め部15に対応する部分には、バンパ11の本体の下面を形成する壁部23(後述する凹溝22の上壁部23として利用される部分)を上下方向に貫通する係合孔20が設けられている。エアダム12のクリップ留め部15の貫通孔18とバンパ11の壁部23の係合孔20とを合わせた状態で、貫通孔18及び係合孔20にクリップ21が差し込まれる。これにより、エアダム12側の貫通孔18に挿通されたクリップ21がバンパ11側の係合孔20に係合している状態となり、エアダム12のクリップ留め部15がクリップ21でバンパ11の下部に固定されている。
【0020】
図4及び図5に示すように、バンパ11の下部のうち少なくともエアダム12の取付部16に対応する部分には、バンパ11の長手方向(車幅方向)に沿って凹溝22が設けられている。この凹溝22は、車両取付状態において、前後方向に延びる上壁部23(バンパ11の本体の下面を形成する壁部23)と、この上壁部23の後部から下方に延びる底壁部24と、この底壁部24の下部から前方に延びる下壁部25とによって三方を囲まれて形成され、前方に向けてやや広がるように開口している。この凹溝22の底壁部24のうち少なくともエアダム12の取付部16に対応する部分には、底壁部24を前後方向に貫通する取付孔26が設けられ、凹溝22の上壁部23のうちエアダム12の取付部16に対応する部分には、上壁部23から下方に向けて突出する突起27が設けられている。バンパ11の長手方向における突起27の長さ寸法は、エアダム12の長手方向における貫通孔19の長さ寸法よりも短い。
【0021】
図4に示すように、突起27は、前側の面27aが上壁部23に対して傾斜した面で、後側の面27bが上壁部23に対して垂直な面となるように形成されている。また、突起27は、底壁部24の後側の面24bと突起27の後側の面27bとが同一平面上となるように凹溝22の最も底側に設けられている。
【0022】
エアダム12の取付部16は、バンパ11の前方から凹溝22に差し込まれる。これにより、図5に示すように、エアダム12の取付部16がバンパ11の凹溝22に差し込まれて、取付部16の先端部が底壁部24の取付孔26に挿通されていると共にバンパ11側の突起27が取付部16の貫通孔19の後方縁部に係合している状態となり、エアダム12の取付部16がバンパ11の下部に固定されている。図3及び図5に示すように、バンパ11の下部にエアダム12が取り付けられた状態では、エアダム12のリップ部14がバンパ11の下部に当接している。
【0023】
図6に示す比較例は、本実施例の構成に対して貫通孔19及び突起27を省略したものである。車両の走行時にエアダム12の下部が縁石等に当たると、エアダム12の下部(つまり前壁部13の下部)が後方に押されて、エアダム12の上部(つまり取付部16)が上方に押されながら前方に引き抜かれる方向に力が作用することがある。しかし、図6に示す比較例では、貫通孔19及び突起27が設けられていないため、エアダム12の下部が縁石等に当たったときに、取付部16が上方に押されながら前方に引き抜かれる方向に力が作用すると、エアダム12の取付部16がバンパ11の凹溝22から抜けて、エアダム12がバンパ11から外れてしまうおそれがある。また、バンパ11とエアダム12との間に隙間が生じて見栄えが悪くなるおそれもある。
【0024】
これに対して、本実施例では、凹溝22の上壁部23から突出する突起27が取付部16の貫通孔19に係合している。これにより、エアダム12の下部が縁石等に当たったときに、取付部16が上方に押されながら前方に引き抜かれる方向に力が作用しても、取付部16が上方に押されて突起27と貫通孔19との係合が強くなる方向に力が作用して、取付部16が凹溝22から抜け難くなり、エアダム12をバンパ11から外れ難くすることができる。また、突起27が貫通孔19の後方縁部に係合しているため、取付部16が凹溝22に引き込まれた状態を維持して、バンパ11とエアダム12との間に隙間が生じることを防止でき、見栄えを向上させることができる。また、突起27が貫通孔19に係合することで、クリップ留め部15の位置決めにもなる。
【0025】
更に、本実施例では、凹溝22の底壁部24に取付孔26が設けられ、取付部16の先端部が底壁部24の取付孔26に挿通されるようにしている。これにより、凹溝22を浅くすることができ、バンパ11を成形し易くすることができると共に、取付部16の前後方向の長さ寸法がばらついても取付部16を確実に凹溝22に差し込むことができる。
