(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1Aから
図4Bは、本発明の実施形態に係るレバー組付構造を用いたドアロック装置100を示す。本実施形態のドアロック装置100は、車両の助手席及び後部座席のドア10(
図2及び
図4A及び
図4Bに概念的に示す。)に装着される。これらのドア10には、機械要素であるキーによって施錠及び解錠するためのシリンダ錠は設けられていない。また、乗員が施錠及び解錠するための車内側の操作ノブも設けられていない。ドアロック装置100のロック状態(施錠)とアンロック状態(解錠)の切り換えは、運転席の車内側周辺に設けられた施解錠スイッチ(図示せず)により行われる。
【0020】
(全体構成)
図1A及び
図1Bに示すように、ドアロック装置100は、ハウジング110に収容されたラッチ機構200とロック機構300とを備える。
図2を併せて参照すると、ラッチ機構200は、車体に設けたストライカ20を係脱可能に係止し、それによって車体に対してドア10を閉状態に保持できる。ロック機構300は、開操作部材であるドアハンドル(図示せず)の操作をラッチ機構200に伝達不可能なロック状態と、伝達可能なアンロック状態とに切換可能である。ドアハンドルは、車内側に配置したインナーハンドルと、車外側に配置したアウターハンドルとを有する。
【0021】
ロック機構300のロック状態とアンロック状態の切り換えは、リモコン又は施解錠スイッチからの入力で作動する電動モータ310によって行われる。また、車両に搭載したバッテリの蓄電量が不足している時には、ドア10の先端面11に配置したエマージェンシ機構500により、ロック機構300をロック状態にできる。ロック機構300がロック状態にあるときには、ドアハンドルを操作しても、ラッチ機構200のストライカ20に対する係止を解除できず、ドア10を開放できない。ロック機構300がアンロック状態にあるときには、ドアハンドルの操作によって、ラッチ機構200のストライカ20に対する係止を解除して、ドア10を開放できる。
【0022】
ハウジング110は、いずれも樹脂製のハウジング本体120、サブケース130、及びハウジングカバー150を備える。
【0023】
ハウジング本体120は、いずれも概ね板状の第1配置部121及び第2配置部122を備え、平面視L字形状である。
図2、
図4A及び
図4Bを参照すると、第1配置部121は、ドア10の先端面11に沿って配置され、第2配置部122は、第1配置部121の一側部からドア10のヒンジ接続側へ向けて延びている。
図1A、
図1B及び
図2に示すように、ハウジング本体120の第1配置部121にサブケース130が取り付けられている。
【0024】
サブケース130には、第1配置部121と対向する内面側とは逆の外面側に、ラッチ機構200を構成する部品群が取り付けられている。
図1A、
図1B、
図3A及び
図3Bに示すように、サブケース130には、第1配置部121と対向する内面側に、ロック機構300を構成する部品群の一部と、アウターレバー410とが取り付けられている。
図1A、
図1B、
図4A及び
図4Bに示すように、ハウジング本体120の第2配置部122には、ロック機構300を構成する残りの部品群と、インナーレバー420と、エマージェンシ機構500を構成する部品群とが取り付けられている。第2配置部122は、ハウジングカバー150により覆われている。
【0025】
(ラッチ機構)
図1A、
図1B及び
図2に示すように、サブケース130には、ストライカ20を挿通する挿通凹部131が設けられている。サブケース130の外面側には、金属製のカバープレート140が取り付けられている。カバープレート140には、挿通凹部131に対応する挿通溝141が設けられている。ラッチ機構200は、フォーク210とクロー220とを備える。
【0026】
フォーク210は、挿通凹部131の上側に回転軸211によって回転可能に支持されている。フォーク210には、
図2において下端が開口した係止溝212が設けられている。係止溝212の開口側の端部には、係止部213が設けられている。フォーク210は、回転軸211回りの回転角度位置が開放位置となるように、コイルばね214によって弾性的に付勢されている。
【0027】
クロー220は、挿通凹部131の下側に回転軸221によって回転可能に支持されている。クロー220には、回転軸221の右側に係止受部222が設けられている。係止受部222の近傍には、ストライカ20の係止を解除する方向にクロー220を回転させるためのレバー連結部223が設けられている。レバー連結部223は、サブケース130の挿通孔132(
図1B参照)を通してサブケース130の内面側に突出している。クロー220は、回転軸221回りの回転角度位置が
図2に示す係止位置となるように、後述する開放レバー370を介してコイルばね373によって弾性的に付勢されている。
【0028】
フォーク210が開放位置のとき、係止溝212の開口が挿通凹部131に一致する。係止溝212にストライカ20が進入することで、フォーク210は開放位置から反時計回りに回転する。そして、フォーク210が閉鎖位置に回転すると、フォーク210の係止部213にクロー220の係止受部222が係止し、フォーク210は閉鎖位置に保持される。この保持状態で、レバー連結部223が
図2において下向きに移動(操作)されると、クロー220が時計回りに回転し、係止受部222と係止部213の係止が解除され、フォーク210はコイルばね214によって開放位置に回転する。
【0029】
(ロック機構)
図1A、
図1B、
図4A及び
図4Bを参照すると、ロック機構300は、ハウジング本体120の第2配置部122に配置された電動モータ310、ホイールギア320、切換レバー330、及びジョイントレバー340を備える。
図1A、
図1B、
図3A及び
図3Bを参照すると、ロック機構300は、サブケース130の内面側に配置されたロックプレート350、リンク360、及び開放レバー370を備える。
【0030】
図4A及び
