特許第6548669号(P6548669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6548669
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】ポリウレタンスコーチ抑制剤
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/00 20060101AFI20190711BHJP
   C08G 101/00 20060101ALN20190711BHJP
【FI】
   C08G18/00 L
   C08G101:00
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-564234(P2016-564234)
(86)(22)【出願日】2015年5月5日
(65)【公表番号】特表2017-516889(P2017-516889A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】US2015026808
(87)【国際公開番号】WO2015167856
(87)【国際公開日】20151105
【審査請求日】2017年11月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】513077173
【氏名又は名称】ヴァンダービルト ケミカルズ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100154335
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】デマッサ、ジョン ディー
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−302180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタンフォーム組成物のスコーチを抑制するための添加剤組成物であって、前記添加剤が、
5〜15重量%のヒドロキノン誘導体と、
10〜20重量%のラクトン誘導体と、
70〜80重量%のフェノール系化合物誘導体と
を含み、ジフェニルアミンを実質的に含まない、添加剤組成物。
【請求項2】
前記ヒドロキノン誘導体を10重量%含む、請求項1に記載の添加剤組成物。
【請求項3】
前記ヒドロキノン誘導体が、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノンであり、
前記ラクトン誘導体が、
【化1】
(式中、RおよびRは、H、F、Cl、Br、I、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルコキシ基、C〜C20フェナルキル、およびフェニル基からなる群から独立して選択され、qは1から20の間の正の整数であり、tは0から20の間の正の整数であり、但しq+tは3以上である)であり、
前記フェノール系化合物誘導体が、(a)イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートまたは(b)3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのC−13〜C−15アルコールエステルの混合物である、請求項1に記載の添加剤組成物。
【請求項4】
スコーチ抑制剤添加剤組成物約0.001〜5pbwを含むポリウレタンフォーム組成物であって、前記添加剤組成物が、全添加剤の重量で、
5〜15重量%のヒドロキノン誘導体と、
10〜20重量%のラクトン誘導体と、
70〜80重量%のフェノール系化合物誘導体と
を含み、ジフェニルアミンを実質的に含まない、添加剤組成物。
【請求項5】
前記添加剤組成物が0.2〜3.5pbwで存在する、請求項4に記載のポリウレタンフォーム組成物。
【請求項6】
前記添加剤組成物が0.2〜0.5pbwで存在する、請求項4に記載のポリウレタンフォーム組成物。
【請求項7】
前記添加剤組成物が、
前記ヒドロキノン誘導体を10重量%含む、請求項4に記載のポリウレタンフォーム組成物。
【請求項8】
前記ヒドロキノン誘導体が、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノンであり、
前記ラクトン誘導体が、
【化2】
(式中、RおよびRは、H、F、Cl、Br、I、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルコキシ基、C〜C20フェナルキル、およびフェニル基からなる群から独立して選択され、qは1から20の間の正の整数であり、tは0から20の間の正の整数であり、但しq+tは3以上である)であり、
