(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6549229
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】表面弾性波タッチスクリーン及びタッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/043 20060101AFI20190711BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
G06F3/043
G06F3/041 510
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-530376(P2017-530376)
(86)(22)【出願日】2014年10月21日
(65)【公表番号】特表2017-526098(P2017-526098A)
(43)【公表日】2017年9月7日
(86)【国際出願番号】CN2014089056
(87)【国際公開番号】WO2016029536
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年9月6日
(31)【優先権主張番号】201410427715.5
(32)【優先日】2014年8月27日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】沙 金
【審査官】
木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−533040(JP,A)
【文献】
特開2011−030290(JP,A)
【文献】
特表2001−513228(JP,A)
【文献】
特開2000−066838(JP,A)
【文献】
特開2007−199989(JP,A)
【文献】
特開2007−323278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041 − 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン本体及び駆動モジュールを備える表面弾性波タッチスクリーンであって、
上記スクリーン本体のタッチされる表面には、
駆動モジュールから提供される正弦電気信号の駆動によって、第1の方向に第1の表面弾性波信号を送信するとともに、第2の方向に第2の表面弾性波信号を送信する、圧電材料で製造された1つのみの表面弾性波送信機であって、上記第1の方向が第2の方向と垂直であり、上記第1の方向及び第2の方向がそれぞれに上記スクリーン本体のタッチされる表面の2つの隣接する側辺に平行し、上記1つのみの表面弾性波送信機の上記スクリーン本体のタッチされる上記表面に平行な断面が正方形であり、上記駆動モジュールは、上記第1の方向及び第2の方向に垂直な正弦電気信号を、上記1つのみの表面弾性波送信機に提供するように構成されており、それにより上記1つのみの表面弾性波送信機は、上記第1の方向で伸張する際、上記第2の方向では収縮し、上記1つのみの表面弾性波送信機は、上記第2の方向で伸張する際、上記第1の方向では収縮し、上記第1の方向における上記第1の表面弾性波信号及び上記第2の方向における上記第2の表面弾性波信号は同じ強度を有している、1つのみの表面弾性波送信機と、
第1の反射ユニット及び第2の反射ユニットと、
第3の反射ユニット及び第4の反射ユニットと、
第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサであって、上記第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサの双方は、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する角部に対向する角部に所在しているか、または、上記第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサの一方は、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する角部に対向する角部に所在しており、上記第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサの他方は、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する角部に隣接する角部に所在している、第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサとが取り付けられ、
上記第1の反射ユニットが上記第1の表面弾性波信号を上記第2の反射ユニットに反射し、上記第2の反射ユニットが上記第1の表面弾性波信号を上記第1の受信トランスデューサに反射し、上記第3の反射ユニットが上記第2の表面弾性波信号を上記第4の反射ユニットに反射し、上記第4の反射ユニットが上記第2の表面弾性波信号を上記第2の受信トランスデューサに反射し、第1の受信トランスデューサが受信した表面弾性波信号を第1のタッチ電気信号に変換し、第2の受信トランスデューサが受信した表面弾性波信号を第2のタッチ電気信号に変換することで、上記第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてタッチ位置を確定する表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項2】
上記1つのみの表面弾性波送信機が圧電セラミックスシートである請求項1に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項3】