図4Bに示すように、電動モータ310は、第2配置部122において左側上部に配置されている。ホイールギア320は、電動モータ310の下部左側に配置されている。切換レバー330は、電動モータ310の下側でホイールギア320の右側に配置されている。ジョイントレバー340は、切換レバー330の右側に配置されている。ジョイントレバー340を配置した位置は、第2配置部122において第1配置部121側の端部である。
図3A及び
図3Bに示すように、ロックプレート350は、サブケース130において右側上部に配置されている。ロックプレート350を配置した位置は、サブケース130を第1配置部121に配置した状態で、第2配置部122に連通する部分である。リンク360は、ロックプレート350の下部に配置されている。開放レバー370は、ロックプレート350の下部で、リンク360に対してX方向に重なるように配置されている。なお、サブケース130には、リンク360と開放レバー370との間に位置するように、金属製のセットプレート142が配置されている。
【0031】
図4A及び
図4Bに示すように、電動モータ310は、通電により正転方向及び逆転方向の回転が可能な駆動手段である。電動モータ310は、出力軸が下向きに突出するように配置されている。電動モータ310の出力軸には、円筒状のウォームギア311が固定されている。
【0032】
ホイールギア320は、ウォームギア311の横に回転可能に配置されている。ホイールギア320の外周部には、ウォームギア311に噛み合うギア部321が設けられている。ハウジングカバー150と対向するホイールギア320の上面には、概ね渦巻き状のカム溝322が設けられている。
図4Aに示すアンロック状態で、電動モータ310がロック作動されると、ウォームギア311を介してホイールギア320が時計回りに回転される。
図4Bに示すロック状態で、電動モータ310がアンロック作動されると、ウォームギア311を介してホイールギア320が反時計回りに回転される。ホイールギア320は、電動モータ310の動作が停止すると、回転軸回りの回転角度位置が
図4A及び
図4Bに示す中立位置となるように、リターンスプリング323(
図1A及び
図1B参照)によって弾性的に付勢されている。
【0033】
切換レバー330は、ウォームギア311に対してホイールギア320の反対側に配置されている。
図1Bを参照すると、切換レバー330は、第2配置部122に回転可能に支持される回転軸331を備える。切換レバー330は、ウォームギア311を跨いでホイールギア320上に突出する第1アーム部332を備える。第1アーム部332の先端には、カム溝322内に突出するカム受部332aが設けられている。また、切換レバー330は、ジョイントレバー340側へ突出する第2アーム部333を備える。第2アーム部333の先端には、正対視で長円形状の挿通部(孔)からなるジョイント連結部333aが設けられている。
図4Aに示すアンロック状態で、ロック作動によりホイールギア320が時計回りに回転すると、カム溝322に沿ってカム受部332aが移動することで、切換レバー330が反時計回りに旋回する。
図4Bに示すロック状態で、アンロック作動によりホイールギア320が反時計回りに回転すると、切換レバー330は時計回りに旋回する。
【0034】
ジョイントレバー340は、上下方向に長い板状で、切換レバー330の右側で第2アーム部333上に位置するように配置されている。第2配置部122の上部には、ジョイントレバー340を第2配置部122の底面に対して平行に延びるように支持するとともに、ジョイントレバー340の上部両側部を保持するジョイント支持部123が設けられている。ジョイントレバー340は、切換レバー330に連結する切換レバー連結部342を下端側に備える。切換レバー連結部342は、切換レバー330のジョイント連結部333aを相対的に回転可能に連結する円柱状の突出部からなる。また、ジョイントレバー340は、第1配置部121に配置したサブケース130に向けて突出するロックプレート連結部343を備える。
図4Aに示すアンロック状態で、ロック作動により切換レバー330が反時計回りに旋回すると、ジョイントレバー340が上向きに直動する。
図4Bに示すロック状態で、アンロック作動により切換レバー330が時計回りに旋回すると、ジョイントレバー340が下向きに直動する。
【0035】
図3A及び
図3Bに示すように、ロックプレート350は、サブケース130の内面側の右側上部に配置されている。
図1A及び
図1Bを参照すると、ロックプレート350は、サブケース130に回転可能に支持する回転軸351を備える。ロックプレート350は、第2配置部122から突出したジョイントレバー340のロックプレート連結部343を相対的に回転可能に連結するジョイント連結部352を備える。また、ロックプレート350は、回転軸351の下方にリンク360を相対的に移動可能に連結するリンク連結部353を備える。リンク連結部353は、コイル状部が回転軸351を取り囲むリンク付勢スプリング354を備える。
図3Aに示すアンロック状態で、ロック作動によりジョイントレバー340が上向きに直動されると、ロックプレート350が時計回りに旋回する。
図3Bに示すロック状態で、アンロック作動によりジョイントレバー340が下向きに直動されると、ロックプレート350が反時計回りに旋回する。
【0036】
リンク360は、上下方向に延びる板状で、ロックプレート350の下側に配置されている。リンク360の上端に設けられた連結溝361に、リンク付勢スプリング354が連結されている。連結溝361を設けたリンク360の上部は、リンク連結部353に対してX方向上側に重なるように配置されている。リンク360の下端に設けられたアウターレバー連結部362に、アウターレバー410が相対的に回転可能に連結されている。また、リンク360の中間部分には、サブケース130の隔壁に向けてX方向に突出する開放操作部363が設けられている。リンク360は、アウターレバー410の作動により上下方向に直動可能である。また、
図3Aに示すアンロック状態で、ロック作動によりロックプレート350が時計回りに旋回すると、リンク360が下端を中心として反時計回りに揺動する。
図3Bに示すロック状態で、アンロック作動によりロックプレート350が反時計回りに旋回すると、リンク360が下端を中心として時計回りに揺動する。
【0037】