前記フェノール系化合物誘導体が、(a)イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートまたは(b)3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートのC−13〜C−15アルコールエステルの混合物である、請求項4に記載のポリウレタンフォーム組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコーチを抑制する、ポリウレタンフォームへの添加剤に関する。
【0002】
ポリウレタンスラブストックフォームの生成は、強烈な発熱反応を伴う。長時間の反応後熱曝露により、生成フォームブロックの中心に黒ずみとして現れる化学変化がもたらされ、スコーチとして定義される。
【0003】
望ましくないスコーチを抑制するために、製造業者らは、一般にスコーチ抑制剤と称されてきた酸化防止剤ブレンドを添加する。スコーチ抑制剤は、複雑な犠牲反応を介して、熱的に誘起された黒ずみによる損傷を与える影響を低減するように作用する。したがって、スコーチ抑制剤は、製品損失を最小化するのに効果的である。
【背景技術】
【0004】
ポリウレタンスコーチの概要
ポリウレタンスラブストックフォームの製造中に、強烈な発熱反応が観測され、内部の変色がもたらされる(脚注1参照)。これはポリオールとジイソシアネートの縮合(ゲル)反応および「ブロー反応」の結果であると、一般的に理解される(脚注2参照)。
【0005】
【化1】
研究者らは、ポリウレタンフォームマトリックス中で生成された成分部分に対応する反応熱を測定し、それぞれウレタンでは約24kcal/モルであり、尿素では約47kcal/モルであった。目視によれば、非放散熱により、生成フォームブロックの中心にスコーチとして知られている黒ずんだ黄色の変色が生じる。研究者らは、複雑な遊離基反応がスコーチ過程を誘起することを示してきた(脚注3参照)。
【0006】
劣化の影響は、間接的に測定されており、ポリエーテルポリオール配合物成分の、分子鎖切断および酸化が示されている(脚注4参照)。
【0007】
本発明などの配合は、PURフォームの分子鎖切断および一般的な化学変化を減らすために使用されてきた。
環境因子およびフォームの変色
窒素酸化物により誘起されたPURフォームの変色
ポリウレタンフォーム製造業者らは、他のPURフォームの劣化現象を懸念している(脚注5参照)。典型的には、熱、光、光酸化、およびNO煙霧(主に、一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO))により、フォーム表面に黄色または桃色の色合いがもたらされる(式3)(脚注6参照)。
【0008】
【化2】
窒素酸化物煙霧に関しては、変色は、倉庫における高いNO濃度に密接に関連づけられている。季節の影響が、文献において説明されてきた。より温度の低い月には、換気の悪い倉庫では、プロパンを動力源とするフォークリフトおよびガス燃焼炉から生じる、より高濃度のNO煙霧が蓄積される傾向がある(脚注7参照)。この影響はよく理解されている。
【0009】
TompkinsおよびSmithは、一酸化炭素、喫煙者らからの副流煙、新しい製品からの化学的排ガス、および排気煙霧などの複数の逸散が倉庫において集積されることを説明している(脚注8参照)。より温度の高い月には、工場の操業および自動車の排気からの大気中の高濃度のNOによって、変色が誘起される(脚注9参照)。より温度の高い月では、NO煙霧濃度およびその化学に影響を及ぼす追加的な因子が特徴となる。
【0010】
いくつかの大気の研究によれば、NOは、酸素および水蒸気と反応し続けて、大気中で生じた硝酸エアロゾルになる(脚注10参照)。見かけ上、硝酸は、高湿度条件で水和物の形態で存在する。
【0011】
一つの研究は、低湿度条件と比べて、高湿度条件において、ガラス繊維上の硝酸粒子の量が非常に増加したことを示した(脚注11参照)。したがって、NO煙霧が濃い倉庫雰囲気では、酸性のエアロゾルが生成する可能性がある。NO煙霧の化学は複雑であるが、フォームの成分および色に対するその大きな影響は、広く認められている(脚注12参照)、(脚注13参照)。
【0012】
本発明により、他の既知の酸化防止剤のスコーチ抑制剤と比較して、倉庫で保管されたPURフォームで共通して観測される変色作用が低減される。
蛍光灯およびUVにより誘起されたPURフォームの変色
いくつかの関連する研究が実施され、光酸化作用から生じる着色に、PURがどのように寄与すると考えられるかについての提言がなされた(脚注14参照)。Chandraは、短波長(<340nm)照射により、ウレタン結合が破壊され、芳香環と再結合して、遊離のNHを生じる、光−フリース機構が促進されることを報告している。より長い波長では、着色化学種はヒドロペルオキシド反応から誘起される。NoackおよびSchwetlickによれば、観測された黄色化は、芳香環の曝露されたアミノ官能基が酸化された結果である(式4)。
【0013】
【化3】
