(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記繊維強化樹脂積層シートの表面から裏面に向けて、第2のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、織物層及び第1のポリオレフィン系樹脂層の順番で配置されている請求項2に記載の繊維強化樹脂積層シート。
前記繊維強化樹脂積層シートの表面から裏面に向けて、第2のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、織物層及び第2のポリオレフィン系樹脂層の順番で配置されている請求項2に記載の繊維強化樹脂積層シート。
前記織物層と第1のポリオレフィン系樹脂層及び/又は第2のポリオレフィン系樹脂層の間には接着層が配置されており、前記接着層は熱融着性ポリオレフィン系フィルムである請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
前記繊維強化樹脂積層シートにおいて、表面にはカバー層として第2のポリオレフィン系樹脂層が配置されており、前記第2のポリオレフィン系樹脂層の裏面には織物層が配置され、前記カバー層は外部から織物層が見える程度の透明性を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
前記複合繊維糸は、第1成分が芯成分であり、第2成分が鞘成分である芯鞘型複合繊維、又は、第1成分が島成分であり、第2成分が海成分である海島型複合繊維である請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
前記複合繊維糸において、第1成分はプロピレンホモポリマーであり、第2成分はポリエチレン、プロピレンーエチレンランダムコポリマー又はポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂積層シート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明者らは、ポリオレフィン系成分で構成された織物層と樹脂層を含む繊維強化樹脂積層シート(繊維強化樹脂多層シート)において、樹脂層に臭素系難燃剤を含有させた場合、繊維強化樹脂積層シートの表面及び/又は裏面において反りが発生するのを抑制することについて鋭意検討した。その結果、臭素系難燃剤を含有する第1のポリオレフィン系樹脂層の表面及び裏面に織物層を配置するとともに、繊維強化樹脂積層シートにおいて、二つの織物層の間に配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層の表面側に位置する部分の厚みT1と、二つの織物層の間に配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層の裏面側に位置する部分の厚みT2の比T1/T2の値を0.7〜1.3の範囲にすることで、難燃性を有しつつ、反りの発生が低減された繊維強化樹脂積層シートが得られることを見出し、本発明に至った。
【0012】
前記織物層は、第1成分と第2成分を含む複合繊維糸で構成されている。前記第1成分と前記第2成分は、いずれも、ポリオレフィン系成分であり、第1成分の融点は第2成分の融点より高い。第2成分の融点が第1成分の融点より低いことにより、複合繊維糸における第2成分の接着性又は溶着性は良好になるため、織物層と樹脂層との強固な一体化が可能となり、層間剥離がなく、軽量であり、曲げに対する物理的強度も高いものとなる。前記第1成分の融点は、前記第2成分の融点より20℃以上高いことが好ましく、30℃以上高いことがより好ましい。前記複合繊維糸は、第1成分が、プロピレンホモポリマーであり、第2成分が低融点のオレフィン系ポリマーからなる複合繊維糸であることが好ましく、第1成分がプロピレンホモポリマー(以下において、「HPP」とも記す。)であり、第2成分がポリエチレン、プロピレンーエチレンランダムコポリマー(以下において、「RPP」とも記す。)又はポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物であることがより好ましい。
【0013】
前記織物層を構成する複合繊維糸は、第1成分が芯成分であり、第2成分が鞘成分である芯鞘型複合繊維、又は、第1成分が島成分であり、第2成分が海成分である海島型複合繊維であることが好ましい。前記芯鞘型複合繊維又は海島型複合繊維において、芯成分又は島成分は、プロピレンホモポリマーであり、海成分又は鞘成分が芯成分又は島成分より低融点のオレフィン系ポリマーからなる複合繊維糸であることがより好ましく、芯成分又は島成分は、プロピレンホモポリマーであり、第2成分はポリエチレン、プロピレンーエチレンランダムコポリマー、又は、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物であることがより好ましい。海成分又は鞘成分の接着性又は溶着性は良好なため、織物層と樹脂層とのより強固な一体化が可能となり、層間剥離がなく、軽量であり、曲げに対する物理的強度も高いものとなる。
【0014】
前記複合繊維糸は、第1成分が中間層に配置され、第2成分が第1成分の両側に配置されているスリットヤーンであってもよい。
【0015】
前記複合繊維糸を緯糸と経糸に用いて織物層を構成する。前記緯糸と経糸は、同じ複合繊維糸であってもよく、異なる複合繊維糸であってもよい。前記緯糸と経糸は、いずれも扁平糸又はスリットヤーンであることが好ましい。これにより明瞭な織柄を出せる。前記複合繊維糸は、特に限定されないが、繊度が1000〜3000dtexであることが好ましく、1200〜2800dtexであることがより好ましい。
