特許第6549544号(P6549544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6549544ガンおよび他の疾患を治療するための新規化合物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6549544
(24)【登録日】2019年7月5日
(45)【発行日】2019年7月24日
(54)【発明の名称】ガンおよび他の疾患を治療するための新規化合物
(51)【国際特許分類】
   C07J 63/00 20060101AFI20190711BHJP
   A61K 31/22 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 5/10 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 5/38 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 9/02 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20190711BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190711BHJP
【FI】
   C07J63/00CSP
   A61K31/22
   A61P1/00
   A61P1/02
   A61P1/04
   A61P3/10
   A61P5/10
   A61P5/38
   A61P7/02
   A61P9/02
   A61P9/12
   A61P11/06
   A61P13/02
   A61P13/12
   A61P19/02
   A61P19/08
   A61P21/00
   A61P25/00
   A61P25/04
   A61P25/16
   A61P25/18
   A61P25/28
   A61P29/00
   A61P31/10
   A61P31/12
   A61P31/22
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P35/04
   A61P43/00 111
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】99
(21)【出願番号】特願2016-195788(P2016-195788)
(22)【出願日】2016年10月3日
(62)【分割の表示】特願2013-519856(P2013-519856)の分割
【原出願日】2011年7月15日
(65)【公開番号】特開2017-48195(P2017-48195A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年11月1日
(31)【優先権主張番号】12/856,322
(32)【優先日】2010年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2010/042240
(32)【優先日】2010年7月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506096888
【氏名又は名称】パシフィック アロー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,プイ−クォン
(72)【発明者】
【氏名】マック,メイ スン
【審査官】 神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6019021(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0161580(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0156515(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/117196(WO,A1)
【文献】 G. Wulff, et al.,Tetrahedron,1969年,Vol.25, No.2,pp.415-436
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07J
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造から選択される化合物:
【化1】

式中、
、R、R、およびRが独立して、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアクリロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリルからなる群から選択される;
は独立して、CHOH、CHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−アセチル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、CHO−エチルブチリルからなる群から選択される;
10は、CHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、もしくはCHO−エチルブチリルから選択される;
、R11、R12、R13、R14、およびR15が独立してメチルと結合する;
がHである
但し、以下の化合物A1、A3〜A19、A21、及びA29〜A32を除く
【表1】
【請求項2】
R1が、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアクリロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイルO−エチルブチリルからなる群から選択される;
R10は、CHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、およびCHO−エチルブチリルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1が独立して、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアクリロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−エチルブチリルからなる群から選択される;
R4は独立して、CHOH、CHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−アセチル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、CHO−エチルブチリルからなる群から選択される;
R10は、CHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、およびCHO−エチルブチリルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R4およびR10が独立してCHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、およびCHO−エチルブチリルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
R10がCHO−アンゲロイル、CHO−チグロイル、CHO−セネシオイル、CHO−クロトノイル、CHO−3,3−ジメチルアクリロイル、CHO−シンナモイル、CHO−ペンテノイル、CHO−ヘキサノイル、およびCHO−エチルブチリルからなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
以下から選択される化合物である、請求項1記載の化合物:
1)以下の構造の化合物:
【化2】