開放レバー370は、ロックプレート350の下側において、リンク360に対してX方向下側に重なるように配置されている。開放レバー370は、リンク360に向けて突出する操作受部371を備える。操作受部371は、
図3Aに示すアンロック状態で、リンク360の直動により開放操作部363が移動する軌跡上に位置する。また、操作受部371は、
図3Bに示すロック状態で、リンク360の移動により開放操作部363が移動する軌跡から横に外れた領域に位置する。
図1Bに示すように、開放レバー370は、サブケース130を貫通したクロー220の回転軸221に対して固定されている。また、開放レバー370はクロー連結部372を備え、サブケース130の挿通孔132を通して突出するクロー220のレバー連結部223が連結されている。この連結により、開放レバー370はクロー220と一体に回転する。開放レバー370は、クロー220がフォーク210に係止する係止位置に回転するように、コイルばね373によって付勢されている。
【0038】
図3Aに示すアンロック状態では、開放操作部363が操作受部371の下側に位置する。そのため、アンロック状態でリンク360が上向きに直動されることで、操作受部371を介して開放レバー370が反時計回りに回転する。その結果、クロー220が
図2において時計回りに回転し、フォーク210との係止が解除される。
図3Bに示すロック状態では、開放操作部363が操作受部371から横に外れて位置する。そのため、ロック状態でリンク360が上向きに直動されても、操作受部371に開放操作部363が当接しないため、開放レバー370が回転することはない。そのため、クロー220とフォーク210との係止が解除されることはない。
【0039】
(ドア開放機構)
図1A及び
図1Bに示すように、ドアロック装置100は、ロック機構300を介してラッチ機構200によるストライカ20の係止を解除するドア開放機構400を備える。ドア開放機構400は、ドア10の車外側のアウターハンドルに連結されたアウターレバー410と、ドア10の車内側のインナーハンドルに連結されたインナーレバー420とを備える。
図3A及び
図3Bに示すように、アウターレバー410は、サブケース130の内面側において、リンク360の下側かつ左側に配置されている。
図4A及び
図4Bに示すように、インナーレバー420は、ハウジング本体120の第2配置部122において、ジョイントレバー340の下側に配置されている。
【0040】
図3A及び
図3Bに示すように、アウターレバー410は、サブケース130に設けた回転軸133に回転可能に支持されている。アウターレバー410は、ハウジング110から外方へ突出するハンドル接続部411を備える。また、アウターレバー410は、リンク360のアウターレバー連結部362に相対的に回転可能に連結されるリンク連結部412を備える。アウターハンドルによりドア10が開放操作されると、図示しないロッドを介してアウターレバー410が反時計回りに回転し、リンク360を上向きに移動させる。そして、リンク360がアンロック位置の場合には、開放レバー370を介してラッチ機構200によるストライカ20の係止を解除できる。
【0041】
図4A及び
図4Bに示すように、インナーレバー420は、第2配置部122に設けた回転軸124に回転可能に支持されている。インナーレバー420は、ハウジング110から外方へ突出するハンドル接続部421を備える。また、インナーレバー420は、リンク360を上向きに移動させるためのリンク当接部422を備える。リンク当接部422は、リンク360の下端の近傍に位置する。インナーハンドルによりドア10が開放操作されると、ケーブル30によって接続されたインナーレバー420が反時計回りに回転する。これによりリンク当接部422がリンク360の下端に当接し、リンク360を上向きに移動させる。そして、リンク360がアンロック位置の場合に、開放レバー370を介してラッチ機構200によるストライカ20の係止を解除できる。
【0042】
(エマージェンシ機構)
図1A、
図1B、
図4A及び
図4Bに示すように、ドアロック装置100は、電動モータ310によりロック作動できない非常時に、機械的にロック作動させるためのエマージェンシ機構500を備える。エマージェンシ機構500は、円柱状のエマージェンシシャフト510を備える。エマージェンシシャフト510は、ジョイントレバー340の上端側に位置するように、ハウジング本体120の第2配置部122に配置されている。ハウジング本体120には、第2配置部122の第1配置部121側端にエマージェンシシャフト510の端部を露出させる露出孔125が設けられている。また、ドア10の先端面11には、露出孔125に対応する露出孔(図示せず)が設けられている。
【0043】
図2に示すように、エマージェンシシャフト510は、第2配置部122に対してエマージェンシシャフト510の軸線を中心として回転可能に配置されている。エマージェンシシャフト510には、機械要素であるキー等の薄い板材を挿入可能な挿入穴511が設けられている。
図4A及び
図4Bに示すように、エマージェンシシャフト510には、非作動状態で下向きに突出するジョイント作動部512が設けられている。エマージェンシシャフト510は、第2配置部122に配置したキックスプリング513によって非作動位置に付勢されている。
【0044】
ロック機構300を構成するジョイントレバー340には、ジョイント支持部123の上側に位置するようにフック状の引掛部344が設けられている。
図4Aに示すアンロック状態で、挿入穴511にキーを差し込み、エマージェンシシャフト510を
図2において時計回りに回転させると、ジョイント作動部512が引掛部344に係合し、ジョイントレバー340を上向きに直動させる。そのため、ロックプレート350を介してリンク360を揺動させ、
図3B及び
図4Bに示すロック状態とすることができる。
【0045】
(ドアロック装置の回路)
図5及び