【0016】
前記織物層は、織組織は特に限定されず、例えば、平織、綾織(斜文織)、朱子織、その他の変化織などのいずれでも良い。この中でも綾織(斜文織)は織柄が目立つことから好ましい。織物層の目付け(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、積層加工性とコストの観点から、50〜500g/m
2であることが好ましく、75〜450のg/m
2であることがより好ましい。
【0017】
第1のポリオレフィン系樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂に加えて臭素系難燃剤を含む。臭素系難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシ等のブロム化エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも、臭素の含有量が高い観点から、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリブロモネオペンチルアルコール、トリブロモフェノール等が好ましい。これらの臭素系難燃剤は、一種で用いてもよく、二種以上を組み合わせても用いてもよい。
【0018】
前記臭素系難燃剤は、融点が230℃以下であることが好ましい。二種以上の臭素系難燃剤を組み合わせて用いる場合、少なくとも一種の臭素系難燃剤の融点が230℃以下であることが好ましい。繊維強化樹脂積層シートの加工性が良好になる。融点が230℃以下の臭素系難燃剤としては、例えば、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、テトラブロムビスフェノール−A、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン等を用いることができる。また、前記臭素系難燃剤は融点が50℃以上であることが好ましい。実用的な耐熱温度を確保することができる。
【0019】
第1のポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、難燃性を良好にしつつ、物性を良好にする観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量%に対して、臭素系難燃剤を
8〜40重量%程度含むことが好ましく、10〜30重量%程度含むことがより好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂100重量%に対して、臭素を5.6〜28重量%程度含むことが好ましく、7〜21重量%程度含むことがより好ましい。
【0020】
臭素系難燃剤の難燃効果を向上させる観点から、難燃助剤としてアンチモン化合物を併用してもよい。アンチモン化合物としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン及びアンチモン酸ナトリウム等を用いることができる。難燃性を良好にしつつ、物性を良好にする観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量%に対して、アンチモン化合物を1〜10重量%程度使用する。
【0021】
第1のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、例えば、プロピレンホモポリマー、エチレンホモポリマー、プロピレンーエチレンコポリマーなどを用いることができる。また、プロピレンーエチレンコポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのいずれであってもよい。これらのオレフィン系樹脂は、一種で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。第1のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、プロピレンホモポリマーであることが好ましい。プロピレンホモポリマーは、融点及び硬度が高く、実用的に物理的特性を満足し、コストも安い利点があり、加熱成形加工においてもヒケやシワ等の発生を防止できる。
【0022】
第1のポリオレフィン系樹脂層の目付け(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、機械的強度、成形性やコストの観点から、50〜1000g/m
2であることが好ましく、100〜900のg/m
2であることがより好ましく、150〜800g/m
2であることがさらに好ましい。また、第1のポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、厚みが0.05〜1mmであることが好ましく、0.15〜0.8mmであることがより好ましい。
【0023】
前記繊維強化樹脂積層シートは、さらに臭素系難燃剤を含有しない第2のポリオレフィン系樹脂層を含んでもよい。第2のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、特に限定されず、例えば、プロピレンホモポリマー、エチレンホモポリマー、プロピレンーエチレンコポリマーなどを用いることができる。また、プロピレンーエチレンコポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのいずれであってもよい。これらのオレフィン系樹脂は、一種で用いてもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。第2のポリオレフィン系樹脂層において、ポリオレフィン系樹脂は、プロピレンホモポリマーであることが好ましい。プロピレンホモポリマーは、融点及び硬度が高く、実用的に物理的特性を満足し、コストも安い利点があり、加熱成形加工においてもヒケやシワ等の発生を防止できる。
