(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6549105
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】位置ロケーションシステムアーキテクチャ:ピアツーピア測定モード
(51)【国際特許分類】
G01S 5/02 20100101AFI20190711BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【請求項の数】15
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-519624(P2016-519624)
(86)(22)【出願日】2014年6月11日
(65)【公表番号】特表2016-526668(P2016-526668A)
(43)【公表日】2016年9月5日
(86)【国際出願番号】US2014041979
(87)【国際公開番号】WO2014201159
(87)【国際公開日】20141218
【審査請求日】2017年5月16日
(31)【優先権主張番号】13/916,259
(32)【優先日】2013年6月12日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】ティアン、ビン
(72)【発明者】
【氏名】ジャラリ、アーマド
【審査官】
大▲瀬▼ 裕久
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/020122(WO,A2)
【文献】
特表2003−521856(JP,A)
【文献】
特表2009−520193(JP,A)
【文献】
特開2007−74285(JP,A)
【文献】
MENSING, Christian et al.,”CENTRALIZED COOPERATIVE POSITIONING AND TRACKING WITH REALISTIC COMMUNICATIONS CONSTRAINTS”,2010 7TH WORKSHOP ON POSITIONING NAVIGATION AND COMMUNICATION (WPNC),米国,IEEE,2010年 3月11日,P215-223
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00− 5/14
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置ロケーション方法であって、
位置ロケーションシステムの第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、前記位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求を狭帯域メッセージングリンクを介して受信することと、ここで、前記要求は、前記第1のアセットタグをマスターアセットタグとして識別し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグとして識別し、前記マスターアセットタグがレンジングパイロット信号を送信すべき時間エポックを指定し、前記スレーブアセットタグが前記レンジングパイロット信号を検索すべき前記時間エポックを指定する、
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジング動作を可能にするために、前記第1のアセットタグが、広帯域レンジングリンク上で、前記第1のアセットタグの第1のレンジングパイロット信号を送信することと、
前記第1のアセットタグが、前記第2のアセットタグから前記広帯域レンジングリンク上で、前記第2のアセットタグの第2のレンジングパイロット信号を受信することと、ここにおいて、前記スレーブアセットタグは、前記マスターアセットタグの第1のレンジングパイロット信号の受信時にそれ自体の第2のレンジングパイロット信号を送信しうる、
を備え、前記マスターアセットタグは、前記送信された第1のレンジングパイロット信号および前記受信された第2のレンジングパイロット信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定する、位置ロケーション方法。
【請求項2】
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を位置ロケーションサーバが推定することを可能にするために、前記アクセスポイントが、前記第1のアセットタグまたは前記第2のアセットタグからのプリアンブルの推定された到着時間(TOA)を前記位置ロケーションサーバに転送する、または前記第1のアセットタグまたは前記第2のアセットタグが、前記アクセスポイントからの受信されたパイロット信号に基づくTOA測定値を前記位置ロケーションサーバに転送することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記要求を受信することは、前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグが互いの所定の距離内にあるときに生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のレンジングパイロット信号を複数回受信することと、
受信された複数の前記第2のレンジングパイロット信号を組み合わせることと、
前記組み合わされた複数の第2のレンジングパイロット信号に少なくとも基づいて、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジを推定することと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
位置ロケーションのための装置であって、
位置ロケーションシステムの第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、前記位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求を狭帯域メッセージングリンクを介して受信するための手段と、ここで、前記要求は、前記第1のアセットタグをマスターアセットタグとして識別し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグとして識別し、前記マスターアセットタグがレンジングパイロット信号を送信すべき時間エポックを指定し、前記スレーブアセットタグが前記レンジングパイロット信号を検索すべき前記時間エポックを指定する、
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジング動作を可能にするために、前記第1のアセットタグが、広帯域レンジングリンク上で、前記第1のアセットタグの第1のレンジングパイロット信号を送信するための手段と、
前記第1のアセットタグが、前記第2のアセットタグから前記広帯域レンジングリンク上で、前記第2のアセットタグの第2のレンジングパイロット信号を受信するための手段と、ここにおいて、前記スレーブアセットタグは、前記マスターアセットタグの第1のレンジングパイロット信号の受信時にそれ自体の第2のレンジングパイロット信号を送信しうる、
を備え、前記マスターアセットタグは、前記送信された第1のレンジングパイロット信号および前記受信された第2のレンジングパイロット信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定する、装置。
【請求項6】
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を位置ロケーションサーバが推定することを可能にするために、前記アクセスポイントが、前記第1のアセットタグまたは前記第2のアセットタグからのプリアンブルの推定された到着時間(TOA)を前記位置ロケーションサーバに転送する、または前記第1のアセットタグまたは前記第2のアセットタグが、前記アクセスポイントからの受信されたパイロット信号に基づくTOA測定値を前記位置ロケーションサーバに転送するための手段をさらに備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
位置ロケーション方法であって、
第1のアセットタグの第1のレンジングパイロット信号が前記第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間の広帯域レンジングリンク上で前記第1のアセットタグから送信され、前記第2のアセットタグの第2のレンジングパイロット信号が前記第2のアセットタグと前記第1のアセットタグとの間の前記広帯域レンジングリンク上で前記第2のアセットタグから送信されるように、前記第1のアセットタグをマスターアセットタグとして識別し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグとして識別し、前記マスターアセットタグが前記第1のレンジングパイロット信号を送信すべき時間エポックを指定し、前記スレーブアセットタグが前記第1のレンジングパイロット信号を検索すべき前記時間エポックを指定して、狭帯域メッセージングリンクを介して前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジング動作を要求することと、ここにおいて、前記スレーブアセットタグは、前記マスターアセットタグの第1のレンジングパイロット信号の受信時にそれ自体の第2のレンジングパイロット信号を送信しうる、
前記第1のレンジングパイロット信号および前記第2のレンジングパイロット信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジを決定すること、または決定するように前記マスターアセットタグに命令することと
を備える、方法。
【請求項8】
前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグの位置を監視することと、