図6に示すように、ドアロック装置100は、ラッチ機構200及びロック機構300の状態を検出するための回路基板600を備える。回路基板600は電動モータ310のZ方向の下側でハウジング本体120に対して固定されている。回路基板600には、メイン制御装置(図示せず)に電気的に接続するためのコネクタ630が実装されている。コネクタ630は、ハウジングカバー150のコネクタ接続部151から外部へ露出されている。また、回路基板600には、ラッチ機構200の状態を検出するための第1検出スイッチ640と、ロック機構300の状態を検出するための第2検出スイッチ650とが実装されている。第1検出スイッチ640は、検出レバー660を介してフォーク210の回転角度位置を検出することで、ラッチ機構200の開状態及び閉状態を検出する。第2検出スイッチ650は、切換レバー330の回転角度位置を検出することで、ロック機構300のロック状態及びアンロック状態を検出する。
【0046】
図6及び
図7に示すように、回路基板600は、導電性を有する金属材料からなり、板状である6枚のバスバー610A〜610Fを備える。バスバー610A,610Bは、ハウジング本体120の第2配置部122に直接固定されている。バスバー610C〜610Fは、インサート成形により回路基板600内に配置されている。各バスバー610A〜610Fは、コネクタ630側の一端部に、コネクタ630に収容され、メイン制御装置に電気的に接続されるターミナル部611aを備える。バスバー610A,610Bは、ターミナル部611aと反対側の他端部に、電動モータ310に電気的に接続されるターミナル部611bを備える。バスバー610C,610Dは、ターミナル部611aと反対側の他端部に、第1検出スイッチ640の端子643にそれぞれ電気的に接続されるターミナル部611cを備える。バスバー610E,610Fは、ターミナル部611aと反対側の他端部に、第2検出スイッチ650の端子653にそれぞれ電気的に接続されるターミナル部611dを備える。バスバー610Dは、第2検出スイッチ650側に突出する分岐部610D’を備える。この分岐部610D’の端部にも第2検出スイッチ650の端子653に電気的に接続されるターミナル部611dが設けられている。
【0047】
図5及び
図6に示すように、検出レバー660は、ハウジング本体120の第2配置部122の第1配置部121側端部に回転可能に支持されている。検出レバー660は、第1検出スイッチ640の接点部641を押圧可能な押圧部661を備える。また、検出レバー660は、サブケース130に向けて突出する検出部662を備える。
図2に示すように、検出部662は、サブケース130に設けた貫通孔134を貫通し、フォーク210の上方に位置する。開放操作によりフォーク210が開放位置に回転することで、検出レバー660が
図6において反時計回りに回転する。これにより押圧部661で接点部641を押圧して第1検出スイッチ640がオン状態になる。メイン制御装置は、第1検出スイッチ640からのオン信号を検出することで、ドア10の開放状態を判断できる。また、ドア10が閉じられてフォーク210が閉鎖位置に回転することで、検出レバー660が
図6において時計回りに回転する。これにより押圧部661による接点部641の押圧が解除され、第1検出スイッチ640がオフ状態になる。メイン制御装置は、第1検出スイッチ640からのオフ信号を検出することで、ドア10の閉塞状態を判断できる。
【0048】
図4A及び
図4Bに示すように、切換レバー330は、第2検出スイッチ650の接点部651を押圧可能な押圧部334を備える。
図4Aに示すアンロック状態では、切換レバー330の押圧部334で接点部651を押圧して第2検出スイッチ650がオン状態になる。メイン制御装置は、第2検出スイッチ650からのオン信号を検出することで、ロック機構300がアンロック状態であると判断できる。
図4Bに示すロック状態では、第2検出スイッチ650がオフ状態になる。メイン制御装置は、第2検出スイッチ650からのオフ信号を検出することで、ロック機構300がロック状態であると判断できる。
【0049】
(検出レバーの組付構造の詳細)
図8、
図9A及び
図9Bに示すように、検出レバー660は、ハウジング本体120の第2配置部(ベース部材)122に回転可能に配置された回転レバーである。この検出レバー660は、トーションスプリング670によって弾性的に付勢されている。ドア10が閉じられた状態では、フォーク210による検出部662の押圧が解除されることで、トーションスプリング670の付勢力で検出レバー660が
図10Aに示す初期位置(非作動位置)に回転する。ドア10の開かれた状態では、フォーク210によって検出部662が押圧されることで、トーションスプリング670の付勢力に抗して検出レバー660が
図10Bに示す設定した回転角度位置(作動位置)に回転する。
【0050】
本実施形態の第2配置部122には、設定した回転角度範囲で検出レバー660を回転可能に配置するレバー配置部126が設けられている。このレバー配置部126に保持部129aを設け、検出レバー660に係止するトーションスプリング670の第2端部673をレバー配置部126に仮保持可能とする。また、検出レバー660にガイド部664bを設け、トーションスプリング670を仮配置したレバー配置部126に検出レバー660を組み付けることで、仮保持させたトーションスプリング670の第2端部673を検出レバー660に係止させる。
【0051】
図11Aから
図11Cに示すように、トーションスプリング670は、線条部材を螺旋状に巻回した巻回部671を備える。巻回部671は、レバー配置部126の底面と検出レバー660との間に配置されている。巻回部671は、径方向外向きに突出する一対の端部672,673を備える。第1端部672は、トーションスプリング670による付勢方向に屈曲した屈曲部672aを備え、レバー配置部126の第1係止部128に係止されている。第2端部673は、第1端部672に対して径方向の逆側から外向きに突出している。本実施形態では、第1端部672がレバー配置部126の底面側に配置され、第2端部673がレバー配置部126の底面と間隔をあけて配置されている。
【0052】
レバー配置部126は、検出レバー660の押圧部661が配置される第1部分126aと、検出レバーの検出部662が配置される第2部分126bとを備える。第1部分126aは、第1検出スイッチ640が配置される部分と面一である。第2部分126bは、第1部分126aよりハウジングカバー150から離れる側に位置する。第1部分126aと第2部分126bとは、設定した段差をもって位置する互いに平行な面である。