【0024】
第2のポリオレフィン系樹脂層の目付け(単位面積当たりの重量)は、特に限定されないが、加工性とコストの観点から、50〜1000g/m
2であることが好ましく、100〜900のg/m
2であることがより好ましく、150〜800g/m
2であることがより好ましい。また、第2のポリオレフィン系樹脂層は、特に限定されないが、厚みが0.05〜1mmであることが好ましく、0.15〜0.8mmであることがより好ましい。
【0025】
第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、結晶造核剤、銅害防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、滑剤、充填剤等を配合することができる。
【0026】
前記繊維強化樹脂積層シートは、前記織物層を2層以上含む。また、前記第1のポリオレフィン系樹脂層を2層以上含んでもよい。また、第2のポリオレフィン系樹脂層を2層以上含んでもよい。
【0027】
前記繊維強化樹脂積層シートにおいて、第1のポリオレフィン系樹脂層の両側には織物層が配置されている。前記繊維強化樹脂シートが2つ以上の第1のポリオレフィン系樹脂層を含む場合、少なくとも一つの第1のポリオレフィン系樹脂層の両側に織物層が配置されていればよい。以下において、二つの織物層の間に配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層を中間難燃樹脂層ともいう。なお、両側に織物層が配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層が二つ以上存在する場合、繊維強化樹脂積層シートの厚み方向の真ん中に近い位置に配置されている第1のポリオレフィン系樹脂層が中間難燃樹脂層となる。
【0028】
前記繊維強化樹脂積層シートにおいて、中間難燃樹脂層の表面側に位置している部分の厚みT1と、中間難燃樹脂層の裏面側に位置している部分の厚みT2の比T1/T2の値が0.7〜1.3であることにより、反りの発生が軽減される。反りの発生をより軽減する観点から、T1/T2の値は0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。
【0029】
前記繊維強化樹脂積層シートは、さらに、前記織物層と第1のポリオレフィン系樹脂層及び/又は第2のポリオレフィン系樹脂層の間に配置されている接着層を含んでもよい。前記接着層は、熱融着性ポリオレフィン系フィルムであることが好ましい。織物層と第1のポリオレフィン系樹脂層及び/又は第2のポリオレフィン系樹脂層の接着一体化が良好になる。本発明において、「フィルム」とは、厚みが200μm未満のものを意味し、「シート」とは、厚みが200μm以上のものを意味する。
【0030】
前記繊維強化樹脂積層シートは、1層の第2のポリオレフィン系樹脂層、2層の織物層、2層の第1のポリオレフィン系樹脂層を含み、表面から裏面に向けて、第2のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層の順番で配置されていてもよい。また、前記繊維強化樹脂積層シートは、2層の第2のポリオレフィン系樹脂層、2層の織物層、1層の第1のポリオレフィン系樹脂層を含み、表面から裏面に向けて、第2のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、織物層、第2のポリオレフィン系樹脂層の順番で配置されていてもよい。
【0031】
前記繊維強化樹脂積層シートにおいて、表面にはカバー層として第2のポリオレフィン系樹脂層が配置されており、前記第2のポリオレフィン系樹脂層の裏面には織物層が配置され、前記カバー層は外部から織物層が見える程度の透明性を有することが好ましい。外部から織物層の織柄を確認でき、高強度に見えるとともに、美装状態を高く保つことができる。この意味から、光学的カバー層ということもできる。透明性を有するカバー層は、特に限定されないが、厚みが100〜300μmであることが好ましく、150〜250μmであることがより好ましい。立体感と厚み感を発揮できる。
【0032】
前記透明性を有するカバー層(以下において、「透明層」とも記す。)は、特に限定されないが、プロピレンホモポリマー(HPP)、プロピレン−エチレンランダムコポリマー(RPP)、HPPとRPPのブレンド物、又はHPPとRPPのポリマーアロイであることが好ましい。また、前記透明層は、透明層の全体重量に対して、プロピレンホモポリマーを50〜90重量%、プロピレン−エチレンランダムコポリマーを10〜50重量%含むことが好ましく、プロピレンホモポリマーを60〜80重量%、プロピレン−エチレンランダムコポリマーを20〜40重量%含むことがより好ましい。前記の範囲であれば、プロピレン−エチレンランダムコポリマーの非晶質による高い透明性と、プロピレンホモポリマーの耐摩耗性を保持できる。
【0033】
