(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両(105)の人保護装置(130)にエネルギーを供給するための供給ネットワーク(100)の誤作動を知らせるためのエラー通知を出力する方法(700)において、方法が、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法(600)のステップと、
内部抵抗が、抵抗閾値に対して所定の関係にある場合にエラー報告を提供するステップ(710)と、
を含む車両(105)の人保護装置(130)にエネルギーを供給するための供給ネットワーク(100)の誤作動を知らせるためのエラー通知を出力する方法(700)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背景技術に基づき、ここで説明する提案により、独立請求項に記載の車両の人保護装置の供給ネットワークの内部抵抗を検出するための方法、さらにこの方法を使用した装置または制御器、および最後に、対応するコンピュータプログラム製品が得られる。有利な構成がそれぞれの従属請求項および次の説明により明らである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車両の人保護装置にエネルギーを供給するための供給ネットワークの内部抵抗を検出する方法を説明する。人保護装置は充電ユニットを含み、この充電ユニットは、1次インタフェースによって供給ネットワークに接続されており、2次インタフェースによって、エネルギー蓄積器に接続されており、エネルギー蓄積器は、人保護装置の人保護手段を作動するためのエネルギーを蓄積し、供給ネットワークからの分離後に人保護装置の供給を行い、この方法は、次のステップ:
2次インタフェースに第1充電電流値を印可するステップ;
この印加するステップで、1次インタフェースにおける第1電流および/または第1電圧を検出するステップ;
第1充電電流値とは異なる第2充電電流値を2次インタフェースに印可するステップ;
この印加するステップで、1次インタフェースにおける第2電流および/または第2電圧を決定するステップ;および
第1電流および第2電流および/または第1電圧および第2電圧を使用して、供給ネットワークの内部抵抗を検出するステップを有する。
【0007】
人保護装置の供給ネットワークの内部抵抗は、複数の部分抵抗が組み合わされた抵抗として理解することができる。これらの部分抵抗は、ジェネレータおよび/またはバッテリ、電源回路で使用される全ての接触ユニットの接触抵抗、および電源回路の輸送抵抗(Cuライン;シャーシ)によって形成される。
【0008】
人保護装置の供給ネットワークは、この人保護装置に電気的な作動エネルギーを供給するように構成された電気的なネットワークとして理解することができる。供給ネットワーク全体は、車両の異なる場所における他の電力消費装置とのネットワークを有していてもよい。
【0009】
充電ユニットは、例えば、人保護装置の制御器の供給ネットワークからの電気エネルギーをエネルギー蓄積器に充電する電流調整器または電圧調整器として理解することができる。人保護装置は、内部センサおよび外部センサと協働して、所定の事象、例えば衝突の発生時に種々異なる保護部材(装置)を適切に作動し、車両の内部または車両の外部における人の損傷を最小限にするか、または回避する、1つ以上の制御器からなるシステムとして理解することができる。
【0010】
エネルギー蓄積器は、例えば、コンデンサまたは蓄電池のような電気的な蓄積部材として理解することができる。エネルギー蓄積器は、供給ネットワークから電気エネルギーを供給され、エネルギー蓄積器に蓄積されたエネルギーは、電源が遮断された場合にも所定の時間にわたって人保護装置の供給を行う(自給)ことを保証し、個々の人保護手段(エアバッグ;シートベルト・テンショナー)を作動するためのエネルギーを供給することができる。
【0011】
1次インタフェースは、供給ネットワークから電気的な出力を取り込むための充電ユニットのインタフェースとして理解することができ、これに対して2次インタフェースは、電気的な出力およびエネルギーをエネルギー蓄積器に引き渡すための充電ユニットのインタフェースとして理解することができる。充電電流値の印加は、2次インタフェースにおいて所定値(値0アンペアも含む)を有する電流を設定することとして理解することができる。
【0012】
ここで説明した提案は、充電ユニットもしくは充電ユニットのインタフェースで検出されたパラメータの付加的な評価を技術的に極めて簡単に実施できる可能性によって、付加的な安全機能を実行することができるという認識に基づいている。特に、2次インタフェースからエネルギー蓄積器への電流が変化した場合に1次インタフェースにおける電流および/または電圧を検出することより、供給ネットワークからエネルギーが取り出された場合の負荷または負荷変動を得ることができる。この負荷変動により供給ネットワークの内部抵抗を推論することができる。この推論により、例えば、接続ラインの端子における劣悪な電気接続を示唆することが可能となる。
【0013】
ここで説明した提案は、多くの既存のパラメータまたは測定可能なパラメータを有利に連携させ、付加的なセンサを必要とすることなしに、充電ユニットもしくは充電ユニットを備える人保護装置の接続ラインにおける電気接続部の特性を検査する可能性が得られるという利点をもたらす。電気接続部の所定の特性から、例えば、供給ネットワークの内部抵抗が所定の閾値を超えた場合には、腐食した接続部が存在することを推定することができる。この場合にはエラー報告を出力し、このエラー、例えば腐食した接続部を取り換えるか、または洗浄するために自動車修理工場に行くよう車両の使用者に促すことができる。
【0014】
好ましくは、本発明の一実施形態では、充電ユニットの
エネルギー変換効率を利用して内部抵抗を検出するステップにおいて、第1の2次充電電流値から第2の2次充電電流値への移行時の1次電流変化が決定される。本発明のこのような実施形態により、極めて少ない測定パラメータのみに基づいて供給ネットワークの内部抵抗を検出することが可能となる。このようにして、測定エラーに基づいて内部抵抗が誤って決定される可能性が広範囲に減じられる。
【0015】
本発明の他の実施形態によれば、第1の2次充電電流値を検出するステップおよび/または第2の2次充電電流値を印可するステップで決定するステップにおいて、1次インタフェースにおける電圧をローパスフィルタ処理することができる。本発明のこのような実施形態は、測定時の電流および/または電圧の短期的な変動が目立たない程度に留まり、供給ネットワークの内部抵抗が誤って決定される可能性が著しく減じられるという利点をもたらす。