2)以下の構造の化合物:
【化3】

3)以下の構造の化合物:
【化4】

4)以下の構造の化合物:
【化5】

5)以下の構造の化合物:
【化6】

6)以下の構造の化合物:
【化7】

7)以下の構造の化合物:
【化8】

8)以下の構造の化合物:
【化9】

9)以下の構造の化合物:
【化10】

10)以下の構造の化合物:
【化11】

11)以下の構造の化合物:
【化12】

12)以下の構造の化合物:
【化13】

13)以下の構造の化合物:
【化14】

14)以下の構造の化合物:
【化15】

15)以下の構造の化合物:
【化16】

16)以下の構造の化合物:
【化17】

17)以下の構造の化合物:
【化18】

18)以下の構造の化合物:
【化19】

19)以下の構造の化合物:
【化20】

20)以下の構造の化合物:
【化21】

21)以下の構造の化合物:
【化22】

22)以下の構造の化合物:
【化23】

23)以下の構造の化合物:
【化24】

24)以下の構造の化合物:
【化25】

25)以下の構造の化合物:
【化26】
【請求項7】
塩又は医薬の製造のための請求項1〜6のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項8】
薬剤的に許容される担体または希釈剤をさらに含む、請求項1〜のいずれかに記載の化合物を含む組成物。
【請求項9】
ガンの治療のため、ガン成長の阻害、ガン浸潤の阻害、ガン転移の阻害、細胞接着の調節、細胞付着の調節のための請求項1〜6のいずれかに記載の化合物を含む組成物であって、
前記ガンが、乳ガン、白血球ガン、肝臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、骨ガン、脳ガン、白血病ガン、肺ガン、結腸ガン、CNSガン、黒色腫、腎臓ガン、子宮頸ガン、食道ガン、精巣ガン、脾臓ガン、腎臓ガン、リンパ腺ガン、膵臓ガン、胃ガンおよび甲状腺ガンからなる群から選択され;
前記細胞が、乳房細胞、白血球細胞、肝臓細胞、卵巣細胞、膀胱細胞、前立腺細胞、皮膚細胞、骨細胞、脳細胞、白血病細胞、肺細胞、結腸細胞、CNS細胞、黒色腫細胞、腎臓細胞、子宮頸部細胞、食道細胞、精巣細胞、脾臓細胞、腎臓細胞、リンパ細胞、膵臓細胞、胃細胞および甲状腺細胞からなる群から選択される、組成物
【請求項10】
ガンを治療するため、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤;細胞接着、細胞付着、細胞循環の阻害;ウイルスを阻害するため;脳の老化を予防するため;記憶力を向上させるため;脳機能を改善するため;遺尿症、頻尿、尿失禁認知症、アルツハイマー病、自閉症、脳外傷、パーキンソン病または脳機能不全に起因する他の疾患を治療するため;関節炎、リウマチ、血行不良、動脈硬化、レイノー症候群、狭心症、心疾患、冠動脈性心疾患、頭痛、眩暈、腎臓障害脳血管疾患を治療するため;NF−カッパB活性化の阻害;脳浮腫、重症急性呼吸器症候群、呼吸器ウイルス疾患、慢性静脈不全、高血圧、慢性静脈疾患、浮腫、炎症、痔、末梢浮腫形成、拡張蛇行静脈疾患、インフルエンザ、外傷後浮腫および術後の腫脹を治療するため;血栓を阻害するためエタノール吸収を阻害するため;血糖を下げるため;副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチコステロンレベルを調節するため請求項1〜のいずれかに記載の化合物を含む組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年7月16日に出願された国際出願第PCT/US2010/0042240号、および2010年8月13日に出願された米国特許出願第12/856,322号の優先権を主張する。本出願はまた、2009年8月14日に出願された米国特許出願第12/541,713号の優先権を主張し、2009年7月16日に出願された米国特許出願第61/226,043号の利益を主張する。本出願は、2009年2月13日に出願された国際出願第PCT/US09/34115号の優先権を主張し、本出願は、2008年3月20日に出願された米国特許出願第61/038,277号、2008年5月19日に出願された米国特許出願第61/054,308号、の利益を主張し、2008年2月15日に出願された国際出願第PCT/US2008/002086号、2007年8月30日に出願された国際出願第PCT/US2007/077273号、2007年2月16日に出願された米国特許出願第60/890,380号、2007年7月3日に出願された米国特許出願第60/947,705号、および2007年3月7日に出願された米国特許出願第11/683,198号の優先権を主張し、これは、2006年4月27に出願された米国特許出願第60/795,417号、2006年9月1日に出願された同第60/841,727号、2007年2月16日に出願された同第60/890,380号、および2006年4月27に出願された国際出願第PCT/US2006/016158号(これは、以下の出願:(1)2005年11月28日に出願された米国特許出願第11/289142号、および2005年11月4日に出願された同第11/267,523号;(2)2005年9月7日に出願された国際出願第PCT/US05/31900号(2004年10月8日に出願された米国特許出願第60/617,379号、2004年9月27日に出願された同第60/613,811号、および2004年9月7日に出願された同第60/607,858号の優先権を主張する);(3)2005年5月17日に出願された米国特許出願第11/131,551号;ならびに(4)2005年4月27日に出願された米国特許出願第11/117,760号の優先権の利益を主張する)の利益を主張する。本出願はさらに、2006年4月27日に出願された米国特許出願第11/412,659号、2005年2月14日に出願された米国特許出願第10/906,303号、および2008年12月29日に出願された米国特許出願第12/344,682号の優先権を主張する。これらの先行出願の内容は、それらの全体が参照によって本出願に組み入れられる。
【0002】
本発明は、ガン浸潤、細胞浸潤、またはガン細胞浸潤を阻害するための化合物、組成物、抽出物および方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、製薬学的用途のための新規化合物の合成方法を提供する。本発明は、ガンの治療のため、ガン浸潤、細胞浸潤、またはガン細胞浸潤の阻害のための方法、化合物および組成物を提供し、ここで、ガンは、乳房、白血球、肝臓、卵巣、膀胱、前立腺、皮膚、骨、脳、白血病、肺、結腸、CNS、黒色腫、腎臓、子宮頸部、食道、精巣、脾臓、腎臓、リンパ、膵臓、胃および甲状腺ガンを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、製薬学的用途のための新規化合物の合成方法を提供する。本発明は、ガンの治療のため、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤、および転移の阻害のための化合物、組成物、および方法を提供する。本発明は、ガンの治療のため、ガン浸潤、および転移の阻害のための医薬を製造するための化合物、組成物の使用を提供する。本発明は、接着タン
パク質またはアンジオポエチンのメディエータまたは阻害剤として使用される化合物を提供する。本発明は、接着タンパク質またはアンジオポエチンを調節または阻害することによって、細胞の付着もしくは接着または血管形成を調整する方法において使用するための化合物を提供する。化合物は、本出願における式から選択される構造を含み、ここで、化合物は合成されるかまたは単離され、ここで、化合物は、サポニン、トリテルペン、5環性トリテルペン、および本出願における式から選択される化合物を含み、ここで、ガンは、乳房、白血球、肝臓、卵巣、膀胱、前立腺、皮膚、骨、脳、白血病、肺、結腸、CNS、黒色腫、腎臓、子宮頸部、食道、精巣、脾臓、腎臓、リンパ、膵臓、胃および甲状腺ガンを含む。本発明は、細胞循環、細胞移動および炎症性疾患のメディエータとして使用される化合物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと塩化チグロイルとのエステル化生成物(A)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(5秒、1分、2分、5分、および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を室温(上列)および0C(下列)で実施した。
図2】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと3,3−ジメチルアクリロイルクロリドとのエステル化生成物(B)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(5秒、1分、2分、5分、および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を室温(上列)および0C(下列)で実施した。
図3】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと4−塩化ペンテノイルとのエステル化生成物(C)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(5秒、1分、2分、5分、および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を室温で実施した。
図4】エステル化反応の様々な時間からのE4Aとヘキサノリ(Hexanoly)クロリドとのエステル化生成物(D)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(5秒、1分、2分、および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を0Cで実施し(上列);エステル化反応の様々な時間からのE4Aと2−エチルブチリルクロリドとのエステル化生成物(E)のHPLCプロフィールの結果を示す。反応の各時間(5秒、1分、2分、および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を0Cで実施した。(下列)
図5】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと塩化アセチルとのエステル化生成物(H)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(1分、2分、5分および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を室温で実施した。
図6】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと塩化クロトノイルとのエステル化生成物(I)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(5秒、1分、2分、5分および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を室温で実施した。
図7】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと塩化シンナモイルとのエステル化生成物(J)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(1分、1時間、2時間、18時間、18時間(加熱))から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を室温および75Cで実施した。
図8】エステル化反応の様々な時間からのE4Aと塩化ベンゾイルとのエステル化生成物(K)のHPLCプロフィールを示す図である。反応の各時間(5秒、1分、2分、5分、および10分)から得られた反応生成物を、HPLCによって分別した。プロフィールをフラクションのHPLC溶出時間および光学密度にしたがってプロットする。反応を0Cで実施した。
図9】AはE4A−チグロイル、BはE4A−3,3−ジメチルアクリロイル、CはE4A−4−ペンテノイルについての室温での時間分析のMTT細胞毒性活性を示す図である。
図10】AはE4A−チグロイル、BはE4A−3,3−ジメチルアクリロイル、CはE4A−4−ペンテノイルについての0Cでの時間分析のMTT細胞毒性活性を示す図である。
図11】JはE4A−シンナモイル、DはE4A−ヘキサノイル、EはE4A−2−エチルブチリル、および対照(Tig対照はE4Aを含まないチグロイルクロリド、AC対照はE4Aを含まない塩化アセチル、HはE4A反応1分の塩化アセチル)についての時間分析のMTT細胞毒性活性を示す図である。
図12】HはE4A−アセチル、IはE4A−クロトノイルについての時間分析のMTT細胞毒性活性を示す図である。
図13】1分、15分、30分、1時間、2時間でのE4A−Tigについての時間分析のMTT細胞毒性活性を示す図である。
図14】1分および2時間でのE4A−TigのHPLCプロフィールを示す図である。
図15】E4A−Tigについての時間分析のMTT細胞毒性活性を示す図である。結果:5秒〜1分の反応からのE4A−Tigが最も活性である。活性は反応の1分後に減少する。10分以上で最小ないし0の活性が得られた。
図16】E4A−Tig(E4A、E4A−ASAP(5秒)、E4A−1分、E4A−2分、E4A−5分、E4A−10分、E4A−30分)のHPLCプロフィールの結果を示す図である。
図17】M、N、O、P、Q、R、S、T、E4Aの活性オーダーの結果を示す図であり、M=E4Aは活性がない。
図18】様々な器官のガン細胞におけるE4A−Tig−RのMTT細胞毒性活性の結果を示す図である。A、骨(U2OS)IC50=4.5ug/ml;B、膀胱(TB9):IC50=2.5ug/ml;C、肺(H460):IC50=4.8ug/ml;D、卵巣(ES2):IC50=2.8ug/ml
図19】様々な器官のガン細胞におけるE4A−Tig−RのMTT細胞毒性活性の結果を示す図である。E、結腸(HCT116)IC50=5.2ug/ml;F、膵臓(Capan)IC50=2.4ug/ml;G、卵巣(OVCAR3)IC50=5.8ug/ml;H、乳房(MCF−7)IC50=4.5ug/ml
図20】様々な器官のガン細胞におけるE4A−Tig−RのMTT細胞毒性活性の結果を示す図である。I、前立腺(DU145)IC50=3.6ug/ml;J、皮膚(SK−Mel−5)IC50=5.1ug/ml;K、口(KB)IC50=3ug/ml;L、腎臓(A498)IC50=3.5ug/ml
図21】様々な器官のガン細胞におけるE4A−Tig−RのMTT細胞毒性活性の結果を示す図である。M、肝臓(HepG2)IC50=6ug/ml;N、脳(T98G)IC50=8ug/ml;P、白血病(K562)IC50=2ug/ml;Q、子宮頸部(HeLa)IC50=5ug/ml
図22(A)】結果を示す図であり、Tig−N、−Q、−R、−T−Sおよび−Vは、20ug/mlまで溶血活性を有さない。最初の化合物ESは、5ug/mlで100%赤血球(RBC)を溶解させる。
図22(B)】結果を示す図であり、Y3と比較して、ACH−Y3は溶血活性においてあまり強力でない。Tig−Rは溶血活性を有しない。
図23(A)】反応生成物のHPLCプロフィールの結果を示す図である。複数のフラクションが得られた。さらなる研究のために個々のフラクションを集めた。
図23(B)】E4A−Tig−Rの精製の結果を示す図である。
図24】骨U2OS細胞を用いたE4A−Tig−RのMTTアッセイの結果を示す図である。
図25】E4A−Tig−RのHNMRの結果を示す図である。
図26】E4A−Tig−RのCNMRの結果を示す図である。
図27】E4A−Tig−RのHMQCの結果を示す図である。
図28】E4A−Tig−RのHMBCの結果を示す図である。
図29】Tig−R(M+H)の質量スペクトルは671.4509であることを示す図である。質量は、提案された構造と一致する。
図30】E4A−Tig−R、24,28−O−チグロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、式:C40H62O8、FW:670.91548の化学構造を示す図である。
図30】E4A−Tig−R、24,28−O−チグロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン、式:C40H62O8、FW:670.91548の化学構造を示す図である。
図31(A)】反応生成物のHPLCプロフィールの結果を示す図である。複数のフラクションが得られた。さらなる研究のために個々のフラクションを集めた。
図31(B)】E4A−Tig−Nの精製の結果を示す図である。
図31(C)】E4A−Tig−Sの精製の結果を示す図である。
図31(D)】E4A−Tig−Tの精製の結果を示す図である。
図32(A)】骨U2OS細胞を用いたE4A−Tig−NのMTTアッセイの結果を示す図である。
図32(B)】骨U2OS細胞を用いたE4A−Tig−SのMTTアッセイの結果を示す図である。
図33(A)】骨U2OS細胞を用いたE4A−Tig−TのMTTアッセイの結果を示す図である。
図33(B)】骨卵巣ES2細胞を用いたE4A−Tig−VのMTTアッセイの結果を示す図である。IC50=2ug/ml
図33(C)】E4A−Tig−Vの精製の結果を示す図である。
図34】E4A−Tig−VのHNMRの結果を示す図である。
図35】E4A−Tig−VのHMQCの結果を示す図である。
図36】E4A−Tig−VのHMBCの結果を示す図である。
図37】E4A−Tig−Vの質量スペクトルの結果を示す図である。Tig−R(M+H)質量は753.4924であり、これは提案された式(C45H68O9)と一致する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、製薬学的用途のための新規活性化合物の合成方法を提供する。本発明は、化合物を接着タンパク質およびアンジオポエチンのメディエータまたは阻害剤として使用する抗接着療法を提供する。これは、過剰な接着を阻害し、細胞付着を阻害する。これは血管形成を調節する。この化合物はさらに、細胞接着受容体のメディエータとして使用する。