前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグが互いの所定の距離内にあるときに、前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグに前記レンジング動作の要求を発行することと
をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のアセットタグをマスターアセットタグと指定し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグと指定することと、
前記レンジング動作を行うように前記マスターアセットタグおよび前記スレーブアセットタグに前記狭帯域メッセージングリンクを介して要求することと、
前記マスターアセットタグと前記スレーブアセットタグとの間の前記レンジを計算するために前記レンジング動作にしたがって前記マスターアセットタグと前記スレーブアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定することと
をさらに備える、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
アクセスポイントは、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジを決定する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
位置ロケーションのためのコンピュータプログラム製品であって、
非一時的なプログラムコードを記録した非一時的なコンピュータ可読記録媒体を備え、前記プログラムコードは、前記プログラムコードがプロセッサ上で実行されたとき、請求項1−4または7−10のうちのいずれか一項のステップを実行するように適合される、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
第1のアセットタグの第1のレンジングパイロット信号が前記第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間の広帯域レンジングリンク上で前記第1のアセットタグから送信され、前記第2のアセットタグの第2のレンジングパイロット信号が前記第2のアセットタグと前記第1のアセットタグとの間の前記広帯域レンジングリンク上で前記第2のアセットタグから送信されるように、前記第1のアセットタグをマスターアセットタグとして識別し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグとして識別し、前記マスターアセットタグが前記第1のレンジングパイロット信号を送信すべき時間エポックを指定し、前記スレーブアセットタグが前記第1のレンジングパイロット信号を検索すべき前記時間エポックを指定して、狭帯域メッセージングリンクを介して前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジング動作を要求するための手段と、ここにおいて、前記スレーブアセットタグは、前記マスターアセットタグの第1のレンジングパイロット信号の受信時にそれ自体の第2のレンジングパイロット信号を送信しうる、
前記第1のレンジングパイロット信号および前記第2のレンジングパイロット信号に少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジを決定すること、または決定するように前記マスターアセットタグに命令するための手段と
を備える、装置。
【請求項13】
前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグの位置を監視するための手段と、
前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグが互いの所定の距離内にあるときに、前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグに前記レンジング動作の要求を発行するための手段と
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のアセットタグをマスターアセットタグと指定し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグと指定するための手段と、
前記レンジング動作を行うように前記マスターアセットタグおよび前記スレーブアセットタグに前記狭帯域メッセージングリンクを介して要求するための手段と、
前記マスターアセットタグと前記スレーブアセットタグとの間の前記レンジを計算するために前記レンジング動作にしたがって前記マスターアセットタグと前記スレーブアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定するための手段と
をさらに備える、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジを決定するアクセスポイントである、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の態様は、概して、ワイヤレス通信システムに関し、より具体的には位置ロケーションのアーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] ワイヤレスネットワークは、音声、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャスティング、および他の同様のワイヤレス通信サービスのような、様々な通信サービスを提供するために広く展開されている。これらのワイヤレスネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザをサポートすることが可能な多元接続ネットワークでありうる。ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)において、アクセスポイントは、そのワイヤレスネットワーク内の多数のワイヤレス局のための通信をサポートする。アドホックモード(ad-hoc mode)において、ワイヤレス局(「ピアノード」)は、アクセスポイントを用いずにピアツーピア(P2P:peer-to-peer)方法で通信する。同様に、ピアツーピアネットワークは、ピアノードが互いに直接通信することを可能にする。ピアツーピアネットワークにおいて、互いのレンジ内にあるピアツーピアノードは、アクセスポイントを用いずに発見して直接通信する。
【0003】
[0003] 測位システムは、例えば、建物内部の物または人をワイヤレスにロケート(locate)するように使用されるデバイスのネットワークを指しうる。衛星測位システム(SPS)を使用する代わりに、測位システムは、タグをアクティブにロケートする近傍のノードに依存しうる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 1つの態様において、位置ロケーション方法が開示される。この方法は、位置ロケーションシステムの第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求をメッセージングリンクを介して受信することを含む。この方法は、また、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を可能にするために、第1のアセットタグが、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信することを含む。この方法は、また、第1のアセットタグが、第2のアセットタグからレンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信することを含む。
【0005】
[0005] 別の態様において、位置ロケーションシステムが開示される。このシステムは、レンジング動作を行うために、メッセージングリンクを介してアクセスポイントからの要求を受信するように構成された第1のアセットタグを含む。位置ロケーションシステムは、また、レンジングリンクを介して第1のアセットタグから第1のレンジングパイロット信号を受信するように構成された第2のアセットタグを含む。第2のアセットタグは、また、レンジングリンクを介して第1のアセットタグに第2のレンジングパイロット信号を送信するように構成される。位置ロケーションシステムにおいて、第1のアセットタグは第2のアセットタグから第2のレンジングパイロット信号を受信し、レンジング動作は、第1のレンジングパイロット信号および第2のレンジングパイロット信号に基づいて行われる。
【0006】
[0006] 別の態様は、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求をメッセージングリンクを介して受信するための手段を含む位置ロケーションのための装置を開示する。この装置は、また、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を可能にするために、第1のアセットタグが、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信するための手段を含む。この装置は、また、第1のアセットタグが、第2のアセットタグからレンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信するための手段を含む。
【0007】
[0007] 別の態様において、非一時的なコンピュータ可読媒体を有する位置ロケーションのためのコンピュータプログラム製品が開示される。コンピュータ可読媒体は、(1つまたは複数の)プロセッサによって実行されると、位置ロケーションシステムの第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求をメッセージングリンクを介して受信することを、そのプロセッサに行わせる、そこに記録された非一時的なプログラムコードを有する。このプログラムコードは、また、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を可能にするために、第1のアセットタグがレンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信することを、そのプロセッサに行わせる。このプログラムコードは、また、第1のアセットタグが、第2のアセットタグからレンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信することを、そのプロセッサに行わせる。
