【文献】
ソニック ヒーローズ,電撃PlayStation,日本,メディアワークス,2004年 2月13日,第10巻第6号,pp. 128-129
【文献】
アメリカン・アーケード AMERICAN ARCADE,電撃PlayStation,日本,メディアワークス,2000年 3月10日,第6巻第7号,p. 82
【文献】
ピンボール,週刊ファミ通,日本,株式会社エンターブレイン,2012年12月 6日,第27巻第51号,p. 183
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記プレイヤオブジェクト制御ステップにおいて前記移動速度を与える方向は、前記プレイヤオブジェクトの中心点から、一定の高さ範囲内の方向において、前記標的オブジェクトの中心点より上の該標的オブジェクト内の既定の位置に一番近い方向である、請求項1から8のいずれか1項に記載のプログラム。
プレイヤ入力を受け付ける電子装置において実行されるゲームのための方法であって、 仮想的な重力が設定されたゲームフィールド内を移動するプレイヤオブジェクト、該ゲームフィールド内に配置される衝突対象オブジェクト及び操作オブジェクトを含むゲーム用画面を表示する画面表示ステップと、
前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて前記仮想的な重力に従って落下する前記プレイヤオブジェクトを弾くことができるように前記ゲームフィールド内の下部領域内に配置された前記操作オブジェクトを動作させる操作オブジェクト制御ステップと、
前記仮想的な重力に基づいて前記プレイヤオブジェクトの移動速度を物理演算により決定する移動速度決定ステップと、
前記電子装置によって前記プレイヤオブジェクトが所定条件を満たすと判定され、かつ前記電子装置が前記プレイヤ入力を受け付けた場合、該プレイヤオブジェクトに対して、前記衝突対象オブジェクトのうちの1つである標的オブジェクトに向かう方向に更に移動速度を与えるプレイヤオブジェクト制御ステップと、を有し、
前記移動速度決定ステップは、前記電子装置によって前記プレイヤオブジェクトと前記操作オブジェクトが衝突したと判定されたとき、衝突したときの跳ね返りに関する物理演算を行うことにより該プレイヤオブジェクトの移動速度を決定し、
前記所定条件は、前記プレイヤオブジェクトが前記ゲームフィールドにおける所定位置よりも上側の前記操作オブジェクトから離れた領域内にあることを含む、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようなゲームでは、ボールに対するプレイヤの操作としては、仮想的な重力の影響下で落下するボールをフリッパーではじく以外にはなかった。したがって、例えば、仮想ゲーム空間においてフリッパーが届かない位置にボールが位置しているとき、プレイヤはボールに対して何も操作することができないため、ゲームの興趣性を下げる恐れがある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ゲームの興趣性を高めることが可能なプログラム等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様としてのプログラムは、プレイヤ入力を受け付ける電子装置において実行されるゲームのためのプログラムであって、該電子装置に、仮想的な重力が設定されたゲームフィールド内を移動するプレイヤオブジェクト、該ゲームフィールド内に配置される衝突対象オブジェクト及び操作オブジェクトを含むゲーム用画面を表示する画面表示ステップと、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて操作オブジェクトを動作させる操作オブジェクト制御ステップと、所定条件を満たす場合、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて、前記プレイヤオブジェクトに対して、前記衝突対象オブジェクトのうちの1つである標的オブジェクトに向かう方向に移動速度を与えるプレイヤオブジェクト制御ステップと、を実行させ、前記所定条件は、前記プレイヤオブジェクトが前記ゲームフィールド内の所定領域内にあることを含む、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明において好ましくは、前記電子装置は、タッチパネルを備え、プレイヤ入力として該タッチパネルに対するタッチを受け付けるものであり、前記操作オブジェクト制御ステップは、前記タッチパネルが検出したタッチに基づいて操作オブジェクトを動作させ、前記プレイヤオブジェクト制御ステップは、前記所定条件を満たす場合、前記タッチパネルが検出したタッチに基づいて、前記プレイヤオブジェクトに対して、前記移動速度を与える。
【0009】
また、本発明において好ましくは、前記操作オブジェクトは、1又は複数の打球オブジェクトであり、該打球オブジェクトの各々は、外側の一端部を中心として他端側を上下に変位するように構成され、前記操作オブジェクト制御ステップは、前記電子装置がプレイヤ入力を受け付けたとき、前記打球オブジェクトの各々の前記他端側を、前記電子装置がプレイヤ入力を受け付けていないときに比べて、上側の位置に変位させる。
【0010】
また、本発明において好ましくは、前記所定領域は、前記ゲームフィールド内における所定位置よりも上側の領域である。
【0011】
また、本発明において好ましくは、前記プレイヤオブジェクト制御ステップは、前記プレイヤオブジェクトに対して前記移動速度を与える前に、前記プレイヤオブジェクトの速度を減速させる。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記所定条件は、前記プレイヤオブジェクトが所定速度以下であることを更に含む。
【0013】
また、本発明において好ましくは、前記プレイヤオブジェクト制御ステップは、前記移動速度を与えられるか否かを示す速度付加可能フラグがオンであることに更に基づいて、前記プレイヤオブジェクトに対して、前記移動速度を与え、前記速度付加可能フラグをオフに設定するものであり、前記速度付加可能フラグは、オフに設定されてから少なくとも所定時間経過することによりオンとなるように構成される。
【0014】
また、本発明において好ましくは、前記プレイヤオブジェクト制御ステップは、前記電子装置がプレイヤ入力を受け付けたときの前記プレイヤオブジェクトに対する前記衝突対象オブジェクトの距離に基づいて、前記標的オブジェクトを決定するステップを含む。
【0015】
また、本発明において好ましくは、前記プレイヤオブジェクト制御ステップは、前記電子装置がプレイヤ入力を受け付けたときの前記プレイヤオブジェクトに対する前記衝突対象オブジェクトの距離及び前記衝突対象オブジェクトに設定された優先度情報に基づいて、前記標的オブジェクトを決定するステップを含む。
【0016】
また、本発明において好ましくは、前記プレイヤオブジェクト制御ステップにおいて前記移動速度を与える方向は、前記プレイヤオブジェクトの中心点から、一定の高さ範囲内の方向において、前記標的オブジェクトの中心点より上の該標的オブジェクト内の既定の位置に一番近い方向である。