MDI系ポリウレタンは、水素原子抽出次いで過酸化物生成による、キノン化学種への2段階経路を同様に経る(脚注15参照)。フォーム組成物の他の成分は、場合によっては着色に寄与する可能性がある。例えば、BHTおよびアルキル化ジフェニルアミンは、窒素酸化物に曝露されると、着色したキノン化合物を生成することが報告されてきた(図19)(脚注1参照)。
【0014】
本発明は、図3に示された変化を遅らせる、または本発明自体が、他の酸化防止剤のスコーチ抑制剤と比較して、光酸化により誘起される着色体への寄与が少ない。
ポリウレタンフォームからのFOGおよびVOC放出
屋内(家、乗り物、作業場)の空気の質に関して、世界中で懸念され続けており、したがって、法的要求は潜在的に有害な揮発性物質を標的している。全ての添加剤供給業者を含むポリウレタンフォーム業界は、不適合な製品を減らすか、排除する戦略方向へ向かってきた。
【0015】
自動車内装について、プラスチック、ゴム、およびポリウレタンの材料での全ての揮発性含量を測定するための特定の試験が開発されてきた。ドイツ自動車工業会(the German Automotive Association)によって設定された、現在受け入れられている方法は、熱脱着GC分析を用いて、自動車内装材の揮発性有機物質含量(VOC)および曇り可能性(fogging potential)を測定するVDA278である(脚注16参照)。
【0016】
この方法は、n−C20までの範囲の揮発性有機化合物(90℃、30分間で試料から脱着された)、およびn−C16からn−C32までの準揮発性の重い化合物(FOG値)(120℃、60分間で試料から脱着された)を測定する。次いで、報告された値を、製品規格と比較して、それに従って合格または不合格とする。重量計測法もまた、存在する有機液体の揮発性を調べるスクリーニングツールとして用いるために使用されてきた(脚注17参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第2758119号
【特許文献2】米国特許第4209648号
【特許文献3】米国特許第7390912号
【特許文献4】米国特許第7601853号
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0135792号
【特許文献6】US7,390,912B2
【特許文献7】US5219892
【特許文献8】米国特許第5356966号
【特許文献9】米国特許第7247658号
【特許文献10】米国特許第7601853B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、ポリウレタンフォームの製造で使用するための、液体ブレンド添加剤組成物であって、添加剤が、
A:ヒドロキノン誘導体、
B:ラクトン誘導体、および
C:フェノール系化合物誘導体
を含む、液体ブレンド添加剤組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
ヒドロキノン誘導体(A)成分は、以下の化合物、
ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン(DTBHQ)、t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、2−メチル−5−イソプロピルヒドロキノン、および好ましい化合物である2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン(DTAHQ)と、
参照によって本明細書に組み込まれた米国特許第2758119号に記載されたアルキル化ヒドロキノンモノグリシジルエーテルと、
参照によって本明細書に組み込まれた米国特許第4209648号に掲げられたモノオクチル化ヒドロキノンと、
参照によって本明細書に組み込まれた米国特許第4209648号に記載されたように、ヒドロキノン、ならびにノネンおよび2,4,4−トリメチル−1−ペンテンからなる群から選択されたオレフィンを含む組み合わせを、65℃〜オレフィンの沸点未満温度の温度で、フリーデル・クラフツ触媒の存在下で反応させることによって調製されたヒドロキノン生成物であって、オレフィン対ヒドロキノンのモル比が、オレフィンがノネンの場合には1:1〜10:1であり、オレフィンが2,4,4−トリメチル−1−ペンテンの場合には1.5:1〜3:1である、ヒドロキノン生成物と、
上記の任意の組み合わせ
から選択される。
【0020】
ラクトン化合物誘導体(B)成分は、全て参照によって本明細書に組み込まれた、米国特許第7390912号および第7601853号、および米国特許出願公開第2006/0135792号において開示された、ラクトン安定剤またはそのブレンドから選択され、好ましくは、Milliguard(登録商標)AOX−1として既知である、商業上入手可能な生成物である。
【0021】
これらのラクトン安定剤は、一般的に、ポリ(オキシアルキレン)鎖(1つまたは複数)置換3−アリールベンゾフラノン、またはポリ(カプロラクトン)鎖(1つまたは複数)置換3−アリールベンゾフラノンなどの、ポリマー系またはオリゴマー系のラクトン酸化防止剤であると説明されている。
