特許第6549293号(P6549293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6549293サーモクロミックおよびフォトクロミック特性を有する液体カプセル
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  • 特許6549293-サーモクロミックおよびフォトクロミック特性を有する液体カプセル 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6549293
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】サーモクロミックおよびフォトクロミック特性を有する液体カプセル
(51)【国際特許分類】
   G01K 11/12 20060101AFI20190711BHJP
   G04B 47/06 20060101ALI20190711BHJP
   G03C 1/00 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   G01K11/12 Z
   G04B47/06 C
   G03C1/00
【請求項の数】7
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2018-148141(P2018-148141)
(22)【出願日】2018年8月7日
(65)【公開番号】特開2019-32318(P2019-32318A)
(43)【公開日】2019年2月28日
【審査請求日】2018年8月7日
(31)【優先権主張番号】17185561.2
(32)【優先日】2017年8月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・フランソワ
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−61132(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/092927(WO,A1)
【文献】 特表2016−511293(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/105976(WO,A2)
【文献】 国際公開第2017/191346(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 11/12
G03C 1/00
G04B 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性で熱伝導性の液体(L)、サーモクロミックコーティングを有する粒子(A)およびフォトクロミックコーティングを有する粒子(B)を含むシェル(CQ)を含むカプセル(CS)であって、前記サーモクロミック粒子(A)は、フォトクロミック粒子(B)より嵩高であり、前記液体(L)は、第1の範囲の温度内で、その密度は前記サーモクロミック粒子(A)の密度より高く、また、前記フォトクロミック粒子(B)の密度より高い状態であり、前記第1の範囲の温度より高い第2の範囲の温度内で、前記フォトクロミック粒子(B)の密度は前記液体(L)の密度より低く、前記液体(L)はそれ自体、前記サーモクロミック粒子(A)の密度より低い、カプセル(CS)。
【請求項2】
前記液体(L)は、紫外線に対し障壁を形成しない油状混合物である、請求項1に記載のカプセル(CS)。
【請求項3】
前記液体(L)は、流動パラフィンおよびグリセロールを含む、請求項2に記載のカプセル(CS)。
【請求項4】
前記サーモクロミック粒子(A)および前記フォトクロミック粒子(B)は球形状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセル(CS)。
【請求項5】
前記サーモクロミック粒子(A)および前記フォトクロミック粒子(B)は、100〜500ミクロンの直径を有する、請求項4に記載のカプセル(CS)。
【請求項6】
前記シェル(CQ)は、光ルミネセンス粒子をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のカプセル(CS)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプセル(CS)からなるコーティングを含む側面を含む時計または装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に時計製造の分野に適用される、サーモクロミック成分およびフォトクロミック成分に関する。
【背景技術】
【0002】
温度が閾値より高い温度に上昇するかまたはそれより低い温度に下がると可逆的に色を変化させるサーモクロミックカプセルは、既知である。特許文献EP0602537A1(特許文献1)は、特に、このようなカプセルに基づいて製造された温度表示装置を備えた時計について記載している。この時計は、それが装着されているか否かにかかわらず、時計が置かれている環境の温度を示すことを可能とする。
【0003】