【0017】
また、本発明において好ましくは、前記プレイヤオブジェクトは、所定のパラメータが設定され、前記プレイヤオブジェクト制御ステップは、前記移動速度を与えるとき、前記所定のパラメータに基づいて前記プレイヤオブジェクトに対して追加の効果を与える。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、本発明の一態様としての電子装置は、プレイヤ入力を受け付ける、ゲームを実行可能な電子装置であって、仮想的な重力が設定されたゲームフィールド内を移動するプレイヤオブジェクト、該ゲームフィールド内に配置される衝突対象オブジェクト及び操作オブジェクトを含むゲーム用画面を表示し、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて操作オブジェクトを動作させ、所定条件を満たす場合、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて、前記プレイヤオブジェクトに対して、前記衝突対象オブジェクトのうちの1つである標的オブジェクトに向かう方向に移動速度を与え、前記所定条件は、前記プレイヤオブジェクトが前記ゲームフィールド内の所定領域内にあることを含む、ことを特徴とする。
【0019】
また、上記の目的を達成するために、本発明の一態様としての方法は、プレイヤ入力を受け付ける電子装置において実行されるゲームのための方法であって、仮想的な重力が設定されたゲームフィールド内を移動するプレイヤオブジェクト、該ゲームフィールド内に配置される衝突対象オブジェクト及び操作オブジェクトを含むゲーム用画面を表示する画面表示ステップと、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて操作オブジェクトを動作させる操作オブジェクト制御ステップと、所定条件を満たす場合、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて、前記プレイヤオブジェクトに対して、前記衝突対象オブジェクトのうちの1つである標的オブジェクトに向かう方向に移動速度を与えるプレイヤオブジェクト制御ステップと、を有し、前記所定条件は、前記プレイヤオブジェクトが前記ゲームフィールド内の所定領域内にあることを含む、ことを特徴とする。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、本発明の一態様としてのシステムは、サーバとプレイヤ入力を受け付ける電子装置とを含む、ゲームを実行するためのシステムであって、仮想的な重力が設定されたゲームフィールド内を移動するプレイヤオブジェクト、該ゲームフィールド内に配置される衝突対象オブジェクト、及び操作オブジェクトを含むゲーム用画面を前記電子装置が表示し、前記サーバ又は前記電子装置が、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて操作オブジェクトを動作させ、前記サーバ又は前記電子装置が、所定条件を満たす場合、前記電子装置が受け付けたプレイヤ入力に基づいて、前記プレイヤオブジェクトに対して、前記衝突対象オブジェクトのうちの1つである標的オブジェクトに向かう方向に移動速度を与え、前記所定条件は、前記プレイヤオブジェクトが前記ゲームフィールド内の所定領域内にあることを含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ゲームの興趣性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるゲームシステム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
【0024】
ゲームシステム1は、ネットワークを介して複数の電子装置が接続されるシステムによって実現することができるが、一台の電子装置によっても実現することもできる。最初に一台の電子装置で実現する実施形態について説明し、その後、ネットワークに接続されたシステムで実現する実施形態について説明する。
【0025】
[電子装置により実現される実施形態]
図1は本発明の一実施形態による電子装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。電子装置10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14、及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、電子装置10はスマートフォンである。ただし、電子装置10は、上記の構成を備えるものであれば、タブレット型コンピュータ、タッチパッド等の接触型入力装置を備えるコンピュータなどの端末とすることができる。
【0026】
プロセッサ11は、電子装置10全体の動作を制御する。例えばプロセッサ11は、CPUである。なお、プロセッサ11としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11は、記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11は、複数のプロセッサから構成される。
【0027】
表示装置(ディスプレイ)12は、プロセッサ11の制御に従って、アプリケーション画面などを電子装置10のユーザ(プレイヤ)に表示する。好ましくは液晶ディスプレイであるが、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等であってもよい。
【0028】
入力装置13は、電子装置10に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態において電子装置10はスマートフォンであるため、電子装置10は入力装置13としてタッチパネルを備え、タッチパネルは表示装置12としても機能し、表示装置12と入力装置13は一体となった構造である。ただし、表示装置12と入力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であってもよい。
【0029】
記憶装置14は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるROMを含む、一般的なスマートフォンが備える記憶装置である。記憶装置14は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、ゲームアプリケーションを記憶する。ゲームアプリケーションは、ゲームを実行するためのゲームプログラムと該ゲームプログラム実行時に参照する各種データとを含む。ゲームプログラムは、電子装置10に対するユーザの操作に応じて起動され、電子装置10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。
【0030】