【0022】
ポリマー系のラクトン化合物として説明されている、特に好ましいラクトンは、US7390912に開示されている。
【0023】
【化4】
式中、RおよびRは、H、F、Cl、Br、I、C〜C20アルキル、C〜C20シクロアルキル、C〜C20アルコキシ基、C〜C20フェナルキル、およびフェニル基からなる群から独立して選択され、qは1から20の間の正の整数であり、tは0から20の間の正の整数であり、但しq+tは3以上である。
【0024】
フェノール系化合物誘導体(C)は一般に、4位に、ヘテロ原子O、N、S、およびPの組み合わせを場合により有する、脂肪族、芳香族、または脂肪族−芳香族の部分で置換された(2,6−ジ−tert−ブチル)フェノール、ならびにその混合物を含む。
【0025】
この類の代表的な特定の例として、それらに限定されないが、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ノニルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが挙げられる。
【0026】
固体または液体の形態を有する多くの他のフェノール系は、組成物において混合することができ、または単独で使用することができ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチル−フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖において直鎖または分枝のノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニル−フェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチル−フェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸と、一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と、一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ−ニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとのエステル、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル酢酸と、一価アルコールまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンとのエステル、β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N,N’−ビス[2−(3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニロキシ)エチル]オキサミド(Uniroyalによって供給されるNaugard(登録商標)XL−1)およびその混合物が含まれる。
【0027】
好ましい化合物は、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよび3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のC−13〜C−15アルコールエステルの混合物である。
【0028】
スコーチ抑制剤配合物の好ましい範囲には、配合物の重量パーセントで、
A群ヒドロキノン約1〜25%、好ましくは約5〜15%、
B群Milliguard(登録商標)AOX−1などのラクトン約5〜25%、好ましくは約5〜15%、
C群フェノール系約70〜90%、好ましくは約75〜85%が含まれる。
【0029】
ポリウレタンフォーム内の配合物の好ましい範囲は、約0.001〜5pbwであり、より好ましくは約0.2〜3.5pbwであり、最も好ましくは約0.2〜0.5pbwである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
例示的なスコーチ抑制剤配合物、実施例1は、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン(A群)約10%と、ラクトン類(B群)のブレンドであると考えられ、Milliguard(登録商標)AOX−1として既知である、商業上入手可能なポリマー系またはオリゴマー系のラクトン生成物約10%と、イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(C群)約80%を含む。本明細書で示された全ての割合は、重量パーセントである。
【0031】
典型的なフォームの製法を示す(表1、フォームA)。以下の実施例のいくつかにおいて、非難燃性配合もまた、先行技術に対して新規のブレンドの有効性を示すために使用されることになる(表1、フォームB)。