【0016】
さらに、本発明の一実施形態では、第1充電電流値よりも大きい第2の2次充電電流値を印可することも可能である。この場合、特に充電電流値1から2次側のより高い充電電流値2への移行時に1次インタフェースで検出された電圧変化および/または電流変化から、決定するステップにおいて内部抵抗が決定可能となるように、第1充電電流値に対して第2充電電流値を選択してもよい。内部抵抗は、エラーがない場合の供給ネットワークの所定の内部抵抗よりも小さいはずである。
【0017】
本発明のこのような実施形態は、供給ネットワークの内部抵抗を特に正確に決定することが可能となるという利点を提供する。特に、第1充電電流値に関連して第2充電電流値を選択することにより、1次インタフェースにおいて、(エラー発生時の)それぞれの電流変化および/またはそれぞれの電圧変化が十分に大きくなり、これにより供給ネットワークの小さい内部抵抗値を十分に正確に分解することができる。
【0018】
本発明の別の一実施形態によれば、第1の第2充電電流値を設定するための所定時間後に第2の2次充電電流値の設定を行うことができる。例えば、2次インタフェースに第1充電電流値を印可した後に1ミリ秒から100ミリ秒までの時間内に第2充電電流値を得ることができる。本発明のこのような実施形態は、例えば、バッテリ温度の上昇およびこれに伴う供給ネットワークの内部抵抗の変化などの供給ネットワークパラメータの変化をできるだけ少なく抑えられるという利点をもたらす。
【0019】
決定するステップで、内部抵抗がルックアックテーブルを使用して決定され、および/または検出するステップで、1次インタフェースにおける電流および/または電流変化がルックアップテーブルを使用して決定される本発明の実施形態は、技術的に極めて簡単に実施することができる。本発明のこのような実施形態では、数値的または回路技術的に時間がかかり、エネルギーを消費する数学的な操作を省略することができる。
【0020】
さらに、本発明の一実施形態によれば、第1の2次電流の設定時に検出するステップ、第2の2次電流の設定時に検出するステップを時間的前後して複数回実施することができ、それぞれの部分ステップに応じて内部抵抗計算を行うことができる。内部抵抗計算により、最終的には、保存されている部分的結果から、数学的アルゴリズム(平均値算出;異常値の破棄など)にしたがって最終的な内部抵抗の決定が行われるか、または内部抵抗計算は、保存された部分ステップの1次電流および1次電圧の生データ値から直接に、数学的アルゴリズム(平均値算出;異常値の破棄など)にしたがって行われる。本発明のこのような実施形態は、供給ネットワークの内部抵抗を決定する場合に、例えば長い車両停止時間後の予期しない故障または特殊現象を排除することができるという利点をもたらす。
【0021】
本発明の一実施形態は、車両の人保護装置、特にこの装置の電子制御器に静的にエネルギーを供給するための供給ネットワークの誤作動について知らせるためのエラー報告を出力するための方法として、特に有利であり、方法は、次のステップ:
ここで説明したいずれか1つの実施形態による方法のステップ;および
内部抵抗が抵抗閾値に対して所定の関係にある場合にエラー報告を提供するステップを含む。
【0022】
本発明のこのような実施形態は、内部抵抗が所定の基準または抵抗閾値に対して所定の関係を満たした場合、例えば供給ネットワークの内部抵抗が抵抗閾値よりも大きい場合に、早期に警告が出されるという利点をもたらす。このようにして、例えば、供給ネットワークのコネクタまたは接触部の電気接続の特性が劣悪であり、例えば「グラウンドシフト」により点火回路が短絡した場合のロバスト性低下、または人保護手段(エアバッグ、シートベルト・テンショナーなどの装置)の冗長的な作動特性の低下などのように、おそらく人保護装置の電子制御器の機能を供給ネットワークによりもはや正しく実施できないことを推論することができる。
【0023】
車両の人保護装置にエネルギーを供給するための供給ネットワークの内部抵抗を検出する装置としての本発明の実施形態も好ましい。この場合、この装置の電子制御器は充電ユニットを含み、充電ユニットは1次インタフェースによって供給ネットワークに接続されており、2次インタフェースによってエネルギー蓄積器に接続されており、エネルギー蓄積器は、例えば衝突時に人保護装置に自給するためのエネルギーを蓄積し、人保護装置(ここでは電子制御器)が供給ネットワークから分離された後に、人保護装置の人保護手段の作動エネルギーを供給する。装置は、次の特徴:
2次インタフェースにゼロ(電流なし)を含む第1充電電流値を印加するためのユニット;
印加時に1次インタフェースにおける電流および/または電圧を検出するためのユニット;
2次インタフェースに第1充電電流値とは異なる第2充電電流値を印加するためのユニット;
第2の2次充電電流値の印加時に1次インタフェースにおける電流および/または電圧を検出するためのユニット、および
検出された電流、または印可された2次電流値の検出から物理的関係に基づいて検出された1次電流、もしくは設計に依存したずれに対する1次電流の変化および/または第1の2次電流値を印加するステップで検出された電圧を使用して、さらに検出された電流、または印可された2次電流値の検出から物理的関係に基づいて検出された1次電流、もしくは設計に依存したずれに対する1次電流の変化および/または第2の2次電流値を印可するステップで検出された電圧を使用して、供給ネットワークの内部抵抗を決定するためのユニットを備える。
【0024】
したがって、ここで説明した提案により、ここで説明した方法の実施形態のステップを適宜な装置で実施もしくは実行するために形成された装置がさらに得られる。装置の形式の本発明のこれらの実施形態によっても、本発明の基礎をなす課題を迅速かつ効率的に解決することができる。
【0025】
本明細書では、装置は、センサ信号を処理し、センサ信号の関数として制御信号および/またはデータ信号を出力する電気機器(人保護装置の電子制御器)として理解することができる。この装置は、ハードウェアおよび/またはソフトウェア用に形成されたインタフェースを備えていてもよい。ハードウェア用に形成されている場合、インタフェースは、例えば、装置の種々異なる機能を含む、いわゆる「システムASIC」の一部であってもよい。しかしながら、インタフェースが、固有の集積回路であるか、または少なくとも部分的に個々の構成部材からなることも可能である。ソフトウェア用に形成されている場合には、インタフェースは、例えば他のソフトウェアモジュールと共にマイクロコントローラに設けられたソフトウェアモジュールであってもよい。