1つの例では、記憶装置14は、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。主記憶装置は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、プロセッサ11が情報を処理する際の記憶領域及び作業領域として用いられる。補助記憶装置は、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してプロセッサ11が使用するデータを格納する。補助記憶装置は、例えばハードディスク装置であるが、情報を格納できるものであればいかなる不揮発性ストレージ又は不揮発性メモリであってもよく、着脱可能なものであっても構わない。補助記憶装置は、例えば、オペレーティングシステム(OS)、ミドルウェア、アプリケーションプログラム、これらのプログラムの実行に伴って参照され得る各種データなどを格納する。
【0031】
通信装置15は、ネットワークを介してサーバなどの他のコンピュータとの間でデータの授受を行う。例えば通信装置15は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。1つの例では、電子装置10は、通信装置15によってプログラムをサーバからダウンロードして、記憶装置14に格納する。ただし、通信装置15は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。他のコンピュータとの間でデータの送受信を行わない場合、電子装置10は通信装置15を備えなくてもよい。
【0032】
図2は本発明の一実施形態による電子装置10の機能ブロック図の一例を示す。電子装置10は、入力部31、表示部32、及びゲーム制御部33を備える。ゲーム制御部33は、操作オブジェクト制御部34及びプレイヤオブジェクト制御部35を備える。本実施形態においては、プロセッサ11によりプログラムが実行されることによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14に記憶されている又は通信装置15を介して受信したゲームプログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。ただし、各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0033】
入力部31は、入力装置13を用いて構成されるものであり、電子装置10に対するユーザからの入力を受け付ける。電子装置10は、入力部31によりユーザ入力を受け付ける。本実施形態では、タッチパネルを備えるスマートフォンが一般的に有しているタッチ検出機能を用いることができる。
【0034】
表示部32は、ゲームフィールド50を含むゲーム用画面を表示装置12に表示し、ゲームの進行やユーザ操作に応じたゲーム用画面を表示する。ゲーム制御部33は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての基本制御を行う。
【0035】
図3は、ゲーム用画面の一例を示す図である。ゲーム制御部33は、ゲームの進行のための仮想空間としてゲームフィールド50を設定する。ゲームフィールド50内には、プレイヤオブジェクト51、衝突対象オブジェクト52、及び操作オブジェクト53が配置される。プレイヤオブジェクト51は、ゲームフィールド50内を移動するオブジェクトであり、衝突対象オブジェクト52及び操作オブジェクト53は、プレイヤオブジェクト51と衝突可能なオブジェクトである。本実施形態のゲームは、複数のゲームフィールド50を含み、ゲーム制御部33は、ゲームフィールド50ごとに、各オブジェクトを異なる位置に配置することができる。
図3は、1つのゲームフィールド50の例示である。
【0036】
ゲーム制御部33は、ゲームフィールド50に、仮想的な重力を設定する。仮想的な重力とは、現実世界の重力と同様の現象を仮想空間にて再現したものである。ゲーム制御部33は、仮想的な重力及び反発係数を含む力学的パラメータを用いた物理演算を行う。物理演算には、既知の物理エンジンを用いることができる。ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51、衝突対象オブジェクト52、及び操作オブジェクト53の各々について、質量、形状、反発係数などの力学的パラメータを設定する。これらのパラメータは、ゲーム管理者などにより予め定められる。
【0037】
図3に示すゲーム用画面は、タッチパネルの画面全体に表示される画面である。ゲームフィールド50は、仮想的な壁54で囲まれた仮想空間として構成される。ゲームフィールド50は、好ましくは、
図3に示すように、画面全体の大部分に表示される。タッチパネルは、縦軸方向及び横軸方向からなる座標平面を用いて、座標により位置が指定される。ゲーム制御部33は、座標を用いてゲームフィールド50内の位置を特定する。ゲーム制御部33は、ゲーム用画面の縦軸方向及び横軸方向の長さを所定の長さ、例えば1920ピクセル及び1080ピクセルに定め、タッチパネルのサイズや画面解像度に関わらず、ゲームフィールド50内の距離や位置を特定する際には該ピクセルの値を用いる。以下、特に言及が無い限り、「距離」は、1ピクセルの値を単位長とした長さで表すものとする。なおゲームフィールド50内の位置の特定は上記に限定されず、ゲーム制御部33は、異なるサイズや画面解像度のタッチパネル上のゲーム用画面の大きさに対応した大きさで表示されるゲームフィールド50内の位置を特定可能な既知の方法を用いることができる。
【0038】
本実施形態では、プレイヤオブジェクト51は、
図3に示すように、プレイヤキャラクタに対応するオブジェクトであるが、ピンボールゲームにおけるボールに相当するオブジェクトである。そのため、プレイヤオブジェクト51は、ボールと同様に移動することが可能なオブジェクトである。ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51が仮想的な重力に従って移動するように動作を制御し、プレイヤオブジェクト51は、仮想的な重力の影響を受けて重力方向に加速するものである。
【0039】
また、プレイヤオブジェクト51に対応付けられたプレイヤキャラクタは、プレイヤキャラクタ各々に対応するパラメータを有しており、該パラメータはゲーム管理者などにより予め設定される。例えばパラメータは、レベル、攻撃力、ヒットポイント、特殊能力などを含む。ただし、プレイヤオブジェクト51は、複数のキャラクタから構成されるオブジェクトとすることもできるし、単なるボールのオブジェクトとすることもできる。
【0040】
衝突対象オブジェクト52は、ゲームフィールド50に配置されるオブジェクトであり、プレイヤオブジェクト51の移動に影響を与えるオブジェクトである。1つの例では、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52に対して衝突判定を行う。衝突判定は、既知の方法を用いることができる。またゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52が衝突するとき、衝突したときの跳ね返り動作に関する物理演算を行い、プレイヤオブジェクト51の速度を決定する。
【0041】
また衝突対象オブジェクト52は、