上記第1の反射ユニット、第2の反射ユニット、第3の反射ユニット、及び第4の反射ユニットが、上記スクリーン本体の側辺にそれぞれ設置される請求項1または2に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項4】
上記各反射ユニットが、複数の平行な反射ストライプからなる反射ストライプアレイを含む請求項1に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項5】
各反射ユニットの上記1つのみの表面弾性波送信機から離れる方向に沿って、上記反射ストライプの密度が徐々に増加する請求項4に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項6】
上記第1の反射ユニットと第3の反射ユニットとが、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する上記角部をなす2つの側辺にそれぞれ設置され、
上記第2の反射ユニットが第1の反射ユニットと対向する側辺に設置され、上記第4の反射ユニットが第3の反射ユニットと対向する側辺に設置され、
上記第1の受信トランスデューサは、第2の反射ユニットが所在する側辺とそれに隣接する側辺とがなす角部に設置され、上記第2の受信トランスデューサは、第4の反射ユニットが所在する側辺とそれに隣接する側辺とがなす角部に設置される、請求項1に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項7】
上記各反射ユニットが、複数の平行な反射ストライプからなる反射ストライプアレイを含む請求項6に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項8】
上記第1の受信トランスデューサは、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する角部に対向する角部に所在しており、
第1の反射ユニットと第2の反射ユニットとの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサが所在する角部から上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する上記角部に向かう方向に沿って傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプが平行する請求項7に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項9】
上記第1の受信トランスデューサは、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する上記角部に隣接する角部に所在しており、
第1の反射ユニットの反射ストライプは、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する上記角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、第2の反射ユニットの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサが所在する角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプが垂直である請求項7に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項10】
上記第2の受信トランスデューサは、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する角部に対向する上記角部に所在しており、
第3の反射ユニットと第4の反射ユニットとの反射ストライプは、第2の受信トランスデューサが所在する角部から上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する上記角部に向かう方向に沿って傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプが平行する請求項7に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項11】
上記第2の受信トランスデューサは、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する角部に隣接する上記角部に所在しており、
第3の反射ユニットの反射ストライプは、上記1つのみの表面弾性波送信機が所在する上記角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、第4の反射ユニットの反射ストライプは、第2の受信トランスデューサが所在する角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプが垂直である請求項7に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項12】
上記スクリーン本体が長方形であり、且つ、各反射ユニットにおける反射ストライプと該反射ユニットが所在するスクリーン本体の側辺との間のアングルが45度である請求項8から11のいずれか1項に記載の表面弾性波タッチスクリーン。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の表面弾性波タッチスクリーン、及びタッチ位置決め回路を備えるタッチ表示装置であって、