【0026】
機械読取可能な担体、例えば半導体メモリ、ハードディスクメモリ、または光学メモリに記憶しておくことができ、プログラム製品がコンピュータまたは装置で実施される場合に上記いずれかの実施形態にしたがって方法を実施するために使用されるプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品も有利である。したがって、本発明の一実施形態によれば、プログラム製品が装置で実施される場合に、ここで説明したいずれかの実施形態にしたがって方法を実施するためのプログラムコードを備えるコンピュータプログラム製品も得られる。
【0027】
次に添付の図面に基づいて上記提案を詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次の本発明の好ましい実施形態の説明では、異なる図面に示した同様に作用する要素については、同様または類似の符号を用い、これらの要素については繰り返し説明しない。
【0030】
本発明の一態様は、例えば、(車両の供給ネットワーク、ここでは人保護装置の安全に関連した供給ネットワークとしての)車載ネットワーク(部分ネットワーク)の高すぎる電源内部抵抗を検出することにより、(例えば、中実プラスチックケーシング、カーボンシャーシなどの場合のように)特に冗長的な電源接続のないシステムにおいて、サービスもしくはメンテナンスのために意図的に自動車修理工場を訪れることを強制し、安全性に関連する影響を排除する可能性を得ることである。この場合、一般に、腐食しやすい接地接続部は主要なエラー源である。
【0031】
例えば、車両エアバッグ電源の危険な(すなわち、高すぎる)内部抵抗を検出することにより、システムエラーに対するシステムのロバスト性を高めることができる。特にエアバッグ電源の高すぎる接地抵抗が点火回路における短絡に及ぼすネガティブな影響が防止される(点火ピルによる故障電流)。これにより、消費電力の高い大きいエアバッグシステム、特に組み込み式の安全ユニットのロバスト性を、冗長的な電源経路を必要とすることなしに、点火回路における分路に関して今日の小さいエアバッグシステムの水準に至らせることができる。
【0032】
エアバッグシステムは、例えば、特に接地の冗長的な電源接続を省略することができる。これにより、ケーシングの構造について利点が得られる(例えば、中実プラスチック、またはカーボンなどからなるシャーシにおいて差込み接続を介した接地接続の使用)。同様に、(エネルギー蓄積器ではなく)車両バッテリにより拘束手段を作動(点火)するためのバックアップ構造が有効であるかどうかが正しい時点で検出される。
【0033】
図1は、車両105の供給ネットワーク100の例示的な回路図を示す。この供給ネットワーク100は、人保護ユニット130のエネルギー蓄積器120の充電ユニット110、例えば人保護装置の一部である電子制御器に接続されている。この場合、充電ユニット110(ここではエアバッグ‐(制御器)‐電源ASICの一部として構成されている)は、接続点AおよびBを備える1次インタフェース135を介して供給ネットワーク100に接続されている。さらに充電ユニット110は2次インタフェース140によって、充電ユニット110と共に共通のプリント配線板PCBに配置されたエネルギー蓄積器120に接続されている。このプリント配線板PCBは、フロアパン145に配置されていてもよい。供給ネットワーク100は、バッテリBAT(例えば車両バッテリである蓄電池)を所定電圧に充電するためのジェネレータG、ジェネレータ内部抵抗RG、およびジェネレータ調整器GRを備える。
【0034】
図1は、ここで説明した提案によって、いずれの車載ネットワーク内部抵抗を決定することが望ましいかについての概略図を示す。制御器もしくは充電ユニット110のプラス接続部Aと接地接続部Bとの間の全ての抵抗の合計が決定される。換言すれば、1次インタフェース135における供給ネットワーク100の内部抵抗が決定される。この内部抵抗は、接続点Aと接続点Bとの間の全ての抵抗の合計を含む。したがって、特に測定経路150に沿って決定されるべき内部抵抗は、抵抗:
R1: 制御器のコネクタ(プラス電源)からエアバッグ‐(制御器)‐切換回路‐電源までのPCBにおける全てのRのΣ(例えばトラッキング抵抗など)
R2:プリント配線板に対する差込み接続部UBATの全ての接触抵抗のΣ(例えば差込み接触部;圧入接触部)
R3:バッテリ‐プラス接続部からエアバッグの制御器UBAT+コネクタピンまでのケーブルUBAT接続の全てのCu抵抗のΣ
R4:リード線の安全装置の全ての抵抗のΣ
R5:バッテリとのUBAT−+接続における全ての接触抵抗のΣ(点火ロック;接続ヒューズなど)
R6/RG:(R6が有効)車両バッテリの内部抵抗(エンジンが停止している場合、ジェネレータは停止状態)またはジェネレータのRG内部抵抗(エンジンが作動している場合、ジェネレータは作動している)
R7:バッテリ/ジェネレータ‐接地接続部とシャーシとの境界抵抗
R8:シャーシ内部抵抗
R9:車両‐シャーシと制御器‐フロアパネルとの境界抵抗
R10:制御器‐フロアパネルからPCB‐接地接続部への全ての接触抵抗のΣ
R11:PCB‐接地接続部から電源切換回路の接地‐電源までの全てのRのΣ(例えばトラッキング、抵抗など)
を含む。
【0035】
このように、抵抗の全ての変化が検出される。実際には、特に接触抵抗は、(例えば車両のシャーシに対する接地接続部のように)特に極めて腐食しやすいエラー源である。
【0036】
図2は、本発明の実施例において使用するための充填ユニット110を備えるエネルギー供給回路200の回路図を示す。充電ユニット110は、2次インタフェース140を介して、略語ERによって表すこともできるエネルギー蓄積器120に接続されている。1次インタフェース135は
図2の左側に示されている。純粋な電圧測定(UB)は、ローパスフィルタMux+ADCによって行われる。テーブルにより保存することのできない複雑な関係が1次電流と2次電流との間にあり、純粋な電圧測定UBの他に1次電流測定が不可欠な場合には、1次供給ラインにシャントが挿入され、別の電圧測定路が同一の第2ローパスフィルタによってADCの第2のMUX経路に案内される。この場合、エネルギー供給回路200は、例えば、PSI基準に対応してセンサのインタフェース電源のために不可欠なシステム電圧VASを生成するための調整可能な降圧コンバータ(Dnコンバータ)、調整可能な最適なエネルギー蓄積のために高い電圧レベル(VUP=20B・・・50V)を供給するための昇圧コンバータ(Upコンバータ)、エネルギー蓄積器、少なくとも1つの加速度センサA_センサ、マイクロコントローラμC、SPIインタフェースSPIなどの複数のユニットを含む。この場合、エネルギー供給回路は一般的にηxの