【0008】
[0008] 別の態様において、位置ロケーション方法が開示される。この方法は、メッセージングリンクを介して第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を要求することを含む。第1のレンジング信号は、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジングリンク上で送信され、第2のレンジング信号は、第2のアセットタグと第1のアセットタグとの間のレンジングリンク上で送信される。この方法は、さらに、第1のレンジング信号および第2のレンジング信号に基づいて第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジを決定することを含む。
【0009】
[0009] これは、以下に続く詳細な説明がより良く理解されうるように、本開示の特徴および技術的利点を幾分幅広く概説している。本開示の追加の特徴および利点が以下に説明されるであろう。本開示が、本開示と同様の目的を遂行するための他の構造を修正または設計するための基礎として容易に利用されうることが、当業者によって理解されるべきである。そのような等価の構造が、添付された特許請求の範囲に記載される本開示の教示から逸脱しないこともまた、当業者によって理解されるべきである。本開示の構成および動作方法の両方について、本開示の特徴であると考えられる新規の特徴は、さらなる目的および利点とともに、添付の図面と関連して考慮されるときに、以下の説明からより良く理解されるであろう。しかしながら、図面の各々が例示および説明のためだけに提供され、本開示の限定の定義として意図されたものではないことが明確に理解されるべきである。
【0010】
[0010] 本開示の特徴、性質、および利点は、同様の参照文字が全体を通して対応して識別する図面と共に考慮されると、以下に記載されている詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011] 本開示の1つの態様にしたがった通信システムの図を例示する図。
【
図2】[0012]
図4に例示される位置ロケーションシステムのような通信システムにおいて使用されるワイヤレスノードの実例的なハードウェア構成を例示するブロック図。
【
図3】[0013] 本開示の1つの態様にしたがったピアツーピアネットワークの図を例示する図。
【
図4】[0014] 本開示の1つの態様にしたがった位置ロケーションシステムを例示する図。
【
図5】[0015] 本開示の1つの態様にしたがったシグナリングを例示するブロック図。
【
図6】[0016] 本開示の態様のうちの1つにしたがった方法を例示するフローチャート。
【
図7】本開示の態様のうちの1つにしたがった方法を例示するフローチャート。
【0012】
[0017] 添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に説明される概念が実現されうる唯一の構成を表すように意図されたものではない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供する目的で、具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念が、これらの具体的な詳細なしに実現されうることは、当業者に明らかであろう。いくつかの事例では、周知の構造およびコンポーネントが、そのような概念を曖昧にすることを避けるためにブロック図の形態で示される。本明細書に説明されるように、「および/または」という用語の使用は、包括的な「または」を表すように意図されており、「または」という用語の使用は排他的な「または」を表すように意図されている。
【0013】
[0018] 本開示の1つの態様において、位置ロケーションシステムは、本明細書では「アセットタグ」と称される、アセット(例えば、ユーザ)によって装着(worn)されうるデバイスを使用してアセットのロケーションを追跡する。アセットタグは、ワイヤレスノード機能(例えば、ピアツーピアネットワークのワイヤレスノードおよび/またはワイヤレス局)、または他の同様の無線アクセス技術をサポートしうる。位置ロケーションシステムをイネーブルにするためのアセットタグ動作が、ユーザのワイヤレスハンドヘルドデバイスに組み込まれうることが認識されるべきである。アセットタグは局と指定されうるが、本開示の態様は、ワイヤレスピアノードおよび/またはワイヤレス局がアクセスポイントを用いずに発見して直接通信する、アドホックおよび/またはピアツーピアネットワークのインプリメンテーションにも関する。ワイヤレス局は、例えば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)のインフラストラクチャモードにしたがって動作するときに、アクセスポイント機能のために構成された一時的なアクセスポイント(例えば、ソフトアクセスポイント)または専用アクセスポイントであることができる。WLANアドホックモードまたはピアツーピアネットワークにおいて、ワイヤレス局/ピアノードは、アクセスポイントを用いずに発見し直接通信する。
【0014】
[0019] 本開示の1つの態様において、複数のアセットタグは、複数のアクセスポイント(AP)によって受信される既知のプリアンブルを送信する。それらアクセスポイントは、特定のアセットタグからのプリアンブルの到着時間(TOA)を推定し、それを位置ロケーションサーバに送りうる。位置ロケーションサーバは、アセットタグの位置を推定するために、複数のアクセスポイントからの受信された複数のTOAを処理する。別の構成において、アクセスポイントは、それらアクセスポイントのそれぞれのカバレッジエリアにあるすべてのアセットタグによって受信される既知のパイロット信号を送信する。この構成において、アセットタグは、異なるアクセスポイントからの受信されたパイロット信号に基づいてTOA測定を行う。複数のアセットタグは、そのTOA測定値に基づいてそれらの位置を計算しうるか、または位置ロケーション計算のために位置ロケーションサーバ(PLS)にTOA測定値を送りうる。位置ロケーションシステムは、
図1に示されるWLAN構成のような様々なワイヤレスネットワークにインプリメントされうる。
【0015】
[0020] システム概要
[0021] ワイヤレス通信システム100の1つの例が、
図1に例示される。ワイヤレス通信システム100は、ワイヤレスリンク104を介して互いに通信することができる、多数のワイヤレス局102(102−1、...、102−N)およびアクセスポイント110を含みうる。ワイヤレス通信システム100は5つのワイヤレス局/アクセスポイント102/
110を用いて例示されているが、任意の数の局およびアクセスポイント(有線またはワイヤレス)がワイヤレス通信システム100を形成しうることが理解されるべきである。この例示において、アクセスポイント110は専用アクセスポイントである。代替的に、アクセスポイント110は、アクセスポイント機能のために(例えば、ソフトアクセスポイントとして)構成されうる。
【0016】
[0022] ワイヤレス局/アクセスポイント102/110は、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、プリンタ、携帯情報端末、カメラ、コードレス電話、セッション開始プロトコル電話、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、ユーザ機器、アクセス端末、または他の任意の適したデバイスのような、ワイヤレス通信を送信および受信するように構成された任意のデバイスでありうる。本開示の1つの態様において、ワイヤレス局/アクセスポイント102/110は、1つのアセット(例えば、ユーザ)に配置されたタグに組み込まれる。ワイヤレス通信システム100において、ワイヤレス局/アクセスポイント102/110は、地理的な領域全体にわたって分散しうる。さらに、各ワイヤレス局/アクセスポイント102/110は、そこにわたって通信しうる異なるカバレッジ領域を有しうる。アクセスポイント110は、基地局、基地トランシーバ局、端末、アクセスポイントとして動作するワイヤレスノード、または同様のものを含みうるか、またはそれらとしてインプリメントされうる。ワイヤレス通信システム100内のワイヤレス局/アクセスポイント102/110は、任意の適したワイヤレスネットワーク規格を使用してワイヤレスに通信しうる。
【0017】
[0023] 1つの構成において、アセットタグは、アクセスポイント110のうちの1つと関連するワイヤレス局102のうちの1つとして構成されて、アクセスポイント110のうちの1つによってブロードキャストされる初期ワイヤレス接続メッセージ112(例えば、ビーコン)にしたがって、位置情報を送信、および/または位置情報をアクセスポイント110のうちの1つから受信しうる。本開示の1つの態様において、アセットタグは、アクセスポイント110からのパイロット信号を測定し、アセットタグの位置を計算する。代替的に、アセットタグはパイロット測定値を位置ロケーションサーバに送信する。別の構成において、アセットタグは、アクセスポイント110によって受信される既知のプリアンブルを送信する。アクセスポイント110は、特定のタグからのプリアンブルの到着時間(TOA)を推定し、それをアセットタグの位置を推定する位置ロケーションサーバに送りうる。位置ロケーション計算は、例えば、
図4に示されるように、異なるアクセスポイント110から受信された複数のTOAを使用して位置ロケーションサーバにおいて遂行されうる。
【0018】
[0024]
図2は、アクセスポイント210およびワイヤレス局250の設計のブロック図を示しており、ここで、これらの各々が、
図1、
図3、および