上記タッチ位置決め回路は、上記表面弾性波タッチスクリーンの第1の受信トランスデューサと第2の受信トランスデューサとに接続され、上記第1の受信トランスデューサが変換した第1のタッチ電気信号と上記第2の受信トランスデューサが変換した第2のタッチ電気信号とを受信し、上記第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてタッチ位置を確定するタッチ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面弾性波タッチスクリーン及び上記表面弾性波タッチスクリーンを応用したタッチ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表面弾性波タッチスクリーンは、タッチが表面弾性波(超音波の1種)の伝達に与える影響を検出することでタッチ動作を識別するスクリーンであり、解像度が高く、光透過率が良好で、応答性が優れ、温度及び湿度等の環境要素の影響を受けない等の利点を有するため、CRT(陰極線管ディスプレイ)、OLED(有機発光ダイオードディスプレイ)、LCD(液晶ディスプレイ)、及びPDP(プラズマディスプレイ)に広く適用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの実施例では、1つの表面弾性波送信機だけで、スクリーン本体の第1の方向及び第2の方向に伝達する表面弾性波を発生できる表面弾性波タッチスクリーン及びタッチ表示装置を提供して、装置の消費電力を低減させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの実施例では、スクリーン本体及び駆動モジュールを備える表面弾性波タッチスクリーンであって、上記スクリーン本体の表面には、駆動モジュールから提供される周期的な電気信号の駆動によって、第1の方向に第1の表面弾性波信号を送信するとともに、第2の方向に第2の表面弾性波信号を送信する圧電材料で製造された表面弾性波送信機と、第1の反射ユニット及び第2の反射ユニットと、第3の反射ユニット及び第4の反射ユニットと、第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサと、が設けられている。第1の反射ユニットは第1の表面弾性波信号を第2の反射ユニットに反射し、第2の反射ユニットは第1の表面弾性波信号を第1の受信トランスデューサに反射し、第3の反射ユニットは第2の表面弾性波信号を第4の反射ユニットに反射し、第4の反射ユニットは第2の表面弾性波信号を第2の受信トランスデューサに反射し、第1の受信トランスデューサが受信した表面弾性波信号を第1のタッチ電気信号に変換し、第2の受信トランスデューサが受信した表面弾性波信号を第2のタッチ電気信号に変換することで、上記第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてタッチ位置を確定する表面弾性波タッチスクリーンを提供する。
【0005】
例えば、上記表面弾性波送信機は、圧電セラミックスシートである。
【0006】
例えば、上記駆動モジュールが上記表面弾性波送信機に提供する周期的な電気信号は、正弦電気信号である。
【0007】
例えば、上記第1の方向及び第2の方向は、それぞれに上記スクリーン本体の2つの隣接する側辺に平行する。
【0008】
例えば、上記第1の反射ユニット、第2の反射ユニット、第3の反射ユニット、及び第4の反射ユニットは、上記スクリーン本体の側辺にそれぞれ設置される。
【0009】
例えば、上記第1の方向は、第2の方向と垂直になる。
【0010】
例えば、上記表面弾性波送信機のスクリーン本体に平行な断面は正方形であり、且つ上記第1の方向及び第2の方向はそれぞれに上記スクリーン本体の2つの隣接する側辺に平行する。
【0011】
例えば、上記各反射ユニットが、複数の平行な反射ストライプからなる反射ストライプアレイを含む。
【0012】
例えば、各反射ユニットの上記表面弾性波送信機から離れる方向に沿って、上記反射ストライプの密度が徐々に増加する。
【0013】
例えば、上記表面弾性波送信機は、上記スクリーン本体に貼着される。
【0014】
例えば、上記スクリーン本体は平行四辺形であり、上記表面弾性波送信機、第1の受信トランスデューサ、及び第2の受信トランスデューサは上記スクリーン本体の角部に設置され、上記第1の反射ユニットと第3の反射ユニットとは、表面弾性波送信機が所在する角部をなす2つの側辺にそれぞれ設置され、上記第2の反射ユニットは第1の反射ユニットと対向する側辺に設置され、上記第4の反射ユニットは第3の反射ユニットと対向する側辺に設置され、上記第1の受信トランスデューサは、第2の反射ユニットが所在する側辺とそれに隣接する側辺とがなす角部に設置され、上記第2の受信トランスデューサは、第4の反射ユニットが所在する側辺とそれに隣接する側辺とがなす角部に設置される。
【0015】
例えば、上記第1の受信トランスデューサが所在する角部は、上記表面弾性波送信機が所在する角部に対向する角部であり、第1の反射ユニットと第2の反射ユニットとの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサが所在する角部から表面弾性波送信機が所在する角部に向かう方向に沿って傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプは平行する。
【0016】
例えば、上記第1の受信トランスデューサが所在する角部は上記表面弾性波送信機が所在する角部に隣接する角部であり、第1の反射ユニットの反射ストライプは、表面弾性波送信機が所在する角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、第2の反射ユニットの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサが所在する角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプは垂直である。
【0017】