エネルギー変換効率を示す(例えば昇圧コンバータの場合にはη_up、VAS降圧コンバータの場合にはη_dnなど)。
【0037】
さらに、充電ユニット110は、他のASIC関数ブロック、例えば中央のマルチプレクサ+ADCが接続されたASIC内部バス210を介して、SPIインタフェース(直列周辺インタフェース)245に接続されている。
【0038】
さらに、類似の測定値(信号)、特にエネルギー蓄積器電圧、および随意に充電ユニットの充電電流がマルチプレクサ+ADC(240)に伝送される。
【0039】
供給ネットワーク100から供給された電気エネルギーは、極性反転保護ダイオードD1を介して、昇圧コンバータおよび昇圧コンバータの外部構成要素、例えばL1およびD2、充電ユニット110、および並行してVAS降圧コンバータに供給することができる。同様に、供給ネットワークからは、制御器の接続部UBによって人保護手段を作動するための冗長的な供給経路が分岐していてもよい。
【0040】
制御器とエネルギー供給部200との接続部UBは、接続されたマルチプレクサ+ADC240を介して、例えば接続点Aと接地電位Bとの間のキャパシタンスを有する抵抗‐電圧分配器によって形成された(エアバッグ制御器のシステムASICに完全に、または部分的に組み込まれた)ローパスフィルタ220によって供給電圧UBを検出する。これにより、μCのSPIコマンドに応じてASIC内部バス210およびSPIインタフェースを介して、μCにUB電圧測定値を伝送することができる。
【0041】
随意に、マルチプレクサの他の入力測定経路によって、ダイオードD1の前後に直列にUB/VZPラインに接続される低抵抗シャントを介して差電圧測定を実施することもでき、したがって差電圧測定により直接に供給電流を決定することができる。供給電圧UB、および随意に測定される入力電流の測定により、μCにおける時間積分によって消費電力もしくは消費エネルギーを直接に決定することができる。
【0042】
随意の電流測定が行われなくても、所要電流がVAS降圧コンバータを介して一定に保持されることが制御器の構成により確保されている限りは、昇圧コンバータの
エネルギー変換効率η_upによる充電ユニット110の電流出力の変化から1次消費電力の変化を決定することができる。これにより、最終的に供給ネットワークによる消費電力の変化を決定することができる。
【0043】
このために、充電ユニット110は、例えば、異なる充電電流値(IER)を異なる時点で2次インタフェース140に印可することができるようにプログラム可能または制御可能である。すなわち、充電ユニット110は、2次インタフェース140を介して異なる大きさの電流がエネルギー蓄積器120に流れ込み、したがって充電速度が上昇または下降するように制御される。例えば、2次インタフェース140におけるこの電流充電特性のプログラミングまたは制御は、μCのI/Oと並行に接続された複数のプログラミング接続部250を介して行われるか、または充電ユニットに伝送されるμCSPIコマンドを介して、または充電ユニットへのμCの他のそれぞれの形式のコマンド伝達によって行われる。2次インタフェースのこれらの異なる充電電流値IERは、D1に対するUBリード線の1次インタフェースにおいても、異なる時点で異なる電流IBATおよび/または電圧UBAT(ローパスフィルタ処理されたアナログ測定経路135を介して監視した)が生じることによりもたらされる。
【0044】
電源内部抵抗Rを検出するために、入力電流I1{IBAT(t1)}および入力電流I2{IBAT(t2)}の場合に、時間的に互いに近接する時点t1およびt2で、1次インタフェース135においてエアバッグ制御器の供給電圧測定が行われることが望ましい。入力電流I1,I2の差は、関連する抵抗(0.5・・・1.5)Ωが分解可能であるような大きさに選択される。分解限界は、エアバッグシステムでは≦100mΩである。
【0045】
車載ネットワークにおける干渉電圧、負荷変動などから測定を保護するために、このような干渉電圧、負荷変動などはフィルタ処理される。この場合、ローパスフィルタ220の他に、例えば数回(≧3)の素早い測定反復、これに伴う測定前後の入力電圧のチェックが挙げられる。
【0046】
さらに、長い車両停止時間後の予期しない故障または特殊現象を除外するためには、複数回の始動プロセスにわたってエラーをフィルタ処理することが適切である。
【0047】
本発明の第1実施例によれば、供給ネットワークの内部抵抗を極めて好ましく検出することができる。エアバッグ制御器は、極性反転に対して保護された車両電圧VZP(5・・・20)Vから調整された出力電圧VUP(20・・・50)V、例えば33Vを生成するための昇圧コンバータを有し、一方では降圧コンバータを介して、調整された出力電圧VAS(6・・・8)V、例えば6.7Vを供給し、必要なシステム電圧(5V;3.3V;1.2V・・・など)を低損失によりさらに生成し、他方では、VUPからERを充電するための入力/出力切換可能なエネルギー蓄積‐充電電流調整器を有しており、既知の解決基盤を形成している。
【0048】
ここで説明した提案は、電源端子に完全に新しい測定装置を設けることなしに、
図1に対応して電源内部抵抗Rを検出するための要求を満たす選択可能な新しいエネルギー蓄積‐充電電流値によって、ハードウェア領域においてこの解決基盤を補う。
【0049】
すなわち、エネルギー蓄積‐充電電流調整器(すなわち、充電ユニット110)は、停止(充電電流値ゼロ)のために少なくとも2つの異なる充電電流調整値を選択することができるように構成されている。第1の値は、エネルギー蓄積器120、すなわちERを正常に充電するために用いられ、第2の(例えば、より大きい)値は、短期的な2次的な(より迅速な)エネルギー蓄積器充電を行う他に、内部抵抗測定のための電流値12を調節するためのエアバッグ供給電流を最初に上昇させるために用いられる。
【0050】
さらなる最適化のためには、充電電流調整器110の調整電流値を所定の増分でプログラムし、これにより、異なる要求に対して最適に調整することができる。
【0051】
昇圧コンバータの入力と出力との間には次に関係:
A) Pout = η x Pin -> P_vup = η _up x P_vzp
が成り立ち、
VUPは昇圧コンバータ出力電圧、
VZPは昇圧コンバータ入力電圧、
P_vupは昇圧コンバータ出力電力、
P_vzpは昇圧コンバータ入力電力、
η_upはコンバータの
エネルギー変換効率である。
【0052】
1次近似ではこの