図3に示すように、敵キャラクタに対応するオブジェクトである。衝突対象オブジェクト52に対応付けられた敵キャラクタは、プレイヤキャラクタと同様にして、敵キャラクタ各々に対応するパラメータを有しており、該パラメータはゲーム管理者などにより予め設定される。1つの例では、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52が衝突するとき、プレイヤオブジェクト51及び衝突対象オブジェクト52の少なくとも一方に、物理演算による効果とは異なる追加の効果を与える。例えば、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52が衝突するとき、プレイヤオブジェクト51に対応付けられたプレイヤキャラクタが衝突対象オブジェクト52に対応付けられた敵キャラクタにダメージを与えたと判定する。このとき、ゲーム制御部33は、衝突対象オブジェクト52に対応付けられた敵キャラクタのヒットポイントを減少させるなど、該敵キャラクタのパラメータを変化させる。
【0042】
1つの例では、衝突対象オブジェクト52は、仮想的な重力の影響を受けないオブジェクトである。この場合、ゲーム制御部33は、衝突対象オブジェクト52をゲーム性がより高くなる位置に継続的に配置することが可能となる。1つの例では、衝突対象オブジェクト52(敵キャラクタ)は、攻撃オブジェクト(図示せず)を発する。ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51が該攻撃オブジェクトと衝突するとき、プレイヤキャラクタはダメージを受けたと判定する。このとき、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51に対応付けられたプレイヤキャラクタのヒットポイントを減少させるなど、該プレイヤキャラクタのパラメータを変化させる。
【0043】
なお衝突対象オブジェクト52は、プレイヤオブジェクト51が衝突して、プレイヤオブジェクト51が衝突可能なものであればよい。例えば衝突対象オブジェクト52は、ゲームフィールド50内に配置されたブロック、障害物などのオブジェクトとすることもできるし、ゲームフィールド50内に配置された敵以外のキャラクタのオブジェクトとすることができる。また衝突対象オブジェクト52は、仮想的な重力の影響を受けるオブジェクトであってもよい。
【0044】
操作オブジェクト53は、ユーザにより操作されるオブジェクトであり、ピンボールゲームにおけるフリッパーに相当する打球オブジェクト53である。
図3に示すように、操作オブジェクト53は、一対の打球オブジェクト53である。一対の打球オブジェクト53は、外側の一端部53aを中心として他端側53bを上下に変位するように構成される。1つの例では、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51と打球オブジェクト53が衝突するとき、衝突したときの跳ね返り動作に関する物理演算を行い、プレイヤオブジェクト51の速度を決定する。好ましくは、ゲーム制御部33は、ユーザの操作性を考慮して、操作オブジェクト53からプレイヤオブジェクト51に対して加えられる力及び角度を補正する。なお、操作オブジェクト53は、1つの打球オブジェクト53としてもよいし、3以上の打球オブジェクト53としてもよい。
【0045】
操作オブジェクト制御部34は、タッチパネルが検出したタッチに基づいて操作オブジェクト53を動作させる。具体的には、タッチパネルがタッチを受け付けたとき、操作オブジェクト制御部34は、
図4に示すように、打球オブジェクト53の各々の他端側53bを、タッチパネルがタッチを検出していないときに比べて、上側の所定位置に変位させる。操作オブジェクト制御部34は、タッチパネルがタッチを受け付けている間は、打球オブジェクト53の他端側53bを所定位置に保持する。
図3に示す打球オブジェクト53は、タッチパネルがタッチを受け付けていない状態を示すものである。1つの例では、左側の打球オブジェクト53が、タッチパネルがタッチを受け付けて
図3から
図4の状態となるとき、操作オブジェクト制御部34は、他端側53bの先端が、一端部53aを中心として、所定距離又は所定角度反時計回りに変位するように制御する。1つの例では、操作オブジェクト制御部34は、タッチパネルによるタッチ受付時間が一定時間経過した場合、打球オブジェクト53の他端側53bを、
図3に示す元の位置に戻して保持する。
【0046】
プレイヤオブジェクト制御部35は、所定条件を満たす場合、タッチパネルが検出したタッチに基づいて、プレイヤオブジェクト51に対して、衝突対象オブジェクト52のうちの1つである標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。好適な1つの例では、プレイヤオブジェクト制御部35は、所定条件を満たす場合においてタッチパネルがタッチを検出した場合、プレイヤオブジェクト51に対して、標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。所定条件は、プレイヤオブジェクト51がゲームフィールド50内の所定領域内にあることである。例えば、所定領域は、
図5に示すゲームフィールド50内における所定位置よりも上側の斜線部の領域50aである。
【0047】
プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出したときのプレイヤオブジェクト51に対する衝突対象オブジェクト52の距離に基づいて、標的オブジェクトを決定し、決定された標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。好適な1つの例では、プレイヤオブジェクト制御部35は、所定条件を満たす場合、ゲームフィールド50内に配置されたすべての衝突対象オブジェクト52とプレイヤオブジェクト51との距離を算出する。その後、プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出したとき、プレイヤオブジェクト51に対する距離が最も小さい衝突対象オブジェクト52を、標的オブジェクト52として決定する。なお、プレイヤオブジェクト制御部35は、所定条件を満たさない場合、標的オブジェクト52を決定しない。その結果、プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に対して、移動速度を与えない。また、プレイヤオブジェクト制御部35は、所定条件を満たす場合、タッチパネルによるタッチの検出に関係無く、標的オブジェクト52を決定し続けるように構成してもよい。この場合、プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出した時点で決定した標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。
【0048】