図4のワイヤレスノードのうちの1つでありうる。ワイヤレス通信システム100内のワイヤレスノードの各々は、ワイヤレス通信と、ネットワークを介した通信を管理するためのコントローラ機能とをサポートするワイヤレストランシーバを含みうる。コントローラ機能は、1つまたは複数のデジタル処理デバイス内にインプリメントされうる。ワイヤレストランシーバは、1つまたは複数のアンテナに結合されて、ワイヤレスチャネルを介した信号の送信および受信を容易にしうる。
【0019】
[0025] 1つの構成において、アクセスポイント210は、アンテナ234(234a、...、234t)が装備され、ワイヤレス局250はアンテナ252(252a、...、252r)が装備されうる。
【0020】
[0026] アクセスポイント210において、送信プロセッサ214は、データソース212からデータを、コントローラ/プロセッサ240から制御情報を、受信しうる。送信プロセッサ214は、データを処理(例えば、符号化およびシンボルマッピング)し、情報を制御して、データシンボルおよび制御シンボルをそれぞれ取得しうる。送信プロセッサ214は、また、基準シンボル、およびセル特有の基準信号を生成しうる。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ230は、これらデータシンボル、制御シンボル、および/または基準シンボルに対して、適用可能な場合に空間処理(例えば、プリコーディング)を行い、トランシーバ232(232a、...、232t)に出力シンボルストリームを提供しうる。トランシーバ232の各々は、それぞれの出力シンボルストリームを処理して、出力サンプルストリームを取得しうる。トランシーバ232の各々は、その出力サンプルストリームをさらに処理(例えば、アナログ変換、増幅、フィルタリング、およびアップコンバート)して、送信信号を取得しうる。トランシーバ232からの信号は、アンテナ234(234a、...、234t)を介してそれぞれ送信されうる。
【0021】
[0027] ワイヤレス局250において、アンテナ252(252a、...、252r)は、アクセスポイント210からの信号を受信し、その受信信号をトランシーバ254(254a、...、254r)にそれぞれ提供しうる。トランシーバ254の各々は、それぞれの受信信号を調整(例えば、フィルタリング、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して入力サンプルを取得しうる。トランシーバ254の各々は、入力サンプルをさらに処理して、受信シンボルを取得しうる。MIMO検出器256は、受信シンボルをトランシーバ254のすべてから取得し、適用可能な場合にそれら受信シンボルに対してMIMO検出を行い、検出シンボルを提供しうる。受信プロセッサ258は、その検出シンボルを処理(例えば、復調、デインタリーブ、および復号)し、ワイヤレス局250のための復号データをデータシンク260に提供し、復号制御情報をコントローラ/プロセッサ270に提供しうる。
【0022】
[0028] ワイヤレス局250から送信するときには、送信プロセッサ264は、データソース262からのデータ、およびコントローラ/プロセッサ270からの制御情報を受信および処理しうる。送信プロセッサ264はまた、基準信号のための基準シンボルを生成しうる。送信プロセッサ264からのシンボルは、適用可能な場合にTX MIMOプロセッサ266によってプリコーディングされ、トランシーバ254によってさらに処理され、アクセスポイント210に送信されうる。アクセスポイント210において、ワイヤレス局250から受信された信号は、アンテナ234によって受信され、トランシーバ232によって処理され、適用可能な場合にMIMO検出器236によって検出され、受信プロセッサ238によってさらに処理されて、ワイヤレス局250によって送られた、復号データおよび復号制御情報を取得しうる。受信プロセッサ238は、その復号データをデータシンク239に、復号制御情報をコントローラ/プロセッサ240に提供しうる。
【0023】
[0029] アクセスポイント210は、例えば、バックホールリンクを介して他の基地局にメッセージを送ることができる。1つの構成において、アクセスポイントは、例えば、
図4に示されるような、屋内位置ロケーションシステムのアセットタグとアクセスポイントとの間の同期とレンジングの初期化とを可能にするための、アンテナ222を有するメッセージングリンク(ML)220を含む。図示されていないが、ワイヤレス局250もまた、アクセスポイント210のメッセージングリンク220のようなメッセージングリンクを含むように構成されうることが認識されるべきである。1つの構成において、メッセージングリンクは、狭帯域メッセージングリンクでありうる。
【0024】
[0030] コントローラ/プロセッサ240はアクセスポイント210における動作を指示し、コントローラ/プロセッサ270はワイヤレス局250における動作をそれぞれ指示しうる。ワイヤレス局250におけるコントローラ/プロセッサ270ならびに/あるいは他のプロセッサおよびモジュールは、
図6の方法フローチャートに例示されている機能ブロック、および/または、本明細書に説明される技法のための他のプロセスの実行を行うか、またはそれを指示しうる。メモリ242は、アクセスポイント210のためのデータおよびプログラムコードを記憶し、メモリ272は、ワイヤレス局250のためのデータおよびプログラムコードを記憶しうる。例えば、ワイヤレス局250のメモリ272は、コントローラ/プロセッサ270によって実行されたときに、例えば、
図4に示されるような位置ロケーションシステム内の動作のためにワイヤレス局250を構成する位置ロケーションモジュール292を記憶しうる。同様に、アクセスポイント210のメモリ242は、コントローラ/プロセッサ240によって実行されたときに、
図4に示される位置ロケーションシステム内の動作のためにアクセスポイント210を構成する位置ロケーションモジュール290を記憶しうる。
【0025】
[0031]
図3は、本開示の1つの態様にしたがったピアツーピアネットワーク300の図を例示する。いくつかの態様において、ピアツーピアネットワーク300は、2つ以上のピアノード302(302−1、302−2、302−3、302−4、...、302−N)間に確立されうる。ピアツーピアネットワーク300内のピアノード302は、任意の適したワイヤレスネットワーク規格を使用してワイヤレスに通信しうる。ピアツーピアネットワーク300は、ワイヤレスリンク304を介して互いに通信することができる多数のピアノード302を含みうる。アセットタグは、
図2のワイヤレス局250にしたがって構成され、ピアツーピアネットワーク300のピアノード302のうちの1つとして動作しうる。
【0026】
[0032] 例えば、ピアノードのうちの1つ302−1として動作するアセットタグは、ピアノード302によって受信される既知のプリアンブルを送信するために、ピアノードのうちの別の1つ302−4と関連しうる。ピアノードのうちの1つ302−1は、特定のアセットタグからのプリアンブルの到着時間(TOA)を推定し、それをアセットタグの位置を推定する位置ロケーションサーバ(図示せず)に送りうる。位置ロケーション計算は、異なるピアノード302から受信された複数のTOAを使用して位置ロケーションサーバにおいて遂行されうる。別の構成において、ピアノード302は、それらピアノードのそれぞれのカバレッジエリアにあるすべてのアセットタグによって受信される、通常は、狭帯域幅パイロット信号である、既知のパイロット信号を送信する。この構成において、アセットタグは、異なるピアノード302からの受信されたパイロット信号に対してTOA測定を行い、アセットタグの位置を計算するか、または位置ロケーション計算のために位置ロケーションサーバにその測定値を送るかのいずれかを行う。
【0027】
[0033] アセットタグは、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、プリンタ、携帯情報端末、カメラ、コードレス電話、セッション開始プロトコル電話、ワイヤレス接続能力を有するハンドヘルドデバイス、ユーザ機器、アクセス端末、またはアセットタグとして装着されうる他の任意の適したデバイスのような、ワイヤレス通信を送信および受信するように構成された任意のデバイスでありうる。
【0028】
[0034] 位置システム図
[0035]
図4は、本開示の1つの態様にしたがった位置ロケーションシステム400を例示する図である。位置ロケーションシステム400は、人が装着するアセットタグ402(402−1、...、402−N)を使用してアセット(例えば、人)を追跡しうる。アセットタグ402は、ワイヤレスノード機能(例えば、ピアツーピアネットワークのワイヤレスノードおよび/またはワイヤレス局)、または他の同様の無線アクセス技術をサポートするように、
図2のワイヤレス局250にしたがって構成されうる。
【0029】
[0036]
図4に示されるように、位置ロケーションシステム400は、複数のアセットタグ402、建物に設置された複数のアクセスポイント410、およびアセットタグ402の位置を推定する位置ロケーションサーバ480を含む。1つの構成において、アセットタグ402は、アクセスポイント410によって受信される既知のプリアンブルを送信する。アクセスポイント410は、特定のアセットタグからのプリアンブルの到着時間(TOA)を推定し、それを位置ロケーションサーバ480に送りうる。位置ロケーション計算は、異なるアクセスポイント410から受信された複数のTOAを使用して位置ロケーションサーバ480において遂行されうるか、あるいは、推定は、アクセスポイント410内または位置ロケーションサーバ480における他の何らかの推定器によって行われうる。このアプローチは、アセットタグ402における電力消費を低減するのを助けうる。
【0030】