【0032】
【表1】
以下に試験手順を説明する。
【0033】
比較の「ベンチマーク」に対して新規のブレンドの特性を評価するために、フォームを異なる酸化防止剤パッケージで調製した。
【0034】
スコーチ特性は、ケーキボックス寸法のフォームをマイクロ波加熱することによって評価した。ボックスフォーム(box foam)を、8分間、または日常で求められる条件として湿度に応じて時にはより長く、もしくはより短くマイクロ波加熱した(電子レンジ:General Electric家庭用電子レンジ、型番JE1860GB 001、KW:1.55、VAC/HZ:120/60、電子レンジの30%出力で8分)。
【0035】
オーブン内で短い硬化サイクル(2分)後に作製されたフォームを室温まで冷却させた後、内部のスコーチ領域を調べた。各検体からフォームの小片を切り取り、変色を評価した。電子レンジで加熱されたフォームのスコーチ領域における黒ずみの程度を定量的に評価した。Technidyne Corp.のBrightimeter Micro S4Mを用いて、デルタE値を集めた。
【実施例】
【0036】
本発明のブレンドは、ポリウレタンフォーム配合物(表1)中で調べた。
【0037】
試験には、新規のブレンドの特性をベンチマークテストする、3つの商業上入手可能な生成物との比較を含んだ(表2)。
【0038】
実施例C3は、本発明のスコーチ抑制剤の成分Bに対応し、供給業者らによって記載されたUS7,390,912B2においてポリマー系またはオリゴマー系のラクトン酸化防止剤として特徴づけられ、Milliken Chemicalから入手可能なMilliguard(登録商標)AOX−1として既知である、商業上入手可能なブレンドである。
【0039】
実施例C4は、US5219892に記載され、Vanderbilt Chemicals、LLCから入手可能であるVANOX(登録商標)液体スコーチ抑制剤であり、アルキル化ジフェニルアミンおよび1種のアルキル化フェノール系化合物を含み、特に(a)テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート)]メタン、および(b)アミン対ジイソブチレンのモル比が1:1.1〜1:2.5である、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物を含む。安定剤組成物は、第3の相乗効果成分、フェノチアジンまたはフェノチアジンのある種のアルキル誘導体を含むことができる。
【0040】
実施例C5は、Ciba Specialty Chemicalsによって入手可能な、Irgastab(登録商標)PUR68で既知である製品であり、その製品は、米国特許第5356966号の教示に従うと考えられ、恐らくラクトン誘導体および他の酸化防止剤を含んでいるが、正確な組成は分からない。
【0041】
実施例C6は、フェノール誘導体イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(80%)およびMilliguard(登録商標)AOX−1ラクトン(実施例C3)(20%)からなる。比較のブレンドは、米国特許第7247658号で教示された成分に近い比率に従う(実施例4)。
【0042】
実施例C7は、フェノール誘導体イソ−オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(9%)、アミン対ジイソブチレンのモル比が1:1.1〜1:2.5である、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物(14%)、Milliguard(登録商標)AOX−1として既知である、商業上入手可能なポリマー系またはオリゴマー系のラクトン生成物(34%)、およびSongsorb(登録商標)3260、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(43%)(Songwonによって製造され、Vanderbilt Chemicals,LLCから入手可能)からなる。比較のブレンドは、米国特許第7601853B2号において教示された成分の比率に従う(追加のパッケージBB)。
【0043】
実施例8は、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン(10%)、およびMilliguard(登録商標)AOX−1として既知である商業上入手可能なポリマー系またはオリゴマー系のラクトン生成物(10%)、および3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のC−13〜C−15アルコールエステルの混合物(ANOX(登録商標)13−15(Addivant USA,LLC)、CAS:171090−93−0)を含む。
【0044】