図6は、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52の距離の一例を説明する図である。プレイヤオブジェクト51の中心点(中心点座標)をP1、衝突判定の半径をR1とし、衝突対象オブジェクト52の中心点をP2、衝突判定の半径をR2とする。このとき、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52の距離Rは、R=|P1−P2|−R1−R2で表される。
【0049】
プレイヤオブジェクト制御部35が移動速度を与える方向は、プレイヤオブジェクト51の中心点から、一定の高さ範囲内の方向において、標的オブジェクト52の中心点より上の該標的オブジェクト52内の既定の位置に一番近い方向である。
【0050】
図7は、プレイヤオブジェクト制御部35が移動速度を与える方向の一例を説明する図である。プレイヤオブジェクト51の中心点の位置をP1、衝突判定の半径をR1とし、標的オブジェクト52の中心点の位置をP2、衝突判定の半径をR2とする。また、標的オブジェクト52の中心点よりも既定距離r高い位置をP3とする。既定距離rは、例えばR2の70%の大きさに予め定められる。プレイヤオブジェクト制御部35が移動速度を与える方向は、P1からP2ではなく、P1からP3に対する方向である。
【0051】
図8は、プレイヤオブジェクト制御部35が移動速度を与える方向の一例を説明する図である。P1に対するP3の高さhが既定値hmaxよりも大きい場合、プレイヤオブジェクト制御部35が移動速度を与える方向は、P1からP4に対する方向である。P4は、横軸方向はP2と同じであって、縦軸方向はプレイヤオブジェクト51より既定値hmax高い位置である。既定値hmaxは、プレイヤオブジェクト制御部35が与えることが可能な移動速度の高さ成分の最大値であって、例えば50ピクセルに定められる。
【0052】
プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に対して移動速度を一度与えた場合、例えば、所定時間経過し、所定条件を満たし、及びタッチパネルがタッチを検出しなければ、プレイヤオブジェクト51に対して新たに移動速度を与えない。このように、プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出してプレイヤオブジェクト51に対して移動速度を一度与えた場合、当該検出されたタッチにより継続的に移動速度を与えるものではない。
【0053】
プレイヤオブジェクト制御部35が与える移動速度の大きさは一定である。移動速度を与えられたプレイヤオブジェクト51の速度は、移動速度を与えられる前の速度(ベクトル)と移動速度(ベクトル)とを合成したベクトル量となる。したがって、プレイヤオブジェクト制御部35は標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与えるが、プレイヤオブジェクト51は、標的オブジェクト52に衝突しない場合がある。例えばプレイヤオブジェクト51と標的オブジェクト52との距離が比較的大きい場合、プレイヤオブジェクト51は、プレイヤオブジェクト制御部35が与える移動速度によって、標的オブジェクト52に到達する前に仮想的な重力の影響を受けて落下する。
【0054】
プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に対して移動速度を与える前に、プレイヤオブジェクト51の速度を減速させる。プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51の速度に予め定められた定数をかけることにより減速させる。
【0055】
所定条件は、プレイヤオブジェクト51が所定速度以下であることを更に含む。1つの例では、所定条件は、プレイヤオブジェクト51が上昇する速さが所定値以下であることを更に含む。
【0056】
プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に移動速度を与えられるか否かを示す速度付加可能フラグを設定する。例えば、プレイヤオブジェクト制御部35は、記憶装置14内の速度付加可能フラグを格納する領域に、オフ状態のときは「0」を格納し、オン状態のときは「1」に格納することにより、速度付加可能フラグを設定する。プレイヤオブジェクト制御部35は、速度付加可能フラグがオンであることに更に基づいて、プレイヤオブジェクト51に対して、標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。すなわち、プレイヤオブジェクト制御部35は、速度付加可能フラグがオン状態であるときでなければ、移動速度を与えない。所定条件に、速度付加可能フラグがオン状態であることを含ませてもよい。速度付加可能フラグは、例えばオフ状態のときは「1」に、オン状態のときは「0」に設定されてもよい。
【0057】
速度付加可能フラグは、初期状態ではオン状態に設定されている。プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に対して移動速度を与えたとき、速度付加可能フラグをオフ状態に設定する。ゲーム制御部33は、所定時間経過すると速度付加可能フラグをオン状態に設定する。1つの例では、ゲーム制御部33は、ゲームフィールド50内で所定のイベントが発生した場合に速度付加可能フラグをオン状態に設定するように構成される。なお、速度付加可能フラグは、速度付加不可能フラグの概念を含むものである。速度付加不可能フラグの場合、プレイヤオブジェクト制御部35は、速度付加不可能フラグがオフであることに更に基づいて、プレイヤオブジェクト51に対して、標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。また、速度付加可能フラグは、フラグの代わりにゲージを用いることもでき、プレイヤオブジェクト制御部35は、ゲージの値を、速度付加可能フラグのオン状態及びオフ状態に対応させて用いることができる。なお経過時間は、例えばフレームレートと経過フレーム数から算出される。
【0058】
次に、本実施形態のゲームの一例を簡単に説明する。ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51として複数のプレイヤキャラクタから1つのプレイヤキャラクタをユーザに選択させる。プレイヤキャラクタは、レベル、攻撃力、ヒットポイント、特殊能力などのパラメータが設定されている。ゲーム制御部33は、1つのゲームフィールド50を含むゲーム画面をタッチパネルに表示する。ゲームフィールド50には、少なくともゲーム開始時に、プレイヤキャラクタに対応するプレイヤオブジェクト51、敵キャラクタに対応する衝突対象オブジェクト52、及び一対の打球オブジェクト53が配置される。プレイヤオブジェクト51は、ピンボールゲームのボールのように仮想的な重力に従って、ゲームフィールド50を移動する。打球オブジェクト53は、落下するプレイヤオブジェクト51を、ユーザ操作に応じて一端部53aを中心にして上下に動作させて弾くことができるように、重力方向下部に配置される。
【0059】