【0007】
本発明は、ガンを治療するため;ガン成長を阻害するため、ウイルスを阻害するため;脳の老化を予防するため;記憶力を向上させるため;脳機能を改善する;遺尿症、頻尿、尿失禁、認知症、アルツハイマー病、自閉症、脳外傷、パーキンソン病または脳機能不全に起因する他の疾患を治療するため;関節炎、リウマチ、血行不良、動脈硬化、レイノー
症候群、狭心症、心疾患、冠動脈性心疾患、頭痛、眩暈、腎臓障害、脳血管疾患を治療するため;NF−カッパB活性化を阻害する;脳浮腫、重症急性呼吸器症候群、呼吸器ウイルス疾患、慢性静脈不全、高血圧、慢性静脈疾患、浮腫、炎症、痔、末梢浮腫形成、拡張蛇行静脈疾患、インフルエンザ、外傷後浮腫および術後の腫脹を治療するため;血栓を阻害するため、エタノール吸収を阻害するため;血糖を下げるため;副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチコステロンレベルを調節するために本発明で提供される化合物またはこの化合物を含む組成物を提供する。本発明は、抗MS、抗動脈瘤、抗喘息、抗浮腫、抗炎症、抗ブラジキニン、抗毛細血管出血、抗頭痛、抗頸腕痛、抗子癇、抗浮腫、抗脳炎(antiencaphalitic)、抗咽頭蓋炎、抗滲出、抗インフルエンザ、骨折治療、抗歯肉炎、抗血腫、抗ヘルペス、抗ヒスタミン、抗ヒドラスリティック(antihydrathritic)、抗髄膜炎、抗酸化、抗歯周病、抗静脈炎、抗胸膜炎、抗嗄声、抗鼻炎、抗扁桃腺炎(antitonsilitic)、抗潰瘍、抗静脈瘤、抗眩暈、ガン静止(cancerostatic)、コルチコステロイド産生(corticosterogenic)、利尿、防かび、溶血、ヒアルロニダーゼ阻害剤、増リンパ物質、ナトリウム排泄増加、殺虫剤、脳下垂体刺激剤、チモール分解、血管保護、リーシュマニア症の阻害、ガン細胞の接着または血管形成の調節、駆虫;遺伝子:ANGPT2、DDIT3、LIFおよびNFKB1Zの発現の増大、ならびにアジュバント組成物および静脈緊張治療薬(venotonic treatment)の製造のための組成物を提供する。
【0008】
本発明は、ガンを治療するため、ガン浸潤を阻害するため、ガン成長を阻害するため、またはガン転移を阻害するための化合物、組成物および方法を提供し、ここで、化合物は、本出願の式から選択される構造を含み、化合物は、合成または単離することができ、化合物は、トリテルペン、5環性トリテルペン、サポニン、および本出願の式から選択される化合物を含み、ガンは、乳ガン、白血球ガン、肝臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、骨ガン、脳ガン、白血病ガン(leukemia cancer)、肺ガン、結腸ガン、CNSガン、黒色腫、腎臓ガン、子宮頸ガン、食道ガン、精巣ガン、脾臓ガン、腎臓ガン、リンパ腺ガン、膵臓ガン、胃ガンおよび甲状腺ガンを含み;ここで、細胞は、乳房細胞、白血球細胞、肝臓細胞、卵巣細胞、膀胱細胞、前立腺細胞、皮膚細胞、骨細胞、脳細胞、白血病細胞、肺細胞、結腸細胞、CNS細胞、黒色腫細胞、腎臓細胞、子宮頸部細胞、食道細胞、精巣細胞、脾臓細胞、腎臓細胞、リンパ細胞、膵臓細胞、胃細胞および甲状腺細胞を含む。
【0009】
本発明は、チグロイル、アンゲロイル、アセチル、クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイル、セネシオイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、糖部分、またはジアンゲロイル基で置換された糖部分が、5環性トリテルペン、トリテルペン、トリテルペニオド(triterpeniod)、トリテルペニオド(triterpeniod)サポニンまたは本出願の式から選択される化合物で存在することによって、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤、細胞接着、細胞循環または細胞付着の阻害をもたらすことを示す。
【0010】
本発明は、チグロイル、アンゲロイル、アセチル、クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイル、セネシオイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、糖部分、またはジアンゲロイル基で置換された糖部分が、5環性トリテルペン、トリテルペン、トリテルペニオド(triterpeniod)、トリテルペニオドサポニンまたは本出願の式から選択される化合物の炭素位置21、22、24および/または28で存在することによって、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤ま
たはガン細胞浸潤の阻害をもたらすことを示す。一つの実施形態において、チグロイル、アンゲロイル、アセチル、クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイル、セネシオイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、および糖部分から選択される基(複数可)が、トリテルペン、トリテルペニオド、トリテルペニオドサポニンまたは本出願の式から選択される化合物の炭素位置3、8、15、21、22、24および/または28に存在することによって、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤、細胞接着、細胞付着または細胞循環の阻害をはじめとする活性を生じる。実施形態において、炭素位置24に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置24および28に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置24および21に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置24、28および21に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置24、28および22に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置24、28および3に基が存在すると活性が生じる。実施形態において炭素位置24、および3に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置28および3に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置3に基が存在すると活性が生じる。実施形態において、炭素位置21および22に基が存在すると活性が生じる。
【0011】
本発明は、官能基をコア化合物に結合させることによって活性化合物を合成する方法を示し、ここで、官能基(複数可)は、チグロイル、アンゲロイル、アセチル、クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイル、セネシオイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、およびヘテロアリールから選択され、コア化合物は5環トリテルペンである。実施形態において、コア化合物は、4環テルペンである。実施形態において、コア化合物は、3環テルペンである。実施形態において、コア化合物は、2環テルペンである。実施形態において、コア化合物は、1環テルペンである。本発明で提供される化合物は、ガンを治療するため、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤;細胞接着、細胞付着、細胞循環の阻害;ウイルスを阻害するため;脳の老化を予防するため;記憶力を向上させるため;脳機能を改善する;遺尿症、頻尿、尿失禁、認知症、アルツハイマー病、自閉症、脳外傷、パーキンソン病または脳機能不全に起因する他の疾患を治療するため;関節炎、リウマチ、血行不良、動脈硬化、レイノー症候群、狭心症、心疾患、冠動脈性心疾患、頭痛、眩暈、腎臓障害、脳血管疾患を治療するため;NF−カッパB活性化を阻害する;脳浮腫、重症急性呼吸器症候群、呼吸器ウイルス疾患、慢性静脈不全、高血圧、慢性静脈疾患、浮腫、炎症、痔、末梢浮腫形成、拡張蛇行静脈疾患、インフルエンザ、外傷後浮腫および術後の腫脹を治療するため;血栓を阻害するため、エタノール吸収を阻害するため;血糖を下げるため;副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチコステロンレベルを調節するためである。本発明は、抗MS、抗動脈瘤、抗喘息、抗浮腫、抗炎症、抗ブラジキニン、抗毛細血管出血、抗頭痛、抗頸腕痛、抗子癇、抗浮腫、抗脳炎、抗咽頭蓋炎、抗滲出、抗インフルエンザ、骨折治療、抗歯肉炎、抗血腫、抗ヘルペス、抗ヒスタミン、抗ヒドラスリティック、抗髄膜炎、抗酸化、抗歯周病、抗静脈炎、抗胸膜炎、抗嗄声、抗鼻炎、抗扁桃腺炎、抗潰瘍、抗静脈瘤、抗眩暈、ガン静止、コルチコステロイド産生、利尿、防かび、溶血、ヒアルロニダーゼ阻害剤、増リンパ物質、ナトリウム排泄増加、殺虫剤、脳下垂体刺激剤、チモール分解、血管保護、リーシュマニア症の阻害、ガン細胞の接着または血管形成の調節、駆虫;遺伝子:ANGPT2、DDIT3、LIFおよびNFKB1Zの発現の増大、ならびにアジュバント組成物および静脈緊張治療薬の製造のための組成物を提供する。
【0012】
本発明で提示される実験は、化合物AKOHが、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤または
ガン細胞浸潤の阻害に効果がないことを示した。AKOHは、アンゲロイル基を活性なXanifolia Y(Y3)の炭素位置21および22から除去することによって得られた。本発明は、Xanifolia Y(Y3)のガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害する能力が、炭素位置21および22からアンゲロイル基を除去することによって失われることを示す。
【0013】
本発明で提示される実験は、E4A、E5A、Xanifolia Y−コアを含むコア化合物が、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤の阻害に効果がないことを示した。Xanifolia Y−コアは、活性なXanifolia Y(Y3)の炭素位置21および22からアンゲロイル基を除去し、炭素3から糖部分を除去することによって得られた。E4A(E IV A)は、活性なEscinの炭素位置3、21および22から基を除去することによって得られた。E5A(E V A)は、活性なEscinの炭素位置3、21および22から基を除去することによって得られた。
【0014】
本発明は、E4A、E5A、Xanifolia Y−コアを含むコア化合物およびAKOHが、溶血活性および抗ガン活性を有しないことを示した。
【0015】
本発明は、Tig−N、Tig−Q、Tig−R、Tig−T Tig−SおよびTig−Vが、20ug/mlまで溶血活性を有しないことを示した。最初の化合物ESは、5ug/mlで100%の赤血球(RBC)を溶解させる。Y3と比べると、ACH−Y3は溶血活性において効力が低い。Tig−Rは溶血活性を有しない。本発明は、Tig−N、Tig−Q、Tig−R、Tig−T Tig−SおよびTig−Vが、抗ガン活性を有することを示した。
【0016】
本発明は、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害するための能力は、糖部分を活性化合物、トリテルペン、トリテルペニオド、またはトリテルペニオドサポニンの炭素位置3から除去する場合に維持されることを示す。本発明で提示される実験は、化合物ACH−Y3がガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害する能力を有することを示した。化合物ACH−Y3は、活性なXanifolia Y(Y3)の炭素位置3から糖部分を除去することによって得られた。本発明は、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害する能力が、活性なXanifolia Y(Y3)の炭素位置3から糖部分を除去する場合に維持されることを示す。
【0017】
ガン成長の阻害、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤の阻害を含む生物活性を有する化合物を、活性化合物と呼ぶ。
【0018】
本発明は、ガンの治療のため、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤;細胞接着、細胞付着、細胞循環の阻害、またはガン転移を阻害するための医薬を製造するための化合物、組成物、および医薬の使用を提供し、ここで、化合物は、本出願の式から選択される構造を含み、化合物は合成または単離することができ、化合物は5環性トリテルペンを含み、細胞はガン細胞を含み、ガンは、乳ガン、白血球ガン、肝臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、骨ガン、脳ガン、白血病ガン、肺ガン、結腸ガン、CNSガン、黒色腫、腎臓ガン、子宮頸ガン、食道ガン、精巣ガン、脾臓ガン、腎臓ガン、リンパ腺ガン、膵臓ガン、胃ガンおよび甲状腺ガンを含む。ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤活性を阻害する方法は、非細胞毒性薬物濃度を使用する。転移を阻害する方法は、非細胞毒性薬物濃度を使用する。細胞形態において目立った変化はない。
【0019】
本発明は、ガンの治療のため、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤;ガンの細胞接着、細胞付着、細胞循環、遊走、転移または成長の阻害のための方法を提供し、この方法は、遺伝子発現に影響を及ぼすことを含むか、または方法は遺伝子発現を刺激する
ことを含むか、または方法は遺伝子発現を阻害することを含むか、または方法は対象に本出願における化合物、組成物の有効量を投与することを含む。一つの実施形態において、方法は、前記細胞を、A1−18、A20−32、B1−18、B20−32、C1−18、C20−32、D1−18、D20−32、D1−18、D20−32、D1−18、D20−32、D1−18、D20−32、D1−18、D20−32、E1−18、E20−32、G1−18、G20−32、H1−18、H20−32、I1−18、I20−32、J1−18、J20−32、K1−18、K20−32、Xanifolia Y0、Y1、Y2、Y(Y3)、Y5、Y7、Y8、Y9、Y10、Xanifolia(x)、M10、Escin(bES)、Aescin、ACH−Y(Y3)、ACH−Y10、ACH−Y2、ACH−Y8、ACH−Y7、ACH−Y0、ACH−X、ACH−Z4、ACH−Z1、ACH−Escin(bES)、ACH−M10およびその塩、エステル、代謝物、ならびに式2A、およびKから選択される化合物と接触させることを含む。
【0020】
インビトロ実験は、構造(2A)または(K)から選択される化合物が培養フラスコへの細胞接着を阻害することを示す。化合物は、細胞に対するこれらの接着分子の機能を遮断する。一つの実施形態において、選択された化合物は、細胞に対するこれらの接着分子の機能を遮断する。一つの実施形態において、選択された化合物は、ガン細胞に対するこれらの接着分子の機能を遮断する。一つの実施形態において、選択された化合物は、中皮細胞に対するこれらの接着分子の機能を遮断する。本発明は、化合物を接着タンパク質およびアンジオポエチンのメディエータまたは阻害剤として使用する抗接着療法を提供する。これは、過剰な接着を阻害し、細胞付着を阻害する。本発明は、細胞循環、細胞移動および炎症性疾患のメディエータとして使用するための化合物を提供する。一つの実施形態において、選択された化合物は、膜上の接着タンパク質と結合し(マスキングによる)、接着タンパク質とそれらの受容体との相互作用を阻害する。一つの実施形態において、膜に対する選択された化合物の作用は、膜における接着タンパク質の機能に影響を及ぼす。ガン細胞の接着活性の喪失は、膜タンパク質に対する選択された化合物の直接的または間接的作用の結果である。
【0021】
(本発明者等の精製方法および生物学的アッセイは、2005年9月7日に出願された国際出願第PCT/US05/31900号、2005年11月28日に出願された米国特許出願第11/289142号、および2005年5月17日に出願された米国特許出願第11/131551号、および2008年2月15日に出願されたPCT/US2008/002086、1188−ALA−PCTにおけるMTTアッセイ、2010年7月16日に出願された国際出願第PCT/US2010/0042240号における細胞浸潤実験方法を含み、これらの内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)
【0022】
本発明は、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤、ガンの遊走、転移または成長を阻害するための化合物または方法の使用を提供し、ここで、本発明は、組成物の投与のためのプロセスおよび方法を含み、ここで、投与は、静脈内注射、点滴、腹腔内注射または経口投与により;投与は、250mlの10%グルコース溶液中もしくは250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.003〜0.03mg/kg体重の化合物の点滴によるか、あるいは10〜20mlの10%グルコース溶液もしくは0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.003〜0.03mg/kg体重/日の化合物、または250mlの10%グルコース溶液中もしくは250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.01〜0.03mg/kg体重の化合物の静脈内注射によるか、あるいは10〜20mlの10%グルコース溶液もしくは0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.01〜0.03mg/kg体重/日の化合物、または250mlの10%グルコース溶液中もしくは250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.01〜0.05mg/kg体重の化合物の静脈内注射によるか、あるいは10〜20mlの10%グルコース溶液もしくは0.9