【0053】
レバー配置部126には、トーションスプリング670の巻回部671及び検出レバー660を配置する支持軸127が設けられている。支持軸127は、レバー配置部126の第2部分126bからハウジングカバー150側へ向けて突出している。支持軸127は、根元に位置する基端部127aと、突出方向の先端側に位置する先端部127bとを備える。基端部127a及び先端部127bはそれぞれ円柱形状で、同軸に形成されている。基端部127aは、外径が巻回部671の内径より僅かに小さい。基端部127aには巻回部671が外嵌して配置されている。先端部127bは、外径が基端部127aの外径より小さい。先端部127bには、検出レバー660が回転可能に配置されている。
【0054】
レバー配置部126には、トーションスプリング670によって付勢された検出レバー660の回転を設定した初期位置で停止させるストッパ部126cが設けられている。ストッパ部126cは、レバー配置部126の第1部分126aからハウジングカバー150側へ向けて突出した円柱形状のボスからなる。
図10Aを参照すると、検出レバー660が時計回りに回転することで、押圧部661による接点部641の押圧が解除されると、検出レバー660が当接する位置にストッパ部126cが設けられている。
図11Aを参照すると、ストッパ部126cの先端には、組付時に検出レバー660をレバー配置部126側へ誘導する組付ガイド部126dが設けられている。組付ガイド部126dは、ストッパ部126cの先端から基端へ向けて、支持軸127側へ傾斜する傾斜面である。
【0055】
図11B及び
図11Cに示すように、レバー配置部126には、トーションスプリング670の第1端部672を係止する第1係止部128が設けられている。第1係止部128は、
図11Bにおいて支持軸127の上側に位置するように、レバー配置部126の第2部分126bに設けられている。第1係止部128は四角柱状で、支持軸127と同一方向に突出されている。第1係止部128の上端は、支持軸127の基端部127aの上端より低い。
【0056】
図11Aから
図11Cに示すように、レバー配置部126には、トーションスプリング670を圧縮した状態で第2端部673を仮保持する保持部129aが設けられている。保持部129aは、支持軸127を挟んで第1係止部128と逆側に位置するように、
図11Bにおいて支持軸127の下側に形成されている。詳しくは、レバー配置部126には、第1部分126aから第2部分126bにかけて延び、ハウジングカバー150側へ向けて突出する隔壁部129が設けられている。この隔壁部129の第2部分126b側(サブケース130側)の端部が保持部129aである。隔壁部129は、検出レバー660が反時計回りに回転した際の過度の回転を規制するストッパ部の機能を兼ね備える。ストッパ部126cに押圧部661の一側661aが当接する位置から、隔壁部129に押圧部661の他側661bが当接する位置までが、検出レバー660の回転角度範囲である。
【0057】
図9Cに示すように、巻回部671を支持軸127に配置し、第1端部672を第1係止部128に係止し、トーションスプリング670を弾性的に圧縮していない状態では、第2端部673は、
図9Cに細い実線で示す非圧縮位置P0に位置する。保持部129aは、非圧縮位置P0に対して、トーションスプリング670を弾性的に圧縮することによる第2端部673の付勢方向Aの逆側に位置している。そのため、トーションスプリング670の付勢力に抗して第2端部673を
図9Cにおいて右側に移動させることで、第2端部673を保持部129aによる保持位置P1に保持させることができる。
【0058】
図11Aに示すように、保持部129aは、第2端部673が支持軸127の突出方向である上向きに移動することを規制する仮止部129bを備える。
図9Cに示すように、仮止部129bは、検出レバー660の第2係止部664aの上部に位置する。仮止部129bは、トーションスプリング670による第2端部673の付勢方向Aに対して逆向きに突出する突部を設けることで形成される段部からなる。そのため、第2端部673が保持位置P1に位置している状態で、トーションスプリング670の付勢力に抗して、第2端部673を
図9Cにおいて更に右側に移動させ、仮止部129bの仮止頂部位置P2を乗り越えさせなければ、保持部129aから第2端部673を離脱させることはできない。
【0059】
図9A及び
図9Bに示すように、検出レバー660には、支持軸127の先端部127bに嵌め込むことでレバー配置部126に対して検出レバー660を相対的に回転可能に連結するための軸穴663が設けられている。軸穴663は、押圧部661の基端側に設けられている。軸穴663を支持軸127の先端部127bに嵌め込むことで、レバー配置部126に対して検出レバー660が回転可能に支持されている。押圧部661は、レバー配置部126の第1部分126a上に位置する。検出部662は、レバー配置部126の第2部分126b上に位置する。即ち、押圧部661と検出部662とは、軸穴663の軸方向に間隔をあけた位置から、外向きに突出して設けられている。
【0060】
図12Aから
図12Cに示すように、検出レバー660は、トーションスプリング670の第2端部673を係止する第2係止部664aを備える。詳しくは、押圧部661の下面(第2部分126bの対向面)には、軸穴663の軸線に沿って突出する円弧状の突出壁部664が設けられている。突出壁部664において、第2端部673の付勢方向Aと逆側の端部が第2係止部664aである。
図9Cを併せて参照すると、第2係止部664aは、保持部129aの仮止部129bの下側に位置している。また、第2係止部664aは、検出レバー660をストッパ部126cに当接させた初期位置で、保持部129aより第2端部673の付勢方向Aの逆側に位置している。そのため、第2端部673が保持位置P1に位置している状態から、トーションスプリング670の付勢力に抗して第2端部673を
図9Cにおいて更に右側に移動させることで、第2係止部664aによる係止位置P3に第2端部673を係止させることができる。