前記透明層の上に、透明層の透明性を阻害しない範囲内で、着色層を設けてもよい。着色層は、第2のポリオレフィン系樹脂層に該当する。着色層は外面の美装のためのものであり、透明性を維持するために着色塗料を薄く塗るのが好ましい。着色層の好ましい厚さは0.1〜2μm、さらに好ましくは0.2〜1μmである。着色層は任意の色調を選択できる。また、着色層の上には、透明層の透明性を阻害しない範囲内で、保護層を設けてもよい。前記保護層としては、ポリプロピレン系樹脂フィルムを用いることができ、耐摩耗性が高いことから、2軸延伸されたポリプロピレン系樹脂フィルムであることが好ましい。前記保護層の好ましい厚さは5〜50μmであり、より好ましくは10〜40μmである。
【0034】
本発明の繊維強化樹脂積層シートは、本発明の効果を阻害しない範囲内において、織物層と第1のポリオレフィン系樹脂層との間に多軸繊維シートを加えることもできる。多軸繊維シートとしては、特に限定されないが、例えば、倉敷紡績株式会社製の商品名「クラマス」を挙げることができる。
【0035】
前記繊維強化樹脂積層シートは、難燃性を高める観点から、繊維強化樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素を5重量%以上含むことが好ましい。該臭素は、第1のポリオレフィン系樹脂層に含有されている臭素系難燃剤に由来する。より好ましくは、繊維強化樹脂積層シートの全体重量に対して、臭素を5.5重量%以上含み、6重量%以上含むことがさらに好ましく、6.5重量%以上含むことがさらにより好ましい。
【0036】
本発明の繊維強化樹脂積層シートは、例えば、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層及び第2のポリオレフィン系樹脂層等を所定の順番で積層して加熱加圧した後、冷却することで作製することができる。なお、前記繊維強化樹脂積層シートが透明層、着色層、保護層を含む場合は、積層工程の効率化を図るため、事前に、透明層、着色層及び保護層を積層一体化した後、織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層及び他の第2のポリオレフィン系樹脂層と積層することが好ましい。必要に応じて、織物層と、第1のポリオレフィン系樹脂層及び/又は第2のポリオレフィン系樹脂層の間に接着層を配置する。
【0037】
加熱加圧工程の雰囲気温度は120〜150℃が好ましく、より好ましくは130〜145℃である。加熱加圧工程において、圧力は0.1〜10MPaであることが好ましく、0.5〜5MPaであることがより好ましい。加熱加圧工程の時間は0.5〜5分間が好ましく、さらに好ましくは1〜4分間である。冷却工程の時間は0.5〜5分間が好ましく、さらに好ましくは1〜4分間である。冷却は、温度が30程度℃以下になるまで行うことが好ましい。
【0038】
成形後の積層シート全体の厚みは0.5〜5mmが好ましく、より好ましくは0.8〜4mmであり、さらに好ましくは0.9〜1.6mmである。この範囲であれば軽量化ができるとともに外観性が向上する。
【0039】
以下、図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一構成を示す。
図1は本発明の他の一実施態様の繊維強化樹脂積層シート10の模式的断面図である。繊維強化樹脂積層シート10は、2層の織物層1a、1bと、2層の第1のポリオレフィン系樹脂層2a、2b及び1層の第2のポリオレフィン系樹脂層3aを含む5層構造である。具体的には、繊維強化樹脂積層シート10の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1b、第1のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。
【0040】
図2は本発明の他の一実施態様の繊維強化樹脂積層シート20の模式的断面図である。繊維強化樹脂積層シート20は、第2のポリオレフィン系樹脂層3aと織物層1aの間に接着層4aが配置されている以外は、繊維強化樹脂積層シート10と同様の構成である。具体的には、繊維強化樹脂積層シート20の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、接着層4a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1b、第1のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。
【0041】
図3は本発明の他の一実施態様の繊維強化樹脂積層シート30の模式的断面図である。繊維強化樹脂積層シート30は、2層の織物層1a、1bと、1層の第1のポリオレフィン系樹脂層2a及び2層の第2のポリオレフィン系樹脂層3a、3bを含む5層構造である。具体的には、繊維強化樹脂積層シート30の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1b、第2のポリオレフィン系樹脂層3bの順番で積層されて一体化されている。
【0042】
図1〜
図3に示されている繊維強化樹脂積層シートにおいて、中間難燃樹脂層は第1のポリオレフィン系樹脂層2aであり、第1のポリオレフィン系樹脂層2aの表面側に位置する部分の厚みT1と、第1のポリオレフィン系樹脂層2aの裏面側に位置している部分の厚みT2の比T1/T2の値が0.7〜1.3である。反りの発生をより軽減する観点から、T1/T2の値は0.8〜1.2であることが好ましく、0.9〜1.1であることがより好ましい。
【0043】