[0037] 別の構成において、アクセスポイント410は、それらアクセスポイント410のそれぞれのカバレッジエリアにあるすべてのアセットタグ402によって受信される既知のパイロット信号を送信する。この構成では、アセットタグ402は、異なるアクセスポイント410からの受信されたパイロット信号(「パイロット」とも称される)に基づいてTOA測定を行う。アセットタグ402は、アセットタグ402のうちの1つの位置を計算するか、または位置ロケーション計算のために位置ロケーションサーバ480にその測定値を送るかのいずれかを行いうる。アセットタグ402がアクセスポイント410からのパイロット信号を測定し、位置ロケーションサーバ480を用いずにそれらのそれぞれの位置を計算する構成では、アセットタグ402におけるより高い電力消費が電池寿命を低下させうる。
【0031】
[0038] 位置ロケーションシステム400は、追跡システムの2つの基本的な機能、すなわち、メッセージングおよび位置決めが、異なる仕様を有することを認識する。メッセージングでは、アセットタグのうちの1つ402−1が、(例えば、そのアセットタグに最も近い)アクセスポイント410のうちの1つと通信し、ここで、少量のデータが交換される。結果として、帯域幅は、位置ロケーションシステム400のメッセージング部分では主要な懸念ではない。位置決めでは、レンジング測定が、複数のアセットタグ402と複数のアクセスポイント410との間で行われうる。結果として、レンジング動作は、より長いアクセス距離を伴いうる。さらに、正確なレンジ測定を達成するために、レンジング信号のための広帯域幅が望まれる。1つの構成において、位置ロケーションシステム400は、第1のエアインターフェース(メッセージングリンク)上でシステムアーキテクチャのエアインターフェースのメッセージングおよび同期部分を、第2のエアインターフェース(レンジングリンク)上でシステムアーキテクチャのレンジング部分を提供する。例えば、位置ロケーションサーバ480は、
図2に示されるように構成されることができ、ここで、アンテナ234のうちの1つがレンジングリンクを提供し、メッセージングリンク(ML)220がメッセージングリンクを提供する。1つの構成において、レンジングリンクは、広帯域レンジングリンクでありうる。
【0032】
[0039] 1つの構成において、メッセージングリンク(例えば、
図2のメッセージングリンク220)は、後続のレンジング測定を可能にするメッセージングおよび同期のために使用される。メッセージングリンク220は、建物に設置された複数のアクセスポイント410と通信するために、さらに、アクセスポイント410間の、ならびにアクセスポイント410とアセットタグ402との間の、粗同期(coarse synchronization)を提供するために、アセットタグ402によって使用されうる。1つの構成において、アセットタグ402は、周期的にウェイクアップし、レンジングリンクのための何十または何百MHzもの帯域幅と対比して、1MHzの帯域幅、例えば、メッセージングリンク220のような、比較的狭帯域の信号上でアクセスポイント410によって送信されるパイロット信号を検索する。アセットタグ402は、パイロット信号を検出し、狭帯域信号の粗時間内にアクセスポイント410のうちの1つと同期する。別の構成において、アセットタグ402は、スリープモードからウェイクアップした後に、アクセスポイント410に対してのアセットタグ402の時間および周波数の誤差を測定するためにアクセスポイント410が使用する、縮小サイズのパケットをアクセスポイント410に送る。
【0033】
[0040] この構成において、アクセスポイント410は、所定の遅延の後に、測定結果と、レンジング関連の他のスケジューリング情報とをアセットタグ402に返送する。アセットタグ402は、プリアンブルをアクセスポイント410に送信するより前にそれらの周波数およびタイミングのオフセットを前もって訂正するために、アクセスポイント410によって報告された周波数およびタイミングの誤差を使用する。アセットタグ402において前もって訂正することは、アクセスポイント410において周波数およびタイミング検索を行うための時間の量を低減する。粗時間同期が達成されると、アセットタグ402とアクセスポイント410との間でプリアンブルを交換することによってレンジング動作が開始する。粗時間同期は、レンジングリンクにおける検索ウィンドウの縮小(a reduced search window)を可能にする。アセットタグ402は、また、ピアツーピアモードにおいて他のアセットタグと通信し、レンジングリンク(例えば、
図2のアンテナ252のうちの1つで広帯域レンジングリンクでもありうる)上でそれら自体の間のレンジを測定しうる。メッセージングリンク(例えば、
図2のメッセージングリンク220)から取得されたアセットタグ402間の粗同期は、広帯域レンジングリンク(例えば、アンテナ252のうちの1つ)上でピアツーピアモードにおいてレンジを推定するときに、アセットタグ402がそれらの検索ウィンドウを縮小するのを助ける。
【0034】
[0041] この構成において、広帯域レンジングリンクは、位置ロケーションシステム400のアセットタグ402と、アクセスポイント410と、位置ロケーションサーバ480との間のレンジング動作を可能にする。この構成において、位置ロケーションサーバ480は、そのレンジング動作にしたがって、アセットタグ402のうちの少なくとも1つのロケーションを決定する。広帯域レンジングリンクは、メッセージングリンクを通してスケジューリングされうる。1つの構成において、レンジング動作のために指定されたアセットタグ402は、メッセージングリンクを通して受信されたスケジューリング情報に基づいて、いつ広帯域レンジングプリアンブルが送信されるか、および、どの疑似雑音(PN)シーケンスが使用されるかからわかる。この構成において、アセットタグ402がアクティブである時間の量が、メッセージングリンクを通して受信されるスケジューリング情報を使用することによって低減されうる。
【0035】
[0042] CDMA2000ファミリのプロトコルのような既存のシステムにおいて使用される1つのプリアンブルの設計は、アセットタグ402とアクセスポイント410との間の所与のアクセスチャネル上で使用される既知のプリアンブルを含む。複数のアクセスチャネルがあり、アセットタグ402は各アクセスチャネルに割り当てられて、異なるアセットタグ402が異なるアクセスチャネルに割り当てられる。狭帯域リンクを通してプリアンブルを同時に送信するデバイスは、異なる疑似ランダムシーケンス、または異なるオフセットを有する同じ疑似ランダムシーケンスを割り当てられうる。プリアンブル信号は、この既知のシーケンスから成り、アセットタグ識別情報(ID)を提供する。異なるアセットタグ402がそれらのプリアンブルを同時に送るのを回避するために、異なるアセットタグ402のプリアンブル送信時間は、アセットタグ402のID、および/またはアセットタグ402とアクセスポイント410とに知られているハッシングアルゴリズム(hashing algorithms)に基づいて時間において分離されうる。
【0036】
[0043] 位置ロケーションシステムにおいて使用されるアセットタグ
[0044] 本開示は、タグを使用する人および/またはアセットを追跡するように使用されることができ、ここで、タグは人またはアセットに配置され、
図4に示されるアセットタグ402(402−1、...、402−N)のような「アセットタグ」として知られる。1つの構成において、位置ロケーションシステムは、アセットまたは人に配置されたアセットタグと、建物に設置されたアクセスポイントと、アセットタグの位置を推定する位置ロケーションサーバとを含む。1つの構成において、アセットタグは、複数のアクセスポイントによって受信される既知のプリアンブルを送信する。アクセスポイントは、特定のアセットタグからのプリアンブルの到着時間を推定し、それを位置ロケーションサーバに送りうる。位置ロケーション計算は、異なるアクセスポイントから受信された到着時間を使用して位置ロケーションサーバにおいて遂行されうる。このアプローチは、アセットタグにおける電力消費を低減するのを助けうる。
【0037】
[0045] 別の構成において、アクセスポイントは、それらのカバレッジエリアにあるすべてのアセットタグによって受信される既知のパイロット信号を送信する。この構成において、アセットタグは、異なるアクセスポイントからの受信されたパイロットに対して到着時間測定を行う。次いで、アセットタグは、アセットタグの位置を計算するか、または位置ロケーション計算のために位置ロケーションサーバに測定値を送るかのいずれかを行う。アセットタグがアクセスポイントからのパイロット信号を測定して、位置を計算または測定値を位置ロケーションサーバに送るこの構成において、アセットタグにおけるより高い電力消費が電池寿命を低下させうる。
【0038】
[0046] 本開示の態様は、追跡システムの2つの基本的な機能、すなわち、メッセージングおよび位置決めが、異なる仕様を有することを認識する。メッセージングでは、アセットタグは、最も近いアクセスポイントと通信し、通常、少量のデータが交換される。結果として、帯域幅は、位置ロケーションシステムのメッセージング部分では主な懸念ではない。位置決めでは、レンジング測定が、複数のアセットタグと複数のアクセスポイントとの間で行われる。結果として、レンジング動作は、より長いアクセス距離を必要としうる。1つの構成において、位置ロケーションシステムは、第1のエアインターフェース(メッセージングリンク)上でシステムアーキテクチャにおけるエアインターフェースのメッセージングおよび同期部分を、異なるエアインターフェース(レンジングリンク)上でシステムアーキテクチャのレンジング部分を提供する。
【0039】
[0047] ピアツーピア測定モード
[0048]
図5は、本開示の1つの態様にしたがったシグナリングを例示するブロック
図500である。位置ロケーションシステム400は、第1のアセットタグ402、第2のアセットタグ404、および第nのアセットタグ406のようなアセットタグを有しうる。3つのアセットタグ402〜406が示されているが、本開示は3つのみに限定されるものではなく、任意の数のアセットタグを含むことができる。
【0040】