【0061】
図12Aから
図12Cに示すように、第2係止部664aの下側(組付方向の先端側)には、第2端部673を第2係止部664aに係止するためのガイド部664bと、第2端部673が第2係止部664aから離脱することを規制する抜止部664cとが設けられている。
【0062】
まず、抜止部664cは、第2係止部664aの下部から第2端部673の付勢方向Aに対して逆向きに突出する突部を設けることで形成される段部からなる。
図9Cを併せて参照すると、抜止部664cの頂部は、第2係止部664aによる第2端部673の係止位置P3より、第2端部673の付勢方向Aの逆側に位置している。そのため、第2端部673が係止位置P3に位置している状態で、トーションスプリング670の付勢力に抗して、第2端部673を
図9Cにおいて更に右側に移動させ、抜止部664cの抜止頂部位置P4を乗り越えてガイド部664b側に移動させなければ、第2係止部664aから第2端部673を離脱させることはできない。
【0063】
図12Aから
図12Cに示すように、ガイド部664bは、保持部129aに保持した第2端部673を、第2端部673の付勢方向Aに対して逆向きに移動させ、第2端部673を第2係止部664aへ案内して係止させる。ガイド部664bは、突出壁部664の先端から抜止部664cの頂部にかけて傾斜する傾斜縁からなる。ガイド部664bは、検出レバー660のレバー配置部126への装着方向に対して傾斜して設けられている。
図9Cを参照すると、ガイド部664bの先端であるガイド開始位置P5は、保持部129aの保持位置P1より第2端部673の付勢方向Aの先方に位置している。そのため、保持部129aに第2端部673を保持させた状態で、検出レバー660をレバー配置部126に配置することで、第2端部673をガイド部664bに当接させることができる。そして、検出レバー660をレバー配置部126側へ押圧することで、ガイド部664bの傾斜に沿って第2端部673を付勢方向Aに対して逆向きに移動させ、抜止部664cの抜止頂部位置P4を乗り越えさせて第2端部673を第2係止部664aに係止することができる。
【0064】
図9Cに示すように、トーションスプリング670の圧縮を解除した状態での第2端部673の非圧縮位置P0、レバー配置部126の保持部129aに第2端部673を保持させた保持位置P1、保持部129aの仮止部129bの仮止頂部位置P2、検出レバー660の第2係止部664aに第2端部673を係止させた係止位置P3、検出レバー660の抜止部664cの抜止頂部位置P4、及びガイド部664bによる第2端部673のガイド開始位置P5は、非圧縮位置P0、ガイド開始位置P5、保持位置P1、係止位置P3、抜止頂部位置P4及び仮止頂部位置P2の順番で、第2端部673の付勢方向Aに対して逆側に位置する。
【0065】
よって、トーションスプリング670をレバー配置部126に仮配置すると、トーションスプリング670がレバー配置部126から離脱することを防止できる。また、レバー配置部126にトーションスプリング670を予め配置した状態で、レバー配置部126に検出レバー660を配置すると、仮保持させたトーションスプリング670の第2端部673を検出レバー660の第2係止部664aに係止できる。また、第2端部673を第2係止部664aに係止させると、第2係止部664aから第2端部673が離脱することを防止できる。
【0066】
次に、レバー配置部126に対するトーションスプリング670及び検出レバー660の組付工程について具体的に説明する。
【0067】
図11Aから
図11Cに示すように、レバー配置部126の支持軸127にトーションスプリング670の巻回部671を外嵌させる。そして、巻回部671を支持軸127の基端部127aに配置した後、トーションスプリング670の第1端部672をレバー配置部126の第1係止部128に係止させる。その後、トーションスプリング670の第2端部673を付勢力に抗して移動させ、レバー配置部126の保持部129aに第2端部673を引っ掛けて保持させる。
【0068】
トーションスプリング670の仮配置状態で第2端部673の上方には、仮止部129bが第2端部673の付勢方向Aに対して逆向きに突出している。そのため、
図11Aにおいてトーションスプリング670に対して上向きに外力が加わっても、第2端部673の移動が仮止部129bによって阻止される。よって、レバー配置部126に配置したトーションスプリング670がレバー配置部126から脱落することを確実に防止できる。そのため、レバー配置部126に対する検出レバー660の組付作業性を向上できる。
【0069】
次に、
図13A及び
図13Bに示すように、レバー配置部126の支持軸127の先端部127bに検出レバー660の軸穴663を嵌め込む。この際、検出レバー660の姿勢がレバー配置部126での回転角度範囲外になっている場合、検出レバー660はストッパ部126c又は隔壁部129に干渉することで、支持軸127に嵌め込むことはできない。また、押圧部661の一側661aがストッパ部126c上に位置する場合には、組付ガイド部126dの傾斜に従って検出レバー660が回転し、検出レバー660が回転角度範囲内に位置する。
【0070】
検出レバー660の押圧部661の他側661bが隔壁部129に接する回転角度位置の場合、トーションスプリング670の第2端部673は、
図9Cにおいてガイド開始位置P5より左側に位置する。そのため、第2端部673には、レバー配置部126の底壁に対して平行に位置する検出レバー660の突出壁部664の先端縁が当接する。よって、検出レバー660をそれ以上差し込むことはできない。検出レバー660をストッパ部126c側へ回転させることで、
図9Cにおいてガイド開始位置P5の右側にトーションスプリング670の第2端部673を配置することができる。
【0071】
検出レバー660の押圧部661の一側661aがストッパ部126cに当接した初期位置の状態では、トーションスプリング670の第2端部673は、
図9Cに破線で示すように、ガイド開始位置P5の右側に位置し、ガイド部664bに当接する。この状態で、検出レバー660をレバー配置部126へ向けて押し込むことで、トーションスプリング670の第2端部673を検出レバー660の第2係止部664aに係止できる。