図9は本発明の一実施態様における積層シートの製造装置100を示す模式的断面図である。積層シートの製造装置100は、原料シート又はフィルムの供給ロール101と、加熱加圧領域105と、冷却領域106で構成され、連続的生産が可能である。織物層、第1のポリオレフィン系樹脂層、第2のポリオレフィン系樹脂層及び接着層の原料シート又はフィルムは、所定の積層順番になるように、供給ロール101によって供給される。供給ロール101は、積層する原料シート及び/又はフィルムの数に併せて、101a、101b、101c、101d、101e、101fを適宜組み合わせて用いればよい。供給された原料シート又はフィルムは、加圧ロール102a、102bで積層する。加圧ロール102a、102b及び107a、107bには金属製加圧板103及び104がエンドレス状に組み込まれている。加圧ロール102a及び102bで積層された原料シート又はフィルムは、まず、加熱加圧領域105で加熱加圧される。次に、冷却領域106では、冷却用エアーが矢印aから供給され矢印bから排出されることにより冷却される。効率の良い冷却をする場合は、冷却用エアーに加えて冷却領域106に水冷パイプを配置して冷却する。加圧ロール107a、107bから取り出された繊維強化樹脂積層シート108は所定の長さにカットされる。
【0044】
本発明の繊維強化樹脂積層シートは、真空成形、プレス成形、熱変形を利用した曲げ加工成形等が可能であり、成形サイクルが短く、加工コストも安価である。
【0045】
前記繊維強化樹脂積層シートは、難燃性は高く、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験において、V−0レベルに達することが好ましい。
【0046】
前記繊維強化樹脂積層シートは、難燃性を有し、軽量であり、廃棄も容易である。前記繊維強化樹脂積層シートは、特に限定されないが、例えば、家電、電子機器、自動車の天井材やドア材等の内装材等に好適に用いることができる。
【実施例】
【0047】
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0048】
<第1のポリオレフィン系樹脂層>
第1のポリオレフィン系樹脂層の原料シートを下記の化合物を用いて下記のように製造した。
<化合物>
(1)ポリプロピレン系樹脂1:プロピレンのホモポリマー、株式会社プライムポリマー社製「プライムポリプロJ105G」、融点161℃
(2)ポリプロピレン系樹脂2:プロピレンーエチレンランダムポリマー、株式会社プライムポリマー社製「プライムポリプロE330−GV」、融点141℃
(3)臭素系難燃剤:TBA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル)、株式会社鈴裕化学製「FCP-680」、臭素含有量68重量%、融点115℃
(4)酸化防止剤:BASF社製「irganox1010」
【0049】
<シートの作製>
ポリプロピレン系樹脂、臭素系難燃剤及び酸化防止剤を下記表1に示す配合割合で混合した後、二軸混練押出機(神戸製鋼所社製、二軸混練押出機KTX-37、スクリュー径37mm)に投入し、シリンダー温度190℃、スクリュー回転200rpm、吐出量5kg/hrで混練押出を行った。ダイスから出てきた混合材料のストランドを冷却水槽で冷却した後にストランドカッターで切断して長さ約3mmの難燃剤を含有するポリオレフィン系樹脂ペレットを得た。得られたポリオレフィン系樹脂ペレットを使用し、単軸スクリュー押出機(アイ・ケー・ジー株式会社製、単軸スクリュー押出機PMS50-28、スクリュー径50mm)に投入し、シリンダー温度230℃、スクリュー回転20rpm、吐出量10kg/hrで溶融押出を行い、押出機の先端に取り付けた500mm幅のハンガーコートダイから平膜状に吐出し、40℃以下に温度調節下冷却ロールに圧着させて冷却・固化して臭素系難燃剤を含有するポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0050】
【表1】
【0051】
<第2のポリオレフィン系樹脂層>
第2のポリオレフィン系樹脂層の原料シートとして、以下のものを用いた。
RPP1:プロピレンーエチレンランダムポリマーのシート、単位面積当たりの重量180g/m
2、厚み0.20mm
【0052】
<織物層>
織物1:島成分が融点160℃のポリプロピレン、海成分が融点110℃のポリエチレンからなる海島型複合繊維糸(モノフィラメント糸)を使用した。該海島型複合繊維糸の複合割合は、島成分65重量%、海成分35重量%であり、繊度は1850dtexであった。該芯鞘複合繊維糸を経糸と緯糸に使用して綾織組織の織物(単位面積当たりの重量210g/m
2、厚み0.37mm)を得た。
織物2:島成分が融点160℃のポリプロピレン、海成分が融点110℃のポリエチレンからなる海島型複合繊維糸(モノフィラメント糸)を使用した。該海島型複合繊維糸の複合割合は、島成分65重量%、海成分35重量%であり、繊度は1850dtexであった。該芯鞘複合繊維糸を経糸と緯糸に使用して綾織組織の織物(単位面積当たりの重量420g/m
2、厚み0.74mm)を得た。
【0053】
<接着層>
CPP1:未延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製、品名「FHK2―L」)、融点151℃、単位面積当たりの重量40g/m
2、厚み40μm
【0054】