[0049] メッセージングリンク要求信号520A、520B、および520Nは、位置ロケーションシステム400においてアクセスポイント410から周期的に送られる。例えば、それらは、アセットタグ402〜406が互いに近くにあるときにトリガされることができる。メッセージングリンク要求信号520A、520B、および520Nは、位置ロケーションサーバ480からアクセスポイント410に送られる第1の要求信号528または第2の要求信号532に応えたものでありうる。
【0041】
[0050] 1つの構成において、メッセージングリンクは、メッセージング(例えば、メッセージングリンク要求信号520A、520B、520N、およびメッセージングリンク応答信号522A、522B、522N)のために使用される。メッセージングリンクは、アクセスポイント410と通信するようにアセットタグ402〜406のために使用される。メッセージングリンクは、アクセスポイント410とアセットタグ402〜406との間の粗同期を提供するためにも使用されることができる。
【0042】
[0051] アセットタグ402〜406、例えば、第1のアセットタグ402は、レンジング測定およびレンジング推定に携わるために、第2のアセットタグ404のような、位置ロケーションシステム400内の別のアセットタグに第1のパイロットレンジング信号524Aを送りうる。第2のアセットタグ404は、第1のアセットタグ402に対するレンジング距離およびその位置の第1のアセットタグ402を可能にするために、第2のパイロットレンジング信号526Aを用いて第1のアセットタグ402に応答する。1つの構成において、アセットタグ402〜406は、メッセージングリンクを介してパイロットレンジング信号を送信しうる。
【0043】
[0052] 1つの構成において、アセットタグ402、404、および406は、また、メッセージングリンク応答信号522A、522B、および522Nを使用してアクセスポイント410と通信しうる。アクセスポイント410は、次いで、アセットタグ402、404、および406からのレンジング推定ならびに測定の結果を位置ロケーションサーバ480に返送しうる。アクセスポイント410は、レンジング推定値ならびに測定値を通信するために、第1の応答信号530または第2の応答信号534を使用しうる。1つの構成において、アセットタグがレンジ推定を計算する。別の構成において、位置ロケーションサーバ480が、推定値を生成する。
【0044】
[0053] アセットタグ402〜406の位置は、アクセスポイント410および位置ロケーションサーバ480の両方によって監視されうる。アクセスポイント410は、アセットタグ420〜406の位置を監視するために、周期的なベースで、位置ロケーションサーバ480にアセットタグ402〜406の位置およびレンジングデータを報告する。
1つの構成において、位置ロケーションサーバ480は、アセットタグ402〜406間の直接測定を通して、アセットタグ402〜406がそれら自体の間のレンジを推定することを要求しうる。位置ロケーションサーバ480からのこの要求は、アセットタグ402〜406が互いにごく接近しているときに生じうる。
【0045】
[0054] 1つの構成において、位置ロケーションサーバ480は、アクセスポイント410に第1の要求信号528を送る。第1の要求信号528は、アセットタグ402、404、および406のそれぞれの初期ロケーションを決定するために、アクセスポイント410に、メッセージングリンク要求信号520A、520B、520Nをアセットタグ402、404、および406に送らせる。それらのロケーションが決定されると、その情報は、アセットタグ402、404、および406からアクセスポイント410に(メッセージングリンク応答信号522A、522B、522Nを介して)返送され、次いで、第1の応答信号530を介して位置ロケーションサーバ480に返送される。この構成において、位置ロケーション480は、また、アクセスポイント410に第2の要求信号532を送る。第2の要求信号532は、例えば、アセットタグが移動した場合に、それらの新規のロケーションを決定するために、アセットタグ402、404、および406にメッセージングリンク要求信号520A、520B、520Nを送るようにアクセスポイント410をトリガしうる。それらの新規のロケーションが決定されると、その情報は、アセットタグ402、404、および406からアクセスポイント410に(メッセージングリンク応答信号522A、522B、522Nを介して)返送され、次いで、ことによると第2の応答信号534を使用して位置ロケーションサーバ480に返送される。
【0046】
[0055] アセットタグが互いにごく接近していると決定された場合、位置ロケーションサーバ480は、第1の要求信号528および/または第2の要求信号532のいずれかを介してアクセスポイント410にメッセージを送る。次いで、アクセスポイント410は、(第1のアセットタグ402、第2のアセットタグ404、および第nのアセットタグ406から選択された2つのアセットタグのような)2つのアセットタグにメッセージングリンク要求信号520A、520B、520Nを介してメッセージを送る。メッセージは、アセットタグに、それら自体の間の直接レンジ測定を行うように命令する。この構成において、位置ロケーションサーバ480は、アセットタグ420〜406のうちの1つをマスターアセットタグ(master asset tag)として識別し、他の(1つまたは複数の)アセットタグを(1つまたは複数の)スレーブアセットタグ(slave asset tag)として識別する。
【0047】
[0056] 位置ロケーションサーバ480は、また、異なるアセットタグ間で通信するためにマスターアセットタグがレンジングチャネル上でパイロットレンジング信号524A、524B、524Nを送信すべき、メッセージングリンクフレーム境界(messaging link frame boundary)に関連する時刻、または他の何らかの時間エポック(time epoch)を指定しうる。スレーブアセットタグは、位置ロケーションサーバ480によって指定された同じ時間エポックにおいてパイロットレンジング信号524A、524B、524Nを検索する。スレーブアセットタグは、また、マスターアセットタグのパイロットレンジング信号524A、524B、524Nの受信時にそれ自体のパイロットレンジング信号526A、526B、526Nを送信しうる。マスターならびにスレーブレンジングパイロット信号の送信ならびに受信時間の組み合わせは、2つのアセットタグ間のラウンドトリップ遅延(round trip delay)を推定するためにマスターアセットタグおよび/または位置ロケーションサーバ480によって使用される。ラウンドトリップ遅延は、2つのアセットタグ間のレンジの推定を提供しうる。このアプローチは、また、2つより多くのアセットタグに一度に適用されることができる。
【0048】
[0057] 広帯域幅を有するレンジング信号を使用するための1つの理由は、第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のレンジの正確な推定を可能にすることである。しかしながら、レンジング推定の精度は、受信機におけるパイロット信号の受信信号対雑音比(SNR)と同様に帯域幅の関数(function)でもある。(第1のアセットタグ402および第2のアセットタグ404のような)アセットタグが互いに近くにある場合、マスターあるいはスレーブアセットタグにおいて受信されたパイロット信号上のSNRは非常に高くなるであろう。受信機におけるSNRが高ければ高いほど、レンジング推定の精度が高くなる。したがって、より近いアセットを測定する場合に、リンク上の高いSNRによりメッセージングリンク上のレンジ推定を改善することが可能でありうる。
【0049】
[0058] 狭帯域幅を有するチャネル上でレンジを測定することは、アセットタグ402またはアセットタグ404のような任意のアセットタグのレンジング回路類を簡易化する。より高いSNRがより正確なレンジング推定につながるので、SNRを増加させるために、パイロット信号を複数回再送信し、複数の受信された信号を組み合わせることによってさらにSNRを増加させることができる。複数のパイロット信号を組み合わせ、組み合わされた信号からレンジを推定する代わりに、全体のレンジング推定の精度を改善するために、各パイロット送信からレンジを推定し、次いで、複数のレンジ推定を平均化することもできる。
【0050】
[0059] 要約すると、アセットタグは、アクセスポイントからのメッセージングリンク要求信号520A、520B、520Nをメッセージングリンクを介して受信する。それに応答して、レンジング動作が、位置ロケーションシステム400の第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間で行われる。第1のアセットタグ402は、レンジングリンク上で第1のパイロットレンジング信号524Aを送信する。第1のパイロットレンジング信号524Aは、第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のレンジング動作を可能にする。第1のアセットタグ402は、次いで、第2のアセットタグ404からレンジングリンク上で第2のパイロットレンジング信号526Aを受信する。
【0051】
[0060] 第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のラウンドトリップ遅延が推定されうる。1つの構成において、第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のラウンドトリップ遅延の推定は、第1のアセットタグ402または第2のアセットタグ404によって行われる。別の構成において、第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のラウンドトリップ遅延の推定は、
ロケーションサーバ480によって行われうる。
【0052】