エネルギー変換効率は一定である。しかしながら、実際のシステムでは、
エネルギー変換効率は入力電圧および出力電圧の関数である。
【0053】
エアバッグ制御器を使用した場合には、実質的な電圧との関連性を考慮すれば十分である。電圧との関連性は、特に小さい入力電圧VZP=5V・・・8Vの場合に著しく、より大きい電圧VZP>8Vの場合にはこの関係は小さくなる。
【0054】
エアバッグを使用した場合には、関係A)をさらに詳述し、最大で8VZP範囲から最小で3VZP範囲までの区分により、極めて良好または良好に近似することができる。
【0055】
8VZP範囲への区分は:
A1)
P_vup = η_up (5.5V .. 6.0V) x P_vzp; 例えばη_up (5.5V) = 0.7
P_vup = η_up (6.0V .. 6.5V) x P_vzp 例えば η_up (6.0V) = 0.75
P_vup = η_up (6.5V .. 7.0V) x P_vzp 例えばη_up (6.5V) = 0.8
P_vup = η_up (7.0V .. 8.0V) x P_vzp 例えばη_up (7.0V) = 0.825
P_vup = η_up (8.0V .. 9.0V) x P_vzp 例えばη_up (8.0V) = 0.85
P_vup = η_up (9.0V .. 10.0V) x P_vzp 例えばη_up (9.0V) = 0.875
P_vup = η_up (10.0V .. 12.0V) x P_vzp 例えばη_up (10V) = 0.9
P_vup = η_up (≧12.0V) x P_vzp z.B.η_up (6.5V) = 0.9125
となり、
3VZP範囲への区分は:
A2)
P_vup =η_up (5.5V ... 7.0V) x P_vzp; 例えばη_up (6.0V) = 0.75
P_vup =η_up (7.0V ... 9.0V) x P_vzp; 例えば η_up (8.0V) = 0.85
P_vup =η_up (≧9.0V) x P_vzp; 例えば η_up (10V) = 0.9
となる。
【0056】
電源内部抵抗Rを決定するためのER充電電流値を定義する場合には、次のことに注意されたい:
1次インタフェース135において範囲0・・・(24・・・30V)で供給電圧を測定するために、例えば10bitADC(すなわち、
図2のADC)を使用することにより、桁毎にδUBAT_ADC=(23.4・・・29.3)mVの供給電圧分解能を達成することができる。これによりδRBAT=δUBAT_ADC/δIBATの内部抵抗分解となる。
【0057】
δRBAT≦100mΩが要求される場合には、A3)δIBAT=δUBAT_ADC/δRBAT(≦100mΩ)/は不可欠である。δIBATは、UBAT測定の所定の電圧分解能において要求された電源内部抵抗を分解するために不可欠なI1からI2への電流変化δIBAT=|(I2−I1)|である。
【0058】
δUBAT_ADC = 25mVおよびδRBAT=100mQの場合:
δIBAT = 25mV / 10OmQ = 0.25A
が成り立つ。
【0059】
これにより、内部抵抗Rの内部抵抗測定のための2次インタフェース140を介して、エネルギー蓄積器ERの新しい充電電流調整値を決定することができる。
【0060】
測定のためにエアバッグ制御器もしくはエネルギー供給回路200の供給電流の増大を意図的に開始するためには、エネルギー蓄積‐充電電流回路100を利用することがシステム全体のために最も有意義であり、極めて安価である。これにより、既存の装置110は改良され(コスト)、増大した消費エネルギーは、エネルギー蓄積器充電ために用いられる。
【0061】
制御器全体に使用される昇圧コンバータ関係A)は、次の関係をもたらす:
B) p_ubat = p1 +p2 +p3 +p4 = p1 + p2 + (VUP x lup_dn)/ η_up + (VUP x IER) / η_up
p1は、極性反転保護ダイオードD1の出力損失であり、
p2は、制御器によって補助機能のために第1に必要とされるUBATまたはVZPによる全ての消費の合計である(例えば、UBAT、VZPなどに対するプルアップ抵抗による測定装置135の分配器横流、参照電流、通信電流)。一般に、この出力は小さく、特に変動は無視することができる。
【0062】
p3=VZP*IBAT3=(VUP×lup_dn)/η_upは、それぞれの作動時にエアバッグシステムの機能性を保持するためにVAS降圧コンバータに引き渡されることが望ましい出力を表す。エアバッグ機能は、測定時には拡張されることはなく、したがってp3は一定であると仮定することができる。
【0063】
p4=VZP*IBAT4=(VUP×IER)/η_upは、所定の充電電流を達成するために、エネルギー蓄積器の充電時に付加的にエアバッグ制御器の入力部に供給されることが望ましい出力を表す。
【0064】
電流IERが0からIER_TESTに変更された場合には、VZP、ひいてはUBATの電流はB1)δIBAT=VUP×IER_TEST/(η_up×VZPだけ増大する。
【0065】
内部抵抗測定時点で車載ネットワーク電圧が、例えばUBAT=16.5V、昇圧コンバータ−出力電圧VUP=33Vの場合には、極性反転保護された電圧VZP(ショットキ・ダイオードを使用した場合)は、Ud=0.5VだけUBATよりも低い。
【0066】
B1)およびA2)→B2)IER_TEST=δIBAT×[η_up×(UBAT−Ud)]/VUP→例えば、IER_TEST=0.25A×0.9×16V/33V=0.11Aとなる。
【0067】
IER_TEST=120mAの選択によって、他の許容差を含めて、エアバッグ制御器の入力電流を少なくとも要求された値だけ上昇させ、例えば≦100mΩの車載ネットワーク電源の所定の内部抵抗分解能を得ることができる。
【0068】
他の要求がある場合には、上述の関係に対応して、エネルギー蓄積器に不可欠な充電電流ステップを見つけることができる。
【0069】
次に、車載ネットワーク内部抵抗を決定するための例示的な測定プロセスを説明する。この測定プロセスは、充電ユニット110の例示的な制御プログラムとして理解することができる:
1)制御器もしくは充電ユニット110は、INIT位相にある(測定ループRAMカウンタは、制御器を始動するために再設定される(=0に設定される)
2)測定ループRAMカウンタ(MS−RAM‐カウンタ)の検査(測定が評価できない場合には連続して3回まで測定実施を強制的に行う)
MS‐RAM‐カウンタ=MS‐RAM‐カウンタ+1≦3か?