(実施例1)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、織物1、難燃PP2、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層し、温度145℃、圧力1Mpa、2分間加熱加圧成形し、その後室温(27℃)まで冷却して積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図1に示すとおりである。
【0055】
(実施例2)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101e、101fでRPP1、CPP1、織物1、難燃PP2、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図2に示すとおりである。
【0056】
(実施例3)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、織物1、難燃PP3、織物1、RPP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図3に示すとおりである。
【0057】
(実施例4)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、織物1、難燃PP1、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図1に示すとおりである。
【0058】
(実施例5)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101e、101fでRPP1、CPP1、織物1、難燃PP1、織物1、難燃RPPをそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図2に示すとおりである。
【0059】
(比較例1)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eでRPP1、CPP1、織物1、難燃PP2、織物1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図4に示すとおりである。
図4に示されているように、該積層シート40は、2層の織物層1a、1bと、第1のポリオレフィン系樹脂層2aと、第2のポリオレフィン系樹脂層3aと、接着層4aで構成されており、具体的には、積層シート40の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、接着層4a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1bの順番で積層されて一体化されている。
【0060】
(比較例2)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101dでRPP1、織物1、難燃PP2、織物1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図5に示すとおりである。
図5に示されているように、積層シート50は、2層の織物層1a、1bと、第1のポリオレフィン系樹脂層2aと、第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート50の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、織物層1bの順番で積層されて一体化されている。
【0061】
(比較例3)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101cでRPP1、織物2、難燃PP2をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図6に示すとおりである。
図6に示されているように、積層シート60は、織物層1aと、第1のポリオレフィン系樹脂層2aと、第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート60の表面から裏面にかけて、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2aの順番で積層されて一体化されている。
【0062】
(比較例4)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101dでRPP1、織物1、難燃PP3、織物1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図5に示すとおりである。
【0063】
(比較例5)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101cでRPP1、織物2、難燃PP3をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図6に示すとおりである。
【0064】
(比較例6)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101d、101eで難燃PP1、RPP1、織物1、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図7に示すとおりである。
図7に示されているように、積層シート70は、2層の織物層1a、1bと、2層の第1のポリオレフィン系樹脂層2a、2b及び1層の第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート70の表面から裏面にかけて、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、織物層1b、第1のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。