例えば、上記第2の受信トランスデューサが所在する角部は上記表面弾性波送信機が所在する角部に対向する角部であり、第3の反射ユニットと第4の反射ユニットとの反射ストライプは、第2の受信トランスデューサが所在する角部から表面弾性波送信機が所在する角部に向かう方向に沿って傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプは平行する。
【0018】
例えば、上記第2の受信トランスデューサが所在する角部は上記表面弾性波送信機が所在する角部に隣接する角部であり、第3の反射ユニットの反射ストライプは、表面弾性波送信機が所在する角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、第4の反射ユニットの反射ストライプは、第2の受信トランスデューサが所在する角部からそれに対向する角部に向かって傾斜し、且つ、上記2つの反射ユニットの反射ストライプは垂直である。
【0019】
例えば、上記スクリーン本体は長方形であり、且つ、各反射ユニットにおける反射ストライプと該反射ユニットが所在するスクリーン本体の側辺との間のアングルは45度である。
【0020】
また、本発明の1つの実施例では、本発明の前述した表面弾性波タッチスクリーン、及びタッチ位置決め回路を備えるタッチ表示装置であって、上記タッチ位置決め回路は、上記表面弾性波タッチスクリーンの第1の受信トランスデューサと第2の受信トランスデューサとに接続され、上記第1の受信トランスデューサが変換した第1のタッチ電気信号と上記第2の受信トランスデューサが変換した第2のタッチ電気信号とを受信し、上記第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてタッチ位置を確定するタッチ表示装置を提供する。
【0021】
本発明の技術案をより明確にするために、以下、実施例に係る図面を簡単に説明する。明らかに、以下の図面はただ本発明の部分的な実施例のみに係り、本発明に対する制限ではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
【
図2】
図2は本発明の第1の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
【
図3】
図3は表面弾性波送信機が第1の方向で伸張し、第2の方向で収縮する概略図である。
【
図4】
図4は表面弾性波送信機が第1の方向で収縮し、第2の方向で伸張する概略図である。
【
図5】
図5は表面弾性波送信機がスクリーン本体の左下角に位置する概略図である。
【
図6】
図6は表面弾性波送信機がスクリーン本体の左上角に位置する概略図である。
【
図7】
図7は表面弾性波送信機がスクリーン本体の右上角に位置する概略図である。
【
図8】
図8は本発明の第2の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
【
図9】
図9は本発明の第3の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
【
図10】
図10は本発明の第4の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例に係る図面を参照しながら、本発明の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。勿論、説明される実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。説明される本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしなく取得しえるすべての他の実施例は、全部本発明の保護範囲に属する。
【0024】
図1は、表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
図1に示すように、表面弾性波タッチスクリーンは、スクリーン本体1、第1の送受信ユニット2、及び第2の送受信ユニット3を備え、第1の送受信ユニット2は、ユーザによるタッチ位置のX軸における座標を確定し、第2の送受信ユニット3は、当該位置のY軸における座標を確定する。当該位置のX軸及びY軸における座標に基づいて、ユーザにタッチされる位置を識別することができる。
【0025】
第1の送受信ユニット2は、スクリーン本体1の右下角に設置される第1の送信トランスデューサ4、第1の反射ストライプアレイ5、及びスクリーン本体1の右上角に設置される第1の受信トランスデューサ6を備える。第1の送信トランスデューサ4は電気信号をパルス弾性波信号に変換してX軸方向に発射する。第1の反射ストライプアレイ5は、反射アレイ5a、5bを含み、反射アレイ5aは、弾性波信号がX軸方向に伝達される過程中に、弾性波信号を反射アレイ5bに反射し続け、反射アレイ5bは弾性波信号を第1の受信トランスデューサ6に反射する。X軸上の異なる位置で反射アレイ5bに反射された弾性波信号が第1の受信トランスデューサ6に伝達される経路は異なるため、上記弾性波信号が第1の受信トランスデューサ6に到達する時間も異なり、これによって、異なる時間で第1の受信トランスデューサ6に到達した弾性波信号は重畳して広い波形信号になる。且つ、上記弾性波信号がY軸に沿って通過した行程は同じであるので、上記弾性波信号が重畳した後の波形信号の時間軸は上記弾性波信号のX軸座標を反映できる。よって、ユーザがスクリーン本体1上の任意の位置を押すと、該位置を介して反射アレイ5bに発射された弾性波信号はある程度減衰し、該減衰は上記重畳した後の波形信号に反映される。上記減衰に対応する時点に基づき、該位置のX軸座標を確定することができる。
【0026】
第2の送受信ユニット3はユーザタッチ位置のY軸座標を確定するための装置であり、スクリーン本体1の左上角に設置される第2の送信トランスデューサ7、反射アレイ8a、8bを含む第2の反射ストライプアレイ8、及びスクリーン本体1の右上角に設置される第2の受信トランスデューサ9を備える。第2の送受信ユニット3がユーザによるタッチ位置のY軸座標を確定する原理は、第1の送受信ユニット2が当該位置のX軸座標を確定する原理と同じで、ここで説明を省略する。