プレイヤキャラクタに対応するプレイヤオブジェクト51が敵キャラクタに対応する衝突対象オブジェクト52に衝突すると、ゲーム制御部33は、プレイヤキャラクタが敵キャラクタを攻撃したと判定し、敵キャラクタのヒットポイントを減少させる。一方、プレイヤキャラクタに対応するプレイヤオブジェクト51が敵キャラクタに対応する衝突対象オブジェクト52により発せられる攻撃オブジェクトに衝突すると、ゲーム制御部33は、プレイヤキャラクタが攻撃を受けたと判定し、プレイヤキャラクタのヒットポイントを減少させる。
【0060】
またゲームフィールド50には、一対の打球オブジェクト53の間に、プレイヤオブジェクト51が通過できる空隙が形成され、更に重力方向下部には穴55が形成される。ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51が穴55に落下すると、例えばプレイヤキャラクタのヒットポイントを減少させるなど、ユーザにとってマイナスの効果を与える。プレイヤキャラクタのヒットポイントがゼロとなる前に、ゲームフィールド50内の敵キャラクタのヒットポイントをゼロとすることで、ゲーム制御部33は、ユーザが当該ゲームフィールド50をクリアしたと判定し、次のゲームフィールド50をユーザに提示する。
【0061】
このように、本実施形態のゲームの目的の1つは、プレイヤオブジェクト51が攻撃オブジェクトに当たらないように、かつ穴55に落下しないようにして、プレイヤオブジェクト51を敵キャラクタに対応する衝突対象オブジェクト52に当てることである。
【0062】
次に、本発明の一実施形態による電子装置10(ゲームシステム1)のプレイヤオブジェクト51に対する移動速度の制御に関する情報処理について
図9に示したフローチャートを用いて説明する。なお本実施形態においては電子装置10としてスマートフォンを用いているが、一般的にスマートフォンは30fps、60fpsなどのフレームレートが設定される。電子装置10は、好ましくは、フレームレートに対応させて一定時間ごとに処理を実行する。本フローチャートは、例えばゲームプログラムのメインループの一部として実行される。
【0063】
最初に、電子装置10は、ゲーム用画面を表示する(ステップ101)。
【0064】
ステップ102において、電子装置10は、プレイヤオブジェクト51が所定領域内にいるか否かを判定する。プレイヤオブジェクト51が所定領域内にいる場合、本処理はステップ103へ進む。プレイヤオブジェクト51が所定領域内にいない場合、本処理はステップ110へ進み、ゲームが終了しない限りステップ101へ戻る。
【0065】
ステップ103において、電子装置10は、プレイヤオブジェクト51の上昇速度が既定値以下であるか否かを判定する。プレイヤオブジェクト51の上昇速度が所定値以下である場合、本処理はステップ104へ進み、当該上昇速度が所定値未満である場合、本処理はステップ110へ進む。
【0066】
ステップ104において、電子装置10は、速度付加可能フラグがオンであるか否かを判定する。速度付加可能フラグがオンである場合、本処理はステップ105へ進み、当該フラグがオフである場合、本処理はステップ110へ進む。
【0067】
ステップ105において、電子装置10は、プレイヤオブジェクト51に対する距離が最も小さい衝突対象オブジェクト52を、標的オブジェクト52として決定する。このとき、電子装置10は、ゲームフィールド50内に配置されたすべての衝突対象オブジェクト52とプレイヤオブジェクト51との距離を算出し、算出結果を用いて標的オブジェクト52を決定する。ただし、電子装置10は、本処理とは別に、上記距離の算出処理を行ってもよい。
【0068】
次にステップ106において、電子装置10は、タッチパネルがタッチを検出しているか否かを判定する。タッチを検出している場合、本処理はステップ107へ進み、タッチを検出していない場合、本処理はステップ110へ進む。
【0069】
ステップ107において、電子装置10は、ステップ105で決定された標的オブジェクト52に向かう移動速度を与える方向を決定する。移動速度を与える方向は、
図7、
図8に示すP1に対するP3の高さhが既定値hmaxよりも小さい場合、P1からP3に対する方向であり、高さhが既定値hmaxよりも大きい場合、P1からP4に対する方向である。またステップ107において、電子装置10は、移動速度を与える前に、プレイヤオブジェクト51の速度を減速させる。
【0070】
ステップ108において、電子装置10は、プレイヤオブジェクト51に対して、ステップ107において決定された方向の速度であって、予め定められた一定の大きさを持つ速度を与える。
【0071】
ステップ109において、電子装置10は、速度付加可能フラグをオフ状態にし、ゲームが終了しない限り(ステップ110)、本処理はステップ101へ戻る。なお、本処理がステップ102、103、104からステップ109へ進む場合、電子装置10は、プレイヤオブジェクト51に移動速度を与えられないことを、プレイヤキャラクタが汗をかくアニメーションを付けるなどにより、明示してもよい。
【0072】
なお、本フローチャートにおける各ステップの処理は、単なる一例に過ぎず、同様の結果が得られるのであれば、各ステップの処理順序を入れ替えてもよいし、各ステップの処理に加えて又は代えて別の処理が実行されてもよい。例えば、ステップ102〜ステップ104の処理の順序は入れ替えることができ、ステップ105とステップ106の処理の順序は入れ替えることができる。
【0073】
1つの例では、ステップ101は、表示部32が実行する画面表示ステップである。1つの例では、ステップ105〜ステップ109は、プレイヤオブジェクト制御部35が実行するプレイヤオブジェクト制御ステップである。1つの例では、ステップ106においてタッチパネルがタッチを検出すると、操作オブジェクト制御部34は、タッチパネルが検出したタッチに基づいて操作オブジェクト53を動作させる操作オブジェクト制御ステップ(図示せず)を実行する。
【0074】
次に、本発明の実施形態による電子装置10の作用効果について説明する。本実施形態では、ゲーム制御部33は、タッチパネルがタッチを受け付けたとき、打球オブジェクト53を動作(変位)させ、更に所定条件を満たす場合は、プレイヤオブジェクト51に対して、標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。所定条件は、プレイヤオブジェクト51がゲームフィールド50内における所定位置よりも上側の領域50a内にあることである。
【0075】
ここで、本実施形態のゲームでは、プレイヤオブジェクト51は、ピンボールゲームのボールのように仮想的な重力に従って、ゲームフィールド50を移動する。従来のゲームにおいては、ユーザ操作によりプレイヤオブジェクト51の移動方向を変えることは、ユーザ操作により打球オブジェクト53を動作させてプレイヤオブジェクト51を弾くことによってのみ実現されていた。したがって、プレイヤオブジェクト51が領域50a内にある場合、ユーザは、能動的なユーザ操作を行うことができなかった。本実施形態のような構成とすることにより、プレイヤオブジェクト51が領域50a内にある場合に、プレイヤオブジェクト51に対して標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与えることが可能となるため、ゲームの興趣性を高めることが可能となる。