[0061] 1つの構成において、位置ロケーションシステムは、レンジング動作を行うための要求をメッセージングリンクを介して受信するための手段を含む。受信手段は、また、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を可能にするために、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を受信する。本開示の1つの態様において、受信手段は、受信プロセッサ258、アンテナ252(252a、...、252r)、トランシーバ254(254a、...、254r)、コントローラ/プロセッサ270、位置ロケーションモジュール292、および/またはメモリ272でありうる。別の態様において、上述された手段は、これら上述された手段によって記述された機能を行うように構成された任意のモジュールまたは任意の装置でありうる。
【0053】
[0062] この構成において、位置ロケーションシステムは、また、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信するための手段を含む。本開示の1つの態様において、送信手段は、送信プロセッサ264、アンテナ252(252a、...、252r)、トランシーバ254(254a、...、254r)、コントローラ/プロセッサ270、位置ロケーションモジュール292、および/またはメモリ272でありうる。別の態様において、上述された手段は、これら上述された手段によって記述された機能を行うように構成された任意のモジュールまたは任意の装置でありうる。
【0054】
[0063]
図6は、本開示の態様にしたがった方法600を例示するフローチャートである。ブロック602において、要求がメッセージングリンクを介して受信される。例えば、
図5に示されるように、位置ロケーションシステム400の第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のレンジング動作を行うために、位置ロケーションシステム400のアクセスポイント410から要求が発行される。ブロック604において、第1のアセットタグは、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を可能にするために、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信する。
図5に示されるように、第1のアセットタグ402は、第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のレンジング動作を可能にするために、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号524Aを送信する。ブロック606において、第1のアセットタグは、第2のアセットタグからレンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信する。
図5に示されるように、第1のアセットタグ402は、第2のアセットタグ404からレンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号526Aを受信する。
【0055】
[0064]
図7は、本開示の態様にしたがった方法700を例示するフローチャートである。ブロック702において、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作がメッセージングリンクを介して要求される。例えば、
図5に示されるように、レンジング動作は、メッセージングリンク220を介して第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間で要求される。第1のレンジング信号524Aは、第1のアセットタグ402と第2のアセットタグ404との間のレンジングリンク上で送信され、第2のレンジング信号526Aは、第2のアセットタグ(404)と第1のアセットタグ(402)との間のレンジングリンク上で送信される。ブロック704において、第1のレンジング信号および第2のレンジング信号に基づいて第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジが決定される。このレンジは、
図5に示される構成の第1のレンジング信号524Aおよび第2のレンジング信号526Aに基づいて、アクセスポイント410、位置ロケーションサーバ480、またはマスターアセットタグによって決定されうる。
【0056】
[0065] 当業者は、さらに、本明細書の開示に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両者の組み合わせとしてインプリメントされうることを理解するであろう。このハードウェアおよびソフトウェアの互換性を明確に例示するために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能性の点から概して上述されている。このような機能性が、ハードウェアとしてインプリメントされるか、ソフトウェアとしてインプリメントされるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられる設計制約に依存する。当業者は、特定の各アプリケーションについて、説明された機能を多様な方法でインプリメントすることができるが、そのようなインプリメンテーションの判断は、本開示の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0057】
[0066] 本明細書での開示に関連して説明された、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書に説明された機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートあるいはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはこれらの任意の組み合わせを用いて、インプリメントまたは実行されうる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサでありうるが、代替として、このプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでありうる。プロセッサは、また、例えば、DSPとマクロプロセッサの組み合わせといった、コンピューティングデバイスの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに連結した1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成としてインプリメントされうる。
【0058】
[0067] 本開示に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアに直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールに、またはこれら2つの組み合わせに具現化されうる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバルディスク、CD−ROM、または当該技術分野で既知の他の任意の形態の記憶媒体内に存在しうる。実例的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、また記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替的に、記憶媒体はプロセッサと一体化されうる。プロセッサおよび記憶媒体はASICに存在しうる。ASICは、ユーザ端末に存在しうる。代替的に、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末にディスクリートコンポーネントとして存在しうる。
【0059】
[0068] 1つまたは複数の例示的な設計では、説明された複数の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせにインプリメントされうる。ソフトウェアにインプリメントされる場合、これらの機能は、コンピュータ可読媒体上で、1つまたは複数の命令またはコードとして送信または記憶されうる。コンピュータ可読媒体は、1つの場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体およびコンピュータ記憶媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスされることができる任意の利用可能な媒体でありうる。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光学ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶デバイス、あるいは、命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を記憶または搬送するために使用されることができ、また、汎用あるいは専用コンピュータ、または汎用あるいは専用プロセッサによってアクセスされることができる、任意の他の媒体を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と厳密には称される。例えば、ソフトウェアが、ウェブサイト、サーバ、または、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、デジタル加入者ライン(DSL)、あるいは赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術を使用する他の遠隔ソース、から送信される場合は、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波のようなワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書に使用される、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびBlu−ray(登録商標)ディスクを含み、ディスク(disk)は通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(disc)は、レーザーを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0060】