「はい」の場合には測定を実施し、「いいえ」の場合には測定を中断し、
FLASHもしくはEEPROM固定値蓄積器のエラーカウンタ「車載ネットワーク内部抵抗Rは高すぎる」を変更しない;エラーカウンタ「車載ネットワーク内部抵抗Rは高すぎる」の検査によるプログラムをステップ(21)で継続する。
【0070】
3)VERの妥当性;エネルギー蓄積器を検査したが、完全に充電されていない
VER(t0)≦25Vか?
「はい」の場合には、測定を開始する→4)
「いいえ」の場合には中断する→21)
4)準備:LIN/K‐ライン通信の設定
全ての点火回路測定値の設定
全ての外部センサが停止されている
5)エネルギー蓄積器の充電電流調整器をスイッチオフする(lup_ER(t1)=0)
6)安定した比率を設定するための待機時間
7)昇圧コンバータ‐出力電圧VUP(t2)の測定
8)安定した入力電流(初期値)を設定するための待機時間
9)エアバッグ‐供給電圧UBAT(t3)の測定
10)エネルギー蓄積器の充電電流調整器をスイッチオン/プログラミングする
(IER(t4)=IER_TEST)
11)安定したより高い入力電流を設定するための待機時間
12)エアバッグ供給電圧UBAT(t5)の測定
13)エネルギー蓄積器の充電電流調整器をスイッチオフする(lup_ER(t6)=0)
14)安定したより低い入力電流(初期値)を設定するための待機時間
15)エアバッグ‐供給電圧UBAT(t7)の測定
16)妥当性評価 測定時の供給電圧の恒常性
UBAT(t7)=UBAT(t3)+/−(0・・・2LSB)か?
「はい」の場合には(Y)、「いいえ」の場合には(N)
(N)電圧障害が生じており、測定を実施することはできない→中止して2)へ進む
(Y)電圧障害は生じていない→次のプログラムステップ17)へ進む。
【0071】
17)妥当性評価 供給電圧の電圧差
UBAT(t3)−UBAT(t5)>2LSBか?
「はい」の場合には(YY)、「いいえ」の場合には(NN)
(NN)測定は極めて良好であるか、または評価できない→中止して2)へ進む
(YY)測定は評価可能である→次のプログラムステップ18)へ進む
18)車載ネットワーク抵抗Rを検査し、エラーカウンタを調整する
データ(固定値)‐メモリ(FLASH;EEPROMなど)から内部抵抗誤差限界を読み込む、例えば1Ω:
誤差限界(抵抗閾値)を超えていないかどうかを検査する:
R=[UBAT(t3)−UBAT(t5)]/δIBAT≦1Ωか?
「はい」の場合には(YYY);「いいえ」の場合には(NNN)
(NNN)車載ネットワーク内部抵抗は高すぎる→19)へ進む。
内部抵抗検査時の手続き:
B2)にしたがって
R = [UBAT(t3) - UBAT(t5)] / [(IER_TEST x VUP) / {(UBAT(t5)-Ud) x η_up}]
R = [UBAT(t3) - UBAT(t5)] x {(UBAT(t5)-Ud) x η_up(i)} / (IER_TEST VUP)
入力値UBAT(t5)によって、記憶された(データ(固定値)‐メモリ)
エネルギー変換効率表からη_up(i)を取り出す(A2参照):
例えば、5.9 V < UBAT(t5) ≦ 7.4V の場合 → η_up(I) = 0.75
7.4 V < UBAT(t5) ≦9.4V の場合→ η_up(II) = 0.85
9.4V < UBAT(t5) の場合 → η_up(III) = 0.9
例:
VUP=33V; IER_TEST=120mA; Ud=0.5Vの場合;
UBAT(t5) - UBAT(t3) =0.4V; UBAT(t5)=9V となる:
R= 0.4V x (9V-0.5V) x 0.85 / 0.12A x 33V
R= 2.89V2 / 3.96AV =0.73 Ω ≦1Ω!
YYY)エアバック電源のための車両の車載ネットワーク内部抵抗が正常である→次のプログラムステップ20)へ進む。
【0072】
19)FLASH/EEPROM‐エラーカウンタ「車載ネットワーク内部抵抗が高すぎる」を1段階だけ増大し(高すぎるので)、ステップ21でプログラムを継続する
20)FLASH/EEPROM‐エラーカウンタ「車載ネットワーク内部抵抗が高すぎる」を1段階だけ低減し(高すぎないので)(≧1の場合)、他には何もせず、ステップ21でプログラムを継続する
21)FLASH/EEPROM‐エラーカウンタを検査する
エラーカウンタ「車載ネットワーク内部抵抗≧1Ω≧10か?