%NaCl溶液中に溶解させた0.01〜0.05mg/kg体重/日の化合物、または250mlの10%グルコース溶液中もしくは250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.05〜0.2mg/kg体重の化合物の静脈内注射によるか、あるいは10〜20mlの10%グルコース溶液もしくは0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.05〜0.2mg/kg体重/日の化合物の静脈内注射によるか、あるいは250mlの10%グルコース溶液中もしくは250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.1〜0.2mg/kg体重/日の化合物の点滴によるか、あるいは10〜20mlの10%グルコース溶液もしくは0.9%NaCl溶液中に溶解させた0.1〜0.2mg/kg体重/日の化合物の静脈内注射によるか、あるいは10%グルコース溶液もしくは0.9%NaCl溶液中に溶解させた2.5mg/kg体重/日の化合物の腹腔内注射(I.P.)によるか、あるいはほ乳動物の投与量が、1〜10mg/kg、10〜30mg/kg、30〜60mg/kg、または60〜90mg/kg体重の化合物である経口投与によるか、あるいはほ乳動物の投与量が、0.01〜0.1mg/kg体重、0.1〜0.2mg/kg、0.2〜0.4mg/kg体重、または0.4〜0.6mg/kg体重の化合物である静脈内注射もしくは点滴によるか、あるいはほ乳動物の投与量が、1〜3mg/kg、3〜5mg/kg、4〜6mg/kg、または6〜10mg/kg体重の化合物である腹腔内注射(I.P.)による。
【0023】
本発明は、ガンを治療するため、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤;ガンの細胞接着、細胞付着、細胞循環、遊走、転移または成長を阻害するための化合物または方法の使用を提供し、ここで、本発明は、本発明の化合物またはその薬剤的に許容される塩、および薬剤的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を含み、前記化合物は、0.01ug/ml〜65ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01ug/ml〜40ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01ug/ml〜5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1ug/ml〜5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1ug/ml〜7.5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1ug/ml〜15ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1ug/ml〜20ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、1ug/ml〜5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、1ug/ml〜7.5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、1ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、1ug/ml〜15ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、1ug/ml〜20ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、1ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、3ug/ml〜5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、3ug/ml〜7.5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、3ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、3ug/ml〜15ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、3ug/ml〜20ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、3ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、4ug/ml〜5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、4ug/ml〜7.5ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、4ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、4ug/ml〜15ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、4ug/ml〜20ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、4ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜8ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜9ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜
10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜15ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜20ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、5ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、7ug/ml〜8ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、7ug/ml〜9ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、7ug/ml〜10ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、7ug/ml〜15ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、7ug/ml〜20ug/mlの濃度で存在するか、または前記化合物は、7ug/ml〜30ug/mlの濃度で存在する。
【0024】
本発明は、ガンを治療するため、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤;ガンの細胞接着、細胞付着、細胞循環、遊走、転移または成長を阻害するための化合物または方法の使用を提供し、ここで、本発明は、本発明の化合物またはその薬剤的に許容される塩、および薬剤的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物を含み、ここで、前記化合物は、0.008uM〜80uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01uM〜60uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01uM〜50uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01uM〜40uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01uM〜30uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01uM〜20uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.01uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜5uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜7.5uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜15uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜20uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜30uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜40uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜50uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜60uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、0.1uM〜80uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜5uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜7.5uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜15uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜20uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜30uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜40uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜50uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜60uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、1uM〜80uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜5uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜7.5uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜15uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜20uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜30uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜40uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜50uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜60uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、3uM〜80uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜8uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜15uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜20uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜30uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜40uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜50uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜60uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、5uM〜80uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜8uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜10uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜15uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜20uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜30u
Mの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜40uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜50uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜60uMの濃度で存在するか、または前記化合物は、7uM〜80uMの濃度で存在する。
【0025】
本発明は、後述の実験の詳細を参照することによってよりよく理解されるであろうが、当業者らは、詳述された特定の実験が単に例示的であって、本明細書中に記載されるように本発明を限定するものではなく、本発明はその後に記載される特許請求の範囲によって規定されることを容易に理解するであろう。
【0026】
本出願全体を通して、様々な参考文献または刊行物が引用されている。これらの参考文献または刊行物の開示は、本発明が関連する技術分野の状態をさらに十分に記載するために、その全体が参照によって本出願に組み込まれる。
【0027】
「含む(comprising)」という移行句は、「包含する(including)」、「含有する(containing)」または「〜によって特徴付けられる(characterized by)」と同義であり、包括的であるかまたは最低限含み、記載されていないさらなる要素または方法ステップを除外しないということに注意すべきである。
【0028】
例1
10mg、20mg 30mgの活性化合物を含有する用量の錠剤
活性化合物 1mg 5mg 10mg 20mg 30mg
微結晶セルロース 20mg 20mg 19.75mg 60mg 100mg
コーンスターチ 29mg 24.5mg 19.75mg 19.25mg 18.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0mg 0.5mg 0.5mg 0.75mg 1.5mg
【0029】
活性化合物、セルロース、およびコーンスターチの一部を混合し、造粒して、10%コーンスターチペーストにする。結果として得られた顆粒を篩過し、乾燥し、コーンスターチの残りおよびステアリン酸マグネシウムとブレンドする。結果として得られた顆粒を次いで圧縮して、1錠あたりそれぞれ1、5、10、20、30mgの活性成分を含有する錠剤にする。
【0030】
例2
静脈内溶液製剤
活性化合物の静脈内投与形態を次のようにして調製する:
活性化合物 1〜10ug
クエン酸ナトリウム 5〜50mg
クエン酸 1〜15mg
塩化ナトリウム 1〜8mg
注射用水(USP) 1mLにするために必要な量
【0031】
前述の量を使用して、活性化合物を、注射用水中、塩化ナトリウム、クエン酸、およびクエン酸ナトリウムの調製された溶液中に室温にて溶解させる。
【0032】
例3
点滴製剤
250mlの10%グルコース溶液中または250mlの0.9%NaCl溶液中に溶
解させた0.25〜2.5mgの化合物
点滴製剤:250mlの10%グルコース溶液中または250mlの0.9%NaCl溶液中に溶解させた1〜2.mgの化合物
【0033】
アンゲリカ酸を、オキシ塩化リン、三塩化リンおよび塩化チオニルをはじめとする多くの標準的塩素化試薬のうちの1つで処理すると、塩化チグロイルが生じる。塩化オキサリルは、2:1比の塩化アンゲロイルと塩化チグロイルを生成する。ジエチルエーテル中カリウム塩を塩化オキサリルおよび触媒DMFで2時間0Cにて処理すると、純粋な塩化アンゲロイルが生じる。
【0034】
【化1】
【0035】
次の化合物の酸加水分解:
【0036】
a)Xanifolia(Y)
【化2】
または化学名:3−Ο−[β−D−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−L−アラビノフラノシ(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン;
【0037】
c)Xanifolia(Y2)
【化3】
または化学名:3−Ο−[β−D−グルコピラノシル−(1→2)]−α−L−アラビノフラノシ(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,15α,16α,21β,22α,24β,28−ヘプタヒドロキシオレアン−12−エン;