以下の表2および表2Aに示すように、本発明のブレンド実施例1は、フォーム組成物において同等の充填濃度(0.2pbw)で、減少したdEの測定によって示されるように、ほとんど変色しなかった。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
最新の先行技術(US7,390,912B2)からの2つのラクトン組成物に対して本発明のブレンドを比較する別の回の試験は、本発明のブレンド(実施例1)は、スコーチをより劇的に低減する(表3)ことを示す。実施例C7は、フェノール系アルキル化ジフェニルアミン、ポリマー系ラクトン、およびベンゾトリアゾールの組み合わせであり、実施例1と異なり、混合して液体ブレンドを生成するのではなく、商業上の用途で非常に所望される特徴である液体を生成することをここに示す。
【0047】
【表4】
他のシリーズは、難燃剤の非存在下で、本発明の配合は、スコーチを低減し続けていることを示している。特に、本発明のブレンドの総重量は、現存の配合より少ないが、より軽度のスコーチを示す(表4)。
【0048】
【表5】
ガス退色研究
環境因子およびフォーム変色
窒素酸化物煙霧による影響に気付いているフォーム製造業者らは、今日、一般的に、その影響を軽減する新規製品を示す一方で、変色の問題を販売先に注意喚起する情報刊行物を出版している(脚注18参照)。
【0049】
PURフォームのNO煙霧への曝露を模擬実験するために、初めに、対象の材料が曝露される生成燃焼煙霧を取り込むための単純な実験器具を用いて、ガス退色として既知である試験を開発した(脚注19参照)。これについて、製造業者らは、試料の回転ラックと共に密閉容器内に配置されたブンゼンバーナーに取り付けた煙霧チャンバを提供し始めた。検体を取り込まれた燃焼ガス煙霧に一定の時間曝露する(脚注20参照)。本発明者らの評価において、検体をチャンバ内に置き、色度測定を用いて定期的に調べる。
【0050】
本研究において、先行技術の配合物(C7)に対して本発明のブレンドを比較するのに、2つの濃度レベルを調べた。より高濃度(3.5pbw)では、本発明のブレンドは、先行技術の配合物(dE=7.05)よりも有意により軽度の変色(dE=4.81)を示し、一方より低濃度(0.5pbw)では、先行技術に対して著しく有利であることがやはり示されている。特に、選択されたレベル(3.5pbw)は、C7が得られた特許において引用され、したがって実施例1に対する有用な比較として役立つ(表5)。
【0051】
【表6】
C4(フェノール系/ADPAブレンド)に対して実施例1を比較したガス退色評価および光退色研究
実施例1(本発明のブレンド)を、産業用配合物で一般に用いられる2つのレベルで、一般的なフェノール系/ADPAブレンドと比較した。さらに配合を、PURフォーム、表1でフォームAにおいて用いられた難燃剤で変更した。
【0052】
Fyrol(登録商標)HF−5およびHF−4の難燃剤は、それぞれ、ICL Industrial Productsから入手可能な、知的所有権下にあるリン酸エステルブレンドおよび非ハロゲンリン酸エステルである。データは、実測の間に示され、いくらか興味深い。本発明の配合は、難燃剤の種類に関係なく、試験期間の間(2時間)発色により寄与しないことが明らかとなった(表6)。
【0053】
【表7】
C4(フェノール系/ADPAブレンド)に対して実施例1を比較した光退色評価
最後に、フォーム小片を一般的な蛍光に曝露し、6日間観察した。本発明のブレンドは、ADPA/フェノール系ブレンド(C4)と比べられ、試験期間を通して、2つの選択された濃度においてより軽度の変色を示した(表7)。
【0054】
【表8】
成分対ブレンドの評価
本発明のブレンドが、その各成分について真の相乗効果を示すのを明らかにするために、スコーチ特性を実施例1の各成分について決定した。生成されたフォームについて、ガス退色研究も実施した(表8)。
【0055】
2つの器具を用いて、単純平均、およびブレンドの特定の成分濃度に基づく加重平均を含むブレンドの特性を評価した。個々の成分は、以下の、フェノール系誘導体PH−1(23.24)>ラクトン誘導体AOX−1(8.88)>ヒドロキノンHQ−1(4.14)のように、最も暗い内部から最も明るい内部までの、異なるレベルの特性を示した。それぞれが、ブレンドの最終的なスコーチ特性に等しく寄与すると仮定すると、予測されるdE値は
である。それぞれが、ブレンド組成物におけるその加重含量に応じて寄与すると仮定すると、予測される値は、
である。実際、ブレンドは、単純平均と加重平均の両方未満であり、したがって真の相乗効果を示す(dE=5.47)。煙霧チャンバの結果は、同様の傾向を示したが、恐らくより驚いたことに、変色が、期待された平均と比較して最も軽度であるだけでなく、全ての測定値未満であり(表8)、ブレンドの真の相乗効果が再度示された。
【0056】
【表9】
配合調整