「はい」の場合には(YYYY);「いいえ」の場合には(NNNN)
(NNNN)警告ランプの状態変化はなく、フィルタ処理された高い車載内部抵抗は生じていない→23)へ進む
22)(YYYY)フィルタ処理された高い車載内部抵抗が生じている。
エアバッグの警告ランプをアクティブ(On)に設定し、23)へ進む
23)測定プログラム「車載ネットワーク内部抵抗が高すぎる」終了
他のプログラムを継続する
解決方法1a)エラーカウンタを様々に増大または低減することができる。
【0073】
図3の線図には、図示の電圧または電流の時間波形に基づいて、車載ネットワーク内部抵抗を測定するために不可欠な信号の正確な信号波形が示されている。供給開始後の初期には、システムはエネルギー蓄積器の充填位相にあり、例えばIER=60mAである。時点t0ではER電圧VERを検査し、内部抵抗を測定するためにまだ充電電流を取り込むことができることを確認する。時点t1では、エネルギー蓄積器の充電が停止され、これにより、VERはもはや上昇せず、最終的な内部抵抗で供給電圧が上昇する。制御器は最低の供給電流を取り込む。制御目的で、時点t2または別の適切な時点で、昇圧コンバータの出力電圧を測定することができる(調整されているので、原則的には変更することはできない)。その後に、入力電流IBAT(t3)が低い時点t3のバッテリ電圧UBATが測定される。時点t4では、ER充電電流調整器が高い値、例えばIER(t4)=120mAに設定される(プログラム)される。これにより、制御器の供給電流は所定の強さで上昇する。これに対して、バッテリ電圧は、最終的な内部抵抗で低下する。時点t5でUBATが測定される。
【0074】
UBAT(t3)とUBAT(t5)との差から内部抵抗を推定することができる(例えば、μCに記憶されたテーブルは、それぞれの測定値UBAT(t5)について、UBAT(t3)−UBAT(t5)のための限界値を規定する)。測定の終了時にはER充電電流調整器を再び停止し(IER=0mA)、測定時の妨害を検査する。UBAT(t7)=UBAT(t3)である場合には妨害の示唆はない(時間t7−t3は小さく保持されることが望ましい)。
【0075】
この場合、線図には、次の値により車載ネットワーク内部抵抗を測定するための例が示されている:VER(t0)<25Vが測定される。例示的により使用された設計によれば、VAS降圧コンバータのVUP入力時におけるVAS=6.7Vおよびη_dn=0.9から100mAのエアバッグ‐供給電流のために電流I_up_dn=22.5mAが必要とされる。外部センサはまだ作動していない。さらにERの充電のために、ここでは60mAがVUPから取り出される。したがって、VUPにおける総電流負荷は、IVTP(t0)=60mA+22.5mA=82.5mAである。VUPにこの電流を印加するためには、UBAT(t0)=12V、IBAT(t0)=33V*82.5mA/0.9*(12V−0.5V))=263mAバッテリ電流が不可欠である。
【0076】
IER(t1)=ER充電電流が60mAから0mAに切り換えられる。VUP(t2)=33VおよびUBAT(t3)=12.2Vが測定される。VUPの電流はVASのエアバッグ供給電流のみをカバーし、IVUP(t3)=I_up_dn=22.5mAであり、このために、バッテリ側IBAT(t3)=33V*I_up_dn=22.5mA/0.9*(12.2V−0.5V))=71mAが不可欠である(測定は不可欠ではなく、固定オフセット値のみが必要である)。さらに、設計によるη_up=0.9およびショットキ−極性反転保護ダイオードからのUd=0.5Vが有効である。IER(t4)=ER_充電電流は、第2充電電流値として0mAから120mAに切り換えられる。IER(t5)=120mA-車載内部抵抗Rのためのテスト電流である。UBAT(t5)=11.8Vが(例えば、ローパスフィルタ回路を介して1次インタフェース135で)測定される。
【0077】
IBAT(t5) = 33V*142.5mA/(0.9*11.8V-0.5V)) = 463mA
≒ IBAT(t3)+33V*120mA/(0.9*11.8V-0.5V)
測定により決定されたUBAT(t3)−UBAT(t5)=0.4V、およびER充電電流の変化(120mA)およびテーブル、またはUBATラインのシャントによる電流測定により決定されたIBAT(t3)−IBAT(t5)=0.4Aによって、車載ネットワーク内部抵抗R=1Ωを決定することができる。
【0078】
IER(t6)=ER充電電流は0mAに切り換えられ、したがってERは充電されない。妥当性評価として、UBAT(t3)=UBAT(t7)であるかどうかを検査してもよい。
【0079】
図4は、本発明の別の実施例で使用するためのエネルギー供給回路200の回路図を示す。昇圧コンバータ(Up-コンバータ)の下流側には、制御器供給(外部センサ装置+内部事前供給)のための出力接続部VASを備える降圧コンバータ(Dn‐コンバータ)が接続されている。
【0080】
昇圧コンバータの下流側には、同様にエネルギー蓄積器ERのための充電ユニットが接続されている。この充電ユニット110は、並列の制御ライン250または直列インタフェース245を介して制御することができる。
【0081】
図2および
図4では、エアバッグ制御器において、適切な調整によって車載ネットワーク内部抵抗の監視要求を満たすことができる領域が特にマークされている。変化は、ER充電電流調整器110および1次インタフェース135におけるバッテリ電圧検出に集中する。充電電流調整器110は、プログラム可能および制御可能に構成されており、1次側(UBAT)で、内部抵抗Rを測定するために十分な電流変化を引き起こすことができる新しい調整電流レベルを得ることが望ましい。
【0082】
さらに、ADCにおけるローパスフィルタ220による適切なUBAT電圧監視が行われ(1次インタフェース135)、車載ネットワーク内部抵抗Rに基づく供給電流変化によって生じた供給電圧変化を検出する(620)。
【0083】
図5は、適切なER充電電流源もしくはエネルギー供給回路200の詳細な回路図を示す。直列インタフェース(例えばSPI)または並列インタフェースを介して、エアバッグシステム‐コントローラは、異なる調整電流レベルを設定することができる。これらの調整電流レベルは、エネルギー蓄積器ERを充電するために用いられる。