【0027】
図1に示す表面弾性波タッチスクリーンに対して、発明者は、上記表面弾性波タッチスクリーンにおいて、2つの送信トランスデューサ4、7でX軸方向およびY軸方向にそれぞれ弾性波信号を送信してスクリーン本体1の横方向と縦方向とに伝達する表面弾性波を発生させるのには、高いエネルギーが消費され、上記表面弾性波タッチスクリーンの消費電力が高くなるのを見出した。
【0028】
図2は本発明の第1の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
図2に示すように、表面弾性波タッチスクリーン10は、スクリーン本体11及び駆動モジュール50を備える。スクリーン本体11の表面には、駆動モジュールから提供される周期的な電気信号の駆動によって、第1の方向Xに第1の表面弾性波信号を送信するとともに、第2の方向Yに第2の表面弾性波信号を送信する、圧電材料で製造された表面弾性波送信機13と、第1の反射ユニット12a及び第2の反射ユニット12cと、第3の反射ユニット12d及び第4の反射ユニット12bと、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15とが設けられている。第1の反射ユニット12aは第1の表面弾性波信号を第2の反射ユニット12cに反射し、第2の反射ユニット12cは第1の表面弾性波信号を第1の受信トランスデューサ14に反射し、第3の反射ユニット12dは第2の表面弾性波信号を第4の反射ユニット12bに反射し、第4の反射ユニット12bは第2の表面弾性波信号を第2の受信トランスデューサ15に反射し、第1の受信トランスデューサ14が受信した表面弾性波信号を第1のタッチ電気信号に変換し、第2の受信トランスデューサ15が受信した表面弾性波信号を第2のタッチ電気信号に変換することで、第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてタッチ位置を確定する。
【0029】
本実施例で、表面弾性波送信機13は圧電材料で製造され、たとえば圧電セラミックスシートであり、駆動モジュールが表面弾性波送信機13に周期的な電気信号を提供する時、D31効果(厚み方向に印加された交流電界による圧電材料の長手方向及び幅方向での変形現象)によって、表面弾性波送信機13の第1の方向X及び第2の方向Yでの縦振動モードが励起され、表面弾性波送信機13が第1の方向Xまたは第2の方向Yで伸縮動作を行なう。表面弾性波送信機13の第1の方向Xでの振動モードの位相と第2の方向Yでの縦振動モードの位相の差はπ/2であり、つまり、
図3において破線で示すように、表面弾性波送信機13は、第1の方向Xで伸張する際、第2の方向Yでは収縮し、
図4において破線で示すように、第2の方向Yで伸張する際、第1の方向Xでは収縮する。
【0030】
表面弾性波送信機13の第1の方向Xでの伸縮運動によって、第1の表面弾性波信号が第1の方向Xに発射され、表面弾性波送信機13の第2の方向Yでの伸縮運動によって、第2の表面弾性波信号が第2の方向Yに発射される。上記第1の表面弾性波信号は、第1の反射ユニット12aと第2の反射ユニット12cに反射され、第1の受信トランスデューサ14に発射される。第2の表面弾性波信号は、第3の反射ユニット12dと第4の反射ユニット12bに反射され、第2の受信トランスデューサ15に発射される。第1の受信トランスデューサ14は受信した表面弾性波信号を第1のタッチ電気信号に変換し、第2の受信トランスデューサ15は受信した表面弾性波信号を第2のタッチ電気信号に変換する。第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号の波形を分析することで、タッチ位置を確定できる。通常に、第1のタッチ電気信号の波形をそれに対応する予め設定された基準波形と比較し、第2のタッチ電気信号の波形をそれに対応する予め設定された基準波形と比較する。第1のタッチ電気信号と第2のタッチ電気信号がそれぞれに対応する予め設定された基準波形と完全に一致する場合、タッチ動作がないことを意味し、上記2つのタッチ電気信号の波形に減衰ギャップがあると、当該減衰ギャップの位置に基づいて、第1の方向X及び第2の方向Yの座標を確定し、それによりスクリーン本体11におけるユーザのタッチ位置を確定する。
【0031】
以上から分かるように、本実施例では、1つの表面弾性波送信機13だけで、第1の方向X及び第2の方向Yに沿ってスクリーン本体11で伝達する表面弾性波を発生させることができ、2つの送信トランスデューサを用いることに比べて、表面弾性波タッチスクリーンの消費電力を低減させる。
【0032】
本実施例において、第1の反射ユニット12a、第2の反射ユニット12c、第3の反射ユニット12d、及び第4の反射ユニット12bは、スクリーン本体11の側辺にそれぞれ設置される。第1の方向X及び第2の方向Yは、スクリーン本体11の2つの隣接する側辺にそれぞれ平行し、且つ、第1の方向Xは第2の方向Yと垂直になる。
【0033】
たとえば、駆動モジュールが表面弾性波送信機13に提供する周期的な電気信号は正弦電気信号であり、表面弾性波送信機13のスクリーン本体11に平行な断面は正方形であり、且つ、第1の方向X及び第2の方向Yはスクリーン本体11の2つの隣接する側辺にそれぞれ平行する。このようにすることで、表面弾性波送信機13が第1の方向X及び第2の方向Yにおいて行なう伸縮運動の幅が一致になり、第1の方向X及び第2の方向Yで強度が同じ表面弾性波が発生する。
【0034】
本実施例で、第1の反射ユニット12a、第2の反射ユニット12c、第3の反射ユニット12d、第4の反射ユニット12bは、複数の平行な反射ストライプからなる反射ストライプアレイを含む。
【0035】