【0065】
(比較例7)
図9に示す装置をおいて、供給ロール101a、101b、101c、101dで難燃PP1、RPP1、織物1、難燃PP1をそれぞれ供給して積層した以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。この積層シートの模式的断面図は
図8に示すとおりである。
図8に示されているように、積層シート80は、1層の織物層1aと、2層の第1のポリオレフィン系樹脂層2a、2bと、1層の第2のポリオレフィン系樹脂層3aで構成されており、具体的には、積層シート80の表面から裏面にかけて、第1のポリオレフィン系樹脂層2a、第2のポリオレフィン系樹脂層3a、織物層1a、第1のポリオレフィン系樹脂層2bの順番で積層されて一体化されている。
【0066】
実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた繊維強化樹脂積層シートの反りの程度を下記のように測定評価し、それらの結果を下記表2に示した。実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた繊維強化樹脂積層シートの難燃性を下記のように評価した。また、実施例5及び比較例1で得られた積層シートの引張強度、引張伸度、引張弾性率、曲げ強度、曲げ伸度、曲げ弾性率を下記のように測定評価し、それらの結果を下記表3に示した。
【0067】
下記表2には、繊維強化樹脂積層シートにおけるT1/T2の値を示した。なお、強化樹脂積層シートの表面及び裏面は相対的なものであるため、下記表2には、繊維強化樹脂繊維積層シートにおけるT2/T1の値も示した。
【0068】
下記表2には、繊維強化樹脂積層シートにおける臭素系難燃剤及び臭素の含有量も示した。繊維強化樹脂積層シートにおける臭素系難燃剤及び臭素の含有量は、それぞれ、下記のように算出したものである。
繊維強化樹脂積層シートの臭素系難燃剤含有量(重量%)=(第1のポリオレフィン樹脂層の目付け(g/m
2)/繊維強化樹脂積層シートの目付け(g/m
2))×第1のポリオレフィン樹脂層の臭素系難燃剤含有量(重量%)
繊維強化樹脂積層シートの臭素含有量(重量%)=(第1のポリオレフィン樹脂層の目付け(g/m
2)/繊維強化樹脂積層シートの目付け(g/m
2))×第1のポリオレフィン樹脂層の臭素含有量(重量%)
なお、第1のポリオレフィン系樹脂層を2層以上含む場合、繊維強化樹脂積層シートの臭素系難燃剤含有量は、上記式に基づいて算出した各第1のポリオレフィン樹脂層に由来する臭素系難燃剤含有量の合計であり、繊維強化樹脂積層シートの臭素含有量は、上記式に基づいて算出した各第1のポリオレフィン樹脂層に由来する臭素含有量の合計である。
【0069】
(反りの判定)
繊維強化樹脂積層シートを長さ200mm、幅200mmになるようにカットして試験片をとし、試験片の1辺を押さえつけた時に、対辺の上がる高さにより下記の基準で反りを判定した。A判定を合格とした。
A:対辺の高さが20mm以下である。
B:対辺の高さが20mmを超え、50mm以下である。
C:対辺の高さが50mmを超える。
【0070】
(難燃性)
UL−94V規格に準拠して20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)にて難燃性を測定評価した。ドラフトチャンバー内で、試験片(幅13mm、長さ125mm)をクランプに垂直に取付け、20mm炎による10秒間接炎を2回行い、各試験片の燃焼時間及び各試験片の燃焼時間とグローイング時間の合計を測定するとともに、各試験片の滴下物による綿着火の有無について確認し、下記の基準でV−0レベルに達しているか否かを判断した。
V−0レベルに達する:試験片の燃焼時間が10秒以下であり、試験片の燃焼時間とグローイング時間の合計が30秒以下であり、試験片の滴下物による綿着火がない。
V−0レベルに達しない:試験片の燃焼時間が10秒を超える。
【0071】
(引張強度、引張伸度及び引張弾性率)
JIS K 7165:2008に準拠した引張試験で測定した。試験片サイズは幅
25mm、長さ150mmとし、試験速度は10mm/minとした。
【0072】
(曲げ強度、曲げ伸度及び曲げ弾性率)
JIS K 7171に準拠した3点曲げ試験で測定した。試験片サイズは幅20mm、長さ50mm、試験速度は1mm/minとした。押さえジグの形状はR5、支点の形状はR2、支点間隔24mmとした。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
表2の結果から分かるように、実施例1〜5の積層シートは、反りがほとんど発生していなかった。一方、T1/T2の値が0.7〜1.3の範囲からはずれた比較例1、2、及び4、並びに第1のオレフィン系樹脂層の両側に織物層が配置されていない比較例3、5〜7は、反りが大きかった。
【0076】
また、実施例1〜5の積層シートは、全体重量に対する臭素含有量が5重量%以上であり、UL−94V規格に準拠した20mm垂直法燃焼試験(ASTM D3801)において、V−0レベルに達する評価を得ており、難燃性が高かった。また、実施例5及び比較例1の積層シートの引張強度、引張弾性率、曲げ強度及び曲げ弾性率のデータから、実施例の積層シートは引張特性及び曲げ特性も良好であることが分かった。