【0084】
標準エアバッグシステムのためには、一般に制御ラインのみを介して調整器110がスイッチオン・オフされる電流レベルで十分である。内部抵抗Rを測定するためには、これよりも著しく高い充電調整電流値が設定される。これらの電流値は、一般にERを完全に充電するためには役立たない(消費電力、電力損失が高すぎる)。
【0085】
より多くの制御ラインまたは完全なプログラミング可能性によって、車載ネットワーク100の内部抵抗Rを測定するために、ER充電調整電流が一時的に高い値に設定される。これは、
図5に示すように、調整器参照電圧の変更によって生じる。より高い参照電圧は、2次インタフェース140におけるより高い調整電流をもたらす。
【0086】
代替的な解決案によれば、内部抵抗Rを検査する場合に、際立った劣悪化なしに、上記提案では手間のかかる数学(割り算、掛け算)を(ルックアップ)テーブルに置き換えることができる。
【0087】
したがって、検査時の手続きは次のように変更される:
【数1】
【0088】
プログラムステップ18)の検査は、δUBATの検査のみからなり、δUBATがテーブルの値よりも小さいことがUBAT(t5)により決定された場合には、検査は20)で継続され、そうでない場合には19)へ進む。
【0089】
本発明の別の実施例が以下の説明から明らかである。エラー検出の特性を著しく損なうことなしに、テーブルを縮小することができる:
【数2】
【0090】
電源内部抵抗を検出するために、入力電流I1{IBAT(t1)}および入力電流I2{IBAT(t2)}におけるエアバッグ‐制御器供給電圧の測定は、互いに時間的に近接して行われることが望ましい。入力電流11,12の差は、関連する抵抗(0.5・・・1.5)Ωが分解可能である大きさとなるように選択されていることが望ましい。分解限界は、エアバッグシステムでは≦100mΩであることが望ましい。車載ネットワーク100における干渉電圧、負荷変動などから測定値を保護するためには、測定値を適切にフィルタ処理することが望ましい。これには、ローパスフィルタ220の他に、測定を複数回(≧3)素早く繰り返し、測定の前後に入力電圧を制御することが含まれる。
【0091】
さらに、長い車両停止時間後の予期しない故障または特殊現象を排除するためには、複数回の始動プロセスにわたってエラーをフィルタ処理することが適切である。
【0092】
エアバッグ制御器は、極性反転保護された車両電圧VZP(5・・・20)Vから調整された出力電圧VUP(20・・・50)Vを生成する昇圧コンバータを有し、一方では、降圧コンバータを介して、調整された出力電圧VAS(6・・・8)V、例えば6.7Vを供給し、必要なシステム電圧(5V;3.3V;1.2V・・・など)を低損失によりさらに生成し、外部センサの供給を行い、他方では、ERをほぼVUPに充電するための入力/出力切換可能なエネルギー蓄積‐充電調整器を有しており、既知の解決基盤を形成している。
【0093】
図6は、エネルギー供給のための供給ネットワークの内部抵抗を検出する方法における方法600の実施例のフロー図を示す。
【0094】
方法は、2次インタフェース140に第1充電電流値を印加するステップ610を含む。さらに方法は、適切な測定回路135によってエネルギー蓄積器(ER)との2次インタフェース140に第1の2次充電電流値を印可するステップ610において、1次インタフェース(制御器の供給ユニットとのUBインタフェース)における電流および/または電圧を検出するもしくは決定するステップ620を含む。方法600は、第1の2次充電電流値とは異なる第2の2次充電電流値をエネルギー蓄積器(ER)との2次インタフェース140に印加するステップ630、および適切な測定回路によって1次インタフェース(UB)における電流および/または電圧を新たに検出もしくは決定するステップ640も含む。
【0095】
さらに、方法は、印加するステップ610において検出もしくは決定された電流および/または検出された電圧、および印加するステップ630で検出もしくは決定された電流および/または検出された電圧を使用して、または2次充電電流値2と2次充電電流値1との間で確認された電流差、コンバータ特性(
エネルギー変換効率)、および測定された1次電圧の選択基準に基づいて、付属テーブルにより1次インタフェースにおける電流変化を決定することによって、供給ネットワーク100の内部抵抗Rを決定するステップ650を含む。
【0096】
換言すれば、
図6には、エネルギー供給のための供給ネットワークの内部抵抗を検出する方法における方法600の実施例のフロー図が示されている。人保護装置は充電ユニットを含み、充電ユニットは、1次インタフェースによって供給ネットワークに接続されており、2次インタフェースによって、人保護装置の人保護手段を作動するためのエネルギーを蓄積し、供給ネットワークからの分離後に人保護装置に供給するエネルギー蓄積器120に接続されている。方法600は、2次インタフェースに第1充電電流値を印可するステップ610を有する。さらに方法は、印加するステップ610において1次インタフェースにおける第1電流および/または第1電圧を検出するステップ620を有する。さらに方法600は、第1充電電流値とは異なる第2充電電流値を2次インタフェースに印可するステップ630を含む。さらに、方法600は、印加するステップにおいて1次インタフェースにおける第2電流および/または第2電圧を決定するステップ640を含む。最後に、方法600は、第1電流および第2電流および/または第1電圧および第2電圧を使用して供給ネットワークの内部抵抗を検出するステップ650を含む。
【0097】
図面に示し説明した実施例は、例示的にのみ選択されている。種々異なる実施例を互いに完全に組み合わせることもできるし、または個々の特徴に関して互いに組み合わせることもできる。1つの実施例を別の実施例の特徴によって補足してもよい。
【0098】
さらに、上述の方法ステップを繰り返してもよいし、説明した順序とは異なる順序で実施してもよい。
【0099】
実施例が第1の特徴と第2の特徴との間に「および/または」の接続を含む場合には、この実施例は、一実施形態によれば第1の特徴および第2の特徴を有し、別の実施形態によれば、第1の特徴のみ、または第2の特徴のみを有すると読みとられるべきである。