【0038】
d)Xanifolia(Y8)
【化4】
または化学名:3−O−[β−グルコピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−D−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン;
【0039】
f)Xanifolia(Y10)
【化5】
または化学名:3−O−[β−ガラクトピラノシル(1→2)]−α−アラビノフラノシル(1→3)−β−グルクロノピラノシル−21,22−O−ジアンゲロイル−3β,16α,21β,22α,28−ペンタヒドロキシオレアン−12−エン。
【0040】
j)構造(M10)
【化6】
【0041】
m)構造(bES):
【化7】
【0042】
前記の酸加水分解後、以下から選択される構造(ACH)を有する単離、精製または合成された化合物を生成する:
【0043】
【化8】
【0044】
組成物は、天然の植物または合成から得られる生物活性化合物を含む。
【0045】
プログラムは、本発明者等の精製方法およびMTTアッセイを含む生物学的アッセイに基づく。2005年9月7日に出願された国際出願第PCT/US05/31900号、
2005年11月28日に出願された米国特許出願第11/289142号、および2005年5月17日に出願された米国特許出願第11/131551号、および2008年2月15に出願されたPCT/US2008/002086、1188−ALA−PCT、2008年12月29日に出願された12/344,682、1020−B1−US(その内容は、参照によって本明細書中に組み込まれる)を参照のこと。ミクロアレイによるY−処理後のES2細胞の遺伝子発現の分析、データ分析方法およびウェスタンブロットの詳細は、2008年2月15に出願されたPCT/US2008/002086、1188−ALA−PCT、および細胞浸潤実験方法は、2010年7月16日に出願された国際出願PCT/US2010/0042240号に記載されており、その内容は、参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0046】
溶血アッセイ
赤血球(RBC)は、ヒト血液(EDTA全血、ランダムに集める)から単離した。50ulの10%RBC懸濁液(PBS中)を2mlの試料のPBS中溶液(濃度は0.1ug/mlから400ug/mlまでの範囲)に添加した。混合物を短時間ボルテックスし、室温で60分間静置した。混合物を3Kで10分間スピンさせ、上清中の溶解したヘモグロビンの相対量を540nmで測定した。本出願の合成化合物をこの方法で試験した。
【0047】
サポニンの酸加水分解
15mgのXanifolia−Yを1mlのメタノール中に溶解させた。1mlの2N HClを次いで添加した。混合物を80Cの水浴中で5時間還流させた。次いで、2mlの1N NaOHを添加することによって、溶液を(最終pH4〜6まで)中和した。次いで、アグリコンを酢酸エチル3ml×2で抽出した。抽出物を集め、プールした。アグリコン(ACH−Y)のさらなる単離は、HPLCにより80〜100%アセトニトリルの定組成溶離で達成された。化合物Z4、Y10、Y2、Y8、Y7、Y0、X、M10およびESCIN(bES)を用いて実験を繰り返して、それぞれ次の化合物を得る:ACH−Z4、ACH−Y10、ACH−Y2、ACH−Y8、ACH−Y7、ACH−Y0、ACH−X、ACH−E、ACH−Z5、ACH−M10およびACH−bES。2010年7月16に出願された国際出願PCT/US2010/0042240号(その内容は、参照によって本明細書中に組み込まれる)における実験方法。
【0048】
アルカリ加水分解によるアシル基の除去
20mgのXanifolia−Yを0.5mlの1N NaOH中に溶解させた。溶液を80Cの水浴中で4時間インキュベートした。それを室温まで冷却した後、0.5mlの1N HClで中和した(pHを約3に調節)。混合物を2mlの1−ブタノールで3回抽出した。ブタノールフラクションを集め、凍結乾燥した。加水分解されたサポニンをC−18カラム中HPLCでさらに精製し、25%アセトニトリルで溶出させた。
【0049】
【化9】
【0050】
化合物AKOH−YおよびAKOH−M10は、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害する能力を示さない。
【0051】
コア化合物
コア化合物または5環性トリテルペン、ヒドロキシル化トリテルペンは、天然源からサポニンの酸およびアルカリ加水分解によって得られる。5環性トリテルペンはまた、合成方法によっても得ることができる。コア化合物を合成する方法は次のとおりである:
【0052】
1M NaOH中に溶解させたベータ−Escin、化合物Y、Y10、Y2、Y8、Y7、Y0、X、またはM10(20mg/ml)を70Cで5時間インキュベートした。加水分解された溶液をHClで中和し、水を凍結乾燥によって蒸発させた。生成物を50%メタノールおよび1N HCl中に溶解させた。混合物を70Cで5時間インキュベートした。溶液をNaOHで中和した。加水分解生成物を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチルを続いて蒸発によって除去した。(E4A)を含むコア化合物の加水分解生成物のさらなる精製は、1ml/分の流速にて70%アセトニトリル/TFAで平衡化されたC18カラム中FPLCクロマトグラフィーで達成された。コア化合物が得られる。
【0053】
コア化合物は、ガン成長、ガン浸潤、または細胞接着を阻害する能力を示さない。
【0054】
コア化合物の構造:
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
bES−コア、E IV A、ES4A、E4Aまたは(E)とも呼ばれる;
【0057】
【化12】
ESV、E5Aまたは(F)とも呼ばれる;
【0058】
【化13】
(式中、R1、R2、R5、R8はOHを表す;R3は、OH、Hを表すか、または存在しない;R4、R10は、CH3またはCH2OHを表す;R9、R11、R12、R13、R14、R15はCH3を表す);
【0059】
【化14】
(式中、R1、R2、R5、R8、R17、R18はOHを表す;R3は、OH、Hを表すか、または存在しない;R9、R11、R12、R13、R14、R15はCH3を表す)。
【0060】
【化15】
5環性トリテルペンの1〜30の炭素位置の典型的なナンバリング。
【0061】
【化16】
(式中、R1、R2、R5、R8、R17、R18はOHを表す;R9、R11、R12、R13、R14、R15はCH3を表し、E4Aまたは(E)とも呼ばれる)。
【0062】
本発明は、新規活性化合物を合成する方法を提供する。官能基をコア化合物[(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)を含むが、これらに限定されない]に結合させる方法は、コア化合物を塩化アシル、例えばこれらに限定されないが、塩化チグロイル、塩化アンゲロイル、塩化アセチル、塩化クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイルクロリド、塩化セネシオイル、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイルまたはエチルブチリルクロリドで5秒、1分、2分、5分、10分、30分、1時間、2時間、18時間、2日または3日、0C、25Cまたは75Cの温度でエステル化することを含む。反応の最後に、5mlの2N HClまたは1M NaHCO3を反応混合物に添加する。溶液を次いで10mlの酢酸エチルで3回抽出し、これを次いで真空下、45Cで蒸発させ、凍結乾燥する。反応生成物を80%アセトニトリル−0.005%トリフルオロ酢酸中に溶解させる。活性なエステル化生成物
をHPLCで精製する。MTT活性を実施して、塩化アシル、反応後の溶液、個々のフラクション、および個々の化合物の活性を試験した。コア化合物は、合成、半合成または天然源由来である。コア化合物は、テルペン、イソプレン、トリテルペン、およびヒドロキシル化トリテルペンを含む。
【0063】
0C、25Cまたは75Cの温度で(ASAP)5秒、1分、2分、5分、10分、30分、1時間、2時間、18時間、2日または3日の異なる反応時間でのコア化合物のアシル化のMTT活性を調査した。コア化合物E4Aの塩化アシル、例えば塩化チグロイル、塩化アンゲロイル、塩化アセチル、塩化クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイルクロリド、塩化セネシオイル、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイルまたはエチルブチリルクロリドでのエステル化生成物のHPLCプロフィールは、反応の時間または温度が変化すると、化合物は組成が変化することを示す。図1〜21を参照のこと。
【0064】
ピーク、フラクションおよび化合物は、時間分析の活性およびピークの変化にしたがって選択される。単離のためのHPLCフラクションの選択は、特定の時間で得られる反応生成物の細胞毒性活性にしたがう。強ないし弱活性を有する化合物を選択し、単離する。抗ガン活性は、骨(U2OS)、肺(H460)、膀胱(HTB−9)、卵巣(ES2)、結腸(HCT116)、膵臓(Capan)、卵巣(OVCAR3)、前立腺(DU145)、皮膚(SK−Mel−5)、口(KB)、腎臓(A498)、乳房(MCF−7)、肝臓(HepG2)、脳(T98G)、白血病(K562)、子宮頸部(HeLa)のMTT研究である。
【0065】
コア化合物E4Aの塩化チグロイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、次の化合物を得る:
【0066】
【化17】
【0067】
【表1】
【0068】
コア化合物E4Aの塩化アンゲロイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離により、以下の化合物を得る:
【0069】
【表2】
【0070】
コア化合物E4Aの(3,3−ジメチルアルチロイルクロリド)塩化セネシオイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Sen=セネシオイル
【0071】
【表3】
【0072】
コア化合物E4Aの4−塩化ペンテノイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Pen=4−ペンテノイル
【0073】
【表4】
【0074】
コア化合物E4Aの塩化ヘキサノイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Hex=ヘキサノイル
【0075】
【表5】
【0076】
コア化合物E4Aの2−エチルブチリルクロリドでのエステル化および化合物のHPL
Cでの単離によって、以下の化合物を得る:
Eth=2−エチルブチリル
【0077】
【表6】
【0078】
コア化合物E4Aの塩化アセチル(H)でのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Acy=アセチル
【0079】
【表7】
【0080】
コア化合物E4Aの塩化クロトノイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Cro=クロトノイル
【0081】
【表8】
【0082】
コア化合物E4Aの塩化シンナモイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Cin=シンナモイル
【0083】
【表9】
【0084】
コア化合物E4Aの塩化ベンゾイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
Ben=ベンゾイル
【0085】
【表10】
【0086】
E4A−Tig−Nの塩化セネシオイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0087】
【表11】
【0088】
E4A−Tig−Nの塩化クロトノイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0089】
【表12】
【0090】
E4A−Tig−Nの塩化アセチルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0091】
【表13】
【0092】
E4A−Tig−Nの4−塩化ペンテノイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0093】
【表14】
【0094】
E4A−Tig−Nの塩化ヘキサノリでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0095】
【表15】
【0096】
E4A−Tig−Nの塩化シンナモイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0097】
【表16】
【0098】
E4A−Tig−Nの塩化アンゲロイルでのエステル化および化合物のHPLCでの単
離によって、以下の化合物を得る:
【0099】
【表17】
【0100】
E4A−Tig−Nの2−エチルブチリルクロリドでのエステル化および化合物のHPLCでの単離によって、以下の化合物を得る:
【0101】
【表18】
【0102】
化合物(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)の塩化アシル、例えば塩化チグロイル、塩化アンゲロイル、塩化アセチル、塩化クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイルクロリド、塩化セネシオイル、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイルまたはエチルブチリルクロリドでのエステル化。化合物は、反応の時間または温度が変わると組成が変わる。ピーク、フラクションおよび化合物は、時間分析の活性およびピークの変化にしたがって選択される。強ないし弱活性を有する化合物が選択され、単離される。抗ガン活性は、骨(U2OS)、肺(H460)、膀胱(HTB−9)、卵巣(ES2)、結腸(HCT116)、膵臓(Capan)、卵巣(OVCAR3)、前立腺(DU145)、皮膚(SK−Mel−5)、口(KB)、腎臓(A498)、乳房(MCF−7)、肝臓(HepG2)、脳(T98G)、白血病(K562)、子宮頸部(HeLa)のMTT研究である。活性なエステル化生成物をHPLCで精製する。混合物の反応生成物および個々の化合物をMTT細胞毒性アッセイで試験する。方法の詳細は、本出願の実験3にある。化合物の第2エステル化を、前記実験結果から選択して、新規活性化合物を得ることができる。部分エステル化化合物を、前記実験から選択し、第2エステル化を実施するか、または本出願における実験で新規活性化合物を生成させるために、異なる塩化アシルでの第3エステル化を再度おこなう。
【0103】
方法は次のとおりである。1)コア化合物またはトリテルペンコア、ヒドロキシル化トリテルペンコアをピリジン中に溶解させる;2)塩化アシルを添加する;3)混合物を、5秒、1分、2分、5分、10分、30分、1時間、2時間、18時間、2日または3日を含む時間の長さで、異なる温度にて撹拌する;4)反応の最後で、酸もしくは弱塩基の水溶液、または水を反応混合物に添加する;5)溶液を次いで酢酸エチルで抽出し、凍結乾燥する;6)反応生成物を、トリフルオロ酢酸またはDMSOを含むアセトニトリル中に溶解させる;7)混合物の反応生成物および個々のフラクションをMTT細胞毒性アッセイで試験する;8)単離のためのHPLCフラクションの選択は、特定の反応時間で得られる反応生成物の細胞毒性活性にしたがう;10)活性なエステル化生成物をHPLCで精製する;11)生成物を集める;12)生成物を試験する;ここで、コア化合物はテルペン、イソプレン、またはトリテルペンコアもしくはヒドロキシル化トリテルペンコアである;ここで、コア化合物をピリジン中に溶解させた;ここで、塩化アシルは、塩化チグロイル、塩化アンゲロイル、塩化アセチル、塩化クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイルクロリド、塩化セネシオイル、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイルおよびエチルブチリルクロリドを含む;ここで、混合物の反応時間は、5秒、1分、2分、5分、10分、30分、1時間、2時間、18時間、2日または3日間撹拌する;ここで、温度は、0C、25C、50または75Cの温度である;ここで、HClをはじめとする酸またはNaHCO3をはじめとする塩基を、反応混合物に添加する;ここで、溶液を次いで酢酸エチルで3回抽出し、凍結乾燥する;ここで、反応生成物を80%アセトニトリル−0.005%トリフルオロ酢酸またはDMSO中に溶解させる;ここで、単離のためのHPLCフラクションの選択は、5秒、1分、2分、5分、10分、30分、1時間、2時間、18時間、2日または3日の反応時間で得られる反応生成物の細胞毒性活性にしたがう。一つの実施形態において、反応時間は、3日を超える可能性がある。一つの実施形態において、実験を0C未満で実施することができる。一つの実施形態において、実験は75Cを超えて実施することができる。
【0104】
Tig−R化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は4.5ug/mlであり、肺(H460)は4.8ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は2.5ug/mlであり、卵巣(ES2)は2.8ug/mlであり、結腸(HCT116)は5.2ug/mlであり、膵臓(Capan)は2.4ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は5.8であり、前立腺(DU145)は3.6ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は5.1ug/mlであり、口(KB)は3ug/mlであり、腎臓(A498)は3.5ug/mlであり、乳房(MCF−7)は4.5ug/mlであり、肝臓(HepG2)は6ug/mlであり、脳(T98G)は8ug/ml)であり、白血病(K562)は2ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は5ug/mlである。