ブレンドにおける成分の相対濃度を変化させ、評価した(表9)。この一連の実験において、ラクトン、ヒドロキノン、またはその両方のいずれかを増加させると、一般に、実施例1と比較して、スコーチ特性を改善すること(A〜C)が明らかになった。フェノール系を増加させ、ラクトンおよびヒドロキノンを減少させると、実施例1と比較して、スコーチ特性が低減すること(D)になる。しかし、ヒドロキノンの濃度を増加させた結果、ブレンドの調製後数日以内に沈殿が形成され、液体が不安定になった。成功する商品の1つの要件は、可能な限り長く液体を維持することであり、変更されたブレンドの中には、より不適合なものがあることを示唆する。
【0057】
【表10】
揮発性の考察
説明されたように、ポリウレタンフォームに存在する、成分の揮発性を低減することが望まれている。Gossnerらは、「先行技術より、ポリウレタンフォームは揮発性有機成分(VOC)を放出する可能性があることが既知であり、この放出は一般に望ましくない。これらの放出は、(検出可能)であり、…」と説明している21。本発明では、可能性として、化合物の揮発性を低減する、より高い分子量のアルキル化フェノール系化合物を使用するように調整することができる。これを示すために、より高い分子量のフェノール系を置換したこと、すなわち、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のC−13〜C−15アルコールエステルの混合物(ANOX(登録商標)13−15)以外は、実施例1と同じである実施例8を調製した。初めに、変更されたブレンド実施例8を、実施例1と同様に実施して観測した(表10)。
【0058】
【表11】
スコーチ抑制剤パッケージの使用者によって好まれるように、放出またはVOCを減らすように配合を調整することができる。調整された組成物実施例8は、実施例1と比較して、時間と共により低減された揮発性を示した。装入量の重量減少を時間に対して測定する熱重量分析(ASTM E2008)によれば、2つのブレンドにおいて有意な差が示された(表11)。期待されたように、試験中を通して、より分子量の高い成分は重量減少を小さくするのに役立つ(実施例1対実施例8を比較)。
【0059】
【表12】
試験結果を評価すると、以下のことが示される。
【0060】
実施例1ブレンドは、その単一の成分と比較した場合、同じ重量を基準にして、その成分よりもスコーチを大幅に低減し、真の相乗効果を示す。US7,390,912B2(実施例C3)で特定されたラクトン酸化防止剤は、このラクトンブレンドを用いた本発明の組成物(実施例1)と比較して、スコーチをより低減しない。本発明のブレンドの、他の酸化防止剤成分もまた、ブレンド(実施例1)と比較してスコーチをより低減しない。またさらに説明されるように、C3の評価で用いられたラクトンの試験された装入レベル(0.5pbw)は、実施例1のブレンドのラクトンレベル(0.05pbw)よりもさらにより高かった。C6およびC7などの先行技術C3に関する「ラクトン」特許類で開示された他のブレンドもまた、本発明のブレンドよりもよりスコーチを生じることが分かった。
【0061】
実施例C5は、その正確な配合物は製造業者らによって開示されていないが、商業上入手可能なラクトン組成物である。ここでも、本発明の配合物(実施例1)は、同じ充填レベルでスコーチをより起こさなかった。
【0062】
実施例1はまた、アルキル化ジフェニルアミン(実施例C4に存在する)およびその親原料であるジフェニルアミンを含まない。DPAは、多くの製品およびヨーロッパにおいて望ましくない(脚注23参照)。したがって、実施例1は、スコーチの低減を促進し、一方で健康上の懸念を減ずる。
【0063】
したがって、本発明はまた、ジフェニルアミンを含まない、またはジフェニルアミンを実質的に含まない、添加剤配合物を組み入れたポリウレタンフォームも含む。本発明の配合はまた、C4などのアルキル化ジフェニルアミンブレンドと比較して、NO煙霧および一般的な蛍光に曝露している間、発色をより起こさないように寄与する。
【0064】
実施例1により、本発明のブレンドが、いくつかの先行技術または商用の組成物よりもスコーチをより低減することが示されているが、様々な市場セクターで恐らく懸念されている揮発性を低減するように変更することができる。
脚注1:M.P.Ludaら、「Discoloration in fire retardant flexible polyurethane foams.Part I.Characterization」、Polymer Degradation and Stabilization、83 (2004)、215頁
脚注2:Brian Kaushiva、「Structure−Property Relationships Of Flexible Polyurethane Foams」、Ph.D.論文、Virginia Polytechnic Institute and State University、1999年、5頁(http://scholar.lib.vt.edu/theses/available/etd−083199−185156/unrestricted/KAUSHIVA1.PDF、アクセス7−6−11