本実施例で、表面弾性波送信機13は上記スクリーン本体11に貼着される。これで、スクリーン本体11に表面弾性波送信機13を固定するための構造を設置する必要がないので、表面弾性波送信機13とスクリーン本体11との間の接続方式がより簡素化され、且つ、上記構造を減少させることで、スクリーン本体11のエッジ幅をその分だけ減少させ、狭いエッジを実現するのに有利である。
【0036】
本実施例で、スクリーン本体11は平行四辺形である。表面弾性波送信機13、第1の受信トランスデューサ14、及び第2の受信トランスデューサ15は、上記スクリーン本体11の角部に設置される。且つ、第1の反射ユニット12a及び第3の反射ユニット12dは、表面弾性波送信機13が所在する角部をなす2つの側辺にそれぞれ設置される。第2の反射ユニット12cは第1の反射ユニット12aに対向する側辺に設置され、第4の反射ユニット12bは第3の反射ユニット12dに対向する側辺に設置される。第1の受信トランスデューサ14は、第2の反射ユニット12cが所在する側辺とそれに隣接する側辺とがなす角部に設置される。第2の受信トランスデューサ15は、第4の反射ユニット12bが所在する側辺とそれに隣接する側辺とがなす角部に設置される。
【0037】
本実施例で、たとえば、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部及び第2の受信トランスデューサ15が所在する角部の両方は、表面弾性波送信機13が所在する角部に対向する角部である。たとえば、
図2に示すように、表面弾性波送信機13はスクリーン本体11の右下角に位置し、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15はスクリーン本体の左上角に位置する。もちろん、
図5に示すように、表面弾性波送信機13がスクリーン本体11の左下角に位置し、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15がスクリーン本体の右上角に位置しでもよく、また、
図6に示すように、表面弾性波送信機13がスクリーン本体11の左上角に位置し、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15がスクリーン本体の右下角に位置しでもよく、また、
図7に示すように、表面弾性波送信機13がスクリーン本体11の右上角に位置し、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15がスクリーン本体の左下角に位置してもよい。
【0038】
図2に示された表面弾性波送信機13がスクリーン本体11の右下角に位置し、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15がスクリーン本体の左上角に位置する場合を例とすると、表面弾性波タッチスクリーン10において、第1の反射ユニット12a及び第2の反射ユニット12cの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15が所在する角部(すなわち左上角)から表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)に向けた方向に沿って傾斜し、第1の反射ユニット12a及び第2の反射ユニット12cの反射ストライプは平行する。且つ、第3の反射ユニット12d及び第4の反射ユニット12bの反射ストライプは、第2の受信トランスデューサ15が所在する角部(すなわち左上角)から表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)に向けた方向に沿って傾斜し、第3の反射ユニット12d及び第4の反射ユニット12bの反射ストライプは平行する。これで、表面弾性波送信機13が第1の方向X及び第2の方向Yに表面弾性波信号を発射する場合、スクリーン本体11の下側辺に位置する第1の反射ユニット12aは表面弾性波をスクリーン本体11の上側辺に位置する第2の反射ユニット12cに反射し、第2の反射ユニット12cは当該表面弾性波信号を第1の受信トランスデューサ14に反射し、第1の受信トランスデューサ14は受信した表面弾性波信号を第1のタッチ電気信号に変換する。且つ、スクリーン本体11の右側辺に位置する第3の反射ユニット12dは表面弾性波信号をスクリーン本体11の左側辺に位置する第4の反射ユニット12bに反射し、第4の反射ユニット12bは当該表面弾性波信号をさらに第2の受信トランスデューサ15に反射し、第2の受信トランスデューサ15は受信した表面弾性波信号を第2のタッチ電気信号に変換する。これにより、ユーザがスクリーン本体11上において任意の位置を押す時、第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号の波形における減衰ギャップに基づいて、スクリーン本体11でユーザが押す位置を確定して、タッチ動作を識別することができる。
【0039】
本実施例で、たとえば、スクリーン本体11は長方形であり、スクリーン本体11の各側辺に位置する反射ユニットの反射ストライプとスクリーン本体11の該側辺との間のアングルは45度である。これで、第1の方向Xに発射した表面弾性波信号を第1の反射ユニット12aで第2の反射ユニット12cに反射し、また、第2の方向Yに発射した表面弾性波信号を第3の反射ユニット12dで第4の反射ユニット12bに反射する際、表面弾性波信号がスクリーン本体11の下端からその上端まで垂直に運動し、且つスクリーン本体11の右端からその左端まで垂直に運動し、この場合、表面弾性波信号の反射経路がもっとも簡単であり、第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号の波形をよりシンプルにすることができ、ユーザの押し位置を容易に分析できる。
【0040】