【0072】
詳しくは、第2端部673は、検出レバー660の押し込みによりガイド部664bの傾斜に沿って、トーションスプリング670の付勢力に抗して付勢方向Aに対して逆向きに移動する。そして、設定した組付位置まで検出レバー660を押し込むことで、第2端部673が検出レバー660の抜止部664cの頂部を乗り越える。これにより、
図9Cに太い実線で示すように、トーションスプリング670の第2端部673は、検出レバー660の第2係止部664aに係止する。
【0073】
このように、本実施形態では、レバー配置部126に検出レバー660を配置していない状態で、第1係止部128に第1端部672を係止させるとともに、保持部129aに第2端部673を保持させて、レバー配置部126にトーションスプリング670を配置する。この状態でレバー配置部126に検出レバー660を配置することで、検出レバー660のガイド部664bによってトーションスプリング670の第2端部673を移動させ、第2端部673を検出レバー660の第2係止部664aに係止させることができる。よって、作業者は、トーションスプリング670の第2端部673を付勢力に抗して移動させ、検出レバー660の第2係止部664aに係止させるという、煩わしい作業をする必要がない。よって、トーションスプリング670によって設定した方向に付勢する検出レバー660の組付作業性を大幅に向上できる。
【0074】
この組付状態では、検出レバー660の第2係止部664aは、レバー配置部126の保持部129aよりトーションスプリング670による第2端部673の付勢方向Aの逆側に位置する。そのため、組付後の通常作動時に、トーションスプリング670の第2端部673がレバー配置部126の保持部129aへ移動することなく、第2端部673が検出レバー660の第2係止部664aに係止した状態を保持できる。よって、保持部129aがトーションスプリング670の作動に影響を及ぼすことを防止できる。また、トーションスプリング670の付勢力によって検出レバー660をストッパ部126cに当接させた初期位置にガタツキなく保持できる。
【0075】
第2係止部664aは、第2端部673がガイド部664b側へ移動することを規制する抜止部664cを有する。この構成によれば、検出レバー660の抜止部664cによって、第2係止部664aによるトーションスプリング670の第2端部673の係止が解除されることを防止できる。よって、レバー配置部126及び検出レバー660に対するトーションスプリング670の組付状態を確実に維持できるため、検出レバー660の動作不良の発生を防止できる。また、トーションスプリング670を介して検出レバー660がレバー配置部126から脱落しないように保持される。よって、レバー配置部126に対して他の部品を組み付ける際に、他の部品が検出レバー660に干渉して脱落することを防止できるため、ドアロック装置100の組立作業性を向上できる。
【0076】
(第2実施形態)
図15Aから
図15Cは第2実施形態のレバー組付構造を示す。
図16に示すように、第2実施形態では、検出レバー660にトーションスプリング670を予め配置した状態で、検出レバー660をハウジング110のレバー配置部126に配置することで、トーションスプリング670の第1端部672をレバー配置部126の第1係止部128に係止し、トーションスプリング670の第2端部673を検出レバー660の第2係止部664aに係止した状態に組み立てるようにした点で、第1実施形態と相違する。
【0077】
詳しくは、第2実施形態の第2配置部122のレバー配置部126は、検出レバー660を回転可能に支持する支持軸127を備える。また、レバー配置部126は、検出レバー660の回転角度範囲を設定するストッパ部126c及び隔壁部129を備える。隔壁部129のサブケース130側の端部は、保持部129aとしての機能を具備しない。
【0078】
レバー配置部126には、トーションスプリング670の第1端部672を係止する第1係止部128が設けられている。第1係止部128は、第1実施形態と同様に、支持軸127の近傍に位置するように、レバー配置部126の第2部分126bに設けられている。第1係止部128は四角柱状で、支持軸127と同一方向に突出されている。第2実施形態の第1係止部128には、トーションスプリング670の第1端部672を第1係止部128に案内するためのガイド部128aと、第1端部672が第1係止部128から離脱することを規制する抜止部128bとが設けられている。
【0079】
図15A及び
図15Cに示すように、抜止部128bは、第1係止部128の上部からトーションスプリング670による第1端部672の付勢方向Bに対して逆向きに突出する突部を設けることで形成される段部からなる。抜止部128bの頂部は、第1係止部128による第1端部672の係止位置より、第1端部672の付勢方向Bの逆側に位置している。そのため、第1端部672が係止位置に位置している状態で、トーションスプリング670の付勢力に抗して、第1端部672を移動させ、抜止部128bの抜止頂部位置を乗り越えてガイド部128a側に移動させなければ、第1係止部128から第1端部672を離脱させることはできない。
【0080】
ガイド部128aは、検出レバー660に保持した第1端部672を、第1端部672の付勢方向Bに対して逆向きに移動させ、第1端部672を第1係止部128へ案内して係止させる。ガイド部128aは、第1係止部128の先端(上端)から抜止部128bの頂部にかけて傾斜する傾斜縁からなる。ガイド部128aは、検出レバー660のレバー配置部126への装着方向に対して傾斜して設けられている。そのため、検出レバー660を支持軸127に配置し、検出レバー660をレバー配置部126側へ押圧することで、ガイド部128aの傾斜に沿って第1端部672を付勢方向Bに対して逆向きに移動させ、抜止部128bの抜止頂部位置を乗り越えさせて第1端部672を第1係止部128に係止することができる。
【0081】
図17Aから
図17Dに示すように、検出レバー660は、第1検出スイッチ640の接点部641を押圧する押圧部661と、フォーク210の回転を受ける検出部662とを備える。押圧部661の基端側(検出部622側)には、支持軸127に回転可能に連結するための軸穴663が設けられている。また、