脚注3:Y.Su、Wang Wan Jiang、「Thermal Stability of Poly(oxypropylene−ether) Polyol」、Thermochimica Acta、123 (1988)、221〜231頁
脚注4:J.DeMassa、「Polyol Stabilization and the Introduction of a New PUR Slabstock Foam Antioxidant」、Conference: Polyurethanes 2011年 Technical Conference
脚注5:J.DeMassa、「PTZ:A Troublesome Ingredient; Promising Solutions」、Polyurethane Foam Association、Spring Meeting 2012年
脚注6:Klempner、74頁
脚注7:John R.Richards、Control of Nitrogen Oxides Emissions、Student Manual、APTI Course 419、3〜4頁(2000)、「The leading contributors of anthropogenic NOX emissions are vehicles and electric generating units (EGUs)」
脚注8:James A.Tompkins、Jerry D.Smith、The Warehouse Management Handbook、Tompkins Press、第2版、399頁、1998年
脚注9:Foamex web publication、http://www.fxi.com/assets/pdf/Discoloration_Info.pdf、アクセス4−11−12
脚注10:Kobaraら、Aerosol and Air Quality Research、7巻、2号、194頁、2007年
脚注11:Jia L、Xu Y、「Characterization of condensed phase nitric acid particles formed in the gas phase」、J Environ Sci(中国)、23(3)、412頁、2011年
脚注12:「Flexible polyurethane foam inhibited from discoloring」、Bridgestone Corporation、米国特許出願公開第2006/0247325号(2006)
脚注13:「Additives for Polyurethanes」、http://www.mufong.com.tw/Ciba/ciba_guid/additives_polyurethane.pdf、18頁、アクセス4−18−12
脚注14:B.P.ThapliyalおよびR.Chandra、Prog.Polym.Sci.15巻、735〜750、1990年、738頁
脚注15:J.Gardetteら、Makromol.Chem.182(1981)、2723頁
脚注16:「Reduced VOC and Fog Emissions In Flame Retardant Automotive Foams」、Polyurethane Foam Association、2005 Fall Meeting 2005年10月6日、Francis Marion Hotel、Charleston、South Carolina
脚注17:ASTM E2008、「Standard Test Methods for Volatility Rate by Thermogravimetry」
脚注18:Foamex技術文書、http://fxi.com/assets/pdf/Discoloration_Info.pdf、アクセス1−29−15
脚注19:http://www.freepatentsonline.com/3988292.pdf
脚注20:装置:United States Testing Co., Inc、大気煙霧チャンバ、型番8727、通し番号13411、230ボルト、50サイクル、1相
脚注21:Matthaus Gossner、Peter Haas、Sven Meyer−Ahrens、Bert Klesczewski、「Process for production of flexible polyurethane foams with low emission」、US20100305228A1
脚注22:PFA Spring Meeting 2012年5月16〜17日、Baltimore Maryland、「PTZ:Troublesome Ingredient; Promising Solutions」
脚注23:http://grist.org/news/chemical−banned−in−europe−is−probably−on−your−apple/、アクセス4−25−12