【0076】
所定条件が定める領域は、領域50a以外にも、ゲームフィールド50内における打球オブジェクト53から離れた領域であれば、同様にゲームの興趣性を高めることが可能となる。
【0077】
また本実施形態では、プレイヤオブジェクト制御部35が与える移動速度の大きさは一定である。したがって、プレイヤオブジェクト制御部35は標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与えるが、プレイヤオブジェクト51は、標的オブジェクト52に衝突しない場合がある。このような構成とすることにより、プレイヤオブジェクト制御部35が与える移動速度によって、プレイヤオブジェクト51が確実に標的オブジェクト52に衝突することを防止することが可能となる。これにより、例えば、ユーザは標的オブジェクト52を決定するタイミングに加えて、標的オブジェクト52に衝突させるタイミングを考慮してタッチする必要があることから、ゲームの興趣性を高めることが可能となる。
【0078】
また本実施形態では、プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に対して移動速度を与える前に、プレイヤオブジェクト51の速度を減速させる。このような構成とすることにより、本実施形態では、移動速度を与えられる前のプレイヤオブジェクト51の速さが大きい場合に、プレイヤオブジェクト制御部35が与える移動速度の効果をより強めることが可能となる。
【0079】
また本実施形態では、所定条件は、プレイヤオブジェクト51が上昇する速さが所定値以下であることを更に含む。このような構成とすることにより、本実施形態では、例えば打球オブジェクト53に弾かれて上昇速度が与えられたプレイヤオブジェクト51に対して、過剰に移動速度を与えて、ゲームの興趣性を低下させてしまうことを防止することが可能となる。
【0080】
また本実施形態では、プレイヤオブジェクト制御部35は、速度付加可能フラグがオンであることに更に基づいて、プレイヤオブジェクト51に対して、標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。このような構成とすることにより、本実施形態では、プレイヤオブジェクト51が所定条件を満たす領域内にいる場合、プレイヤオブジェクト制御部35が連続して移動速度を与え続けることが可能となってしまうことを防止し、ゲームの興趣性を低下させてしまうことを防止することが可能となる。
【0081】
また本実施形態では、プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出したとき、プレイヤオブジェクト51に対する距離が最も小さい衝突対象オブジェクト52を、標的オブジェクト52として決定する。このような構成とすることにより、本実施形態では、移動速度を与える方向の予測がより容易になり、ユーザが意図する方向に移動速度を与えるような操作性を提供することが可能となる。
【0082】
また本実施形態では、プレイヤオブジェクト制御部35が移動速度を与える方向は、プレイヤオブジェクト51の中心点から、一定の高さ範囲内の方向において、標的オブジェクト52の中心点より上の該標的オブジェクト52内の既定の位置に一番近い方向である。具体的には、移動速度を与える方向は、
図7、
図8に示すP1に対するP3の高さhが既定値hmaxよりも小さい場合、P1からP3に対する方向であり、高さhが既定値hmaxよりも大きい場合、P1からP4に対する方向である。このような構成とすることにより、プレイヤオブジェクト制御部35は、仮想的な重力の影響を考慮して、標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与えることが可能となる。また同時に、プレイヤオブジェクト制御部35が与える移動速度の高さ成分が既定値hmaxよりも大きくなることを防止し、ユーザの意に反してプレイヤオブジェクト51が上昇して移動してしまうことを防止することが可能となる。例えば、
図8に示すような場合は、P1からP3に対する方向に移動速度を与える場合、P1からP4に対する方向に移動速度を与える場合と比較して、与えられる移動速度の横軸成分が小さくなり、より仮想的な重力の影響を受けてしまうことになる。本実施形態では、このような現象を防止することが可能となる。
【0083】
上記の作用効果は、特に言及が無い限り、他の実施形態や他の実施例においても同様である。
【0084】
[システムにより実現される実施形態]
図10は本発明の一実施形態によるゲームシステム1の全体構成の一例を示す。
図10に示すように、ゲームシステム1は、複数の電子装置10と、サーバ20と備え、電子装置10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。なお、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ‐クライアントシステムを想定して説明するが、ゲームシステム1は、PtoPのようなサーバ20を備えないシステムとすることもできる。
【0085】
電子装置10は、
図1に示すものと同様のハードウェア構成を備え、本実施形態においてもスマートフォンとする。サーバ20は、電子装置10において実行可能なゲームを提供するサーバ装置であり、1又は複数のコンピュータから構成される。
【0086】
サーバ20は、オンラインゲームの進行を制御するための制御用プログラム等の様々なプログラムやゲームにおいて用いられる各種データを記憶する。
【0087】
1つの例では、サーバ20は、電子装置10において実行可能なゲームアプリケーションを、電子装置10に提供できるように構成される。電子装置10は、ダウンロードしたゲームアプリケーションを実行すると、定期的に、又は必要に応じてサーバ20とデータの送受信を行い、ゲームを進行する。例えばサーバ20は、電子装置10において実行されたゲームに必要な各種設定情報及び履歴情報などを記憶する。この場合、電子装置10が、ゲーム制御部33の機能を有する。
【0088】
1つの例では、サーバ20は、ウェブサーバであり、電子装置10に対してゲームサービスを提供する。電子装置10は、ウェブページを表示するためのHTMLデータをサーバ20から取得し、取得したHTMLデータを解析して、当該ウェブページを表示する。この場合、電子装置10と通信するサーバ20が、ゲーム制御部33の機能を有する。
【0089】
1つの例では、ゲームシステム1は、1つのゲームフィールド50において複数のユーザがプレイ可能なゲームを提供する。例えば、衝突対象オブジェクト52は、他のユーザが操作するオブジェクトとすることができる。
【0090】
本発明の他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムや該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する方法とすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現するプログラムをコンピュータに供給することができるサーバとすることもできる。また他の実施形態では、上記で説明した本発明の実施形態の機能やフローチャートに示す情報処理を実現する仮想マシンとすることもできる。