【0105】
Tig−V化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は7ug/mlであり、肺(H460)は6.8ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は4ug/mlであり、卵巣(ES2)は2ug/mlであり、結腸(HCT116)は8ug/mlであり、膵臓(Capan)は5ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は9であり、前立腺(DU145)は4ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は6ug/mlであり、口(KB)は4.5ug/mlであり、腎臓(A498)は4.8ug/mlであり、乳房(MCF−7)は9ug/mlであり、肝臓(HepG2)は12ug/mlであり、脳(T98G)は14ug/ml)、白血病(K562)は4ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は7ug/mlである。
【0106】
Tig−N化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は15ug/mlであり、肺(H460)は13ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は7.5ug/mlであり、卵巣(ES2)は9ug/mlであり、結腸(HCT116)は15ug/mlであり、膵臓(Capan)は8ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は18であり、前立
腺(DU145)は4.8ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は15ug/mlであり、口(KB)は9ug/mlであり、腎臓(A498)は11ug/mlであり、乳房(MCF−7)は13ug/mlであり、肝臓(HepG2)は18ug/mlであり、脳(T98G)は19ug/ml)であり、白血病(K562)は6ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は15ug/mlである。
【0107】
Tig−Q化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は20ug/mlであり、肺(H460)は18ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は10ug/mlであり、卵巣(ES2)は12ug/mlであり、結腸(HCT116)は22ug/mlであり、膵臓(Capan)は9ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は23であり、前立腺(DU145)は15ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は20ug/mlであり、口(KB)は12ug/mlであり、腎臓(A498)は13ug/mlであり、乳房(MCF−7)は18ug/mlであり、肝臓(HepG2)は24ug/mlであり、脳(T98G)は29ug/ml)であり、白血病(K562)は6ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は20ug/mlである。
【0108】
Tig−T化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は20ug/mlであり、肺(H460)は21ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は12ug/mlであり、卵巣(ES2)は14ug/mlであり、結腸(HCT116)は23ug/mlであり、膵臓(Capan)は10ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は25であり、前立腺(DU145)は16ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は22ug/mlであり、口(KB)は13ug/mlであり、腎臓(A498)は15ug/mlであり、乳房(MCF−7)は20ug/mlであり、肝臓(HepG2)は26ug/mlであり、脳(T98G)は26ug/ml)であり、白血病(K562)は9ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は18ug/mlである。
【0109】
Tig−S化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は5.2ug/mlであり、肺(H460)は5.6ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は3.5ug/mlであり、卵巣(ES2)は4.2ug/mlであり、結腸(HCT116)は6.6ug/mlであり、膵臓(Capan)は2.9ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は6.5であり、前立腺(DU145)は4.3ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は5.8ug/mlであり、口(KB)は4ug/mlであり、腎臓(A498)は4.8ug/mlであり、乳房(MCF−7)は6.3ug/mlであり、肝臓(HepG2)は8.5ug/mlであり、脳(T98G)は9ug/ml)であり、白血病(K562)は4.3ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は7ug/mlである。
【0110】
Tig−U化合物の抗ガン活性:骨(U2OS)のIC50は23ug/mlであり、肺(H460)は19ug/mlであり、膀胱(HTB−9)は15ug/mlであり、卵巣(ES2)は17ug/mlであり、結腸(HCT116)は26ug/mlであり、膵臓(Capan)は9ug/mlであり、卵巣(OVCAR3)は27であり、前立腺(DU145)は15ug/mlであり、皮膚(SK−Mel−5)は24ug/mlであり、口(KB)は1 6ug/mlであり、腎臓(A498)は18ug/mlであり、乳房(MCF−7)は25ug/mlであり、肝臓(HepG2)は23ug/mlであり、脳(T98G)は22ug/ml)であり、白血病(K562)は10ug/mlであり、子宮頸部(HeLa)は17ug/mlである。
【0111】
本発明は、ガンを治療するため、ガン成長を阻害するため、ガン浸潤を阻害するため、ガン転移を阻害するため、細胞接着を調節するため、細胞付着を調節するための、医薬を製造するための化合物、方法、もしくは化合物の使用、または式(2A)から選択される医薬のための化合物の使用を提供し、次のものから選択される化合物を使用する:
【0112】
【化18】
【0113】
R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は、独立して、水素、ヒドロキシル、メチル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリル、CH3、CH2OH、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、アルカン、アルケンおよびその糖部分または誘導体からなる群から選択され;ここで、構造(2A)は、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルから選択される少なくとも2つの基を含む;またはR1およびR2は、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルから選択される;一つの実施形態において、R1およびR2はOHに結合する。一つの実施形態において、R4、R10は、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロ
イル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、またはCH2O−エチルブチリルに結合する。一つの実施形態において、R3およびR8は水素またはヒドロキシルである。一つの実施形態において、R9、R11、R12、R13、R14、R15は独立してメチルと結合しいている。一つの実施形態において、R4はCH3、CHO、CHR6またはCOR6を表し、ここで、R6は、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルおよびその誘導体から選択される;一つの実施形態において、R3はHまたはOHである;一つの実施形態において、R8は、HまたはOHである;一つの実施形態において、R16は、H、CH3、OHであるか、またはR4およびR16は一緒になって、−CH2−X−、CH(OH)−X−またはC(=O)−X−を形成する可能性があり、ここで、−X−はOまたはNHまたはSであり得る;トリテルペンの環3のC12〜13が二重結合を有する場合、R16は存在しない。一つの実施形態において、R10はCH3、CHO、またはCHR6を表し、ここでR6は、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルおよびその誘導体から選択される;
【0114】
一つの実施形態において、R5は水素、ヒドロキシル、複素環式またはO−糖部分(複数可)であり、ここで糖部分(複数可)は、グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、アルズロン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、およびそれらの誘導体または組み合わせからなる群から選択される;ここで、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は独立して、CH、CHOH、CHO、COOH、COO−アルキル、COO−アリール、COO−複素環式、COO−ヘテロアリール、CHOアリール、CHO−複素環式、CHO−ヘテロアリール、アルキル基、ヒドロキシル、アセチル基から選択される基に結合する;ここで、R4およびR16は、式CH2O、CH(OR7)O、またはCOOR7の二価ラジカルを形成し、式中、R7は水素、アルキル、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、ジベンゾイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、およびその誘導体である;ここで、R1、R2およびR6のうちの少なくとも2つは、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、およびその誘導体から選択される基に結合する;またはR1、R2、およびR4のうちの少なくとも1つは、アンゲロイル、アセチル、チグロイル、セネシオイル、クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、ベンゾイル、ジベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、およびそれ
らの誘導体からなる群から選択される少なくとも2つの基を有する糖部分である;または、R4はCHR6を表し、式中、R6は、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルおよびその誘導体から選択される;ここで、R5は、次の糖およびアルズロン酸から選択される糖部分(複数可)である:グルコース、ガラクトース、ラムノース、アラビノース、キシロース、フコース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、リキソース、マンノース、プシコース、リボース、ソルボース、タガトース、タロース、フルクトース、グルクロン酸、ガラクツロン酸;またはそれらの誘導体。一つの実施形態において、R5は、ヒドロキシル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルおよびその誘導体である。一つの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14またはR15は、1以上の糖部分を含む。一つの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14またはR15は、1以上の酸を含む。一つの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14およびR15のうちの少なくとも1、または2、または3、または4は、ヒドロキシルである。一つの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14およびR15のうちの少なくとも2、または3、または4、または5、または6、または7は独立して、O−アセチル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、アルカン、アルケンおよびその誘導体の群から選択される基に結合し、ここで、基は、直接または連結部分(複数可)によってトリテルペンに結合する;一つの実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、R8およびR10のうちの少なくとも1または2、または3、または4、または5、または6、または7は独立して、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリル、CH3、CH2OH、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロア
リール、O−アルケニルカルボニル、およびその誘導体の群から選択される基に結合し、ここで、基は、直接または連結部分(複数可)によってトリテルペンに結合される。一つの実施形態において、ガンは、乳ガン、白血球ガン、肝臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、骨ガン、脳ガン、白血病ガン、肺ガン、結腸ガン、CNSガン、黒色腫、腎臓ガン、子宮頸ガン、食道ガン、精巣ガン、脾臓ガン、腎臓ガン、リンパ腺ガン、膵臓ガン、胃ガンおよび甲状腺ガンを含み;ここで、細胞は、乳房細胞、白血球細胞、肝臓細胞、卵巣細胞、膀胱細胞、前立腺細胞、皮膚細胞、骨細胞、脳細胞、白血病細胞、肺細胞、結腸細胞、CNS細胞、黒色腫細胞、腎臓細胞、子宮頸部細胞、食道細胞、精巣細胞、脾臓細胞、腎臓細胞、リンパ細胞、膵臓細胞、胃細胞および甲状腺細胞を含む。
【0115】
一つの実施形態において、化合物は、構造:
【化19】
から選択される。
【0116】
R1、R2、R3、R4、R5、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15は独立して、CH3、CH2OH、水素、ヒドロキシル、メチル、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリル、CH2O−アルキル、CH2O−ジベンゾイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−アルカノイル、CH2O−アルケノイル、CH2O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、CH2O−アルカノイル置換フェニル、CH2O−アルケノイル置換フェニル、CH2O−アリール、CH2O−アシル、CH2O−複素環式、CH2O−ヘテロアリール、CH2O−アルケニルカルボニル、アルカン、アルケンおよびそれらの糖部分もしくは誘導体の群から選択される;または
R1、R2、R3、R4、R5、R8およびR10の任意の1もしくは2もしくは3もしくは4つは独立して、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O
−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリルに結合される;R9、R11、R12、R13、R14、R15は独立して、CH3に結合される;またはR10は、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリル、CH2O−アルキル、CH2O−ジベンゾイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−アルカノイル、CH2O−アルケノイル、CH2O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、CH2O−アルカノイル置換フェニル、CH2O−アルケノイル置換フェニル、CH2O−アリール、CH2O−アシル、CH2O−複素環式、CH2O−ヘテロアリール、CH2O−アルケニルカルボニルに結合される;またはR4およびR10は独立して、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニル、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリル、CH2O−アルキル、CH2O−ジベンゾイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−アルカノイル、CH2O−アルケノイル、CH2O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、CH2O−アルカノイル置換フェニル、CH2O−アルケノイル置換フェニル、CH2O−アリール、CH2O−アシル、CH2O−複素環式、CH2O−ヘテロアリール、CH2O−アルケニルカルボニルに結合される;R3は、OHもしくはHであるか、または存在しない;R1、R2、R3、R5、R8は、OHもしくはHであるか、または存在しない;R9、R11、R12、R13、R14、およびR15はCH3である;またはR1、R2、R5、R8はOHを表す;R3は、OH、Hを表すか、または存在しない;R4、R10はCH2Oアンゲロイルを表す;R9、R11、R12、R13、R14、R15はCH3を表す;あるいはR1、R2、R5、R8はOHまたはO−チグロイルを表す;R3はOH、Hを表すか、または存在しない;R4、R10はCH2Oチグロイルを表す;R9、R11、R12、R13、R14、R15はCH3を表す;ここで、アセチル、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、アルキル、ジベンゾイル、ベンゾイル、メチルブタノイル、メチルプロパノイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリールおよびアルケ
ニルカルボニルから選択されるコア化合物に結合する基は、交換可能である。それらは同じ基である可能性があるか、またはそれらの組み合わせである可能性がある。他の基(複数可)による前述の化合物における任意の基の置換、欠失および/または付加は、本出願の教唆に基づいて当業者には明らかになるであろう。さらなる実施形態において、本発明の化合物における基(複数可)の置換、欠失および/または付加は、化合物の生物学的機能に実質的に影響を及ぼさない。
【0117】
一つの実施形態において、化合物は以下の構造から選択される:
【0118】
【化20】
【0119】
【化21】
【0120】
【化22】
【0121】
【化23】
【0122】
【化24】
【0123】
【化25】
【0124】
【化26】
【0125】
【化27】
【0126】
【化28】
【0127】
有効量の前記式から選択される化合物またはその塩、エステル、代謝物もしくは誘導体を含む組成物は、ガン細胞の浸潤、遊走、転移を遮断するため、腫瘍またはガン細胞成長を阻害するため、およびガンを治療するための医薬として使用することができ、ここで、ガンは、乳ガン、白血球ガン、肝臓ガン、卵巣ガン、膀胱ガン、前立腺ガン、皮膚ガン、骨ガン、脳ガン、白血病ガン、肺ガン、結腸ガン、CNSガン、黒色腫、腎臓ガン、子宮頸ガン、食道ガン、精巣ガン、脾臓ガン、腎臓ガン、リンパ腺ガン、膵臓ガン、胃ガンおよび甲状腺ガンを含む。
【0128】
本発明は、ガンを治療するため;ウイルスを阻害するため;脳の老化を予防するため;記憶力を向上させるため;脳機能を改善するため;遺尿症、頻尿、尿失禁;認知症、アルツハイマー病、自閉症、脳外傷、パーキンソン病または脳機能不全に起因する他の疾患を治療するため;関節炎、リウマチ、血行不良、動脈硬化、レイノー症候群、狭心症、心疾患、冠動脈性心疾患、頭痛、眩暈、腎臓障害;脳血管疾患を治療するため;NF−カッパB活性化を阻害;脳浮腫、重症急性呼吸器症候群、呼吸器ウイルス疾患、慢性静脈不全、高血圧、慢性静脈疾患、浮腫、炎症、痔、末梢浮腫形成、拡張蛇行静脈疾患、インフルエンザ、外傷後浮腫および術後の腫脹を治療するため;血栓を阻害するため、エタノール吸収を阻害するため;血糖を下げるため;副腎皮質刺激ホルモンおよびコルチコステロンレベルを調節するための、本発明で提供される化合物を含む組成物を提供する。本発明は、抗MS、抗動脈瘤、抗喘息、抗浮腫、抗炎症、抗ブラジキニン、抗毛細血管出血、抗頭痛、抗頸腕痛、抗子癇、抗浮腫、抗脳炎、抗咽頭蓋炎、抗滲出、抗インフルエンザ、骨折治療、抗歯肉炎、抗血腫、抗ヘルペス、抗ヒスタミン、抗ヒドラスリティック、抗髄膜炎、抗酸化、抗歯周病、抗静脈炎、抗胸膜炎、抗嗄声、抗鼻炎、抗扁桃腺炎、抗潰瘍、抗静脈瘤、抗眩暈、ガン静止、コルチコステロイド産生、利尿、防かび、溶血、ヒアルロニダーゼ阻害剤、増リンパ物質、ナトリウム排泄増加、殺虫剤、脳下垂体刺激剤、チモール分解、血管保護、リーシュマニア症の阻害、ガン細胞の接着または血管形成の調節、駆虫;遺伝子:ANGPT2、DDIT3、LIFおよびNFKB1Zの発現の増大、ならびにアジュバント組成物および静脈緊張治療薬の製造のための組成物を提供する。
【0129】
アルケニルは、その中に1以上の二重結合がある式R2C=CR2を有する不飽和直線状または分枝構造およびそれらの組み合わせを意味する。アルケニル基の例としては、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、s−およびt−ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、ならびにヘキサジエニルが挙げられる。
【0130】
アリールは、ベンゼン、1〜3個のベンゼン環を含む6〜14員炭素環式芳香環系などの芳香族化合物由来の有機分子の官能基である。2以上の芳香環が存在するならば、環は一緒になって縮合し、したがって隣接する環は共通の結合を共有する。例としては、フェ
ニルおよびナフチルが挙げられる。アリール基は、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシから独立して選択される1以上の置換基で置換され得る。
【0131】
アシルは、カルボキシルの除去によって有機酸から得ることができる官能基である。アシル基は、一般式−CORを用いて表すことができ、炭素と酸素との間に二重結合がある。アシル基の名称は、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルおよびベンゾイルなど、典型的には語尾が−イルである。
【0132】
ベンゾイルは、カルボキシルの除去によって安息香酸から得られるアシル(CCOR)の一種である。
【0133】
複素環式化合物は、1〜4個のヘテロ原子を有する非芳香環である複素環式環を含有する化合物であり、前記環は、分離しているか、または0〜4個のヘテロ原子を含有する3〜7員脂環式環、アリールおよびヘテロアリールから選択される第2の環と縮合し、ここで、複素環式化合物には、ピロリジニル、ピピラジニル(pipyrazinyl)、モルホリニル、トラヒドロフラニル(trahydrofuranyl)、イミダゾリニル、チオモルホリニルなどが含まれる。
【0134】
ヘテロサイクリル基は、任意の環原子から水素原子を除去することによって、ヘテロアレーンから誘導される。
【0135】
アルカノイルは、有機官能基RCO−(式中、Rは水素またはアルキル基を表す)の一般名である。アルカノイルの例は、アセチル、プロピオノイル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイルおよびヘキサノイルである。
【0136】
アルケノイルは、アルケニルカルボニルであり、ここで、アルケニルは前記で定義される。例は、ペンテノイル(チグロイル)およびヘキセノイル(アンゲロイル)である。
【0137】
アルキルは、1〜18個の炭素原子を有する鎖状、分枝状、環状もしくは二環式構造またはそれらの組み合わせで配置された炭素および水素原子のみを含有するラジカルである。例としては、メチル、エチル、プロピルイソプロピル、ブチル、s−およびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
ベンゾイルアルキル置換アルカノイルは、少なくとも1つのベンゾイルおよび少なくとも1つのアルキルで置換された直鎖または分枝アルカノイルを指し、ここで、ベンゾイルが、直鎖または分枝アルキルに結合する。ベンゾイルアルキル置換アルカノイルの一例は、ベンゾイルメチルイソブタノイルである。
【0139】
糖部分は、1以上の糖またはその誘導体またはそのアルズロン酸を含む分子のセグメントである。
【0140】
イソブチリルは、2−メチルプロパノイルの同義語である。
【0141】
(Y)Y3、YおよびY3は、同じ化合物を表す。
【0142】
YMおよび(ACH−Y)は、同じ化合物を表す。
【0143】
連結部分は、官能基をコア化合物に連結する原子の下位構造または基である。例:アン
ゲロイル基は、糖部分によってトリテルペンコアに連結される。
トリテルペン、ヒドロキシル化トリテルペン、アセチル、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、アルキル、ジベンゾイル、ベンゾイル、メチルブタノイル、メチルプロパノイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、アルケニルカルボニル、塩化アセチル、塩化アンゲロイル、塩化チグロイル、塩化セネシオイル、塩化クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイルクロリド、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイル、エチルブチリルクロリドをはじめとする、本発明で使用されるビルディングブロック。
【0144】
【化29】
【0145】
本発明の実験では、無薬剤対照(DMSO)と比較して、15%以下の細胞成長(すなわち、対照の85%以上)を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。一つの実施形態において、無薬剤対照(DMSO)と比較して、10%以下の細胞成長(すなわち、対照の90%以上)を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。一つの実施形態において、無薬剤対照(DMSO)と比較して、5%以下の細胞成長(すなわち、対照の95%以上)を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。一つの実施形態において、無薬剤対照(DMSO)と比較して、20%以下の細胞成長(すなわち、対照の80%以上)を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。一つの実施形態において、無薬剤対照(DMSO)と比較して、25%以下の細胞成長(すなわち、対照の75%以上)を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。一つの実施形態において、無薬剤対照(DMSO)と比較して、30%以下の細胞成長を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。一つの実施形態において、無薬剤対照(DMSO)と比較して、45%以下の細胞成長を阻害する薬剤濃度を、非細胞毒性濃度とみなす。
【0146】
本発明から選択されるトリテルペン化合物(複数可)を、それを必要とする対象に投与
することができ、ガンの予防、または対象に対するアジュバント効果の提供、またはガンの開始もしくは促進の阻害、またはガン/腫瘍細胞の殺滅、またはガン細胞浸潤の阻害など、対象を治療することができる。一つの実施形態において、化合物は、局在化を阻害するか、またはDNAと結合する、核因子−kBの活性化を阻害する。一つの実施形態において、化合物は、ガン細胞においてアポトーシスを誘導する。
【0147】
表1〜12、YおよびYMの遺伝子発現に対する効果(2008年2月15日に出願されたPCT/US2008/002086、1188−ALA−PCTの表1〜12は、参照によって本明細書中に組み込まれる) 表13〜19、YおよびYMの遺伝子発現に対する効果(2008年2月15日に出願されたPCT/US2009/034115、1188−D−PCTの表13〜19は、参照によって本明細書中に組み込まれる)
【0148】
リアルタイムPCR法(Brilliant QPCR、Agilent Technologies)による遺伝子発現の測定:リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は、ミクロアレイ分析から得られた結果をさらに確認する。リアルタイムPCR結果(後述)は、化合物Y3およびYMが遺伝子:ANGPT2、DDIT3、LIFおよびNFKB1Zの発現を増大させることを確認した(ここで、2009年2月13日に出願されたPCT/US09/34115で開示されている表19〜21中の結果は、参照によって本明細書中に組み込まれる)。
【0149】
サポニンは部分的に加水分解されて、生成物の混合物を得、これはHPLCによって分離することができる。サポニンの特定の部分加水分解は、酵素を用いておこなうこともできる。グリコシダーゼは、グリコシド結合の加水分解を触媒する。ガラクトシダーゼは、ガラクトシドの加水分解を触媒する酵素である。グルコシダーゼは、サポニンからグルコースを分解する酵素である。他の酵素の例は、キシラナーゼ、ラクターゼ、アミラーゼ、キチナーゼ、スクラーゼ、マルターゼ、およびノイラミニダーゼである。
【0150】
トリテルペノイドサポニン(例:Xanifolia Y)の糖部分は、酸加水分解によって除去することができる。ACH−Yの合成化合物が得られる。ACH−Yは、アシル基を有するが、糖部分のないトリテルペンである。サポニン(例えば、Xanifolia Y)のアシル基は、アルカリ加水分解によって除去することができる。合成化合物AKOH−Yを得ることができる。AKOH−Yは、糖部分を有する5環性トリテルペンである。5環性トリテルペンは、天然源由来のサポニンの酸およびアルカリ加水分解によって得ることができる。5環性トリテルペンは、合成方法によって得ることができる(参考文献:Surendraら、Rapid and Enantioselective
Synthetic Approches to Germanicol and Other Pentacyclic Triterpenes,Journal of the American Chemical Society,2008,130(27)、8865−8869)。糖部分を有する5環性トリテルペンもまた、合成によって得ることができる(参考文献:Pieら、Synthesis of L−arabinopyranose containing hederagenin saponins,Tetrahedron 61(2005)4347−4362)。アシル化は、化合物にアシル基を付加するプロセスである。フリーデル・クラフツ反応は、このプロセスの一例である。活性化合物は、5環性トリテルペン、またはヒドロキシル化トリテルペンをアシル化することによって得ることができる。一つの実施形態において、5環性トリテルペン、またはヒドロキシル化トリテルペンのC24、C28、C21およびC22のアシル化によって、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤、ガン細胞浸潤、細胞付着・接着、または細胞循環を阻害するための化合物が生成される。一つの実施形態において、アシル基(複数可)はC3であり得る。一つの実施形態において、糖部分は、C21、22、または28であり、ここで、糖部分は、2つのアシル基と結合している。一つの実施形態におい
て、(A)、(B)、(C)、(D)、(F)、(G)、(H)の化合物をアシル化して、ガン浸潤、細胞浸潤もしくはガン細胞浸潤;ガン転移;またはガン成長を阻害するための化合物を生成させる。本出願におけるビルディングブロックを用いて、活性なサポニンを合成する。
【0151】
化合物(G)をアンゲロイルまたはチグロイル基でアシル化して、次の化合物
【0152】
【化30】
【0153】
(式中、R1、R2、R5、R8は、OHもしくはO−アンゲロイルを表す;R3は、OH、HもしくはO−アンゲロイルを表す;R4、R10は、CH3、CH2OHもしくはCH2Oアンゲロイルを表す;R3は、OH、HもしくはO−アンゲロイルを表す;R9、R11、R12、R13、R14、R15は、CH3を表す;またはR1、R2、R5、R8は、OHもしくはO−チグロイルを表す;R3は、OH、HもしくはO−チグロイルを表す;R4、R10は、CH3、CH2OHもしくはCH2Oチグロイルを表す;R9、R11、R12、R13、R14、R15は、CH3を表す)を得、ここで、この化合物は、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害する。
化合物(G)を、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、アセチル、クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、ベンゾイル、エチルブチリル、アルキル、ジベンゾイル、ベンゾイル、アルカノイル、アルケノイル、ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、アルカノイル置換フェニル、アルケノイル置換フェニル、アリール、アシル、複素環式、ヘテロアリール、CH2O−アルケニルカルボニル、アルカン、アルケンでアシル化して、化合物(K)を得、ここで、R1、R2、R5、R8は、OH、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルを表す;R4、R10は、CH3、CH2OH、CH2O−アンゲロイル、CH2O−チグロイル、CH2O−セネシオイル、CH2O−アセチル、CH2O−クロトノイル、CH2O−3,3−ジメチルアルチロイル、CH2O−シンナモイル、CH2O−ペンテノイル、CH2O−ヘキサノイル、CH2O−ベンゾイル、CH2O−エチルブチリル、CH2O−アルキル、CH2O−ジベンゾイル、CH2O−ベ
ンゾイル、CH2O−アルカノイル、CH2O−アルケノイル、CH2O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、CH2O−アルカノイル置換フェニル、CH2O−アルケノイル置換フェニル、CH2O−アリール、CH2O−アシル、CH2O−複素環式、CH2O−ヘテロアリール、CH2O−アルケニルカルボニル、アルカン、アルケンを表す;R3は存在しないか、またはOH、H、O−アンゲロイル、O−チグロイル、O−セネシオイル、O−アセチル、O−クロトノイル、O−3,3−ジメチルアルチロイル、O−シンナモイル、O−ペンテノイル、O−ヘキサノイル、O−ベンゾイル、O−エチルブチリル、O−アルキル、O−ジベンゾイル、O−ベンゾイル、O−アルカノイル、O−アルケノイル、O−ベンゾイルアルキル置換O−アルカノイル、O−アルカノイル置換フェニル、O−アルケノイル置換フェニル、O−アリール、O−アシル、O−複素環式、O−ヘテロアリール、O−アルケニルカルボニルを表す;ここで、R9、R11、R12、R13、R14、R15は、CH3を表す;ここで、化合物は、ガン成長、ガン浸潤、細胞浸潤またはガン細胞浸潤を阻害する;ここで、接着タンパク質またはアンジオポエチンのメディエータまたは阻害剤として使用するための化合物;ここで、化合物は、細胞付着、細胞接着または細胞循環を阻害するためにフィブロネクチンを還元することを含む接着タンパク質の分泌、発現、または合成を調節するメディエータとして使用する;ここで、接着タンパク質は、フィブロネクチン、インテグリンファミリー、ミオシン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ポリグリカン、カドヘリン、ヘパリン、テネイシン、CD54、およびCAMを含む;化合物は、抗接着療法のために使用し、療法のために接着分子を標的とする。