【0026】
また、本実施例では、取付部16が平板状であるため、取付部16の形状が簡素で取付部16を作り易い。また、バンパ11側の面(上壁部23の下面)が平坦なので、平板状の取付部16を取付孔26にスムーズに差し込むことができる。更に、バンパ11の前方から取付部16を取付孔26に差し込むことができ、エアダム12を取り付け易くすることができる。
【0027】
また、本実施例では、底壁部24の後側の面24bと突起27の後側の面27bとが同一平面上となるように突起27が凹溝22の最も底側に設けられている。これにより、凹溝22の最も底側で突起27と貫通孔19とが係合している状態となり、凹溝22が開くように変形しても、その影響を受け難くすることができ、取付部16を凹溝22から更に抜け難くして、エアダム12をバンパ11から更に外れ難くすることができる。
【0028】
更に、本実施例では、突起27の前側の面27aが上壁部23に対して傾斜した面であり、突起27の後側の面27bが上壁部23に対して垂直な面であるため、取付部16を凹溝22に差し込み易くしながら、取付部16を凹溝22から抜け難くすることができる。
【0029】
また、本実施例では、取付部16が前壁部13よりも剛性を有する弾性変形可能な材料で形成されているため、突起27と取付部16の貫通孔19とを確実に係合させることができる。また、前壁部13が取付部16よりも軟らかい材料で形成されているため、前壁部13に力が加わった場合に、前壁部13が変形して、取付部16に力が加わり難くすることができる。
【0030】
更に、本実施例では、前壁部13の上部の後側部分13aが取付部16と同じ材料で取付部16と連続して形成され、前壁部13の上部の後側部分13a以外の部分が取付部16よりも軟らかい材料で形成されているため、前壁部12の上部の後側部分13a(つまり前壁部13の根元部分)の剛性を高くすることができ、前壁部13が変形しても元の形状に戻り易くすることができる。
【0031】
また、本実施例では、エアダム12のクリップ留め部15がクリップ21でバンパ11の下部に固定されているため、エアダム12のバンパ11への取付強度を安定化させることができる。しかも、クリップ留め部15と取付部16がエアダム12の長手方向に沿って交互に配置されているため、クリップ留め部15が比較的少なくてもエアダム12をバンパ11に良好に取り付け固定することができる。
【0032】
また、本実施例では、エアダム12のリップ部14がバンパ11の下部に当接しているため、バンパ11とエアダム12と間に隙間が生じ難くなる。しかも、リップ部14が前壁部13と同じ材料(取付部16よりも軟らかい材料)で前壁部13と連続して形成されている。これにより、リップ部14がバンパ11の下部に弾接して追従できると共に、リップ部14が前壁部13と同じ材料であるため、外観に統一感を持たせることができる。
【0033】
また、本実施例では、バンパ11の長手方向における突起27の長さ寸法が、エアダム12の長手方向における貫通孔19の長さ寸法よりも短いため、エアダム12の長手方向における取付位置の調整を行うことができる。
【0034】
尚、上記実施例では、バンパ11の本体の壁部23を凹溝22の上壁部23として利用するようにしたが、これに限定されず、凹溝の上壁部をバンパ11の本体の壁部23から下方に突出させて設けるようにしても良い。
【0035】
また、上記実施例では、底壁部24の後側の面24bと突起27の後側の面27bとが同一平面上となるようにしたが、これに限定されず、突起27の後側の面27bが底壁部24の後側の面24bよりも前方又は後方に位置するようにしても良い。
【0036】
また、上記実施例では、エアダム12を断面L字形状に形成するようにしたが、これに限定されず、エアダム12を断面T字形状に形成するようにしても良い。
その他、本発明は、バンパ11やエアダム12等の形状を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
【符号の説明】
【0037】
11…バンパ、12…エアダム、13…前壁部、16…取付部、19…貫通孔、22…凹溝、23…上壁部、24…底壁部、25…下壁部、26…取付孔、27…突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6