本発明の少なくとも1つの実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10において、表面弾性波送信機13は圧電材料で製造され、周期的な電気信号の駆動によって第1の方向X及び第2の方向Yで伸縮運動することができ、それにより、それぞれに第1の方向X及び第2の方向Yに発射される第1の表面弾性波信号及び第2の表面弾性波信号を発生させ、当該第1の表面弾性波信号及び第2の表面弾性波信号は反射ユニットに反射され第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15にそれぞれ発射され、第1の受信トランスデューサ14が受信した表面弾性波信号を第1のタッチ電気信号に変換し、第2の受信トランスデューサ15が受信した表面弾性波信号を第2のタッチ電気信号に変換し、上記第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてユーザによるタッチ位置の第1の方向X及び第2の方向Yの座標を確定して、ユーザのタッチ位置を確定できる。本発明の少なくとも1つの実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10は、1つのみの表面弾性波送信機13だけで、第1の方向X及び第2の方向Yに沿ってスクリーン本体11で伝達する表面弾性波を発生させるため、消費電力を低減できる。
【0041】
図8は、本発明の第2の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
図8に示すように、上記第1の実施例に比べて、本実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10もスクリーン本体11、駆動モジュール、各反射ユニット、表面弾性波送信機13、第1の受信トランスデューサ14、及び第2の受信トランスデューサ15を備える。これらについては、上記第1の実施例ですでに詳しく説明したので、上記第1の実施例と同一の点については重なる説明を省略する。
【0042】
以下、本実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10と上記第1の実施例との相違点のみを詳細に説明する。本実施例で、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部は表面弾性波送信機13が所在する角部と対向する角部であり、第2の受信トランスデューサ15が所在する角部は表面弾性波送信機13が所在する角部と隣接する角部である。
【0043】
図8に示された表面弾性波送信機13がスクリーン本体11の右下角に位置する場合を例とすると、第1の受信トランスデューサ14はスクリーン本体11の左上角に位置し、第2の受信トランスデューサ15はスクリーン本体11の左下角に位置する。この場合、第1の反射ユニット12aと第2の反射ユニット12cの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部(すなわち左上角)から表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)を向けた方向に沿って傾斜し、第1の反射ユニット12aと第2の反射ユニット12cの反射ストライプは平行する。且つ、第3の反射ユニット12dの反射ストライプは表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)からそれに対向する角部(すなわち左上角)に向かって傾斜し、第4の反射ユニット12bの反射ストライプは第2の受信トランスデューサ15が所在する角部(すなわち左下角)からそれに対向する角部(すなわち右上角)に向かって傾斜し、第3の反射ユニット12dと第4の反射ユニット12bの反射ストライプは垂直である。これで、第1の反射ユニット12aおよび第2の反射ユニット12cは、第1の方向Xに発射した表面弾性波信号を第1の受信トランスデューサ14に反射でき、第3の反射ユニット12dおよび第4の反射ユニット12bは、第2の方向Yに発射した表面弾性波信号を第2の受信トランスデューサ15に反射できる。
【0044】
図9は、本発明の第3の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
図9に示すように、上記第1、第2の実施例に比べて、本実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10もスクリーン本体11、駆動モジュール、各反射ユニット、表面弾性波送信機13、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15を備える。これらについては、上記第1の実施例ですでに詳しく説明したので、上記第1、第2の実施例と同じ点については重なる説明を省略する。
【0045】
以下、本実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10と上記第1、第2の実施例との相違点のみを詳細に説明する。本実施例で、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部は表面弾性波送信機13が所在する角部と隣接する角部であり、第2の受信トランスデューサ15が所在する角部は表面弾性波送信機13が所在する角部と対向する角部である。
【0046】