【0154】
本出願者らは、抗接着療法および療法のための接着分子の標的化は、薬剤開発のための新しい方向であることをさらに記載する。臨床試験における抗接着剤の数例は、Efalizumab、Odulimomab、Alicaforsen、Aselizumabなどであり、これらの標的は接着タンパク質を変える。TEXT BOOK,Adhesion Molecules:Function and Inhibition,(Reference 2),edited by Klaus Ley page 289−291,297を参照されたい。
【0155】
炎症性疾患における接着分子、(参考文献4)、Abstract,line 7−8
“Blockade of the function of expression
of CAM has emerged as a new therapeutic
target in inflammatory diseases”。本出願者らの発明は、化合物の接着タンパク質およびアンジオポエチンのメディエータまたは阻害剤としての新規使用である抗接着療法である。これは、過剰な接着を阻害し、細胞付着を阻害する。
【0156】
本出願において、出願者らは、抗接着療法のための構造(2A)から選択される化合物を、接着タンパク質およびアンジオポエチン、ならびに細胞付着、および細胞接着の調節のメディエータまたは阻害剤として使用した。
【実施例】
【0157】
実験の詳細
薬草抽出、HPLCによる抽出物成分の分析、MTTアッセイを用いた異なるヒト器官由来の細胞でのXanifolia Yによる細胞成長活性の測定、植物抽出物からの生物活性成分の精製、FPLCでの植物抽出物の分別、分取HPLCでの成分Yの単離、化学構造の決定、細胞実験および動物実験の実験詳細は、PCT/US05/31900、米国特許出願第11/289142号、米国特許出願第10/906303号、米国特許出願第11/131551号および2007年3月7日に出願された米国特許出願第11/683198号、2007年8月30日に出願されたPCT/US2007/0772
73、2007年2月16日に出願された米国特許出願第60/890380号、2007年7月3日に出願された米国特許出願第60/947,705号、2008年2月15日に出願されたPCT/US2008/002086、1188−ALA−PCT、2009年2月13日に出願された出願番号第PCT/US09/34115号で開示されており、その内容は、参照によって本明細書中に組み込まれる。2008年2月15日に出願されたPCT/US2008/002086、1188−ALA−PCTの実験1〜23は、参照によって本明細書中に組み込まれる。
【0158】
実験1:酸加水分解によるサポニンからの糖部分の除去
15mgのサポニンを1mlのメタノール中に溶解させた。1mlの2N HClを次いで添加した。混合物を80Cの水浴中で5時間還流させた。溶液を次いで、2mlの1N NaOHを添加することによって中和した(最終pH4〜6まで)。次いで、アグリコンを酢酸エチル3ml×2で抽出した。抽出物を集め、プールした。アグリコン(糖を除去したサポニン)のさらなる単離は、80〜100%アセトニトリルの定組成溶離でのHPLCによって達成された。
【0159】
実験2:アルカリ加水分解によるアシル基の除去
方法:20mgのサポニンを0.5mlの1N NaOH中に溶解させた。溶液を80Cの水浴中で4時間インキュベートした。室温まで冷却した後、0.5mlの1N HClで中和した(pHを約3に調節)。混合物を2mlの1−ブタノールで3回抽出した。ブタノールフラクションを集め、凍結乾燥した。加水分解されたサポニンをC−18カラム中HPLCでさらに精製し、25%アセトニトリルで溶出させた。
【0160】
実験3:エステル化によるトリテルペンへのアシル基の付加
方法:40mgのトリテルペンコア(フラクションIV)を50mlの試験管中、1mlのピリジン中に溶解させた。0.2mlの塩化アシル(塩化チグロイル、塩化アンゲロイル、塩化アセチル、塩化クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイルクロリド(塩化セネシオイル)、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイルまたはエチルブチリルクロリド)を添加することによって、反応を開始する。混合物を5秒、1分、2分、5分、10分、30分、1時間、2時間、18時間、2日または3日間、0C、25Cまたは75Cの温度で撹拌する。反応の最後に、5mlの2N HClまたは1M NaHCO3を反応混合物に添加する。溶液を次いで10mlの酢酸エチルで3回抽出し、これを次いで真空下、45Cにて蒸発させ、凍結乾燥する。反応生成物を80%アセトニトリル−0.005%トリフルオロ酢酸またはDMSO中に溶解させ;HPLCで分離した。単離のためのHPLCフラクションの選択は、特定の反応時間で得られる反応生成物の細胞毒性活性にしたがう。活性なエステル化生成物をHPLCで精製する。混合物の反応生成物および個々の化合物を、MTT細胞毒性アッセイで試験する。例えば、図1〜12を参照のこと。
【0161】
実験4:E4Aの調製
1.1M NaOH(20mg/ml)中に溶解させたベータ−Escinを70Cで5時間インキュベートした。
2.加水分解された溶液をHClで中和し、水を凍結乾燥によって蒸発させた。
3.生成物を50%メタノールおよび1N HCl中に溶解させた。混合物を70Cで5時間インキュベートした。
4.溶液をNaOHで中和した。
5.加水分解生成物を酢酸エチルで抽出し、酢酸エチルを次に蒸発によって除去した。
6.加水分解生成物(E4A)のさらなる精製は、1ml/分の流速にて70%アセトニトリル/TFAで平衡化させたC18カラム中FPLCクロマトグラフィーで保管した。
【0162】
実験5:E4Aの塩化チグロイルでのエステル化
1.1mlのピリジン中50mgのE4Aを50mlの試験管中でおだやかに撹拌する。200ulの塩化チグロイルを添加することによって、25Cでエステル化を実施した。
2.1分間撹拌し;次いで直ちに5mlの2N HClを添加する。
3.1時間撹拌し、室温で一晩静置する。
4.エステル化生成物を10mlの酢酸エチルで抽出する。
5.酢酸エチルを蒸発させる。
6.試料を1mlのDMSOで溶解させる。
7.反応生成物をHPLCで分別する。
8.試料を集める。
【0163】
実験6:E4A−Tig活性化合物のHPLCでの単離
1.カラム:ZORBAX ODS 9.4×250mm、5um
2.溶媒:A:45%AN/TFA;B:100%AN/TFA
3.クロマトグラフィー条件:a)溶出:80分で溶媒Aから溶媒B;次いで溶媒Bで40分間;b)流速:1ml/分。c)モニターOD:207nm;
【0164】
実験7:MTT実験
細胞。HTB−9(膀胱)、HeLa−S3(子宮頸部)、DU145(前立腺)、H460(肺)、MCF−7(乳房)、K562(白血病)、HCT116(結腸)、HepG2(肝臓)、U2OS(骨)、T98G(脳)、SK−MEL−5(皮膚)およびOVCAR3、ES2(卵巣)、膵臓(Capan)、口(KB)、腎臓(A498)。
【0165】
MTTアッセイ。
MTTアッセイの手順は、Carmichaelら(1987)によって記載されている方法に変更を加えたものにしたがった。細胞を96ウェルプレート中に24時間蒔いた後、薬剤処理した。次いで、細胞を薬剤に、48、72、または96時間曝露した。薬剤処理後、MTT(0.5mg/ml)を培養物に添加し、1時間インキュベートした。形成されたホルマザン(生存細胞によるテトラゾリウムの還元生成物)をDMSOで溶解させ、490nmでのO.D.をELISAリーダーによって測定した。薬剤処理前の細胞のMTTレベルも測定した(T0)。%細胞成長(%G)を:%G=(TD−T0/TC−T0)×100(1)(式中、TCまたはTDは、対照または薬剤処理された細胞のO.D.読みを表す)として計算する。T0>TDである場合、対照の%として表される細胞毒性(LC)を:%LC=(TD−T0/T0)×100(2)として計算する。
【0166】
実験8:E4A−Tig−Rの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Rの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでのエステル化;3.E4A−Tig−RのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造決定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
図23〜30を参照のこと。
表1を参照のこと。
【0167】
化合物E4A−Tig−R
24,28−O−チグロイル−3β,16α,21β,22α,24β,28−ヘキサヒドロキシオレアン−12−エン
【化31】
【0168】
実験9:E4A−Tig−Nの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Rの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでのエステル化;3.E4A−Tig−NのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造決定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0169】
【化32】
【0170】
実験10:E4A−Tig−Qの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Rの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでの
エステル化;3.E4A−Tig−QのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造決定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0171】
【化33】
【0172】
実験11:E4A−Tig−Vの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Vの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでのエステル化;3.E4A−Tig−VのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造測定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0173】
【化34】
【0174】
実験12:E4A−Tig−Tの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Tの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでのエステル化;3.E4A−Tig−TのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造測定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0175】
【化35】
【0176】
実験13:E4A−Tig−Uの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Sの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでのエステル化;3.E4A−Tig−SのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造測定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0177】
【化36】
【0178】
実験14:E4A−Tig−Sの化学合成、単離および特性化
E4A−Tig−Sの化学合成:1.E4Aの調製;2.E4Aの塩化チグロイルでのエステル化;3.E4A−Tig−SのHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造測定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0179】
【化37】
【0180】
実験15:実験8における方法を用いて、E4Aをアセチル、アンゲロイル、チグロイル、セネシオイル、クロトノイル、シンナモイル、ペンテノイル、ヘキサノイル、エチルブチリルでエステル化して、次の化合物を得た
【0181】
【化38】
【0182】
【化39】
【0183】
【化40】
【0184】
【化41】
【0185】
【化42】
【0186】
【化43】
【0187】
【化44】
【0188】
実験16:E4A−Tig−Nの塩化セネシオイルでのエステル化
E4A−Tig−Sen−1の化学合成:1.E4A−Tig−Nの塩化セネシオイルでのエステル化;3.E4A−Tig−Sen−1のHPLCでの単離
細胞毒性活性測定:1.MTTアッセイ
化学構造測定:1.NMR分析;2.質量スペクトル分析
【0189】
【化45】
【0190】
実験17:E4A−Tig−Nの塩化アンゲロイル、塩化アセチル、塩化クロトノイル、3,3−ジメチルアルチロイルクロリド、塩化セネシオイル、塩化シンナモイル、塩化ペンテノイル、塩化ヘキサノイル、塩化ベンゾイルまたはエチルブチリルクロリドでのエステル化;HPLCでの単離;細胞毒性活性測定;実験8の方法での化学構造測定によって、次の化合物を得た:
【0191】
【化46】
【0192】
実験18:細胞接着の阻害。
方法および結果。ES2またはHey8A細胞を、E4A−Tig−R、E4A−Tig−V、E4A−Tig−S、E4A−Tig−N、E4A−Tig−Q、E4A−Tig−Tを含む構造(2A)から選択される5ug/mlの化合物を含有する培地を含むT25フラスコ中に蒔いた。培養物を5時間インキュベートした。付着した細胞をトリプシン処理によってフラスコから除去し、量を計数した。無薬剤対照と比較して、80±4%のES2細胞および60±4%のHey8A細胞が、この条件下でフラスコに付着しているのが見出された。5ug/mlの前記化合物で、トリパンブルー排除アッセイによって、そして試験化合物を含まない培地中に蒔いた場合、フラスコにそれらが再付着する可能性によって測定して、90%を超える付着していない細胞が生存している。しかし、10ug/mlの試験化合物で、フラスコに付着した細胞の40%未満およびそれらの多くは死んだ細胞である。この実験は、試験化合物が細胞接着プロセスを阻害することを示す。
【0193】
実験19:フィブロネクチン分泌実験
本発明における化合物で処理および未処理の細胞中の特定の化合物を検出するための方法として、ウェスタンブロットを本発明において適用し、ここで、細胞は、膀胱、子宮頸部、前立腺、肺、乳房、白血病、結腸、肝臓、骨、脳、皮膚、卵巣、膵臓(Capan)、口(KB)、腎臓である。
【0194】
細胞:標的細胞をRPMI1640培地中で成長させた。150万の細胞をT25フラ
スコ中に蒔き、24時間成長させた後、薬剤処理した。
【0195】
薬剤処理:細胞培養物を、2.5ulのDMSO(対照として)[D];または10、20、30、40、80ug/mlの試験化合物のいずれかを含有する新鮮なRPMI培地で置換した。
【0196】
24時間後、培養培地のアリコートを、フィブロネクチン測定(ウェスタンブロット法)のために取り出した。
【0197】
24時間での細胞の生存をMTTアッセイによって測定した。培養物を、MTTを含むRPMI培地(5ml)で置換し、1時間インキュベートした。ホルマザンの形成物を10mlのDMSO中に溶解させ、570nmでのODを測定した(MTT単位)。
【0198】
ウェスタンブロット:使用済培養培地(spent culture medium)をSDS試料緩衝液と混合し、3分間沸騰させた後、SDSゲルにロードした。試料を6〜10%SDSゲルに適用し、電気泳動を100ボルトで2時間実施した。タンパク質を電気泳動法でニトロセルロース膜に移した。ニトロセルロースブロットを一次抗体および二次抗体(AP conjugated,Promega S3721)とともにインキュベートした。免疫バンドをBCIP/NBT発色系で展開させた。
【0199】
ウェスタンバンド強度の測定:ウェスタンブロットのバンド画像をデジタルカメラで取り込み、「Image J」ソフトウェアを用いてバンドの強度を測定した。
【0200】
結果は、E4A−Tig−R、E4A−Tig−V、E4A−Tig−S、E4A−Tig−N、E4A−Tig−Q、E4A−Tig−Tの化合物が、膀胱、子宮頸部、前立腺、肺、乳房、白血病、結腸、肝臓、骨、脳、皮膚、卵巣、膵臓(Capan)、口(KB)、腎臓でのフィブロネクチン分泌を20〜40%阻害することを示す。
【0201】
【表19】
【0202】
【表20】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
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図21
図22
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図26
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図30
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