図17Bに最も明瞭に示すように、軸穴663を形成した押圧部661の基端部は、トーションスプリング670の巻回部671を収容可能な大きさである。なお、トーションスプリング670の構成は、第1実施形態と同一である。
【0082】
検出レバー660には、第1係止部128に対して反対側に位置するように、トーションスプリング670の第2端部673を係止する第2係止部664aが設けられている。第2係止部664aは、押圧部661から突出した第1の突出壁部664の端部からなる。第2係止部664aの先端には、第1実施形態と同様の抜止部664cが設けられている。
【0083】
図17B及び
図17Dに示すように、検出レバー660には、抜止部664cに対して径方向に対向する位置に、トーションスプリング670を圧縮した状態で第1端部672を仮保持する保持部665aが設けられている。詳しくは、検出レバー660の基端側には、突出壁部664の対向位置に第2の突出壁部665が突設されている。この第2の突出壁部665のサブケース130側の端部が保持部665aである。保持部665aは、検出レバー660をレバー配置部126に配置した初期状態で、第1係止部128に対して第1端部672の付勢方向Bの前側に位置する。また、検出レバー660には、軸穴663の軸線を中心として突出壁部664及び第2の突出壁部665に囲まれた略円筒状の空間であり、トーションスプリング670の巻回部671を収納可能なスプリング収納部666が設けられ、そのスプリング収納部666にトーションスプリング670の巻回部671が収容されている。
【0084】
保持部665aには、第1端部672が第2の突出壁部665の突出方向先端側に移動することを規制する仮止部665bが設けられている。仮止部665bは、保持部665aの下部からトーションスプリング670による第1端部672の付勢方向Bに対して逆向きに突出する突部を設けることで形成される段部からなる。
【0085】
検出レバー660をレバー配置部126に配置し、初期位置に回転させた状態において、非圧縮状態でのトーションスプリング670の第1端部672の非圧縮位置、検出レバー660の保持部665aによる第2端部673の保持位置、保持部665aの仮止部665bの仮止頂部位置、レバー配置部126の第1係止部128に第1端部672を係止させた係止位置、レバー配置部126の抜止部128bの抜止頂部位置、及びガイド部128aによる第1端部672のガイド開始位置は、非圧縮位置、ガイド開始位置、保持位置、係止位置、抜止頂部位置及び仮止頂部位置の順番で、第1端部672の付勢方向Bに対して逆側に位置する。
【0086】
このようにした第2実施形態では、
図17Aに示すように、検出レバー660の下面側のスプリング収容部666にトーションスプリング670を配置する。そして、
図17Bから
図17Dに示すように、第2端部673を第2係止部664aに係止させるとともに、第1端部672を付勢力に抗して移動させて保持部665aに第1端部672を引っ掛けて保持させる。
【0087】
ついで、
図16に示すように、トーションスプリング670を仮配置した検出レバー660をレバー配置部126の支持軸127に嵌め込んで装着する。即ち、トーションスプリング670の巻回部671を支持軸127に挿通した後、検出レバー660の軸穴663に支持軸127を差し込む。この際、検出レバー660が回転角度範囲内で、かつ、押圧部661がストッパ部126cと接触する初期位置以外の姿勢の場合、トーションスプリング670の第1端部672がレバー配置部126のガイド部128aに位置せず、第1係止部128の上面に当接するため、検出レバー660を支持軸127に押し込むことはできない。
【0088】
図18に示すように、レバー配置部126に対して検出レバー660を初期位置の姿勢に回転させると、トーションスプリング670の第1端部672がレバー配置部126のガイド部128aに位置し、検出レバー660を支持軸127に押し込むことができる。検出レバー660を押し込むと、第1端部672は、ガイド部128aの傾斜に沿って、トーションスプリング670の付勢力に抗して付勢方向Bに対して逆向き(
図18において左側)に移動する。そして、設定した組付位置まで検出レバー660を押し込むと、第1端部672がレバー配置部126の抜止部128bの頂部を乗り越える。これにより、
図15Cに示すように、トーションスプリング670の第1端部672は、レバー配置部126の第1係止部128に係止する。
【0089】
このように、第2実施形態では、レバー配置部126に検出レバー660を配置していない状態で、トーションスプリング670を検出レバー660のスプリング収容部666に配置し、その検出レバー660をレバー配置部126に配置することで、トーションスプリング670の第1端部672をレバー配置部126の第1係止部128に係止させ、トーションスプリング670の第2端部673を検出レバー660の第2係止部664aに係止した状態に組み付けることができる。よって、第1実施形態と同様に、検出レバー660の組付作業性を大幅に向上できる等、同様の作用及び効果を得ることができる。
【0090】
なお、本発明のレバー組付構造は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
【0091】
例えば、支持軸127は、レバー配置部(ベース部材)126に一体に設けたが、検出レバー(回転レバー)660に一体に設けてもよい。特に、第2実施形態のようにトーションスプリング670を配置した検出レバー660をレバー配置部126に配置する場合、支持軸127は検出レバー660に設けることが好ましい。また、支持軸127は、レバー配置部126又は検出レバー660と別体で形成し、レバー配置部126又は検出レバー660に一体に固定してもよい。
【0092】
また、組付ガイド部126dを備えるストッパ部126cは、円柱状をなすように突出するボスにより構成したが、
図19に示すように、板状をなすように突出するリブにより構成してもよい。また、本実施形態では、ガイド部128a、664bを平面状の傾斜面としたが、曲面状に形成してもよい。