[0069] 本開示の先の説明は、当業者が本開示を製造または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された包括的な原理は、本開示の精神または範囲から逸脱せずに、他の変形物に適用されうる。よって、本開示は、本明細書に説明された例および設計に限定されるように意図されたものではなく、本明細書に開示された原理および新規の特徴と矛盾しない最大範囲であると認められるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
位置ロケーション方法であって、
位置ロケーションシステムの第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、前記位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求をメッセージングリンクを介して受信することと、
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジング動作を可能にするために、前記第1のアセットタグが、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信することと、
前記第1のアセットタグが、前記第2のアセットタグから前記レンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信することと
を備える、位置ロケーション方法。
[C2]
前記アクセスポイントからの前記要求は、前記第1のアセットタグをマスターアセットタグとして識別する、C1に記載の方法。
[C3]
前記アクセスポイントからの前記要求は、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグとして識別する、C1に記載の方法。
[C4]
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C5]
前記ラウンドトリップ遅延を推定することは、前記第1のアセットタグによって行われる、C4に記載の方法。
[C6]
位置ロケーションサーバが前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定することを可能にするために、レンジング情報を転送することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C7]
前記要求を受信することは、前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグが互いの所定の距離内にあるときに生じる、C1に記載の方法。
[C8]
前記第2のレンジングパイロット信号の複数のコピーを受信することと、
前記コピーを組み合わせることと、
前記組み合わされたコピーに少なくとも部分的に基づいて、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジを推定することと
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C9]
位置ロケーションシステムであって、
レンジング動作を行うために、メッセージングリンクを介してアクセスポイントからの要求を受信するように構成された第1のアセットタグと、
レンジングリンクを介して前記第1のアセットタグからの第1のレンジングパイロット信号を受信するように構成され、さらに、前記レンジングリンクを介して前記第1のアセットタグに第2のレンジングパイロット信号を送信するように構成された第2のアセットタグと
を備え、
前記第1のアセットタグは、前記第2のアセットタグから前記第2のレンジングパイロット信号を受信し、前記レンジング動作は、前記第1のレンジングパイロット信号および前記第2のレンジングパイロット信号に少なくとも部分的に基づいて行われる、位置ロケーションシステム。
[C10]
前記アクセスポイントからの前記要求は、前記第1のアセットタグをマスターアセットタグとして識別する、C9に記載の位置ロケーションシステム。
[C11]
前記アクセスポイントからの前記要求は、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグとして識別する、C9に記載の位置ロケーションシステム。
[C12]
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定するように構成された推定器
をさらに備える、C9に記載の位置ロケーションシステム。
[C13]
前記ラウンドトリップ遅延の前記推定は、前記第1のアセットタグによって行われる、C12に記載の位置ロケーションシステム。
[C14]
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定するための転送されたレンジング情報を受信するように構成された位置ロケーションサーバ
をさらに備える、C9に記載の位置ロケーションシステム。
[C15]
前記第1のアセットタグは、前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグが互いの所定の距離内にあるときに前記要求を受信する、C9に記載の位置ロケーションシステム。
[C16]
位置ロケーションための装置であって、
位置ロケーションシステムの第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、前記位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求をメッセージングリンクを介して受信するための手段と、
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジング動作を可能にするために、前記第1のアセットタグが、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信するための手段と、
前記第1のアセットタグが、前記第2のアセットタグから前記レンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信するための手段と
を備える、装置。
[C17]
位置ロケーションサーバが前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定することを可能にするために、レンジング情報を転送するための手段をさらに備える、C16に記載の装置。
[C18]
位置ロケーションのためのコンピュータプログラム製品であって、
非一時的なプログラムコードを記録した非一時的なコンピュータ可読媒体
を備え、前記プログラムコードは、
第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジング動作を行うために、位置ロケーションシステムのアクセスポイントからの要求をメッセージングリンクを介して受信するためのプログラムコードと、
前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジング動作を可能にするために、前記第1のアセットタグが、レンジングリンク上で第1のレンジングパイロット信号を送信するためのプログラムコードと、
前記第1のアセットタグが、前記第2のアセットタグから前記レンジングリンク上で第2のレンジングパイロット信号を受信するためのプログラムコードと
を備える、コンピュータプログラム製品。
[C19]
前記非一時的なコンピュータ可読媒体は、位置ロケーションサーバが前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定することを可能にするために、レンジング情報を転送するためのプログラムコードをさらに備える、C18に記載のコンピュータプログラム製品。
[C20]
位置ロケーション方法であって、
第1のレンジング信号が、第1のアセットタグと第2のアセットタグとの間のレンジングリンク上で送信され、第2のレンジング信号が、前記第2のアセットタグと前記第1のアセットタグとの間の前記レンジングリンク上で送信されるように、メッセージングリンクを介して前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジング動作を要求することと、
前記第1のレンジング信号および前記第2のレンジング信号に少なくとも部分的に基づいて前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間のレンジを決定することと
を備える、方法。
[C21]
前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグの位置を監視することと、
前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグが互いの所定の距離内にあるときに、前記第1のアセットタグおよび前記第2のアセットタグに前記レンジング動作の要求を発行することと
をさらに備える、C20に記載の方法。
[C22]
前記第1のアセットタグをマスターアセットタグと指定し、前記第2のアセットタグをスレーブアセットタグと指定することと、
前記レンジング動作を行うように前記マスターアセットタグおよび前記スレーブアセットタグに狭帯域メッセージングリンクを介して要求することと、
前記マスターアセットタグと前記スレーブアセットタグとの間の前記レンジを計算するために前記レンジング動作にしたがって前記マスターアセットタグと前記スレーブアセットタグとの間のラウンドトリップ遅延を推定することと
をさらに備える、C21に記載の方法。
[C23]
前記第1のアセットタグは、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジを決定する、C20に記載の方法。
[C24]
アクセスポイントは、前記第1のアセットタグと前記第2のアセットタグとの間の前記レンジを決定する、C20に記載の方法。