光線への曝露に反応して可逆的に色を変えるフォトクロミックカプセルも、既知である。特許文献CH710489(特許文献2)は、特に、このようなカプセルに基づいて製造された指示計を含むベゼルを備えた時計について記載している。
【0004】
しかし、サーモクロミックおよびフォトクロミックの両特性を有し得るカプセルを利用できれば有利であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0602537A1号明細書
【特許文献2】スイス特許出願公開第710489号明細書
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、サーモクロミック特性およびフォトクロミック特性を示すカプセルを提供することである。
【0007】
このために、本発明は請求項1で定めるカプセルに関する。
【0008】
第1の範囲の温度では、サーモクロミック粒子およびフォトクロミック粒子は、密度が液体の密度より低い状態である。したがって、それらは、液体中で懸濁している状態にある。サーモクロミック粒子は、フォトクロミック粒子より嵩高いので、カプセルにおける支配的な効果は、サーモクロミズムである。
【0009】
第1の範囲より高い第2の範囲の温度では、その液体は第1の範囲より低い密度を有する。サーモクロミック粒子は、密度が液体の密度より高い状態であり、一方で、フォトクロミック粒子は、密度が液体の密度より低い状態である。したがって、サーモクロミック粒子は沈下し、一方では、フォトクロミック粒子は懸濁状態のまま残り、したがって、カプセル剤における支配的な効果は、フォトクロミズムである。
【0010】
本発明の他の有利な特徴は、請求項2〜7に示されている。これらの特徴は、独立に、または技術的に可能な全ての組み合わせにより考慮することができる。
【0011】
その他の顕著な特徴および利点は、例示として述べる、また、何ら限定するものではない、下記に示す添付図に関連して、以降に記載される記述から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、温度が第1の温度範囲内にある場合の、本発明の一実施形態によるカプセルの図である。
図2図2は、温度がより高い温度の第2の範囲内にある場合の、図1のカプセルの図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、透過性密封シェルを含むカプセルを示す。シェルは、紫外線に対し障壁を形成しない透過性液体を含み、この液体は、熱伝導性であり、Txと表記される好ましい温度で高い熱膨張を有する。液体は、例えば、融点Txを有する流動パラフィンとグリセロールとの油状混合物とすることができる。シェルはまた、2種類の粒子を含む。第1の粒子は、サーモクロミックコーティングによりコートされ、これらは、サーモクロミック粒子と呼ばれる。第2の粒子は、フォトクロミックコーティングによりコートされ、これらは、フォトクロミック粒子と呼ばれる。これらの粒子は、球の形で提供され、したがって、より容易に沈下し得る(短冊状粒子とは対照的に)。サーモクロミックおよびフォトクロミックコーティングは、油状媒体に耐えるように選択される。それらはまた、着色遷移閾値(coloured transition threshold)を有するように選択される。それにより、特に、カプセルが時計または装身具の側面に配置される場合、その時計または装身具の装着者に便利な情報を与えることが可能となる。この情報は、温度、光の強度、健康にとって危険な紫外線のレベル、などとすることができる。
【0014】
サーモクロミック粒子およびフォトクロミック粒子は、例えば、100〜500ミクロンの直径を有する。さらに、サーモクロミック粒子の体積は、フォトクロミック粒子の体積よりも大きい。最後に、サーモクロミック粒子の密度は、フォトクロミック粒子の密度よりも大きい。
【0015】
第1の範囲の温度、例えば、0℃〜10℃の範囲内では、液体の密度は、サーモクロミック粒子の密度より高く、フォトクロミック粒子の密度より高い。したがって、サーモクロミック粒子およびフォトクロミック粒子は、液体中で懸濁状態である。しかし、フォトクロミック粒子は、より大きい体積を有し、その結果、より大きな着色力を有するサーモクロミック粒子によりマスクされる。したがって、カプセルにおける支配的な審美的効果は、サーモクロミズムである。
【0016】
第1の範囲の温度より高い第2の範囲の温度、例えば、10℃〜30℃の範囲内では、液体は、第1の範囲の温度で有していた密度より低い密度を有する。液体の密度は、フォトクロミック粒子の密度より高いが、サーモクロミック粒子の密度より低い状態である。したがって、より高密度のサーモクロミック粒子は、沈降、すなわち、沈下し、シェルの底に堆積する。他方では、フォトクロミック粒子は懸濁状態のまま残る。カプセルにおける支配的な審美的効果は、したがって、フォトクロミズムである。
【0017】
一実施形態では、シェルは、夜間に着色遷移を見ることを可能とする第3の種類の光ルミネセンス粒子をさらに含むことに留意されたい。
【0018】
無論、本発明は、例示された実施例に限定されるものではなく、当業者には明らかな種々の代替形態および修正例が可能である。
【符号の説明】
【0019】
A 粒子、サーモクロミック粒子
B 粒子、フォトクロミック粒子
CQ シェル
CS カプセル
L 液体
図1
図2