図9に示された表面弾性波タッチスクリーン13がスクリーン本体11の右下角に位置する場合を例とすると、第1の受信トランスデューサ14はスクリーン本体11の右上角に位置し、第2の受信トランスデューサ15はスクリーン本体11の左上角に位置する。この場合、第1の反射ユニット12aの反射ストライプは、表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)からそれに対向する角部(すなわち左上角)に向かって傾斜し、第2の反射ユニット12cの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部(すなわち右上角)からそれに対向する角部(すなわち左下角)に向かって傾斜し、第1の反射ユニット12aと第2の反射ユニット12cの反射ストライプは垂直である。第3の反射ユニット12dおよび第4の反射ユニット12bの反射ストライプは、第2の受信トランスデューサ15が所在する角部(すなわち左上角)から表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)に向かう方向に沿って傾斜し、第3の反射ユニット12dと第4の反射ユニット12bの反射ストライプは平行する。これで、第1の反射ユニット12aおよび第2の反射ユニット12cは第1の方向Xに発射された表面弾性波信号を第1の受信トランスデューサ14に反射でき、第3の反射ユニット12dおよび第4の反射ユニット12bは第2の方向Yに発射された表面弾性波信号を第2の受信トランスデューサ15に反射できる。
【0047】
図10は、本発明の第4の実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンの概略図である。
図10に示すように、上記第1、第2、第3の実施例に比べて、本実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10もスクリーン本体11、駆動モジュール、各反射ユニット、表面弾性波送信機13、第1の受信トランスデューサ14及び第2の受信トランスデューサ15を備える。これらについては、上記第1の実施例ですでに詳しく説明したので、上記第1、第2、第3の実施例と同じ点については重なる説明を省略する。
【0048】
以下、本実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン10と上記第1の実施例との相違点のみを詳細に説明する。本実施例で、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部は表面弾性波送信機13が所在する角部と隣接する角部であり、第2の受信トランスデューサ15が所在する角部は表面弾性波送信機13が所在する角部と隣接する角部である。
【0049】
図10に示された表面弾性波送信機13がスクリーン本体11の右下角に位置する場合を例とすると、第1の受信トランスデューサ14はスクリーン本体11の右上角に位置し、第2の受信トランスデューサ15はスクリーン本体11の左下角に位置する。この場合、第1の反射ユニット12aの反射ストライプは、表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)からそれに対向する角部(すなわち左上角)に向かって傾斜し、第2の反射ユニット12cの反射ストライプは、第1の受信トランスデューサ14が所在する角部(すなわち右上角)からそれに対向する角部(すなわち左下角)に向かって傾斜し、第1の反射ユニット12aと第2の反射ユニット12cの反射ストライプは垂直である。且つ、第3の反射ユニット12dの反射ストライプは、表面弾性波送信機13が所在する角部(すなわち右下角)からそれに対向する角部(すなわち左上角)に向かって傾斜し、第4の反射ユニット12bの反射ストライプは第2の受信トランスデューサ15が所在する角部(すなわち左下角)からそれに対向する角部(すなわち右上角)に向かって傾斜し、第3の反射ユニット12dと第4の反射ユニット12bの反射ストライプは垂直である。これで、第1の反射ユニット12aおよび第2の反射ユニット12cは、第1の方向Xに発射された表面弾性波信号を第1の受信トランスデューサ14に反射でき、第3の反射ユニット12dおよび第4の反射ユニット12bは、第2の方向Yに発射された表面弾性波信号を第2の受信トランスデューサ15に反射できる。
【0050】
本発明の少なくとも1つの実施例は、前記実施例に係る表面弾性波タッチスクリーン、及びタッチ位置決め回路を備えるタッチ表示装置を更に提供する。上記タッチ位置決め回路は、上記表面弾性波タッチスクリーンの第1の受信トランスデューサ及び第2の受信トランスデューサに接続され、上記第1の受信トランスデューサが変換した第1のタッチ電気信号及び上記第2の受信トランスデューサが変換した第2のタッチ電気信号を受信し、上記第1のタッチ電気信号及び第2のタッチ電気信号に基づいてタッチ位置を確定する。
【0051】
本実施例に係るタッチ表示装置は、前記実施例に係る表面弾性波タッチスクリーンを適用することで、タッチスクリーンの消費電力を低減できる。
【0052】
以上の実施例は、本発明の例示的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を制限するものではない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって確定するべきである。
【0053】
本願は、2014年8月27日に出願した中国特許出願第201410427715.5号の優先権を主張し、ここで上記中国特許出願に開示されている内容の全部を本願の一部として援用する。
【符号の説明】
【0054】
1 スクリーン本体
2 第1の送受信ユニット
3 第2の送受信ユニット
4 第1の送信トランスデューサ
5 第1の反射ストライプアレイ
6 第1の受信トランスデューサ
7 第2の送信トランスデューサ
8 第2の反射ストライプアレイ
9 第2の受信トランスデューサ
5a、5b 反射アレイ
8a、8b 反射アレイ
10 表面弾性波タッチスクリーン
11 スクリーン本体
12a 第1の反射ユニット
12b 第4の反射ユニット
12c 第2の反射ユニット
12d 第3の反射ユニット
13 表面弾性波送信機
14 第1の受信トランスデューサ
15 第2の受信トランスデューサ