【0091】
以下に本発明の実施形態の変形例について説明する。以下で述べる変形例は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて本発明の任意の実施形態に適用することができる。
【0092】
1つの変形例では、電子装置10の入力装置13は、電子装置10に接続されたコントローラ上のボタン、キーボード、又はマウスなどであり、電子装置10はタッチパネルを備えていない。この場合、入力部31は、ユーザの操作に応じて入力装置13が受け付ける操作情報を取得する。入力装置13から入力の有無が、電子装置10がタッチパネルを備えている場合のタッチパネルへのタッチ検出の有無に対応する。
【0093】
1つの変形例では、衝突対象オブジェクト52には、優先度情報が設定される。優先度情報は、敵キャラクタに対応するパラメータの1つであってもよい。この場合、プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出したときのプレイヤオブジェクト51に対する衝突対象オブジェクト52の距離及び衝突対象オブジェクト52に設定された優先度情報に基づいて、標的オブジェクト52を決定し、決定された標的オブジェクト52に向かう方向に移動速度を与える。例えば、プレイヤオブジェクト制御部35は、タッチパネルがタッチを検出したときのプレイヤオブジェクト51に対する衝突対象オブジェクト52の距離に衝突対象オブジェクト52に設定された優先度情報の値を乗じた値が最も小さい衝突対象オブジェクト52を、標的オブジェクト52として決定する。
【0094】
1つの変形例では、プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤキャラクタのパラメータに応じて、該プレイヤキャラクタに対応するプレイヤオブジェクト51に与える移動速度の大きさを変える。これにより、ゲームの興趣性を高めることが可能となる。プレイヤオブジェクト制御部35は、ゲームの進行に応じて、プレイヤオブジェクト51に与える移動速度の大きさを変えるように構成することもできる。
【0095】
1つの変形例では、プレイヤオブジェクト制御部35は、プレイヤオブジェクト51に対して移動速度を与える前に、プレイヤオブジェクト51の速度を減速させない。1つの変形例では、所定条件は、プレイヤオブジェクト51が所定速度以下であることを含まない。
【0096】
1つの変形例では、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51又は衝突対象オブジェクト52に対応付けられたプレイヤキャラクタ又は敵キャラクタが有するパラメータに応じて、所定の期間、プレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52に対して衝突判定を行わない。このとき、プレイヤオブジェクト51は、衝突対象オブジェクト52を貫通する。
【0097】
1つの変形例では、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト制御部35がプレイヤオブジェクト51に対して移動速度を与えるとき、該プレイヤオブジェクト51に設定されたパラメータに基づいて、追加の効果を与える。プレイヤオブジェクト51に設定されたパラメータは、例えば、プレイヤオブジェクト51に対応付けられたプレイヤキャラクタが有するパラメータである。例えば、プレイヤオブジェクト制御部35は、追加の効果として、移動速度を与えられてから所定の期間、ゲーム制御部33がプレイヤオブジェクト51と衝突対象オブジェクト52に対して衝突判定を行わないように、プレイヤキャラクタのパラメータを設定することができる。
【0098】
1つの変形例では、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51が領域50a内にある場合、プレイヤオブジェクト51が衝突対象オブジェクト52に衝突した衝突回数をカウントし、当該衝突回数に対応する情報を記憶装置14に記憶する。ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51が領域50aの外に移動し、打球オブジェクト53と衝突するとき、当該衝突回数に基づいて、物理演算による効果とは異なる所定の特別な効果を与える。所定の特別な効果は、プレイヤオブジェクト51の衝突対象オブジェクト52に対する衝突範囲拡大や貫通効果などとすることができる。或いは、所定の特別な効果は、プレイヤオブジェクト51に対応付けられたプレイヤキャラクタの攻撃力上昇や特殊能力上昇などとすることができる。好ましくは、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51と打球オブジェクト53の衝突時に所定の特別な効果を発生させ、それから既定の時間経過後に消滅させる。ゲーム制御部33は、所定の特別な効果を与えると、当該衝突回数に対応する情報を初期値(例えばゼロ)に戻すことなどによりリセットする。このような構成とすることにより、ユーザは、プレイヤオブジェクト51に対して能動的に移動速度を与えることで、衝突回数のカウントを増やして所定の特別な効果を得ることが可能となるため、ゲームの興趣性を高めることが可能となる。なお、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51が穴55に落下した場合やゲームフィールド50内に所定のイベントが発生した場合に、当該衝突回数に対応する情報をリセットしてもよい。
【0099】
1つの変形例では、ゲーム制御部33は、ゲームフィールド50に、仮想的な重力を設定せず、仮想的な重力以外の反発係数を含む力学的パラメータを用いた物理演算を行う。例えば、力学的パラメータとして反発係数1のみを適用した場合、ゲーム制御部33は、プレイヤオブジェクト51を、ブロック崩しゲームにおけるボールと同様に移動させることが可能となる。
【0100】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【解決手段】プレイヤ入力を受け付ける電子装置10において実行されるゲームのためのプログラムであって、電子装置10に、仮想的な重力が設定されたゲームフィールド内を移動するプレイヤオブジェクト、ゲームフィールド内に配置される衝突対象オブジェクト及び操作オブジェクトを含むゲーム用画面を表示する画面表示ステップと、電子装置10が受け付けたプレイヤ入力に基づいて操作オブジェクトを動作させる操作オブジェクト制御ステップと、所定条件を満たす場合、電子装置10が受け付けたプレイヤ入力に基づいて、プレイヤオブジェクトに対して、衝突対象オブジェクトのうちの1つである標的オブジェクトに向かう方向に移動速度を与えるプレイヤオブジェクト制御ステップと、を実行させ、所定条件は、プレイヤオブジェクトがゲームフィールド内の所定領域内にあることを含む。